特許第5715704号(P5715704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5715704
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】光ドロップケーブル用ロック装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
   G02B6/46
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-536362(P2013-536362)
(86)(22)【出願日】2013年8月9日
(86)【国際出願番号】JP2013071717
【審査請求日】2014年2月28日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年4月10日〜平成25年4月12日東京ビッグサイトにおいて開催された第13回光通信技術展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年4月24日〜平成25年4月25日東京ビッグサイトにおいて開催されたMEDTEC Japan 2013で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年7月17日〜平成25年7月19日東京ビッグサイトにおいて開催されたTECHNO−FRONTIER 2013で発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】福本 未紗
(72)【発明者】
【氏名】工藤 暁
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−525695(JP,A)
【文献】 特開2001−337255(JP,A)
【文献】 特開平09−243832(JP,A)
【文献】 特表2011−517274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00− 6/02
G02B 6/245−6/25
G02B 6/46− 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ心線とそれを挟み込むテンションメンバが、ノッチ部を有するシースによって覆われている光ドロップケーブル用ロック装置であって、
前記シースの概形に対応するいくつかの貫通孔が軸心に沿って形成されており、その全体の概形が円錐状の一部を構成する円錐台形状のゴムスリーブと、
前記貫通孔に光ドロップケーブルが通された状態で、前記ゴムスリーブの位置決めを行う、その内径が当該ゴムスリーブの底面の直径よりも小さい段差部を有する部材と、
前記ゴムスリーブを把持するためのテーパー部を有していて前記部材に螺合されるキャップとを備え、
前記部材に前記ゴムスリーブがその底面から挿入された状態で、前記部材に前記キャップが螺合されて、前記ゴムスリーブの側面が前記テーパー部により軸心に向けて締め付けられるとともに、前記ゴムスリーブがその軸方向に押圧されて、当該ゴムスリーブの底面の外縁部と前記段差部とによって密閉される光ドロップケーブル用ロック装置。
【請求項2】
前記貫通孔は略8の字状であり、当該貫通孔が複数形成されている場合には、相互に同方向に揃えて形成されている、請求項1記載の光ドロップケーブル用ロック装置。
【請求項3】
前記ゴムスリーブは円錐形の一部を構成する形状であり、
前記部材は、前記ゴムスリーブの側面を囲うスリット部を備え、当該スリット部をその軸心に向けて絞ることで当該ゴムスリーブを把持する、請求項1記載の光ドロップケーブル用ロック装置。
【請求項4】
請求項1記載の光ドロップケーブル用ロック装置に用いられるゴムスリーブであって、
前記シースの概形に対応するいくつかの貫通孔が軸心に沿って形成されており、その全体の概形が円錐状の一部を構成する円錐台形状をしていて、
光ドロップケーブル用ロック装置における前記テーパー部によって、前記貫通孔に光ドロップケーブルが通された状態で、把持されるように構成されていて、
前記部材に前記底面から挿入された状態で、前記部材に前記キャップが螺合されたときに、側面が前記テーパー部により軸心に向けて締め付けられるとともに、その軸方向に沿って押圧されて、底面の外縁部と前記段差部とによって密閉される、ゴムスリーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ドロップケーブル用ロック装置に関し、特に、防水対策が施された光ドロップケーブル用ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、光ファイバ心線の上下に抗張力体が配置され、その上部の抗張力体上に支持線が配置され、これら支持線、抗張力体、光ファイバ心線を、樹脂組成物で押出被覆して樹脂被覆層を形成した光ドロップケーブルがある。
【0003】
光ドロップケーブルを屋外から屋内に取り込む場合には、住宅の屋内外壁面に設置される光キャビネットにて、光ドロップケーブルと屋内のインドアケーブルとが、光コネクタを使用して接続される。
【0004】
ここで、光キャビネットと光ドロップケーブルとの接続部には、光ドロップケーブル用ロック装置と称されるものが設けられる。光キャビネットが屋外壁に設置されている場合には、光ドロップケーブル用ロック装置の接続部分周辺で、防水対策を行うことが必要となる。
【0005】
【特許文献1】特開2010−250011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されている光ドロップケーブルは、特異な形状をしているため、既知の光ドロップケーブル用ロック装置を用いた場合には、光ドロップケーブル用ロック装置と光ドロップケーブルとの接続部に空間が生じるため、その空間を塞ぐといった防水対策を施すのは面倒である。
【0007】
そこで、本発明は、特異な形状の光ドロップケーブルに対しても防水対策を容易に実現できる光ドロップケーブル用ロック装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、
光ファイバ心線とそれを挟み込むテンションメンバが、ノッチ部を有するシースによって覆われている光ドロップケーブル用ロック装置であって、
前記シースの概形に対応するいくつかの貫通孔が軸心に沿って形成されており、円錐状の一部を構成する形状のゴムスリーブと、
前記貫通孔に光ドロップケーブルが通された状態で、前記ゴムスリーブをその軸心方向に向けて絞るように構成されている部材とを備える光ドロップケーブル用ロック装置である。
【0009】
前記貫通孔は略8の字状であり、当該貫通孔が複数形成されている場合には、相互に同方向に揃えて形成されていてもよい。
【0010】
前記ゴムスリーブは円錐形の一部を構成する形状であり、
前記部材は、前記ゴムスリーブの側面を囲うスリット部を備え、当該スリット部をその軸心に向けて絞ることで当該ゴムスリーブを把持するようにしてもよい。
【0011】
前記ゴムスリーブの硬度は、40度〜50度の範囲とするとよい。
【0012】
また、本発明は、上記光ドロップケーブル用ロック装置に用いられるゴムスリーブであって、
前記シースの概形に対応するいくつかの貫通孔が軸心に沿って形成されており、円錐状の一部を構成する形状をしていて、
光ドロップケーブル用ロック装置における前記部材によって、前記貫通孔に光ドロップケーブルが通された状態で、軸心方向に向けて絞るように構成されている、ゴムスリーブである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1の光ドロップケーブル用ロック装置100の正面図、背面図、平面図及び底面図、及び、左右側面図である。
図2図1(a)〜図1(d)に示す光ドロップケーブル用ロック装置100を示す分解斜視図である。
図3図2に示すゴムスリーブ20に通される光ドロップケーブル200の模式的な構成図である。
図4図3に示す光ドロップケーブル200が通されるゴムスリーブ20を示す側面図、平面図及び底面図である。
図5】本発明の他の実施形態のゴムスリーブ20の模式的な構成図である。
図6】本発明の他の実施形態のゴムスリーブ20の模式的な構成図である。
図7】本発明の実施形態2に係るゴムスリーブの側面図(図7(a))及び平面図である。
【符号の説明】
【0014】
10 ボルト部
20 ゴムスリーブ
22 第1面
24 第2面
26 貫通孔
30 キャップ
40 ゴムパッキン
50 ロックナット
210 光ファイバ心線
220 テンションメンバ(抗張力体)
230 シース(樹脂被覆層)
240 支持線
250 ノッチ部
【発明の実施の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の光ドロップケーブル用ロック装置100の正面図(図1(a))、背面図(図1(b))、平面図及び底面図(図1(c))、及び、左右側面図(図1(d))である。
【0017】
図2は、図1(a)〜図1(d)に示す光ドロップケーブル用ロック装置100を示す分解斜視図である。図1及び図2には、以下説明する、ボルト部10と、ゴムスリーブ20と、キャップ30と、ゴムパッキン40と、ロックナット50とを示している。
【0018】
なお、これらに限定されるものではないが、ボルト部10及びキャップ30はポリアミドなどプラスチック製とすることができ、ロックナット50はポリアミドなど樹脂製又は金属製とすることができ、ゴムスリーブ20及びゴムパッキン40は、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴムなどのゴム製とすることができる。
【0019】
ボルト部10は、ゴムスリーブ20の形状に対応する空間が形成された中空構造をしている。ボルト部10の長手方向に対する中央には、締め付けの際にスパナなどを受ける六角形状の受け部12が位置している。受け部12の両端には、雄ねじが切られた軸部14,16が位置している。軸部16は、ゴムパッキン40が挿入された状態で、光ドロップケーブル用ロック装置100の取り付け対象であるところの光キャビネットに設けられた開口部に差し込まれた状態で、ロックナット50と螺合される。
【0020】
一方、軸部14は、ゴムスリーブ20が挿入された状態で、キャップ30と螺合される。軸部14の内壁には、ボルト部10の長手方向に対するゴムスリーブ20の位置決めを行うために、その内径がゴムスリーブ20の底面の直径よりも小さい段差部14Aが形成されている。軸部14の先端には、複数のスリットを有していて、使用時にゴムスリーブ20の側面を囲うスリット部18が位置する。スリット部18を構成する各スリットは、ボルト部10の径方向に対して45°程度の角度で形成されている。スリット部18は、ボルト部10とキャップ30との螺合によって、その軸心に向けて絞られ、これによって、ゴムスリーブ20の把持が実現される。
【0021】
ゴムスリーブ20は、後述するように、概形が円錐状の一部を構成していて、相対的に小さな円形領域である第1面22と、相対的に大きな円形領域である第2面24と、ゴムスリーブ20の軸心に沿って第1面22から第2面24にかけて貫通していて、光ドロップケーブルを把持することになる貫通孔26とを備える。
【0022】
キャップ30は、いわゆる六角ナットと同様の構成とされており、ボルト部10の軸部14と螺合される雌ねじ部32と、光ドロップケーブルが通される開口部36とを有する。また、開口部36に隣接して、テーパー部34が形成されている。テーパー部34は、既述のように、ボルト部10のスリット部18を、その軸心に向けて絞る機能を有する。
【0023】
ゴムパッキン40は、光ドロップケーブル用ロック装置100と図示しない光キャビネットとの間の密閉性を担保するためのものである。なお、ゴムパッキン40自体を別個に用意するのではなく、これに代えて、ボルト部10の受け部12における軸部16側の面にゴムなどを貼付することで、上記密閉性を担保してもよい。
【0024】
ロックナット50は、ボルト部10とともに、光ドロップケーブル用ロック装置100を、図示しない光キャビネットに取り付けるためのものであり、その内壁には軸部16に螺合される雌ねじ部52が形成されている。
【0025】
図3は、図2に示すゴムスリーブ20に通される光ドロップケーブル200の模式的な構成図である。図3に示す光ドロップケーブル200は、既知のように、光ファイバ心線210と、その両側に位置するテンションメンバ(抗張力体)220と、テンションメンバ220に隣接して設けられている支持線240と、これらを覆うシース(樹脂被覆層)230とを備え、シース230にはノッチ部250が形成されている。
【0026】
図3に示すように、支持線240を除く部分の概形、すなわち、光ファイバ心線210及びテンションメンバ220と、これらを覆うシース230とによる概形は、ノッチ部250が形成されていることにより8の字状をしている。
【0027】
図4は、図3に示す光ドロップケーブル200が通されるゴムスリーブ20を示す正面図(図4(a))、平面図(図4(b))及び底面図(図4(c))である。
【0028】
図4(a)に示すように、ゴムスリーブ20は、概形が円錐の一部を構成していている。また、図4(b)〜図4(c)に示すように、第1面22及び第2面24は、共に円形をしている。また、図4(a)〜図4(b)に示すように、第1面22は、第2面24に比して、相対的に面積が小さく、第1面22から第2面24に向けて貫通孔26が形成されている。
【0029】
貫通孔26は、光ドロップケーブル200のうち、支持線240を除く部分が通される。貫通孔26の形状は、光ドロップケーブル200の概形に対応させて略8の字状をしている。
【0030】
ここで、ゴムスリーブ20は、光ドロップケーブル200との間の密閉性を担保する条件としている。具体的には、まず、JIS K 6253におけるゴムスリーブ20の硬度は、概ね40度〜50度(例えば45度程度)となるように調整している。このような硬度であれば、光ドロップケーブル200を把持しているときに、硬くて光ドロップケーブル200が破損したり、柔らかくて密閉性が担保できなかったりということはない。
【0031】
また、貫通孔26の大きさは、ゴムスリーブ20と光ドロップケーブル200との間の密閉性を担保する条件とすることはもとより、光ドロップケーブル200を通すときの取扱性の便宜なども考慮した上で決定している。光ドロップケーブル200は、支持線240を除く部分の大きさが3.2mm×2.0mm程度のものが大半である。そこで、貫通孔26の大きさは、これらに対して約0mm〜0.3mm程度のクリアランスを設けた大きさとしている。
【0032】
このような条件としたゴムスリーブ20を用いると、ボルト部10のスリット部18とキャップ30のテーパー部34との作用によって、ボルト部10内に収容されたゴムスリーブ20が締め付けられ、ゴムスリーブ20を把持した際に、これらの間の密閉性を担保することができる。
【0033】
図5(a)〜図5(c)は、本発明の他の実施形態のゴムスリーブ20の模式的な構成図であり、それぞれ、図4(b)に対応するものである。図5(a)には2個の貫通孔26が形成され、図5(b)には6個の貫通孔26が形成され、図5(c)には10個の貫通孔26が形成された状態を示している。本実施形態の光ドロップケーブル用ロック装置100は、図5(a)〜図5(c)に示すような、複数の貫通孔26が形成されたゴムスリーブ20を用いてもよい。
【0034】
具体的には、マンションなどの集合住宅では、光ドロップケーブル200が複数必要となる場合もあるところ、複数の光ドロップケーブル200に対応するために、光ドロップケーブル用ロック装置100に、集合住宅等の規模に応じた数の貫通孔26が形成されたゴムスリーブ20を用いることができる。
【0035】
なお、全ての貫通孔26を用いない場合には、光ドロップケーブル200を通さない貫通孔26に対しては、防水性を担保するために、その使用時には、光ドロップケーブル200の形状と同様の形状である略8の字状の詰栓を挿し込むとよい。
【0036】
ここで、図5(a)〜図5(c)に示すゴムスリーブ20は、貫通孔26の向きを全て同方向に揃えて形成している。これは、光ドロップケーブル200は、その形状に起因して、曲がりやすい方向があるので、貫通孔26の向きを揃えておかないと、複数の光ドロップケーブル200の取り込みが困難となるし、その一方で、無理やり光ドロップケーブル200を曲がりにくい方向に曲げると、光ファイバ心線210が折れるなどの弊害が生じうるという状況を考慮している。したがって、図5(a)〜図5(c)に示すように、ゴムスリーブ20の貫通孔26を、同じ向きに揃えて形成することは重要である。
【0037】
図6は、図4図5等に示したゴムスリーブ20の同様の図である。図6(a)〜図6(c)は図4(a)〜図4(c)に相当し、図6(d)〜図6(e)は図5(a)に対応し、図6(f)〜図6(g)は図5(b)に対応し、図6(h)〜図6(j)は図5(c)に対応する。なお、図6(a)及び図6(h)に示す正面図に対し、これらの左右側面図及び背面図も同様である。
【0038】
既述の各種条件によって製造された本実施形態の光ドロップケーブル用ロック装置100は、保護等級IP(International Protection)としてIP66、光ドロップケーブル200のクランプ力としては50Nを実現できた。
【0039】
以上、本実施形態では、光ドロップケーブル200を対象とした光ドロップケーブル用ロック装置100について説明したが、インドアケーブルに対しても用いることができるので、本明細書においては光ドロップケーブルという用語は、インドアケーブルを含むものとする。なお、インドアケーブルも概形が2mm×3mm程度のものが一般的であったが、本出願人が調査したところによれば、2mm×2mm程度のものが最小であった。
【0040】
一般的な大きさのインドアケーグルを用いた場合のクランプ力も50Nを実現できた。また、最小サイズのインドアケーブルを用いた場合のクランプ力は30Nを実現できた。
【0041】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係るゴムスリーブの側面図(図7(a))及び平面図である(図7(b))。図7に示すゴムスリーブ20は、実施形態1のものに比して、より気密性を高めたものである。
【0042】
このゴムスリーブ20は、第1面22と第2面24との間を構成する第1部分と、第1面22と第3面27との間を構成する第2部分とを備え、第1部分と第2部分とは一体的に形成されている。
【0043】
第1部分は、その軸心に平行となる円柱面と、実施形態1のものと同様に円錐状の一部を構成している面とを含む。第2部分は、第1面22から第3面27まで円錐状の一部を構成している。なお、貫通孔26は、第1部分と第2部分との軸心を通る態様で形成されている。
【0044】
このゴムスリーブ20の硬度は、実施形態1のものと同様であり、概ね40度〜50度(例えば45度程度)となるように調整している。また、貫通孔26の大きさは、これらに対して約0mm〜0.3mm程度のクリアランスを設けた大きさとしている。
【0045】
このゴムスリーブ20は、軸部14に挿入され、軸部14に対してキャップ30が螺合されると、キャップ30の開口部36から、第2部分が突出することになる。そして、例えば、光ドロップケーブル用ロック装置100を、直接噴流を含む高湿環境下等で使用する場合には、第2部分とキャップ30との間に自己融着テープ等を選択的に巻きつけるとよい。
【0046】
本実施形態の光ドロップケーブル用ロック装置100に対して、以下の条件で気密試験を行った。すなわち、既述の要領で光ドロップケーブル用ロック装置100を組立、軸部16内から約0.15MPaの圧力で空気を30秒間印加した。そして、この場合における、開口部36とゴムスリーブ20の第2部分との間からの空気漏れの有無を確認した。この結果、第2部分とキャップ30との間に自己融着テープ等を巻きつけていない状態でも、これらの間からの空気漏れは発生しなかった。
【要約】
【課題】特異な形状の光ドロップケーブルに対しても防水対策を容易に実現できる光ドロップケーブル用ロック装置を提供する。
【解決手段】光ドロップケーブル用ロック装置100は、光ファイバ心線210とそれを挟み込むテンションメンバ220が、ノッチ部250を有するシース230によって覆われている光ドロップケーブル200用のロック装置100であって、シース230の概形に対応するいくつかの貫通孔26が軸心に沿って形成されており、円錐状の一部を構成する形状のゴムスリーブ20と、貫通孔26に光ドロップケーブル200が通された状態で、ゴムスリーブ20をその軸心方向に向けて絞るように構成されたスリット部18及びテーパー部34とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7