【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、箱を含む消費財のための容器を提供し、箱は、箱底壁と、第1の箱側壁と、第2の箱側壁と、箱背面壁と、箱前壁とを更に含む。容器は、ヒンジ線にわたってヒンジ式に箱に接続した蓋を更に含み、蓋は、蓋上壁と、第1の蓋側壁と、第2の蓋側壁と、蓋背面壁と、蓋前壁とを更に含む。
【0007】
容器は、2つの波状輪郭によって境界付けられた少なくとも1つの波形面を更に含む。少なくとも1つの波形面は、少なくとも1つの波形面が2つの隣接する壁を少なくとも部分的に架橋するように、箱の2つの隣接する壁間又は蓋の2つの隣接する壁間に配置される。
【0008】
更に、波形面を境界付ける2つの波状輪郭は、互いに対して位相差を含む。
【0009】
用語「波状輪郭」は、本明細書全体を通じて、その方向を連続的に変化させかつ少なくとも1つの凹部区画及び1つの凸部区画を有する波状の線を指すために用いられる。波状線の好ましい例は、「S字形曲線」である。2つの波状輪郭は、実質的に互いに合同であることが好ましい。波形面を縁取る2つの波状輪郭は、容器のブランクにおいて、すなわち、波形面が平坦でありかつ容器が組み立てられていない場合に、波形面の図心に対して実質的に点対称であることが好ましい。波状輪郭の好ましい例は、正弦曲線輪郭である。
【0010】
互いに対して位相差を有する2つの波状輪郭は、望ましい捩れた架橋表面の形成を可能にする。この点に関して、用語「捩れた」は、架橋表面に対する法線の方向が架橋表面に沿って変化することを意味する。位相差は、一般的に約0度から90度(0度を除く)の範囲内で変わることができる。位相差は、約30度から90度の範囲内で変わることが好ましい。位相差は、約45度から90度の範囲内で変わることがより好ましい。用語「約」が用いられる時には必ず、この用語は、0度の値を除き、厳密値を開示及び含むことも意図される。
【0011】
上述の波形架橋表面は、鋭い縁部の形成を回避し、そのようにして容器を取り扱いやすくし、かつ容器の興味を引く視覚的及び触覚的外観を提供する。特に、それは、望ましい捩れた架橋表面の形成を可能にする。
【0012】
円周の方向における2つの波状輪郭間の距離は、連続的に変化することが好ましい。
【0013】
少なくとも1つの波形面は、前壁と隣接する側壁のうちの一方との間に設けられることが好ましい。波状輪郭によって境界付けられた波形面は、本発明による容器のより人を引き付ける外観に貢献するので、波形面は、それが消費者によく見えるように、前壁と側壁のうちの少なくとも一方との間に設けられる。本発明による容器の1つの特定的な実施形態において、波形面は、前壁と側壁の各々との間に設けられる。
【0014】
少なくとも1つの第1の波形面は、2つの箱壁間に設けられ、少なくとも1つの第2の波形面は、2つの蓋壁間に設けられることが好ましい。2つの箱壁間に設けられた少なくとも1つの第1の波形面及び2つの蓋壁間に設けられた少なくとも1つの第2の波形面は、互いに整列することが好ましい。この構成では、蓋が箱部分と整列する時に、閉じた容器は、高さ全体に沿って興味を引く縁部を示す。その実施形態において、箱上の波状輪郭は、容器が閉じている時に箱上の波形面と蓋とが箱から蓋まで連続すると見えるように、蓋上の波状輪郭と一致することができる。
【0015】
本発明による容器は、容器の本体の前壁に取り付けられた個別の内側フレームを更に含むことが好ましい。このような内側フレームは、蓋が閉じた位置に置かれた時に蓋のためのスナップ式係合を提供するためにこのような内側フレームから外向きに延びる耳状突起を有する。これは、スナップ式係合が蓋の非意図的開放を防止し、かつ同時に「クリック」音によって容器が閉じていることが消費者に示される点で特に有利である。
【0016】
内側フレームは、2つの波状輪郭によって境界付けられた少なくとも1つの内側フレーム波形面を有することが好ましい。内側フレーム波形面は、内側フレーム前部と隣接する内側フレーム側部との間に配置される。内側フレーム波形面は、内側フレーム前部とそれぞれの隣接する内側フレーム側部との間にあり、内側フレーム前部と隣接する内側フレーム側部とを架橋する。この内側フレームは、波状輪郭によって境界付けられた波形面により改善された容器の人を引き付ける外観を完成することができる。特に、内側フレームは、容器の前壁と隣接する側壁との間に配置された対応する波形面がある時には必ず、内側フレーム前部とこのような隣接する内側フレーム側部との間に配置されたこのような波形面を有することができる。
【0017】
本発明による容器は、同じ2つの隣接する壁間、すなわち、単一の第1の蓋壁と単一の第2の蓋壁との間又は単一の第1の箱壁と単一の第2の箱壁との間に配置された2つから5つの波形面を含むことが好ましい。
【0018】
少なくとも1つの波形面は、1つから5つの起伏を含むことが好ましい。これは、本発明による容器の更に広範な視覚的及び触覚的外観を可能にする。
【0019】
本発明による容器は、直角の縦方向縁部及び直角の横断方向縁部を備えた直方体の形状とすることができる。代替的に、容器は、少なくとも1つの波形面に加えて、1つ又はそれよりも多くの丸みを付けた縦方向縁部、丸みを付けた横断方向縁部、傾斜を付けた縦方向縁部、又は傾斜を付けた横断方向縁部、又はその組合せを含むことができる。例えば、本発明による容器は、限定することなく、
−前壁上の1つ又は2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、及び/又は背面壁上の1つ又は2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
−前壁上の1つ又は2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、及び/又は背面壁上の1つ又は2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
−前壁上の1つの縦方向の丸みを付けた縁部及び1つの縦方向の傾斜を付けた縁部、並びに/又は背面壁上の1つの横断方向の丸みを付けた縁部及び1つの横断方向の傾斜を付けた縁部、
−前壁上の1つ又は2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部及び前壁上の1つ又は2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
−第1の側壁上の2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部又は第2の側壁上の2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
を含むことができる。
【0020】
容器が1つ又はそれよりも多くの丸みを付けた縁部を含み、かつ層状ブランクから製造される場合、ブランクは、組み立てられる容器において各丸みを付けた縁部を形成するために、3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つの刻み線又は折り線を含むことが好ましい。刻み線又は折り線は、容器の内側上又は容器の外側上のいずれかにあることができる。刻み線又は折り線は、約0.3mmから4mmだけ互いから離間していることが好ましい。
【0021】
折り線又は刻み線の間隔は、層状ブランクの厚みの関数であることが好ましい。折り線又は刻み線間の間隔は、層状ブランクの厚みよりも約0.5倍から約4倍大きいことが好ましい。
【0022】
容器が1つ又はそれよりも多くの傾斜を付けた縁部を含む場合、傾斜を付けた縁部は、約1mmから約10mm、好ましくは約2から約6mmの幅を有することが好ましい。代替的に、容器は、容器の縁部上に2つの別々の傾斜が形成されるように離間した3つの平行な折り線又は刻み線によって形成された二重傾斜を含むことができる。
【0023】
代替的に、容器は、非矩形の横断面、例えば、三角形又は六角形のような多角形、又は長円形、半長円形、円形、又は半円形の横断面を有することができる。
【0024】
容器が傾斜を付けた縁部を含み、かつ層状ブランクから製造される場合、傾斜は、層状ブランク内の2つの平行な折り線又は刻み線によって形成することができる。折り線又は刻み線は、第1の壁と第2の壁の間に縁部に対して対称的に配置することができる。代替的に、折り線又は刻み線は、傾斜が容器の第2の壁内よりも容器の第1の壁内により遠くまで到達するように、第1の壁と第2の壁の間に縁部に対して非対称的に配置することができる。
【0025】
容器は、以下に限定するものではないが、ボール紙、板紙、プラスチック、金属、又はその組合せを含むあらゆる適切な材料から形成することができる。ボール紙は、1平方メートル当たり約100グラムから1平方メートル当たり約350グラムの重量を有することが好ましい。
【0026】
本発明による容器は、様々な消費財のためのパッケージとして用いることができる。特に好ましい実施形態において、本発明による容器は、喫煙物品を包装するのに用いられる。本発明による容器は、以下に限定するものではないが、従来の端部着火シガレット、シガー又はシガリロ、可燃性の燃料要素又は熱源及びエアロゾル発生基体を含む加熱式喫煙物品(例えば、US−A−4,714,082に開示された種類のシガレット)、並びに電気喫煙システムと共に用いるための喫煙物品(例えば、US−A−5,692,525に開示された種類のシガレット)を含む喫煙物品を包装するために有利に用いることができる。
【0027】
本発明による容器の寸法の適切な選択を通じて、本発明による容器は、異なる総数の喫煙物品、又は異なる配置の喫煙物品を保持するように設計することができる。例えば、本発明による容器の寸法の適切な選択を通じて、本発明による容器は、合計10本から30本の喫煙物品を保持するように設計することができる。
【0028】
喫煙物品は、喫煙物品の総数に応じて、異なる丁合で配置することができる。例えば、喫煙物品は、6本、7本、8本、9本、又は10本から構成される単一の列に配置することができる。代替的に、喫煙物品は、2つ又はそれよりも多くの列に配置することができる。2つ又はそれよりも多くの列には、同数の喫煙物品を収めることができる。例えば、喫煙物品は、5本、6本、7本、8本、9本、又は10本から構成される2列、5本又は7本から構成される3列、4本、5本、又は6本から構成される4列に配置することができる。代替的に、2つ又はそれよりも多くの列は、互いに異なる数の喫煙物品を収めた少なくとも2つの列を含むことができる。例えば、喫煙物品は、5本から構成される列と6本から構成される列(5−6)、6本から構成される列と7本から構成される列(6−7)、7本から構成される列と8本から構成される列(7−8)、5本から構成される中心の列と6本から構成される2つの外側の列(6−5−6)、5本から構成される中心の列と7本から構成される2つの外側の列(7−5−7)、6本から構成される中心の列と5本から構成される2つの外側の列(5−6−5)、6本から構成される中心の列と7本から構成される2つの外側の列(7−6−7)、7本から構成される中心の列と6本から構成される2つの外側の列(6−7−6)、9本から構成される中心の列と8本から構成される2つの外側の列(8−9−8)、又は5本から構成される1つの外側の列及び7本から構成される1つの外側の列を備えた6本から構成される中心の列(5−6−7)に配置することができる。
【0029】
本発明による容器は、同じ種類又は銘柄の喫煙物品を保持することができ、異なる種類又は銘柄の喫煙物品を保持する場合もある。更に、異なる長さ(例えば、約40mmから約180mm)、直径(例えば、約4mmから約9mm)の喫煙物品のみならず、フィルタレス喫煙物品及び様々なフィルタチップを備えた喫煙物品の両方を収めることができる。更に、喫煙物品は、風味の強度、吸引抵抗、及び粒子状物質総送出量が異なっていてもよい。容器の寸法は、喫煙物品の長さ及び喫煙物品の丁合に適合されていることが好ましい。一般的に、容器の外形寸法は、容器の内側に収納された喫煙物品の一束又は複数束の寸法よりも約0.5mmから約5mm大きい。
【0030】
本発明による容器の長さ、幅、及び深さは、得られる容器の全体寸法が、閉じた位置で20本のシガレットの一般的な使い捨てヒンジ蓋パックの寸法と同様になるようにすることができる。
【0031】
本発明による容器の外面には、製造業者又は銘柄のロゴ、商標、スローガン、及び他の消費者情報及び標示を印刷、エンボス加工、デボス加工するなどして、装飾を付加することができる。
【0032】
本発明による容器の内側ハウジングにシガレットの束又は他の細長い喫煙物品が収められている場合、喫煙物品は、例えば、金属箔又は金属化紙の内側ライナ内に包まれていることが好ましい。内側ライナは、密封又は糊付けすることができる。内側ライナは、少なくとも1つのアクセス開口部を含むことが好ましい。内側ライナは、アクセス開口部を閉鎖、開放、及び再閉鎖するためのカバー層を更に含むことが好ましい。これは、消費者物品を内側ライナから取り出して、消費者物品の取り出し後に内側ライナを再閉鎖することを可能にする。これは、内側ライナ内に残っている消費者物品の鮮度を維持することができる。
【0033】
充填された状態で、本発明による容器は、従来の方法で、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンの透明ポリマーフィルムで収縮包装又はそうでなければ上包装することができる。本発明による容器が上包装される場合、上包装紙は、1つ又はそれよりも多くの開封テープを含むことができる。1つ又はそれよりも多くの開封テープは、容器の周りに横断方向又は縦方向に延びることができる。
【0034】
本発明を単に一例として添付の図面を参照して以下に説明する。