【実施例】
【0042】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0043】
本実施例は、基体部5にスライドガイド部1を対向状態に並設し、この対向するスライドガイド部1間に複数のスライド体2をスライド自在に架設し、このスライド体2に収納袋3の開口縁部を係止する袋係止部4を設けて、隣り合う二体の前記スライド体2の夫々の袋係止部4に収納袋3の対向する開口縁部を係止してこのスライド体2間に収納袋3を開口状態に付設し得るように構成すると共に、この隣り合う二体のスライド体2の一方または双方をスライドさせて収納袋3の開口部の開口幅を調整自在に構成した収納袋付設体である。
【0044】
また、本実施例は、上述した収納袋付設体に移動手段を設けて、ワゴン型の収納袋付設体に構成したものである。
【0045】
本実施例について具体的に説明すると、基体部5は、金属製の棒状体をコ字型に折曲し、このコ字型棒状体の下方側となる開口部側に横杆を架設して方形状の側方フレーム部11を形成し、この側方フレーム部11を所定の間隔で対向状態に配し、この対向する側方フレーム部11間に帯状底板部12を複数架設し、この帯状底板部12に移動手段としてキャスター13を付設して、この基体部5を移動自在に設けた構成としている。
【0046】
また更に、この基体部5の正面側、背面側、左右側面及び底面の夫々にこの基体部の剛性を高めるための補強杆部が対向状態に設けた側方フレーム部11間に架設した構成としている。
【0047】
尚、本実施例では、移動手段のキャスター13を帯状底板部12に付設した構成としているが、側方フレーム部11の縦杆の底部に設けた構成としても良い。また、このキャスター13を着脱自在に設けた構成とし、基体部5からキャスター13を外してワゴン型でなく、据え置き型の収納袋付設体に構成しても良い。
【0048】
また、スライドガイド部1は金属製の断面円形の円棒状体であり、これを上述のように構成した収納袋3を収納する基体部5に対向状態に並設した構成とし、具体的には、基体部5の正面側上部と背面側上部に水平対向状態で左右の側方フレーム部11間に架設した構成としている。
【0049】
尚、スライドガイド部1の形状は上述した断面円形状に限らず、角型形状や楕円形状などでも良く、本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0050】
また、このスライドガイド部1間に複数架設するスライド体2は、このスライドガイド部1にスライド自在に架設した構成とし、このスライド体2をスライドガイド部1に複数架設し、隣り合う二体のスライド体2同士を一組として袋付設部6を構成し、この袋付設部6に収納袋3を着脱自在に付設し得る構成としている。
【0051】
本実施例では、この袋付設部6を複数設けた構成とし、例えば、この複数の袋付設部6に収納袋3を夫々付設して分別収納袋群を構成し、本実施例の収納袋付設体を、資源ゴミを種類毎に分別回収する資源ゴミ分別回収体として構成しても良い。
【0052】
この袋付設部6を構成するスライド体2は、本体部2aとスライドガイド係合部2bとからなり、具体的には、本体部2aを、板面方向を上下方向とした金属製の帯板状に形成し、この本体部2aの両端部にスライドガイド部1に係合するスライドガイド係合部2bを設けた構成としている。
【0053】
また、このスライド体2の本体部2aの上面には、本体部2aの基端部から先端部に掛けて凹条溝部9を設けた構成とし、この凹条溝部9は、具体的にはV字形状に形成している。尚、この凹条溝部9は、上述したV字形状に限った構成とするものではなく、例えば、W字形状やU字形状などでも良く、本実施例の特性が発揮できる形状であれば適宜採用するものとする。
【0054】
また、本体部2aの端部に設けられるスライドガイド係合部2bは、スライドガイド部1と係合してスライド体2をスライドガイド部1にスライド自在に設けることができるスライド機構以外に、このスライド自在に設けたスライド体2のスライドをロックするスライドロック機構の二つの機能を設けた構成としている。
【0055】
具体的には、スライドガイド係合部2bの側面部にスライドガイド部1に挿通する挿通孔14を設け、この挿通孔14は径の異なる二種類の孔を上下二段に連通状態に設けた構成とし、上段側の上段側挿通孔14aはスライドガイド部1の径よりもやや小径となる孔に形成し、下段側の下段側挿通孔14bはスライドガイド部1の径よりも大きい径となる孔に形成している。
【0056】
更にこの上段側挿通孔14aと下段側挿通孔14bの境界部を内側に稍突出した形状とし、この挿通孔14を正面視略雪ダルマ型に形成し、スライドガイド部1を上段側挿通孔14aに圧入することでスライド体2をスライドロック状態にし、スライドガイド部1を下段側挿通孔14bに移動させることでスライドガイド部1と下段側挿通孔14bとの間に隙間ができスライド体2はスライドガイド部1に対してスライド自在となる構成としている。
【0057】
即ち、本実施例のスライドロック機構は、スライド体2を下方に押し込むことで、スライドガイド部1がスライドガイド係合部2bに設けた挿通孔14の上段側挿通孔14aに圧入され、この上段側挿通孔14aはスライドガイド部1の径よりも小径であるため、この上段側挿通孔14aがスライドガイド部1を押圧係止することでスライド体2をスライドガイド部1に対してスライド不能な状態にし、このスライド不能状態、即ちスライドロック状態を解除するには、スライド体2を上方に引き上げることで、スライドガイド部1が下段側挿通孔14bに移動し、スライドロックが解除されスライド自在な状態となるように構成している。
【0058】
また、このスライドガイド係合部2bは、底面部2cを着脱自在に設けた構成としており、このスライドガイド係合部2bの底面部2cを取り外すことで、挿通孔14が外部と貫通状態となるので、スライド体2をスライドガイド部1から取り外すことができ、即ち、本実施例のスライド体2はスライドガイド部1に着脱自在に設けた構成となっている。
【0059】
このスライドガイド係合部2bの底面部2cは、側方にスライドさせることで容易に取り外すことができるので、スライド体2のスライドガイド部1に対する着脱も容易にできることとなる。
【0060】
また、このスライド体2のスライドガイド係合部2bは、収納袋3の開口縁部を係止する袋係止部4を設けた構成としている。
【0061】
この袋係止部4は、上述した帯板状のスライド体2の本体部2aと被嵌する凹部8を設け、スライド体2の本体部2aの上面に収納袋3の開口縁部を配した状態でこの袋係止部4を上方から被嵌してこの収納袋3の開口縁部を折れ曲がり状態で挟持係止するように構成している。
【0062】
具体的には、この袋係止部4は、スライド体2のスライドガイド係合部2bに枢着し起伏回動自在に設けた構成とし、この袋係止部4の先端部に操作部15を突設し、この袋係止部4を起伏回動する際にこの先端部に設けた操作部15を指で挟持して、若しくは、指先を引っ掛けて操作する構成としている。
【0063】
具体的には、この操作部15は、袋係止部4の先端部の上部に上方に向って突出し、更に先端側に湾曲させて湾曲部15aを設けた形状に形成し、この湾曲部15aに指を係止させて引っ掛け操作したり、操作部15を指で摘まんで摘まみ操作する構成としている。
【0064】
また、この袋係止部4の長さは、スライド体2の半分より稍短い長さに設定して、スライド体2の両端部に夫々、外方に向って起伏回動自在に設けた構成としている。
【0065】
また、この袋係止部4は、上述したように帯板状の本体部2aに上方から被嵌し得る凹部8を設けた構成としているが、この凹部8の幅、及び厚みは、スライド体2の本体部2aの幅、高さ寸法と略同等の寸法に設定し、本体部2aに被嵌した際に、この本体部2aの全体を略隙間なく被嵌するように構成している。
【0066】
また、更に、スライド体2の本体部2aに被嵌する袋係止部4の凹部8は、本体部2aの上面と係合する底面部に、前述した本体部2aの上面に設けたV字状の凹条溝部9と略合致嵌合する逆V字状の凸条部10を設けた構成とし、この袋係止部4の凹部8の底面部に設けた凸状部10と、前述したスライド体2の本体部2aの上面に設けた凹条溝部9とが合致嵌合することでこの凹条溝部9と凸条部10との間に配した収納袋3の開口縁部をより強固に挟持係止する滑り落ち防止機構を成す構成としている。
【0067】
この滑り落ち防止機構は、凹条溝部9と凸条部10との形状をV字形状にし、単に平面と平面との凹凸嵌合ではなく、点接触による凹凸嵌合としたことで、収納袋3の開口縁部を圧接状態で強固に挟持係止するので、単に平面と平面との凹凸嵌合による挟持係止よりも、より一層強固に挟持係止され、収納袋3の滑り落ちを可及的に低減することができる。
【0068】
尚、本実施例では、袋係止部4の長さをスライド体2の長さの半分以下の長さに設定してスライド体2の両端部に夫々設けた構成としているが、袋係止部4の長さをスライド体2と略同等の長さに設定し、スライド体2の一端にのみ設ける構成としても良い。
【0069】
このように構成した本実施例の作用効果を以下に説明する。尚、本実施例に付設する収納袋3は、開口縁部を上述したスライド体2と袋係止部4とで挟持係止し架設状態に付設し得る収納袋3であれば特に限定するものではないが、本実施例では、従来から良く利用されている、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで買い物をした際に品物を入れてもらうレジ袋を収納袋3として付設する場合での作用効果を説明する。
【0070】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで買い物をした際に品物を入れてもらうレジ袋には大きさの種類が幾つかあり、購入した品物の大きさや量に応じて適切な大きさの収納袋3が選ばれる。従って、収納袋3は常に同じ大きさのものが付設するとは限らず、収納袋3の大きさによって開口部の開口幅を調整する必要がある。
【0071】
本実施例に収納袋3を付設する際は、付設する収納袋3の大きさ、即ち、開口部の開口幅に合わせて、袋付設部6を構成する隣り合う二体のスライド体2の間隔を調整する。即ち、収納袋3の開口縁部がこのスライド体2間に架設状態に付設し得る間隔にスライド体2の位置をスライドさせて調整する。
【0072】
そして、スライド体2に設けた袋係止部4を、このスライド体2に被嵌している状態から操作部15を指先で操作し上方に回動させて起立状態にし、スライド体2の本体部2aの上面に収納袋3の開口縁部を配した状態で、袋係止部4を下方に回動させてスライド体2に被嵌させる。
【0073】
これにより、収納袋3の開口縁部は、帯板状のスライド体2の本体部2aと袋係止部4の凹部8とで折り曲がり状態に挟持係止され、更に、本体部2aの凹条溝部9と袋係止部4の凹部8の凸条部10とで構成する滑り落ち防止機構によって、更に圧接状態で挟持係止された状態になる。
【0074】
このようにして収納袋3の対向する開口縁部を夫々スライド体2に袋係止部4で係止しこの収納袋3をスライド体2間に架設状態で吊下げ支持されるように付設する。
【0075】
また、収納袋3をスライド体2に付設した後で、必要に応じて、スライド体2をスライドさせて収納袋3の開口部の開口幅を所望の開口幅に調整しても良い。
【0076】
上述したように、本実施例に収納袋3を付設する際には、従来のように収納袋3の持ち手部7を引っ掛け係止して吊下げ状態に支持するように付設するのではなく、スライド体2と袋係止部4とで収納袋3の開口縁部を挟持係止してスライド体2に吊下げ状態に支持するように付設し得る構成としている。
【0077】
即ち、本実施例は、持ち手部6以外の対向する開口縁部、具体的には、従来、吊下げ状態にした際に邪魔になっていたひらひらした結び部16が設けられている開口縁部を挟持係止することで、収納袋3の開口部にはひらひらとして邪魔になる結び部が突出しないので、収納袋3の中に収納物が入れ易くなり、また、汚れたものを入れる場合にも、この結び部16に汚れが付着せず、収納袋3を清潔に保つことができ、衛生的な収納袋付設体とすることができる実用性に優れた収納袋付設体となる。
【0078】
また、本実施例のスライド体2はスライドガイド部1にスライド自在に設けた構成としたので、上述したように収納袋3の開口部の開口幅を自在に調整できるので、例えば収納袋3内の収納物の収納量が少ないときは、開口部の開口幅を狭めに調整して他の収納袋3を並べて付設するスペースを設けることができ、収納袋3の中に収納物を入れてゆき、収納袋3内の収納物の収納量が多くなり収納袋3自体が大きくなってきたら、この収納袋3の大きさに適した開口幅に調整することは勿論のこと、例えば、収納袋3を多く付設せず不使用状態のスライド体2が生じた場合は、この不使用状態のスライド体2をスライドガイド部1の端に寄せることで邪魔にならず、また、このスライド体2をスライドガイド部1の端に寄せることで収納袋3を収納する基体部5に広いスペースを作ることができ、このスペースに収納袋3以外の収納体を設置する構成としても良い。
【0079】
また、収納袋3に入れた収納物が、例えば嫌な臭いを生ずるものであった場合でも、スライド体2を互いに接近させる方向にスライドさせてスライド体2同士を当接状態にすることで収納袋3の開口部を閉口状態にすることができるので、収納袋3内の収納物から生ずる嫌な臭いを外部に漏れ難くすることができ、周囲に嫌な臭いが漂わず不快感を感じることも無い実用性に優れた画期的な収納袋付設体となる。
【0080】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。