特許第5715443号(P5715443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715443
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】壁面体
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
   E04H17/16 104
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-41428(P2011-41428)
(22)【出願日】2011年2月28日
(65)【公開番号】特開2012-177273(P2012-177273A)
(43)【公開日】2012年9月13日
【審査請求日】2013年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 泰平
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−45577(JP,A)
【文献】 特開2000−120217(JP,A)
【文献】 特開2006−291646(JP,A)
【文献】 特開2009−74274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/16
E01F 8/00
E04B 2/74
E04F 13/08
E04C 2/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の支柱と、上桟と下桟とを有する複数のパネル体とを備え、パネル体は左右の支柱間に積み上げており、下パネル体の上桟は、見込み方向一方側に設けた一方側被係合部と、一方側被係合部の上方に設けて下端を一方側に向けて傾斜した傾斜面と、上パネル体の下桟の見込み方向一方側部が載る一方側載置部と、上パネル体の下桟の見込み方向他方側部が載る他方側載置部と、見込み方向他方側に設けた他方側被係合部とを備え、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側被係合部に下方から係合する上下方向一方側係合部と、下パネル体の上桟の他方側被係合部に下方から係合する上下方向他方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向一方側から係合する見込み方向一方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向他方側から係合する見込み方向他方側係合部とを備え、他方側被載置部は上下方向他方側係合部よりも他方側に位置しており、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側載置部に載置した一方側被載置部及び他方側載置部に載置した他方側被載置部と、上下方向一方側係合部及び上下方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を上下方向から挟んでおり、見込み方向一方側係合部と見込み方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を見込み方向で挟んでいることを特徴とする壁面体。
【請求項2】
左右の縦枠及び上下の横枠で枠組みした枠体と、上下の横枠を固定した支柱と、枠体内に積上げた複数のパネル体とを備え、パネル体は上桟と下桟とを有し、下パネル体の上桟は、見込み方向一方側に設けた一方側被係合部と、一方側被係合部の上方に設けて下端を一方側に向けて傾斜した傾斜面と、上パネル体の下桟の見込み方向一方側部が載る一方側載置部と、上パネル体の下桟の見込み方向他方側部が載る他方側載置部と、見込み方向他方側に設けた他方側被係合部とを備え、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側被係合部に下方から係合する上下方向一方側係合部と、下パネル体の上桟の他方側被係合部に下方から係合する上下方向他方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向一方側から係合する見込み方向一方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向他方側から係合する見込み方向他方側係合部とを備え、他方側被載置部は上下方向他方側係合部よりも他方側に位置しており、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側載置部に載置した一方側被載置部及び他方側載置部に載置した他方側被載置部と、上下方向一方側係合部及び上下方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を上下方向から挟んでおり、見込み方向一方側係合部と見込み方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を見込み方向で挟んでいることを特徴とする壁面体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェンスや屋外に設置される間仕切り等の壁面体に関する。
【背景技術】
【0002】
左右の支柱間にパネル体を積み上げて設置されるフェンス等の壁面体において、特許文献1には、溝を形成した左右の支柱にパネル体の左右端を呑み込ませてパネル体を順次積上げることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−2955510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術は、上下のパネル体は互いに固定していないから上下のパネル体間でがたつきが生じ易いという問題がある。一方、上下のパネル体をねじ等で固定したのでは、施工に手間がかかる。
更に、特許文献1の技術は、支柱の上端からパネル体を落とし込む必要があるので、壁面体を施工する場合に支柱の上方にも施工スペースが必要になるという不都合がある。
【0005】
そこで、本発明は、上下のパネル体を容易に固定できると共に施工スペースを支柱の上方に大きくとらなくて済む壁面体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、左右の支柱と、上桟と下桟とを有する複数のパネル体とを備え、パネル体は左右の支柱間に積み上げており、下パネル体の上桟は、見込み方向一方側に設けた一方側被係合部と、一方側被係合部の上方に設けて下端を一方側に向けて傾斜した傾斜面と、上パネル体の下桟の見込み方向一方側部が載る一方側載置部と、上パネル体の下桟の見込み方向他方側部が載る他方側載置部と、見込み方向他方側に設けた他方側被係合部とを備え、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側被係合部に下方から係合する上下方向一方側係合部と、下パネル体の上桟の他方側被係合部に下方から係合する上下方向他方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向一方側から係合する見込み方向一方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向他方側から係合する見込み方向他方側係合部とを備え、他方側被載置部は上下方向他方側係合部よりも他方側に位置しており、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側載置部に載置した一方側被載置部及び他方側載置部に載置した他方側被載置部と、上下方向一方側係合部及び上下方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を上下方向から挟んでおり、見込み方向一方側係合部と見込み方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を見込み方向で挟んでいることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、左右の縦枠及び上下の横枠で枠組みした枠体と、上下の横枠を固定した支柱と、枠体内に積上げた複数のパネル体とを備え、パネル体は上桟と下桟とを有し、下パネル体の上桟は、見込み方向一方側に設けた一方側被係合部と、一方側被係合部の上方に設けて下端を一方側に向けて傾斜した傾斜面と、上パネル体の下桟の見込み方向一方側部が載る一方側載置部と、上パネル体の下桟の見込み方向他方側部が載る他方側載置部と、見込み方向他方側に設けた他方側被係合部とを備え、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側被係合部に下方から係合する上下方向一方側係合部と、下パネル体の上桟の他方側被係合部に下方から係合する上下方向他方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向一方側から係合する見込み方向一方側係合部と、下パネル体の上桟に見込み方向他方側から係合する見込み方向他方側係合部とを備え、他方側被載置部は上下方向他方側係合部よりも他方側に位置しており、上パネル体の下桟は、下パネル体の上桟の一方側載置部に載置した一方側被載置部及び他方側載置部に載置した他方側被載置部と、上下方向一方側係合部及び上下方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を上下方向から挟んでおり、見込み方向一方側係合部と見込み方向他方側係合部とで下パネル体の上桟を見込み方向で挟んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、上パネル体の下桟が下パネル体の上桟に上下方向及び見込み方向で係合して挟んでいるので、上下のパネル体をねじ等を用いることなく容易に固定できる。
本発明の施工は、例えば、支柱間において、上パネル体を一方側又は他方側から下パネル体の上に配置すると共に上パネル体の上桟を他方側に向けて傾斜させて上パネル体の下桟の上下方向他方側係合部を下パネル体の上桟の他方側被係合部に下から係合した後、上パネル体の上桟を支柱間に位置するように上パネル体を回転させて、上下方向一方側係合部が一方側被係合部を乗り越えて一方側被係合部に下方から係合し、下パネル体の上桟に載置する。これにより、上パネル体の下桟の上下方向一方側係合を下パネル体の上桟の一方側被係合部に下から係合すると共に下パネル体の上桟に見込み方向一方側係合と見込み方向他方側係合部が係合する。このように、本発明は下パネル体に対して上桟を一方側又は他方側に傾けて載置した上パネル体を回転させて施工できるので、従来技術のように支柱の上方に施工スペースを取らなくて済む。
また、他方側被載置部は上下方向他方側係合部よりも他方側に位置しているので、上パネル体を回転させて下パネル体の上に載置するときに、下パネル体の上桟の他方側載置部が邪魔にならずに回転させることができる。
下パネル体の上桟を、上パネル体の下桟の一方側被載置部及び他方側被載置部と、上下方向一方側係合及び他方側係合部とで挟んでいるので、パネル体を積上げた状態で加重がかかっても、下パネル体の上桟と上パネル体の下桟との係合が外れ難い。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、枠体内に積上げた複数のパネル体では、上パネル体の下桟が下パネル体の上桟に上下方向及び見込み方向で係合して挟んでいるので、上下のパネル体をねじ等を用いることなく容易に固定できる。
本発明の施工は、左右の縦枠及び上下の横枠で四周を枠組みした枠体において、上パネル体を一方側又は他方側から下パネル体の上に配置すると共に上パネル体の上桟を他方側に向けて傾斜させて上パネル体の下桟の上下方向他方側係合部を下パネル体の上桟の他方側被係合部に下から係合した後、上パネル体の上桟を左右の縦枠間に位置するように上パネル体を回転させて、上下方向一方側係合部が一方側被係合部を乗り越えて一方側被係合部に下方から係合し、下パネル体の上桟に載置する。これにより、上パネル体の下桟の上下方向一方側係合を下パネル体の上桟の一方側被係合部に下から係合すると共に下パネル体の上桟に見込み方向一方側係合と見込み方向他方側係合部が係合する。このように、本発明は下パネル体に対して上桟を一方側又は他方側に傾けて載置した上パネル体を回転させて施工できるので、四周を枠組みした枠体内にパネル体を積上げることができ、組立てスペースを大きく取らなくて済むと共に組み立てが容易である。
パネル体の積上げにおいて、他方側被載置部は上下方向他方側係合部よりも他方側に位置しているので、上パネル体を回転させて下パネル体の上に載置するときに、下パネル体の上桟の他方側載置部が邪魔にならずに回転させることができる。
下パネル体の上桟を、上パネル体の下桟の一方側被載置部及び他方側被載置部と、上下方向一方側係合及び他方側係合部とで挟んでいるので、パネル体を積上げた状態で加重がかかっても、下パネル体の上桟と上パネル体の下桟との係合が外れ難い。
上下の横枠に支柱を固定する構成であるから、支柱の位置に制限なく施工できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施の形態を示し、壁面体の施工中において下パネル体に上パネル体を係合固定した状態を示す縦断面図である。
図2】第1実施の形態を示し、壁面体の施工中において下パネル体に上パネル体を係合固定する前の状態を示す縦断面図である。
図3】第1実施の形態を示し、(a)は図5のC−C断面図であり、(b)は(a)に示すA部の拡大図であり、(c)はB部の拡大図である。
図4】第1実施の形態を示し、図5のD−D断面図である。
図5】第1実施の形態にかかる壁面体を道路側から見た正面図である。
図6】第2実施の形態にかかる壁面体を道路側から見た正面図である。
図7】第2実施の形態にかかる壁面体であって、図6に示すE−E断面図である。
図8】第1実施の形態の変形例であり、壁面体の施工中において下パネル体に上パネル体を係合固定した状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付図面を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。第1実施の形態にかかる壁面体1は、フェンスである。
図5に示すように、壁面体1は、左右の支柱3、3と、複数のパネル体5を備えており、パネル体5は左右の支柱3間に積み上げて固定されている。左右の柱3、3の上端間には横架材7が架設されており、最上にあるパネル体5と横架材7との間に空間9を形成している。
図4に示すように、左右の支柱3、3には、互いに対向する面に各々竪桟補助材11がねじ固定してある。
【0012】
図3に示すように、パネル体5は、パネル17と、上桟19と、下桟21と、左右の竪桟13、13(図4参照)とを備えており、パネル17の周囲を上桟19、下桟21及び竪桟13、13で囲んでいる。また、上桟19と下桟21との間には中骨23を固定してある。
パネル17は、採光パネルであり、光を透過する樹脂材製である。
上桟19は、横桟本体25と、横桟本体25の下方に空間をあけて配置した横桟補助材27とを備えており、横桟本体25と横桟補助材27との間の空間をパネル体5の見込み方向に風を通す通風部29としてある。
【0013】
図1に示すように、下パネル体5の上桟19の横桟本体25には、上パネル体5の下桟21が載る一方側載置部30a及び他方側載置部30bと、見込み方向一方側に設けた一方側被係合部31と、見込み方向他方側に設けた他方側被係合部33とが設けられている。一方側載置部30aは横桟本体25の上面の一方側に設けたあり、他方側載置部30bは他方側被係止部33の上端に設けてある。一方側被係合部31は下側ほど見込み方向一方側に向けて突出する傾斜面36を有している。
【0014】
上パネル体5の下桟21は、下パネル体5の横桟本体25の一方側被係合部31に下方から係合する上下方向一方側係合部35と、下パネル体5の横桟本体25の他方側被係合部33に下方から係合する上下方向他方側係合部37と、下パネル体5の一方側載置部30aに載置する一方側被載置部32aと、他方側載置部30bに載置する他方側被載置部32bとが設けてある。また、他方側被載置部32bの他方側には下パネル体5の横桟本体25に見込み方向から係合する見込み方向他方側係合部34が設けてある。見込み方向他方側係合部34は他方側被載置部32bの他方側で下方に向けて突出してあり、他方側被載置部32bと見込み方向他方側係合部34とでコーナーを形成している。
【0015】
上下方向一方側係合部35は、横桟本体25の一方側被係合部31に下方から係合すると共に横桟本体25の見込み方向一方側から他方側に向けて当接する見込み方向係合部を兼ねている。
そして、上パネル体5の下桟21は、横桟本体25の一方側被載置部32a及び他方側被載置部32bと、上下方向一方側係合部35及び上下方向他方側係合部37とで下パネル体5の横桟本体25を上下方向から挟んでおり、見込み方向一方側係合部35と見込み方向他方側係合34とで下パネル体の横桟本体25を見込み方向で挟んである。
【0016】
図3に示すように、横桟補助材27には、中骨23の上端がねじ固定されており、中骨の一方側にパネル17の上端が固定されている。
横桟本体25の下面は見込み方向中間部に平坦な水平部41が形成されており、横桟補助材27の上面も見込み方向中間部に横桟本体25の水平部41と平行な水平部43が形成されている。そして、横桟本体25の水平部41と横桟補助材27の水平部43との間にスペーサ44が固定されている。
【0017】
図3(b)に示すように、最上に位置するパネル体5は、その上桟19の横桟本体25の上面にカバー45を取付けている。
カバー45には、横桟本体25の一方側被係合部31に係合する上下方向一方側係合部47と、他方側被係合部33に係合する上下方向他方側係合部49とが形成されており、これらの係合部47、49は各々上述した下桟21に形成された上下方向一方側係合部35及び上下方向他方側係合部37と同じ形状となっており、下桟21と同様に横桟本体25に嵌合してカバー45を取付けてある。
【0018】
図3(a)に示すように、支柱3、3間の下部には下桟補助材16が固定してあり、最下に位置するパネル体5の下桟21は下桟補助材16に嵌合してある。
パネル体5の左右の竪桟13は、竪桟補助材11及び支柱3、3に家側から斜めに止めるねじ12で固定されている。竪桟13を固定するねじ12は目板15で隠してある。
尚、竪桟13の道路側は竪桟補助材11の面部11aで覆っている。また、図3(b)に示すように、竪桟13の上端には、キャップ51を取付けてある。
【0019】
次に、本実施の形態にかかる壁面体1の施工、作用効果について説明する。
壁面体1の施工は、図4に示すように、左右の支柱3、3の対向面に各々竪桟補助材11をねじ固定する。また、左右の支柱3、3の下部に下桟補強材16を固定し、上端に横架材7を固定する。
次に、左右の支柱3、3間の下部に最下のパネル体5を配置し、その下桟を下桟補強材16(図3(a)参照)に嵌合し、パネル体5の左右の竪桟13、13を家側(他方側)から止めるねじ12で竪桟補助材11及び支柱3に固定する。
【0020】
次に、図1に示すように、パネル体5の上に順次パネル体5を積み上げて固定するが、上パネル体5の積み上げは、図2に示すように、上パネル体5の上桟19を家側(他方側)に向けて傾斜させ、支柱3、3間に配置し、上パネル体5の下桟21にある上下方向他方側係合部37を、下パネル体5の横桟本体25の他方側被係合部33に下から係合する。そして、上パネル体5の上桟19を道路側(一方側)に向けて回転させて上パネル体5を立ち上げることにより、一方側被係合部31の傾斜面36に沿って上下方向一方側係合部35が移動し、上下方向一方側係合部35が弾性変形して一方側被係合部31を乗り越えて一方側被係合部に下方から係合する。そして、下パネル体5の横桟本体25の被載置部30a、30bに上パネル体5の下桟21を載置する。
このように、下パネル体5に上パネル体5を積上げた状態では、図1に示すように、上パネル体の下桟21は、一方側被載置部32a及び他方側載置部32bと、上下方向一方側係合部35及び上下方向他方側係合部37とで横桟本体25を上下方向から挟み、見込み方向一方側係合部(上下方向一方側係合部)35と見込み方向他方側係合部34とで横桟本体25を見込み方向で挟んで固定している。
【0021】
そして、パネル体5の竪桟13、13を家側(他方側)から止めるねじ12で竪桟補助材11及び支柱3に固定する。
このようにしてパネル体5を順次積み上げて最上のパネル体5を、竪桟補助材11、11及び支柱3,3に固定した後、竪桟13の家側(他方側)に目板15を嵌め、最上のパネル体5の上桟本体25にカバー45を被せると共に、竪桟13、13の上端にもカバー51を被せる。
【0022】
本実施の形態によれば、上パネル体の下桟21が、一方側被載置部32a及び他方側載置部32bと、上下方向一方側係合部35及び上下方向他方側係合部37とで横桟本体25を上下方向から挟み、見込み方向一方側係合部(上下方向一方側係合部)35と見込み方向他方側係合部34とで横桟本体25を見込み方向で挟んで固定しているので、上下のパネル体5、5をねじ等を用いなくても容易に固定できる。
また、下パネル体5に対して上パネル体5の上桟19を一方側又は他方側に傾けて載置した上パネル体5を回転させて施工できるので、従来技術のように支柱3、3の上方に施工スペースを取らなくて施工できる。
他方側被載置部32bは上下方向他方側係合部37よりも他方側に位置しているので、上パネル体5を回転させて下パネル体5の上に載置するときに、下パネル体の上桟19の他方側載置部30bが邪魔にならずに回転させることができる。
下パネル体5の上桟19を、上パネル体の下桟21の上下方向一方側係合35及び他方側係合部37と、一方側被載置部32a及び他方側被載置部32bとで挟んでいるので、パネル体5を積上げた状態で加重がかかっても、下パネル体5の上桟19と上パネル体5の下桟21との係合が外れ難い。
更に、支柱3、3間に横架材7を取付けて支柱3、3間の強度を高めた後に、パネル体5を順次取付けているので、施工し易い。
上パネル体5の下桟21を下パネル体5の上桟本体25に回転により嵌合させて取付けているので、上からパネル体5を落とし込まなくて済むから最上パネル体と横架材7との間にほとんど空間がない場合でも容易に施工できる。更に、家側のみから施工ができ、道路側からの作業を不要にできる。
【0023】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述の第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符合を付することにより、その部分の説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
【0024】
図6及び図7を参照して、本発明の第2実施の形態にかかる壁面体1を説明する。この第2実施の形態にかかる壁面体1は、壁面ユニット71を左右に複数並べて連結し、壁面ユニット71を家側に設けた支柱3に固定している。
壁面ユニット71は、上横枠61、下横枠63及び左右の縦枠65、67により枠組した枠体69の内周側にパネル体5を積上げて壁面ユニット71を組立ててある。また、壁面体ユニット71は上下の横枠61、63を支柱3に固定している。
枠体69の内周へのパネル体の取付けは、第1実施の形態と同様にして取付けている。
【0025】
この第2実施の形態によれば、上述の第1実施の形態において支柱3、3間にパネル体5を積上げて施工する効果を除いて、上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
更に、第2実施の形態によれば、壁面ユニット71を工場等で施工し、施工現場で複数の支柱3を立設し、各支柱3に壁面ユニット71を固定することができるので、施工現場での施工が容易である。
支柱3は枠体69の上下の横枠61、63に固定しており、第1実施の形態と比較して支柱3の立設位置がパネル体5の見付け寸法の位置に限らないから支柱3の立設位置に制約がなく、施工の自由度が高い。
【0026】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、パネル体5は、ルーバや格子を備えたものであっても良く、パネル体5の種類は限定されない。また、パネル体5には通風部29が無くても良い。
壁面体1は面一に施工することに限らず、左右に隣り合うパネル体5を柱3に対して直角に配置したり、柱3に対して所定の角度を形成するものであっても良い。
支柱3、3間には、横架材7を架設しないでも良い。
壁面体1は、フェンスに限らず、屋外に設置する間仕切り等であっても良い。
上述した実施の形態では、上下方向一方側係合部35は見込み方向一方側係合部を兼ねていたが、上下方向一方側係合部35とは別に、例えば上下方向一方側係合部35の下に見込み方向一方側係合部を設けても良い。
下桟21には、被載置部32bと見込み方向係合部34とでコーナを形成したが、これに限らず、見込み方向係合34を被載置部32bから離れた位置に設けて横桟本体25に他方側から係合するものであっても良い。
上パネル体5の下桟21の他方側被載置部32bは、図8に示すように、先端を上方に向けて傾斜させて、上パネル体を回転して施工するときに他方側被載置部32bが載置部30bと干渉するのを防止するようにしても良い。
第2実施の形態において、支柱3に枠体69を固定した後、パネル体5を各枠体69の内周に積上げるものであっても良い。
【符号の説明】
【0027】
1 壁面体
3 支柱
5 パネル体
19 上桟
21 下桟
25 横桟本体
30a 一方側載置部
30b 他方側載置部
31 一方側被係合部
32a 一方側被載置部
32b 他方側被載置部
33 他方側被係合部
34 見込み方向他方側係合部
35 上下方向一方側係合部(見込み方向一方側係合部)
37 上下方向他方側係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8