(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715496
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20150416BHJP
E06B 9/06 20060101ALI20150416BHJP
【FI】
E06B9/52 N
E06B9/06 620H
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-122826(P2011-122826)
(22)【出願日】2011年5月31日
(65)【公開番号】特開2012-251309(P2012-251309A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2014年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】390035976
【氏名又は名称】株式会社メタコ
(74)【代理人】
【識別番号】100093230
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 利夫
(72)【発明者】
【氏名】岡地 康文
【審査官】
川島 陵司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−293357(JP,A)
【文献】
実公昭63−30803(JP,Y2)
【文献】
実公昭49−1245(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52
E06B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された、少なくとも一方がスライド移動可能な一対のスクリーン取付枠部に、スクリーンが、両スライドガイド枠部間に収縮および展開自在に取り付けられ、一対のスクリーン取付枠部間に張設された張力部材がスクリーンを貫通し、スクリーン取付枠部への取付側ではないスクリーンの両端部付近にスライドガイド枠部が一対配設され、スライドガイド枠部は、複数のスライドガイド枠部ユニットが連結ユニットを介して連結されて形成され、連結ユニットは、一対のスライドガイド枠部において対向配置され、各スライドガイド枠部ユニットは、対向配置された一対の側壁部と両側壁部を相互に繋ぐ架橋部とを有する剛性ユニットが隣り合う2つにおいて回動自在に連設されて形成され、前記スライドガイド枠部は、屈曲性を有し、少なくとも一端が自由端とされてスクリーン取付枠部内に収納および引き出し可能とされる一方、スクリーン取付枠部のスライド移動にともなってスクリーン取付枠部から引き出されたときにスライドガイド枠部の引き出された部分は直線性を保持するスクリーン装置において、
スクリーンの表裏面のいずれか片側においてスクリーンと張力部材の間に1本の方立てが、一対のスライドガイド枠部に架け渡されて配設され、方立ては、その一端および他端において前記連結ユニットに取り外し自在に固定され、
前記連結ユニットは、対向配置された一対の側壁部と両側壁部を相互に繋ぐ架橋部とを有し、架橋部には、幅の狭い第1孔と、この第1孔に連続する幅の広い第2孔とが形成され、第2孔の内側には、第2孔を開閉自在とした弾性を有する舌片が配設され、
前記方立ての一端および他端に取り付けられる固定部材を第1孔から第2孔にスライドさせ、舌片が押し曲げられることによって、方立ては連結ユニットから固定が解除されることを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
張力部材を挟んで前記方立てと前記スクリーンの表裏面に関して同じ側に隙間をあけてもう1本の方立てが配設され、もう1本の方立ても、前記方立てと同じように、その一端および他端において前記連結ユニットに取り外し自在に固定され、両方立てが、弾性を有する架橋部材によって連結されていることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン、ブラインド、網戸、さらに間仕切りなどとして用いることのできる多用途のスクリーン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテン、ブラインドなどの遮光および調光手段や網戸、間仕切りなどとして使用する際の設置の制約を解消し、スムーズで安定した開閉操作を実現する装置として、本出願人は、スクリーン装置を提供している(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載したスクリーン装置では、対向配置された、少なくとも一方がスライド移動可能な一対のスクリーン取付枠部に、スクリーンが、両スクリーン取付枠部間に収縮および展開自在に取り付けられている。また、スクリーン取付枠部への取付側ではないスクリーンの両端部付近には、スライドガイド枠部が一対配設されている。このスライドガイド枠部は、対向配置された一対の側壁部とこの側壁部を相互に繋ぐ架橋部とを有する剛性ユニットが、隣り合う2つにおいて回動自在に連設されて形成される。そして、スライドガイド枠部は、屈曲性を有し、少なくとも一端が自由端とされてスクリーン取付枠部内に収納および引き出し可能とされている。スクリーン取付枠部のスライド移動にともなってスクリーン取付枠部から引き出されたスライドガイド枠の部分は直線性を保持する。このようなスライドガイド枠部によって、設置の制約の解消とスムーズで安定した開閉操作を実現している。
【0004】
上記スクリーン装置は、たとえば窓やドア枠などの開口部の大きさに合わせて所望の大きさのものに作製することができるが、大型のもの、特に開閉方向の幅、すなわち、スクリーン取付枠部のスライド移動方向の幅が大きいものの場合、以下のような問題が指摘される。
【0005】
スクリーンが展開され、スクリーン装置が閉まっている状態において強い風を受けると、スクリーンが風圧によって大きく撓むことがある。このようにスクリーンが大きく撓むと、スライドガイド枠部との間に大きな隙間が形成され、遮光性、防虫性などのスクリーン装置の機能が損なわれる。
【0006】
また、スライドガイド枠部がスクリーンの上下両端部付近に配設されたスクリーン装置では、スクリーン取付枠部から引き出された上側のスライドガイド枠部の部分は、スクリーンが有する剛性によって下方から支持されるようにしているが、開閉方向の幅が大きくなるにつれ、スクリーン取付枠部から引き出された上側のスライドガイド枠部の部分が長くなるので、自重により撓むことが予想される。このスライドガイド枠部の撓みは、スクリーン装置の開閉操作に支障をきたすことになる。
【0007】
そこで、本出願人は、スクリーンの表裏両側に対向配置された一対の方立てが、連結部材によって連結され、スクリーンを挟み込んで一対のスライドガイド枠部間に固定され、連結された方立ては、一体としてスクリーン取付枠部のスライド移動方向と平行な方向にスライド移動可能とされているスクリーン装置を提案している(特許文献2)。
【0008】
特許文献2に記載したスクリーン装置では、スクリーン取付枠部のスライド移動にともなって連結された方立てがスライド移動し、一対のスクリーン取付枠部間に展開されたスクリーンの面強度を補強する。このため、強い風を受けても風圧によってスクリーンが大きく撓むのが抑制され、スクリーン装置の遮光性、防虫性などの機能が安定して実現される。また、スクリーンの上端部付近に配設された上側のスライドガイド枠部が自重により撓むのも抑制され、スクリーン装置の開閉操作が安定して実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3323461号公報
【特許文献2】特開2009−293357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一方、スクリーンには経時的に汚れなどが生じるため、スクリーンの清掃や新品のスクリーンへの交換が必要であり、スクリーンを容易に取り外せることがスクリーン装置に要求される。この点を考慮すると、特許文献2に記載したスクリーン装置では、スクリーンの表裏両側に対向配置された一対の方立てがスクリーンを挟み込んでおり、しかも、方立ては互いに連結部材によって連結されているので、スクリーンの取り外しの際に方立てを分離する必要があり、スクリーンの取り外しは必ずしも容易ではないことが指摘される。
【0011】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、風圧によるスクリーンの撓みとスライドガイド枠部の自重による撓みを抑制することができ、しかも、スクリーンの取り外しが容易であるスクリーン装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明のスクリーン装置は、対向配置された、少なくとも一方がスライド移動可能な一対のスクリーン取付枠部に、スクリーンが、両スクリーン取付枠部間に収縮および展開自在に取り付けられ、一対のスクリーン取付枠部間に張設された張力部材がスクリーンを貫通し、スクリーン取付枠部への取付側ではないスクリーンの両端部付近にスライドガイド枠部が一対配設され、スライドガイド枠部は、複数のスライドガイド枠部ユニットが連結ユニットを介して連結されて形成され、連結ユニットは、一対のスライドガイド枠部において対向配置され、各スライドガイド枠部ユニットは、対向配置された一対の側壁部と両側壁部を相互に繋ぐ架橋部とを有する剛性ユニットが隣り合う2つにおいて回動自在に連設されて形成され、スライドガイド枠部は、屈曲性を有し、少なくとも一端が自由端とされてスクリーン取付枠部内に収納および引き出し可能とされる一方、スクリーン取付枠部のスライド移動にともなってスクリーン取付枠部から引き出されたときにスライドガイド枠部の引き出された部分は直線性を保持するスクリーン装置において、スクリーンの表裏面のいずれか片側においてスクリーンと張力部材の間に1本の方立てが、一対のスライドガイド枠部に架け渡されて配設され、方立ては、その一端および他端において連結ユニットに取り外し自在に固定され、連結ユニットは、対向配置された一対の側壁部と両側壁部を相互に繋ぐ架橋部とを有し、架橋部には、幅の狭い第1孔と、この第1孔に連続する幅の広い第2孔とが形成され、第2孔の内側には、第2孔を開閉自在とした弾性を有する舌片が配設され、方立ての一端および他端に取り付けられる固定部材を第1孔から第2孔にスライドさせ、舌片が押し曲げられることによって、方立ては連結ユニットから固定が解除されることを特徴とする。
【0013】
このスクリーン装置においては、張力部材を挟んで
前記方立てと
前記スクリーンの表裏面に関して同じ側に隙間をあけてもう1本の方立てが配設され、もう1本の方立ても、
前記方立てと同じように、その一端および他端において
前記連結ユニットに取り外し自在に固定され、両方立てが、弾性を有する架橋部材によって連結されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のスクリーン装置によれば、風圧によるスクリーンの撓みとスライドガイド枠部の自重による撓みを抑制することができ、しかも、スクリーンの取り外しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)(b)は、それぞれ、本発明のスクリーン装置の第1実施形態を示した正面図、上部断面図である。
【
図2】
図1(a)(b)に示したスクリーン装置の方立ての周辺部を示した要部分解斜視図である。
【
図3】(a)(b)(c)は、それぞれ、
図1(a)(b)に示したスクリーン装置の連結ユニットを拡大して示した正面図、平面図、側面図である。
【
図4】
図1(a)(b)に示したスクリーン装置における連結ユニットからの方立ての固定解除について示した要部斜視図である。
【
図5】(a)(b)は、
図4に対応する平面図、A−A断面図である。
【
図6】(a)(b)は、それぞれ、本発明のスクリーン装置の第2実施形態を示した正面図、上部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1(a)(b)は、それぞれ、本発明のスクリーン装置の第1実施形態を示した正面図、上部断面図である。
図2は、
図1(a)(b)に示したスクリーン装置の方立ての周辺部を示した要部分解斜視図である。
図3(a)(b)(c)は、それぞれ、
図1(a)(b)に示したスクリーン装置の連結ユニットを拡大して示した正面図、平面図、側面図である。
【0017】
図1(a)(b)および
図2に示したスクリーン装置1は、一対のスクリーン取付枠部2a、2bを備えている。スクリーン取付枠部2aは開口部内縁の右側に固定されている。一方、スクリーン取付枠部2bは、開口部内縁の左側に向かって開口部の横方向にスライド移動可能に配設され、両スクリーン取付枠部2a、2bは対向配置されている。開口部内縁の上側には上レール3が開口部の横方向に沿って配設され、スクリーン取付枠部2a、2bの上端部は上レール3の内側に収められている。開口部内縁の下側には下レール4が開口部の横方向に沿って配設されている。可動側のスクリーン取付枠部2bは、上レール3および下レール4に沿って開口部の横方向にスライド移動自在にされている。
【0018】
スクリーン取付枠部2a、2b間にはネットから形成されたスクリーン5が取り付けられている。スクリーン5は、プリーツ加工によりプリーツが付けられ、スクリーン取付枠部2a、2b間に収縮および展開自在とされている。すなわち、スクリーン取付枠部2bが開口部内縁の左側にスライド移動する際に、スクリーン5は、開口部に展開し、虫などの侵入を阻止する。また、スクリーン5は、スクリーン取付枠部2bが開口部内縁の右側に向かってスライド移動する際に、収縮し、スクリーン取付枠部2a、2b間に折り畳まれ、収納される。
【0019】
なお、スクリーン5は、ネットから形成される他、布、樹脂製のシートなどから形成することもでき、スクリーン装置1の用途に応じて適宜な素材から形成することができる。また、プリーツ加工によるプリーツ以外に、たとえばハニカム構造などによって収縮および展開自在とすることもできる。
【0020】
スクリーン5には、収縮および展開方向に延びる張力部材6が張設されている。張力部材6には、紐、ワイヤーなどの張力が発生する適宜なものを採用することができ、スクリーン5の高さに対応して複数個所に一定間隔で配設することができる。このような張力部材6は、プリーツ状のスクリーン5を収縮および展開方向に貫通し、スクリーン5を支持している。スクリーン5は、張力部材6によって自立性が確保され、また、面強度が高められている。
【0021】
また、スクリーン装置1は、スクリーン5のスクリーン取付枠部2a、2bへの取付側ではない両端部、すなわち、上下両端部付近に、一対のスライドガイド枠部7a、7bを備えている。スライドガイド枠部7a、7bはともに、2本のスライドガイド枠部ユニット8が連結されて形成されている。スライドガイド枠部ユニット8は、複数の剛性ユニット9が連設されて形成され、所定の長さを有している。
【0022】
剛性ユニット9は、対向配置された一対の側壁部10と、両側壁部10を相互に繋ぐ架橋部11とを有している。側壁部10には、長さ方向の一端部に外側に突出する突起12が配設され、他端部に突起12が係合可能な貫通孔13が形成されている。また、側壁部10には、突起12に隣接して貫通孔13と反対側に位置し、外側に突出する小突起14が配設されるとともに、貫通孔13に隣接して突起12の側に位置する略三日月状の長孔15が形成されている。このような剛性ユニット9が、隣り合う2つにおいて、突起14を貫通孔13に側壁部10の内側から嵌め込んで係合させ、また、小突起14を長孔15に差し込むことにより回動自在に連設され、スライドガイド枠部ユニット8を形成している。スライドガイド枠部ユニット8は、剛性ユニット9が隣り合う2つにおいて回動自在とされているため、屈曲性を有し、また、小突起14が長孔15の長さ方向の一端に接触し、剛性ユニット9の回動が規制されることによって直線性を保持することができる。スライドガイド枠部ユニット8の直線性の保持のために、剛性ユニット9には、さらに、架橋部11の一端縁部の表面および他端縁部の裏面を切り欠き、段差を設けることができ、小突起14の長孔15への上記接触に併せて段差を重合させ、剛性ユニット9の回動を規制することもできる。
【0023】
このようなスライドガイド枠部ユニット8の2本が、一端部において連結ユニット16によって連結されている。連結ユニット16は、
図3(a)(b)(c)に示したように、対向配置された一対の側壁部17と、両側壁部17を相互に繋ぐ架橋部18とを有している。側壁部17には、長さ方向の両端部に外側に突出する突起19が配設され、突起19は、剛性ユニット9の突起12とほぼ同一の形状および大きさを有し、剛性ユニット9の貫通孔13に係合可能とされている。また、側壁部17には、突起19に隣接して端縁側に位置する小突起20が配設されている。小突起20は、剛性ユニット9の長孔15に係合可能とされている。
【0024】
2本のスライドガイド枠部ユニット8は、それぞれの一端に位置する剛性ユニット9の貫通孔13に連結ユニット16の突起19を内側から嵌め込んで係合させるとともに、長孔15に小突起20を内側から嵌め込んで係合させることにより、連結ユニット16を介して連結され、スライドガイド枠部7a、7bを形成している。このため、両スライドガイド枠部7a、7bは、スライドガイド枠部ユニット8と同様に、屈曲性を有するとともに、直線性の保持が可能になっている。
【0025】
このようなスライドガイド枠部7a、7bは、長さ方向の両端、すなわち、スライドガイド枠部ユニット8において連結ユニット16により連結されていない側の一端が自由端とされ、スクリーン取付枠部2a、2b内に収納および引き出し可能とされている。スクリーン取付枠部2bを開口部内縁の左側に向けて開口部の横方向にスライド移動させると、スライドガイド枠部7a、7bはスクリーン取付枠部2a、2bから引き出され、引き出された部分は直線性を保持する。一方、スクリーン取付枠部2bを開口部内縁の右側に向けてスライド移動させると、スライドガイド枠部7a、7bは、スクリーン取付枠部2a、2bの上端部、下端部において屈曲し、スクリーン取付枠部2a、2bの内部に収納される。このようなスライドガイド枠部7a、7bの収納および引き出しは、また、上レール3および下レール4に沿って行われ、上側のスライドガイド枠部7aの収納および引き出しは、上レール3の下端部の内側において行われる。
【0026】
なお、連結ユニット16は、一対のスライドガイド枠部7a、7bにおいて上下に対向配置されている。
【0027】
そして、
図1(a)(b)および
図2に示したスクリーン装置1では、スクリーンの表面側においてスクリーン5と張力部材6の間に1本の方立て21が、一対のスライドガイド枠部7a、7bに架け渡されて配設されている。方立て21は、円形のパイプ状の形状を有し、その一端および他端において、固定部材22としてのリベット22aを用いて連結ユニット16に固定されている。方立て21の連結ユニット16との固定は、後述するように、取り外しが自在とされている。
【0028】
また、スクリーン装置1では、張力部材6を挟んで方立て21と隙間23をあけてもう1本の方立て24が配設されている。方立て24は、方立て21の大きさ、形状および長さと一致している。また、方立て24も、方立て21と同様に、その一端および他端において連結ユニット16にリベット22aを用いて取り外し自在に固定されている。両方立て21、24は、張力部材6が位置しない長さ方向の3カ所において、弾性を有する架橋部材25によって連結されている。
【0029】
架橋部材25は、
図2に示したように、略C字型の断面を有する筒状の嵌合片部26を2つと、2つの嵌合片部26を連結する平板状の連結片部27とを備えている。架橋部材25では、2つの嵌合片部26は、ともに方立て21、24の外径に一致する内径を有し、嵌合片部26には切欠部28が形成されている。架橋部材25では、切欠部28が対向配置されて2つの嵌合片部26が連結片部27によって連結されている。また、嵌合片部26は、切欠部28を押し広げると、内径が拡大するように弾性変形する。したがって、架橋部材25では、切欠部28を通じて嵌合片部26の内側に方立て21、24を挿入すると、嵌合片部26が、方立て21、24の外周に巻き付くように嵌合し、両方立て21、24が架橋部材25によって連結される。このようにして連結される2本の方立て21、24は、連結片部27の幅に等しい大きさの隙間23があいて配置され、隙間23には張力部材6を通すことができる。
【0030】
一対のスライドガイド枠部7a、7bに架け渡されて配設された両方立て21、24は、スクリーン取付枠部1bのスライド移動にともなってスライドガイド枠部7a、7bが収納および引き出されることにより、一体となってスクリーン取付枠部1bのスライド移動方向と平行な方向にスライド移動する。両方立て21、24は、相互の間に隙間23があいていても、架橋部材25による連結によって剛性が高められ、方立て21、24のスライド移動は安定して実現される。両方立て21、24によって、一対のスクリーン取付枠部2a、2b間に展開されたスクリーン5の面強度を補強することができる。このため、開閉方向の幅が大きい大型のスクリーン装置1の場合に、閉めた状態において強い風を受けても、風圧によってスクリーン5が大きく撓むのを抑制することができ、スクリーン装置1の遮光性、防虫性などの機能が安定して実現される。
【0031】
また、上側のスライドガイド枠部7aは、大きく撓むことが抑制されたスクリーン5によって十分支持され、しかも、両方立て21、24によっても支持される。このため、スライドガイド枠部7aのスクリーン取付枠部2a、2bから引き出された部分が自重により撓むのが抑制され、スクリーン装置1の開閉操作が安定して実現される。
【0032】
また、スクリーン装置1では、
図3(a)に示したように、連結ユニット16の架橋部18には、長さ方向の中央部において、幅方向に間隔をあけて第1孔29が2つ形成されている。また、第1孔29に連続して第2孔30が形成されている。第1孔29の幅は狭く、第2孔30の幅は広い。第1孔29の幅は、
図2に示したリベット22aの軸部の外径より若干大きく、第2孔30の幅は、リベット22aの頭部の外径より若干大きい。第2孔30の内側には、第1孔29と反対側に位置する端縁から延びる舌片31が配設されている。舌片31の大きさは、第2孔30より若干小さく、第1孔29側の一端は自由端とされている。舌片31は弾性を有しており、押し曲げが可能とされ、第2孔30を開閉自在としている。
【0033】
図4は、
図1(a)(b)に示したスクリーン装置における連結ユニットからの方立ての固定解除について示した要部斜視図である。
図5(a)(b)は、
図4に対応する平面図、A−A断面図である。
【0034】
方立て21、24は、その一端に取り付けられるリベット22aによって上側のスライドガイド枠部7aの連結ユニット16に固定され、また、他端に取り付けられるリベット22aによって下側のスライドガイド枠部7bの連結ユニット16に固定されている。固定状態では、リベット22aの軸部は、連結ユニット16の架橋部18に形成された第1孔29内に位置し、リベット22aの頭部と方立て21、24の一端および他端との間で架橋部18を挟持している。
【0035】
リベット22aを第1孔29から第2孔30にスライドさせると、リベット22aの頭部は舌片31を押し曲げる。すなわち、上側のスライドガイド枠部7aの連結ユニット16では、リベット22aを第1孔29から第2孔30にスライドさせると、リベット22aの頭部が舌片31の下に潜り込み、舌片31を下側から押し上げる。この押し上げによって舌片31は、弾性変形し、上方へと押し曲げられる。また、下側のスライドガイド枠部7bの連結ユニット16では、リベット22aを第1孔29から第2孔30にスライドさせると、リベット22aの頭部が舌片31の上に乗り上がり、舌片31を上側から押し下げる。この押し下げによって舌片31は、弾性変形し、下方へと押し曲げられる。このとき、第2孔30が開放される。第2孔30の幅は、上記のとおり、リベット22aの頭部の外径より若干大きいため、方立て21、24は、連結ユニット30から固定が解除される。上側のスライドガイド枠部7aの連結ユニット16に関しては引き下げることにより、また、下側のスライドガイド枠部7bの連結ユニット16に関しては引き上げることにより、方立て21、24を取り外すことができる。
【0036】
このように、スクリーン装置1では、2本の方立て21、24は、スクリーン5を挟み込んではなく、しかも、固定部材22としてのリベット22aを、スライドガイド枠部7a、7bの連結ユニット16の架橋部18に形成された第1孔29から第2孔30にスライドさせることによって、方立て21、24はスライドガイド枠部7a、7bから工具を用いることなく取り外すことができるので、スクリーン5を取り外す際にそれに先立って行う方立て21、24の取り外しを容易に行うことができる。このため、スクリーン5の取り外しが容易となっている。しかも、両方立て21、24は、上記のとおりの架橋部材25によって連結されているので、架橋部材25の取り外しも工具を用いることなく行うことができ、両方立て21、24の分離も容易である。方立て21、24を取り外した後には、連結ユニット16では、舌片31はその弾性により初期状態に復帰する。第2孔30が閉鎖される。
【0037】
なお、方立て21、24のスライドガイド枠部7a、7bへの取り付けは、取り外しと逆の手順で行うことができる。方立て21、24の取付状態では、連結ユニット16の架橋部18に形成された第1孔29は、リベット22aの頭部により閉鎖され、また、第2孔30は舌片31によって閉鎖される。このため、第1孔29および第2孔30を通じて光が漏れたり、虫などが侵入することは抑制され、スクリーン装置1の遮光性、防虫性などの機能は安定して実現される。
【0038】
図6(a)(b)は、それぞれ、本発明のスクリーン装置の第2実施形態を示した正面図、上部断面図である。第2実施形態において第1実施形態と同一の部位については、
図6(a)(b)に同一の符号を付し、以下において説明を省略する。
【0039】
スクリーン装置32では、
図1(a)(b)に示したスクリーン装置1における方立て24が省略され、スクリーン5の表面側においてスクリーン5と張力部材6の間に1本の方立て21が、一対のスライドガイド枠部7a、7bに架け渡されて配設されている。方立て21のみであっても、スクリーン装置32では、スクリーン5の面強度を補強することができ、風圧によるスクリーン5の撓みを抑制することができる。また、スクリーン5に支持される上側のスライドガイド枠部7aは、方立て21によって十分に支持可能であり、スライドガイド枠部7aの自重による撓みも抑制することができる。また、スクリーン装置32では、方立て24が省略されているので、スクリーン5の取り外しの際に先立って行う方立て21の取り外しが容易であり、スクリーン5の取り外しがより容易となっている。
【0040】
本発明は、以上の実施形態によって限定されることはない。スクリーン取付枠部の構造や方立ての形状、張力部材のスクリーンへの通し方などの細部については様々な態様が可能である。また、
図1(a)(b)および
図6(a)(b)に示したスクリーン装置1、32において、スクリーン取付枠部1aは開口部内縁の右側に固定せず、スクリーン取付枠部1bと同様に、開口部の横方向にスライド移動自在とすることもできる。
【符号の説明】
【0041】
1、32 スクリーン装置
2a、2b スクリーン取付枠部
5 スクリーン
6 張力部材
7a、7b スライドガイド枠部
8 スライドガイド枠部ユニット
9 剛性ユニット
10 側壁部
11 架橋部
16 連結ユニット
17 側壁部
18 架橋部
21、24 方立て
22 固定部材
23 隙間
25 架橋部材
29 第1孔
30 第2孔
31 舌片