(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているユニット構造では、完成された各種ユニットを所定場所に並べて配置するものであり、各ユニットが大型のものとなり、各ユニットのコストが増大してしまうという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、現場でフレームを繋いで簡易に水廻り空間を形成させることのできるユニット構造の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明は、
キッチン,洗面台,浴室等の各設備機器を固設するユニット構造において、
垂直フレーム上方に建築躯体まで延長された連結フレームを有するフレームで、キッチン,洗面,浴室のうち少なくとも2以上の水廻り空間を形成させ、前記フレームに各設備機器を固設し
てなり、
前記連結フレームの少なくとも一部が開閉体を吊り下げ可能な構造を有する
ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のユニット構造では、現場で複数のフレームにより、2以上の水廻り空間を容易に形成させることができ、フレームを構成する連結フレームは建築躯体まで延長されているため、建築躯体に強度依存させることができ、強固に自立した水廻り空間を簡易に施工することができ
て、キッチン,洗面台,浴室等の各設備機器を固設することができ、しかも、連結フレームに開閉体を吊り下げて設けることができるものとなる。
【0007】
また、本発明のユニット構造において、前記開閉体が引き戸であるものとすることができる。
こうすれば、連結フレームに吊り下げ状にして引き戸を開閉可能に設けることができる。
【0008】
また、本発明の別のユニット構造は、垂直フレーム上方に
アッパーキャビネット等の他の設備機器まで延長された梁フレームを有するフレームにより、キッチン,洗面,浴室のうち少なくとも2以上の水廻り空間を形成させ
てなり、
前記梁フレームの少なくとも一部が開閉体を吊り下げ可能な構造を有する
ことを要旨とする。
こうすれば、複数のフレームにより、建築躯体への強度依存を小さくして2以上の水廻り空間を容易に形成させ自立させることができるものとなる。また、給・排水や間仕切り壁等を共有させることができて、簡易に現場で施工することができ
、しかも、梁フレームに開閉体を吊り下げて設けることができるものとなる。
【0009】
また、本発明のユニット構造において、前記開閉体が引き戸であるものとすることができる。
こうすれば、梁フレームに吊り下げ状にして引き戸を開閉可能に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】複数のフレームを梁フレームで連結して室内にキッチン空間と洗面空間と浴室空間を形成させた斜視構成図である。
【
図2】更に洗面空間に開閉可能な引き戸を設けた斜視構成図である。
【
図3】
図1における設備機器を取り付ける前のフレーム構造を示す斜視構成図である。
【
図4】洗面空間と浴室空間のみを形成させた場合の斜視構成図である。
【
図6】建築躯体に強度依存させることなくキッチン空間と洗面空間と浴室空間を床面に自立させた斜視構成図である。
【
図7】ユニットバスの外周に複数の枠フレームを配置した分解斜視図である。
【
図8】更に枠フレームに取り付ける間仕切りパネルを追加した分解斜視図である。
【
図10】ユニットバスの外周に枠フレームを介して間仕切りパネルを設置した状態の要部拡大平面構成図である。
【
図11】ユニットバスの外周に間仕切りパネルを設置した状態の要部縦断面構成図である。
【
図12】間仕切りパネルを枠フレームの外側に設置した場合の要部平面拡大構成図である。
【
図13】更にパッキン材を用いた場合の間仕切りパネルの設置状態を示す要部平面拡大構成図である。
【
図14】二面開口サッシを設ける場合のユニットバスとその外側に配置される枠フレームと間仕切りパネルの分解斜視図である。
【
図16】枠フレームを構成する上フレームと側フレームの分解拡大斜視図である。
【
図17】枠フレームを構成する側フレームと下フレームと連結材の分解拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、キッチン空間と洗面空間と浴室空間を室内に形成させた場合の斜視図である。
本例では、床面1aから垂直に立ち上がる垂直フレーム4と、この垂直フレーム4の上端から建築壁1b側まで水平に延長された連結フレーム5とで構成されるフレームユニット2a,2b,2c,2dを間隔をおいて配置し、それぞれ複数の梁フレーム3,3,3を架け渡し状に連結して自立させたものであり、フレーム構造は
図3の斜視図に示す。
【0012】
このように、4つのフレームユニット2a,2b,2c,2dを複数の梁フレーム3,3,3で連結し、その後に梁フレーム3,3にキッチン本体8やアッパーキャビネット7を取り付け固定してキッチン空間S1を形成させることができ、また、フレームユニット2bと2c間に洗面台9を設置して洗面空間S2を形成させることができ、フレームユニット2aと2b間には浴室を設置して浴室空間S3を形成させることができるものである。
【0013】
なお、連結フレーム5は建築壁1bに当接させて、アングル材などを用いて建築壁1bに固定しておくことができ、建築壁1bに強度を依存させてフレームユニット2a,2b,2c,2dを床面1a上に自立させることができるものである。
なお、図において、6は配管フレームであり、配管フレーム6は建築壁1bに沿ってそれぞれ立設されており、各フレームユニット2a,2b,2c,2dのそれぞれの連結フレーム5に連結させておいても良く、その場合は、各フレームユニット2a,2b,2c,2dは、垂直フレーム4と連結フレーム5と配管フレーム6による門型状に形成されて、現場において複数の梁フレーム3,3でそれらが連結されて組み立てられるものである。
【0014】
なお、梁フレーム3には、水栓や照明器機等も取り付け固定することができ、しかも、給・排水管や電気配線等は、梁フレーム3やフレームユニットを構成する垂直フレーム4,連結フレーム5,配管フレーム6内に収納させて、すっきりとした水廻り空間を形成させることができるものとなる。
【0015】
なお、
図2は、洗面空間S2に開閉可能な引き戸11を設けた場合の斜視図であり、更に
図4は、キッチン空間S1を省略して、室内に洗面空間S2と浴室空間S3のみを形成させた場合の斜視図である。
なお、フレームユニット2cの内周側には間仕切りパネル10を嵌め込んで、洗面空間S2を良好に間仕切ることができるものである。
【0016】
なお、フレームユニットを構成する垂直フレーム4と連結フレーム5および梁フレーム3は、
図5の断面拡大図で示すようなC型鋼材で構成されており、例えば梁フレーム3は、基片3aの左右両端側から90度折曲して側片3b,3bが一体形成され、側片3b,3bの他端には90度折曲して折れ片3c,3cが一体形成されて、折れ片3c,3c間は開口Kとなっている。
この開口KからC型鋼材のフレーム内に配管等を良好に入れることができるものであり、
図5では、C型鋼材のフレームに引き戸11を取り付けている。
即ち、引き戸11の上端面に支持金具12を固定し、この支持金具12に軸13を設けて、軸13の左右両端側に車輪14,14を設け、この車輪14,14を梁フレーム3内の折れ片3c,3c上に配置すれば、車輪14,14は折れ片3c,3c上を良好に転動し、これにより引き戸11を良好に開閉できるものである。
【0017】
なお、支持金具12は、引き戸11にビス等で固定される固定部12aから一対の立上部12b,12bが形成されたものである。
このように梁フレーム3等を利用して、引き戸等の間仕切り部材を良好に設置することもでき、現場において、梁フレーム3を用いて各フレームユニット2a,2b,2c,2dを連結して組み立て、各種機器を梁フレーム3に取り付けて、自立した水廻り空間を工期を短縮させて構築することができるものである。
【0018】
なお、
図6に示すものは、建築壁1bに強度を依存させることなくフレームユニット2a,2b,2c,2dを床面1a上に自立させた場合であり、この
図6の場合は、垂直フレーム4と連結フレーム5と配管フレーム6からなる門型状の各フレームユニット2a,2b,2c,2dを複数の梁フレーム3,3で連結して、床面1a上に自立できるように組み立てたものであり、その後に複数の梁フレーム3にはキッチン本体8,アッパーキャビネット7等の各種の設備器具が取り付けられるものである。
なお、
図6では、キッチン空間S1の背面側に背面収納キャビネット15を設けたものであり、この背面収納キャビネット15も梁フレーム3に固定して設置することができるものである。
【0019】
図6の場合は、建築躯体への依存を少なくでき、しかも給・排水管や電気配線等はフレーム内に収納して、各キッチン空間S1,洗面空間S2,浴室空間S3において給・排水管や電気配線を共有化させることができ、また、間仕切り壁等も共有化させることができるものとなる。
また、
図6の場合には、連結フレーム5は建築壁1bまで延長させておく必要はなく、垂直フレーム4と他の設備機器まで延長された梁フレーム3によるフレームユニットを形成させておき、この垂直フレーム4と梁フレーム3からなる複数のフレームユニットを、連結フレーム5で連結することで、複数の空間S1,S2,S3を自立状に構築することもできる。
【0020】
次に、
図7は、浴室空間S3を構成するユニットバス16と、その外側に配置される枠フレーム17a,17b,17c,17dの分解斜視図を示す。
更に
図8では、各枠フレーム17a,17b,17c,17dに取り付ける間仕切りパネル23を示している。
このように、ユニットバス16の外周に複数の枠フレーム17a,17b,17c,17dを設けて、各枠フレーム17a,17b,17c,17dに間仕切りパネル23をそれぞれ嵌め込み状に取り付けできるものとなる。
【0021】
なお、ユニットバスの平面図は
図9に示し、ユニットバスの要部縦断面構成図は
図11に示す。
このユニットバス16は、床面1aに形成させた開口内に、防水パン16aを高さ調整ボルト16eにより高さ調整して設置し、この防水パン16aの外周に複数の内壁パネル16bを立設し、複数の内壁パネル16bの上端に天井パネル16cを配設して構成され、複数の内壁パネル16b,16bを固定するために、外周側に間隔をおいて複数のポスト材16d,16dが立設された構造となっており、このユニットバス16のポスト材16d,16dの外側に、前述した枠フレーム17a,17b,17c,17dをビス等で固定できるものである。
【0022】
このようにユニットバス16の外周に複数の枠フレーム17a,17b,17c,17dを取り付け、各枠フレーム内にそれぞれ間仕切りパネル23を嵌め込んで構成することができる。更にユニットバス16の入口には枠状のドアサッシ18を設置して、このドアサッシ18にはドアを取り付ける。
【0023】
なお、枠フレーム17a,17b,17c,17dは、それぞれ
図15に分解図で示すように、C型鋼材で形成されている上フレーム19と左右の側フレーム21,21に、L型の下フレーム20を組み付けて構成されている。
例えばC型鋼材で形成されている側フレーム21は、
図10に示すように、基片21aの両側から一体状に90度折曲して一対の側片21b,21bが形成され、側片21b,21bの先端では90度折曲して折れ片21c,21cが形成され、折れ片21c,21c間に開口Kが形成されている。この開口K内に、間仕切りパネル23を差し込んで、良好に間仕切りパネル23を各枠フレーム17a,17b,17c,17dに嵌め込み状に取り付けできるものである。
【0024】
図10では、ユニットバス16のコーナー側のポスト材16dに、枠フレーム17cの側フレーム21をビス等で取り付け固定し、この枠フレーム17cの側フレーム21に対し、枠フレーム17aの側フレーム21を当接させて、枠フレーム17cの基片21aと枠フレーム17aの側片21bをビス止め固定したものである。
なお、間仕切りパネル23は、枠フレーム17a,17b,17cの外側に取り付け固定して配置することもでき、この場合は、
図12のような構成となり、間仕切りパネル23,23により枠フレーム17a,17b,17c,17dは隠されて、すっきりとした形態となる。
【0025】
なお、間仕切りパネル23を嵌め込む構造の場合に、
図13に示すように、間仕切りパネル23のガタツキを無くするためにパッキン材24を開口Kに嵌め込んで用いることができる。
このパッキン材24は樹脂或いはゴム製のものであり、基片24aの一端側に90度折曲して当接片24bが一体形成され、基片24aの他端側には当接片24bと平行状に立上片24cが形成され、立上片24cの先端に鉤状に曲がった鉤片24dが一体形成されたものである。
【0026】
図13に示すように、このパッキン材24を開口Kに嵌め込み、間仕切りパネル23の外面に当接片24bを当接させ、鉤片24dを枠フレームの折れ片21cの内側に配置させて取り付けることで、このパッキン材24により、間仕切りパネル23がしっかりと各枠フレーム17a,17b,17c,17dに固定されることとなり、間仕切りパネル23のガタツキやズレが防がれるものとなる。
【0027】
なお、
図14の斜視図で示すものは、二面開口した二面開口ドアサッシ18をユニットバス16の入口に取り付ける場合を示している。
図14の場合にも、ユニットバス16のポスト材16dの外側に複数の枠フレーム17a,17b,17c,17dが取り付けられ、各枠フレームに間仕切りパネル23が取り付けられる。
【0028】
なお、各枠フレームは、枠フレーム17bを例にとって説明すると、
図15の分解図で示すように構成され、
図16および
図17に拡大して示すように、上フレーム19,下フレーム20,側フレーム21,21は、現場で適宜カットして寸法調整できるように構成されており、側フレーム21の基片21aには、上下方向に間隔をおいてそれぞれ一対のバカ孔21d,21dが貫通形成されており、側フレーム21の折れ片21cには、各バカ孔21dと整合する高さ位置にビス孔21eが上下方向に間隔をおいて貫通形成されている。
【0029】
一方、上フレーム19の内周側には、ビス孔19a,19aが形成されており、側フレーム21のバカ孔21d内にビスを通して、ビスをビス孔21eからビス孔19dに締め付けることで、上フレーム19の先端に側フレーム21を固定することができるものである。
一方、側フレーム21の下端に連結される下フレーム20は、水平片20aと垂直片21bでL字状に形成されたものであり、水平片20aには間隔をおいてそれぞれ一対のビス孔20c,20cが貫通形成されている。この下フレーム20と側フレーム21を連結するために連結材22が用いられ、連結材22は、水平片22aと垂直片22bでL字状に形成されて、水平片22aおよび垂直片22bには、それぞれビス孔22c,22cが形成されている。
【0030】
この連結材22の水平片22aのビス孔22cを下フレーム20の何れかのビス孔20cに整合させ、ビスを締め付けて連結することができ、連結材22の垂直片22bのビス孔22cを側フレーム21のビス孔21eに整合させてビスを締め付けることで連結できるものであり、複数のビス孔20c,21eにより連結位置を適宜変更させることができるように構成されている。