(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る固定具及び搬送用容器の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態においては、次の項目について、順次説明する。
(1)固定具の構成
(2)固定具の取り付け方法
(3)固定具の使用例
【0013】
(1)固定具の構成
まず、本実施形態の固定具の構成について、
図1(i),(ii)を参照して説明する。
同図(i)は、本実施形態における固定具の一方の面(係合面)の構成を示す斜視図、同図(ii)は、本実施形態における固定具の他方の面(付設面)の構成を示す斜視図である。
なお、ここでは、固定具の概略構成を説明し、その構成を有することによる効果等については、「(2)固定具の取り付け方法」の中で詳述する。
【0014】
同図(i),(ii)に示すように、固定具1aは、第一板状部11と、第二板状部12と、これらを連結する連結部13とを備えている。
第一板状部11は、板状に形成された基部111と、この基部111の一方の面(係合面112)に矩形環状に立設形成された立設部113と、この立設部113の一部に穿設された係合孔(被係合部)114(114−1、114−2)とを有している。
【0015】
係合孔114は、立設部113を厚さ方向に貫通するように穿設された孔である。なお、本実施形態においては、係合孔114が二つ形成されており、矩形環状に形成された立設部113における離間した二箇所(
図1(i)においては、立設部113のうち、基部111の長手方向に離間した二箇所)に形成されている。
また、係合面112には、連結部13が接続された部分から係合面112の面方向に第一凹部115が凹設されている。この第一凹部115の詳細については、後述する。
【0016】
さらに、立設部113には、環状端辺に切欠部116(116−1、116−2)が形成されている。切欠部116は、第二板状部12の係合部123(後述)が嵌合して、係合孔114への係合を容易にするための位置決め部である。
そして、係合面112の面上であって立設部113の環状内側には、係止部117(117−1、117−2)が形成されている。係止部117は、第一板状部11の係合孔114と第二板状部12の係合部123が係合したときに、ガイド部124(後述)が長手方向に移動するのを阻止するための突設部分である。
【0017】
第二板状部12は、板状に形成された基部121と、この基部121の一方の面(係合面122)に形成された係合部123(123−1、123−2)と、同じく係合面122に形成されたガイド部124とを有している。
係合部123は、係合面122から立設形成された鉤状突部であって、先端の鉤部125が第一板状部11の係合孔114に係入するようになっている。
係合部123における鉤部125の上面126は、曲面又は斜面に面取りされている。これにより、係合部123は、その上面126が、第一板状部11の立設部113における切欠部116に当接し、この当接位置が鉤部125における上面126の面取り方向の下方へ次第に移動することで、係合部123の胴部127が弾性変形して、該鉤部125が立設部113の環状内側へ進入する。そして、鉤部125が係合孔114に達すると、胴部127への荷重が除かれて弾性変形する前の形状に復元し、鉤部125が係合孔114に係入する。これにより、第二板状部12が第一板状部11から取り外し不能となる。
【0018】
ガイド部124は、二つの係合部123(123−1、123−2)の間に立設形成された二枚の板状部である。これら二枚のガイド部124(124−1、124−2)の外側面同士の間隔は、第一板状部11における立設部113の環状内側の幅よりも若干短くなっている。これにより、第一板状部11の係合孔114と第二板状部12の係合部123が係合したときには、ガイド部124は、立設部113の環状内側に位置するようになる。
【0019】
なお、
図1(i)においては、係合部123と係合孔114がそれぞれ二つずつ形成されているが、二つずつに限るものではなく、任意の数だけ(例えば、一つずつまたは二つ以上)形成することができる。
また、
図1(i)において、二つの係合部123−1、123−2は、一方(第一の係合部123−1)が係合面122における連結部13の近傍に設けられ、他方(第二の係合部123−2)が係合面122における連結部13が接続された辺とは反対側の辺の近傍に設けられている。ただし、係合面122において係合部123が設けられる位置は、同図(i)に示す位置に限るものではなく、任意の位置に設けることができる。そして、第一板状部11においては、その係合部123に対応する位置に係合孔114が設けられる。
【0020】
第二板状部12の他方の面(付設面128)には、
図1(ii)に示すように、所定の機能を有する機能部材3が付設されている。
機能部材3は、固定具1aを板部材2に取り付けたときに、該板部材2に新たな機能を付加するための部材である。
この機能部材3として採用可能な部材には、例えば、面ファスナー31がある。面ファスナー31は、一般に、鉤状の突起部が多数形成された面状部材と、環状の突起部が多数形成された面状部材とで構成され、それら突起部同士を係合させることで面的に着脱可能となっている。なお、第二板状部12の付設面128には、前者の面状部材又は後者の面状部材の一方が付設される。
【0021】
この面ファスナー31を付設面128に付設する手法として、例えば、熱溶着を用いることができる。具体的には、次の手順で行うことができる。
例えば、
図1(ii)、
図2に示すように、付設面128には、凸状に形成された突出部128aが一又は二以上配設されている。また、面ファスナー31には、それら突出部128aの配設位置に対応する位置に挿入孔31aが穿設されている。さらに、面ファスナー31の裏面(付設面128に対向する面)には、接着剤が塗布されている。
【0022】
面ファスナー31の挿入孔31aに付設面128の突出部128aを挿入させながら、面ファスナー31を付設面128に載置する。
この載置により、面ファスナー31の裏面が接着剤を媒介として付設面128に接着される。また、突出部128aの先端が挿入孔31aから突出した状態となる。
【0023】
その突出部128aの先端に、高温の熱棒を押し当てるなどして加熱して、その先端を溶融する。そして、その溶融した突出部128aの先端を、面ファスナー31における挿入孔31aの周辺に押し広げる。
これにより、挿入孔31aの周辺が溶融した突出部128aにより押さえつけられて固定される。よって、面ファスナー31は、付設面128に対し、接着剤により接着されるとともに、挿入孔31aの周辺で熱溶着により固定される。
【0024】
ここで、面ファスナー31の付設を、接着剤により接着するだけでなく、熱溶着により固定した理由は、次による。すなわち、固定具1aを複数回使用することにより、接着剤による接着が弱くなって面ファスナー31の端部が剥離したとしても、その剥離を、挿入孔31aの周辺でくい止めることができる。これにより、面ファスナー31が付設面128から完全に脱離するのを防止できる。
【0025】
なお、
図1(ii)、
図2においては、突出部128a及び挿入孔31aの数をそれぞれ四つずつとしているが、四つずつに限るものではなく、任意の数とすることができる。具体的には、例えば、突出部128a及び挿入孔31aの数をそれぞれ一つずつとし、付設面128の中央に大きめの突出部128aを配設し、この突出部128aに対応して、面ファスナー31の中央に挿入孔31aを穿設することができる。この場合も、熱溶着により突出部128aの先端を面ファスナー31の挿入孔31aの周辺に押し広げて面ファスナー31を溶着固定することができ、該面ファスナー31が付設面128から完全に脱離するのを防止できる。
【0026】
また、ここでは、機能部材3の例として面ファスナー31を挙げたが、機能部材3は、面ファスナー31に限るものではなく、例えば、フック、ハンドル、バンド、ベルト、ボタン、ホック、リング、装飾具、連結具、弾性部材など、種々の部材を機能部材3として付設面128に付設することができる。
さらに、
図1(ii)においては、機能部材3を第二板状部12の付設面128に付設してあるが、これに限るものではなく、機能部材3は、第一板状部11又は第二板状部12の一方又は双方に付設することができる。
【0027】
連結部13は、第一板状部11と第二板状部12とを連結する位置に形成されており、溝状に凹設された嵌入部131を有している。この嵌入部131における溝状の幅は、板部材2の厚さ、又は、板部材2に穿設された取付孔23の周縁231における厚さ(
図5参照)とほぼ同じになっている。これにより、嵌入部131は、取付孔23の周縁231に係合(嵌入)することができる。
また、連結部13は、幅方向の断面がΠの字形状(
図1(i)においては、下方に開口したコの字形状)に形成されており、その下方の開口が嵌入部131を構成している。連結部13をこのような形状とすることで、この嵌入部131が、取付孔23の周縁231の一部(取付孔23の側面の一部と、この側面の一部に繋がる当該取付孔23の開口周辺の一部)を覆うように嵌合されるため、この連結部13が嵌合した取付孔23の周縁231から容易に脱抜しないようになっている。
【0028】
さらに、連結部13は、Πの字形状の上面を構成する上板部132と、一方の側面を構成する第一横板部133と、他方の側面を構成する第二横板部134とを有している。そして、第一横板部133は、上板部132に接続された辺とは反対側の辺が第一ヒンジ部135(後述)を介して第一板状部11の一の辺に接続されており、第二横板部134は、上板部132に接続された辺とは反対側の辺が第二ヒンジ部136(後述)を介して第二板状部12の一の辺に接続されている。
このように、連結部13は、第一板状部11と第二板状部12とを連結するように形成されている。これにより、固定具1aは、第一板状部11と第二板状部12と連結部13のすべてを一体で形成することができる。
【0029】
また、連結部13の第一横板部133と第一板状部11との間には、第一ヒンジ部135が形成されている。第一ヒンジ部135は、肉薄に形成された板状部である。このように肉薄に形成することで、該第一ヒンジ部135を湾曲させながら曲げることができ、これにともなって、第一板状部11を連結部13に対して回動させることができる。
さらに、連結部13の第二横板部134と第二板状部12との間には、第二ヒンジ部136が形成されている。第二ヒンジ部136は、肉薄に形成された板状部である。このように肉薄に形成することで、該第二ヒンジ部136を湾曲させながら曲げることができ、これにともなって、第二板状部12を連結部13に対して回動させることができる。
【0030】
これら第一ヒンジ部135及び第二ヒンジ部136は、例えば、
図3(i),(ii)に示すような形状で形成することができる。
具体的には、同図(i)に示すように、第一ヒンジ部135は、第一板状部11における係合面112の端辺と、連結部13における第一横板部133の外側面の端辺とを接続するように形成することができる。また、第二ヒンジ部136は、第二板状部12における係合面122の端辺と、連結部13における第二横板部134の外側面の端辺とを接続するように形成することができる。
【0031】
さらに、第一板状部11における係合面112とは反対側の面における端辺のうち、係合面112の端辺(第一ヒンジ部135が接続された端辺)に対応する端辺を面取りすることができる。また、連結部13における第一横板部133の内側面の端辺のうち、第一横板部133の外側面の端辺(第一ヒンジ部135が接続された端辺)に対応する端辺を面取りすることができる。
そして、第二板状部12の付設面128における端辺のうち、係合面122の端辺(第二ヒンジ部136が接続された端辺)に対応する端辺を面取りすることができる。さらに、連結部13における第二横板部134の内側面の端辺のうち、第二横板部134の外側面の端辺(第二ヒンジ部136が接続された端辺)に対応する端辺を面取りすることができる。
【0032】
なお、同図(i)においては、第一板状部11における係合面112とは反対側の面における端辺や、連結部13における第一横板部133の内側面の端辺を面取りしているが、これに限るものではなく、同図(ii)に示すように、それらの各端辺を面取りしないようにすることもできる。
【0033】
また、
図1(i)に示すように、第一板状部11の係合面112においては、連結部13が接続された辺から面方向に向かって第一凹部115が形成されている。
第一凹部115は、第一ヒンジ部135を湾曲させながら第一板状部11を回動したときに、連結部13の第一横板部133が嵌合する凹状の部分である。
ここで、第一板状部11の係合面112と第一凹部115との境界部分は、段差115aとなっており、この段差115aの高さ(係合面112と第一凹部115との落差)は、連結部13の第一横板部133の厚さとほぼ同じとなっている。これにより、連結部13の第一横板部133が第一凹部115に嵌合したときに、その第一横板部133の内側面と第一板状部11の係合面112とがほぼ面一となる。よって、固定具1aを板部材2に取り付けたときに、それら第一横板部133の内側面と第一板状部11の係合面112とを、いずれも板部材2の表面に隙間なく接触させることができる。
【0034】
さらに、第二板状部12の係合面122においては、連結部13が接続された辺から面方向に向かって第二凹部129が形成されている。
第二凹部129は、第二ヒンジ部136を湾曲させながら第二板状部12を回動したときに、連結部13の第二横板部134が嵌合する凹状の部分である。
ここで、第二板状部12の係合面122と第二凹部129との境界部分は、段差129aとなっており、この段差129aの高さ(係合面122と第二凹部129との落差)は、連結部13の第二横板部134の厚さとほぼ同じとなっている。これにより、連結部13の第二横板部134が第二凹部129に嵌合したときに、その第二横板部134の内側面と第二板状部12の係合面122とがほぼ面一となる。よって、固定具1aを板部材2に取り付けたときに、それら第二横板部134の内側面と第二板状部12の係合面122とを、いずれも板部材2の表面に隙間なく接触させることができる。
【0035】
(2)固定具の取り付け方法
次に、固定具の取り付け方法について、
図4〜
図12を参照して説明する。
図4は、固定具を取付孔に挿入する様子を示す側面図である。
図5は、固定具を連結部あたりまで取付孔に挿入したところを示す側面図である。
図6は、固定具を回動したところを示す斜視図である。
図7は、取付孔に挿入した状態で、固定具を下方へ移動させたところを示す斜視図である。
図8は、
図7に示す状態の側方断面図である。
図9は、第一板状部を上方へ起こした状態を示す側方断面図である。
図10は、
図9に示す状態を、板部材の外側から見た斜視図である。
図11は、第二板状部を上方へ起こした状態を示す側方断面図である。
図12は、
図11に示す状態を、板部材の外側から見た斜視図である。
【0036】
まず、
図4に示すように、板部材2に対し、該板部材2の一の面(表側面21)から他の面(裏側面22)に向けて貫通するように、取付孔23を穿設する。
この取付孔23の開口の形状を方形状に形成した場合、長手方向の長さX1は、固定具1aの第一板状部11における基部111の幅x11(又は、第二板状部12における基部121の幅x11’)よりも長くなるようにする。
また、取付孔23の短手方向の長さY1は、固定具1aの第一板状部11の厚さに立設部113の高さを加えた長さy11よりも長くなるようにする。
取付孔23をこのような大きさとすることで、
図5に示すように、固定具1aを取付孔23に挿通させることができる。
【0037】
また、取付孔23の長手方向の長さX1は、固定具1aの第一板状部11における立設部113の外側面(立設部113のうち、第二の被係合部114−2が形成された部分の外側面)と、第一凹部115の段差115aとの間の距離に、連結部13の上板部132の厚さを加えた長さx12よりも長くなっている。
これにより、連結部13を取付孔23の下部周縁部232に嵌入した状態で(
図10参照)、立設部113をその取付孔23の内部に収めることができる。
なお、取付孔23に取り付けた固定具1aが取付孔23の長手方向に動くのを防止するために、取付孔23の長手方向の長さX1は、長さx12よりも若干長い程度とするのが望ましい。
【0038】
また、長さX1は、固定具1aの第一板状部11における基部111の長手方向の長さx13、及び、第二板状部12における基部121の長手方向の長さx13’よりも短くなっている(
図4、
図12参照)。
これにより、固定具1aを取付孔23に取り付けたときに、取付孔23の上部又は下部が固定具1aの上方又は下方から露出するのを防ぐことができる。
【0039】
さらに、取付孔23の短手方向の長さY1は、連結部13の第一横板部133(又は、第二横板部134)における外側面の対角線の長さy12よりも長くなっている(
図1、
図4参照)。これにより、連結部13を取付孔23の内部で回転させることができる。
また、長さY1は、固定具1aの第一板状部11における基部111の短手方向の長さy13、及び、第二板状部12における基部121の短手方向の長さy13’よりも短くなっている。これにより、固定具1aを取付孔23に取り付けたときに(
図12参照)、取付孔23の右部又は左部が固定具1aの右方又は左方から露出するのを防ぐことができる。
なお、取付孔23に取り付けた固定具1aが取付孔23の短手方向に動くのを極力防止するために、取付孔23の短手方向の長さY1は、長さy12よりも若干長い程度とするのが望ましい。
【0040】
次いで、
図4に示すように、取付孔23に対し、固定具1aを、第一板状部11から挿入する。このとき、第一板状部11の基部111の幅方向(同図のx11(y13)の方向)が取付孔23の長手方向(同図のX1の方向)とほぼ同じ向きとなるようにしながら、固定具1aを取付孔23に挿入する。
【0041】
なお、同図においては、取付孔23に向かって左の方向に第一板状部11の係合面112及び第二板状部12の係合面122が向くようにしているが、これに限るものではなく、取付孔23に向かって右の方向に第一板状部11の係合面112等が向くようにし、この状態で固定具1aを取付孔23に挿入することもできる。
【0042】
第一板状部11を取付孔23に通した後、第二板状部12が取付孔23に差し掛かる前に、固定具1aの挿入を停止する。この状態で、固定具1aは、
図5に示すように、連結部13の周囲に取付孔23の周縁231が取り囲むように位置する。
なお、
図4においては、取付孔23に対し、固定具1aを、板部材2の表側面21から挿入しているが、これに限るものではなく、その固定具1aを、板部材2の裏側面22から挿入することができる。この場合、固定具1aは、第二板状部12から取付孔23に挿入される。そして、第二板状部12を取付孔23に通した後、第一板状部11が取付孔23に差し掛かる前に、固定具1aの挿入を停止する。これにより、
図5に示す状態と同じ状態になる。
【0043】
続いて、
図6に示すように、第一板状部11の係合面112及び第二板状部12の係合面122がいずれも上方を向くように、固定具1aを回動する。つまり、固定具1aが
図5に示す状態となった後に、その固定具1aを取付孔23に挿入した方向(
図4に示す矢印の方向)を中心として回動する。
そして、その回動を行った後、
図7に示すように、固定具1aを下方へ移動させていき、連結部13の嵌入部131を、取付孔23の下部周縁部232に係合(嵌入)させる。
この状態における板部材2及び固定具1aの縦方向断面を、
図8に示す。
【0044】
次いで、
図9に示すように、第一ヒンジ部135を湾曲させつつ、第一板状部11を上方へ起こす。すなわち、第一ヒンジ部135の湾曲部分を軸として、第一板状部11を上方へ起こすように回動する。これにより、第一板状部11は、取付孔23を、板部材2の裏側面(板部材2の一方の面)22から閉塞する。
ここで、第一板状部11の係合面112が板部材2の裏側面22に近接又は接触すると、
図10に示すように、立設部113が取付孔23の内側に位置するようになる。
【0045】
また、この状態において、連結部13の第一横板部133は、
図9に示すように、第一板状部11の第一凹部115に嵌合する。そして、第一凹部115の段差115aの高さと連結部13の第一横板部133の厚さはほぼ同じであることから、連結部13の第一横板部133の内側面と第一板状部11の係合面112とはほぼ面一となり、これら連結部13の第一横板部133の内側面と第一板状部11の係合面112の両方が、板部材2の裏側面22に近接又は接触するようになる。
【0046】
次いで、
図11に示すように、第二ヒンジ部136を湾曲させつつ、第二板状部12を上方へ起こす。すなわち、第二ヒンジ部136の湾曲部分を軸として、第二板状部12を上方へ起こすように回動する。これにより、第二板状部12は、取付孔23を、板部材2の表側面(板部材2の他方の面)21から閉塞する。
【0047】
ここで、第二板状部12の係合面122が板部材2の表側面21に近接又は接触すると、同図に示すように、連結部13の第二横板部134は、第二板状部12の第二凹部129に嵌合する。また、第二凹部129の段差129aの高さと連結部13の第二横板部134の厚さはほぼ同じであることから、連結部13の第二横板部134の内側面と第二板状部12の係合面122とはほぼ面一となり、これら連結部13の第二横板部134の内側面と第二板状部12の係合面122の両方が、板部材2の表側面21に近接又は接触するようになる。
【0048】
さらに、第二板状部12の係合面122が板部材2の表側面21に近接又は接触すると、取付孔23の内側で、第二板状部12の係合部123が第一板状部11の係合孔114に係合する。
具体的には、第一の係合部123−1の端部が第一板状部11における第一の切欠部116−1に嵌合するとともに、第二の係合部123−2の端部が第二の切欠部116−2に嵌合する。そして、第二板状部12の基部121を第一板状部11の方へ押し込むと、第一の係合部123−1が立設部113の環状内側へ進入して第一の係合孔114−1に係合するとともに、第二の係合部123−2が立設部113の環状内側へ進入して第二の係合孔114−2に係合する。
【0049】
第一の係合部123−1と第一の係合孔114−1、第二の係合部123−2と第二の係合孔114−2がいずれも係合すると、
図11に示すように、第一板状部11と第二板状部12は、板部材2を挟み込んだ状態となる。
そして、この状態において、第一板状部11の係合面112の周縁が板部材2の裏側面22に近接又は接触していることから、この第一板状部11と係合している第二板状部12は、係合面122とは反対側の方向へ引き抜くことができなくなる。同様に、第二板状部12の係合面122の周縁が板部材2の表側面21に近接又は接触していることから、この第二板状部12に係合している第一板状部11は、係合面112とは反対側の方向へ引き抜くことができなくなる。
このように、第一板状部11と第二板状部12は、板部材2を挟んだ状態で、取付孔23の内部で係合し合っていることから、板部材2から脱離不能に取り付けられた状態となる。
【0050】
また、取付孔23の内部においては、
図10、
図11に示すように、第一板状部11における立設部113の一部が、取付孔23の周縁231の一部に近接又は当接する。具体的には、第一板状部11における立設部113の外周面のうち、第一板状部11の係合面112における連結部13と接続された辺とは反対の辺側の面が、取付孔23の上部周縁部233(取付孔23の周縁231における下部周縁部232とは反対側の周縁部)に近接又は当接する。さらに、取付孔23の下部周縁部232に連結部13が嵌合している。このため、固定具1aは、取付孔23に取り付けられた状態で、該取付孔23の長手方向(
図4に示すX1方向)へ移動しようとすると、立設部113の一部が取付孔23の上部周縁部233に当接し、一方、連結部13の嵌入部131が取付孔23の下部周縁部232に脱離不能に嵌合しているため、X1方向への移動が制限される。これにより、固定具1aは、当該方向へ脱離しないようになっている。
【0051】
さらに、
図10に示すように、第一板状部11における立設部113の一部が、取付孔23の右側周縁部234又は左側周縁部235に近接又は当接する。具体的には、第一板状部11における立設部113の外周面のうち、第一板状部11の係合面112における幅方向の一方の辺側の面が、取付孔23の右側周縁部234に近接又は当接し、第一板状部11の係合面112における幅方向の他方の辺側の面が、取付孔23の左側周縁部235に近接又は当接する。このため、固定具1aは、取付孔23に取り付けられた状態で、該取付孔23の短手方向(
図4に示すY1方向)へ移動しようとすると、立設部113の一部が周縁231の右側周縁部234又は左側周縁部235に当接するため、固定具1aのY1方向への移動が制限される。これにより、固定具1aは、当該方向へ脱離しないようになっている。
【0052】
このように、立設部113は、固定具1aが取付孔23に取り付けられた状態で、該取付孔23の周縁231のうち連結部13が嵌合した箇所以外の箇所に近接又は当接する形状に形成されている。これにより、立設部113は、固定具1aが取付孔23のX1方向やY1方向(板部材2における表側面21又は裏側面22の面方向)へ移動するのを制限して、当該方向から脱離するのを防止する機能を有している。
【0053】
しかも、
図11に示すように、第一板状部11の係合孔114と第二板状部12の係合部123が係合した状態では、ガイド部124の長手方向の各端部が第一板状部11の係止部117に当接している。具体的には、ガイド部124における長手方向の一方の端部が一方の係止部117に当接し、他方の端部が他方の係止部117に当接する。よって、ガイド部124は、その長手方向への移動が制限され、このガイド部124が形成された第二板状部12が、第一板状部11に対して当該方向に移動不能となっている。
【0054】
このように、固定具1aが板部材2の取付孔23に取り付けられると、
図12に示すように、板部材2の表側面21には、第二板状部12の付設面128に付設された面ファスナー31が表側面21に沿って取り付けられた状態となる。
【0055】
なお、
図7〜
図12においては、固定具1aの連結部13を取付孔23の下部周縁部232に嵌合することとしているが、これに限るものではなく、取付孔23の周縁231における任意の一部に連結部13を嵌合する構成とすることができる。
例えば、固定具1aの連結部13を取付孔23の上部周縁部233に嵌合することとしたときには、第一ヒンジ部135を軸として、この第一ヒンジ部135を折り曲げながら、第一板状部11を下方へ下げるように回動する。また、第二ヒンジ部136を軸として、この第二ヒンジ部136を折り曲げながら、第二板状部12を下方へ下げるように回動する。そして、取付孔23の内側で、第二板状部12の係合部123と第一板状部11の係合孔114とを係合する。これによっても、機能部材3を板部材2に取り付けることができる。
【0056】
(3)固定具の使用例
次に、固定具の使用例について、説明する。
前述した本実施形態の固定具1aは、種々の板状の部材に取付可能であり、また、様々な用途に使用可能である。
ここでは、固定具1aの使用例として、次の項目について説明する。
(3−1)搬送用容器への使用例
(3−2)機能部材としてベルトを装着した固定具の使用例
【0057】
(3−1)搬送用容器への使用例
固定具1aは、例えば、物の運搬などに利用される搬送用容器に使用することができる。
この搬送用容器に使用される固定具1aについて、
図13〜
図24を参照して説明する。
図13は、従来の搬送用容器の構成を示す外観斜視図である。
図14は、搬送用容器のスリーブに取付孔を穿設したところを示す外観斜視図である。
図15は、固定具により面ファスナーが取り付けられた搬送用容器にバンドを接合した状態を示す外観斜視図である。
図16〜
図21は、上下方向に回動可能な扉部を備えた搬送用容器に固定具を使用する例を示す外観斜視図である。
図22〜
図24は、両開きの扉部を備えた搬送用容器に固定具を使用する例を示す外観斜視図である。
なお、ここでは、まず、搬送用容器の構成について説明し、その後に、固定具を搬送用容器に使用した例について説明する。
【0058】
(3-11)搬送用容器の構成
図13に示すように、搬送用容器4は、パレット部41と、スリーブ42と、蓋部材43と、バンド44とを備えている。
パレット部41は、搬送用容器4の底部を構成する板状部材である。
【0059】
スリーブ42は、搬送用容器4の側面を構成する壁部材であって、パレット部41における上面の周縁から筒状に立設されている。
このスリーブ42には、例えば、合成樹脂製の中空板を用いることができる。また、この中空板には、例えば、プラパール(登録商標)の商品名で知られている気泡ボードを用いることができる。気泡ボードは、凹凸シートと、この凹凸シートの両面に接合された二枚の平坦シートからなる三層構造を有している。凹凸シートは、複数の中空状(例えば、円柱状)の突起部がエンボス加工されており、凹凸シートの突起部開口側に平坦シートが接合され、これにより空気が封入された密封空間が形成される。
この気泡ボードは、軽量であり、かつ、耐圧縮性、耐衝撃性に優れた特性を有している。なお、中空板の材料として使用可能な合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィン系重合体、再生PETのような分解性プラスチックなどがある。
【0060】
蓋部材43は、スリーブ42の上面に載置されて、該上面の開口を閉塞する板状部材である。この蓋部材43は、その底面に、周縁に沿って溝部が形成されており、スリーブ42の上面周縁421(
図14参照)が嵌合できるようになっている。
また、蓋部材43の上面縁部には、バンド44を通す挿通孔431が穿設されている。
【0061】
バンド44は、蓋部材43をスリーブ42又はパレット部41に固定するための締結部材である。
このバンド44は、蓋部材43の上面からスリーブ42の外側面422、そしてパレット41にかけて周回させ、バックル441で結合し、締め付けることで、蓋部材43を固定する。
【0062】
(3-12)搬送用容器に固定具を使用した例
搬送用容器4に対しては、前述した固定具1aを、種々の態様により使用することができる。
例えば、スリーブ42にバンド44を固定する部材として、固定具1aを使用することができる。また、スリーブ42の一部に形成された扉部を所定の位置で固定するために、固定具1aを使用することができる。ここでは、前者の使用例を「実施例1」として説明し、後者の使用例を「実施例2」として説明する。
【0063】
(実施例1)
前述した搬送用容器4においては、次の状況が生じていた。
搬送用容器4は、箱形に形成されているため、上方へ複数段、積み上げることができる。ここで、搬送用容器4のスリーブ42は、合成樹脂で形成されていることから、金属などに比べて剛性が低い。このため、下方に位置する搬送用容器4のスリーブ42は、上方に位置する搬送用容器4からの荷重により撓んで外側へ膨らむことがある。そうすると、バンド44がそのスリーブ42の膨らみにともなって伸長し、バックル441が外れて、バンド44が外方へ弾き飛ばされることがあった。
また、スリーブ42の上面に蓋部材43を載置してバンド44により締結するときには、そのバンド44の両端部を蓋部材43の挿通孔431にそれぞれ通し、バンド44の一方の端部をスリーブ42の側面から底部に垂らし、その底部に形成された挿通孔に通して、反対側の側面底部の挿通孔へ送り出し、その反対側の側面の中程で、バンド44の両端部をバックル441により締結するといった作業を行わなければならず、労力を要していた。
そこで、スリーブ42が膨らんでもバンド44の外れを防止するとともに、バンド44による蓋部材43の締結作業を簡素化するために、固定具1aを活用するものである。
【0064】
図1(ii)に示すように、固定具1aの第二板状部12における付設面128には、面ファスナー31を付設しておく。
一方、バンド44の裏側の所定箇所にも、面ファスナー(図示せず)を付設しておく。
なお、固定具1aに付設する面ファスナー31は、例えば、鉤状(フック形)とし、バンド44に付設する面ファスナーは、例えば、環状(リング形)とすることができる。
また、バンド44は、
図13に示すように、蓋部材43からスリーブ42の底部にかけて周回するような長さである必要はなく、
図15に示すように、蓋部材43の挿通孔431にバンド44を挿通したときに、そのバンド44の両端部が、それぞれスリーブ42の外側面422の中程に達する長さであればよい。
【0065】
図14に示すように、スリーブ42の外側面422のうちバンド44が配設される位置に、取付孔45(
図4の取付孔23に対応)を穿設する。この取付孔45は、特に、スリーブ42の上面周縁421に近い位置に穿設することが望ましい。
次いで、「(2)固定具の取り付け方法」にて説明した手順で、取付孔45に固定具1aを装着する。
続いて、
図15に示すように、スリーブ42の上面に蓋部材43を載せ、バンド44の両端部を、その蓋部材43の挿通孔431にそれぞれ通す。そして、バンド44におけるそれぞれの端部の裏面に付設された面ファスナーと、固定具1aにおける第二板状部12の付設面128に付設された面ファスナー31とを接合させる。
これにより、バンド44は、面ファスナー及び固定具1aを介してスリーブ42に固定される。このことから、スリーブ42が膨らむなどして変形したとしても、バンド44が外れることがなくなる。
【0066】
また、バンド44は、固定具1aを介してスリーブ42に固定されるため、バックル441で結合して固定する必要がなくなる。このため、バックル441が不要となる。
さらに、バンド44の両端部がスリーブ42の外側面422の中程で固定されるので、当該バンド44をスリーブ42の底部に周回させる必要が無くなる。これにより、蓋部材43を締結する作業を簡素化できる。
【0067】
(実施例2)
搬送用容器4は、
図13〜
図15に示すように、スリーブ42が矩形筒形に形成されているが、そのスリーブ42に、開閉可能な扉部を設けることができる。
扉部は、スリーブ42の一部を構成する板状部であって、周縁の一部(例えば、矩形状の四辺のうちの一辺)が、スリーブ本体423(スリーブ42のうち扉部以外の部分)と接続しており、この接続部分を軸として回動するものである。特に、
図16に示す扉部46a(ドロップパネル)は、その下辺461がスリーブ本体423と接続しており、その下辺461を軸として上下方向に弧を描くように回動する。
【0068】
この扉部46aを設けた搬送用容器4においては、その扉部46aを手前に引いて、スリーブ42に形成された開口部424(
図21参照)を開口した状態とすることにより、この開口部424を通して内容物を容易に確認することができ、しかも、その開口部424から内容物を取り出すこともできる。
ただし、扉部46aを下方へ回動して、下辺461から垂下した状態にすると、人や物がその前を通過するたびに、大きく揺れてスリーブ本体423に衝突し、その衝突部分が損傷したり摩耗したりすることがある。また、その衝突や揺動により扉部46aの下辺461に負荷がかかり、その下辺461が破損することも考えられる。
【0069】
さらに、扉部46aは、上方へ回動した状態、すなわち、開口部424を塞いだ状態では、扉部46aの下辺461がスリーブ本体423の開口下辺425に重なるとともに、扉部46aの両側部462がスリーブ本体423の開口側辺426に接触し、これらにより、扉部46aが支持されていた。このため、扉部46aは、力が少し加わっただけで、その状態を維持できず、下方へ回動してしまっていた。
そこで、扉部46aが下方へ回動した状態で容易に揺動するのを防止するとともに、扉部46aが開口部424を塞いだ状態で、その状態を維持可能とするために、固定具1aを用いるものである。
【0070】
固定具1aは、次の手順で、搬送用容器4に取り付けられる。
図17に示すように、搬送用容器4において、スリーブ42及び扉部46aの所定の箇所に、取付孔45(
図4の取付孔23に対応)を穿設する。
具体的には、例えば、扉部46aにおける上面周縁421の近傍に、取付孔45(45−1)を穿設する。
また、扉部46aにおける左右の側部462の近傍に、それぞれ取付孔45(45−2、45−3)を穿設する。
【0071】
さらに、スリーブ本体423において、二つの開口側辺426のそれぞれの近傍に、取付孔45(45−4、45−5)を穿設する。このとき、取付孔45−4と扉部46aの取付孔45−2は、一方の開口側辺426(
図17において、左側の開口側辺426)を中心として対称となる位置に穿設される。また、取付孔45−5と扉部46aの取付孔45−3は、他方の開口側辺426(
図17において、右側の開口側辺426)を中心として対称となる位置に穿設される。
そして、スリーブ本体423の下部において、取付孔45(45−6)を穿設する。このとき、取付孔45−6と扉部46aの取付孔45−1は、扉部46aの下辺461を中心として対称となる位置に穿設される。つまり、取付孔45−6は、扉部46aを開いて下方へ回動した状態で、この扉部46aの取付孔45−1に取り付けられた固定具1aがスリーブ本体423に当接する箇所における当該スリーブ本体423側に穿設される。
【0072】
次いで、「(2)固定具の取り付け方法」にて説明した手順で、取付孔45−1〜45−6のそれぞれに固定具1aを装着する。
ここで、固定具1aの機能部材3として面ファスナー31を用いる場合には、次の点に留意する。
面ファスナー31は、前述したように、鉤状の突起部が多数形成された面状部材(第一の面状部材)と、環状の突起部が多数形成された面状部材(第二の面状部材)とで構成され、それら突起部同士を係合させることで面的に着脱可能となっている。つまり、面ファスナー31は、第一の面状部材と第二の面状部材が揃って初めて着脱機能を発揮する。
そこで、固定具1aとして、第一の面状部材が付設された第一の固定具1aと、第二の面状部材が付設された第二の固定具1aとを用意する。
【0073】
一方、取付孔45は、二つで一組とし、一方の取付孔45に第一の固定具1aを装着し、他方の取付孔45に第二の固定具1aを装着する。
具体的には、例えば、取付孔45−1と取付孔45−6とを一組とし、取付孔45−2と取付孔45−4とを一組とし、取付孔45−3と取付孔45−5とを一組とする。そして、取付孔45−1と取付孔45−2と取付孔45−3に第一の固定具1a(又は、第二の固定具1a)を装着し、取付孔45−4と取付孔45−5と取付孔45−6に第二の固定具1a(又は、第一の固定具1a)を装着する。
【0074】
ただし、扉部46aにおける左右の側部462の近傍に穿設された取付孔45−2、45−3には、
図18(i)、(ii)に示すような形状の面ファスナー31’が付設された固定具1a’を装着する。同図に示す固定具1a’の面ファスナー31’は、固定具1a’における第二板状部12の付設面128よりも大きな面積(例えば、2倍以上の面積)を有しており、その一部が付設面128に付設され、他の部分が付設面128から張り出した状態となっている。また、鉤状又は環状の突起部は、付設面128に対向する面側に形成されている(同図(i)参照)。
なお、同図(i)に示す固定具1a’は、面ファスナー31’が第二板状部12の基部121から上方へ張り出しているが、張り出す方向は、同図(i)に示す方向に限るものではなく、例えば、第二板状部12の基部121から下方へ張り出すようにすることもできる。
【0075】
各取付孔45−1〜45−6に固定具1a又は固定具1a’を装着すると、
図19に示すように、それら取付孔45−1〜45−6が穿設されていた箇所に、面ファスナー31又は面ファスナー31’が取り付けられた状態となる。
そして、例えば、扉部46aが開口部424を塞いでいるときは、
図20に示すように、取付孔45−2に装着した固定具1a’の面ファスナー31’を、取付孔45−4に装着した固定具1aの面ファスナー31に接合し、取付孔45−3に装着した固定具1a’の面ファスナー31’を、取付孔45−5に装着した固定具1aの面ファスナー31に接合する。
これにより、扉部46aは、それら固定具1a及び固定具1a’を介してスリーブ本体423に接続されて支持される。この場合、固定具1a、1a’は、扉部46aを、スリーブ本体423の開口部424に対して閉止する。
【0076】
なお、
図18(i)、(ii)に示すような形状の面ファスナー31’が付設された固定具1a’は、
図19においては、取付孔45−2と取付孔45−3に装着されているが、これに限るものではなく、取付孔45−4と取付孔45−5に装着することもできる。この場合、取付孔45−2と取付孔45−3には、
図1に示すような形状の面ファスナー31が付設された固定具1aを装着する。そして、取付孔45−4と取付孔45−5に装着された固定具1a’の面ファスナー31’の張り出し部分を、取付孔45−2と取付孔45−3に装着された固定具1aの面ファスナー31に接合する。これにより、扉部46aを支持することができる。
【0077】
また、例えば、扉部46aが下方に回動した状態では、
図21に示すように、取付孔45−1に装着した固定具1aの面ファスナー31(例えば、第一の面状部材)を、取付孔45−6に装着した固定具1aの面ファスナー31(例えば、第二の面状部材)に接合する。これにより、扉部46aは、スリーブ本体423に接続されて支持される。
これにより、扉部46aが下方に回動した状態で、この扉部46aが容易に揺動するのを防止でき、下辺461の破損を抑制できる。
【0078】
なお、
図16〜
図21においては、上下方向に回動する扉部46aを備えた搬送用容器4を示したが、扉部の形状は、それら各図に示した形状に限るものではなく、例えば、
図22に示すように、両開き(観音開き)の扉部46bを備えた搬送用容器4とすることもできる。
この場合は、
図22、
図23に示すように、二枚の扉部36bのうち、一方の扉部46bにおいて、軸部(ヒンジ部)とは反対側の辺の近傍に固定具1a’を装着し、他方の扉部46bにおいて、軸部(ヒンジ部)とは反対側の辺の近傍に固定具1aを装着する。そして、
図24に示すように、扉部46bを閉じた状態で、一方の扉部46bに装着した固定具1a’の面ファスナー31’を、他方の扉部46bに装着した固定具1aの面ファスナー31に接合する。これにより、面ファスナー31及び面ファスナー31’は、扉部46bを閉状態で維持する閉止部材(ストッパ)として機能し、扉部46bは、それら面ファスナー31及び面ファスナー31’により、閉じた状態が保持される。
【0079】
(3−2)機能部材としてベルトを装着した固定具の使用例
図1、
図18等に示した固定具1a、1a’は、面ファスナー31、31’を機能部材3として設けたものであるが、機能部材3は、面ファスナー31、31’に限るものではなく、例えば、
図25(i)、(ii)に示すように、バックル321付きのベルト32を、機能部材3として設けることができる。
ベルト32は、所定の長さを有する帯状又は紐状の部材である。
バックル321は、ベルト32の一方の端部322に取り付けられており、他の物に取り付けられたバックルに結合可能な形状を有している。
【0080】
このベルト32が設けられる固定具1bは、基本的には、
図1に示す固定具1aと同様の構成を有しているが、以下説明する箇所で相違している。
例えば、
図25(i)、(ii)に示すように、固定具1bの第一板状部11の基部111においては、立設部113の内側に、ベルト32を通すための挿通孔118が穿設されている。
挿通孔118は、ベルト32の断面形状に応じた形状、例えば、ベルト32が帯状に形成されている場合には、このベルト32が挿通可能な大きさの長孔に形成されている。
【0081】
挿通孔118は、第一板状部11の基部111において、一つのみ穿設することができる。また、複数穿設することもできる。
挿通孔118が複数穿設されている場合、どのような順番でベルト32を挿通するかは任意に決めることができる。
ただし、挿通孔118に通されたベルト32のうち、バックル321が取り付けられた側の端部322は、第一板状部11の外側面119(係合面112とは反対側の面)から露出するようにする。
一方、そのベルト32のうち、バックル321が取り付けられていない側の端部323は、第一板状部11の係合面112における立設部113の内側から露出するようにする。
ベルト32の挿通状態をこのような状態とするために、挿通孔118の数は、奇数とするのが望ましい。
【0082】
第一板状部11の係合面112のうち、立設部113の内側には、第二の切欠部116−2の近傍に、第一挟止部141が立設形成されている。また、第二板状部12の係合面122のうち、二つのガイド部124の間には、第二の係合部123−2の近傍に、第二挟止部142が立設形成されている。
これら第一挟止部141と第二挟止部142は、
図26に示す状態、すなわち、固定具1bの第一板状部11と第二板状部12が連結部13を中心として折り合わされて、第二板状部12の係合部123(123−1、123−2)が第一板状部11の係合孔114(114−1、114−2)に係合した状態では、第一挟止部141の先端部と第二挟止部142の先端部が当接又は近接するようになっている。そして、それら第一挟止部141の先端部と第二挟止部142の先端部がベルト32の端部323を挟み込んで挟持固定することにより、ベルト32が固定具1bから脱離不能となる。
【0083】
この固定具1bは、
図1に示す固定具1aと同様、種々の板状の部材に取り付け可能である。この板状の部材に固定具1bを取り付ける手順は、
図4〜
図12に示した手順、すなわち、固定具1aを板部材2に取り付ける手順と同様である。
なお、
図27(i)〜(iii)には、水平に保持された板部材2’に固定具1bを取り付ける手順を示してある。同図(i)〜(iii)に示す手順は、
図4〜
図12に示した手順と基本的に同じであるが、固定具1bを用いた取付手順の例として、ここで簡単に説明する。
【0084】
図27(i)に示すように、板部材2’の適宜箇所に取付孔23’を穿設する。そして、この取付孔23’に固定具1bを挿入する。このとき、固定具1bの係合面112、122の面方向が、
図4に示すように、取付孔23’の長手方向(同図のX1方向)となるようにしながら、固定具1bを取付孔23’に挿入する。そして、固定具1bの連結部13が取付孔23’の周縁部231’の内側に位置したところで、固定具1bの挿入を停止し、その挿入方向を中心として固定具1bを90°回動させる。この回動した後の状態が、
図27(i)に示す状態である。
なお、ベルト32は、固定具1bを板部材2’の取付孔23’に挿入する前に、固定具1bの挿通孔118に予め挿通しておいてもよい。また、予めベルト32を固定具1bから外しておき、固定具1bを板部材2’の取付孔23’に挿入した後に、そのベルト32を固定具1bの挿通孔118に挿通するようにしてもよい。
【0085】
次いで、固定具1bの連結部13の嵌入部131を、取付孔23’の周縁231’の一部に係合する。そして、
図27(ii)に示すように、その連結部13を中心として、第一板状部11と第二板状部12を折り合わせる。
第一板状部11の係合面112と第二板状部12の係合面122が取付孔23’を介して対向し(
図11参照)、この取付孔23’の内部で第二板状部12の係合部123が第一板状部11の係合孔114に係合すると、
図27(iii)に示すように、固定具1bが板部材2’に取り付けられる。
このような手順で固定具1bを板部材2’に取り付けて固定することにより、その固定具1bに付設されたベルト32を板部材2’に取り付けることができる。
また、取付孔23’の内部では、
図26に示すように、第一板状部11の第一挟止部141と第二板状部12の第二挟止部142がベルト32の端部323を挟持固定しているので、このベルト32を引き抜こうとしても、容易に引き抜くことができないようになっている。
【0086】
なお、
図25〜
図27に示す固定具1bは、第一板状部11に挿通孔118が穿設され、ここにベルト32を挿通した構成となっているが、この構成に限るものではなく、例えば、第一板状部11又は第二板状部12の一方又は双方に挿通孔を穿設し、これらにベルト32を挿通する構成とすることができる。
また、
図25〜
図27に示す固定具1bは、第一板状部11に第一挟止部141が形成されるとともに、第二板状部12に第二挟止部142が形成された構成としているが、この構成に限るものではなく、例えば、第二挟止部142を設けず、第一挟止部141のみを設け、この第一挟止部141と第二板状部12の係合面122によりベルト32の端部323を挟持固定する構成とすることもできる。また、これとは逆に、第一挟止部141を設けず、第二挟止部142のみを設け、この第二挟止部142と第一板状部11の係合面112によりベルト32の端部323を挟持固定する構成とすることもできる。
【0087】
さらに、
図25〜
図27に示す固定具1bは、第一挟止部141と第二挟止部142がそれぞれ一つずつ設けられているが、一つずつに限るものではなく、それぞれ複数設けることができる。それら第一挟止部141と第二挟止部142とを複数設けることにより、ベルト32の端部323を、より強固に挟持固定することができる。
また、
図27に示した板部材2’は、水平に保持された板状の部材であるが、固定具1bが取り付けられる板状の部材は、水平に保持された板状の部材に限るものではなく、例えば、垂直方向又は斜め方向に保持された部材であってもよく、また、
図13等に示す搬送用容器4の一部であってもよい。
【0088】
以上説明したように、本実施形態の固定具及び搬送用容器によれば、第一板状部と第二板状部と、これらを連結する連結部とを備えた構成としたので、部品点数を一個とすることができる。これにより、固定具の管理を容易とすることができる。
また、固定具を使用する際には、その固定具を一個のみ用意すればよいため、準備を簡易なものとすることができる。
【0089】
さらに、固定具を射出成形するための金型は、一個だけ製作すればよいことから、製造コストを低減できる。
しかも、連結部が板部材における貫通孔(取付孔)の周縁に係合し、第一板状部と第二板状部が貫通孔を閉塞する構成としたので、所定の機能を有する部材を板部材に確実に固定することができる。
【0090】
以上、本発明の固定具及び搬送用容器の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る固定具及び搬送用容器は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、
図4においては、取付孔に対して固定具を第一板状部から挿入しているが、これに限るものではなく、第二板状部から挿入することもできる。この場合、第二板状部の付設面に付設された機能部材は、板部材の裏側面に取り付けられることになる。
【0091】
また、上述した実施形態では、固定具を取り付ける対象として搬送用容器を例に挙げたが、固定具を取り付ける対象は、搬送用容器に限るものでなく、貫通孔を穿設可能な板状の部材を有した様々なものを対象とすることができる。
さらに、上述した実施形態では、垂直方向に設けられた板部材に固定具を取り付ける場合について説明したが、これに限るものではなく、水平又は斜めに配置された板部材に固定具を取り付けることもできる。