(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カード型記録媒体は、メモリカードであり、前記カード情報は、前記メモリカードに記憶された住所,氏名,電話番号,ユーザID,パスワードのうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
前記カード情報記憶部は、前記複数のボタンそれぞれに、前記複数のカード情報とショッピングサイトのURLを関連づけて記憶し、前記ショッピングサイトの決済画面において、前記記憶されたカード情報と異なるカード情報をもつクレジットカード又はミニサイズ・クレジットカードが挿入された場合は、警告を表示することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【背景技術】
【0002】
店舗においてクレジットカードを利用する場合、店舗に備えられたCAT端末(Credit
Authorization Terminal;信用照会端末)にクレジットカードを読み込ませ、その後、暗証番号を入力することによって、CAT端末は、クレジットカード会社の決済システムに信用照会を行い、決済システムは、その照会結果をもとに代金の決済処理を行う。一方、インターネットにおいて、オンライン・ショッピングや有料サイトの会員登録等(以下、オンラインショピング等)でクレジットカード払いを利用する場合には、クレジットカードをCAT端末に読み込ませる代わりに、クレジットカード番号、カードの有効期限、カード名義人の姓名等、クレジットカードに記録された情報を入力することによって信用照会を行い、決済システムは、その照会結果をもとに代金の決済処理を行う。
【0003】
このようにオンラインショピング等においてクレジットカードを利用する場合、店舗での利用に比べて、多くの情報の入力を行う必要がある。特に昨今のように、個人が多数のクレジットカードを所持し、ショッピングサイトや商品ごとにクレジットカードを使い分けたいような場合は、毎回、クレジットカード情報の入力を行なわなければならない場面が頻繁に発生する。さらに、ショッピングサイトの画面では、住所・氏名・電話番号のような個人情報もサイトごとに求められることも多く、ユーザにとって入力・確認作業が面倒である。そのため、入力ミスも頻繁に発生し、ユーザの苛立ちの原因にもなっている。しかしながら、店舗のCAT端末のようなカード読み取り装置は個人用には存在ぜす、仮にあったとしても、そのためだけにカード読み取り装置を導入するには贅沢であり、また、決済システムへの接続も現在ではクレジットカード加盟店のみに限られている。
【0004】
そのため、家庭等で個人が使用できる手軽な入力装置であって、かつ、CAT端末のようにクレジットカード利用の際に手入力をできるだけ少なくできるような簡易的なカード読み取り装置があれば便利である。しかしながら、例えば、特許文献1のように、開蓋構造を持つ携帯電話、PDA、マウス等の入力ユニットにカード型の記録媒体を挿入できる機構自体は存在するが、オンラインショピング等における上記のような利便性の課題を直ちに解決するものではない。また、特許文献2には、クレジットカードを複数枚所有する人にとって安全かつ手軽に利用できるオンライン・ショッピングシステムが記載されているが、クレジット決済の仕組みそのものを変える必要があり、手軽に上記課題を解決することを目的としたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。本発明の入力装置が扱うカード型記録媒体は、カード表面またはカード内部にデジタル情報が記録され、その情報を読み出したり入力することが必要となるようなカード(クレジットカード,キャッシュカード,デビットカード,ポイントカード,IDカード,メモリカード等)を対象としているが、以下の実施形態では、クレジットカードを具体例にして説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス10の外観を示す図である。一般的なマウスは、この図のように、左ボタン14、右ボタン15を備え、さらに、ホイールボタン16(またはトラックボール)や、1または複数のサイドボタン(図示せず)を備えるものがある。また、図示してないが、マウス本体の下部には、マウスの水平方向の移動量を検出するためのボール式(機械式)センサまたはレーザ光を用いた光学式センサが装着されている。マウスは、ホスト装置であるPC(Personal Computer)等に、PS2インターフェースまたはUSB;Universal
Serial Busインターフェース等の有線通信手段、あるいは電波,赤外線等の無線通信手段で接続される。なお、電波での無線通信手段としては、PC側のUSB端子に受信器を設け、マウス側の送信器との間で通信するものや、Bluetoothを用いて行うものもある。
【0025】
本実施形態のマウス10は、上記構成に加え、さらに、クレジットカード読取装置を内蔵し、クレジットカード30をマウス本体に挿入して、クレジットカード内の情報を読み込ませるためのカード挿入口18Aを備える。カード挿入口は、後述するように複数あってもよい。マウス10の外形は、クレジットカード30の挿入を妨げずマウスとしての機能を果たす限り任意の形状・サイズであってよい。カード挿入口18Aは、カードを装着した際に、カードの一部分が本体外に多少出張るようにしてもよいが、その出張り部が人間の手のひらや指と干渉しないように配設されることが望ましい。マウス10の内部には、カード読取部としてICカード読取器が備えられ、クレジットカード上のICチップ端子からカードに記録されたデータを読み込むことができる。なお、本実施形態では、ICチップ付のクレジットカードを想定しているが、従来型の磁気ストライプ式クレジットカードの場合は、後述する別の実施形態で対応することも可能である。
【0026】
本実施形態のマウス10は、さらに特徴として、本体表面部に、図示するような「ショートカットボタン」17を複数備えている。ショートカットボタン17は、ユーザがこのボタンを押下することによって、PCまたはマウス内に記憶されたクレジットカード情報を呼び出すためのボタンである。詳しくは後で説明するが、複数のクレジットカードを各ショートカットボタンに対応付けて記憶させることによって、そのボタンのワンタッチで対応したクレジットカード情報を呼び出せるのでクレジットカード情報の手入力を省力化でき、複数のクレジットカードの使い分けに役立つ。さらに、ショートカットボタン17には、クレジットカード情報と、よく使うショッピングサイトのURLとに関連づけて記憶することで、ショッピングでの決済を省力化する機能も果たす。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス10の機能ブロックを示す図である。マウス10は、インターフェース部11,カード読取部12部,移動量検出部13,左ボタン14,右ボタン15,ホイールボタン16,上述のショートカットボタン17を備える。さらに、左側面または右側面に1または複数のサイドボタン19を備えていてもよい。インターフェース部11は、移動量検出部13,カード読取部12,および各ボタンの押下検出部からの信号やデータを受けて、PC40と前述のインターフェースを介して信号やデータをやりとりする。インターフェース部11は、電子回路で構成する他、内部にマイクロプロセッサとRAM(Random Access Memory)を備えてもよい。カード読取部12は、ISO/IEC7816で標準化された接触式ICチップ端子からカード内部のデータを読み込む。読み込んだデータは、インターフェース部11によって、PC40に伝えられ、様々なアプリケーションの入力データとなる。PC40には、マウス・デバイスドライバ(図示せず)がインストールされて、設定ファイル40Aには、マウスの各種設定値(パラメータ)等が保存されている。本実施形態において設定ファイル40Aには、カード読取部12が読み込んだカード情報も保存される。この場合、設定ファイル40Aは、カード情報記憶部としても機能する。なお、移動量検出部13,左ボタン14,右ボタン15,ホイールボタン16については、一般的なマウスと同様なので説明は省略する。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス10の機能ブロックの別の構成を示す図である。
図3で示したマウス10は、
図2の機能ブロックに追加して、マウス内部に不揮発性の記憶部20を備えた形態をとっている。
図2の実施形態では、カードから読み込んだデータは、すべてPC40伝送され、PC40内の設定ファイルAに保存されるが、
図3の実施形態では、マウスの各種設定パラメータを記憶部20に記憶することで、設定ファイルの代わりとして用いる他、カード読取部12が読み込んだカード情報を、いったんマウス内の記憶部20に保存することができる。この場合、記憶部20は、カード情報記憶部としても機能する。
【0029】
マウス10が備えるカード読取機能は、後述するように、本マウス専用のデバイスドライバ(ユーティリティを含む)で制御し、アプリケーション側での特別な変更を必要としないようにもできる。しかし、マウス側に不揮発性の記憶部20を備えているので、より柔軟にアプリケーション側でも対応することができる。例えば、マウス10の内部に読み込んだ複数のカード情報を記憶しておき、マウスのいずれかのボタン押下をトリガにして、その情報をPCに送り出すことや、マウス10をクレジットカード以外のカードリーダとしても用いることや(後述)、記憶部20をUSBメモリのように使うこともできる。以下、
図2および
図3の機能構成のマウスは、同じマウス10と表記し、特にことわらない限り、どちらの構成をとっていてもよいものとする。
【0030】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス10のソフトウェア環境を示す図である。この図では、ホスト装置(PC40)側のアプリケーションであるWebブラウザ41に、本実施形態のマウス10および通常のキーボード50から入力されたデータを伝える仕組みの概略を示す。
【0031】
Webブラウザ41は、例えば、ユーザがオンライン・ショッピング等で商品代金を決済する場合には、サーバから送信されたショッピング決済画面を表示し、さらに支払い方法にクレジットカードが選択されていれば、図のようなクレジット決済画面47を表示する。クレジット決済画面47では、少なくともカード上に刻印されたクレジットカード番号(14〜16桁),カードの有効期限(2桁の月番号と2桁の年番号),カード名義人の姓名(通常ローマ字)の入力が求められる。場合によっては、CVC2(Card Validation Code),CVV2(Card
Verification Value),CID(Card Identification Number)などと呼ばれるクレジットカード会社によって異なるセキュリティコード(3桁又は4桁)の入力を求められることもある。、クレジットカード番号の多くは16桁であるが、14桁や15桁のクレジットカードもあり、ユーザにとっては毎回の入力が面倒であり入力ミスすることも多い。
【0032】
Webブラウザ41は、OS(Operating System)42の上で稼動する一アプリケーションであるので、デバイス(この場合は、マウスとキーボード)から入力データを受けとるには、OSに対して、API(Application Program Interface)を発行する。具体的には、データを受け取る場合は、該当デバイスをまずopenして、その後readし、必要なデータを受け取った最後にcloseするAPIを発行する。データをデバイスに送る場合は、該当デバイスをまずopenして、その後writeし、必要なすべてのデータを送った最後にcloseするAPIを発行する。デバイス固有のコマンドを直接送る場合は、ioctlのAPIを発行する。OS42は、アプリケーションからのAPIを受けて、openするデバイスに対応するデバイスドライバを呼び出し、デバイスドライバが、ハードウェアに対して、デバイス固有のインターフェースを介して、データの読み書きを行う。デバイスがマウスの場合は、マウス・デバイスドライバ43が、キーボードの場合は、キーボード・デバイスドライバ44が、そのハードウェアの制御を行う。なお、デバイス・ドライバは、通常、デバイスをはじめてPCに接続する際に、自動的にインストールされる。
【0033】
本実施形態のマウス10でも、PC40にはじめて接続する際に、マウス・デバイスドライバ43がPnP(Plug and Play)によって自動的にインストールされる。本実施形態のマウス・デバイスドライバ43は、キーボード・デバイスドライバ44との間にドライバ間インターフェース46をもっており、マウス10からの入力データの一部をキーボード50からのデータとしてキーボード・デバイスドライバ44に送ることができる。キーボード・デバイスドライバ44は、特別なものではなく、受け取ったデータをキーボード50から入力されたデータとして以後は処理する。もちろん、キーボード50からの入力データもそのまま処理する。具体的には、例えば、マウス10が、マウスに挿入されたクレジットカードからクレジットカード番号を読み取ると、その番号をキーボード50から入力されたものとしてキーボード・デバイスドライバ44に1文字ずつ送る。送られたクレジットカード番号の文字は、キーボード・デバイスドライバ44ではキーボードからの入力として扱われるので、そのままWebブラウザ41が表示するクレジット決済画面47のクレジットカード番号欄に表示される。クレジットカードの有効期限やカード名義人の入力についても同様である。ただし、セキュリティコードは、現在のところは、安全性のため、カードの署名欄の右に印刷されているのみでクレジットカード内にそのデータが記憶されていないので、キーボードから直接入力させる。暗証番号についても同様である。
【0034】
以上の説明では、マウス・デバイスドライバ43とキーボード・デバイスドライバ44を別物として説明したが、両者を上位のクラス・デバイスドライバ45としてまとめ、一体として提供してもよい。このようにすることで、アプリケーション側からは、あたかもクレジットカード番号がキーボードから入力されたように見えるので、デバイスドライバの変更のみで、アプリケーション側を特に変更する必要はなくなる。もちろん、アプリケーション側でマウス10の機能をフルにサポートするように対応してもよい。また、デバイスドライバとOS42のインターフェースをUDI(Universal Device Interface)を用いて記述すれば、OSの種類に依存することなく、一つのデバイスドライバのみを提供すればよい。
【0035】
マウス・デバイスドライバ43(マウス設定ユーティリティを含む)は、図示するようなマウス設定画面48を表示し、マウスの各機能をユーザにカスタマイズさせることができる。通常、マウスの設定には、右ボタンやホイールボタンの機能を定義する機能、マウスボインタの表示(ポインタの形)を変更する機能、およびマウスポインタの画面上での移動速度を変更する機能等があるが、本実施形態のマウス設定画面48では、マウスの拡張機能として、カード設定メニュー画面49が追加される。このカード設定メニュー画面49は、マウス10が読み込んだクレジットカード情報を、ユーザが登録したり、変更したり、削除したり、参照したりする機能を提供する。具体的な設定の例は次の図で説明する。
【0036】
図5、
図6は、本発明の第1の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス10のカード設定画面を示す図である。2つの図は、連続した画面を示しているので、以下まとめて説明する。
【0037】
ユーザがPC等において、マウスの設定を行うための所定の操作(例えばWindows(登録商標)の場合は、コントロールパネルの「プリンタその他ハードウェア」から、「マウス」のアイコンを押す)を行うことにより、マウス設定画面48が表示される。マウス側から所定のボタンを押すことでマウス設定画面48を表示させるようにしてもよい。そして、そのマウス設定画面48のメニューから、ユーザがカード設定ボタンまたはカード設定タグを押すと、カード設定メニュー画面49が表示され、カードの「登録」、「変更」、「削除」、「参照」の機能が選択できるようになる。カード設定メニュー画面49で「新規」が選択された場合、
図5左側の画面のように、「新規登録するクレジットカードを挿入し、登録したいボタンを選択してください」のメッセージとともに、マウス10上のショートカットボタンに対応した番号が表示される(画面49A)。ここでは、ショートカットボタンには左側より順に1,2,3,4の番号が割り当てられている。ここで、ユーザが、クレジットカードをマウス10に挿入後、マウス上のショートカットボタン「1」を押下したとすると、マウス10は、それをトリガに挿入されたクレジットカードのデータを読み込み、マウス・デバイスドライバ43は、そのマウスが読み込んだデータの内容を画面49Bのように表示する。ここで、ユーザが「はい」のボタンを押すと、カード情報を登録した旨のメッセージが表示される(画面49C)。さらに、「メニューに戻る」のボタンを押すと、カード設定メニュー画面49に戻る。
【0038】
このようにして登録されたクレジットカード情報は、ショートカットボタン17の対応するボタンを押すことで、いつでもワンタッチで呼び出され、その呼び出されたクレジットカード情報を、前述したマウス・デバイスドライバ43の働きによって、アプリケーション画面に取り込むことができる。すなわち、マウス上のボタンワンタッチで、クレジットカード情報(クレジットカード番号,有効期限,カード名義人等)が自動的に決済画面に入力されることになる。
【0039】
カード設定メニュー画面49で「変更」が選択された場合は、
図6右側の画面のように、「変更登録するクレジットカードを挿入し、変更したいボタンを選択してください」のメッセージとともに、マウス10上のショートカットボタンの配列に対応した番号が表示される(画面49D)。ここで、ユーザが、クレジットカードをマウス10に挿入後、「1」のボタンを押したとすると、マウス10は、挿入されたクレジットカードのデータを読み込み、マウス・デバイスドライバ43は、現在登録されているデータを設定ファイルまたはマウス10の記憶部20から読み出し、そのデータを画面49Eの「変更前」に表示し、マウス10が新たに読み込んだカードデータを画面49Eの「変更後」のように表示する。ここで、ユーザが「はい」のボタンを押すと、カード情報を変更した旨のメッセージが表示される(画面49F)。さらに、「メニューに戻る」のボタンを押すと、カード設定メニュー画面49に戻る。
【0040】
同様に、カード設定メニュー画面49で「削除」が選択された場合は、
図6の画面49G、49H,49Iの画面の流れのとおり登録されたクレジットカード情報の削除が行われる。カード設定メニュー画面49で「参照」が選択された場合は、
図6の画面49J,49Kの画面の流れのとおり、登録されたクレジットカード情報の削除が行われる。
【0041】
上記の登録、変更等の設定画面では、ショートカットボタンとクレジットカードの情報を対応づけて記憶させるようにしたが、ショートカットボタンにさらにショッピングサイトのURLを関連づけてもよい。すなわち、ひとつのショートカットボタンに、クレジットカードとショッピングサイトを関連づけして記憶しておき、例えば、ショートカットボタンを押下した際には、ショッピングサイトに自動的に飛んで、ユーザがそのショッピングサイトで買い物をしてクレジットカードで決済する画面に移行すると、ショートカットボタンに対応づけられたクレジットカード情報がその画面にすでに入力されている状態にすることも可能である。また、ショッピングサイトの決済画面において、対応づけられたクレジットカードとは別のクレジットカードを挿入すると警告を表示するようにもできる。もちろん、警告が表示された場合、挿入したクレジットカードに一時的に支払いを変更することや、以後の支払いのデフォルトカードとして登録を変更することも可能である。このようにすることで、よく利用するショッピングサイトごとに使用するクレジットカードをボタンひとつに登録しておくことができるので、クレジットカードの使い分けが容易になる。
【0042】
また、上記の説明では、一人のユーザが複数のカードを所持していることを前提に説明したが、複数のユーザが、それぞれ1または複数カードを所持するような場合にも対応が可能である。具体的には、カード設定メニュー画面にログイン手段を設け、ログインするユーザIDと登録するカードの対応を前もって設定しておく。その後にログインしたカード設定メニュー画面では、ログインしたユーザIDに登録されたユーザのカードのみが設定・変更・削除が可能とする。さらに、このユーザIDとショッピングサイトのユーザIDを対応づけすることで、ショッピングサイトの決済画面等では、そのユーザに登録されたカードのみが使用可能となるように制御することもできる。また、ショートカットボタン17とユーザIDを対応づけするようにしてもよい。例えば、ショートカットボタン17のボタン1はユーザID1に、ボタン2はユーザID2のように割り付け設定を行えるようにする。もちろん、ユーザ間の取り決めで、各ボタンとユーザIDを一義的に定義してもよい。このようにすることで、1台のPCやマウスを家族等で共有しても、お互いのカード情報を誤って使用したり変更したりする危険性がなくなる。
【0043】
図7は、本発明の第1の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス10のカード選択の別の方法を示す図である。カード設定選択画面(49A,49D,49G,49J)において、
図7上段のようなカード選択画面を表示させ、その状態で、
図7の下段に示すように、例えば、マウスのサイドボタン19を押しながら、ホイールボタン16を回し、上段のカード選択部をスクロールさせて、登録・変更・削除・照会の各場面で、クレジットカードを選択させる。特に、登録したいクレジットカードの枚数がショートカットボタン17のボタン数を上回る場合は、このような方法で、クレジットカードの選択を行わせることもできる。また、決済画面においても上記のようなカード選択画面をポップアップとして表示させるようにしてもよい。
【0044】
図8は、本発明の第2の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス60の外観を示す図である。第1の実施形態におけるマウス10は、カード挿入口を1つ備えるものであったが、第2の実施形態のマウス60は、カード挿入口を2つ備える。すなわち、図示するように、第1カード挿入口18Aに加えて、第2カード挿入口18Bを具備している。第2カード挿入口18Bは、通常のクレジットカードより約43%面積が小さいミニサイズ・クレジットカード31に対応するようにしてもよい。通常のクレジットカードのサイズ30は、縦54mm、横86mmであるのに対し、ミニサイズ・クレジットカード31は、縦40mm、横66mmであるので、マウスのような小型の入力装置に装着するのに向いている。図では、側面から横向きにミニサイズ・クレジットカード31を挿入するようにしているが、縦方向、すなわち、第1カード挿入口18Aの上段または下段に、第2カード挿入口18Bを併設してもよい。第1カード挿入口18Aもミニサイズ対応としてもよいし、大型のマウスの場合は、第2カード挿入口18Bを通常サイズのクレジットカード対応としてもよい。
【0045】
上記のような構成をとることで、クレジットカードを差し替える手間がなくなり、2種類のカードを装着したままでも、使い分けが可能となる。さらに、ショートカットボタン17と組み合わせることで、3枚以上のカードを登録できることは言うまでもない。
【0046】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るカード読取機構一体型のマウス70の外観を示す図である。第1の実施形態、および第2の実施形態のマウスは、いずれもICチップ内蔵のクレジットカードを読み取ることを前提にしていたが、第3の実施形態では、ICチップを内蔵していない従来型の磁気ストライプ式のクレジットカード30(通常サイズ)を読み込ませることができるマウス70を示している。マウス70は、横幅が通常サイズのクレジットカードより数センチ程度短いので、図のように、マウスの一方の側面(図では右側)からカードを挿入して、他方の側面(図では左側)から引き出し、クレジットカード上の磁気ストライプを適切な速度で通過させることで、クレジットカードのデータを読み込ませることを可能としている。もちろん、複数のカードを順に読み込ませ、そのデータを記憶させ、ショートカットボタン17と組み合わせて、複数のカード情報を以後ワンタッチで呼び出すことができる点には変わりない。
【0047】
以上、第1から第3までの実施形態においては、カード読取機講一体型の入力装置の例としてマウスを説明したが、本発明の入力装置は、マウスに限るものではない。
図10は、本発明の第4の実施形態に係る卓上型カード読取装置80の外観を示す図である。
【0048】
卓上型カード読取装置80は、図示するような箱型形状を持った筐体の上部に、ミニサイズ・クレジットカード装着部81,通常サイズ・クレジットカード装着部82を備える。それぞれの装着部には、ICチップ端子83が設置され、クレジットカード表面のICチップと接触することでカード内部のデータを読み出すことができる。装着部81,82のくぼみは、それぞれカードサイズに合うように成形されている。ユーザは、クレジットカードを装着する場合は、装着部81または装着部82の前方から後方にかけての傾斜面を利用し、カードをICチップのある面を下側にしてすべらすように奥まで突き当てて、クレジットカードのICチップと装着部81または82のICチップ端子が接触するように位置決めをする。
【0049】
また、卓上型カード読取装置80は、従来型の磁気ストライプ式カードを読み込ませるための磁気ストライプ読取部84を備えていてもよい。ホスト装置(PC40)との接続は、マウスと同様に、USBや無線、有線インターフェースであってよく、ホスト装置からは、第1〜第3の実施形態のマウスとして認識されるようにしてもよい。
【0050】
また、卓上型カード読取装置80にUSB端子を複数設け、USBハブとして機能するようにしてもよい。なお、卓上型カード読取装置80の前面部には、複数のショートカットボタン85や、その他のボタン86(例えば、Enterキー)を設けて、複数のカードの登録させ、使い分けを簡単にできるようにすることは言うまでもない。さらに、その他のボタンを、ノートPCに装着されているような、タッチパッドと、左ボタン、右ボタンで構成することで、マウスとしても機能できるようにしてもよい。
【0051】
第1〜第4の実施形態において、入力装置が扱うカード型記録媒体としては、クレジットカードを用いて説明したが、本発明のカード型記録媒体は、これらに限定されるものではない。例えば、入力装置に、SDカード(登録商標)やスマートメディア(登録商標)、あるいはコンパクトフラッシュ(登録商標)のようなメモリカードの挿入口を設けて、クレジットカード以外のカードにも対応するマルチメモリカード読取装置として機能させることもできる。メモリカードに住所・氏名・電話番号や、よく使うサイトのユーザIDやパスワード等の情報を記憶させておき、ボタン一つでその内容を読み出して表示し、あるいはそれをそのまま画面の入力データとすることもできる。このようにすることで、インターネットサイト等で、頻繁に入力することが多いユーザの住所・氏名等の個人情報をワンタッチで読み出し、様々な入力画面の入力データとすることができる。また、複数のカード情報としてこれらの個人情報を登録しておけばサイトごとにデータを使い分けることができる。
【0052】
また、他のカード型記録媒体としては、キャッシュカード,デビットカードのような金融系カード,ポイントカード,会員カードのような会員系カード、および保険証,免許証,パスポート,住基カードのような証明書系カード等が考えられる。特に、米国のソーシャルセキュリティ番号のように、本人確認のために証明書系カード番号の入力を求められることが今後多くなることも予想され、本発明はそういった場合にもカードのデータ入力負担を軽減するものとして期待できる。
【0053】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。