特許第5715626号(P5715626)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715626
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】装丁装置
(51)【国際特許分類】
   B42C 11/04 20060101AFI20150416BHJP
【FI】
   B42C11/04
【請求項の数】22
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-524055(P2012-524055)
(86)(22)【出願日】2010年8月11日
(65)【公表番号】特表2013-501642(P2013-501642A)
(43)【公表日】2013年1月17日
(86)【国際出願番号】AU2010001030
(87)【国際公開番号】WO2011017762
(87)【国際公開日】20110217
【審査請求日】2013年8月12日
(31)【優先権主張番号】2009903742
(32)【優先日】2009年8月11日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】512036292
【氏名又は名称】クームブ、ロン
【氏名又は名称原語表記】COOMBE,Ron
(74)【代理人】
【識別番号】100096448
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 嘉明
(72)【発明者】
【氏名】クームブ、ロン
【審査官】 荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−502028(JP,A)
【文献】 特開2005−007840(JP,A)
【文献】 特開平07−290857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42B 2/00− 9/06
B42C 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前表紙パネル及び裏表紙パネルを有するカバーに対して本ブロックを容易に配置し、次いで該カバーへ本ブロック取り付ける装丁装置であって、
前表紙パネルの第一縁部をガイドするようになっている第一ガイド手段、
前表紙パネルの第二縁部をガイドするようになっている第二ガイド手段、
前記第一ガイド手段へ可動に取り付けられ、かつ使用時に本ブロックの第一周縁面の少なくとも一部に接して支えるようになっている第一位置決めエレメント、
前記第二ガイド手段へ可動に取り付けられ、かつ本ブロックの第二周縁面の少なくとも一部に接して支えるようになっている第二位置決めエレメント、及び
第一バー、第二バー、及び第三バーを有するグリッド構造、このグリッド構造はこれらのバーの長手方向に移動自在の第一及び第二レールを含む、
ことを特徴とする装丁装置。
【請求項2】
前記第一ガイド手段及び第二ガイド手段が組み合わされて本カバーが所定位置に固定されるようにすることを特徴とする請求項1記載の装丁装置。
【請求項3】
前記第一及び第二ガイド手段が相互に直角なすことを特徴とする請求項1または2に記載の装丁装置。
【請求項4】
前記バーが互いに間隔を空けて離され、かつ平行に構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項5】
前記バーが、第一バーが前表紙パネルの第一縁部を支持し、第二バーが背表紙パネルの少なくとも一部を支持し、及び第三バーが裏表紙パネルの第一縁部を支持するように形状化され、かつ配置されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項6】
前記両レールが、前表紙パネルの第二縁部及び対向縁部をそれぞれ支持するため、間隔を空けて離して配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項7】
前記レールによって、裏表紙パネルの第二縁部と、別の対向縁部もそれぞれ支持されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項8】
前記第二レールが、寸法の異なるカバー適合させるためバーの長手方向に沿ってスライド可能に構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項9】
前記第一ガイド手段に、前記第一バーへ取り付けられるブラケットが含まれることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項10】
前記ブラケットが垂直部材と水平部材から成るL形状に構成されることを特徴とする請求項記載の装丁装置。
【請求項11】
前記垂直部材に、前記第一位置決めエレメントを可動に受け入れるようになっているスロットが含まれることを特徴とする請求項10記載の装丁装置。
【請求項12】
前記第二ガイド手段に、使用時に前表紙パネルの第二縁部に接して支えるようになっている壁部が含まれることを特徴とする請求項記載の装丁装置。
【請求項13】
前記壁部が基部に対して垂直な直立位置に配置されることを特徴とする請求項12記載の装丁装置。
【請求項14】
前記第一位置決めエレメントの少なくとも一部が、前記グリッド構造上に静置されているカバーの上方に位置することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項15】
前記第一位置決めエレメントが、使用時に、前表紙パネルの第一縁部と本ブロックの第一周縁面との間に第一マージンを与えるように所望の位置へ調節可能であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項16】
前記第二位置決めエレメントの少なくとも一部が前記グリッド構造上に静置されているカバーの上方に位置することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項17】
前記第二位置決めエレメントが、使用時に、前表紙パネルの第二縁部と本ブロックの第二周縁面との間に第二マージンを与えるように所望の位置へ調節可能であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項18】
前表紙パネルの対向縁部に接して支えるようになっている第三ガイド手段が含まれることを特徴とする請求項記載の装丁装置。
【請求項19】
前記第三ガイド手段に、前記第一及び第二バー上へ可動に取り付けられるようになっているブラケットが含まれることを特徴とする請求項18記載の装丁装置。
【請求項20】
前記第三ガイド手段が固定手段を用いてバーへロックされることを特徴とする請求項18記載の装丁装置。
【請求項21】
前記第三ガイド手段に、使用時に綴じられたペーパーのブロックを第二位置決めエレメントの方へ向け、それによってカバーに対して所望される位置へ該ブロックを置くようになっているベベルが含まれることを特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載の装丁装置。
【請求項22】
使用時に、本ブロックが一旦所望される位置に置かれたら、本ブロックの前フライシートがグリッド構造上に静置されているカバーの背表紙パネルの所定部分へ接着剤を介して取り付けられることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の装丁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の製本に適する装丁装置、より具体的かつ非限定的には、製本工程において本カバーへ本ブロックを配置するための装丁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、本ブロックを本カバーへ装丁する工程において、本ブロックを本カバーに対して所望される位置へ整然と固定する作業は困難な作業である。本ブロックの本カバーへの不適切あるいは不完全な接合は、本の全体的外観、従って本の見映えに重大な影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述した問題を克服あるいは改善する装丁装置、あるいは少なくとも有用な代替となる装丁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的のため、本発明では、
前表紙パネルの第一縁部をガイドするようになっている第一ガイド手段、
前表紙パネルの第二縁部をガイドするようになっている第二ガイド手段、
前記第一ガイド手段へ可動に取り付けられ、かつ本ブロックの第一周縁面の少なくとも一部に接し支えるようになっている第一位置決めエレメント、及び
前記第二ガイド手段へ可動に取り付けられ、かつ本ブロックの第二周縁面の少なくとも一部に接し支えるようになっている第二位置決めエレメントから構成される、前表紙パネル及び裏表紙バネルを有するカバーへの本ブロックの接合を容易化し、次いで後続の工程においてカバーへ本ブロックを装丁する装丁装置が提供されている。
【0005】
本ブロックに、前フライシート及び裏フライシート間に装丁された1個のルーズリーフを含めることも可能なことに注意されたい。このルーズリーフに光沢紙等の重みのある紙を含めることも可能である。
【0006】
好ましくは、第一及び第二ガイド手段が組み合わされて、本カバーが所定の位置に固定される。より好ましくは、第一及び第二ガイド手段は互いに対してほぼ直角である。
【0007】
本発明に係る装丁装置は、好ましくは第一、第二、及び第三バーを有するグリッド構造を含んで成る。これらのバーは好ましくは間隔を空けて相互に平行に構成される。前記バーは、第一バーによって前表紙パネルの第一縁部が、第二バーによって背表紙パネルの少なくとも一部が、及び第三バーによって裏表紙パネルの第一縁部がそれぞれ支えられるように形状化し、及び配置することが可能である。
【0008】
前記グリッド構造にはさらに、好ましくは可動にバーと連結し、かつバーに対してほぼ直角に伸びる第一及び第二レールが含まれる。前記レールは前表紙パネルの第二縁部と対向縁部をそれぞれ支えるため、好ましくは間隔を空けて離して配置される。この実施態様においては、前記レールによって裏表紙パネルの第二縁部と別の対向縁部もそれぞれ支えられる。前記第二レールは、前記バーの長手方向に沿ってスライドでき、寸法の異なるカバーに適合するように設計される。
【0009】
前記カバーには、好ましくは前表紙パネルと裏表紙パネルを取り付ける背表紙パネルが含まれることが理解されるべきである。本発明装置の使用時において、前記カバーは好ましくは折り畳まれていない状態で前記グリッド構造上へ静置される。
【0010】
第一ガイド手段には、好ましくは第一バーへ取り付けられるブラケットが含まれる。この実施態様におけるブラケットは垂直部材と水平部材から成るL形状である。垂直部材には、好ましくは第一位置決めエレメントを可動に受け取るようになっているスロットが含まれる。
【0011】
第二ガイド手段には、好ましくは前表紙パネル(及び裏表紙パネル)の第二縁部に接し支えるために使用するようになっている壁部が含まれる。この実施態様において、この壁部は基部に対してほぼ垂直な直立位置に配置される。
【0012】
第一位置決めエレメントの少なくとも一部は、好ましくはグリッド構造上に静置されているカバーの上に位置するように配置される。好ましくは、第一位置決めエレメントは使用時に前表紙パネルの第一縁部と本ブロックの第一周縁面の間に第一マージンを与えるように所望される位置へ調節可能である。
【0013】
同様に、第二位置決めエレメントの少なくとも一部が好ましくはグリッド構造の上に静置されるカバーの上に位置するように配置される。好ましくは、第二位置決めエレメントは使用時に前表紙パネルの第二縁部と本ブロックの第二周縁面の間に第二マージンを与えるように所望される位置へ調節可能である。
【0014】
好ましくは、本発明に係る装置にはさらに、前表紙パネルの対向縁部に接し支えるようになっている第三ガイド手段が含まれる。好ましい実施態様において、第三ガイド手段には第一及び第二バーへ可動に取り付けられるようになっているブラケットが含まれる。第三ガイド手段は固定手段を用いてそれらバーへロック可能である。前記固定手段に、バー上における第三ガイド手段のスライドを容易にするようになっているバイアス手段を含めることも可能である。前記固定手段には、スプリング負荷手段を備える1又は2以上のネジを含めることも可能である。
【0015】
便宜上、第三ガイド手段には、束ねたペーパーのブロックを第二位置決めエレメントの方へ向け、該ブロックをカバーに対して所望の位置へ配置するために用いるようになっているベベルが備えられる。
【0016】
第三ガイド手段は、一旦本ブロックを所望の位置へ置いて、本ブロックの前フライシートを構造体上に静置されているカバーの背表紙パネルの所定の部分へ接着部材を介して取り付けるように意図されている。次いで背表紙パネルを本ブロックの裏フライシート上へ折り重ねて、背表紙パネルの別の所定部分を裏フライシートへ接着することが可能である。
【0017】
第一ガイド手段の垂直部材の高さは好ましくは本ブロックの厚さよりも高く構成される。裏表紙パネルが本ブロック上へ折り重ねられた時、裏表紙パネルの第一縁部が第一ガイド手段に接して支えることにより裏表紙パネルの第一縁部を前表紙パネルの第一縁部と整合させることが可能である。
【0018】
同様に、第二ガイド手段の壁部の高さは好ましくは本ブロックの厚さよりも高く構成される。裏表紙パネルが本ブロック上へ折り重ねられた時、裏表紙パネルの第二縁部が第二ガイド手段に接して支えることにより、裏表紙パネルの第二縁部を前表紙パネルの第二縁部と整合させることが可能である。
【0019】
好ましくは、背表紙パネルには、裏表紙パネルが裏フライシート上へ折り重ねられてプレスされる時に裏表紙パネルを裏フライシートへ接着するようになっている別の接着部材が備えられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】折り重ねられていない状態で配置された本カバーを支える本発明の好ましい実施態様に従った装丁装置の透視図である。
図2図1の装丁装置の第一ガイド及び位置決めエレメントの前方から見た透視図である。
図3図2の第一ガイド及び位置決めエレメントの後方から見た透視図である。
図4図1の装丁装置の平面図である。
図5】本カバーが折り重ねられる状態を示した図1の装丁装置透視図である。
【発明を実施するための手段】
【0021】
本発明は、以下に記載する非限定的な好ましい実施態様についての記載からさらに理解される。図1に示すように、装丁装置10によって、前表紙パネル28、背表紙パネル30、及び裏表紙パネル32からなる折りたたんでいない状態の本カバー16が支持される。この本カバー16は、前フライシート66と裏フライシート68の間にある1束のルーズリーフから成る本ブロック44へ接着される。ルーズリーフとフライシート66、68はスチールステッチあるいはステープルによって綴じられる。この実施態様におけるルーズリーフには、写真用の光沢紙が含まれる。
【0022】
本発明装置10は、第一バー20、第二バー22、及び第三バー24を備えるグリッド構造を成し、これらバーはそれぞれ相互に間隔を空けて平行に構成される。第一バー20によって前表紙パネル28の側縁部58が支えられる。第二バー22は第一バー20と第三バー24の間に位置し、第二バー22によって背表紙パネル30が支えられる。第三バー24によって裏表紙パネル32の側縁部92が支えられる。
【0023】
グリッド構造にはさらに、バー20、22、24のそれぞれと連結し、かつ直角に交わって延びる第一及び第二交差レール36、38が含まれる。これらレール36、38は間隔を空けて離して配置され、前表紙パネル28の上側縁部35及び下側縁部37(図4参照)、さらに裏表紙パネル32の上側縁部40及び下側縁部42(図4参照)を支える。レール38は、寸法の異なるカバーに適合するようにバー20、22、24の長手方向に沿ってスライド可能である。図4に最も示されるように、パネル28、30、32はグリッド構造によって支えられ、その上へ本ブロック44を直ぐに配置できるようになっている。
【0024】
装丁装置10は、バー20へ可動に連結されるガイド手段を有する。図2及び3に示すように、ガイド手段はバー20へ取り付けられ、使用時に前表紙パネル28(図1参照)の側縁部58をガイドするブラケット46形状を成している。ブラケット46は垂直部材48及び水平部材50から成るL形状を呈している。垂直部材48にはプレート54形状の可動位置決めエレメントを受けるためのスロット52が設けられる。
【0025】
図1及び4に示すように、本発明に係る装丁装置10はさらに、使用時に前表紙パネル28及び裏表紙パネル32の上側縁部35及び40をガイドし、及び接し支える壁部56に形状化された別のガイド手段を有する。壁部56はグリッドに対してほぼ垂直に直立状態で配置される。
【0026】
図4に示すように、使用時には、プレート54によって本ブロック44の周縁面60の一部が接し支えられる。同様に、プレート62形状の位置決めエレメントは壁部56へ可動に取り付けられ、該エレメントによって本ブロック44の第二周縁面64が接し支えられる。
【0027】
図1に最もよく示されているように、プレート54は基部上に静置されるカバー16の上方に位置している。図3及び4に示すように、プレート54は図3及び4中の矢印A−Aによって示されるように、使用時に所望の位置へ前後に移動させて前表紙パネルの側壁58(図4参照)と本ブロック44の第一周縁面60との間にマージン(ゆとり)B−Bを設けるように調節可能である。
【0028】
同様に、プレート62は基部上に静置しているカバー16の上方に位置している。プレート62は、矢印C−C(図4参照)によって示されるように、使用時に所望の位置へ前後に移動させて前表紙パネルの上側縁部35と本ブロック44の第二周縁面64との間にマージンD−Dを設けるように調節可能である。プレート54及び62は互いに対してほぼ直角である。
【0029】
図4に示すように、本発明に係る装丁装置10にはさらにL形状のブラケット70に形態化されたガイド手段が設けられる。このブラケット70によって、使用時に前表紙パネル28の下側縁部72が接し支えられる。ブラケット70はバー20及び22へ可動に取り付けられる。ブラケット70は、所望の位置まで移動させてから、ネジ74及び76等の固定手段によって適所に固定することができる。ネジ74及び76のそれぞれには、使用者がつまみ易いように頭部が大きくされたネジを有している。ブラケット70は、本カバー16への本ブロック44の接着に際して、所望される位置への本ブロック44の固定を補助する。
【0030】
ブラケット70には傾斜面をもつベベル78が含まれる。ベベル78は束ねられたペーパーの本ブロック44をプレート62の方へ向けて本ブロック44を静置するために便利である。
【0031】
次に本発明に係る装丁装置10の操作方法について説明する。第一段階として、基部上へ本カバー16を載置する。カバー16は基部上へ折り重ねられていない状態で載置されなければならない。次いでカバー16を、前表紙パネル28の縁部58及び35がブラケット46と壁部56のそれぞれに接するように、ブラケット46及び壁部56に対して押し付ける。
【0032】
本カバー16が適所に置かれたら、ブラケット70と前表紙パネル28の縁部72が接するようにする。これにより、カバー16の適所への載置が確実となる。
【0033】
次いでプレート54及び62はそれぞれ所望される位置に調節される。そのために、プレート54及び62がそれぞれ所望される位置へ前後にスライドできるように、頭部が大きく形成されたネジ82、84、86、88及び90が緩められる。プレート54及び62それぞれの位置は、所望されるマージンB−B及びD−Dによって決められる。プレート54及び62の組み合わせにより、本ブロック44が前表紙パネル28及び裏表紙パネル32に対して所望される位置に固定される。
【0034】
プレート54及び62が一旦適正な位置に固定されれば、本ブロック44をカバー16の前表紙パネル28上へ置くことができる。本ブロック44は、本ブロック44の下側縁部84がベベル78と揃うように置かれなければならない。これにより、本ブロック44は壁部56の方へ向けられ、本ブロック44の周縁面64とプレート62が接するようになる。同時に、本ブロック44はブラケット46に向けて側方へ押され、周縁面60がプレート54に接する。
【0035】
図1に示すように、上述した工程は、本ブロック44の後端部86に近い前フライシート66が背表紙パネル30上に設けられた接着部材88との尚早な接合を防止できるように機敏に実施されなければならない。接着部材88はテープ90aによって保護されており、本ブロック44がカバー16との接合位置についたときにテープが剥がされて接着材が露出される。
【0036】
図5に示すように、背表紙パネル30上に設けられた別の接着部材90b(図1参照)の裏フライシート68への接合を行うために、裏表紙パネル32が裏フライシート68上へ折り重ねられて装丁工程が完了する。前表紙パネル28の裏表紙パネル32との整合を容易にするため、裏表紙パネル32の側方縁部92がブラケット46の上部94と接するようにされる。
【0037】
図1図2から、ブラケット46の垂直部材48の高さが本ブロック44の厚さよりも高いことが理解されるべきである。裏表紙パネル32が本ブック44上へ折り重ねられた時、裏表紙パネル32の側方縁部92が側方へ押されてブラケット46の上部94(図1及び5参照)に接することにより、裏表紙パネル32の前表紙パネル28との正確な整合が得られる。
【0038】
同様に、壁部56の高さは本ブロック44の厚さよりも高くされている。裏表紙パネル32が本ブロック44上へ折り重ねられた時、裏表紙パネル32の上側縁部40は壁部56に接する。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明した。本発明に係る装丁装置が少なくとも下記利点を提供できることは当業者に明らかであろう。
1. 使用が簡単かつ容易であり、要求される技術、熟練度及び時間も最小限である。
2. 本ブロックのカバーへの接合を高度な正確性をもって迅速に遂行できる。
3. 優れた耐久性のある装丁が為された本に製本可能である。
【0040】
本発明は本願に記載した特定の態様の他に変形及び変形可能なことは当業者の理解するところである。これら変形及び変更は、上記記載から限定される本発明の範囲及び精神の範囲内含まれると考慮されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の装丁装置は工業的に適用可能であり、本装置により、本ブロックのカバーへの迅速な接合、及び高度な正確性をもって優れた耐久性のある装丁が為された本の製本が容易化される。
図1
図2
図3
図4
図5