特許第5715695号(P5715695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715695
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】消費財のための容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/66 20060101AFI20150423BHJP
   B65D 5/43 20060101ALI20150423BHJP
   B65D 85/10 20060101ALI20150423BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   B65D5/66 321B
   B65D5/42 Z
   B65D85/10
   B65D5/42 F
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-520099(P2013-520099)
(86)(22)【出願日】2011年7月18日
(65)【公表番号】特表2013-534497(P2013-534497A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2011062212
(87)【国際公開番号】WO2012010540
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2013年3月18日
(31)【優先権主張番号】10169994.0
(32)【優先日】2010年7月19日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】ルツィッヒ ボード−ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕三
(72)【発明者】
【氏名】大園 浩子
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/066370(WO,A1)
【文献】 特表2004−515425(JP,A)
【文献】 米国特許第06079556(US,A)
【文献】 米国意匠特許発明第00607318(US,S)
【文献】 特開2009−292515(JP,A)
【文献】 特表2012−511475(JP,A)
【文献】 実開昭54−007925(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第00930245(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/66
B65D 5/42
B65D 5/43
B65D 85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱を含む容器であって、
箱が、箱底壁と、第1の箱側壁と、第2の箱側壁と、箱背面壁と、箱前壁とを更に含み、
容器が、蓋を更に含み、該蓋は、ヒンジ線にわたってヒンジ式に前記箱に接続され、該蓋は、蓋上壁と、第1の蓋側壁と、第2の蓋側壁と、蓋背面壁と、蓋前壁とを更に含み、
容器が、2つの波状輪郭によって境界付けられた少なくとも1つの波形面を含み、該少なくとも1つの波形面は、前記蓋の2つの隣接する壁間又は前記箱の2つの隣接する壁間に該少なくとも1つの波形面が該2つの隣接する壁を少なくとも部分的に架橋するように配置され、
前記波形面を境界付ける前記2つの波状輪郭は、互いに対して位相差を含み、
前記容器は、前記箱前壁に取り付けられた個別の内側フレームを更に含み、前記内側フレームは、該内側フレーム前部とそれぞれの隣接する内側フレーム側部との間に配置されて、前記内側フレーム前部と前記それぞれの隣接する内側フレーム側部とを架橋する2つの波状輪郭によって境界付けられた少なくとも1つの波形面を含む、
ことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記箱の円周の方向の前記2つの波状輪郭間の距離が、連続的に変化することを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの波形面は、前記箱前壁と前記箱側壁のうちの一方との間に設けられることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の容器。
【請求項4】
2つの波状輪郭によって境界付けられた少なくとも1つの第1の波形面が、2つの箱壁間に設けられ、少なくとも1つの第2の波形面が、2つの蓋壁間に設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記内側フレームは、前記蓋が閉じる時に該蓋のためのロッキング係合を提供するために該内側フレームから外向きに延びる耳状突起を有している、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
一つの対を構成する2つの隣接する壁の間に配置された2つから5つの波形面を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
喫煙物品を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費財のための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器は、消費財、特に喫煙物品を包装する分野では特に公知である。一般的に、そのような容器は、実質的に直方体形状を有する。当業技術で公知のこれらの容器の一部は、傾斜又は丸みを付けた縦方向縁部又は横断方向縁部も含む。
【0003】
底壁、第1及び第2の側壁、背面壁と前壁、及びヒンジ式に接続した蓋を有する箱を含む容器は、DE−A−103 14 375から公知である。架橋表面は、前壁とそれぞれの隣接する側壁との間、並びに背面壁とそれぞれの隣接する側壁との間に配置される。架橋表面は、前壁及びそれぞれの側壁との又は背面壁及びそれぞれの側壁との固定された角度を含む平坦面である。平坦な架橋表面は、箱が多角形の形状を有するように箱の縦方向に延びる直線によって境界付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE−A−103 14 375
【特許文献2】US−A−4,714,082
【特許文献3】US−A−5,692,525
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装の分野では、容器内に収納された消費財を保護する剛性容器を提供し、かつ同時に興味を引く視覚的及び触覚的外観を提供することは望ましいであろう。この点に関して、本発明の特定の目的は、それぞれの隣接配置された壁に対して捩れた架橋表面を有する容器を提供することである。これは、本発明による容器によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、箱を含む消費財のための容器を提供し、箱は、箱底壁と、第1の箱側壁と、第2の箱側壁と、箱背面壁と、箱前壁とを更に含む。容器は、ヒンジ線にわたってヒンジ式に箱に接続した蓋を更に含み、蓋は、蓋上壁と、第1の蓋側壁と、第2の蓋側壁と、蓋背面壁と、蓋前壁とを更に含む。
【0007】
容器は、2つの波状輪郭によって境界付けられた少なくとも1つの波形面を更に含む。少なくとも1つの波形面は、少なくとも1つの波形面が2つの隣接する壁を少なくとも部分的に架橋するように、箱の2つの隣接する壁間又は蓋の2つの隣接する壁間に配置される。
【0008】
更に、波形面を境界付ける2つの波状輪郭は、互いに対して位相差を含む。
【0009】
用語「波状輪郭」は、本明細書全体を通じて、その方向を連続的に変化させかつ少なくとも1つの凹部区画及び1つの凸部区画を有する波状の線を指すために用いられる。波状線の好ましい例は、「S字形曲線」である。2つの波状輪郭は、実質的に互いに合同であることが好ましい。波形面を縁取る2つの波状輪郭は、容器のブランクにおいて、すなわち、波形面が平坦でありかつ容器が組み立てられていない場合に、波形面の図心に対して実質的に点対称であることが好ましい。波状輪郭の好ましい例は、正弦曲線輪郭である。
【0010】
互いに対して位相差を有する2つの波状輪郭は、望ましい捩れた架橋表面の形成を可能にする。この点に関して、用語「捩れた」は、架橋表面に対する法線の方向が架橋表面に沿って変化することを意味する。位相差は、一般的に約0度から90度(0度を除く)の範囲内で変わることができる。位相差は、約30度から90度の範囲内で変わることが好ましい。位相差は、約45度から90度の範囲内で変わることがより好ましい。用語「約」が用いられる時には必ず、この用語は、0度の値を除き、厳密値を開示及び含むことも意図される。
【0011】
上述の波形架橋表面は、鋭い縁部の形成を回避し、そのようにして容器を取り扱いやすくし、かつ容器の興味を引く視覚的及び触覚的外観を提供する。特に、それは、望ましい捩れた架橋表面の形成を可能にする。
【0012】
円周の方向における2つの波状輪郭間の距離は、連続的に変化することが好ましい。
【0013】
少なくとも1つの波形面は、前壁と隣接する側壁のうちの一方との間に設けられることが好ましい。波状輪郭によって境界付けられた波形面は、本発明による容器のより人を引き付ける外観に貢献するので、波形面は、それが消費者によく見えるように、前壁と側壁のうちの少なくとも一方との間に設けられる。本発明による容器の1つの特定的な実施形態において、波形面は、前壁と側壁の各々との間に設けられる。
【0014】
少なくとも1つの第1の波形面は、2つの箱壁間に設けられ、少なくとも1つの第2の波形面は、2つの蓋壁間に設けられることが好ましい。2つの箱壁間に設けられた少なくとも1つの第1の波形面及び2つの蓋壁間に設けられた少なくとも1つの第2の波形面は、互いに整列することが好ましい。この構成では、蓋が箱部分と整列する時に、閉じた容器は、高さ全体に沿って興味を引く縁部を示す。その実施形態において、箱上の波状輪郭は、容器が閉じている時に箱上の波形面と蓋とが箱から蓋まで連続すると見えるように、蓋上の波状輪郭と一致することができる。
【0015】
本発明による容器は、容器の本体の前壁に取り付けられた個別の内側フレームを更に含むことが好ましい。このような内側フレームは、蓋が閉じた位置に置かれた時に蓋のためのスナップ式係合を提供するためにこのような内側フレームから外向きに延びる耳状突起を有する。これは、スナップ式係合が蓋の非意図的開放を防止し、かつ同時に「クリック」音によって容器が閉じていることが消費者に示される点で特に有利である。
【0016】
内側フレームは、2つの波状輪郭によって境界付けられた少なくとも1つの内側フレーム波形面を有することが好ましい。内側フレーム波形面は、内側フレーム前部と隣接する内側フレーム側部との間に配置される。内側フレーム波形面は、内側フレーム前部とそれぞれの隣接する内側フレーム側部との間にあり、内側フレーム前部と隣接する内側フレーム側部とを架橋する。この内側フレームは、波状輪郭によって境界付けられた波形面により改善された容器の人を引き付ける外観を完成することができる。特に、内側フレームは、容器の前壁と隣接する側壁との間に配置された対応する波形面がある時には必ず、内側フレーム前部とこのような隣接する内側フレーム側部との間に配置されたこのような波形面を有することができる。
【0017】
本発明による容器は、同じ2つの隣接する壁間、すなわち、単一の第1の蓋壁と単一の第2の蓋壁との間又は単一の第1の箱壁と単一の第2の箱壁との間に配置された2つから5つの波形面を含むことが好ましい。
【0018】
少なくとも1つの波形面は、1つから5つの起伏を含むことが好ましい。これは、本発明による容器の更に広範な視覚的及び触覚的外観を可能にする。
【0019】
本発明による容器は、直角の縦方向縁部及び直角の横断方向縁部を備えた直方体の形状とすることができる。代替的に、容器は、少なくとも1つの波形面に加えて、1つ又はそれよりも多くの丸みを付けた縦方向縁部、丸みを付けた横断方向縁部、傾斜を付けた縦方向縁部、又は傾斜を付けた横断方向縁部、又はその組合せを含むことができる。例えば、本発明による容器は、限定することなく、
−前壁上の1つ又は2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、及び/又は背面壁上の1つ又は2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
−前壁上の1つ又は2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、及び/又は背面壁上の1つ又は2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
−前壁上の1つの縦方向の丸みを付けた縁部及び1つの縦方向の傾斜を付けた縁部、並びに/又は背面壁上の1つの横断方向の丸みを付けた縁部及び1つの横断方向の傾斜を付けた縁部、
−前壁上の1つ又は2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部及び前壁上の1つ又は2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
−第1の側壁上の2つの縦方向の丸み又は傾斜を付けた縁部又は第2の側壁上の2つの横断方向の丸み又は傾斜を付けた縁部、
を含むことができる。
【0020】
容器が1つ又はそれよりも多くの丸みを付けた縁部を含み、かつ層状ブランクから製造される場合、ブランクは、組み立てられる容器において各丸みを付けた縁部を形成するために、3つ、4つ、5つ、6つ、又は7つの刻み線又は折り線を含むことが好ましい。刻み線又は折り線は、容器の内側上又は容器の外側上のいずれかにあることができる。刻み線又は折り線は、約0.3mmから4mmだけ互いから離間していることが好ましい。
【0021】
折り線又は刻み線の間隔は、層状ブランクの厚みの関数であることが好ましい。折り線又は刻み線間の間隔は、層状ブランクの厚みよりも約0.5倍から約4倍大きいことが好ましい。
【0022】
容器が1つ又はそれよりも多くの傾斜を付けた縁部を含む場合、傾斜を付けた縁部は、約1mmから約10mm、好ましくは約2から約6mmの幅を有することが好ましい。代替的に、容器は、容器の縁部上に2つの別々の傾斜が形成されるように離間した3つの平行な折り線又は刻み線によって形成された二重傾斜を含むことができる。
【0023】
代替的に、容器は、非矩形の横断面、例えば、三角形又は六角形のような多角形、又は長円形、半長円形、円形、又は半円形の横断面を有することができる。
【0024】
容器が傾斜を付けた縁部を含み、かつ層状ブランクから製造される場合、傾斜は、層状ブランク内の2つの平行な折り線又は刻み線によって形成することができる。折り線又は刻み線は、第1の壁と第2の壁の間に縁部に対して対称的に配置することができる。代替的に、折り線又は刻み線は、傾斜が容器の第2の壁内よりも容器の第1の壁内により遠くまで到達するように、第1の壁と第2の壁の間に縁部に対して非対称的に配置することができる。
【0025】
容器は、以下に限定するものではないが、ボール紙、板紙、プラスチック、金属、又はその組合せを含むあらゆる適切な材料から形成することができる。ボール紙は、1平方メートル当たり約100グラムから1平方メートル当たり約350グラムの重量を有することが好ましい。
【0026】
本発明による容器は、様々な消費財のためのパッケージとして用いることができる。特に好ましい実施形態において、本発明による容器は、喫煙物品を包装するのに用いられる。本発明による容器は、以下に限定するものではないが、従来の端部着火シガレット、シガー又はシガリロ、可燃性の燃料要素又は熱源及びエアロゾル発生基体を含む加熱式喫煙物品(例えば、US−A−4,714,082に開示された種類のシガレット)、並びに電気喫煙システムと共に用いるための喫煙物品(例えば、US−A−5,692,525に開示された種類のシガレット)を含む喫煙物品を包装するために有利に用いることができる。
【0027】
本発明による容器の寸法の適切な選択を通じて、本発明による容器は、異なる総数の喫煙物品、又は異なる配置の喫煙物品を保持するように設計することができる。例えば、本発明による容器の寸法の適切な選択を通じて、本発明による容器は、合計10本から30本の喫煙物品を保持するように設計することができる。
【0028】
喫煙物品は、喫煙物品の総数に応じて、異なる丁合で配置することができる。例えば、喫煙物品は、6本、7本、8本、9本、又は10本から構成される単一の列に配置することができる。代替的に、喫煙物品は、2つ又はそれよりも多くの列に配置することができる。2つ又はそれよりも多くの列には、同数の喫煙物品を収めることができる。例えば、喫煙物品は、5本、6本、7本、8本、9本、又は10本から構成される2列、5本又は7本から構成される3列、4本、5本、又は6本から構成される4列に配置することができる。代替的に、2つ又はそれよりも多くの列は、互いに異なる数の喫煙物品を収めた少なくとも2つの列を含むことができる。例えば、喫煙物品は、5本から構成される列と6本から構成される列(5−6)、6本から構成される列と7本から構成される列(6−7)、7本から構成される列と8本から構成される列(7−8)、5本から構成される中心の列と6本から構成される2つの外側の列(6−5−6)、5本から構成される中心の列と7本から構成される2つの外側の列(7−5−7)、6本から構成される中心の列と5本から構成される2つの外側の列(5−6−5)、6本から構成される中心の列と7本から構成される2つの外側の列(7−6−7)、7本から構成される中心の列と6本から構成される2つの外側の列(6−7−6)、9本から構成される中心の列と8本から構成される2つの外側の列(8−9−8)、又は5本から構成される1つの外側の列及び7本から構成される1つの外側の列を備えた6本から構成される中心の列(5−6−7)に配置することができる。
【0029】
本発明による容器は、同じ種類又は銘柄の喫煙物品を保持することができ、異なる種類又は銘柄の喫煙物品を保持する場合もある。更に、異なる長さ(例えば、約40mmから約180mm)、直径(例えば、約4mmから約9mm)の喫煙物品のみならず、フィルタレス喫煙物品及び様々なフィルタチップを備えた喫煙物品の両方を収めることができる。更に、喫煙物品は、風味の強度、吸引抵抗、及び粒子状物質総送出量が異なっていてもよい。容器の寸法は、喫煙物品の長さ及び喫煙物品の丁合に適合されていることが好ましい。一般的に、容器の外形寸法は、容器の内側に収納された喫煙物品の一束又は複数束の寸法よりも約0.5mmから約5mm大きい。
【0030】
本発明による容器の長さ、幅、及び深さは、得られる容器の全体寸法が、閉じた位置で20本のシガレットの一般的な使い捨てヒンジ蓋パックの寸法と同様になるようにすることができる。
【0031】
本発明による容器の外面には、製造業者又は銘柄のロゴ、商標、スローガン、及び他の消費者情報及び標示を印刷、エンボス加工、デボス加工するなどして、装飾を付加することができる。
【0032】
本発明による容器の内側ハウジングにシガレットの束又は他の細長い喫煙物品が収められている場合、喫煙物品は、例えば、金属箔又は金属化紙の内側ライナ内に包まれていることが好ましい。内側ライナは、密封又は糊付けすることができる。内側ライナは、少なくとも1つのアクセス開口部を含むことが好ましい。内側ライナは、アクセス開口部を閉鎖、開放、及び再閉鎖するためのカバー層を更に含むことが好ましい。これは、消費者物品を内側ライナから取り出して、消費者物品の取り出し後に内側ライナを再閉鎖することを可能にする。これは、内側ライナ内に残っている消費者物品の鮮度を維持することができる。
【0033】
充填された状態で、本発明による容器は、従来の方法で、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンの透明ポリマーフィルムで収縮包装又はそうでなければ上包装することができる。本発明による容器が上包装される場合、上包装紙は、1つ又はそれよりも多くの開封テープを含むことができる。1つ又はそれよりも多くの開封テープは、容器の周りに横断方向又は縦方向に延びることができる。
【0034】
本発明を単に一例として添付の図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】波状輪郭によって境界付けられた前壁と1つの側壁との間に単一の波形面を有する本発明による容器の第1の実施形態のボール紙ブランクを示す図である。
図2】波状輪郭によって境界付けられた2つの波形面を備えた本体及び波状輪郭によって境界付けられた2つの波形面を備えた蓋を有する本発明による容器のボール紙ブランクの第2の実施形態を示す図である。
図3】同じく波状輪郭によって境界付けられた2つの波形面を有する図2の容器と共に用いられることになる内側フレームの実施形態を示す図である。
図4】波状輪郭によって境界付けられた2つの波形面を備えた本体及び波形面を含んでいない蓋を有する本発明による容器のボール紙ブランクの第3の実施形態を示す図である。
図5】波形面を有していない図4の容器と共に用いられることになる内側フレームの実施形態を示す図である。
図6】波状輪郭によって境界付けられた1つの波形面を備えた本体及び波形面を含んでいない蓋を有する本発明による容器のボール紙ブランクの第4の実施形態を示す図である。
図7】波形面を有していない図6の容器と共に用いられることになる内側フレームの実施形態を示す図である。
図8】1つの波形面を備えた本体及び1つの波形面を備えた蓋を有する本発明による容器のボール紙ブランクの第5の実施形態を示す図である。
図9】1つの波形面を有する図8の容器と共に用いられることになる内側フレームの実施形態を示す図である。
図10】1つの波形面を備えた本体及び波形面を含んでいない蓋を有する本発明による容器のボール紙ブランクの第6の実施形態を示す図である。
図11】波形面を有していない図10の容器と共に用いられることになる内側フレームの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1には、本発明による容器の第1の実施形態のボール紙ブランクの第1の実施形態が示されている。ボール紙ブランクは、折り畳んで糊付けして容器を形成することができるボール紙材料の1つの単片である。箱前壁及び箱側壁に糊付けされることになる内側フレームのための個別のブランクが提供される。図から分るように、ボール紙ブランクによって表された容器1は、以下の説明から明らかなように、波状輪郭によって境界付けられた前壁と1つの側壁との間に単一の波形面しか有していない。
【0037】
以下の説明において、本発明による容器の構成要素の相対的位置を説明するのに用いられる用語「前部」、「後部」、「上側」、「下側」、「側部」、「上部」、「底部」、及び他の用語は、蓋が上端にかつヒンジが後部にある直立位置の容器を指す。本発明による容器を説明する時は、これらの用語は、説明している容器の向きに関係なく用いられる。
【0038】
用語「左」及び「右」は、容器をその直立位置で前から見た時の容器の側壁を参照して用いられる。用語「縦方向」は、底部から上部に向う方向を指し、逆も同様である。用語「横断方向」は、縦方向に垂直な方向を指す。
【0039】
容器1又はそのボール紙ブランクは、それぞれ、箱前壁10と、箱底壁11と、箱後壁12と、互いに取り付けられた後に箱側壁部分100、101及び120、121によって形成される2つの箱側壁と、蓋13とを含む。蓋13は、蓋後壁130と、蓋上壁131と、壁132、133間の折り畳み線に沿って蓋フラップ133を蓋後部の内側に向けて180度だけ折り畳み、次にそれを部分132に糊付けすることによって形成される蓋前壁とを含む。
【0040】
ボール紙ブランクを折り畳んで糊付けし、容器1を形成する工程は、次のように行うことができる。最初に、波状輪郭102、103によって境界付けられた捩れた波形面104が形成されるように、箱前壁10上の波状輪郭102に沿いかつ箱側壁100上の波状輪郭103に沿って、左箱側壁100を後部に向けて折り曲げる。この波形面104は、箱前壁10及び箱側壁100の縦方向に延びて、面取り部と同様に、箱前壁10と左箱側壁100を架橋する。破線105は、通常は箱前壁10と左箱側壁100の間に鋭い縁部が配置されている位置を表すために示されている。第2に、丸みを付けた縁部を形成するために、折り曲げ線106に沿って、右箱側壁101を後部に向けて折り曲げる。
【0041】
左ダストフラップ122をそれ自体と側壁120の間の折り畳み線に沿って後部に向けて折り曲げ、次に、右ダストフラップ123をそれ自体と側壁121の間の折り畳み線に沿って後部に向けて折り曲げる。折り曲げ線126に沿って箱側壁120、121を後部に向けて折り曲げると、その結果、内向きに延びるダストフラップ122、123が得られる。次に、箱後壁12をそれ自体と箱底壁11の間の折り畳み線に沿って折り曲げ、続いて、箱底壁11をそれ自体と箱前壁10の間の折り畳み線、並びに箱底壁11に沿って折り曲げる。その時に、箱後壁12が箱前壁10と平行に延びている。
【0042】
この状態で、左箱側壁100、120及び右箱側壁101、121は、箱側壁100、101が箱側壁の最外壁を形成するような形で重なり合う。内向きに延びるダストフラップ122、123は、箱底壁11の内面と重なり合う。次に、ダストフラップ122、123を箱底壁11の内面に糊付けし、次に、箱側壁100、101の内面を箱側壁120、121の外面に糊付けして容器1の箱側壁を形成する。これで、容器1の本体の組立てが完了する。
【0043】
蓋13の組立ては、同様の方法で行う。蓋ダストフラップ136をそれ自体と側壁134の間の折り畳み線に沿って後部に向けて折り畳む。それに対応して、蓋ダストフラップ137をそれ自体と側壁135の間の折り畳み線に沿って後部に向けて折り畳む。側壁138をそれ自体と前壁132の間の折り畳み線に沿って後部に向けて折り畳み、次に側壁139も折り曲げ線140に沿って後部に向けて折り畳んで、丸みを付けた縁部を形成する。
【0044】
側壁134、135を後部に向けて折り畳むと、これは、内向きに延びるフラップ136、137をもたらす。既に上述のように、133は、既に後部に向けて折り畳まれて蓋前壁132に糊付けされている。次に、そのようにして得られた蓋前壁132、133を蓋前壁132と蓋上壁131の間の折り畳み線に沿って後部に向けて折り畳み、次に、蓋上壁131をそれ自体と後部130の間の折り畳み線に沿って後部に向けて折り畳む。
【0045】
この状態で、内向きに延びるフラップ136、137を蓋上壁131の内面に糊付けする。側壁138、134及び側壁135、139も、側壁138、139が最外側壁を形成するような形で重なり合う。次に、側壁134の外面を側壁138の内面に糊付けし、それに対応して、側壁135の外面を側壁139の内壁に当てて糊付けする。次に、蓋後壁130と箱後壁12の間の折り畳み線により、蓋のヒンジを形成する。
【0046】
代替的に、容器は、箱後壁12から開始して、箱側壁120、121及び蓋側壁134、135を上方へ折り畳み、喫煙物品の束を取り囲むように容器を組み立てることによって形成することができる。次に、ダストフラップ122、123、136、137をシガレット束の上部及び底部を取り囲むように折り畳む。次に、側壁120、121、134、及び135、並びにダストフラップ122、123、136、137に糊を適用する。次に、箱底壁11を上方へ折り畳んで、箱ダストフラップ122、123に取り付ける。次に、蓋上壁131を上方へ折り畳んで蓋ダストフラップ136、137に取り付ける。次の段階の前の何らかの時点で、蓋フラップ133は、内向きに折り畳まれて蓋前壁132の内側に取り付けられる。次に、箱前壁10及び蓋前壁132を喫煙物品の束の上に折り畳む。最終段階として、箱側壁100、101が箱側壁120及び121の上に重なるように、箱側壁100、101を下方へ折り畳んで側壁120、121に取り付ける。同様に、蓋側壁138、139が蓋側壁134、135の上に重なるように、蓋側壁138、139を下方へ折り畳んで蓋側壁134、135にそれぞれ取り付ける。
【0047】
他の実施形態に関連して以下に更に説明するように、容器1に内側フレームが備えられることになるか否かによるが、これらの段階を行い終えていれば、容器1は基本的には準備が整っている。従って、更に別の実施形態の以下の説明では、同じ部分には同じ参照番号が割り当てられており、各特定的な実施形態に対して、「a」から「e」の文字が追加される。しかし、容器のそれぞれの実施形態の組立ては、上述したものと同じ方法で行われるので、特に説明しないことにする。従って、本発明による容器のこれらの実施形態の組立てに関しては、図1の実施形態の説明を参照されたい。
【0048】
図2には、本発明による容器のボール紙ブランクの第2の実施形態が示されている。ボール紙ブランクは、内側フレーム2a(図3参照)を除き、折り畳んで糊付けして容器1aを形成することができるボール紙材料の1つの単片である。内側フレームは、例えば、容器1aを形成するために折り畳んで糊付けされたボール紙ブランクの内壁に糊付けされたボール紙の個別の一片である。
【0049】
容器1a又はそのボール紙ブランクは、それぞれ、箱前壁10aと、2つの側壁100a、101aと、波状輪郭102a、103aによってそれぞれ境界付けられた2つの波形面104aと、箱底壁11aとを含む。容器1aは、箱後壁12aと、2つの更に別の箱側壁120a、121aと、蓋13aとを更に含む。蓋13aは、蓋後壁130aと、蓋上壁131aと、壁132a、133a間の折り畳み線に沿って蓋フラップ133aを後部に向けて折り畳み、次にそれを蓋前壁132aに糊付けすることによって形成された蓋前壁とを含む。蓋13aは、波状輪郭142a、143aによって境界付けられた2つの波形面141aを更に含む。
【0050】
ボール紙ブランクの残りのフラップには、図1の実施形態におけるものと同じ数字が割り当てられており、文字「a」が追加されている。
【0051】
既に言及したように、上述の方法でボール紙ブランクが折り畳まれて糊付けされた状態で、内側フレーム2aは、組み立てられたボール紙ブランクに取り付けられる。
【0052】
内側フレーム2aは、前部部分20aと2つの側方部分21aとを含む。更に、波状輪郭22a、23aによって境界付けられた2つの波形面24aがあり、これらの波形面24aは、内側フレーム前部部分20aとそれぞれの内側フレーム側部部分21aとの間に配置される。図から分るように、それぞれの内側フレーム側部部分には、波状境界線22a、23aのうちの1つから外向きに延びる耳状突起25aが設けられる。
【0053】
内側フレーム2aの下半分内の折り畳み線26aに沿いかつ内側フレーム2aの上半分内の波状輪郭22a、23に沿って内側フレーム2aを折り畳んだ後に、少なくとも波状輪郭22a、23aによって境界付けられた波形面24aが箱前壁10aの上方境界を超えて突出し、かつ耳状突起25aが折り畳まれて糊付けされたボール紙ブランクの側壁の上方境界の上方に配置されるような形で、内側フレーム側部部分21aの外面を折り畳んで糊付けされたボール紙ブランクの側壁の内面に当てて糊付けする。従って、内側フレーム前部部分20a及び内側フレーム側部部分21aの下側部分は、箱前壁10aの内面及び折り畳んで糊付けされたボール紙ブランクの側壁の内面に糊付けされる。
【0054】
内側フレーム2aが、折り畳んで糊付けされたボール紙ブランクに糊付けされた状態で、蓋13aを閉じると同時に、蓋側壁138、139が耳状突起25aを超えて摺って一種の非常に緩いスナップ式装着を形成し、閉鎖は、蓋13の側壁が耳状突起25aを超えて摺る際の「クリック」ノイズによって示される。スナップ装着は、蓋13aをそのヒンジを中心としてピボット回転させることにより、従来の方法で蓋13aを容易に開くことができるようなものである。
【0055】
上述の組立シーケンスの代替として、最初の段階で、内側フレーム2aを喫煙物品の束の前面上に置き、内側フレーム側部部分21aを喫煙物品の束を取り囲むように下方に折り曲げる。次の段階で、上述のように、喫煙物品の束を取り囲むように容器を組み立て、加えて、内側フレーム側部部分21aが箱側壁120a、121aに取り付けられ、かつ内側フレーム前部部分20aが箱前壁10aの内側に取り付けられるように内側フレームに糊を適用する。
【0056】
本発明による容器1b又はそのボール紙ブランクの第3の実施形態を図5に示す対応する内側フレーム2bと共にそれぞれ図4に示している。ここでも、同じ部分には同じ参照番号が割り当てられているが、この実施形態には文字「b」が追加されている。基本的に、容器1bの第3の実施形態は、蓋13bが波形面を全く有していない点で図2及び図3に示す実施形態とは異なっている。これは、内側フレーム2bにも当て嵌まる。
【0057】
本発明による容器1c又はそのボール紙ブランクの第4の実施形態を図7に示す対応する内側フレーム2cと共にそれぞれ図6に示している。ここでも、同じ部分には同じ参照番号が割り当てられているが、この実施形態には文字「c」が追加されている。基本的に、容器の第4の実施形態は、それが箱前壁10cと側壁101cの間に1つだけの波形面104cを有する点、及び蓋13cも内側フレーム2cもそのような波形面を全く有していない点で異なっている。代わりに、ボール紙ブランクの箱前壁10cと左箱側壁100cの間に対応する折り曲げ線106cが設けられている位置で、内側フレーム2cには、前部20cと側部21cの間に設けられた折り曲げ線26cが提供される。
【0058】
本発明による容器1d又はそのボール紙ブランクの第5の実施形態を図9に示す対応する内側フレーム2dと共にそれぞれ図8に示している。ここでも、同じ部分には同じ参照番号が割り当てられているが、この実施形態には文字「d」が追加されている。基本的に、容器の第4の実施形態は、それが箱前壁10dと左箱側壁100dの間に1つだけの波形面104dを有する点、及び蓋13dが1つの対応する波形面141dを有し、かつ内側フレーム2dも前部20dと対応する側部21dの間に1つのそのような対応する波形面24dを有する点で異なっている。更に、ボール紙ブランクの箱前壁10dと箱側壁101dの間に対応する折り曲げ線106dが設けられている位置で、内側フレーム2dには、前部20dと他方の側部21dの間に設けられた折り曲げ線26dが提供される。ボール紙ブランク及び内側フレームを組み立てる方法については、上のボール紙ブランク及び内側フレームの組立てに関する説明を参照されたい。
【0059】
本発明による容器1e又はそのボール紙ブランクの第6の実施形態を図11に示す対応する内側フレーム2eと共にそれぞれ図10に示している。ここでも、同じ部分には同じ参照番号が割り当てられているが、この実施形態には文字「e」が追加されている。図10及び図11に示す第6の実施形態は、基本的に、図6及び図7に示す第4の実施形態に対応する。差異は、前部表面10eとそれぞれの他方の側部表面100eの間に波形面104e及び折り曲げ線106eが配置されていることである。更に、内側フレーム2eの折り曲げ線26e並びに蓋13eの折り曲げ線140eが、相応に配置されている。
【符号の説明】
【0060】
1 容器
13 蓋
103 波状輪郭
106、126、140 折り曲げ線
133 蓋フラップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11