(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の単一用量(2)の乾燥粉末を投与するための装置(3)であって、それぞれの単一用量(2)のための複数の筐体を有する搬送体(15)に対して少なくとも1つの支持体(25a、25b)を備え、前記支持体(25a、25b)が、前記筐体にそれぞれ接続されるように適合された複数の導管を備え、各導管が、ユーザによる吸入によって前記単一用量(2)を搬送する気流のための流路を画定し、前記支持体(25a、25b)が、
−互いに隣接する複数の第1導管部分(29)と、隣接する2つの第1導管部分(29)の間にそれぞれ配置された複数の第1分離部分(30)とを有する第1部材(26)と、
−互いに隣接する複数の第2導管部分(43)と、隣接する2つの第2導管部分(43)の間にそれぞれ配置された複数の第2分離部分(45)とを有する第2部材(27)と
を有し、
前記第1部材(26)と前記第2部材(27)が、前記導管の1つを画定するために各第1導管部分(29)が前記第2導管部分(43)のうちの対応するものに面し且つ各第1分離部分(30)が前記第2分離部分(45)のうちの対応するものに面するように、互いに固着されている、前記装置(3)において、
前記支持体(25a、25b)が、乾燥粉末が前記導管の1つから隣接する導管の1つに移ることを防止するために、対応する第1分離部分(30)と第2分離部分(45)との間にそれぞれ配置された複数の障壁形成要素(31、46;52;131、146;231、246、53)を備えることを特徴とする、装置(3)。
前記障壁形成要素(31、46;131、146;231、246、53)の少なくとも1つが、前記対応する第1分離部分(30)と第2分離部分(45)との間にバッフルを備える、請求項1に記載の装置(3)。
前記障壁形成要素の少なくとも1つが、少なくとも1つのリブ(31;131;231)と、前記リブ(31;131;231)を受け入れるように適合された少なくとも1つの溝(46;146;246)とを備え、前記リブ(31;131;231)と前記溝(46;146;246)の一方が、前記第1分離部分(30)上に配置され、前記リブ(31;131;231)と前記溝(46;146;246)の他方が、前記対応する第2分離部分(45)上に配置される、請求項1または2に記載の装置(3)。
前記リブ(131)が、互いに対して傾斜した第1の対の対向する面を含み、前記溝(146)が、互いに対して傾斜し且つ前記第1の対の対向する面に相補的な第2の対の対向する面を含む、請求項3に記載の装置(3)。
前記障壁形成要素の少なくとも1つが、前記対応する第1分離部分(30)と第2分離部分(45)の間に挿入された追加の層(52)を備える、請求項1から4のいずれかに記載の装置(3)。
前記障壁形成要素の少なくとも1つが、前記対応する第1分離部分(30)と第2分離部分(45)の溶接接続(53)を備える、請求項1から5のいずれかに記載の装置(3)。
前記第1部材(26)および第2部材(27)の少なくとも前記第1分離部分(30)および第2分離部分(45)が熱可塑性材料で作製され、前記溶接接続が超音波溶接法によって作製される、請求項6に記載の装置(3)。
前記ユーザによる吸入のためのマウスピース(6)を装備するケース(5)をさらに備え、前記支持体(25a、25b)が、各導管を連続して前記マウスピース(6)と連通させるように前記ケース(5)内に移動可能に取り付けられる、請求項1から7のいずれかに記載の装置(3)。
前記支持体(25a、25b)が円形の構成であり、前記導管が円周方向に互いに隣接し、前記導管、ならびに前記第1分離部分(30)および前記第2分離部分(45)が半径方向に延び、前記支持体(25a、25b)が前記ケース(5)内に中心軸(A)に対して回転可能に取り付けられる、請求項8に記載の装置(3)。
前記第1部材が、前記第1導管部分を形成する複数の貫通孔(29)を装備する第1の凹状板(26)内に存在し、前記貫通孔(29)が放射状壁(30)によって前記第1分離部分として境界を定められ、前記第1の凹状板(26)が、前記筐体にそれぞれ対応する前記貫通孔(29)を有するその凹面に前記搬送体(15)を収容するように適合される、請求項9に記載の装置(3)。
前記第2部材が、入口(42)および出口(44)をそれぞれ有し前記第2導管部分を形成する複数の通路(43)を装備する第2の凹状板(27)内に存在し、前記通路(43)が放射状壁(45)によって前記第2分離部分として境界を定められ、前記第2の凹状板(27)がその凹所に前記第1の凹状板(26)を収容し、それにより前記第1の凹状板(26)が前記第2の凹状板(27)と前記搬送体(15)との間に挿入され、前記通路(43)が前記貫通孔(29)とそれぞれ連通する、請求項10に記載の装置(3)。
請求項1から12のいずれかに記載の、複数の単一用量(2)の乾燥粉末を投与するための装置(3)と、それぞれの単一用量(2)のための複数の筐体を有する少なくとも1つの搬送体(15)とを備え、前記搬送体(15)が前記支持体(25a、25b)に関連付けられる吸入器(1)。
前記搬送体(15)が複数の貫通孔(18)を装備する板から形成され、前記貫通孔(18)では、前記筐体が、前記筐体が前記搬送体(15)と同じ高さである格納位置と前記筐体が前記搬送体から突出する放出位置との間に移動可能に取り付けられ、前記装置(3)が、各筐体を前記格納位置から前記放出位置に連続して移動させるための組み立て体をさらに備え、前記放出位置では前記筐体が前記第1部材(26)の前記第1導管部(29)の1つの内部で延びる、請求項13に記載の吸入器(1)。
前記装置(3)が2つの支持体(25a、25b)を備え、2つの搬送体(15)がそれぞれの支持体(25a、25b)にそれぞれ関連付けられる、請求項13または14に記載の吸入器(1)。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面上で、同じ参照番号は、同様のまたは類似の要素を指す。
【0026】
図1は、ユーザが乾燥粉末の形をした単一用量2の薬剤を連続して吸入できる吸入器1を示す。
【0027】
図示の実施形態の吸入器1は、単一用量2を投与するための装置3と、2つの搬送体15とを含む。搬送体15は、特に
図3および
図5に示され、単一用量2を搬送し、装置3内に取り付けられる。
【0028】
図1では、装置3は、丘状部(hump−shaped part)5aと一定半径状部(constant−radius shaped part)5bとを有する輪郭(contour)を提供するケース5を備える。
【0029】
ケース5はマウスピース6を装備する。マウスピース6は、ケース5と一体的にまたは別個の部品として形成され、実質的には一定半径状部5bの第1端に配置される。
【0030】
一定半径状部5bはスロット14を装備する。スロット14は、
図2に一部が示されており、マウスピース6から、第1端と対向する第2端まで延びる。プライミングレバー4は、ケース5からスロット14を通って延びる。以下の説明から明らかになるように、プライミングレバー4は、スロット14によって境界を定められる行程に沿って中心軸Aを中心に一定半径状部5bのまわりを回転するように取り付けられる。ユーザは、単一用量2の1つがマウスピース6を介して吸入できるように装置3を準備するためにプライミングレバー4を作動させることができる。
【0031】
装置3は、ケース5の一方の側面に窓7を含む。この窓7によって、ユーザは、いくつの単一用量2が投与されたか、および/またはいくつの単一用量2が未使用のままであるかについての表示をユーザに提供するカウンタ表示8を見ることができる。
【0032】
L字形のマウスピースカバー10は、ケース5に取り付けることができる。マウスピースカバー10は、互いにほぼ垂直な長い中空部分11と短い中空部分12とを備える。長い部分11の端は、
図1に示すように、長い中空部分11と短い中空部分12がスロット14、プライミングレバー4、およびマウスピース6を選択的に覆うかまたは露出させるように、一定半径状部5bの第2端の近くでケース5に回転自在に取り付けられる。作動リブ13は、その目的については後述するが、長い部分11の中央に延びる。
【0033】
図2に示されるように、ケース5は、筐体を画定するように互いに組み付けられる2つの半体で作製される。ケース5は、筐体内で中心軸Aに沿って延びる中央シャフト64を備え、その上に装置3の以下の部品すなわち、
− それぞれが複数の搬送体15のそれぞれ1つを受け入れる第1支持体25aおよび第2支持体25bと、
− 第1支持体25aと第2支持体25bの間に配置され、プライミングレバー4を備える作動機構60と、
− 切り替え機構90と、
− カウンタ機構140が取り付けられる。
【0034】
図3、
図4、
図5、および
図6を参照して、搬送体15の1つおよび第1支持体25aを例として説明する。この説明は他の搬送体15および第2支持体25bに置き換え可能であり、これらは、説明される搬送体15および第1支持体25aと同一または少なくとも類似である。
【0035】
図3および
図5に示されるように、搬送体15は、WO−A−2005/002654に開示されている搬送体に類似であり、軸と中央開口17とを有するディスク形の板16から形成される。板16は、板16の上部表面と底部表面の間に延び、かつそれぞれの単一用量の乾燥粉末のための筐体を画定する複数の貫通孔18を装備する。図示の実施形態では、30の貫通孔18が、円周配列に従って、等間隔に置かれた場所に配置される。したがって、貫通孔18は、板16の軸に対して、円周方向に互いに隣接し、半径方向に延びる。
【0036】
板16の1つの場所には貫通孔がなく、したがって隣接する2つの貫通孔18の間に、完全な部分19が形成される。この完全な部分19に対応する板16の周囲に窪み20が形成される。
【0037】
各貫通孔18は、カップ形のインサート21を受け入れることができる。インサート21は、特に
図7および
図8に示されており、板16の上部表面にある開口である。各インサート21は、単一用量2の乾燥粉末の1つを含むように適合される。乾燥粉末を特に湿気および汚染物質から保護し、インサート21および乾燥粉末を貫通孔18内に保持するために、適切な上部蓋シート22および底部蓋シート23を板16の上部表面および底部表面に固着することができる。
【0038】
第1支持体25aは、軸に対して円形の構成であり、それぞれアンビル板26および通気板27からなる第1部材と第2部材とを有する。
【0039】
アンビル板26の上部表面を示す
図3に示されるように、アンビル板26は、中央開口32のあいたディスク形部28を備える。ディスク形部28は、搬送体15の貫通孔18にそれぞれ対応して設置されるように適合された連続した貫通孔29を装備する。搬送体15に関して、貫通孔29は、第1支持体25aの軸に対して円周方向に互いに隣接し、半径方向に延びる。ディスク形部28は、それぞれ半径方向に延び、かつ隣接する2つの貫通孔29を分離するようにそれらの間にそれぞれ配置される放射状壁30を装備する。
【0040】
図4では、アンビル板26のディスク形部28の各放射状壁30が、アンビル板26の上部表面に突出するリブ31を有することが理解されよう。各リブ31は、方形の断面と、隣接する貫通孔29の半径方向の寸法にほぼ一致する半径方向の寸法とを有する。
【0041】
アンビル板26はまた、アンビル板26の上部表面を通気板27に付着させるための固着要素も有する。図示の実施形態では、中央開口32を囲む凹部39が、通気板27の固着要素と協働するようにディスク形部28に形成される。
【0042】
アンビル板26の底部表面を示す
図5に示されるように、アンビル板26は全体的に凹状であり、その底部表面上に凹面が形成される。たとえば、アンビル板26は、搬送体15をアンビル板26の凹面に収容するために搬送体15の外周を囲むように適合された環状の側壁33を装備する。具体的には、側壁33は、ディスク形部28の外縁に垂直に延びる。
【0043】
内部については、側壁33は、たとえば第1支持体25aの軸の方へ突出するギヤ歯34で形成された連結部分と、たとえば局所的に配置されギヤ歯のない滑らかな部分35で形成された切り離し部分とを装備する。側壁33はまた、軸に向かって延び、かつ搬送体15の窪み20に受け入れられるように適合された突起36も有する。
【0044】
外部については、側壁33は、たとえば局所的に配置され、かつ軸の反対側に突出するギヤ歯37で形成された係合部分を装備する。
【0045】
連結部分、切り離し部分、突起36、および係合部分の適切な相対的配置は、装置3の以下の説明から明らかになるであろう。
【0046】
アンビル板26はまた、アンビル板26の底部表面に搬送体15を付着させるための固着要素も有する。図示の実施形態では、この底部表面は、ディスク形部28から垂直に延び、かつ搬送体15の中央開口17に嵌合されるように適合された取り付けスカート(mounting skirt)38を備える。
【0047】
通気板27に関しては、通気板27の上部表面を示す
図3に示されるように、通気板27は、中央開口41のあいたディスク形部40を備える。ディスク形部40は、円周方向に互いに隣接する連続した貫通孔42、44の対を装備する。各対の貫通孔の貫通孔42、44は、第1支持体25aの軸に対して半径方向に延び、アンビル板26の貫通孔29の1つに対応して設置されるように適合される。
【0048】
通気板27の底部表面を示す
図5に示されるように、ディスク形部40は、通気板27の通路43および放射状壁45がそれぞれアンビル板26の貫通孔29および放射状壁30に面することができるように配置された、連続した通路43と放射状壁45とを装備する。通路43は円周方向に互いに隣接する。各通路43は、第1支持体25aの軸の近くに入口42を、さらに第1支持体25aの軸からある距離を置いて出口44を、通路43に対して形成するように、1対の貫通孔42、44の間に半径方向に延びる。半径方向に延びる各放射状壁45は、隣接する2つの通路43を分離するように、それらの間に配置される。
【0049】
通気板27は全体的に凹状であり、その底部表面上に形成された凹面はアンビル板26を収容するように適合され、したがってアンビル板26が通気板27と搬送体15の間に挿入される。たとえば、通気板27は、アンビル板26の側壁33を囲むように適合された環状の側壁47を装備する。具体的には、側壁47は、ディスク形部40の外縁に垂直に延びる。側壁47は、外側の滑らかな接触面48と、側壁47の自由縁から局所的に延びる滑らかな切欠き49とを提供する。
【0050】
図示の実施形態では、通気板27をアンビル板26の上部表面に付着させるための固着要素は、中央開口41を囲み、かつアンビル板26の凹部39に嵌合するように適合された取り付けフランジ50を備える。
【0051】
図6では、通気板27のディスク形部40の各放射状壁45が通気板27の底部表面に形成された溝46を有することが理解されよう。方形断面の各溝46は、アンビル板26の対応する放射状壁30に突出するリブ31を受け入れるように適合される。
【0052】
図7は、搬送体15の1つを受け入れる第1支持体25aを形成するように組み付けられた、上記で開示されたアンビル板26および通気板27を示す。
【0053】
上記から、アンビル板26および通気板27は互いに固着され、通気板27の底部表面はアンビル板26の上部表面と接触し、通気板27の取り付けフランジ50はアンビル板26の凹部39に嵌合する。通気板27の側壁47はアンビル板26の側壁33を囲む。
図2から明らかなように、アンビル板26の係合部分のギヤ歯37は、通気板27の切欠き49内に延びる。
【0054】
通気板27の通路43は、アンビル板26の貫通孔29とそれぞれ連通する。具体的には、各通路43の入口42はその対応する貫通孔29の片側と連通するが、出口44は対応する貫通孔29の反対側と連通する。
【0055】
アンビル板26の貫通孔29および通気板27の通路43は第1導管部分および第2導管部分をそれぞれ形成し、これらの導管部分は、搬送体15の筐体にそれぞれ接続されるように適合された複数の導管を共に画定する。導管は、支持体25に対して円周方向に互いに隣接し、半径方向に延びる。アンビル板26の放射状壁30および通気板27の放射状壁45は、導管の間に挿入された第1分離部分および第2分離部分をそれぞれ形成する。
【0056】
搬送体15は第1支持体25a内に取り付けられ、上部蓋シート22はアンビル板26の底部表面と接触し、搬送体15の中央開口17はアンビル板26の取り付けスカート38に嵌合する。アンビル板26の側壁33は搬送体15の周囲を囲み、アンビル板26の突起36は搬送体15の窪み20に設置され、それにより第1支持体25aの導管に対する搬送体15の貫通孔18および全体的な部分19の適切な位置決めがもたらされる。この点に関して、搬送体15の各筐体が、第1支持体25a内に形成されたそれ自身の導管を有し、この導管がユーザによる吸入によって単一用量を搬送するための気流用流路を画定するように適合されることが理解されるであろう。
【0057】
図7および
図8に関連して、1つのインサート21に含まれる単一用量2の乾燥粉末の1つを投与する方法が開示される。
【0058】
図7では、インサート21は格納位置にあり、この位置ではインサート21は搬送体15の貫通孔18に完全に収容され、搬送体15の上部表面と同じ高さである。インサート21は、第1支持体25aの導管に面する。
【0059】
図8に示されるように、インサート21を底部蓋シート23側から押すことによって、インサート21を放出位置に外側に移動させることが可能である。この位置では、インサート21は搬送体15の上部表面から突出し、アンビル板26の貫通孔29内に延びる。上部蓋シート22を外側に突き破るために使用されるインサート21は、まだ所定の位置にしっかりと保持されている。この点で、アンビル板26は、上部蓋シート22の破裂に関する予測可能性を改善するために使用され得る。
【0060】
放出位置において、導管内部のインサート21は、通路43の入口42に面する。このようにして、ユーザが装置3のマウスピース6を介して吸入するとき、
図8の矢印によって示される気流が通気板27を通って引き込まれ、したがって気流入口42を通過し下降してインサート21に入り、通路43内へと再び上昇し、次いで出口44から出るようにすることができる。したがって、インサート21内の単一用量の乾燥粉末は、気流によって取り込まれ、インサート21から取り出されて、第1支持体25aから運び出される。
【0061】
乾燥粉末が取り込まれ、必要な場合に分散される(deaggregated)ようにするのに適切な導管の寸法および形態は、WO−A−2005/002654に開示されているものを再び使用してよい。また、WO−A−2005/002654と同様に、インサート21を省略する第2流路は、ユーザが装置を介して吸入するのに快適であるように、吸入に利用可能な全体的な断面積を増加させ、装置の全体的な流れ抵抗を制御するために設けることができる。この第2流路はケース5の壁によって形成され得る。
【0062】
図9に示されるように、第1支持体25aでは、アンビル板26と通気板27が組み立てられるとき、アンビル板26の放射状壁30上のリブ31が通気板27の放射状壁45の溝46内に設置される。
【0063】
したがって、たとえば、これらの放射状壁30、45がぴったり締められないので、アンビル板26の貫通孔29および通気板27の通路43の境界をそれぞれ定める放射状壁30、45の間の境界面に小さな間隙が存在する場合でも、リブ31および溝46の配置により、隣接する2つの導管の間に遠回り経路が設けられる。
【0064】
第1の単一用量2の乾燥粉末および第2の単一用量2の乾燥粉末がそれぞれ隣接する第1導管および第2導管と連通して設置される場合、アンビル板26および通気板27の対応する放射状壁30、45の間のリブ31および溝46の配置により、第1の単一用量2の乾燥粉末が第1導管から隣接する第2導管に移ることが防止されるので、第2の単一用量2を取り込むためにユーザによる吸入によって第2導管内で生成される気流は、第1の単一用量の乾燥粉末を引き込まずに第2の単一用量2の乾燥粉末を引き込む。
【0065】
この状況は、ユーザが装置を作動させ、それによって第1の単一用量2を含むインサート21が放出位置に移動し、第1の単一用量2を吸入する前にユーザの注意がそれるときに生じることがある。その後で、ユーザが装置を以前に作動させたことを忘れて再度作動させると、それによって、第2の単一用量2を含むインサート21が放出位置に移動する。
【0066】
アンビル板26および通気板27の向かい合う2つの放射状壁のリブ31および溝46は、隣接する導管の乾燥粉末への障壁を形成し、それによって、交叉投与、すなわち前回の単一用量がなくなったか、または服用されなかったときに吸入される乾燥粉末の量を制限する。
【0067】
たとえば、WO−2005/002654に開示されている、上述のリブおよび溝の配置などの障壁形成要素がない装置では、交叉投与が基準単一用量の150%以上に達することがある、すなわち次回の単一用量が吸入されるときに前回の単一用量の乾燥粉末の50%以上が吸入されることがあることが分かっている。
【0068】
本発明による障壁形成要素の使用は、交叉投与を135%以下に減少させることを目的とする。具体的には、本発明の障壁形成要素により115%未満の交叉投与が達成され得る。
【0069】
もちろん、障壁形成要素は、上述のリブおよび溝の配置に限定されない。たとえば、リブ31は通気板27上に配置してもよく、溝46は通気板26上に配置してもよい。
【0070】
また、上述の実施形態では、障壁形成要素は、アンビル板26および通気板27の対応する放射状壁30、45の間にバッフルを形成し、隣接する2つの導管の間に遠回り経路を設ける。したがって、障壁形成要素は、アンビル板26および通気板27の対応する壁30、45の間に、任意の角度をなすまたは湾曲した境界面を備えることができる。
【0071】
具体的には、障壁形成要素は、複数のリブ31と、1つの溝46とを備えることができる。
【0072】
たとえば、
図10に示されるように、アンビル板26の各放射状壁30は、通気板27の対応する放射状壁45の1つの半径方向の溝146および1つの半径方向のリブ131とそれぞれ協働するように適合された1つの半径方向のリブ131と1つの半径方向の溝146とを装備する。また、
図10では、各リブ131は、互いに対して傾斜した第1の対の対向する面を含み、各溝146は、互いに対して傾斜し、かつ対応するリブ131の第1の対の対向する面と相補的な第2の対の対向する面を含む。
【0073】
図11は、追加の層52がアンビル板26および通気板27の対応する放射状壁30、45の間に挿入される、障壁形成要素の代替実施形態を示す。連続層、離散点、またはその他などの任意の適切なパターンにおいて任意の適切なガスケットまたは接着剤を追加の層で使用することができる。
【0074】
また、
図12に示されるように、別の代替実施形態では、障壁形成要素は、アンビル板26および通気板27の対応する放射状壁30、45の間に溶接接続を備えることができる。この実施形態では、アンビル板26および通気板27の放射状壁、またはアンビル板26および通気板27自体が熱可塑性材料で作製され、対応する放射状壁30、45が超音波溶接法によって接合できるように構成される。たとえば、先端の突起またはエネルギーディレクタ53がリブ231上に配置され、溝246の底部表面に当接する。超音波振動によって引き起こされるアンビル板26および通気板27の相対的な動きにより、熱可塑性材料が溶解して放射状壁30、45が溶接される。
【0075】
障壁形成要素は、上記で開示された実施形態の1つを実施してもよいし、それらのいくつかを組み合わせてもよい。
【0076】
本発明は、上記で開示された装置に限定されない。たとえば、装置は、1つの搬送体15に対して1つの支持体25のみを備えてもよいし、2つ以上の搬送体に対して2つ以上の支持体25を備えてもよい。支持体は、異なるタイプで構成され、それ以外にもケースに対して移動可能であってもよい。本発明の多くの態様が、多種多様の異なる搬送体を収容するための適切な支持体を有する装置に適用可能である。具体的には、以下で説明される実施形態の特徴の多くは、ブリスターパック構造を有する搬送体または種々の筐体配列を有する搬送体と共に使用することができる。
【0077】
図2に示されるように、ケース5内では、それぞれの搬送体15を有する第1支持体25aと第2支持体25bが重ね合わされ、中心軸Aと同軸状に配置され、搬送体15の底部表面が互いに面する。第1支持体25aおよび第2支持体25bは、連続的に各導管をマウスピース6と連通させるようにケース5内で中心軸Aのまわりを回転可能に取り付けられ、したがって、筐体をマウスピースに順次接続する。
【0078】
作動機構60は、
図13に詳細に示されており、搬送体15の底部表面の間に配置される。作動機構60は、プライミングレバー4が作動されるたびに単一用量2の1つがマウスピース6から出て気流により搬送できるように、単一用量2の乾燥粉末の1つを露出させるように適合される。
【0079】
具体的には、作動機構60は、各単一用量2を対応する導管に露出させるように適合された投与機構と、各導管をマウスピース6と連通して設置するように適合された割り出し機構とを備える。
【0080】
作動機構60は、投与機構および割り出し機構を支持するディスク形シャシ61を備える。このシャシはケース5に固定され、ケース5のシャフト64に嵌合する中空の枢動シャフト65を備える。ある場所に、シャシは、軸方向に延びてそれらの間に半径方向のアパーチャを画定する案内部材71を備える。
【0081】
作動機構60は、プライミングレバー4を支え、かつプライミングレバー4が作動されたときに投与機構および割り出し機構を動作させるように中心軸Aのまわりを回転可能なプライミング部材62をさらに備える。
【0082】
適切なプライミング部材62の例がWO−A−2005/002654に開示されている。プライミング部材62は、プラスチックで成形され、かつシャシ61の枢動シャフト65上で回転可能に支持される中心枢動開口66を有するディスク形の板から形成される。
【0083】
図示の実施形態では、投与機構は、各搬送体15の各インサート21をその格納位置からその放出位置に移動させるように適合される。やはり、プライミング部材62上に取り付けられたプロジャー(prodger)69と、プライミング部材62上に配置され、かつプロジャー69を軸方向に移動させるように適合されたカム面68、75を実施する適切な投与機構の例がWO−A−2005/002654に開示されている。
【0084】
具体的には、投与機構は、プライミング部材62上に形成され、かつシャシ61の当接部材71がその中を貫通する細長い開口70によってプライミング部材62の残りの部分から分離された細長いカム部材67を含む。カム部材67は、円周方向に延び、限られた可撓性を提供する形状(profile)を提供する。中央のカム面68は、カム部材67の対向する2つの面のそれぞれに設けられる。また、側方のカム面75は、カム部材67と向かい合う細長い開口70に沿って円周方向にプライミング部材62の両面に延びる。
【0085】
各プロジャー69は互いに同一であり、それらの間に互いにカム部材67を挟み込む。各プロジャー69は、カム部材67の中央のカム面68と協働するように配置された中央部に垂直に延びるアーム73を有する。アーム73は、プライミング部材62の細長い開口70を通って延び、その端でプライミング部材62の側方のカム面75と接触するように配置されたフィーチャ72を有する。
【0086】
プライミング部材62の細長い開口70およびシャシ61上の案内部材71は、プロジャー69を回転可能に保持するが、プロジャー69を確実に案内する中央のカム面68および側方のカム面75を用いて搬送体15に向かっておよびそこから離れるようにプロジャー69を装置3の軸方向に移動させるように配置される。
【0087】
WO−A−2005/002654で説明されるように、作動機構60は、プロジャー69の1つが、対応する搬送体15のインサート21の1つと一直線になり、他のプロジャー69が他の搬送体15の完全な部分19と面するように配置する。このようにして、投与機構は一度に、搬送体15の1つに含まれる1つの単一用量2のみを投与する。
【0088】
次に、投与機構の動作について説明する。
【0089】
ケース5のスロット14内のプライミングレバー4が、その行程に沿ってマウスピース6に近い第1位置から、マウスピース6からある距離にある第2位置に移動することによって、装置3は、単一用量2の乾燥粉末が対応する導管に露出される準備をする。
【0090】
最初のステップでは、ユーザがマウスピースカバー10を移動させてマウスピース6を露出させるとき、プライミングレバー4はその第1位置にあり、両方のプロジャー69は、中央のカム面68の反対側のカム部材67の一端にある後退位置にある。
【0091】
ユーザがプライミングレバー4をその第2位置に移動させると、プライミング部材62がシャシ61に対して回転される。カム部材67のカム面68は、プロジャー69をそれぞれ係合する。インサート21の1つと一直線になるようプロジャー69を係合するカム面68はこのプロジャー69を押し出し、したがって、このプロジャー69がその対応する搬送体15に向かって外側に移動され、搬送体15の貫通孔18を貫通して、インサート21を放出位置に押す。一方、完全な部分19と一直線になるようプロジャー69を係合するカム面68は、その可撓性により変形する。
【0092】
ユーザが単一用量2を吸入した後、マウスピースカバー10はユーザにより逆に回転されることができる。マウスピースカバー10の作動リブ13は、プライミングレバー4を係合してその第1位置に戻すことができる。プライミング部材62の側方のカム面75はプロジャー69を引っ込める。
【0093】
次に、割り出し機構について説明する。
【0094】
図示の実施形態では、割り出し機構は、連続する動作位置(active position)に第1支持体25aおよび第2支持体25bを移動させるように適合され、各動作位置では、対応する単一用量2がマウスピース6を介して気流によって搬送できるように導管の1つがマウスピース6に接続される。間欠運動機構を実施する適切な割り出し機構の例がWO−A−2005/002654に開示されている。
【0095】
具体的には、割り出し機構は、ケース5内に中心軸Aと平行な軸のまわりを回転可能に取り付けられたゼネバ歯車76を備える。ゼネバ歯車76は、プライミングレバー4が作動されるたびにゼネバ歯車が120°の角度により回転するようにプライミング部材62と協働するように適合されたペグホイール77を含む。ゼネバ歯車76はまた、ペグホイール77と同軸で、かつ第1支持体25aおよび第2支持体25bの連結部分とそれぞれ協働するように適合された2つのギヤ78も含む。
【0096】
ペグホイール77は、その縁の周囲に60°の間隔で交互に配置された、3つの長いペグ79と3つの短いペグ80とを有する。
【0097】
割り出し機構は、プライミング部材62の外縁上に形成された駆動部材81をさらに備える。駆動部材81は、
− 上述したように、投与機構がインサート21を放出位置に押すように、プライミングレバー4がその第1位置からその第2位置に移動するとき、駆動部材81はゼネバ歯車76を回転させず、
− プライミングレバー4がその第2位置からその第1位置に戻されるとき、駆動部材81がゼネバ歯車76を回転させるように配置される。
【0098】
具体的には、駆動部材81は、投与機構を備えるプライミング部材62の一部分の円周方向の隣に設置される。
【0099】
駆動部材81は、順番に配置された先導部分82と、先導部分82に向かって下向きに傾斜するラチェット爪83と、後縁85を有するスロット84とを装備する。
【0100】
次に、プライミングレバー4がユーザによって作動されたときの動きによって定められる1サイクルに関して割り出し機構の動作を説明する。以下の説明において長いペグ79および短いペグ80に関連する「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、1サイクルに関連して使用される。次のサイクルでは、「第1の」ペグ、「第2の」ペグ、および「第3の」ペグが変わることを理解されたい。
【0101】
上述のように、プライミングレバー4がその第1位置からその第2位置に移動されるとき、駆動部材81はゼネバ歯車76を回転させない。具体的には、ペグホイール77および駆動部材81は、プライミング部材62の外縁が短いペグ80の第1のものの上を通過し、第1の短いペグ80の両面で隣接する長いペグ79の第1および第2のものに対して摺動し、第2の短いペグ80を通過するときにラチェット爪83が変形するように配置される。したがって、ペグホイール76が回転することが防止される。
【0102】
プライミングレバー4がその第2位置からその第1位置に戻るとき、先導部分82が第1の短いペグ80の上を通過し、プライミング部材62の外縁は第1および第2の長いペグ79に対して摺動し、それによって、ペグホイール77が回転することを防止する。次に、ラチェット爪83が第1の短いペグ80と係合し、したがってペグホイール77が回転するように駆動され、第2の長いペグ79がスロット84に入る。ラチェット爪83が第1の短いペグ80を係合解除するとき、スロット84の後縁85は第2の長いペグ79を係合し、ペグホイール77を回転するよう駆動し続ける。スロット84の後縁85が第2の長いペグ79を係合解除するとき、プライミング部材62の外縁が、第2の長いペグ79に隣接する短いペグ80の第2のものの上を通過し、長いペグ79の第2および第3のものに当接する。
【0103】
割り出し機構は、プライミングレバー4が作動されるたびに、各搬送体15の1つを1つの単一用量2だけ漸進させる。
【0104】
各通気板27の連結部分のギヤ歯34は、連続して動作位置にあるようケース5に対して移動されるように、ゼネバ歯車76の対応するギヤ78に係合することができる。通気板27およびギヤ78上のギヤ歯34の数は、ゼネバ歯車76の120°の角度の動きにより支持体25が導管のちょうど1ピッチ漸進されるように配置される。
【0105】
したがって、割り出し機構は、各支持体25を連続して回転させて次の位置に至らせる。次の位置では、導管の1つがマウスピース6と連通し、プロジャー69が新しいインサート21と位置合わせされる。次いで、単一用量を投与する上述の動作を繰り返すことができる。
【0106】
第1支持体25aおよび第2支持体25bの両方を同時に駆動させないために、まず、割り出し機構に第1支持体25aを駆動させ、これによりその単一用量2のすべてが投与されたとき、次に第2支持体25bを駆動させる。
【0107】
第1支持体25aおよび第2支持体25bは、具体的には第1支持体25aおよび第2支持体25bの連結部分および切り離し部分、突起36、ならびに係合部分の適切な相対的配置によって、装置3が、
− 第1支持体25aが各動作位置においてケース5に対して移動されるように割り出し機構のゼネバ歯車76に係合し、第2支持体25bがケース5に対して静止するように割り出し機構のゼネバ歯車76から係合解除される第1投与状態と、
− 第2支持体25bが各動作位置においてケース5に対して移動可能であるように割り出し機構のゼネバ歯車76に係合し、第1支持体25aがケース5に対して静止するように割り出し機構のゼネバ歯車76から係合解除される、第1投与状態の後の第2投与状態とを提供するように構成される。
【0108】
この点では、第1支持体25aおよび第2支持体25bの一方の通気板27の切り離し部分がゼネバ歯車76の対応するギヤ78に面し、第1支持体25aおよび第2支持体25bの他方の通気板27の連結部分のギヤ歯34がゼネバ歯車76の対応するギヤ78を係合するように配置される。その結果、ゼネバ歯車76が回転することにより支持体25が回転しないように、通気板27がその切り離し部分と共にゼネバ歯車76のギヤ78から係合解除されることができる。
【0109】
また、第1支持体25aおよび第2支持体25bのそれぞれの切り離し部分および突起36は、切り離し部分がゼネバ歯車76のギヤ78に面するときにプロジャー69が搬送体15の完全な部分19に面し、この搬送体15の単一用量が投与できないように配置される。したがって、割り出し機構が第1支持体25aを駆動し、装置3の第1投与状態にあるとき、第2支持体25bはケース5に対して静止したままで、この第2支持体25bの搬送体15の任意の単一用量とマウスピース6の間の接続がない非動作位置にある。さらにその後で、割り出し機構が第2支持体25bを駆動し、装置3の第2投与状態にあるとき、第1支持体25aはケース5に対して静止したままで、この第1支持体25aの搬送体15の任意の単一用量とマウスピース6の間の接続がない非動作位置にある。
【0110】
上述の実施形態は、1つの搬送体15の各インサート21から乾燥粉末を投与し、次にその後で他の搬送体15の各インサート21から乾燥粉末を投与するように配置される。ただし、装置が乾燥粉末をある搬送体15のインサート21から、次に他の搬送体15のインサート21から交互に投与することも可能であることが理解されよう。あるいは、両方の搬送体のインサート21は同時に投与されてもよい。
【0111】
図14、
図15、
図16、および
図17は、装置3を第1投与状態から第2投与状態に移すために設けられた切り替え機構90を示す。
【0112】
図示の実施形態では、切り替え機構90は一体型の切り替え部品91から形成され、切り替え部品91は、たとえば成形によって一体に作製され、軸に沿って板94から反対方向に延びる第1の側面92と第2の側面93とを有する。
【0113】
図14および
図15では、切り替え部品91の第1の側面92は、軸96と、図示の実施形態では弧に沿って順番に配置された第1ギヤ歯95aと第2ギヤ歯95bと第3ギヤ歯95cとから形成される第1係合区画95とを備える。
【0114】
第1ギヤ歯95aは、軸96から半径方向に、第1ギヤ歯95aの半径方向にほぼ垂直な端面97を提供する自由端まで延びる。したがって、第1ギヤ歯95aは、第2ギヤ歯95bおよび第3ギヤ歯95cの長さに対して限られた長さを半径方向に有する。また、第1ギヤ歯95aは、第2ギヤ歯95bおよび第3ギヤ歯95cの高さの約半分の高さを軸に沿って有する。
【0115】
第2ギヤ歯95bは、軸96から半径方向に、第1ギヤ歯95aの高さとほぼ同様の高さを持つ、板94近傍の下部係合形状(lower engaging profile)98と上部形状(upper profile)99とを提供する自由端まで延びる。上部形状99は、互いに対してある角度をなす2つの端面を備え、一方の第1端面100は、第1ギヤ歯95aの端面97とほぼ平行で、この端面97に対して軸96の方へ偏位されており、他方の第2端面101は、第2ギヤ歯95bの半径方向にほぼ垂直である。
【0116】
同様に、第3ギヤ歯95cは、軸96から半径方向に、第1ギヤ歯95aの高さとほぼ同様の高さを持つ、板94近傍の下部係合形状102と、第3ギヤ歯95cの半径方向にほぼ垂直な端面104を提供する上部形状103とを提供する自由端まで延びる。
【0117】
切り替え部品91の第1の側面92は、第1ギヤ歯95aとほぼ垂直かつ軸96の接線方向に、係合区画95と反対方向に延びるつまみ106をさらに備える。つまみ106は、第2ギヤ歯95bの第1端面100とほぼ一直線になる当接面105を提供する。
【0118】
図16および
図17では、切り替え部品91の第2の側面93は、軸110と、図示の実施形態では弧に沿って順番に配置された第1ギヤ歯115aと第2ギヤ歯115bと第3ギヤ歯115cとから形成される第2係合区画115とを備える。
図14および
図16に示されるように、第2の側面93の第1ギヤ歯115a、第2ギヤ歯115b、および第3ギヤ歯115cはそれぞれ、第1の側面92の第1ギヤ歯95a、第2ギヤ歯95b、および第3ギヤ歯95cとほぼ軸方向に位置合わせされる。
【0119】
第1ギヤ歯115aは、軸110から、係合形状116を提供する自由端まで半径方向に延びる。
【0120】
第2ギヤ歯115bは、軸110から半径方向に、板94近傍の下部係合形状117および上部形状118を提供する自由端まで延びる。上部形状118は、第3ギヤ歯115cがそれに沿って延びる半径方向にほぼ垂直な端面120を有する。
【0121】
第3ギヤ歯115cは、軸110から、板94近傍の下部形状121および上部形状122を提供する自由端まで延びる。下部形状121は、第3ギヤ歯115cの半径方向にほぼ垂直な端面123を提供する。上部形状122も第3ギヤ歯115cの半径方向にほぼ垂直な端面125を提供し、上部形状122の端面125は、下部形状121の端面に対して軸110に向かって偏位され、第2ギヤ歯115bの上部形状118の端面120と一直線になる。
【0122】
切り替え部品91の第2の側面93は、第3ギヤ歯115cの隣の軸110から半径方向に延びるつまみ129をさらに備える。つまみ129は、第2ギヤ歯115bおよび第3ギヤ歯115cの上部形状118、122の端面120、125とほぼ一直線になる当接面130を提供する。
【0123】
図18に示されるように、切り替え部品91は、第1支持体25aと第2支持体25bの間に配置され、ケース5内に回転可能に取り付けられ、その軸は中心軸Aと平行である。たとえば、
図13に示されるケース135は、切り替え部品91を回転可能に支持するように作動機構のシャシ61と一体に形成されることができる。
【0124】
切り替え部品91の第1の側面92および第2の側面93はそれぞれ、第1支持体25aおよび第2支持体25bと協働する。
【0125】
具体的には、切り替え部品91の第1の側面92のギヤ歯95a、95b、および95cは、第1支持体25aの係合部分のギヤ歯37と噛み合うように適合される。さらに、切り替え部品91の第2の側面93のギヤ歯115a、115b、および115cは、第2支持体25bの係合部分のギヤ歯37と噛み合うように適合される。
【0126】
第1支持体25aの係合部分は、第1支持体25aの最後の単一用量2が投与された後で、かつ第1支持体25aが割り出し機構から係合解除されている間、すなわち割り出し機構が第1支持体25aをその連結部分を係合解除してその切り離し部分に面するように移動させる間、切り替え部品91の第1の側面92の係合区画を係合するように配置される。第1支持体25aの係合部分は、装置の第2投与状態にある、切り替え部品91の第1の側面92の係合区画と係合したままである。さらに、第2支持体25bの係合部分は、第1支持体25aの最後の単一用量2が投与された後で、かつ第1支持体25aが割り出し機構から係合解除されている間、切り替え部品91の第2の側面93の係合区画を係合するように配置される。第2支持体25の係合部分は、装置の第1投与状態にある、切り替え部品91の第2の側面93の係合区画と係合したままである。
【0127】
したがって、切り替え部品91は、第2支持体25bの連結部分のギヤ歯34を割り出し機構の対応するギヤ78と係合させ、割り出し機構の他のギヤ78が第1支持体25aをその切り離し部分に面するように移動させて、それによって第1支持体25aを割り出し機構から係合解除するように適合される。
【0128】
そのうえ、第2ギヤ歯95bによって支えられる第1端面100と切り替え部品91の第1の側面92のつまみ106の当接面105は、第1支持体25aの接触面48と協働するように適合された第1当接区画を形成する。さらに、第2ギヤ歯115bおよび第3ギヤ歯115cによって支えられる端面120、125と切り替え部品91の第2の側面92のつまみ129の当接面130は、第2支持体25bの接触面48と協働するように適合された第2当接区画を形成する。
【0129】
第1の側面および第2の側面の当接区画は、対応する第1係合区画95および第2係合区画115に対して反対の位置に配置されるが、第1係合区画95および第2係合区画115は同じ場所に配置される。このような配置の理由は、切り替え部品91の動作の以下の説明から明らかになるであろう。
【0131】
図19aでは、装置の第1投与状態において、第1支持体25aが割り出し機構に係合し、ゼネバ歯車76のギヤ78が第1支持体25aの連結部分と噛み合う間、第1支持体25aは矢印によって示されるように回転され、第1支持体25a内に取り付けられた搬送体15の単一用量が投与されることができるように連続して動作位置にある。その間、第2支持体25bは非動作位置に係止される。
【0132】
実際には、鎖線で示されるように第2ギヤ歯95bの第1端面100および第1の側面92のつまみ106の当接面105が第1支持体25aの接触面48に当接するので、第1支持体25aが最後の動作位置に達するまで、切り替え部品91が回転することが防止される。第1歯95aの長さおよび高さが限られており、第2歯95bの上部形状の長さが限られているために、これら第1歯95aおよび第2歯95bは第1支持体25aに干渉しない。
【0133】
図19bでは、この同じステップで、切り替え部品91の第2の側面93の第1ギヤ歯115aおよび第2ギヤ歯115bは、切欠き49により第2支持体25の係合部分のギヤ歯37と噛み合う。切り替え部品91は回転できないので、第2支持体25bも回転されない。
【0134】
図20aでは、最後の動作位置が第1支持体25a上で割り出され、最後の単一用量2が投与された後、割り出し機構は、第1支持体25aが割り出し機構を係合解除するように第1支持体25aを移動させ、切り離し部分35はゼネバ歯車76のギヤ78と対応するように動かされる。第1支持体25aは非動作位置に駆動される。同時に、切り離し部分35および係合部分の位置決めが適切であるために、第1支持体25aの切欠き49が切り替え部品91の第1の側面92の第2ギヤ歯95bの第1端面100に面し、それによって、切り替え部品91に関する回転の制約がなくなり、回転することができる。
【0135】
このステップでは、切欠き49に突出する第1支持体25aの係合部分のギヤ歯37は、第1支持体25aの係合部分の経路に配置された第1ギヤ歯95aの係合形状と噛み合う。第1支持体25aは割り出し機構により回転し続けて非動作位置に達するが、切り替え部品91の第1の側面92の係合区画95と噛み合う第1支持体25aの係合部分のギヤ歯37は、矢印によって示されるように切り替え部品91を回転させる。
【0136】
図20bでは、切り替え部品91はこの時点では自由に回転するので、第2支持体25bの係合部分のギヤ歯37と噛み合う切り替え部品91の第2の側面93のギヤ歯115a、115b、および115cは、矢印によって示されるようにこの第2支持体25bを回転させ、その切り離し部分を離隔させて、その連結部分を割り出し機構の対応するギヤ78に係合させる。それによって、第2支持体25bはその非動作位置から離隔され、割り出し機構によって第1の動作位置に駆動されることができる。
【0137】
図21bでは、
図20bに示される移動の終了時には、装置は第2投与状態にある。切り替え部品91の第2の側面93のギヤ歯115a、115b、および115cは第2支持体25bの係合部分のギヤ歯37と係合しなくなり、第2支持体25bのその後の回転運動は切り替え部品91と無関係となる。
【0138】
第2支持体25bの次回の割り出しおよびその後のすべての割り出し時には、鎖線に示されるように第2ギヤ歯115bおよび第3ギヤ歯115cの端面120、125ならびに切り替え部品91の第2の側面93のつまみ129の当接面130が第2支持体25bの接触面48に当接するので、切り替え部品91が回転することは防止される。
【0139】
図21aでは、このステップでは、切り替え部品91の第1の側面92の第3ギヤ歯95cは依然として第1支持体25aの係合部分のギヤ歯37と噛み合っており、それによってこの第1支持体25aが回転することを防止する。
【0140】
したがって、図示の実施形態では、第1当接区画および第2当接区画は、
− 装置3の第1投与状態では、第1支持体25aがその搬送体15の単一用量2を投与するためにその最初の動作位置と最後の動作位置の間で割り出し機構によって連続して駆動されている間、切り替え部品91が第2支持体25bを係止するように、切り替え部品91がケース5に対して回転するのを防止し、
− 第1支持体25aが割り出し機構から係合解除している間、切り替え部品91が第2支持体25bを解放して第2支持体25bを割り出し機構と係合させるように、切り替え部品91をケース5に対して回転させ、
− 装置3の第2投与状態では、第2支持体25bがその搬送体15の単一用量2を投与するためにその最初の動作位置と最後の動作位置の間で割り出し機構によって連続して駆動されている間、切り替え部品91が第1支持体25aを係止するように、切り替え部品91がケース5に対して回転するのを防止する切り替え部品91を提供する。
【0141】
本発明は、上記で開示された切り替え機構90に限定されない。未使用の支持体25を信頼性の高い方法で係止することと、決定された瞬間、すなわち第1支持体25が決定された位置にあるときに、駆動された支持体25を変えるために解放することとを考慮した他の任意の適切な切り替え機構90を設けることができる。
【0142】
装置を割り出すことによって、次のインサート21がプロジャーと位置合わせされるように移動される他にも、いくつの単一用量2が投与されたか、および/またはいくつの単一用量2が未使用のままであるかに関して視覚的な表示をユーザに提供するカウンタ機構140が作動される。
【0143】
割り出し機構のゼネバ歯車76のギヤ78の1つと噛み合う駆動歯車によって駆動される単位カウンタおよび10の位のカウンタを実施する適切なカウンタ機構140の例がWO−A−2005/002654に開示されている。駆動歯車、単位カウンタ、および10の位のカウンタは、カウンタ表示8の単位表示が9から0に割り出されるときに部材のカウンタ表示8の10の位の表示を1つ割り出すように適合される。