特許第5715710号(P5715710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5715710新規複素環誘導体および神経障害の処置におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715710
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】新規複素環誘導体および神経障害の処置におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20150423BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20150423BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20150423BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20150423BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20150423BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   C07D413/14CSP
   A61P25/28
   A61P3/10
   A61P3/04
   A61P9/12
   A61K45/00
   A61K31/5377
   C07D487/04 140
   C07D471/04 104Z
【請求項の数】18
【全頁数】124
(21)【出願番号】特願2013-548835(P2013-548835)
(86)(22)【出願日】2012年1月11日
(65)【公表番号】特表2014-502626(P2014-502626A)
(43)【公表日】2014年2月3日
(86)【国際出願番号】EP2012050395
(87)【国際公開番号】WO2012095469
(87)【国際公開日】20120719
【審査請求日】2013年9月12日
(31)【優先権主張番号】77/DEL/2011
(32)【優先日】2011年1月13日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】61/534,591
(32)【優先日】2011年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】サンガメシュ・バディジェル
(72)【発明者】
【氏名】ムラリ・チェブロル
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンツェ・フルト
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン・ジャキエ
(72)【発明者】
【氏名】ライナー・マルティン・リュエント
(72)【発明者】
【氏名】ライナー・マッハウアー
(72)【発明者】
【氏名】ハインリッヒ・リューガー
(72)【発明者】
【氏名】マリナ・ティンテルノート−ブロムライ
(72)【発明者】
【氏名】シーム・ヤコブ・フェーンストラ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・フェーグトレ
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/154431(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/001931(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/103626(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 413/00
A61K 31/00
A61K 45/00
C07D 471/00
C07D 487/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
がCまたはNであり;
がCまたはNであり;
がCRまたはNであり;
ここで、X、XおよびXのうちの1つがNであり、その他のものはNではなく;
ピリジルまたはピラジニル基であり、これが、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロゲン−(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、およびハロゲン−(C1−4)アルコキシから独立して選択される1、2、または3個の置換基によって置換されていてもよく;
およびRが、独立して、水素またはハロゲンであり;
が(C1−3)アルキルまたはハロゲン−(C1−3)アルキルであり;
11およびR12が、各々独立して、水素、(C1−3)アルキルおよびハロゲン−(C1−3)アルキルからなる群から選択される
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが、2個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つがアミド連結基に対してピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つがオルト位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロゲン−(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシおよびハロゲン−(C1−4)アルコキシからなる群から独立して選択される、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
が、(C1−3)アルキルまたはフルオロ−(C1−3)アルキルである、請求項1または2に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項4】
11およびR12が、各々独立して、水素、(C1−3)アルキルおよびフルオロ−(C1−3)アルキルからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項5】
式(Id):
【化2】
[式中、
は、CHまたはNであり;
は、CHまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
ここで、X、XおよびXのうち1つがNであり、その他のものはNではなく;
は、ピリジルまたはピラジニル基であり、これは、2または3個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つは、アミド連結基に対してピリジルまたはピラジニル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つは、オルト位に位置し、ここで、該置換基は、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロゲン−(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシおよびハロゲン−(C1−4)アルコキシから独立して選択され;
およびRは、独立して、水素またはハロゲンであり;
は、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり;
11およびR12は、各々独立して、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される]
で示される、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項6】
が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが2個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つがピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つがオルト位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、フルオロ、ブロモ、クロロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
は、Nであり;Xは、CHであり;Xは、CRである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項8】
が、水素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項9】
式(Ie):
【化3】
[式中、
は、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これは、2個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つは、アミド連結基に対してピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つは、オルト位に位置し、ここで、該置換基は、シアノ、アミノ、フルオロ、ブロモ、クロロ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから独立して選択され;
は、水素またはフルオロであり;
は、メチル、フルオロメチルまたはジフルオロメチルであり;
11およびR12は、各々独立して、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される]
で示される、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項10】
が、フルオロである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項11】
下記のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩:
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−6−クロロ−ピリジン−3−イル]−アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−4,6−ジジューテリオ−3−トリジューテリオメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R、6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((R)−5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((S)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3,5−ジメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;および3−アミノ−5−トリフルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド
【請求項12】
下記式:
【化4】
で示される、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミドである請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項13】
下記式:
【化5】
で示される、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミドである請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項14】
下記式:
【化6】
で示される、3−アミノ−5−トリフルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミドである請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩
【請求項15】
医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用
【請求項16】
アルツハイマー病または軽度認知障害の処置または予防用の医薬の製造のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項17】
活性医薬成分としての請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を少なくとも1つの医薬上許容される担体または希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項18】
同時または逐次投与のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の治療有効量、および第二医薬物質を含む、医薬組合せ剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規複素環誘導体およびそれらの医薬上許容される塩、それらの医薬組成物、それらの医薬組み合わせ、ならびにそれらの医薬としての使用、特にBACE−1の阻害による神経変性の処置またはBACE−2の阻害による糖尿病の処置のための医薬としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は壊滅的な神経変性障害である。その散発性形態は高齢者集団に発生し(>75歳で発病率の急激な増加)、加えて、該疾患が30歳代または40歳代で発症する種々の家族性形態がある。病理学的に、それは患者脳内の細胞外老人斑および細胞内神経原線維変化により特徴付けられる。老人斑のコア要素は小さな、4kDaアミロイドペプチドである。それらは大きな膜貫通型タンパク質であるアミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解処理により産生される。APPのベータ−セクレターゼ(BACE−1)による開裂は、可溶性APP−ベータフラグメントを遊離し、一方99−アミノ酸長C末端は膜に繋がれたままである。このC末端フラグメントがその後ガンマ−セクレターゼ(膜多酵素複合体)によりタンパク質分解処理され、種々の長さの、主に40および42アミノ酸長のアミロイドペプチドを産生する(非特許文献1)。
【0003】
病理学的条件下で、これらのペプチドの産生の速度が増加しまたはそれらの脳からの除去が阻害されると、増加した脳アミロイドペプチド濃度が、オリゴマー、原線維、そして最終的に斑の形成を起す(非特許文献2)。脳内のアミロイドペプチドの沈着および斑が、アルツハイマー病の病因の最初の測定可能な事象であり、それがシナプス、シナプス結合および神経細胞の喪失の引き金を引くことが示されている(非特許文献3)。広範囲の神経細胞喪失が原因の脳萎縮に続いて、認知、記憶、見当識および日常生活の作業を行う能力の障害、すなわち臨床的に明確な認知症が起こる(非特許文献4)。
【0004】
BACE−1は、Asp2またはメマプシン2としても知られ、神経細胞で高度に発現される膜貫通型アスパラギンプロテアーゼである。それは、ゴルジおよび細胞内区画中でその基質APPと共存する(非特許文献5)。マウスにおけるノックアウト試験は、アミロイドペプチド形成がなく、同時に動物が健康でおよび繁殖性であることを証明する(非特許文献6)。APP過発現マウスにおけるBACE−1の遺伝手術は、斑形成の不存在および失認の回復を証明している(非特許文献7)。BACE−1レベルは、散発性アルツハイマー病患者の脳で上昇する(非特許文献8)。
【0005】
合わせて考えて、これらの発見は、BACE−1の阻害がアルツハイマー病に対する好ましい治療戦略であり得ることを示唆する。
【0006】
β部位アミロイド前駆タンパク質切断酵素2(BACE−2)は、膵臓β細胞および他の末梢組織内で高度に発現される膜貫通アスパラギン酸プロテアーゼである(非特許文献9)。BACE−2は、BACE−1またはβセクレターゼと密接に関係する。しかしながら、構造および配列の類似性にもかかわらず、BACE−1およびBACE−2の基質特異性は、異なるようである。AβまたはβアミロイドペプチドはBACE−1の主たる基質であるが、BACE−2は、いずれの形態のAβも生じない(非特許文献10)。
【0007】
膜貫通タンパク質27(TMEM27またはコレクトリン)は、β細胞増殖およびインスリン分泌において重要な役割を果たし(非特許文献11)、BACE−2の基質として同定されている(特許文献1)。Tmem27は、二量体として存在し、細胞外ドメインが切断され、β細胞特異的に脱落する。切断型または可溶性タンパク質ではなく、全長Tmem27の過剰発現は、β細胞増殖を増加させ、このことは、全長タンパク質がこの生物学的機能に必要であることを示唆している。Tcf1(肝細胞核因子−1α、HNF−1α)は、TMEM27の転写を制御する、Tcf1の標的欠失を有するマウスは、β細胞塊の減少を示し、RNAiを使用するTmam27のノックダウンの結果として細胞増殖の低下が生じる。膵臓β細胞内でのTmem27の発現が増加するトランスジェニックマウスは、それらの野生型同腹子と比べてβ細胞塊の増加を示す。このデータは、TMEM27がβ細胞塊の制御において役割を果たすこと、およびTMEM27を切断するBACE−22の阻害が、糖尿病の根本原因であるβ細胞塊および機能の消失を処置するために有用であり得ることを示している。
【0008】
合わせて考えて、これらの発見は、BACE−2の阻害が、2型糖尿病のような、β細胞塊および/または機能の低下に関係する代謝障害の処置および予防に対する好ましい治療戦略であり得ることを示唆する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO 2010/063718
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Hardy J, Selkoe DJ (2002) Science; 297 (5580): 353-356
【非特許文献2】Farris W, et al (2007) Am. J. Pathol.; 171 (1): 241-251
【非特許文献3】Grimmer T, et al (2009) Neurobiology of Aging; 30 (12): 1902-1909
【非特許文献4】Okello A, et al (2009) Neurology; 73 (10): 754-760
【非特許文献5】Willem M, Lammich S, Haass C (2009) Semin. Cell Dev. Biol; 20 (2): 175-182
【非特許文献6】Ohno M, et al (2007) Neurobiol. Dis.; 26 (1): 134-145
【非特許文献7】Ohno M, et al (2004) Neuron; 41 (1): 27-33
【非特許文献8】Hampel H, Shen Y (2009) Scand. J. Clin. Lab. Invest.; 69 (1): 8-12
【非特許文献9】Brian D. Bennett, Safura Babu-Khan, Richard Loeloff, Jean-Claude Louis, Eileen Curran; Martin Citron, and Robert Vassar (2000) JJ. Biol. Chem. 275 (27) 20647-20651
【非特許文献10】Vassar, R., Bennett, B. D., Babu-Khan, S., Kahn, S., Mendiaz, E. A., Denis, P., Teplow, D. B., Ross, S., Amarante, P., Loeloff, R., Luo, Y., Fisher, S., Fuller, J., Edenson, S., Lile, J., Jarosinski, M. A., Biere, A. L., Curran, E., Burgess, T., Louis, J.-C., Collins, F., Treanor, J., Rogers, G., and Citron, M. (1999) Science 286, 735-741
【非特許文献11】Pinar Akpinar, Satoru Kuwajima, Jan Kruetzfeldt, and Markus Stoffel (2005) Tmem27: Cell Metabolism. 2(6) 385-397
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、BACE阻害活性を有する新規複素環誘導体、それらの製造、それらの医学的使用およびそれらを含む医薬に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
さらに詳しくは、第一の態様において、本発明は、式:
【化1】
[式中、
1は、CR1またはNであり;
3は、CR3またはNであり;
4は、CR4またはNであり;
5は、CR5またはNであり;
ここで、X1、X3、X4およびX5のうち少なくとも1つがNであり、X1、X3、X4およびX5のうち2つ以下がNであるか;
または
1は、CR1またはNであり;
3は、CR3、NまたはSであり;
4は、結合であり;
5は、CR5、NまたはSであり;
ここで、X1、X3およびX5のうち少なくとも1つがNまたはSであり、X1、X3およびX5のうち2つ以下がNであり、X3およびX5のうち1つ以下がSであり;
1は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであり;
2は、アリール、ヘテロアリールまたは非芳香族ヘテロシクリル基G1であり、ここで、該基G1は、シアノ、アミノ、アミノ−(C1-8)アルキル、N−(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、N,N−ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C3-8)シクロアルキル−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C2-8)アルケノキシ、(C2-8)アルキノキシ、および(C3-8)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非芳香族ヘテロシクリル基G2からなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよく、ここで、該基G2は、シアノ、アミノカルボニル、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、ヒドロキシ、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルおよび(C2-8)アルキニルからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
3は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ;ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであり;
4は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであり;
5は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであるか;
または
4およびR5は、一緒になって、−C(H)=C(H)−C(H)=C(H)−または(C1-8)アルキレン基であり、ここで、該(C1-8)アルキレン基中の1または2つの−CH2−環構成員は、−N(H)−、−N[(C1-8)アルキル]−、−O−、−S−、−S(=O)−または−S(=O)2−からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員と置き換えられていてもよく;
6は、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、ヒドロキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、メルカプト−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、アミノ−(C1-8)アルキル、N−(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、N,N−ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであるか;
または
5およびR6は、一緒になって、(C1-4)アルキレン基であり、ここで、該(C1-4)アルキレン基中の1つの−CH2−環構成員は、−N(H)−、−N[(C1-4)アルキル]−、−O−、−S−、−S(=O)−または−S(=O)2−からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員と置き換えられていてもよく;
1は、−C(R7)(R8)−または−C(R7)(R8)−C(R9)(R10)−であり;
2は、−C(R11)(R12)−または−C(R11)(R12)−C(R13)(R14)−であり;
7およびR8は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
7およびR8は、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−であり;
9およびR10は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
9およびR10は、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−であり;
11およびR12は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12は、一緒になって、オキソまたは−CR1516−CR1718−であり、ここで、R15、R16、R17およびR18は、独立して、水素およびフルオロから選択され;
13およびR14は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
13およびR14は、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−である]
で示される化合物または医薬上許容される塩に関する。
【0013】
第二の態様において、本発明は、式:
【化2】
[式中、
1は、CR1またはNであり;
3は、CR3またはNであり;
4は、CR4またはNであり;
5は、CR5またはNであり;
ここで、X1、X3、X4およびX5のうち少なくとも1つがNであり、X1、X3、X4およびX5のうち2つ以下がNであるか;
または
1は、CR1またはNであり;
3は、CR3、NまたはSであり;
4は、結合であり;
5は、CR5、NまたはSであり;
ここで、X1、X3およびX5のうち少なくとも1つがNまたはSであり、X1、X3およびX5のうち2つ以下がNであり、X3およびX5のうち1つ以下がSであり;
1は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであり;
2は、アリール、ヘテロアリールまたは非芳香族ヘテロシクリル基G1であり、ここで、該基G1は、シアノ、アミノ、アミノ−(C1-8)アルキル、N−(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、N,N−ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C3-8)シクロアルキル−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C2-8)アルケノキシ、(C2-8)アルキノキシ、および(C3-8)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非芳香族ヘテロシクリル基G2からなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよく、ここで、該基G2は、シアノ、アミノカルボニル、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、ヒドロキシ、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルおよび(C2-8)アルキニルからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよく;
3は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ;ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであり;
4は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであり;
5は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであるか;
または
4およびR5は、一緒になって、−C(H)=C(H)−C(H)=C(H)−または(C1-8)アルキレン基であり、ここで、該(C1-8)アルキレン基中の1または2つの−CH2−環構成員は、−N(H)−、−N[(C1-8)アルキル]−、−O−、−S−、−S(=O)−または−S(=O)2−からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員と置き換えられていてもよく;
6は、水素、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、ヒドロキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、メルカプト−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、アミノ−(C1-8)アルキル、N−(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、N,N−ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルであるか;
または
5およびR6は、一緒になって、(C1-4)アルキレン基であり、ここで、該(C1-4)アルキレン基中の1つの−CH2−環構成員は、−N(H)−、−N[(C1-4)アルキル]−、−O−、−S−、−S(=O)−または−S(=O)2−からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員と置き換えられていてもよく;
1は、−C(R7)(R8)−または−C(R7)(R8)−C(R9)(R10)−であり;
2は、−C(R11)(R12)−または−C(R11)(R12)−C(R13)(R14)−であり;
7およびR8は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
7およびR8は、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−であり;
9およびR10は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
9およびR10は、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−であり;
11およびR12は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12は、一緒になって、オキソまたは−CR1516−CR1718−であり、ここで、R15、R16、R17およびR18は、水素およびフルオロから独立して選択され;
13およびR14は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
13およびR14は、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0014】
定義
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0015】
ハロゲンアルキルのようなハロゲン化基または部分は、モノ−、ジ−、トリ−、ポリ−またはペル−ハロゲン化であり得る。
【0016】
アリール基、環または部分は、ナフチルまたはフェニル基、環または部分である。
【0017】
ヘテロアリール基、環または部分は、単環式芳香族5員または6員構造であって、該構造中、1、2、3または4個の環構成員が、窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員であるもの、例えばフリル、ピロリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジルまたはピリジルであるか;または二環式芳香族9員または10員構造であって、該構造中、1、2、3、4または5個の環構成員が、窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員であるものである。二環式基をなす縮合された環は、炭素原子だけを含むことができ、飽和、部分飽和または不飽和であり得る。二環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1個の完全芳香環を含むが、残りの縮合された環は、芳香族であっても非芳香族であってもよい。二環式ヘテロアリール基の例としては、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イミダゾピリジニル、インダゾリル、インドリル、イソキノリニル、ピラゾロピリジニル、キノリニル、ピロロピラジニル(特に、ピロロ[2,3−b]ピラジニル)およびピロロピリジニル(特に、ピロロ[3,2−b]ピリジニル)が挙げられる。ヘテロアリール基は、炭素原子またはヘテロ原子を解して結合されてもよい。
【0018】
非芳香族ヘテロシクリル基、環または部分は、非芳香族4員、5員、6員または7員環状構造であって、該環状構造中、1個、2個または3個の環構成員が窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員であるもの、例えばアゼチジニル、オキセタニル、ピロリニル、ピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピペリジル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルまたはペルヒドロアゼピニルである。
【0019】
1個を超える炭素原子を有する基または部分を含む全ての非環状炭素は、直鎖または分枝鎖である。
【0020】
用語「アルコキシ」、「アルケノキシ」および「アルキノキシ」は、それぞれ、酸素で連結されている場合のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基を意味する。
【0021】
「N,N−ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-8)アルキル」基は、2つの同一の(C1-4)部分または2つの異なる(C1-4)部分を含み得る。
【0022】
本発明は、上記定義の式(I)で示される化合物、およびBACE阻害によって調節される疾患、状態および/または障害の処置または予防に有用であり得るその医薬組成物を提供する。
【0023】
式Iで示される化合物に存在し得る1個以上の炭素原子により、式Iで示される対応する化合物は純粋な光学活性形態または光学異性体の混合物の形態、例えばラセミ混合物の形態で存在し得る。全てのかかる純粋な光学異性体、およびラセミ混合物を含む全てのそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0024】
一の実施態様において、本発明は、したがって、式:
【化3】
[式中、E1、E2、R2、R6、X1、X3、X4およびX5は、式Iに関する上記定義と同じである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0025】
一の実施態様において、本発明は、したがって、式:
【化4】
[式中、E1、E2、R2、R6、X1、X3、X4およびX5は、式Iに関する上記定義と同じである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0026】
一つの態様において、化合物が1つの立体中心を有しており、立体異性体がR配置である、単離した立体異性体としての実施例の化合物を提供する。
【0027】
他の態様において、化合物が1つの立体中心を有しており、立体異性体がS配置である、単離した立体異性体としての実施例の化合物を提供する。
【0028】
一の実施態様において、化合物が2つの立体中心を有しており、立体異性体がRR配置である、単離した立体異性体としての実施例の化合物を提供する。
【0029】
一の実施態様において、化合物が2つの立体中心を有しており、立体異性体がRS配置である、単離した立体異性体としての実施例の化合物を提供する。
【0030】
一の実施態様において、化合物が2つの立体中心を有しており、立体異性体がSR配置である、単離した立体異性体としての実施例の化合物を提供する。
【0031】
一の実施態様において、化合物が2つの立体中心を有しており、立体異性体がSS配置である、単離した立体異性体としての実施例の化合物を提供する。
【0032】
一の実施態様において、化合物が1つまたは2つの立体中心を有している、ラセミ混合物としての実施例の化合物を提供する。
【0033】
ここで使用する用語“異性体”は、同じ分子式であるが、原子の配列および配置が異なる、別の化合物を意味する。またここで使用する用語“光学異性体”または“立体異性体”は、ある本発明の化合物で存在し得る種々の立体異性配置のいずれかを意味し、幾何異性体を含む。置換基が炭素原子のキラル中心に結合し得ることは当然である。それ故に、本発明は、本化合物のエナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。“エナンチオマー”は、互いに重なり合わない鏡像である立体異性体を意味する。エナンチオマーの対の1:1混合物は“ラセミ”混合物である。本用語は、適宜ラセミ混合物を指定するために使用する。“ジアステレオ異性体”は、少なくとも二個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体を意味する。絶対立体化学はカーン・インゴールド・プレローグR−Sシステムに従い特定する。化合物が純粋エナンチオマーであるとき、各キラル炭素の立体化学はRまたはSに特定し得る。絶対配置が未知である分割した化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性−または左旋性)によって、(+)または(−)に指定できる。ここに記載するある種の化合物は1個以上の不正中心または軸を有し、それ故にエナンチオマー、ジアステレオマーおよび絶対化学の点で(R)−または(S)−として指定し得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間の混合物を含む、全てのかかる可能な異性体を包含することを意図する。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル反応材を使用してまたは慣用法を使用して分割して製造できる。化合物が二重結合を有するとき、置換基はEまたはZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はシス−またはトランス−配置を有し得る。
【0034】
式Iで示される化合物は互変異性形態で存在し得る。全てのかかる互変異性体は、本発明の一部である。
【0035】
式Iで示される化合物は遊離形態または塩形態で、例えば塩基性化合物は酸付加塩形態でまたは酸性化合物は塩基との塩で存在し得る。全てのかかる遊離化合物および塩類は、本発明の一部である。
【0036】
一つの態様において、本発明は、遊離形態のここに定義する式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物に関する。他の態様において、本発明は、塩形態のここに定義する式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物に関する。他の態様において、本発明は、酸付加塩形態のここに定義する式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物に関する。さらなる態様において、本発明は、医薬上許容される塩形態のここに定義する式I、Ia、Ib、Ic、Id、IeまたはIfの化合物に関する。さらに別の態様において、本発明は、塩酸塩形態のここに定義する式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物に関する。さらに別の態様において、本発明は、遊離形態の実施例の化合物のいずれか一つに関する。さらに別の態様において、本発明は、塩形態の実施例の化合物のいずれか一つに関する。さらに別の態様において、本発明は、酸付加塩形態の実施例の化合物のいずれか一つに関する。さらに別の態様において、本発明は、医薬上許容される塩形態の実施例の化合物のいずれか一つに関する。さらに別の態様において、本発明は、塩酸塩形態の実施例の化合物のいずれか一つに関する。
【0037】
ここで使用する用語「塩」または「塩類」は、本発明の化合物の酸付加または塩基付加塩を意味する。「塩類」は、特に「医薬上許容される塩類」を含む。用語「医薬上許容される塩類」は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、典型的に生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない、塩類を意味する。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ基および/またはカルボキシル基またはそれらに類する基の存在により、酸および/または塩基塩類を形成できる。
【0038】
医薬上許容される酸付加塩類は、無機酸類および有機酸類によって形成でき、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ブロマイド/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、クロライド/塩酸塩、クロロテオフィロネート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/アイオダイド、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩である。塩類を誘導し得る無機酸類としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。塩類を誘導し得る有機酸類としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸およびスルホサリチル酸が挙げられる。医薬上許容される塩基付加塩類は無機および有機塩基類によって形成できる。塩類を誘導し得る無機塩基類としては、例えば、アンモニウム塩類および元素周期表のIからXII列の金属が挙げられる。ある実施態様において、塩類はナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛および銅から誘導される;特に適当な塩類としてはアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。
【0039】
塩類を誘導し得る有機塩基類としては、例えば、第1級、第2級および第3級アミン類、天然に存在する置換アミン類を含む置換アミン類、環状アミン類および塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。ある種の有機アミン類としては、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンが挙げられる。
【0040】
本発明の医薬上許容される塩類は、塩基性または酸性部分である親化合物から、慣用の化学法により合成できる。一般的に、かかる塩類は、遊離酸形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な塩基(例えばNa、Ca、MgまたはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)を反応させることにより、または遊離塩基形態のこれらの化合物と化学量論量の適当な酸を反応させることにより、製造できる。かかる反応は、典型的に水中または有機溶媒中またはこれら2種の混合物中で行う。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体の使用が、実用的であるとき、好ましい。さらなる適当な塩類の一覧は、例えば、“Remington's Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985);および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。
【0041】
塩基性基および酸基の両方が同じ分子内に存在するとき、本発明の化合物は分子内塩類、例えば、双性イオン分子も形成できる。
【0042】
さらに、本発明の化合物(それらの塩類を含む)は、それらの水和物の形でも得ることができるか、または結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。本発明の化合物は本質的にまたは設計により、医薬上許容される溶媒(水を含む)と溶媒和物を形成でき;それ故に、本発明は溶媒和された形態および溶媒和されていない形態の両方を含むことを意図する。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物(その医薬上許容される塩類を含む)と1個以上の溶媒分子の分子錯体を意味する。かかる溶媒分子は、レシピエントに無害であることが知られている医薬分野で一般的に使用されているもの、例えば、水、エタノールなどである。用語「水和物」は、溶媒分子が水であるときの該錯体を意味する。
【0043】
本発明の化合物(その塩類、水和物および溶媒和物を含む)は、本質的にまたは設計により、多形を形成し得る。全てのかかる多形は、本発明の一部である。
【0044】
本発明は、1個以上の原子が、同じ原子番号を有するが、通常天然で見られるものと異なる原子質量を有する1個以上の原子で置換されている、全ての医薬上許容される同位体標識した式Iで示される化合物を含む。かかる同位体の例は、炭素の同位体、例えば11C、13Cまたは14C、塩素の同位体、例えば36Cl、フッ素の同位体、例えば18F、臭素の同位体、例えば76Br、水素の同位体、例えば2Hまたは3H、ヨウ素の同位体、例えば123I、124I、125Iまたは131I、窒素の同位体、例えば13Nまたは15N、酸素の同位体、例えば15O、17Oまたは18O、リンの同位体、例えば32P、または硫黄の同位体、例えば35Sである。同位体標識した式Iで示される化合物を、実施例に記載の方法に準じてまたは当業者に既知の慣用法により、適当な同位体標識した試薬または出発物質を使用して製造できる。重い同位体、例えば2H(ジューテリウムまたはD)の取り込みは、式Iで示される化合物に大きな代謝安定性を提供し得て、例えば、該化合物のインビボ半減期延長または必要投与量減少をもたらし得る。ある種の同位体標識した式Iで示される化合物、例えば放射性同位体、例えば3Hまたは14Cを取り込んだものは、薬物または基質−組織分布試験に使用し得る。陽電子放出同位体、例えば11C、18F、13Nまたは15Oを含む式Iで示される化合物は、例えば基質−受容体占拠率を試験するための陽電子放出断層撮影(PET)または単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)試験に有用であり得る。
【0045】
本発明に従う医薬上許容される溶媒和物は、結晶化溶媒が同位体置換されている、例えばD2O、d6−アセトン、d6−DMSOであるものを含む。
【0046】
水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用できる基を含む本発明の化合物、すなわち式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物は、適当な共結晶形成剤で共結晶を形成できるかもしれない。これらの共結晶は、式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物から、既知の共結晶形成法により製造し得る。かかる方法は、溶液の式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物と共結晶形成剤を、結晶化条件下で粉砕、加熱、共浸漬、共融解または接触させ、それにより形成した共結晶を単離することを含む。適当な共結晶形成剤は、WO2004/078163に記載のものを含む。それ故に、本発明は、さらに、式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物を含む共結晶を提供する。
【0047】
ある実施態様において、本発明は、以下の場合の式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物、またはその医薬上許容される塩に関する:
(1)X1がCR1またはNであり;
3がCR3またはNであり;
4がCR4またはNであり;
5がCR5であり;
ここで、X1、X3およびX4のうち少なくとも1つがNであり、X1、X3およびX4のうち2つ以下がNである。
(2)X1がCHまたはNであり;
3がCHまたはNであり;
4がCR4またはNであり;
5がCR5であり;
ここで、X1、X3およびX4のうち1つ以下がNである。
(3)X1がNであり;X3がCR3であり;X4がCR4であり;X5がCR5である。
(4)X1がCR1であり;X3がNであり;X4がCR4であり;X5がCR5である。
(5)X1がCR1であり;X3がCR3であり;X4がNであり;X5がCR5である。
(6)X1がCR1であり;X3がCR3であり;X4がCR4であり;X5がNである。
(7)X1がNであり;X3がNであり;X4がCR4であり;X5がCR5である。
(8)X1がNであり;X3がCR3であり;X4がNであり;X5がCR5である。
(9)X1がNであり;X3がCR3であり;X4がCR4であり;X5がNである。
(10)X1がCR1であり;X3がNであり;X4がNであり;X5がCR5である。
(11)X1がCR1であり;X3がNであり;X4がCR4であり;X5がNである。
(12)X1がCR1であり;X3がCR3であり;X4がNであり;X5がNである。
【0048】
(13)R1が水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、ハロゲン−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルチオ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルコキシ、(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルチオ、(C2-8)アルケニルまたは(C2-8)アルキニルである。
(14)R1が水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシまたはハロゲン−(C1-4)アルコキシである。
(15)R1が水素である。
【0049】
(16)R2がアリールまたはヘテロアリール基G1であり、該基G1が、シアノ、アミノ、アミノ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-6)アルキル、ハロゲン−(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-6)アルコキシ、ハロゲン−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキルチオ、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C2-6)アルケノキシ、(C2-6)アルキノキシ、および(C3-6)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非芳香族ヘテロシクリル基G2から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく、該基G2が、シアノ、アミノカルボニル、ハロゲン、(C1-6)アルキル、ハロゲン−(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、(C1-6)アルコキシ、ハロゲン−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキルチオ、(C2-6)アルケニルおよび(C2-6)アルキニルからなる群から独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい。
(17)R2が、ヘテロアリール基であり、これが、シアノ、アミノ、アミノ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-6)アルキル、ハロゲン−(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-6)アルコキシ、ハロゲン−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキルチオ、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C2-6)アルケノキシおよび(C2-6)アルキノキシ.からなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(18)R2が、9員または10員の二環式ヘテロアリール基であり、これが、シアノ、アミノ、アミノ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-6)アルキル、ハロゲン−(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-6)アルコキシ、ハロゲン−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキルチオ、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C2-6)アルケノキシおよび(C2-6)アルキノキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(19)R2が、9員または10員の二環式ヘテロアリール基であり、これが、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(20)R2が、構造中の1、2または3個の環構成員が窒素環構成員である9員の二環式ヘテロアリール基であり、これが、シアノ、アミノ、アミノ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-6)アルキル、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-6)アルキル、ハロゲン−(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-6)アルコキシ、ハロゲン−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキル、(C3-6)シクロアルキル−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ−(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ−(C1-6)アルキルチオ、(C2-6)アルケニル、(C2-6)アルキニル、(C2-6)アルケノキシおよび(C2-6)アルキノキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(21)R2が、構造中の1、2または3個の環構成員が窒素環構成員である9員の二環式ヘテロアリール基であり、これが、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(22)R2が、構造中の1、2、3または4個の環構成員が窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員である5員または6員のヘテロアリール基であり、この基が、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C3−4)シクロアルキル−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(23)R2が、構造中の1、2、3または4個の環構成員が窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員である6員のヘテロアリール基であり、この基が、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C3−4)シクロアルキル−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(24)R2が、構造中の1、2、3または4個の環構成員が窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員である6員のヘテロアリール基であり、この基が、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよい。
(25)R2が、ピリジルまたはピラジニル基であり、これが、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C3−4)シクロアルキル−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基によって置換されていてもよい。
(26)R2が、ピリジルまたはピラジニル基であり、これが、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基によって置換されていてもよい。
(27)R2が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C3-4)シクロアルキル−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基によって置換されていてもよい。
(28)R2が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される1、2または3個の置換基によって置換されていてもよい。
(29)R2が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが、シアノ、アミノ、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヒドロキシl、オキソ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい。
(30)R2が、ピリジルまたはピラジニル基であり、これが、1、2または3個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つが、アミド連結基に対してピリジルまたはピラジニル基のパラ位に位置し、該置換基が、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C3-4)シクロアルキル−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシからなる群から独立して選択される。
(31)R2が、ピリジルまたはピラジニル基であり、これが、1、2または3個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つが、アミド連結基に対してピリジルまたはピラジニル基のパラ位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される。
(32)R2が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが、1、2または3個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つが、アミド連結基に対してピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基のパラ位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される。
(33)R2が、ピリジルまたはピラジニル基であり、これが、2または3個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つが、アミド連結基に対してピリジルまたはピラジニル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つがオルト位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C3-4)シクロアルキル−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシからなる群から独立して選択される。
(34)R2が、ピリジルまたはピラジニル基であり、これが、2または3個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つがアミド連結基に対してピリジルまたはピラジニル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つがオルト位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される。
(35)R2が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが、2個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つがアミド連結基に対してピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つがオルト位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択される。
(36)R2が、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これが2個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つがピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つがオルト位に位置し、ここで、該置換基が、シアノ、アミノ、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヒドロキシl、オキソ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選択される。
【0050】
(37)R3が、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニルまたは(C2-4)アルキニルである。
(38)R3が、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシまたはハロゲン−(C1-4)アルコキシである。
(39)R3が水素である。
【0051】
(40)R4が、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニルまたは(C2-4)アルキニルである。
(41)R4が、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシまたはハロゲン−(C1-4)アルコキシである。
(42)R4が、水素またはハロゲンである。
(43)R4が、水素である。
(44)R4が、フルオロである。
【0052】
(45)R5が、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニルまたは(C2-4)アルキニルである。
(46)R5が、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシまたはハロゲン−(C1-4)アルコキシである。
(47)R5が、水素またはハロゲンである。
(48)R5が、水素またはフルオロである。
(49)R5が、ハロゲンである。
(50)R5が、フルオロである。
(51)R5が、水素である。
【0053】
(52)R6が、水素、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、メルカプト−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、アミノ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-4)アルキル、ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-4)アルキル、(C2-4)アルケニルまたは(C2-4)アルキニルである。
(53)R6が、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、メルカプト−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、アミノ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-4)アルキル、ジ(C1-4)アルキル−アミノ−(C1-4)アルキル、(C2-4)アルケニルまたは(C2-4)アルキニルである。
(54)R6が、(C1-3)アルキルまたはハロゲン−(C1-3)アルキルである。
(55)R6が、(C1-3)アルキルまたはフルオロ−(C1-3)アルキルである。
(56)R6が、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルである。
【0054】
(57)E1が、−C(R7)(R8)−または−C(R7)(R8)−C(R9)(R10)−である。
(58)E1が、−C(R7)(R8)−である。
【0055】
(59)E2が、−C(R11)(R12)−または−C(R11)(R12)−C(R13)(R14)−である。
(60)E2が、−C(R11)(R12)−である。
【0056】
(61)R7およびR8が、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
7およびR8が、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−である。
(62)R7およびR8が、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-3)アルキルおよびハロゲン−(C1-3)アルキルからなる群から選択されるか;
または
7およびR8が、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−である。
(63)R7およびR8が、各々、水素であるか;
または
7およびR8が、一緒になって、オキソである。
(64)R7およびR8が、各々、水素である。
【0057】
(65)R9およびR10が、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
9およびR10が、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−である。
(66)R9およびR10が、各々、水素である。
【0058】
(67)R11およびR12が、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12が、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−である。
(68)R11およびR12が、各々独立して、水素、ハロゲン、(C1-8)アルキルおよびハロゲン−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
11およびR12が、各々独立して、水素、(C1-8)アルキルおよびハロゲン−(C1-8)アルキルからなる群から選択される。
(69)R11およびR12が、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-3)アルキルおよびハロゲン−(C1-3)アルキルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12が、一緒になって、オキソまたは−CR1516−CR1718−であり、ここで、R16、R17、R18およびR19が、独立して、水素およびフルオロから選択される。
(70)R11およびR12が、各々独立して、水素、(C1-3)アルキルおよびハロゲン−(C1-3)アルキルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12が、一緒になって、オキソである。
(71)R11およびR12が、各々独立して、水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12が、一緒になって、オキソである。
(72)R11およびR12が、各々独立して、水素、(C1-3)アルキルおよびハロゲン−(C1-3)アルキルからなる群から選択される。
(73)R11が(C1-8)アルキルであり、R12がハロゲン−(C1-8)アルキルである。
(74)R11が(C1-3)アルキルであり、R12がハロゲン−(C1-3)アルキルである。
(75)R11およびR12が、各々独立して、水素、(C1-3)アルキルおよびフルオロ−(C1-3)アルキルからなる群から選択される。
(76)R11およびR12が、各々独立して、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される。
(77)R11およびR12が水素である。
(78)R11およびR12が、一緒になって、オキソである。
【0059】
(79)R13およびR14が、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-8)アルキル、ハロゲン−(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ−(C1-8)アルキルおよび(C1-8)アルキルチオ−(C1-8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
13およびR14が、一緒になって、オキソまたは−CH2−CH2−である。
(80)R13およびR14が、各々、水素である。
【0060】
当業者には明らかなことではあるが、実施態様(1)〜(80)を、独立して、集合的にまたは任意の組合せでまたは下位の組み合わせで使用して、式I、Ia、Ib、Ic、IdまたはIeの化合物に関連して上記した本発明の範囲を限定し得ることを理解する。
【0061】
一の実施態様において、本発明は、式:
【化5】
[式中、
1は、CR1またはNであり;
3は、CR3またはNであり;
4は、CR4またはNであり;
ここで、X1、X3およびX4のうち少なくとも1つがNであり、X1、X3およびX4のうち2つ以下がNであり;
1は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシまたはハロゲン−(C1-4)アルコキシであり;
2は、構造中、1、2、3または4個の環構成員が窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員から独立して選択されるヘテロ環構成員である5員または6員のヘテロアリール基であり、この基は、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
3、R4およびR5は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシまたはハロゲン−(C1-4)アルコキシからなる群から独立して選択され;
6は、(C1-3)アルキルまたはフルオロ−(C1-3)アルキルであり;
11およびR12は、各々独立して、水素、(C1-3)アルキルおよびハロゲン−(C1-3)アルキルからなる群から選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0062】
別の実施態様において、本発明は、
1がCHまたはNであり;
3がCHまたはNであり;
4がCR4またはNであり;
ここで、X1、X3およびX4のうち1つ以下がNであり;
2がピリジルまたはピラジニル基であり、これが、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシ、ハロゲン−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルコキシ−(C1-4)アルキルチオ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ−(C1-4)アルキルチオ、(C2-4)アルケニル、(C2-4)アルキニル、(C2-4)アルケノキシおよび(C2-4)アルキノキシから独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
4およびR5が、独立して、水素またはハロゲンであり;
6が(C1-3)アルキルまたはフルオロ−(C1-3)アルキルであり;
11およびR12が、各々独立して、水素、(C1-3)アルキルおよびフルオロ−(C1-3)アルキルからなる群から選択される、
式Icの化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0063】
さらなる実施態様において、本発明は、式:
【化6】
[式中、
1は、CHまたはNであり;
3は、CHまたはNであり;
4は、CR4またはNであり;
ここで、X1、X3およびX4のうち1つ以下がNであり;
2は、ピリジルまたはピラジニル基であり、これは、2または3個の置換基によって置換されており、ここで、該置換基のうち1つは、アミド連結基に対してピリジルまたはピラジニル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つは、オルト位に位置し、ここで、該置換基は、シアノ、アミノ、ハロゲン、(C1-4)アルキル、ハロゲン−(C1-4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1-4)アルコキシおよびハロゲン−(C1-4)アルコキシから独立して選択され;
4およびR5は、独立して、水素またはハロゲンであり;
6は、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルであり;
11およびR12は、各々独立して、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0064】
さらなる実施態様において、本発明は、式:
【化7】
[式中、
2は、ピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基であり、これは、2個の置換基によって置換おり、ここで、該置換基のうち1つは、アミド連結基に対してピリジン−2−イルまたはピラジン−2−イル基のパラ位に位置し、該置換基のうち1つは、オルト位に位置し、ここで、該置換基は、シアノ、アミノ、フルオロ、ブロモ、クロロ、ヒドロキシl、オキソ、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから独立して選択され;
5は、水素またはフルオロであり;
6は、メチル、フルオロメチルまたはジフルオロメチルであり;
11およびR12は、各々独立して、水素、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0065】
別の実施態様において、本発明は、下記のものから選択される本発明の化合物に関する:
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−チオカルバモイル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−6−クロロ−ピリジン−3−イル]−アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−4,6−ジジューテリオ−3−トリジューテリオメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3,5−ジメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2−メトキシ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸[6−((5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−トリフルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−クロロ−1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
6−クロロ−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;および
6−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
ならびにこれらの医薬上許容される塩。
【0066】
別の実施態様において、本発明は、下記のものから選択される本発明の化合物に関する:
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−チオカルバモイル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−6−クロロ−ピリジン−3−イル]−アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−4,6−ジジューテリオ−3−トリジューテリオメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R、6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((R)−5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((S)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3,5−ジメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2−メトキシ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−トリフルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−クロロ−1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
6−クロロ−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;および
6−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
ならびにこれらの医薬上許容される塩。
【0067】
さらなる態様において、本発明は、遊離形態または塩形態の、式Iで示される化合物の製造方法であって、
a)遊離形態または塩形態の式:
【化8】
[式中、X1、X3、X4、X5、R6、E1およびE2は、式Iについての定義と同じであり、PGは保護基である]
で示される化合物と遊離形態または塩形態の式:
【化9】
[式中、R2は式Iについての定義と同じであり、Lは脱離基(例えば、ヒドロキシ基)である]
で示される化合物との反応、
b)遊離形態または塩形態の式:
【化10】
[式中、X1、X3、X4、X5、R6、E1およびE2は、式Iについての定義と同じであり、Halはハロゲン(例えば、臭素)であり、PGは保護基である]
で示される化合物と遊離形態または塩形態の式:
【化11】
[式中、R2は式Iについての定義と同じである]
で示される化合物との反応、
c)遊離形態または塩形態の式:
【化12】
[式中、X1、X3、X4、X5、R2、R6、E1およびE2は、式Iについての定義と同じである]
で示される化合物とアンモニアとの反応、
d)得られた化合物の任意の還元、酸化または他の官能基化、
e)任意に存在する保護基の切断、および
f)このようにして得られる遊離形態または塩形態の式Iで示される化合物の回収
を含む、製造方法に関する。
【0068】
本反応は、慣用法に従い、例えば実施例に記載の通りに行い得る。
【0069】
反応混合物の後処理およびこうして得られる化合物の精製は既知方法に従って行い得る。
【0070】
遊離塩基から既知方法で塩類を製造でき、そして逆も可能である。
【0071】
詳しくは、工程a)に記載されるような式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は、好適なカップリング剤(例えば、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール)、好適な活性剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩)、好適な塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)および好適な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)の存在下で好適な温度(例えば、0〜50℃、さらに好適には0〜25℃)にて行われ得る。
【0072】
詳しくは、工程b)に記載されるような式(IIa)で示される化合物と式(IIIa)で示される化合物との反応は、好適な触媒(例えば、トリス(ジベンジリデン−アセトン)二パラジウム)、好適なリガンド(例えば、Xantphos)、好適な塩基(例えば、炭酸セシウム)および好適な溶媒(例えば、1,4−ジオキサン)の存在下で好適な温度(例えば、10〜100℃、より好適には30〜85℃)にて行われ得る。
【0073】
詳しくは、工程c)に記載されるような子k(IV)で示される呼号物とアンモニアとの反応は、好適な溶媒(例えば、メタノール)の存在下で好適な温度(0〜50℃、より好適には0〜30℃)にて行われ得る。
【0074】
式Iで示される化合物は、また、例えば実施例に記載されているような、本発明のさらなる態様であるさらなる方法で製造することもできる。
【0075】
式II、IIa、III、IIIaおよびIVの出発物質は公知であるかまたは公知化合物から出発して慣用法に従って製造できるか、実施例に記載されるように公知化合物から製造できるか、または実施例に記載する方法に準じる方法を使用して製造できる。
【0076】
遊離形態、塩形態または医薬上許容される塩形態の式Iで示される化合物(以下、しばしば「本発明の薬剤」と記載される)は、インビトロまたはインビボで試験した場合に有益な薬理学的特性を示し、それ故に、医薬に、治療に、または研究用化学物質(例えば,ツール化合物)としての使用に有用である。
【0077】
例えば、本発明の薬剤はBACE−1およびBACE−2の阻害剤であり、かかる酵素群によるプロセシング、特にベータ−アミロイドの産生およびそれに続くオリゴマーおよび原線維への凝集、ならびにβ細胞塊および/または機能の消失が関与するとされる状態、疾患または障害の処置または予防に使用できる。
【0078】
本発明の薬剤のプロテアーゼ類に対する阻害特性は下記の試験において評価できる。
【0079】
試験1:ヒトBACE−1の阻害
0.1〜10nM濃度の組換えBACE−1(細胞外ドメイン、バキュロウイルス内で発現させ、標準法を使用して精製)を、種々の濃度の試験化合物と一緒に、室温で1時間、0.1%CHAPS含有10〜100mM酢酸緩衝液pH4.5中でインキュベートする。適当なフルオロフォア−クエンチャー対を含むAPPの配列由来の合成蛍光消光ペプチド基質を最終濃度1〜5μMまで添加し、蛍光の増加をマイクロプレート分光蛍光光度計において適当な励起/発光波長で、1分間隔で5〜30分間記録する。IC50値を試験化合物濃度の関数としてBACE−1活性阻害パーセンテージから計算する。
【0080】
試験2:ヒトBACE−2の阻害
0.1〜10nM濃度の組換えBACE−2(細胞外ドメイン、バキュロウイルス内で発現させ、標準法を使用して精製)を、種々の濃度の試験化合物と一緒に、室温で1時間、0.1%CHAPS含有10〜100mM酢酸緩衝液pH4.5中でインキュベートする。適当なフルオロフォア−クエンチャー対を含むAPPの配列由来の合成蛍光消光ペプチド基質を最終濃度1〜5μMまで添加し、蛍光の増加をマイクロプレート分光蛍光光度計において適当な励起/発光波長で、1分間隔で5〜30分間記録する。IC50値を試験化合物濃度の関数としてBACE−2活性阻害パーセンテージから計算する。
【0081】
試験3:ヒトカテプシンDの阻害
組換えカテプシンD(プロカテプシンDとしてバキュロウイルス内で発現させ、標準法を使用して精製し、ギ酸ナトリウム緩衝液pH3.7中でのインキュベーションにより活性化)を、種々の濃度の試験化合物と一緒に、室温で1時間、pH3.0〜5.0の範囲の適当なpHのギ酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウム緩衝液中でインキュベートする。合成ペプチド基質Mca−Gly−Lys−Pro−Ile−Leu−Phe−Phe−Arg−Leu−Lys(DNP)−D−Arg−NH2を最終濃度1〜5μMまで添加し、蛍光の増加を325nmの励起および400nmの発光で、マイクロプレート分光蛍光光度計において、1分間隔で5〜30分間記録する。IC50値を試験化合物濃度の関数としてカテプシンD活性阻害パーセンテージから計算する。
【0082】
試験4:アミロイドペプチド1−40の細胞遊離の阻害
チャイニーズハムスター卵巣細胞をアミロイド前駆体タンパク質のヒト遺伝子でトランスフェクトする。細胞を、96ウェルマイクロタイタープレートに8000細胞/ウェルの密度で播種し、10%FCS含有DMEM細胞培養培地中にて24時間培養する。試験化合物を種々の濃度で該細胞に添加し、該細胞を試験化合物存在下にて24時間培養する。上清を回収し、アミロイドペプチド1−40の濃度を、最先端の免疫アッセイ技術、例えばサンドイッチELISA、均一時間分解蛍光(HTRF)免疫アッセイまたは電気化学発光免疫アッセイを使用して決定する。化合物の効果を、試験化合物濃度の関数としてアミロイドペプチド遊離阻害パーセンテージから計算する。
【0083】
本発明の薬剤を少なくとも1つの上記試験で試験した。
【0084】
各実施例の化合物は、上記試験1において下記の平均IC50値を示した。
【表1】
【0085】
各実施例の化合物は、上記試験2において下記の平均IC50値を示した。
【表2】
【0086】
各実施例の化合物は、上記試験4において下記の平均IC50値を示した。
【表3】
【0087】
ここで使用する用語「医薬上許容される担体」としては、当業者に既知のとおり、任意のかつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、吸収遅延剤、塩類、防腐剤、薬物、薬物安定化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑剤、甘味剤、風味剤、色素などおよびそれらの組合せが挙げられる(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329参照)。何らかの慣用の担体が有効成分と不適合でない限り、治療組成物または医薬組成物におけるその使用が意図される。
【0088】
本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、対象の生物学的または医学的応答、例えば、酵素もしくはタンパク質活性の低下もしくは阻害、または症状の改善、状態の軽減、疾患進行の減速もしくは遅延、または疾患予防などを生じさせる本発明の化合物の量を意味する。一つの限定を意図しない態様において、用語「治療有効量」は、対象に投与したとき、(1)(i)BACE−1が仲介する、または(ii)BACE−1活性が関連する、または(iii)BACE−1の活性(正常または異常)により特徴付けられる、状態または障害または疾患を少なくとも一部軽減、阻害、予防および/または改善するのに有効な;または(2)BACE−1の活性を低下させるかまたは阻害するのに有効な、本発明の化合物の量を意味する。限定を意図しない他の態様において、用語「治療有効量」は、細胞または組織または非細胞性生物学的物質または培地に添加した場合、BACE−1の活性を少なくとも一部低下させるかまたは阻害するのに有効な本発明の化合物の量を意味する。BACE−1についての上記実施態様で説明したような用語「治療有効量」の意味はまた同じ意味で他の関連タンパク質/ペプチド/酵素、例えばBACE−2またはカテプシンDにも適用される。
【0089】
ここで使用する用語「対象」は動物を意味する。典型的には、動物は哺乳動物である。対象はまた例えば、霊長類(例えば、ヒト、男性または女性)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類なども意味する。ある実施態様において、対象は、霊長類である。他の実施態様において、対象はヒトである。
【0090】
ここで使用する用語「阻害する」、「阻害」または「阻害すること」は、所定の状態、症状または障害または疾患の軽減または抑制、または生物学的活性または過程のベースライン活性の顕著な減少を意味する。
【0091】
ここで使用する任意の疾患または障害を「処置する」、「処置すること」または「処置」なる用語は、一つの実施態様において、疾患または障害の改善(すなわち、疾患またはその臨床的症状の少なくとも一つの発症の遅延または停止または減少)を意味する。別の実施態様において、「処置する」、「処置すること」または「処置」は、疾患または障害を身体的に(例えば、自覚症状の安定化)、生理学的に(例えば、身体パラメータの安定化)またはその両方で調節することを意味する。
【0092】
ここで使用する何らかの特定の疾患または障害の「予防」なる用語は、その疾患または障害の何らかの症状が顕在化する前に対象に本発明の化合物を投与することを意味する。
【0093】
ここで使用する対象は、該対象が生物学的に、医学的に、またはクオリティ・オブ・ライフの点で処置により利益を受けるならば、かかる処置を「必要とする」。
【0094】
ここで使用する本発明の「薬剤」なる用語は本発明の「化合物」なる用語と同義であり、これらの意味の違いはない。
【0095】
ここで使用する単数表現および本発明の文脈(特に特許請求の範囲の文脈)で使用する類似の表現は、本明細書で特記しない限りまたは明らかに文脈に反しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈すべきである。ここに提供する任意および全ての例または例示としての用語(例えば「のような」)の使用は、単に本発明の説明をより明らかにすることを意図し、他に規定しない限り本発明をその範囲に限定すると解釈してはならない。
【0096】
プロテアーゼ類に対する阻害特性により、本発明の薬剤は、例えば、種々の無能力化する(disabilitating)精神状態、精神病性状態、神経状態または血管状態、例えばベータ−アミロイド産生または凝集が役割を果たす血管系または神経系の状態、疾患または障害の処置または予防に有用であり得る。ペプシン型アスパルチルプロテアーゼ類およびベータ−セクレターゼの密接なホモログであるBACE−2(ベータサイトAPP切断酵素2)またはカテプシンDの阻害およびBACE−2またはカテプシンD発現と腫瘍細胞の高い腫瘍原性または転移能との相関に基づき、本発明の薬剤は、抗癌剤として、例えば腫瘍細胞に関連する転移過程の抑制に有用である。さらにまた、BACE−2の阻害、よびBACE−2活性とTME27切断およびβ細胞塊との相関に基づいて、本発明の薬剤は、また、β細胞塊および/または機能の消失の処置または有用であり得る。
【0097】
該血管系または神経系の状態、疾患または障害は、不安障害、例えば広場恐怖症を伴うまたは伴わないパニック障害、パニック障害の病歴を伴わない広場恐怖症、動物または他の特定の恐怖症(社会恐怖症を含む)、社会不安障害、不安、強迫性障害、外傷後または急性ストレス障害を含むストレス障害、または全般性または物質誘発不安障害;神経症;発作;癲癇、特に部分発作、二次的全般性発作を惹起する単純、複合または部分発作または全般性発作[欠神(定形または非定形)、ミオクローヌス性、間代性、緊張性、緊張性−間代性または無緊張性発作];痙攣;偏頭痛;鬱病性または双極性障害を含む情動障害、例えば一回または再発性大鬱病性障害、大鬱病、気分変調性障害、気分変調症、鬱病性障害NOS、双極性Iまたは双極性II躁病障害または気分循環性障害;統合失調症または鬱病を含む精神病性障害;神経変性、例えば脳虚血に起因する神経変性;神経系の急性、外傷性または慢性変性過程、例えばパーキンソン病、ダウン症候群、認知症、例えば老人性認知症、レヴィ小体認知症または前頭側頭型認知症、認知障害、認知の障害、例えば軽度認知障害、記憶障害、アミロイドニューロパシー、末梢ニューロパシー、アルツハイマー病、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、ニーマン・ピック病、例えばニーマン・ピック病C型、脳炎症、脳、脊髄または神経傷害、例えば外傷性脳傷害(TBI)、神経外傷または脳外傷、血管アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症または脆弱X症候群;スクレイピー;脳アミロイド血管障害;脳症、例えば伝達性海綿状脳症;卒中;注意障害、例えば注意欠損過活動障害;トゥレット症候群;吃音を含む発話障害;概日リズムの障害、例えば時差ボケまたは交替勤務の影響を受けている対象におけるもの;疼痛;侵害受容;掻痒;急性、遅延または予期嘔吐を含む嘔吐、例えば化学療法または放射線により誘発される嘔吐、動揺病または術後悪心または嘔吐症状;神経性食欲不振症または神経性過食症を含む摂食障害;月経前緊張症;筋肉攣縮または痙縮、例えば対麻痺患者におけるもの;聴力障害、例えば耳鳴または加齢性聴力障害;尿失禁;緑内障;封入体筋炎;または物質濫用または依存症を含む物質関連障害、例えばアルコール、離脱障害により例示され、これらを含むが、これらに限定されない。本発明の薬剤は、例えば認知症になる状態、例えばアルツハイマー病を有する対象における、認知の増強に;麻酔または小さな医学的介入、例えば胃内視鏡検査を含む内視鏡検査の前の前投薬として;またはリガンド、例えば放射性リガンドまたは陽電子放出断層撮影(PET)リガンドとしても有用であり得る。
【0098】
BACE−2に対するそれらの阻害特性により、本発明の化合物は、BACE−2が外在する疾患または障害の処置または予防に有用であり得る。BACE−2に関連する疾患および障害としては、代謝障害(例えば脂質異常症、肥満、インスリン耐性、高血圧、微量アルブミン尿症、高尿酸血症および凝固性亢進)、インスリン耐性、対糖能障害(IGC)、肥満、高血圧または糖尿病合併症(例えば、網膜症、腎症、糖尿病性足病変、潰瘍、大血管障害、代謝障害またはケトン症、反応性低血糖、高インスリン血症)、糖代謝疾患、様々な起源の脂質異常症、動脈硬化症および関連疾患、高血圧、慢性心不全、X症候群、糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、2型糖尿病、1型糖尿病、体重障害(body weight disorder)、体重減少、肥満度指数およびレプチン関連疾患が挙げられる。
【0099】
本発明の化合物は、膵β細胞のアポトーシスまたは壊死のようなβ細胞変性の予防、膵細胞の機能性の改善または回復、および/または膵β細胞の数および/またはサイズの増大に好適であり得る。
【0100】
ここで使用する場合、患者が下記のものの少なくとも1つを示す場合、該患者は「糖尿病」に罹っている:
・肥満度指数(MBI)、すなわち、患者の体重(kg)を患者の身長(m)の二乗で割ったものが30以上;
・絶対的胴回りが、男性で>102cm、女性で>88cm;
・胴回り対腰周りの比率が、男性で>0.9、女性で>0.85または
・体脂肪率が、男性で>25%、女性で>30%。
【0101】
ここで使用する場合、患者がWHOの糖尿病診断基準(Definition and diagnosis of diabetes mellitus and intermediate hyperglycaemia, WHO, 2006)に適合する場合、すなわち患者が下記のものの少なくとも1つを示す場合、該患者は「2型糖尿病」に罹っている:
・空腹時血糖値≧7.0mmol/L(126mg/dl);または
・75g糖負荷の摂取から2時間後の静脈血糖値≧11.1mmol/L。
【0102】
ここで使用する場合、患者がWHOのIGT診断基準(Definition and diagnosis of diabetes mellitus and intermediate hyperglycaemia, WHO, 2006)に適合する場合、すなわち患者が下記のものの両方を示す場合、該患者は「IGT」に罹っている:
・空腹時血糖値<7.0mmol/L(126mg/dl);および
・75g糖負荷の摂取から2時間後の静脈血糖値≧7.8かつ<11.1mmol/L。
【0103】
ここで使用する用語「代謝症候群」は、2型糖尿病、対糖能障害、インスリン耐性、高血圧、肥満、腹囲の増大、高トリグリセライド血症、低HDL、高尿酸血症、凝固性亢進および/または微量アルブミン尿症の組み合わせを含む状態を記載するために使用される、広く認められている臨床用語である。米国心臓協会は、代謝症候群診断ガイドラインを発行している(Grundy, S., et. al., (2006) Cardiol. Rev. Vol. 13, No. 6, pp. 322-327)。
【0104】
上記の適応症について、適当な投与量は、例えば、活性医薬成分として用いる化合物、宿主、投与方式、状態、疾患または障害の性質および重篤度、または望む効果により変わる。しかしながら、一般に、動物における満足のいく結果は、動物体重1kg当たり約0.1〜約100mg、好ましくは動物体重1kg当たり約1〜約50mgの1日投与量で得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトにおいて、指示される1日投与量は約0.5〜約2000mg、好ましくは約2〜約200mgの本発明の薬剤の範囲であり、好都合には、例えば、1日4回までの分割投与量で、または持続放出形態で投与される。
【0105】
本発明の薬剤は任意の慣用の経路で、特に経腸的に、好ましくは経口的に、例えば錠剤またはカプセル剤の形で、または非経腸的に、例えば注射用溶液または懸濁液の形で投与してよい。
【0106】
さらなる態様において、本発明は、本発明の薬剤を活性医薬成分として、少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤と共に、そして場合により他の補助的物質、例えばチトクロムP450酵素群の阻害剤、チトクロムP450による活性医薬成分の分解を阻止する薬剤、活性医薬成分の薬物動態を改善または増強する薬剤、活性医薬成分のバイオアベイラビリティを改善または増強する薬剤など、例えばグレープフルーツ果汁、ケトコナゾールまたは好ましくは、リトナビルと共に含む、医薬組成物に関する。かかる組成物は慣用法で、例えばその成分の混合により製造してよい。単位投与形態は、例えば、約0.1〜約1000mg、好ましくは約1〜約500mgの本発明の薬剤を含む。
【0107】
加えて、本発明の医薬組成物は固体形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐薬を含むが、これらに限定されない)または液体形態(液剤、懸濁剤または乳剤を含むが、これらに限定されない)に調製できる。医薬組成物を慣用の薬務、例えば滅菌に付してよくおよび/または慣用の不活性希釈剤、滑剤または緩衝化剤、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含んでよい。
【0108】
典型的に、医薬組成物は、有効成分を下記のものと共に含む錠剤またはゼラチンカプセルである:
a) 希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b) 滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム塩またはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまた
c) 結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d) 崩壊剤、例えば、デンプン類、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩または起沸性混合物;および/または
e) 吸収剤、着色剤、風味剤および甘味剤。
【0109】
錠剤は当分野で既知の方法に従い、フィルムコートされていても、腸溶性コートされていてもよい。
【0110】
経口投与用の適当な組成物は、錠剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬または軟カプセルまたはシロップまたはエリキシルの形で有効量の本発明の化合物を含む。経口使用が意図される組成物は医薬組成物の製造の分野で既知の任意の方法に従い製造し、かかる組成物は、薬学的に洗練され、のみやすい製剤を提供するために甘味剤、風味剤、着色剤および防腐剤からなる群から選択される1種以上の薬物を含み得る。錠剤は、有効成分を、錠剤の製造に適する非毒性の医薬上許容される添加物と共に含む。これらの添加物は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒および崩壊剤、例えば、コーンデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は、コーティングされていないかまたは胃腸管での消化および吸収を遅延し、それにより長期間にわたる持続作用を提供するための既知方法でコーティングされている。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたは二ステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を用い得る。経口使用用製剤は、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセルとしてまたは有効成分が水または油媒体、例えば、ピーナツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提示できる。
【0111】
ある種の注射用組成物は、水性等張溶液または懸濁液であり、坐薬は有利には脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造される。該組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩類および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質も含み得る。該組成物は、それぞれ慣用の混合、造粒またはコーティング法により製造し、約0.1〜75%または約1〜50%の有効成分を含む。
【0112】
経皮適用のための適当な組成物は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を通過するのを助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、場合により化合物を宿主皮膚へ制御され、かつ予定された速度で長時間にわたり送達するための速度制御バリアおよび該デバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形態である。
【0113】
例えば皮膚および眼への、局所適用に適当な組成物は、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは例えばエアロゾルなどによる送達のための噴霧可能製剤を含む。かかる局所送達システムは、例えば、皮膚癌の処置のための、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどにおける予防的使用のための経皮適用に特に適する。それ故に、それらは特に当分野で既知の、化粧用を含む局所製剤における使用に特に適する。それらは可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含んでよい。
【0114】
ここで使用する局所適用は、吸入または鼻腔内適用にも関連し得る。それらは、好都合には、乾燥粉末の形で(単独で、混合物として、例えばラクトースとの乾燥混合物でまたは例えばリン脂質との混合成分粒子として)乾燥粉末吸入器からまたは適当な噴射剤を含みまたは含まずに、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーからのエアロゾルスプレーの形で送達される。
【0115】
本発明はさらに、水がある種の化合物の分解を促進し得るため、本発明の化合物を有効成分として含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。
【0116】
本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して製造できる。無水医薬組成物は、その無水性質が維持されるように製造および貯蔵し得る。したがって、無水組成物を、適当な製剤キットに入れることができるように、水への暴露を阻止する既知物質を使用して包装される。適当な包装の例は、密閉ホイル、プラスチック類、単位投与量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックを含むが、これらに限定されない。
【0117】
本発明は、さらに、有効成分としての本発明の化合物の分解速度を減速させる1種以上の薬剤を含む医薬組成物および投与形態を提供する。ここで「安定化剤」と呼ぶかかる薬剤は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤または塩緩衝剤などを含むが、これらに限定されない。
【0118】
前記によって、さらなる態様において、本発明は、例えばベータ−アミロイド産生または凝集が役割を果たす神経または血管の状態、疾患または障害の処置または予防のための、または腫瘍細胞と関連する転移過程の抑制のための、または、β細胞塊および/または機能の消失の処置または予防のための、医薬として使用するための本発明の薬剤に関する。一の実施態様において、本発明は、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または障害の処置に使用するための本発明の薬剤に関する。別の実施態様において、本発明は、アルツハイマー病または軽度認知障害の処置に使用するための本発明の薬剤を提供する。さらなる実施態様において、本発明は、インスリン耐性、対糖能障害、2型糖尿病、肥満、高血圧または糖尿病合併症の処置または予防に使用するための本発明の薬剤に関する。さらに別の実施態様において、本発明は、対糖能障害または2型糖尿病の処置に使用するための本発明の化合物に関する。
【0119】
さらなる態様において、本発明は、例えば、ベータ−アミロイド産生または凝集が役割を果たす神経または血管の状態、疾患または障害の処置または予防のための、または腫瘍細胞と関連する転移過程の抑制のための、またはβ細胞塊および/または機能の消失の処置または予防のための、医薬における活性医薬成分としての本発明の薬剤の使用に関する。さらなる態様において、本発明は、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または障害の処置または予防用医薬の活性医薬成分としての本発明の薬剤の使用に関する。一つの態様において、本発明は、アルツハイマー病または軽度認知障害の処置または予防用医薬の活性医薬成分としての本発明の薬剤の使用に関する。さらなる実施態様において、本発明は、インスリン耐性、対糖能障害、2型糖尿病、肥満、高血圧または糖尿病合併症の処置または予防用医薬の活性成分としての本発明の薬剤の使用に関する。さらに別の実施態様において、本発明は、対糖能障害または2型糖尿病の処置用医薬の活性医薬成分としての本発明の化合物の使用に関する。
【0120】
さらなる態様において、本発明は、ベータ−アミロイド産生または凝集が役割を有する神経または血管の状態、疾患または障害の処置または予防のための、または腫瘍細胞と関連する転移過程の抑制のための、またはβ細胞塊および/または機能の消失の処置または予防のための、医薬の製造のための本発明の薬剤の使用に関する。さらなる態様において、本発明は、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または障害の処置または予防のための医薬の製造のための本発明の薬剤の使用に関する。一つの態様において、本発明は、アルツハイマー病または軽度認知障害の処置または予防用医薬の製造のための本発明の薬剤の使用に関する。さらなる実施態様において、本発明は、インスリン耐性、対糖能障害、2型糖尿病、肥満、高血圧または糖尿病合併症の処置または予防のための医薬の製造のための本発明の薬剤の使用に関する。さらに別の実施態様において、本発明は、対糖能障害または2型糖尿病の処置のための医薬の製造のための本発明の化合物の使用に関する。
【0121】
さらなる態様において、本発明は、処置を必要とする対象におけるベータ−アミロイド産生または凝集が役割を有する神経または血管の状態の処置または予防のための、疾患または障害または腫瘍細胞と関連する転移過程の抑制のための、またはβ細胞塊および/または機能の消失の処置または予防のための方法であって、かかる対象に本発明の薬剤の有効量を投与することを含む、方法に関する。一つの態様において、本発明は、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または障害の処置に使用する本発明の薬剤に関する。別の位実施態様において、本発明は、処置または予防を必要とする対象におけるBACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患を処置または予防する方法であって、かかる対象に本発明の薬剤の有効量を投与することを含む、方法に関する。さらに別の態様において、本発明は、処置または予防を必要とする対象におけるアルツハイマー病または軽度認知障害の処置または予防方法であって、かかる対象に本発明の薬剤の有効量を投与することを含む、方法に関する。さらなる実施態様において、本発明は、インスリン耐性、対糖能障害、2型糖尿病、肥満、高血圧または糖尿病合併症の処置または予防方法であって、かかる対象に本発明の薬剤の有効量を投与することを含む、方法に関する。さらに別の実施態様において、本発明は、対糖能障害または2型糖尿病の処置方法であって、かかる対象に本発明の薬剤の有効量を投与することを含む、方法に関する。
【0122】
本発明の薬剤は唯一の活性医薬成分としてまたは例えばベータ−アミロイド産生または凝集が役割を有する神経または血管の状態、疾患または障害の処置または予防に、または腫瘍細胞に関連する転移過程の抑制に、またはβ細胞塊および/または機能の消失の処置または予防に有効な少なくとも1種の他の活性医薬成分と組み合わせて投与できる。かかる医薬組合せは単位豐形態の形であってよく、該単位投与形態は、それぞれ予定された量の少なくとも2種の有効成分を、少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤と共に含む。あるいは、医薬組合せは少なくとも2種の活性成分を別々に含むパッケージの形、例えば、少なくとも2種の活性成分の同時または別々の投与に適合させた、これらの活性成分が別々に配置されているパックまたはディスペンサー装置であってよい。さらなる態様において、本発明はかかる医薬組合せに関する。
【0123】
さらなる態様において、本発明は、それ故に、同時または逐次投与のための治療有効量の本発明の薬剤および第二医薬物質を含む医薬組合せに関する。
【0124】
一つの実施態様において、本発明は、治療において同時に、別々にまたは逐次に使用するための組合せ製剤としての、本発明の製品および少なくとも1種の他の治療剤を含む製品に関する。一つの態様において、治療は、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態である。
【0125】
一つの実施態様において、本発明は、本発明の薬剤および他の治療剤(複数も可)を含む医薬組成物に関する。場合により、医薬組成物は上記の通り医薬上許容される添加物を含んでよい。
【0126】
一つの実施態様において、本発明は2種以上の医薬組成物を含み、少なくともその一方が本発明の薬剤を含む、キットを提供する。一つの態様において、キットは、これらの複数組成物を別々に維持するための手段、例えば容器、分割されたビンまたは分割されたホイルパケットを含む。かかるキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に典型的に使用されているブリスターパックである。本発明のキットは異なる投与形態、例えば、経口および非経腸で投与するために、別々の組成物を異なる投与間隔で投与するためにまたは別々の組成物を互いにタイトレートするために使用し得る。コンプライアンスを助けるために、本発明のキットは、典型的に投与指示を含む。
【0127】
本発明の組合せ治療において、本発明の化合物および治療剤は、同一のまたは異なる製造者により製造および/または製剤されてよい。さらに、本発明の化合物および他の治療剤を(i)組合せ治療の医師への提供前に(例えば本発明の化合物および他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身により(または医師の指導の下に);(iii)例えば本発明の化合物および他の治療剤の逐次投与中に患者自身により一緒にして、組合せ治療にしてよい。従って、本発明は、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態の処置に使用するための本発明の薬剤を提供し、ここで、該医薬は他の治療剤との投与用に製造される。本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態を処置するための他の治療剤の使用も提供し、ここで、該医薬は本発明の薬剤と共に投与される。
【0128】
本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための本発明の薬剤を提供し、ここで、本発明の薬剤は他の治療剤と投与するために製造される。本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための他の治療剤を提供し、ここで、他の治療剤は本発明の薬剤と共に投与するために製造される。本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための本発明の薬剤を提供し、ここで、本発明の薬剤は他の治療剤と共に投与される。本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態の処置方法に使用するための他の治療剤を提供し、ここで、他の治療剤は本発明の薬剤と共に投与される。
【0129】
本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態を処置するための本発明の薬剤の使用を提供し、ここで、患者は、他の治療剤で予め(例えば24時間以内に)処置されている。本発明はまた、アルツハイマー病、軽度認知障害、対糖能障害または2型糖尿病のような、BACE−1、BACE−2またはカテプシンD活性が仲介する疾患または状態の処置のための他の治療剤を提供し、ここで、患者は本発明の薬剤で予め(例えば24時間以内に)処置されている。
【0130】
一つの態様において、本発明は他の治療剤と組み合わせた本発明の化合物に関し、ここで、他の治療剤は次のものから選択される:
(a) アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、例えばドネペジル(AriceptTM)、リバスチグミン(ExelonTM)およびガランタミン(RazadyneTM);
(b) グルタメートアンタゴニスト、例えばメマンチン(NamendaTM);
(c) 気分低調および易怒性のための抗鬱剤、例えばシタロプラム(CelexaTM)、フルオキセチン(ProzacTM)、パロキセチン(PaxilTM)、セルトラリン(ZoloftTM)およびトラゾドン(DesyrelTM);
(d) 不安、不穏状態、言語破壊的行動および抵抗のための抗不安剤、例えばロラゼパム(AtivanTM)およびオキサゼパム(SeraxTM);
(e) 幻覚、妄想、攻撃性、激越、敵意および非協力のための抗精神病剤、例えばアリピプラゾール(AbilifyTM)、クロザピン(クロザリルTM)、ハロペリドール(HaldolTM)、オランザピン(ZyprexaTM)、クエチアピン(SeroquelTM)、リスペリドン(RisperdalTM)およびジプラシドン(GeodonTM);
(f) 気分安定化剤、例えばカルバマゼピン(TegretolTM)およびジバルプロエクス(DepakoteTM);
(g) ニコチンアルファ−7アゴニスト;
(h) mGluR5アンタゴニスト;
(i) H3アゴニスト;および
(j) アミロイド治療ワクチン類。
【0131】
かくして、一の実施態様において、本発明は、下記のものを含む医薬組成物を提供する:
i)本発明の化合物またはその医薬上許容される塩;
ii)下記のものから選択される少なくとも1つの化合物:
a)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、
b)グルタメートアンタゴニスト、
c)抗鬱剤、
d)抗不安剤、
e)抗精神病剤、
f)気分安定化剤、
g)ニコチンアルファ−7アゴニスト、
h)mGluR5アンタゴニスト、
i)H3アゴニスト、および
j)アミロイド治療ワクチン;ならびに
ii)1以上の医薬上許容される担体。
【0132】
別の実施態様において、本発明は、下記のものから選択される別の治療薬と組み合わせる本発明の化合物またはその医薬上許容される塩に関する:
a)抗糖尿病薬、例えば、インスリン、インスリン誘導体およびミメティック;インスリン分泌促進剤、例えば、スルホニル尿素系薬剤、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリール;インスリン分泌性スルホニル尿素受容体リガンド、例えば、メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド;プロテインチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、例えば、PTP−112;GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、例えば、SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445;RXRリガンド、例えば、GW−0791およびAGN−194204;ナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、例えば、T−1095;グリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤、例えば、BAY R3401;ビグアニド、例えば、メトホルミン;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、例えば、アカルボース;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1アナログ、例えば、エキセンディン−4およびGLP−1ミメティック;ならびにDPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えば、ビルダグリプチン;
b)抗高脂血症薬、例えば、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート系薬剤;ニコチン酸胆汁酸結合樹脂、例えばコレスチラミン;フィブラート系薬剤;ニコチン酸および他のGPR109アゴニスト;コレステロール吸収阻害剤、例えば、エゼチミブ;CETP阻害剤(コレステロールエステル転送タンパク質阻害剤)、ならびにアスピリン;
c)抗肥満薬、例えば、オルリスタット、シブトラミンおよびカンナビノイド受容体1(CB1)アンタゴニスト、例えば、リモナバント;ならびに
d)降圧薬、例えば、ループ利尿薬、例えば、エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル;Na−K−ATPアーゼ膜ポンプの阻害剤、例えば、ジゴキシン;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;ACE/NEP阻害剤、例えば、オマパトリラット、サムパトリラットおよびファシドトリル;アンジオテンシンIIアンタゴニスト、例えば、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特に、バルサルタン;レニン阻害剤、例えば、ジテキレン、ザンキレン、テルラキレン、アリスキレン、RO−66−1132およびRO−66−1168;β−アドレナリン受容体遮断薬、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;強心剤、ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミル;アルドステロン受容体アンタゴニスト;ならびにアルドステロンシンターゼ阻害剤;
e)ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体のアゴニスト、例えば、フェノフィブラート、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、テサグリタザル、BMS−298585、L−796449、特許出願WO2004/103995に具体的に記載されている化合物、すなわち、実施例1〜35の化合物または請求項21に具体的に挙げられている化合物、または特許出願WO03/043985に具体的に記載されている化合物、すなわち、実施例1〜7の化合物または請求項19に具体的に挙げられている化合物および特に(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸またはその塩。
【0133】
かくして、一の実施態様において、本発明は、下記のものを含む医薬組成物を提供する:
i)本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、および
ii)下記のものから選択される少なくとも1つの化合物:
a)抗糖尿病薬、
b)抗高脂血症薬、
c)抗肥満症薬、
d)降圧薬、
e)ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体のアゴニスト、ならびに
ii)1つ以上の医薬上許容される担体。
【0134】
他の具体的な抗糖尿病化合物は、Patel MonaによってExpert Opin Investig Drugs, 2003, 12(4), 623-633の図1〜7に記載されている。
【0135】
コード番号、一般名または商品名によって同定される治療薬の構造は、標準的な抄録「The Merck Index」の現行版またはデータベース、例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)から得ることができる。
【実施例】
【0136】
下記の実施例は本発明を説明するが、それに限定されない。
【0137】
略語
【0138】
NMR法
プロトンスペクトルは、特記しない限り、Bruker 400MHzウルトラシールド分光計によって記録される。化学シフトは、メタノール(δ3.31)、ジメチルスルホキシド(δ2.50)またはクロロホルム(δ7.29)と比べてppmで記録される。少量の乾燥試料(2〜5mg)を適当な重水素化溶媒(0.7mL)に溶解する。シム化は自動であり、常法に従ってスペクトルを得る。
【0139】
一般的クロマトグラフィー情報
HPLC方法H1(RtH1):
HPLC−カラム直径:3.0×30mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax SB−C18、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%TFA、B)ACN+0.05Vol.%TFA
HPLC−勾配:30〜100%Bを3.25分間、流速=0.7ml/分
【0140】
HPLC方法H2(RtH2):
HPLC−カラム直径:3.0×30mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax SB−C18、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%TFA、B)ACN+0.05Vol.%TFA
HPLC−勾配:0〜100%Bを3.25分間、流速=0.7ml/分
【0141】
HPLC方法H3(RtH3):
HPLC−カラム直径:3.0×30mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax SB−C18、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%TFA、B)ACN+0.05Vol.%TFA
HPLC−勾配:10〜100%Bを3.25分間、流速=0.7ml/分
【0142】
HPLC方法H4(RtH4):
HPLC−カラム直径:2.1×50mm
HPLC−カラムタイプ:Acquity UPLC HSS T3、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%ギ酸+3.75mM酢酸アンモニウム、B)ACN+0.04Vol.%ギ酸
HPLC−勾配:2〜98%Bを1.7分間、98%B0.75分間、流速=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
【0143】
HPLC方法H5(RtH5):
HPLC−カラム直径:2.1×50mm
HPLC−カラムタイプ:Acquity UPLC HSS T3、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.1Vol.%ギ酸、B)ACN+0.1%ギ酸
HPLC−勾配:10〜95%Bを1.5分間、95%B1.0分間、流速=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
【0144】
HPLC方法H6(RtH6):
HPLC−カラム直径:2.1×30mm
HPLC−カラムタイプ:Ascentis Express C18、2.7μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%ギ酸+3.75mM酢酸アンモニウム、B)ACN+0.04Vol.%ギ酸
HPLC−勾配:2〜98%Bを1.4分間、0.75分間98%B、流速=1.2ml/分
HPLC−カラム温度:50℃
【0145】
HPLC方法H7(RtH7):
HPLC−カラム直径:4.0×20mm
HPLC−カラムタイプ:Mercury MS Synergi、2μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.1Vol.%ギ酸、B)ACN
HPLC−勾配:30%Bを0.5分間、30〜95%Bを1分間、95%Bを0.9分間、流速=2.0ml/分
HPLC−カラム温度:30℃
【0146】
HPLC方法H8(RtH8):
HPLC−カラム直径:4.0×20mm
HPLC−カラムタイプ:Mercury MS Synergi、2μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.1Vol.%ギ酸、B)ACN
HPLC−勾配:70%Bを0.5分間、70〜100%Bを1分間、100%Bを0.9分間、流速=2.0ml/分
HPLC−カラム温度:30℃
【0147】
HPLC方法H9(RtH9):
HPLC−カラム直径:4.6×150mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax XDB−C18、5μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.01Vol.%TFA;B)ACN/MeOH 1:1
HPLC−勾配:30%Bを1分間、30〜100%Bを5分間、100〜30%Bを4分間、流速=1.0ml/分
HPLC−カラム温度:40℃
【0148】
HPLC方法H10(RtH10):
HPLC−カラム直径:4.6×150mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax XDB−C18、5μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.01Vol.%TFA;B)ACN/MeOH 1:1
HPLC−勾配:5%Bを1分間、5〜100%Bを5分間、100〜5%Bを4分間、流速=1.0ml/分
HPLC−カラム温度:40℃
【0149】
LCMS方法H11(RtH11):
HPLC−カラム直径:3.0×30mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax SB−C18、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%TFA;B)ACN+0.05Vol.%TFA
HPLC−勾配:70〜100%Bを3.25分間、流速=0.7ml/分
【0150】
LCMS方法H12(RtH12):
HPLC−カラム直径:3.0×30mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax SB−C18、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%TFA;B)ACN+0.05Vol.%TFA
HPLC−勾配:80〜100%Bを3.25分間、流速=0.7ml/分
【0151】
LCMS方法H13(RtH13):
HPLC−カラム直径:3.0×30mm
HPLC−カラムタイプ:Zorbax SB−C18、1.8μm
HPLC−溶離剤:A)水+0.05Vol.%TFA;B)ACN+0.05Vol.%TFA
HPLC−勾配:40〜100%Bを3.25分間、流速=0.7ml/分
【0152】
実施例1:5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
【化13】
a)5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン
1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−エタノン(CAS 49669−13−8、8.75g、43.7mmol)およびシアン化カリウム(4.27g、65.6mmol)のエタノール/水(40.0/26.7ml)中溶液に炭酸アンモニウム(21.02g、219.0mmol)を添加した。該反応混合物をオートクレーブ中にて100℃で17時間撹拌し、次いで、H2O、1M NaHCO3水溶液およびEtOAcで希釈した。相を分取し、水相をEtOAc、Et2OおよびDCMと反応させた。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標記化合物を薄白色固体として得、これ以上精製せずに次工程で使用した。
HPLC RtH4=0.62分;ESIMS:270、272[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 10.86(br s,1H)、8.48(s,1H)、7.81(m,1H)、7.64(d,1H)、7.57(d,1H)、1.68(s,3H)。
【0153】
b)4−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチル−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−1,3−ジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル
5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(22.8g、84.4mmol)、Boc2O(58.8ml、55.3g、253.4mmol)およびDMAP(0.516g、4.22mmol)のTHF(600ml)中溶液を室温で4時間撹拌した。該反応混合物を濃縮乾固し、次いで、EtOAcに溶解し、シリカで濾過した。シリカカートリッジをEtOAcおよびTHFで洗浄し、合わせた濾液を濃縮して、標記化合物を薄黄色固体として得、これ以上精製せずに次工程で使用した。
HPLC RtH4=1.23分;ESIMS:470、472[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CD3OD):δ 7.82(m,1H)、7.65(m,2H)、2.11(s,3H)、1.60(s,9H)、1.30(s,9H)。
【0154】
c)2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロピオン酸
4−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチル−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−1,3−ジカルボン酸ジ−tert−ブチルエステル(31.53g、67.0mmol)の2.5M NaOH水溶液(215ml)中溶液を40時間環流させた。該反応混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、濾過した。濾液を分取し、有機層をH2Oで洗浄した。合わせた水層を蒸発乾固させて固体を得、これをMeOH(350ml)に懸濁させ、30分間撹拌した。懸濁液を濾過し、白色沈殿物をMeOHで洗浄した。濾液を蒸発させて、薄橙色の固体を得、これ以上精製せずに次工程で使用した。
HPLC RtH4=0.35−0.37分;ESIMS:245、247[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CD3OD):δ 7.60−7.51(m,2H)、7.36(dd,1H)、1.62(s,3H)。
【0155】
d)2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オール
2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロピオン酸(25.5g、72.8mmol)およびBoc2O(33.8ml、31.8g、145.7mmol)のアセトニトリル(300ml)およびメタノール(150ml)中懸濁液に水酸化テトラメチルアンモニウム(25%水溶液65.1ml、182mmol)を添加した。該溶液を、室温で6.5時間撹拌し、濾過した。濾液をMeOHおよびCH3CNで洗浄し、次いで、蒸発させて、橙色の固体を得、DCMおよびブラインで粉砕した。相を分取し、水相をDCMで3回抽出した。合わせた有機相を濃縮して、粗製2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸を薄茶色の泡沫体として得た(HPLC RtH4=0.96−0.97分、ESIMS:345、347[(M+H)+])。
2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(14.1g、40.8mmol)のTHF(150ml)中懸濁液にNaBH4(3.45g、90.0mmol)を0℃で滴下した。BF3/Et2O溶液(11.39ml、12.75g、90.0mmol)を15分間かけて滴下し、該反応混合物を室温で17時間撹拌した。残存する出発物質を反応させるため、NaBH4(1.0g、26.43mmol)、およびBF3/Et2O溶液(3.3ml、26.43mmol)を0℃で添加し、該反応混合物を室温でさらに23時間撹拌した。MeOHを添加し、該反応混合物を80℃で30分間撹拌し、次いで、室温に冷却し、濾過した。該濾液を蒸発させて、白色泡沫体を得、EtOAcおよび1N NaOH水溶液に溶解した。相を分取し、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オールと混合している[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。この混合物(7.5g、9.74mmol)をアセトニトリル(100ml)中にてBoc2O(5.65ml、5.31g、24.34mmol)および水酸化テトラメチルアンモニウム(25%水溶液65.1ml、182mmol)を使用して再Boc化した(rebocylated)。室温で1.5時間撹拌した後、該反応混合物をH2Oでクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分取し、水層をEtOAcで2回再抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して、黄色固体を得、精製せずに、8.1gスケール上で4N HCl水溶液100mlを使用して脱Bocした。該反応混合物を室温で17時間撹拌し、濃縮し、残留物をH2OおよびEtOAcに溶解した。相を分取し、有機相をH2Oで洗浄した。合わせた水相を、2N NaOH水溶液を使用して塩基性化し、次いで、EtOAcで抽出した。相を分取し、水相をEtOAcで2回再抽出した。合わせた有機相をで乾燥させNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オールを無色の固体として得た。HPLC RtH4=0.35分;ESIMS:231、233[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 7.73−7.63(m,2H)、7.45(dd,1H)、4.72−4.69(m,1H)、3.58(dd,1H)、3.40(dd,1H)、2.00(br s,2H)、1.26(s,3H)。
【0156】
e)N−[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オール(4.9g、21.2mmol)のDCM(50ml)中溶液にK2CO3(5.86g、42.4mmol)を添加した。該反応混合物を0℃に冷却し、2−クロロアセチルクロライド(2.55ml、3.59g、31.8mmol)を滴下した。該反応混合物を室温に加温し、5時間撹拌した。MeOH(20ml)を添加し、室温で1時間撹拌し続けた。該反応混合物をH2OおよびDCMで希釈し、相を分取し、水相をDCMで2回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して、N−[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミドを橙色の固体として得た。HPLC RtH4=0.73−0.77分;ESIMS:307、309[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.35(s,1H)、7.70−7.66(m,1H)、7.48(dd,1H)、7.38(dd,1H)、5.05−5.02(m,1H)、4.14(s,2H)、3.68−3.66(m,2H)、1.55(s,3H)。
【0157】
f)5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−モルホリン−3−オン
N−[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミドのtert−ブタノール(90ml)中溶液にKOtBuを添加し、該反応混合物を室温で4時間撹拌した。該反応混合物をH2Oでクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分取し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去して、標記化合物を薄黄色の固体として得た。HPLC RtH4=0.73分;ESIMS:271、273[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.72(s,1H)、7.82−7.78(m,1H)、7.57−7.51(m,2H)、4.10(d,2H)、4.00(d,1H)、3.65(d,1H)、1.42(s,3H)。
【0158】
g)5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−モルホリン−3−チオン
5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−モルホリン−3−オン(4.65g、17.15mmol)およびP25(4.57g、20.58mmol)のピリジン(60ml)中混合物をN2下にて80℃で6時間撹拌した。該反応混合物を室温に冷却し、0.5N HCl水溶液およびEtOAcで希釈した。相を分取し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー処理(シクロヘキサン/EtOAc 100:0〜75:25)後、標記化合物を薄黄色固体として得た。HPLC RtH4=0.89分;ESIMS:287、289[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 11.15(s,1H)、7.86−7.82(m,1H)、7.61(dd,1H)、7.39(dd,1H)、4.44−4.34(d,2H)、4.13(d,1H)、3.74(d,1H)、1.52(s,3H)。
【0159】
h)5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−モルホリン−3−チオン(1.4g、4.88mmol)の7N NH3/MeOH(20.89ml、146mmol)中混合物をオートクレーブ中にて50℃にて3日間撹拌した。該反応混合物を蒸発乾固させ、FC(勾配 シクロヘキサン:EtOAc 75:25〜50:50、次いで+10%Et3N、最後に、MeOH+10%Et3N)によって精製して、粗製標記化合物を得、DCMで洗浄することによって精製した。HPLC RtH4=0.54分;ESIMS:270、272[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.51(br s,2H)、7.83−7.79(m,1H)、7.63−7.61(m,2H)、4.45(s,2H)、4.11(d,1H)、3.84(d,1H)、1.51(s,3H)。
【0160】
i)[5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(1.100g、4.07mmol)、Boc2O(1.229ml、1.155g、5.29mmol)およびDIPEA(1.067ml、0.789g、6.11mmol)のDCM(30ml)中懸濁液を室温で20時間撹拌した。該反応混合物をH2OおよびDCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標記化合物を無色の固体として得、これ以上精製せずに次工程で使用した。HPLC RtH4=0.92分;ESIMS:370、372[(M+H)+]。
【0161】
j)(+)−および(−)−5−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(986mg、2.66mmol)、シクロヘキサンジメチルジアミン(0.420ml、379mg、2.66mmol)、アスコルビン酸ナトリウム(211mg、1.07mmol)、NaN3(1385mg、21.31mmol)およびCuI(203mg、1.07mmol)のエタノール/水(22.0/8.8ml)中混合物をドライアイス/EtOH浴中にてN2で脱ガス処理した。次いで、該反応混合物を45℃で4時間撹拌した。該反応混合物を室温に加温し、ハイフローで濾過し、EtOAcですすぎ、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー処理(シクロヘキサン/EtOAc 勾配 0−3分 100:0、3−25分 60:40、40−52分 50:50)により、標記化合物を得た。HPLC RtH4=0.60、0.66分;ESIMS:305[(M−H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 7.77−7.73(m,1H)、6.81−6.76(m,2H)、4.71−4.63(m,1H)、4.70−4.56(m,2H)、4.06−3.96(m,2H)、1.69(s,3H)、1.51(s,9H)。
【0162】
ラセミ5−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、分取キラルHPLC(カラム:Chiralpak AS;溶媒:n−ヘプタン/エタノール/イソプロピルアミン=80:12:8;流速:70ml/分;220nmで検出)によって純粋な各エナンチオマーに分離した。エナンチオマー1:[α]D=−138.5°(c=1.00、MeOH)。エナンチオマー2:[α]D=+141.5°(c=1.03、MeOH)。以下の工程のために(−)−エナンチオマー1を使用し、その立体配置は、類似構造物と同様に(R)を割り当て、その配置をX線結晶学によって決定した。
【0163】
k)((R)−5−{6−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
5−ブロモピリジン−2−カルボン酸(34.5mg、0.171mmol)のDCM(2ml)中溶液に1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(0.045ml、45.7mg、0.342mmol)を添加し、該反応混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、該反応混合物を0℃にて(−)−5−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(上記工程j)からのエナンチオマー1、47.6mg、0.155mmol)およびNEt3(0.048ml、34.6mg、0.342mmol)のDCM(2ml)中乾燥溶液に滴下した。該反応混合物を室温に加温し、室温で20分間撹拌した。該反応混合物をDCMで希釈し、H2Oでクエンチした。相を分取し、水相をDCMで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、HPLC(Alltech Grom Saphir65 Si 10μMカラム 150×30mm、勾配1 n−ヘプタン:EtOAc 0−1.2分 85:15、1.2−9分 0:100、9−12分 0:100、勾配2 n−ヘプタン:EtOAc:MeOH 0−1.2分 47:50:3、1.2−9分 0:60:40、9−12分 0:60:40、流速50ml/分、検出254nm)によって2回精製した。HPLC RtH4=1.10分;ESIMS:490、492[(M+H)+]。
【0164】
l)5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
5−{6−[(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(43mg、0.088mmol)のDCM(270μl)中溶液にTFA(270μl、400mg、3.51mmol)を添加し、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。該反応混合物を1M NaHCO3水溶液でクエンチし、DCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、手動式フラッシュクロマトグラフィー(NH3−不活化シリカゲル、ヘキサン:DCM:MeOH 10:10:1、次いで、DCM:MeOH 10:1、次いで+0.1%NH3、最後に、MeOH+1%NH3)によって精製して、標記化合物を無色の固体として得た。該遊離塩基のDCM中溶液に1当量の2N HCl/Et2Oを添加し、得られた塩酸塩を回収した。HPLC RtH4=0.76分;ESIMS:390、392[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CD3OD):δ 8.88(d,1H)、8.38(d,1H)、8.33(dd,1H)、8.27−8.24(m,1H)、8.24−7.98(m,1H)、7.33(d,1H)、4.69(d,1H)、4.67(d,1H)、4.30(d,1H)、4.11(d,1H)、1.78(s,3H)。
【0165】
実施例2:5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
【化14】
実施例1のラセミ体は、実施例1の工程j)で得られたラセミ混合物を使用して合成を行う実施例1で用いられた方法と類似の方法によって製造され得、同じ分析データを有する。
【0166】
実施例3:5−{6−[(5−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル−アンモニウム・トリフルオロ酢酸塩
【化15】
a)2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−マロン酸ジエチルエステル
リチウムジイソプロピルアミド(ヘプタン/THF/エチルベンゼン中2.0M溶液、581.3ml)を乾燥THF(400mL)に溶解し、−78℃に冷却した。同温度で、該LDA溶液に2−ブロモ−6−メチルピリジン(50.0g、296.64mmol)を少しずつ15分間添加し、30分間一定に撹拌した。次いで、該撹拌物に乾燥THF(50ml)中のクロロギ酸エチル(94.62g、871.94mmol)を滴下し、該反応塊を−78℃で2時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム飽和溶液でクエンチし、形成された生成物を酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、粗製生成物を、ヘキサン中10%酢酸エチルを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=65.0g(71.4%)。TLC(ヘキサン中10%酢酸エチル)R=0.31;LCMS:RtH8=1.866;[M+1]=315.8および317.9;HPLC:RtH9=4.636分(48%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.587(t,1H)、7.47(d,1H)、7.27(d,1H)、3.91(s,1H)、4.25−4.09(m,4H)、1.24(t,6H)。
【0167】
b)(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸
2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−マロン酸ジエチルエステル(64.0g、202.4mmol)を炭酸カリウム(279.8g、2024mmol)の水(400ml)中溶液に室温にて添加し、該反応混合物を100℃で36時間、加熱還流した。該反応混合物を塩化アンモニウム飽和溶液で処理し、形成された生成物を酢酸エチル(3×800ml)で抽出し、ブライン(10ml)で洗浄した。有機層を減圧濃縮して、標記化合物を薄茶色の固体として得た。収量=34.0g(77.7%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.11;LCMS:RtH8=0.45;[M+1]=216.0および218.0。
【0168】
c)(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸エチルエステル
(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸(34.0g、158.14mmol)のエタノール(300ml)中溶液に濃H2SO4(5.0ml)を添加し、12時間、加熱還流した。該反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮乾固させた。該残留物に水を添加し、該生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮して、粗製生成物を得た。カラムクロマトグラフィーによって、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=31.2g(82%)。TLC(ヘキサン中20%酢酸エチル)R=0.51;LCMS:RtH7=0.996、[M+1]+=244.0および246.0;HPLC:RtH9=3.87分(97.2%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.53(t,1H)、7.39(d,1H)、7.28(d,1H),4.19(q,2H)、3.83(s,2H)、1.25(t,3H)。
【0169】
d)2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロピオン酸エチルエステル
パラホルムアルデヒド(9.6g、319.55mmol)およびナトリウムエトキシド(0.87g、12.784mmol)の乾燥THF(250ml)中溶液に、0℃〜−10℃で、(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−酢酸エチルエステル(31.2g、127.82mmol)を添加し、該反応混合物を同温度で4時間撹拌した。反応混合物中にて形成された固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を濃縮して、粗製生成物を茶色の液体として得た。収量=30.0g(粗)。TLC(ヘキサン中30%酢酸エチル)R=0.28;LCMS:RtH8=0.702、M+1=304.0および306.0。
【0170】
e)2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−メトキシメトキシ−2−メトキシメトキシメチル−プロピオン酸エチルエステル
2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロピオン酸エチルエステル(30.0g、98.638mmol)の乾燥THF(250ml)中溶液に臭化テトラブチルアンモニウム(15.8g、49.319mmol)およびジ−イソプロピルエチルアミン(127.47g、163.0ml)を添加し、次いで、塩化メトキシメチルを室温で滴下した。得られた反応物を65℃で3時間還流し、室温に冷却した。反応混合物を減圧濃縮し、ヘキサン中10%酢酸エチルを使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー処理によって精製して、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=20.4g(52%)。TLC(ヘキサン中30%酢酸エチル)R=0.55;LCMS:RtH7=1.639、[M+1]+=392.0および394.0;1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.49(t,1H)、7.35(d,1H)、7.22(d,1H)、4.62−4.47(m,4H)、4.24−4.16(m,6H)、3.25(s,6H)、1.23(t,3H)。
【0171】
f)2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−メトキシメトキシ−2−メトキシメトキシメチル−プロピオン酸
水酸化リチウム(10.69g、254.95mmol)を室温で2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−メトキシメトキシ−2−メトキシメトキシメチル−プロピオン酸エチルエステル(20.0g、50.99mmol)のエタノール(100ml)および水(100ml)中溶液に添加し、該反応混合物を一夜撹拌した。該反応塊を減圧濃縮し、0℃にて希HClで酸性化した。該生成物を酢酸エチルで抽出し、最少量のブラインで洗浄した。有機層を減圧濃縮して、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=18.0g。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.05;LCMS:RtH8=1.383、[M+1]=364.0および366.0;HPLC:RtH9=3.844分(49%)および3.885分(22%)。
【0172】
g)1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−メトキシメトキシ−1−メトキシメトキシメチル−エチルアミン
2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−メトキシメトキシ−2−メトキシメトキシメチル−プロピオン酸(18.0g)のトルエン(150ml)中懸濁液に、ジフェニルホスホリルアジド(4.08g、148.27mmol)およびトリエチルアミン(14.97g[20.6ml]、148.27mmol)を室温で添加し、100℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。得られた残留物をTHF(600ml)に溶解し、20%NaOH溶液を室温で添加し、1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、形成された生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥させた。有機部分を減圧濃縮し、ヘキサン中35%酢酸エチルを使用して粗製生成物をカラムクロマトグラフィー精製して、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=15.0g(88%[二工程])。TLC(ヘキサン中70%酢酸エチル)R=0.51;LCMS:RtH7=0.28、[M+1]=335.0および337.0。
【0173】
h)N−[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−メトキシメトキシ−1−メトキシメトキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−メトキシメトキシ−1−メトキシメトキシメチル−エチルアミン(15.0g、44.75mmol)のDCM(150ml)中溶液にNa2CO3水溶液(10.91g、水中102.925mmol、30ml)を0℃で添加し、10分間撹拌した。得られた反応混合物にクロロアセチルクロライド(5.56g、49.225mmol)を0℃で添加し、周囲温度で1時間撹拌し続けた。反応混合物をDCM(約1L)で希釈し、水およびブラインで洗浄して反応混合物を後処理し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を分取し、減圧濃縮して、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=9.0g(48%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.54;LCMS:RtH7=1.341、[M+1]=411.0および413.0;HPLC:RtH9=4.27分(50.4%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.11(d,1H)、7.57−7.52(m,1H)、7.46−7.37(m,2H)、4.59−4.52(m,4H)、4.23−4.17(m,4H)、4.09−4.04(m,2H)、3.21(s,6H)。
【0174】
i)N−[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
N−[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−メトキシメトキシ−1−メトキシメトキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(9.0g、21.861mmol)のエタンチオール(30ml)およびBF3.Et2O(9.3g、141.93mmol)中溶液に0℃で添加し、10分間撹拌した。撹拌を室温で3時間続けた。反応混合物をNaHCO3飽和溶液でクエンチし、形成された生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分取し、ブライン溶液で洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮し、クロロホルム中2%メタノールを使用するカラムクロマトグラフィー処理によって精製して、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=5.5g(77%)。TLC(クロロホルム中10%メタノール)R=0.51;LCMS:RtH8=0.916、[M+1]=322.9および324.8;HPLC RtH9=5.931分(89%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.27(s,1H)、7.56(t,1H)、7.42−7.39(m,2H)、4.38(s,2H)、4.09−4.07(m,4H)、3.95(d,2H)。
【0175】
j)5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン
N−[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(5.4g、16.69mmol)のt−BuOH(80ml)中溶液にt−BuOK(2.06g、18.38mmol)を室温で添加し、次いで、ヨウ化ナトリウム(0.25g、1.669mmol)を添加し、該反応混合物を90℃で1時間撹拌した。該反応混合物を減圧濃縮し、得られた残留物を水で処理した。残留物中に存在する化合物を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機部分をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮して、ゴム状化合物を得た。形成された生成物をn−ペンタン(5.0ml)およびジエチルエーテル(5.0ml)でさらに粉砕して、標記化合物を薄黄色のゴム状化合物として得た。収量=3.3g(68.8%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.21;LCMS:RtH8=0.155、[M+1]=286.9および288.8;HPLC RtH9=3.03分(69.8%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.40(s,1H)、7.79(t,1H)、7.57(d,2H)、5.11(s,1H)、4.15(d,1H)、3.99(d,2H)、3.88(d,1H)、3.71−3.60(m,2H)。
【0176】
k)5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン
5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン(2.8g、9.756mmol)の乾燥THF(30ml)中溶液に、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(4.72g、29.268mmol)を室温で添加し、4時間撹拌し続けた。次いで、得られた反応混合物にNa2CO3を添加し、さらに30分間撹拌した。該反応混合物を減圧濃縮し、該生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮して、粗製化合物をゴム状残留物として得た。該生成物をヘキサン中45%酢酸エチル溶媒系で精製して、標記化合物をオフホワイト色の固体として得た。収量=1.15g(40%)。TLC(ヘキサン中70%酢酸エチル)R=0.49;LCMS:RtH7=0.383、[M+1]+=289および289;HPLC RtH9=3.27分(84%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.62(t,1H)、7.49(dd,1H)、7.32(d,1H)、7.09(br.s,1H)、4.92(dd,1H)、4.52(dd,1H)、4.32−4.17(m,3H)、3.98−3.93(dd,1H);19F NMR(376.2MHz):δ −255.65(t,1F)。
【0177】
l)5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(3−フルオロメチル−5−オキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.04g、0.069mmol)、トリス(ジベンジリデン−アセトン)二パラジウム(0)(0.032g、0.035mmol)および炭酸セシウム(0.678g、2.083mmol)の混合物を1,4−ジオキサンに溶解し、アルゴンによって10分間脱ガス処理した。得られた反応混合物に5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン(0.2g、0.694mmol)、次いで、5−クロロピコリンアミド(0.119g、0.764mmol)を添加し、アルゴンによってさらに5分間脱ガス処理した。次いで、反応混合物を80℃で16時間加熱し、室温に冷却した。反応物を水で処理し、生成物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮して液体を得、n−ペンタンで粉砕して、標記化合物をオフホワイト色の固体として得た。収量=0.24g(粗)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.45;LCMS:RtH8=1.215、[M+1]=365.1および366.9;HPLC RtH9=4.367分(53%)。
【0178】
m)5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(3−フルオロメチル−5−チオキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(3−フルオロメチル−5−オキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド(0.24g、0.658mmol)のTHF(10.0ml)中溶液にローソン試薬(0.798g、1.974mmol)を室温で添加し、還流温度で24時間加熱した。反応塊を減圧濃縮した。粗製化合物を直接、ヘキサン中23%酢酸エチルを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物をオフホワイト色の固体として得た。収量=0.19g(72%[二工程])。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.71;LCMS:RtH8=1.578、[M+1]+=381.1および382.9。
【0179】
n)5−{6−[(5−クロロ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル−アンモニウム・トリフルオロ酢酸塩
密閉管中にて5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(3−フルオロメチル−5−チオキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド(0.19g、0.499mmol)のメタノール(2.0ml)中溶液にメタノール中10%アンモニア(8.0ml)を0℃で添加し、室温で24時間撹拌した。反応塊を減圧濃縮し、直接、分取HPLCによって精製した。条件:カラム:C18−ZORBAX 21.2×150mm;5μm。移動相:水中0.1%TFA(A)/ACN;流速:20ml/分。収量:86mg(36%)。融点:216−218℃。TLC(クロロホルム中20%メタノール)R=0.45;LCMS:RtH8=0.194 [M+1]=364.0および366.1;HPLC RtH9=3.222分(98.7%);1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 10.85(s,1H)、10.37(s,1H)、9.37(s,1H)、8.50−8.79(m,2H)、8.31−8.23(m,3H)、8.06(t,1H)、7.37(d,1H)、4.96(dd,1H)、4.85(dd,1H)、4.62(dd,2H)、4.25−4.16(m,2H)。生成物形成もまた2D NMR−ROESYによって確認された。
【0180】
実施例4〜7:実施例3で使用した方法と同様の方法で表4に記載の化合物を製造した。
【0181】
【表4-1】

【表4-2】
【0182】
実施例8:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
【化16】
a)4−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
0℃で予備冷却した、塩化チオニル(3.42ml、5.57g、46.8mmol)のピリジン(9.46ml、9.25g、117.0mmol)中溶液に[1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例1の工程d)を参照、7.75g、23.4mmol)のDCM(230ml)中溶液を滴下した。該反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、0.5N HCl水溶液およびDCMを添加し、相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標記化合物(ジアステレオマーの混合物)を橙色の固体として得た。HPLC RtH4=1.16、1.20分(ジアステレオマー);ESIMS:377、379[(M+H)+]。
【0183】
b)4−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ6−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチル−2−オキソ−2λ4−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(8.83g、23.4mmol)のアセトニトリル(60ml)およびH2O(30.0ml)中溶液にRuCl3・水和物(0.971g、4.68mmol)およびNaIO4(10.01g、46.8mmol)を添加した。該反応混合物を0℃で2時間撹拌した。H2OおよびDCMを添加し、相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDCMに溶解し、シリカゲルで濾過し、濾液を蒸発させ、残留物をTBME(10ml)およびn−ヘキサン(100ml)で粉砕した。得られた沈殿物を濾過し、n−ヘキサンで洗浄して、標記化合物を無色の結晶性固体として得た。HPLC RtH4=1.16分;ESIMS:393、395[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.63−7.59(m,1H)、7.47−7.42(m,2H)、4.73(d,1H)、4.47(d,1H)、2.00(s,3H)、1.52(s,9H)。
【0184】
c)(R)−2−[(RS)−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル
0℃で、NaH(鉱油中60%分散体0.508g、12.69mmol)を4−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチル−2,2−ジオキソ−2λ6−[1,2,3]オキサチアゾリジン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.84g、9.76mmol)および(R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(2.54g、13.67mmol)のDMF(10ml、4Åモレキュラーシーブで調製した溶液)中溶液に添加した。該反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで、60℃で17時間撹拌した。該反応混合物をH2Oでクエンチし、1N HCl水溶液およびEtOAcで希釈した。相を分取し、水相をEtOAcで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン:EtOAc、勾配 0−5分 100:0、5−30分 90:10、30−40分 90:10、40−50分 80:20、50−55分 80:20)によって、標記化合物(ジアステレオマー混合物)を透明な油として得た。HPLC RtH4=1.39分;ESIMS:499、501[(M+H)+]。
【0185】
d)[(RS)−1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−カルバモイル−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
密閉したガラスバイアル中にて、(R)−2−[(RS)−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(3.0g、6.01mmol)の7N NH3/MeOH(6.5ml)中溶液を55℃で72時間撹拌した。該反応混合物を濃縮して、標記化合物を無色の固体として得、これ以上精製せずに次工程で使用した。HPLC RtH4=1.12、1.14分(ジアステレオマー);ESIMS:470、472[(M+H)+]。
【0186】
e)[(RS)−1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
0℃に予備冷却した[(RS)−1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−カルバモイル−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.18g、4.64mmol)およびNEt3(1.615ml、1.173g、11.59mmol)のDCM(30ml)中溶液にTFAA(0.773ml、1.168g、5.56mmol)を滴下した。0℃で5分間撹拌し、次いで、室温で1時間撹拌した後、該反応混合物をNa2CO3飽和水溶液およびDCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、薄黄色の油を得、7N NH3/MeOHと一緒に5分間撹拌した。該混合物を蒸発乾固させ、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン:EtOAc 0−3分 100:0、3−35分 65:35)によって精製して、標記化合物を透明な油として得た。
HPLC RtH4=1.30分;ESIMS:452、454[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.59−7.53(m,1H)、7.42−7.36(m,2H)、5.66(br s,1H)、4.41−4.31(m,1H)、4.25−4.18(m,1H)、1.71(d,3H)、1.66(d,3H)、1.43(s,9H)。
【0187】
f)(R)−2−[(RS)−2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオニトリル
[(RS)−1−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.456g、1.008mmol)およびTFA(1.554ml、2.299g、20.17mmol)のDCM(5ml)中溶液を室温で30分間撹拌し、濃縮し、7N NH3/MeOHで室温にて20分間粉砕し、再度、濃縮して、標記化合物を得、これ以上精製せずに次工程に使用した。HPLC RtH4=0.69、0.73分(ジアステレオマー);ESIMS:352、354[(M+H)+]。
【0188】
g)(2R,5RS)−5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
(R)−2−[(RS)−2−アミノ−2−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオニトリル(0.688g、1.172mmol)、N−アセチル−L−システイン(0.383g、2.344mmol)およびK2CO3(0.356g、2.560mmol)の無水EtOH(4ml)中懸濁液を80℃で18時間撹拌した。該反応混合物を10%K2CO3水溶液でクエンチし、TBMEで3回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標記化合物を無色の固体として得た。HPLC RtH4=0.68−0.70分;ESIMS:352、354[(M+H)+]。
【0189】
h)[(2R,5R)−5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび(2R,5S)−ジアステレオマー
(R)−5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン、Boc2OおよびDIPEAのDCM(4ml)中混合物を室温で20時間撹拌した。該反応混合物をNaHCO3飽和水溶液でクエンチし、DCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。HPLC精製(Alltech Grom Saphir 65 Si、10μm、250×50mmカラム、勾配 Hept:EtOAc 0−1.6分 85:15、1.6−16分 0:100、16−21.2分 0:100、流速:100ml/分、検出:254nm)によって、所望の(2R,5R)および望まない(2R,5S)ジアステレオマーを得た。HPLC RtH4=1.28分(2R、5S)、1.30分(2R,5R);ESIMS:452、454[(M+H)+];1H NMR(2R、5R)(400MHz、CDCl3):δ 10.98(br s,1H)、7.59(t,1H)、7.43(d,1H)、7.34(d,1H)、4.39(d,1H)、4.08(d,1H)、1.62(s,3H)、1.55(s,12H);1H NMR(2R、5S)(400MHz、CDCl3):δ 11.01(br s,1H)、7.57(t,1H)、7.42(d,1H)、7.37(d,1H)、4.45(d,1H)、3.91(d,1H)、1.74(s,3H)、1.65(s,3H)、1.55(s,19H)。
【0190】
i)((2R,5R)−5−{6−[(5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(2R,5R)−5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(60.00mg、0.133mmol)、5−シアノ−3−メチルピコリンアミド(23.52mg、0.146mmol)、Xantphos(6.91mg、0.012mmol)およびCs2CO3(60.50mg、0.186mmol)のジオキサン(0.611ml)中混合物をアルゴンによって5分間脱ガス処理し、次いで、Pd2dba3(3.64mg、3.98μmol)を添加し、該反応混合物を40℃で18時間撹拌した。該反応混合物をH2OおよびTBMEで希釈した。相を分取し、水相をTBMEで再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。HPLC精製(Alltech Grom Saphir 65 Si 10μMカラム、150×30mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc 0−1.2分 75:25、1.2−9分 0:100、9−12分 0:100、流速:50ml/分、検出:254nm)によって、標記化合物を無色の固体として得た。HPLC RtH4=1.37分;ESIMS:533[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 11.22(s,1H)、10.47(s,1H)、8.78(d,1H)、8.33(d,1H)、7.98(d,1H)、7.84−7.80(m,1H)、7.13(d,1H)、4.37(d,1H)、4.11(d,1H)、2.88(s,3H)、1.64(s,3H)、1.57(br s,12H)。
【0191】
j)5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
((2R,5R)−5−{6−[(5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(50.0mg、0.094mmol)のDCM(0.3ml)中溶液にTFA(0.289ml、428.0mg、3.760mmol)を添加し、該反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、NaHCO3飽和水溶液およびTBMEを添加し、相を分取し、水相をTBMEで2回再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残留物をMeOHで洗浄して、標記化合物を無色の結晶性固体として得た。HPLC RtH4=0.84分;ESIMS:433[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CD3OD):δ 8.85(s,1H)、8.21−8.18(m,2H)、7.82−7.78(m,1H)、7.23(d,1H)、4.18(d,1H)、3.80(d,1H)、2.76(s,3H)、1.46−1.45(2s、6H)。
【0192】
実施例9および10:実施例8で使用した方法と同様の方法によって表5に記載される化合物を製造することができる。
【0193】
ジオキサン中の塩酸またはジエチルエーテル中の塩酸の添加および溶媒の蒸発によって、対応する遊離塩基の溶液から塩酸塩を得た。
【0194】
【表5】
【0195】
実施例11:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化17】
a)2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−プロパン−2−オール
2−ブロモ−5−フルオロピリジン(25g、142mmol)のジエチルエーテル(600ml)中溶液にn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、56.8ml、142mmol)を窒素雰囲気下にて−78℃で少しずつ添加した。得られた黄色の反応混合物を−78℃で2時間撹拌し、乾燥アセトン(11.47ml、156mmol)を30分間かけて添加した。−78℃で1時間撹拌し続けた。HCl(2N、50ml)を添加し、該反応混合物を0℃に加温した。該混合物のpHを2N HCl溶液で約7に調整した。該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗製生成物(29.36g)をシリカゲルによるクロマトグラフィー処理した(シクロヘキサン:酢酸エチル 9:1):22.3g(収率67.1%)。TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 9:1)R=0.33;LCMS RtH5=0.89分(ES+ 234、236)。1H−NMR(360MHz、DMSO−d6):7.72−7.62(m,2H)、5.27(s,1H、OH)、1.50(s,6H,2×CH3)。
【0196】
b)6−ブロモ−3−フルオロ−2−イソプロペニル−ピリジン
2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−プロパン−2−オール(22.3g、95mmol)およびメタンスルホン酸無水物(49.8g、286mmol)のジクロロメタン中溶液にトリエチルアミン(53.1ml、381mmol)を0℃にて滴下した。該反応混合物を室温で20時間撹拌した。該反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで希釈した。水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した(揮発性成分)。茶色の粗製油をシリカによるクロマトグラフィー処理して(シクロヘキサン:酢酸エチル 9:1)、標記化合物を透明な液体として得た。17.35g(収率84%)。TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 9:1)R=0.58;1H−NMR(360MHz、CDCl3):7.26−7.15(m,2H)、5.72(s,1H)、5.47(s,1H)、2.12(s,3H,CH3)。
【0197】
c)2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−プロパン−1,2−ジオール
6−ブロモ−3−フルオロ−2−イソプロペニル−ピリジン(17.35g、80mmol)のアセトン(45ml)および水(90ml)中溶液にN−メチルモルホリン−N−オキシド・水和物(11.4g、84mmol)および四酸化オスミウム(5.04ml、0.402mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温で44時間撹拌した。水(70ml)中の亜ジチオン酸ナトリウム(2g)を添加し、該反応混合物を15分間撹拌し、次いで、濾過し、真空濃縮した。酢酸エチルを添加し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。かすかに黄色の固体18.29g(収率91%)。LCMS RtH5=0.64分(ES+ 250、252);1H−NMR(360MHz、CDCl3):7.46(dd,1H)、7.35(dd,1H)、5.09(s,1H、OH)、3.96(d,1H)、3.78(d,1H)、2.45(幅広,1H,OH)、1.53(s,3H,CH3)。
【0198】
d)メタンスルホン酸2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル
2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−プロパン−1,2−ジオール(18.29g、73.1mmol)のジクロロメタン(350ml)中溶液にトリエチルアミン(20.39ml、146mmol)を添加した。メタンスルホニルクロライド(6.27ml、80mmol)を0℃にて10分間かけて滴下した。0℃で30分間撹拌し続けた。該反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。31.46g(粗製物、これ以上精製せずに次工程に使用した)。LCMS RtH5=0.81分(ES+ 328、330);1H−NMR(360MHz、CDCl3):7.52(dd,1H)、7.41(dd,1H)、5.13(s,1H,OH)、4.61(d,1H)、4.45(d,1H)、3.05(s,3H,CH3SO2)、1.61(s,3H,CH3)。
【0199】
e)1−アジド−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−プロパン−2−オール
メタンスルホン酸2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル(5g、15.24mmol)、塩化アンモニウム(4.08g、76mmol)およびアジ化ナトリウム(2.476g、38.1mmol)のエタノール(100ml)中混合物を80℃で20時間撹拌した。該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。3.1g(収率74%)。TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 9:1)R=0.35;LCMS RtH5=0.97分(ES+ 275、277);1H−NMR(360MHz、CDCl3):7.51(dd,1H)、7.36(dd,1H)、5.18(s 幅広,1H,OH)、3.68−3.60(AB系,2H)、1.59(s,3H,CH3)。
【0200】
f)6−ブロモ−3−フルオロ−2−(2−メチル−アジリジン−2−イル)−ピリジン
1−アジド−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−プロパン−2−オール(11.2g、40.7mmol)のTHF(60ml)中溶液にトリフェニルホスフィン(10.68g、40.7mmol)を添加し、該反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空除去し、得られた残留物をジエチルエーテルに溶解し、コットンプラグで濾過して、トリフェニルホスフィンオキシドを除去した。濾液をクエン酸(水20ml中9.6g)で洗浄し、有機相を分取した。水層を2N NaOHで塩基性にし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、若干のTPPOが存在する標記化合物を得た:黄色の油8.1g(収率69%)。TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1)R=0.28;LCMS RtH6=0.46(ES+ 231、233);
1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.34(dd,1H)、7.24(dd,1H)、1.99(s,1H)、1.89(s,1H)、1.65(s,3H,CH3)。
【0201】
g)6−ブロモ−3−フルオロ−2−[2−メチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−ピリジン
6−ブロモ−3−フルオロ−2−(2−メチル−アジリジン−2−イル)−ピリジン(8g、27.7mmol)のTHF(48ml)および水(16ml)中溶液にN−メチルモルホリン(3.5ml、27.7mmol)およびo−ノシルクロライドを添加した。該反応混合物を室温で4時間撹拌した。3gニュートラルAloxを添加し、該反応混合物を濾過した。該濾液をジクロロメタンで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液および水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物11.2gをシリカゲルで精製して(シクロヘキサン:酢酸エチル 60:40)、標記化合物を得た。8.69g(収率75%)。LCMS RtH5=1.09分(ES+ 416、418)。1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.27(m,1H)、7.80−7.73(m,3H)、7.46(dd,1H)、7.34(dd,1H)、3.32(s,1H)、3.20(s,1H)、2.10(s,3H,CH3)。
【0202】
h)(R)−2−[2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル
(R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(715mg、3.84mmol)のDMF(4ml)中溶液にNaH(55%)(154mg、3.84mmol)を室温で添加し、該反応混合物を室温で30分間撹拌した。6−ブロモ−3−フルオロ−2−[2−メチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−ピリジン(800mg、1.922mmol)のDMF(9ml)中溶液を添加し、該反応混合物を室温で48時間撹拌した。該反応混合物を氷/2N HCl/t−ブチル−メチルエーテル混合物上に注いだ。有機層を重炭酸ナトリウム飽和溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル)によって、標記化合物を2つのジアステレオ異性体の混合物として得た。300mg(収率26%)。TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1)R=0.42;LCMS RtH5=1.25分(100%、TIC ES+ 602、604)。
【0203】
i)(R)−2−[2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド
(R)−2−[2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(720mg、1.195mmol)のメタノール中7N NH3(19ml、133mmol)中溶液を、25mlマイクロ波用密閉バイアル中にて50℃で2日間撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物(987mg)をシリカゲルによるクロマトグラフィー処理して(シクロヘキサン/酢酸エチル)、標記化合物を2つのジアステレオ異性体の混合物として得た(500mg、収率73%)。TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1)R=0.30;LC−MS RtH5=1.05分(ES+ 573、575)。
【0204】
j)N−[1−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
(R)−2−[2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド(200mg、0.349mmol)およびトリエチルアミン(0.121ml、0.872mmol)のジクロロメタン(3ml)中溶液にTFAA(0.059ml、0.419mmol)を0〜5℃で添加し、該反応混合物を室温で18時間撹拌した。TFFAおよびトリエチルアミン(それぞれ、0.6および1.2当量)をさらに添加して、24時間後に反応を完了させた。該反応混合物を冷重炭酸ナトリウム飽和溶液に添加し、該生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を0.1N 冷HCl溶液、水および重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下にて蒸発させた。2つのジアステレオ異性体の混合物として粗製生成物190mg(収率98%)。TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1)R=0.24;LCMS RtH5=1.20分(ESI+ 555、557)。
【0205】
k)(2R,5S)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミンおよび(2R,5R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
N−[1−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(1000mg、1.801mmol)、炭酸カリウム(548mg、3.96mmol)およびN−アセチルシステイン(588mg、3.6mmol)のエタノール(17ml)中溶液を80℃で3日間撹拌して、出発物質を全て消費した。該反応混合物を真空濃縮し、該黄色泡沫体を酢酸エチルおよび20%炭酸カリウム水溶液に溶解した。有機相を重炭酸ナトリウム飽和溶液およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。黄色の油660mg。2つのジアステレオ異性体を順相分取HPLCクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル/MeOH)によって分取した。
(2R,5S)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(シス誘導体):76mg。TLC(トルエン/酢酸エチル 8:2+5%ETA)R=0.26;LCMS RtH4=0.73分(純度100%、EI+ 370、372);1H−NMR(600MHz、DMSO−D6):7.69−7.61(m,2H)、6.0(幅広 s,2H,NH2,アミジン)、4.15(d,1H,AB系)、3.71(s,1H,AB系)、1.59(s,3H,CH3)、1.47(s,3H,CH3)。
(2R,5R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(トランス誘導体):89mg。TLC(トルエン/酢酸エチル 8:2+5%ETA)R=0.31;LCMS RtH4=0.73分(純度100%、EI+ 370、372);1H−NMR(600MHz、DMSO−D6):7.73−7.61(m,2H)、6.0(幅広 s,2H,NH2,アミジン)、4.04(d,1H、AB系)、3.72(d,1H、AB系)、1.52(s,3H,CH3)、1.48(s,3H,CH3)。
【0206】
l)5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
(2R,5R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(80mg、0.216mmol)、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸アミド(34.8mg、0.216mmol、中間体アミド1を参照)、Xantphos(11.26mg、0.019mmol)および炭酸セシウム(99mg、0.303mmol)のジオキサン(2ml)中混合物をアルゴンによって5分間脱ガス処理した。Pd2(dba)3(5.94mg、6.48μmol)を添加し、マイクロ波用バイアルを密閉し、80℃で18時間撹拌した。該反応混合物を水およびTBMEで希釈した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。橙色の固体173mg。シリカゲルクロマトグラフィー処理(2つの20×20cmプレート上で適用、1mm、ジクロロメタン:メタノール 9:1;これらのプレートのダブル旋回を伴うジクロロメタン:メタノール 95:5による再クロマトグラフィー処理)によって、標記化合物:15mgおよび21mgを得た。合計量:36mg(収率37%)。TLC(ジクロロメタン/メタノール 9:1)R=0.53;API ES+ MS 451。LCMS RtH4=0.87分(100%、ES+ 451)、1H−NMR(400MHz、CDCl3):10.80(br s,1H)、8.83(br s,1H)、8.41(dd,1H)、7.93(br s,1H)、7.55(t,1H)、5.8−4.6(非常に幅広,2H)、4.23(br s,2H)、2.83(s,3H)、1.75(s,3H)、1.66(s,3H)。
【0207】
実施例12:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化18】
実施例11で用いた方法と同様の方法によって、5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3S,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミドを製造することができる。
TLC(ジクロロメタン/メタノール 9:1)R=0.47;API ES+ MS 451。LCMS RtH4=0.86分(100%、ES+ 451);1H−NMR(400MHz、CDCl3):10.65(br s,1H)、8.83(d,1H)、8.37(dd,1H)、7.96(d,1H)、7.51(dd,1H)、6.0−5.0(非常に幅広,2H)、4.38(d,1H)、4.09(d,1H)、2.85(s,3H)、1.78(s,3H)、1.71(s,3H)。
【0208】
実施例13:5−{2−[(5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−4−イル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル−アンモニウム・酢酸塩
【化19】
a)2−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−マロン酸ジエチルエステル
2−ブロモ−4−メチルピリジン(70.0g、407mmol)をLDA(トルエン/THF/エチルベンゼン中2.0M、610.4ml、1.22mol)の乾燥THF(600ml)中冷(−78℃)溶液に30分間滴下した。−78℃で滴下漏斗を用いて、得られた反応混合物にクロロギ酸エチル(132.3g、1.22mol)を添加し、90分間撹拌し続けた。反応混合物をNH4Cl飽和溶液で処理し、酢酸エチルで後処理し、水およびブラインで洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮して粗製生成物を得、ヘキサン中10%酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィー処理することによって精製し、標記化合物を茶色の油状液体として得た。収量:115.0g(89%)。TLC(ヘキサン中10%酢酸エチル)R=0.15;LCMS:RtH8=1.475 [M+1]+=315.8および317.8;HPLC RtH9=7.30分(86.7%);1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 8.38(d,1H)、7.56(t,1H)、7.34(dd,1H)、4.55(s,1H)、4.29−4.18(m,4H)、1.28(t,6H)。
【0209】
b)(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−酢酸
2−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−マロン酸ジエチルエステル(115g、316mmol)およびK2CO3(125.23g、907.5mmol)の水(500ml)中懸濁液を一定の撹拌下にて100℃で8時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮して、溶媒を完全に除去した。固体残留物を最少量の水(25ml)に溶解し、ヘキサン中20%酢酸エチルで洗浄して、無極性不純物を除去した。水層を分取し、0℃に冷却し、次いで、6N HCl水溶液を使用してpHを約6〜7に調整した。沈殿した固体を、ブフナー漏斗を使用して濾過し、氷冷水で洗浄し、真空乾燥させて、標記化合物をオフホワイト色の固体として十分な純度で得た。収量:60.0g(76.3%)。TLC(ヘキサン中70%酢酸エチル)R=0.05;
LCMS:RtH8=0.193;[M+1]+=215.9および217.9;HPLC RtH9=3.025分(98%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 12.71(s,1H)、8.33(d,1H)、7.61(s,1H)、7.37(d,1H)、3.71(s,3H)。
【0210】
c)(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−酢酸エチルエステル
(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−酢酸(60.0g、277.7mmol)のエタノール(600ml)中溶液に、濃硫酸(5.0ml)を室温で添加し、該反応混合物を90℃で9時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮して、溶媒を完全に除去した。得られた残留物を0℃に冷却し、10%NaHCO3水溶液を使用してpHを8に調整した。得られたものを酢酸エチルで後処理し、水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮して、粗製化合物を得た。溶離剤としてヘキサン中15%酢酸エチルを使用して該粗製化合物のカラムクロマトグラフィー精製を行って、標記化合物を茶色の油として得た。収量:65.0g(88.5%)。TLC(ヘキサン中30%酢酸エチル)R=0.39;LCMS:RtH7=0.824 [M+1]+=243.8および245.8;HPLC RtH9=3.759分(69%);1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 8.32(t,1H)、7.43(s,1H)、7.21−7.15(M、1H)、4.18(q,2H)、1.27(t,3H)。
【0211】
d)2−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロピオン酸エチルエステル
(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−酢酸エチルエステル(40.0g、163.93mmol)およびパラホルムアルデヒド(9.84g、327.8mmol)の乾燥DCM中氷冷撹拌混合物に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.49g、1.49ml、9.83mmol)を添加し、2時間撹拌した。反応混合物を0℃にて(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸(2.283g、9.83mmol)で処理し、有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を濃縮して、ゴム状の油状物質を得た。粗製化合物を、溶離剤としてDCM中5〜8%メタノールを使用してトリエチルアミン処理シリカゲルにより精製して、標記化合物を茶色の液体として得た。収量=20.0g(40%)。TLC(ヘキサン中30%酢酸エチル)R=0.06;LCMS:RtH7=0.191;[M+1]+=303.9および305.8;HPLC RtH9=6.019分(43%);1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.36−8.31(m,1H)、7.34−7.25(m,1H)、6.37−6.33(m,1H)、4.6(d,1H)、4.14−4.08(m,2H)、4.04−3.91(m,4H)、1.13(t,3H)。
【0212】
e)5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−カルボン酸エチルエステル
2−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−プロピオン酸エチルエステル(30.0g、98.6mmol)2,2−ジメトキシプロパン(51.11g、[60.5ml]、493.1mmol)および(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸(5.72g、24.65mmol)のDMF(100ml)中混合物を80℃で10時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、水およびブラインで洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥させることによって後処理した。有機層を減圧濃縮し、粗製生成物を、ヘキサン中10%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィー処理によって精製して、標記化合物を黄色の固体として得た。収量=18.15g(53%)。TLC(ヘキサン中30%酢酸エチル)R=0.52;LCMS:RtH7=1.487;[M+1]+=344.0および346.0;HPLC RtH9=7.6分(74%);1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 8.41−8.34(t,1H)、7.54(s,1H)、7.32−7.28(m,1H)、4.51(dd,2H)、4.27−4.21(q,4H)、1.45(s,3H)、1.39(s,3H)、1.23(t,3H)。
【0213】
f)5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−カルボン酸エチルエステル
LiOH.H2O(11.1g、263.5mmol)の水(10ml)中溶液を5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−カルボン酸エチルエステル(18.1g、52.7mmol)のエタノール(60ml)中溶液に0℃で添加し、得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、溶媒を完全に除去した。得られた湿塊を0℃に冷却し、氷酢酸で酸性化し(約pH6を保持)、該生成物を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、濃縮して茶色の固体を得、これ以上精製せずに次工程に使用した。収量=14.1g(85%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.03;LCMS:RtH8=0.343 [M+1]+=316.0、318.0;1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 8.28−8.21(t,1H)、7.7(s,1H)、7.58−7.54(m,1H)、4.21−3.95(dd,4H)、1.36(s,3H)、1.14(s,3H)。
【0214】
g)5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イルアミン
ジフェニルホスホリルアジド(14.3mL、66.45mmol)を5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−カルボン酸エチルエステル(14.0g、44.3mmol)およびトリエチルアミン(17.24ml、133.0mmol)のトルエン(100ml)中溶液に0℃で添加した。得られた反応混合物を7時間の一定撹拌下にて80℃に加熱した。反応混合物を減圧濃縮して、溶媒を完全に除去した。濃縮後に得られた残留物をTHF(100ml)に溶解し、0℃に冷却した。2N NaOH水溶液を滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、THFを除去し、得られた残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮して、茶色がかった油状物質を得、低温(<10℃)で固化した。収量=9.5g(75%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.15;LCMS:RtH7=0.083; [M+1]+=287.0および289.0。
【0215】
h)N−[5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル]−2−クロロ−アセトアミド
5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イルアミン(9.5g、33.1mmol)のDCM(100ml)中溶液にNa2CO3水溶液(50ml中8.7g)を0℃で添加し、5分間撹拌し続けた。得られた反応混合物にクロロアセチルクロライド(2.9ml、36.41mmol)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応塊をDCM(200ml)で希釈し、有機層を水およびブラインで連続洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮して、茶色の固体を得た。該生成物をこれ以上精製せずに直接次工程に使用した。収量=10.2g(85%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.15;LCMS:RtH8=0.55 [M+1]+=363.0および364.9。
【0216】
i)N−[1−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
N−[5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−5−イル]−2−クロロ−アセトアミド(10.0g、27.6mmol)のDCM(150ml)中溶液を10分間0℃に冷却し、トリフルオロメチル酢酸(15.0ml)を添加した。2時間撹拌し続け、得られたものを減圧濃縮した。形成された残留物をNH4OH水溶液で塩基性にし、該生成物を酢酸エチル(3×200ml)で抽出し、有機層をブライン(5.0ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮して、標記化合物を茶色の液体として得、これ以上精製せずに次工程に供給した。収量=8.1g(91%)。TLC(ヘキサン中70%酢酸エチル)R=0.15;LCMS:RtH8=0.12 [M+1]+=322.9および324.9;HPLC RtH9=5.266分(61%)、5.104(25%)。
【0217】
j)5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン
N−[1−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(8.0g、24.8mmol)のt−BuOH(50ml)中溶液にt−BuOK(5.5g、49.6mmol)およびNaI(0.375g、2.48mmol)を添加し、90℃に1時間加熱した。反応塊を減圧濃縮し、残留物をEtOAcで希釈した。有機層を分取し、塩化アンモニウム溶液およびブラインで洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥させた。粗製生成物を、DCM中5%メタノールを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を薄茶色のゴムとして得た。収量=3.25g(46%)。TLC(酢酸エチル)R=0.17;LCMS:RtH8=0.12; [M+1]+=286.7および289。
【0218】
k)5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン
5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン(3.25g、11.0mmol)、Na2CO3(3.5g、13.06mmol)の乾燥THF(15ml)中懸濁液に三フッ化ジエチルアミノ硫黄(2.25ml、17.0mmol)を0℃で添加した。該反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。該反応混合物に固体Na2CO3(3.5g)を再度添加し、室温で4時間撹拌した。反応混合物中に存在する固体をブフナー漏斗で濾過した。濾液を減圧濃縮し、粗製生成物を、DCM中5%メタノールを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を薄黄色の固体として得た。収量=2.1g(66%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.17;LCMS:RtH7=0.201;[M+1]+=289および291;HPLC:RtH9=5.171分(50%)および5.063(21%)。
【0219】
l)5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(3−フルオロメチル−5−オキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
5−(2−ブロモ−ピリジン−4−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン(0.2g、0.695mmol)、5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸(酸2)(0.135g、0.763mmol)および炭酸セシウム(0.678g、2.085mmol)の1,4−ジオキサン(5.0ml)中撹拌溶液をアルゴンによって10分間脱ガス処理した。得られた混合物に4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.041g、0.035mmol)を添加し、再度10分間脱ガス処理した。次いで、トリス(ジベンジリデン−アセトン)二パラジウム(0)(0.032g、0.07mmol)の最終添加を行い、アルゴンによってさらに5分間脱ガス処理した。反応混合物を80℃に20時間加熱し、室温に冷却した。反応混合物に水を添加し、生成物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、次いで、無水Na2SO4で乾燥させた。有機層を減圧濃縮して、標記化合物を粘着性の固体として得、これ以上精製せずに次工程に使用した。収量=0.14g(52%)。TLC(ヘキサン中50%酢酸エチル)R=0.45;LCMS:RtH8=0.868 [M+1]+=384.0;1H NMR(300MHz、CDCl3):δ 10.7(s,1H)、8.51−8.41(m,H)7.51−7.46(d,1H)、7.34−7.16(m,1H)、4.99−4.60(m,2H)、4.34−3.79(m,4H)。
【0220】
m)5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(3−フルオロメチル−5−チオキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(3−フルオロメチル−5−オキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド(0.14g、0.378mmol)のTHF(4.0ml)中撹拌溶液にローソン試薬(0.46g、1.135mmol)を添加し、2時間加熱還流した。該反応混合物を減圧濃縮して、粗製生成物を粘着性の固体として得、溶離剤としてヘキサン中25%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、標記化合物を粘着性の固体として得た。収量=0.095g(65%)。TLC(ヘキサン中30%酢酸エチル)R=0.61;LCMS:RtH8=1.489 [M+1]+=399.8。
【0221】
n)5−{2−[(5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−4−イル}−5−フルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル−アンモニウム・酢酸塩
5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(3−フルオロメチル−5−チオキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド(0.095g、0.238mmol)の10%アンモニアメタノール溶液(5.0ml)中溶液を密閉管中にて室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮して、半固体を得た。生成物分取HPLC方法によって精製して、標記化合物を半固体として得た。分取HPLC条件:カラム:Agilent Zorbax XDB C18。移動相:A:10mm;酢酸アンモニウム;B:ACN、60ml;流速:20ml/分;勾配:0−30、2−40、10−80。収量=28mg(31%)。LCMS:RtH7=0.191 [M+1]+=383.1;HPLC:RtH9 3.208分(97%);1H NMR(300MHz、DMSO−d6):δ 10.52(s,1H)、8.35(dd,2H)、7.28(d,1H)、6.15(br.s,1H)、4.51−4.28(m,2H)、4.07−3.94(m,3H)、)、3.69(d,2H)、1.89(s,3H);19F NMR(376.1):δ −218.9。
【0222】
実施例14および15:実施例13で用いた方法と同様の方法によって、表6に記載の化合物を製造した。
【0223】
【表6】
【0224】
実施例16:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化20】
a)2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−プロパン−2−オール
2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン(CAS 41404−58−4、25.0g、139mmol)のTHF(300ml)中溶液にLDA(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2M溶液100ml、200mmol)をN2雰囲気下にて−78℃で滴下した。−78℃で1時間撹拌し続け、次いで、アセトン(20.44ml、16.17g、278mmol)を滴下し、−78℃でさらに1時間撹拌し続けた。該反応混合物を1M NH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。相を分取し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(勾配 シクロヘキサン:EtOAc 100:0〜90:10)、次いで、ペンタンからの結晶化によって、標記化合物を無色の固体として得た。HPLC RtH4=0.81分;ESIMS:234、236[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.32(br s,1H)、7.71(d,1H)、5.57(s,1H)、4.90(t,1H)、3.65−3.57(m,1H)、3.53−3.44(m,1H)、1.39(s,3H)。
【0225】
b)2−ブロモ−5−フルオロ−4−イソプロペニル−ピリジン
2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−プロパン−2−オール(24.7g、106mmol)および無水メタンスルホン酸(55.1g、317mmol)のDCM(250ml)中溶液にトリエチルアミン(58.8ml、42.7g、422mmol)を添加した。該反応混合物を室温で20時間撹拌した。さらに1当量の無水メタンスルホン酸(18g)および1.2当量のトリエチルアミン(17ml)を添加し、該反応混合物を室温でさらに20時間撹拌した。該反応混合物を1M Na2CO3水溶液でクエンチし、DCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 8:1)によって、標記化合物を透明な無色の液体として得た。HPLC RtH4=1.12分;ESIMS:216、218[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.20(d,1H)、7.40(d,1H)、5.48−5.44(m,2H)、2.14(s,3H)。
【0226】
c)2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−プロパン−1,2−ジオール
2−ブロモ−5−フルオロ−4−イソプロペニル−ピリジン(17.1g、79mmol)のアセトン(50mL)およびH2O(100mL)中溶液にN−メチルモルホリンオキシド(10.51g、87mmol)およびOsO4(4.97mL、4.02g、0.396mmol)を添加した。該二相混合物を室温で17時間撹拌した。該反応混合物をH2O(50ml)中のヒドロ亜硫酸ナトリウム(1.516g、8.71mmol)でクエンチし、室温で20分間撹拌した。該反応混合物をセライトで濾過し、該セライトをアセトンで3回洗浄した。合わせた濾液を蒸発させ、残留物をEtOAcおよび1N NaOH水溶液に溶解した。相を分取し、水相をEtOAcで再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標記化合物を明るい紫色の固定として得た。HPLC RtH4=0.60分;ESIMS:250、252[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.32(d,1H)、7.71(d,1H)、5.57(s,1H)、4.89(t,1H)、3.65−3.57(m,1H)、3.53−3.45(m,1H)、1.39(s,3H)。
【0227】
d)メタンスルホン酸2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル
0℃での2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−プロパン−1,2−ジオール(17.45g、69.8mmol)およびトリエチルアミン(19.45ml、14.12g、140mmol)のDCM(350ml)中懸濁液にメタンスルホニルクロライド(5.71ml、8.39g、73.3mmol)を10分かけて滴下した。該反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、1M NaHCO3水溶液でクエンチした。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(勾配 ヘプタン:EtOAc 0−5分 88:12、5−37.5分 24:76)によって、標記化合物を透明な油として得た。HPLC RtH4=0.76分;ESIMS:328、330[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.22(d,1H)、7.82(d,1H)、4.58−4.47(m,2H)、3.04(s,3H)、3.00(s,1H)、1.64(s,3H)。
【0228】
e)1−アジド−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−プロパン−2−オール
メタンスルホン酸2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル(10.36g、31.6mmol)のエタノール(160ml)中溶液にNaN3(5.13g、79.0mmol)およびNH4Cl(8.44g、158.0mmol)を添加した。該反応混合物を80℃で20時間撹拌した。該反応混合物をH2OおよびTBMEで希釈し、相を分取した。水相をTBMEで2回再抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。HPLC RtH4=0.89分;ESIMS:275、277[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.20(d,1H)、7.80(d,1H)、3.81(d,1H)、3.65(d,1H)、1.61(s,3H)。
【0229】
f)メタンスルホン酸2−アジド−1−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−1−メチル−エチルエステル
0℃で、メタンスルホニルクロライド(2.04ml、3.00g、26.20mmol)を1−アジド−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−プロパン−2−オール(6.00g、21.81mmol)およびNEt3(3.65ml、2.65g、26.2mmol)のDCM(200ml)中溶液に滴下した。該反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、0℃〜室温でさらに1時間撹拌した。該反応混合物を1M NaHCO3水溶液でクエンチし、DCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。HPLC精製(Alltech Grom Saphir 65 Si 10μMカラム、250×50mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc 0−1.6分 85:15、1.6−16分 0:100、16−21.2分 0:100、流速100ml/分、検出254nm)によって、標記化合物および出発物質を得た。回収した出発物質は上記の方法に従って再度反応させることができた。HPLC RtH4=0.96分;ESIMS:353、355[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.28(d,1H)、7.56(d,1H)、4.08(d,1H)、3.82(d,1H)、3.22(s,3H)、2.13(s,3H)。
【0230】
g)2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−ピリジン
メタンスルホン酸2−アジド−1−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−1−メチル−エチルエステル(2.1g、6.09mmol)およびPPh3(1.597g、6.09mmol)のTHF(20mL)中混合物を室温で30分間撹拌した。該反応混合物を蒸発乾固させ、残留物をTBMEおよび10%クエン酸水溶液に溶解した。水相をTBMEで再抽出し、合わせた有機相をH2Oで洗浄した。合わせた水相を2N NaOH水溶液を使用して塩基性にし、TBMEで3回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−ブロモ−5−フルオロ−4−(2−メチル−アジリジン−2−イル)−ピリジンをPh3POとの混合物として得、これ以上精製せずに次工程に使用した。HPLC RtH4=0.96分;ESIMS:231、233[(M+H)+]。
粗製2−ブロモ−5−フルオロ−4−(2−メチル−アジリジン−2−イル)−ピリジン(Ph3POとの45%混合物として3.17g、6.17mmol)および2−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロライド(1.368g、6.17mmol)のTHF(23.15mL)およびH2O(7.72mL)中溶液にN−メチルモルホリンを添加し、該反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。ニュートラルAlox(スパチュラ2〜3杯)を添加し、該反応混合物をセライトで濾過し、DCMで洗浄し、濾液をDCMおよび1M NaHCO3水溶液で希釈し、相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 4:1〜3:1)、次いで、EtOAc/ヘキサンからの再結晶によって、標記化合物を無色の固体として得た。HPLC RtH4=1.11分;ESIMS:416、418[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.31−8.30(m,1H)、8.23(d,1H)、7.86−7.77(m,3H)、7.68(d,1H)、3.28(s,1H)、2.78(s,1H)、2.09(s,3H)。
【0231】
h)(R)−2−[(RS)−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル
2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−ピリジン(795mg、1.91mmol)および(R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(498mg、2.67mmol)のDMF(8ml、モレキュラーシーブで調製した溶液)中溶液にNaH(鉱油中60%分散体99mg、2.48mmol)を添加し、該反応混合物を室温で3時間撹拌した。該反応混合物を1N HCl水溶液でクエンチし、H2OおよびTBMEで希釈した。相を分取し、水相をTBMEで2回抽出した。合わせた有機相をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 1:1)によって、標記化合物(ジアステレオマー混合物)を無色の固体として得た。HPLC RtH4=1.26分;ESIMS:602、604[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.99(m,1H)、7.95−7.93(m,1H)、7.79−7.61(m,4H)、6.94(m,1H)、4.45−4.33(m,2H)、3.94−3.81(m,2H)、1.85(m,3H)、1.61(m,3H)、1.40−1.34(m,3H)。
【0232】
i)(R)−2−[(RS)−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド
(R)−2−[(RS)−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(920mg、1.527mmol)の7N NH3/MeOH(11ml)中溶液を密閉ガラスバイアル中にて55℃で44時間撹拌した。該反応混合物を蒸発乾固させて、黄色の固体を得、これ以上精製せずに次工程に使用した(ジアステレオマー混合物)。RtH4=1.03分;ESIMS:573、575[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.00(m,1H)、7.97−7.91(m,1H)、7.80−7.63(m,3H)、7.55(m,1H)、6.63(m,1H)、6.41(m,1H)、5.74(m,1H)、4.15(m,1H)、3.97(m,1H)、1.84(2s、3H)、1.69(2s、3H)。
【0233】
j)N−[(RS)−1−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
(R)−2−[(RS)−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル−アミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド(860mg、1.35mmol)のDCM(9ml)中乾燥溶液に室温でNEt3(0.470ml、342mg、3.38mmol)を添加した。0℃で、トリフルオロ酢酸無水物(0.229ml、340mg、1.62ml)を滴下した。該反応混合物を室温に加温し、1.5時間撹拌した。該反応混合物を1M Na2CO3水溶液およびDCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製の標記化合物を橙色の固体として得、これ以上精製せずに次工程に使用した(ジアステレオマー混合物)。RtH4=1.19分;ESIMS:555、557[(M+H)+];1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 8.01−7.93(m,2H)、7.79−7.63(m,3H)、7.59(m,1H)、4.26−4.16(m,2H)、1.85−1.84(2d、3H)、1.78−1.76(2d、3H)。
【0234】
k)(2R,5R)−および(2R,5S)−5−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロ−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
N−[1−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(585mg、1.053mmol)、N−アセチルシステイン(344mg、2.107mmol)およびK2CO3(291mg、2.107mmol)のEtOH(7ml)中混合物をN2下にて85℃で68時間撹拌した。該反応混合物をその体積の1/3に濃縮し、冷10%K2CO3水溶液およびTBMEで希釈した。相を分取し、水相をTBMEで2回再抽出した。合わせた有機相を1M NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。HPLC精製(Alltech Grom Saphir 65 Si 10μMカラム、150×30mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc:MeOH 0−1.2分 68:30:2、1.2−9分 0:80:20、9−12分 0:65:35、流速:50ml/分、検出:254nm)によって、標記化合物の(2R,5S)−ジアステレオマーから(2R,5R)−を分取した。RtH4=0.70分;ESIMS:370、372[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):(2R,5R)−ジアステレオマー δ 8.39(br s,1H)、7.81(d,1H)、6.28(br s,2H)、3.94(d,1H)、3.75(d,1H)、1.49(s,3H)、1.41(s,3H);
(2R,5S)−ジアステレオマー δ 8.37(d,1H)、7.68(d,1H)、6.34(br s,2H)、3.91(d,1H)、3.83(d,1H)、1.59(s,3H)、1.40(s,3H)。
【0235】
l)5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−
トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸アミド(43.5mg、0.270mmol)、(2R,5R)−5−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イルアミン(100.0mg、0.270mmol)、Xantphos(14.1mg、0.024mmol)およびCs2CO3(123.0mg、0.378mmol)のジオキサン(2.5ml)中混合物をアルゴンによって5分間脱ガス処理し、次いで、Pd2(dba)3(7.42mg、8.11μmol)を添加し、該反応混合物を60℃で24時間撹拌した。該反応混合物をH2OおよびTBMEで希釈した。相を分取し、水相をTBMEで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。分取HPLC(Alltech Grom Saphir 65 Si 10μMカラム、150×30mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc:MeOH 0−1.2分 68:30:2、1.2−9分 0:80:20、9−12分 0:65:35、流速:50ml/分、検出:254nm)によって、親化合物を無色の固体として得た。RtH4=0.83分;ESIMS:451[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 10.80(br s,1H)、8.98(br s,1H)、8.42(s,1H)、8.36(dd,1H)、8.30(dd,1H)、6.24(br s,2H)、3.97(d,1H)、3.82(d,1H)、2.58(s,3H)、1.49(s,3H)、1.44(s,3H)。
【0236】
実施例16で用いた方法と同様の方法によって、表7に記載の化合物を製造することができる。
【0237】
【表7】
【0238】
実施例18:5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−6−クロロ−ピリジン−3−イル]−アミド・塩酸塩
【化21】
a)5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロメチル−ピリジン
スズ箔で覆ったフラスコ中の5−ブロモ−3−ブロモメチル−2−クロロ−ピリジン(4.10g、14.37mmol)のTBME(50.3ml)中溶液に亜硝酸銀(2.65g、17.24mmol)を添加し、該反応混合物を室温で15時間撹拌した。該固体を濾過し、TBMEですすぎ、該濾液を蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 3:2)によって精製して、標記化合物を薄茶色の油として得た。
HPLC:RtH4=0.91分;ESIMS [M−H]-=248.9、251.0;1H−NMR(600MHz、DMSO−d6):8.71(d,1H)、8.40(d,1H)、5.92(s,2H)。
【0239】
b)2−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール
5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロメチル−ピリジン(286mg、1.14mmol)のジオキサン(2.3ml)中溶液に35%ホルムアルデヒド水溶液(215mg、2.50mmol)およびトリエチルアミン(0.079ml、0.57mmol)を添加し、該反応混合物を室温で2時間撹拌し、該混合物にNaCl水溶液および12N HClの混合物(0.05ml、0.6mmol)を添加した。次いで、該混合物をTBMEで抽出し、合わせた有機層をNaCl飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 1:1)によって精製して、標記化合物を無色の固体として得た。融点162〜163℃。HPLC:RtH4=0.69分;ESIMS [M+H]+=311.0、313.0;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):8.64(d,1H)、8.11(d,1H)、5.60(t,2H)、4.34(dd,2H)、4.19(dd,2H)。
【0240】
c)2−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール
亜鉛末(2.03g、31mmol)の酢酸(8.6ml)中懸濁液に2−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(1.61g、5.17mmol)の酢酸(17.3ml)およびDMF(5.2ml)中溶液を、温度を30〜40℃に維持しながら(氷冷しながら)1時間以内で滴下し、該反応混合物を40℃で1.5時間撹拌した。該混合物を濾過し、残留物を0℃にてメタノールですすぎ、該濾液をEtOAcおよびNaHCO3飽和水溶液の1:1混合物上に注いだ。1N NaOHを添加してpHを12に調整し、層を分取し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNaCl飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、標記化合物を黄色の固体として得た。
HPLC:RtH5=0.22分;ESIMS [M+H]+=281.0、283.0;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):8.43(d,1H)、8.38(d,1H)、4.80(t,2H)、3.93(dd,2H)、3.67(dd,2H)、2.18(br.s,2H)。
【0241】
d)N−[1−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
2−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(904mg、3.21mmol)のDCM(64ml)中懸濁液にピリジン(2.6ml、32.1mmol)を添加し、−30℃に冷却した後、クロロ−アセチルクロライド(1.022ml、12.84mmol)のDCM(32ml)中溶液を10分間以内で添加した。該反応混合物を−30℃で1.5時間撹拌した。−30℃で、1M HClおよびDCMを添加し、層を分取し、水相をDCMで抽出し、合わせた有機層をNaHCO3半飽和水溶液およびNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。得られた過アセチル化生成物をメタノール(19.3ml)に溶解し、K2CO3粉末(222mg、1.6mmol)を添加し、該混合物を室温で30分間撹拌した。1M HClおよびTBMEを添加した後、層を分取し、水層をTBMEで抽出し、合わせた有機層をNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 1:0〜シクロヘキサン/EtOAc 0:1)によって精製して、標記化合物を無色の固体として得た。
HPLC:RtH5=0.51分;ESIMS [M+H]+=356.9、358.9;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):8.44(d,1H)、8.27(s,1H)、7.99(s,1H)、5.08(t,2H)、4.11(s,2H)、4.00−3.95(m,2H)、3.94−3.89(m,2H)。
【0242】
e)5−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン
N−[1−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(622mg、1.74mmol)のtert−ブタノール(10.2ml)中懸濁液に0℃でカリウムtert−ブトキシド(292mg、2.61mmol)を添加し、該反応混合物を室温で1時間撹拌した。水およびtert−ブタノールを添加し、蒸発させ、混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、標記化合物をベージュ色の泡沫体として得た。
HPLC:RtH4=0.58分;ESIMS [M+H]+=320.9、322.9;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):8.56(d,1H)、8.39(s,1H)、8.21(d,1H)、5.44(t,1H)、4.42(d,1H)、4.04(s,2H)、3.94(dd,1H)、3.90(d,1H)、3.86(d,1H)。
【0243】
f)5−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン
5−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン(547mg、1.70mmol)のTHF(13.6ml)中懸濁液にDAST(1.01ml、7.65mmol)のTHF(7.2ml)中溶液を0℃で5分間以内で添加し、該反応混合物を室温で6時間撹拌した。該混合物を0℃に冷却し、Na2CO3半飽和水溶液を添加し、該混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 1:4)によって精製して、標記化合物を無色の固体として得た。
HPLC:RtH5=0.66分;ESIMS [M−H]-=320.8、322.8;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):8.80(s,1H)、8.63(d,1H)、8.12(d,1H)、5.01−4.93(m,1H)、4.92−4.85(m,1H)、4.37(dd,1H)、4.10(s,2H)、3.95(d,1H)。
【0244】
g)5−[5−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン
5−(5−ブロモ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン(199mg、0.615mmol)、ベンゾフェノンイミン(86mg、0.473)およびCs2CO3(620mg、1.89mmol)のトルエン(4.6ml)およびジオキサン(4.6ml)中溶液にPd2(dba)3(22mg、0.024mmol)およびXantphos(41mg、0.071mmol)を添加し、該混合物を窒素でパージし、該反応混合物を100℃に4時間加熱した。0℃に冷却した後、水を添加し、該混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 1:4)によって精製して、標記化合物を黄色がかった泡沫体として得た。
HPLC:RtH5=1.11分;ESIMS [M+H]+=424.1;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):8.71(s,1H)、7.80(s,1H)、7.70(d,2H)、7.58(t,1H)、7.50(t,2H)、7.36(d,4H)、7.16(d,2H)、4.87−4.70(m,2H)、4.28(d,1H)、4.04(d,1H)、3.93(d,1H)、3.80(d,1H)。
【0245】
h)5−(5−アミノ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−チオン
5−[5−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−オン(206mg、0.467mmol)のTHF(2.4ml)中溶液にローソン試薬(189mg、0.467mmol)を添加し、該反応混合物を1時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、粗製生成物をTHF(12ml)に溶解し、2M HCl(6.3ml)を添加し、該混合物を室温で17時間撹拌した。0℃に冷却した後、2M K2CO3水溶液を添加し、塩基性混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 1:0〜シクロヘキサン/EtOAc 0:1)によって精製して、標記化合物をベージュ色の泡沫体として得た。
HPLC:RtH5=0.59分;ESIMS [M+H]+=276.0;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):10.99(s,1H)、7.70(d,1H)、7.08(d,1H)、5.76(s,2H)、4.99(dd,1H)、4.82(dd,1H)、4.46−4.35(m,3H)、3.96(d,1H)。
【0246】
i)5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−クロロ−5−(3−フルオロメチル−5−チオキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド
5−(5−アミノ−2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロメチル−モルホリン−3−チオン(33mg、0.12mmol)、5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸(36mg、0.18mmol)およびHOAt(29mg、0.215mmol)のDMF(0.4ml)中溶液を0℃に冷却し、DIPEA(0.042ml、0.24mmol)およびEDC(34mg、0.18mmol)を添加し、該反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで、一夜かけて室温に加温した。0℃で、1M KHCO3水溶液を添加し、該混合物をトルエンで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をDCM/MeOH 65/35に溶解し、該生成物の結晶化を開始した。濾過し、該結晶化物質をDCMですすぎ、乾燥させて、標記化合物を黄色の結晶として得た。
TLC(シクロヘキサン/EtOAc 1:1)R=0.45;HPLC:RtH5=1.08分;ESIMS [M+H]+=458.9、461.0。
【0247】
j)5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−6−クロロ−ピリジン−3−イル]−アミド・塩酸塩
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−クロロ−5−(3−フルオロメチル−5−チオキソ−モルホリン−3−イル)−ピリジン−3−イル]−アミド(26mg、0.057mmol)のMeOH中7M NH3(0.23ml)中溶液にtert−ブチルヒドロペルオキシド(0.055ml、0.566mmol)および25%NH3水溶液(0.15ml、0.99mmol)を−20℃で添加し、該反応混合物を室温で80分間撹拌し、MeOH中7M NH3(0.69ml)を添加し、20時間撹拌し続けた。0℃で、Na223半飽和水溶液を添加し、該混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物を分取TLC(DCM/MeOH 9:1)によって精製して、所望の化合物を無色の泡沫体として得た。該生成物をDCM/MeOHに溶解し、5当量のEt2O中5M HClを添加し、溶媒を蒸発させて、標記化合物をベージュ色の固体として得た。
TLC(DCM/MeOH 9:1)R=0.22;HPLC:RtH5=0.71分;ESIMS [M+H]+=442.0、443.9;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):11.12(s,1H)、8.88(d,1H)、8.86(s,1H)、8.65(d,1H)、8.35(dd,1H)、8.09(d,1H)、6.02(br.s,2H)、4.80−4.66(m,2H)、4.13−3.93(m,4H)。
【0248】
実施例19:3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
【化22】
a)(2R,5R)−5−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
(2R,5R)−5−(6−ブロモ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(6.0g、17.04mmol、実施例8の工程h)、Cu2O(0.122g、0.852mmol)、K2CO3(0.471g、3.41mmol)およびN,N'−ジメチルエチレンジアミン(0.15g、1.704mmol)のエチレングリコール(34ml)中懸濁液にNH3水溶液(25%w)53mlを添加した。フラスコを密閉し、該懸濁液を60℃で20時間撹拌した。緑色の溶液を得た。場合によっては全ての不溶物を確実に溶液にするためにフラスコを振盪することが必要であった。該混合物を水とEtOAcとに分配した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、緑色の樹脂5.11gを得、シリカゲルによるクロマトグラフィー(DCM/1〜4%(EtOH/25%NH3水溶液 9:1))によって精製して、標記化合物2.77gを無色の泡沫体として得た。
HPLC:RtH2=2.480分;ESIMS:289 [(M+H)+]; 1H−NMR(600MHz、DMSO−d6):7.31(t,1H)、6.63(d,1H)、6.27(d,1H)、5.89(br s,2H)、5.77(br s,2H)、3.90(d,1H)、3.65(d,1H)、1.40(s,3H)、1.28(s,3H)。
【0249】
b)[(2R,5R)−5−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(2R,5R)−5−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(2.77g、9.61mmol)、Boc2O(2.31g、10.57mmol)およびDIPEA(2.2ml、12.5mmol)のDCM(28ml)およびTHF(2ml)中溶液を3日間撹拌した。該混合物を蒸発させ、シリカゲルによるクロマトグラフィー(ヘキサン/10〜20%EtOAc)によって精製して、標記化合物3.34gを無色の固体として得た。HPLC:RtH3=3.048分;ESIMS:389 [(M+H)+]; 1H−NMR(600MHz、DMSO−d6):10.88(s,1H)、7.43(t,1H)、6.48(d,1H)、6.41(d,1H)、6.01(br s,2H)、4.16(d,1H)、4.11(d,1H)、1.54(s,3H)、1.52(s,3H)、1.45(s,9H)。
【0250】
c)((2R,5R)−5−{6−[(3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(2R,5R)−5−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(80mg、0.206mmol)、3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸(40.3mg、0.247mmol、酸−4)およびHOAt(50.5mg、0.371mmol)のDMF(1ml)およびEDC.HCl(59.2mg、0,309mmol)中混合物を一夜撹拌した。該反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO4.H2Oで乾燥させた。シリカゲルによるクロマトグラフィー(トルエン/1−3%EtOAc)後、多少の出発物質が混入している標記化合物71mgを薄黄色の固体として得た。HPLC:RtH1=3.608分;ESIMS:534 [(M+H)+]; 1H−NMR(600MHz、CDCl3):10.92(s,1H)、8.29(d,1H)、8.18(s,1H)、7.82(t,1H)、7.36(s,1H)、7.14(d,1H)、6.33(br,1H)、4.39(d,1H)、4.12(d,1H)、1.66(s,3H)、1.60(s,9H)、1.59(s,3H)。
【0251】
d)3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド
((2R,5R)−5−{6−[(3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−2−イル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(71mg、0.133mmol)のDCM(3ml)中溶液にTFA(1ml)を添加した。1.5時間撹拌した後、該混合物を10%Na2CO3水溶液上に注ぎ、DCMで3回抽出した。合わせた有機層をK2CO3で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。シリカゲルによるクロマトグラフィー(ヘキサン/15〜25%(EtOAc/EtOH 9:1))後、標記化合物(46mg)を黄色の固体として得た。HPLC:RtH3=3.027分;ESIMS:434 [(M+H)+]; 1H−NMR(600MHz、DMSO−d6):10.23(s,1H)、8.25(s,1H)、8.06(d,1H)、7.85(t,1H)、7.69(s,1H)、7.36−7.27(m,幅広,3H)、6.12−6.00(s,幅広,2H)、3.94(d,1H)、3.76(d,1H)、1.42(s,3H)、1.34(s,3H)。
【0252】
実施例20〜23:実施例19で用いた方法と同様の方法によって、表8に記載の化合物を製造することができる。
【0253】
ジオキサン中の塩酸またはジエチルエーテル中の塩酸の添加および溶媒の蒸発によって、対応する遊離塩基の溶液から塩酸塩を得た。
【0254】
【表8-1】

【表8-2】
【0255】
実施例24:3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R、6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化23】
a)(2R,5R)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミンおよび(2R,5S)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
ガラス/ステンレス鋼製オートクレーブを窒素でパージし、次いで、(2R,5S)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミンおよび(2R,5R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(13.3g、35.9mmol、約1:3混合物、実施例11(工程k)または以下の別法を参照)、Cu2O(1.271g、8.88mmol)およびアンモニア(150ml、25%水溶液、1078mmol、30当量)のエチレングリコール(215ml)中混合物を添加した。オートクレーブを閉め、該懸濁液を60℃まで加熱し、該溶液を約48時間撹拌した(最大圧0.9バール、内部温度58〜60℃)。該反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。黒ずんだ緑色の粗製生成物(13.64g、多少のエチレングリコールを含有、定量収率)をこれ以上精製せずに次工程に使用した。
LCMS: RtH4=0.62分(23%、ES+ 307)およびRtH4=0.65分(74%、ES+ 307)
【0256】
b)[(2R,5R)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび[(2R,5S)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(2R,5R)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミンおよび(2R,5S)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(10.99g、35.9mmol、約3:1混合物)、Boc2O(7.05g、32.3mmol)およびヒューニッヒ塩基(7.52ml、43.1mmol)のジクロロメタン(120ml)中溶液を0℃で4時間撹拌し、次いで、室温で一夜撹拌した。該反応混合物を蒸発させ、残留物を酢酸エチルで希釈した。砕氷を添加し、該混合物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物(14.23g)をトルエン/シクロヘキサン/酢酸エチル 4:4:2)で粉砕し、冷却し、濾過した。無色の固体5.14g。該濾液を蒸発させ、得られた混合物をシリカで濾過して(TBME)、2つの異性体を8:2混合物として得た(6.31g)。無色の固体(5.14g)をジクロロメタンに溶解し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(トルエン/シクロヘキサン/酢酸エチル 4:4:2)によって、2つの異性体を得た。
[(2R,5R)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:1.38g、TLC R=0.16(トルエン:シクロヘキサン:酢酸エチル 4:4:2)、[α] −86.4°、c=0.975(CHCl3 2ml中19.5mg)、LC/MS RtH4=1.17分(100%、ES+ 407/408)、HPLCキラル(CHIRACEL oj−h、ヘプタン/エタノール/メタノール 80:10:10+0.1%dea)Rt=3.937分(99.16%),%ee 98.3%。1H−NMR(400MHz、CDCl3):11.50(s,1H,NH)、7.24(t,1H)、6.47(br.d,1H)、4.55−4.40(br.s,2H,NH2)、4.35(d,1H,AB)、4.10(d,1H,AB系)、1.71(s,3H,CH3)、1.69(s,3H,CH3)、1.55(s,9H)。
【0257】
[(2R,5S)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:1.12g、TLC R=0.19(トルエン:シクロヘキサン:酢酸エチル 4:4:2)、[α] +72.9°、c=1.01(CHCl3 2ml中20.2mg)、LC/MS RtH4=1.16分(100%、ES+ 407/408)、HPLCキラル(CHIRACEL oj−h、ヘプタン/エタノール/メタノール 80:10:10+0.1%dea)Rt=5.36分(99.44%),%ee 98.9%。1H−NMR(400MHz、CDCl3):11.65(s,1H,NH)、7.23(t,1H)、6.47(br.d,1H)、4.55−4.40(br.s,2H,NH2)、4.35(dd,1H,AB)、4.24(d,1H,AB系)、1.78(s,3H,CH3)、1.70(s,3H,CH3)、1.58(s,9H)。
【0258】
フラクション混合物(2.53g)および濾液から回収した物質(6.31g)を別々に精製し、さらに[(2R,5R)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル4.13gおよび[(2R,5S)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル1.07gを得た。
【0259】
c)((2R,5R)−5−{6−[3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−フルオロ−ピリジン−2−イル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(2R,5R)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(406mg、0.999mmol)、3−クロロ−5−シアノピコリン酸(201mg、1.099mmol)、HOAt(245mg、1.798mmol)およびEDC・塩酸塩(287mg、1.499mmol)の混合物をDMF(10.2ml)中にて室温で44時間撹拌した。該反応混合物をトルエンで希釈し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物(595mg)をシリカゲルによるクロマトグラフィー処理して(トルエン:酢酸エチル 9:1)、標記化合物を得た:455mg(収率76%)。
TLC(シリカ、トルエン:酢酸エチル 9:1)R=0.28;ESIMS [M+H]+ 571、573;
1H−NMR(400MHz、CDCl3):11.7(s,1H,NH)、10.33(s,1H)、8.80(s,1H)、8.45(br.d,1H)、8.24(s,1H)、7.60(br.t,1H)、4.40(d,1H,AB)、4.20(d,1H,AB)、1.75(s,3H)、1.68(s,3H)、1.62(s,9H)。
【0260】
d)3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((3R,6R)−5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
((2R,5R)−5−{6−[3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−フルオロ−ピリジン−2−イル}−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(450mg、0.788mmol)およびTFA(0.90ml、11.68mmol)のジクロロメタン(9ml)中混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルおよびアンモニア水溶液で希釈した。氷を添加し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。無色の固体:360mg(収率96%)。
LC−MS: RtH4=0.79分(99%、ESI+ 471、473);
1H−NMR(400MHz、CDCl3):10.2(br.s,1H,NH)、8.85(d,1H)、8.35(dd,1H)、8.20(d,1H)、7.50(dd,1H)、4.32(d,1H,AB)、3.93(d,1H,AB)、1.64(s,3H)、1.54(s,3H)。
【0261】
(2R,5R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミンの製造のための代替立体選択的方法
a)2−ブロモ−5−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン
ジイソプロピルアミン(25.3g、250mmol)のTHF 370ml中溶液を−75℃のドライアイスアセトン浴で冷却した。温度を−50℃以下に維持しながら、BuLi(100ml、250mmol、ヘキサン中2.5M)を滴下した。混合物の温度が再度−75℃に達した後、2−ブロモ−5−フルオロピリジン(36.7g、208mmol)のTHF 45ml中溶液を滴下した。該混合物を−75℃で1時間撹拌した。トリエチルクロロシラン(39.2g、260mmol)を素早く添加した。温度を−50℃以下に維持した。冷却浴を外し、該反応混合物を−15℃に加温し、NH4Cl水溶液(10%)上に注いだ。TBMEを添加し、層を分取した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4.H2Oで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、茶色の液体を得、0.5mmHgで蒸留して、標記化合物をかすかに黄色の液体として得た(沸点105〜111℃)。HPLC:RtH11=2.284分;ESIMS:290、292 [(M+H)+、1Br];1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.14(s,1H)、7.40(d,1H)、1.00−0.82(m,15H)。
【0262】
b)1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−エタノン
温度を−50℃に維持しながら、ジイソプロピルアミン(25.4g、250mmol)のTHF 500ml中溶液を−75℃に冷却した。BuLi(100ml、250mmol、ヘキサン中2.5M)を滴下した。反応温度が再度−75℃に達した後、2−ブロモ−5−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン(56.04g、193mmol)のTHF 60ml中溶液を滴下した。該混合物をドライアイス浴中にて70分間撹拌した。N,N−ジメチルアセトアミド(21.87g、250mmol)を素早く添加し、反応温度が−57℃に上がった。該反応混合物をドライアイス浴中にて15分間撹拌し、次いで、−40℃に加温した。2M HCl水溶液(250ml、500mmol)、水250mlおよびブライン100mlの混合物上に注いだ。該混合物をTBMEで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4.H2Oで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の油を得、ヘキサン/0〜5%TBMEで溶離することによりシリカゲルカラムによって精製して、標記化合物58.5gを黄色の液体として得た。TLC(Hex/TBME 99/1):R=0.25;HPLC:RtH11=1.921分;ESIMS:332、334 [(M+H)+、1Br];1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.57(d,1H)、2.68(s,3H)、1.00−0.84(m,15H)。
【0263】
c)(S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2−トリメチルシラニルoxy−プロピオニトリル
まず、水(54mg、3.00mmol)を乾燥DCM(≦0.001%水)100mlに溶解することによって、触媒溶液を調製した。この湿DCM(44ml、1.32mmol 含水量)を、チタン(IV)ブトキシド(500mg、1.47mmol)を乾燥DCM 20ml中で十分に撹拌した溶液に添加した。得られた透明な溶液を1時間還流させた。次いで、この溶液を室温に冷却し、2,4−ジ−tert−ブチル−6−{[(E)−(S)−1−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピルイミノ]−メチル}−フェノール[CAS 155052−31−6](469mg、1.47mmol)を添加した。得られた黄色の溶液を室温で1時間撹拌した。この触媒溶液(0.023M、46.6ml、1.07mmol)を1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−エタノン(35.53g、107mmol)およびトリメチルシリルシアニド(12.73g、128mmol)の乾燥DCM 223ml中溶液に添加した。該混合物を2日間撹拌し、蒸発させて、粗製の標記化合物47gを橙色の油として得た。HPLC:RtH12=2.773分;ESIMS:431、433 [(M+H)+、1Br];1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.46(d,1H)、2.04(s,3H)、1.00(t,9H)、1.03−0.87(m,15H)、0.20(s,9H)。
【0264】
d)(R)−1−アミノ−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−プロパン−2−オール・塩酸塩
ボランジメチルスルフィド錯体(16.55g、218mmol)を粗製(S)−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2−トリメチルシラニルオキシ−プロピオニトリル(47g、109mmol)のTHF 470ml中溶液に添加した。該混合物を2時間還流させた。加熱浴を外し、該反応混合物をMeOHの注意深い滴下によってクエンチした。気体の発生が止んだ後、6M HCl水溶液(23.6ml、142mmol)を少しずつ添加した。得られた溶液を蒸発させ、残留物をMeOHに溶解し、蒸発させて(2回)、さらなる反応のために十分に純粋な黄色泡沫体44.5gを得た。HPLC:RtH1=2.617分;ESIMS:363、365 [(M+H)+、1Br];1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.93(s,br,3H)、7.53(d,1H)、6.11(s,br,1H)、3.36−3.27(m,1H)、3.18−3.09(m,1H)、1.53(s,3H)、0.99−0.81(m,15H)。
【0265】
e)(R)−N−(2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシプロピル)−4−ニトロベンゼンスルホンアミド
粗製(R)−1−アミノ−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−プロパン−2−オール・塩酸塩(43.5g、109mmol)のTHF 335ml中溶液にNaHCO3(21.02g、250mmol)の水500ml中溶液を添加した。該混合物を0〜5℃に冷却し、4−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(26.5g、120mmol)のTHF 100ml中溶液を滴下した。得られたエマルションを、温度が室温になるように一夜撹拌した。該混合物をTBMEで抽出した。有機層をMgSO4.H2Oで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、橙色の樹脂を得、ヘキサン/10〜20%EtOAcで溶離することによりシリカゲルカラムによって精製して、標記化合物37.56gを緑色の樹脂として得た。TLC(Hex/EtOAc 3/1)R=0.34;HPLC:RtH11=1.678分;ESIMS:548、550 [(M+H)+、1Br]; 1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):8.40(d,2H)、8.06(t,1H)、7.97(d,2H)、7.45(d,1H)、5.42(s,1H)、3.23(d,2H)、1.44(s,3H)0.97−0.81(m,15H);キラルHPLC(Chiralpak AD−H 1213、UV 210nm):90%ee。
【0266】
f)6−ブロモ−3−フルオロ−2−[(S)−2−メチル−1−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−4−トリエチルシラニル−ピリジン
トリフェニルホスフィン(21.55g、82mmol)および(R)−N−(2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−(トリエチルシリル)ピリジン−2−イル)−2−ヒドロキシプロピル)−4−ニトロベンゼンスルホンアミド(37.56g、69mmol)のTHF 510ml中溶液を4℃に冷却した。温度を10℃以下に維持しながら、アゾジカルボン酸ジエチルのトルエン中溶液(40重量%、38.8g、89mmol)を滴下した。冷却浴を外し、rmを室温で1時間撹拌した。該反応混合物をトルエン約1000mlで希釈し、THFをロータリーエバポレーターでの蒸発によって除去した。得られた粗製生成物トルエン溶液をヘキサン/5〜17%EtOAcで溶離することによってシリカゲルカラムにより再精製した。最も純粋なフラクションを合わせ、蒸発させ、TBME/ヘキサンから結晶化して、標記化合物29.2gを白色の結晶として得た。HPLC:RtH11=2.546分;ESIMS:530、532 [(M+H)+、1Br];1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.40(d,2H)、8.19(d,2H)、7.39(d,1H)、3.14(s,1H)、3.02(s,1H)、2.01(s,3H)1.03−0.83(m,15H);α[D] −35.7°(c=0.97、DCM)。
【0267】
g)6−ブロモ−3−フルオロ−2−[(S)−2−メチル−1−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−ピリジン
フッ化カリウム(1.1g、18.85mmol)を6−ブロモ−3−フルオロ−2−[(S)−2−メチル−1−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−4−トリエチルシラニル−ピリジン(5g、9.43mmol)およびAcOH(1.13g、9.43mmol)のTHF 25ml中溶液に添加した。DMF(35ml)を添加し、懸濁液を室温で1時間撹拌した。該反応混合物をNaHCO3飽和水溶液およびTBMEの混合物上に注いだ。層を分取し、ブラインおよびTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO4.H2Oで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の油を得、TBME/ヘキサンから結晶化して、標記化合物3.45gを白色の結晶として得た。HPLC:RtH13=2.612分;ESIMS:416、418 [(M+H)+、1Br]; 1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.41(d,2H)、8.19(d,2H)、7.48(dd,1H)、7.35(t,1H)、3.14(s,1H)、3.03(s,1H)、2.04(s,3H);α[D] −35.7°(c=0.89、DCM)。
【0268】
h)(R)−2−[(R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル
(R)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(11.93g、64.1mmol)のDMF(158ml)中溶液の蒸発/窒素によるフラッシュを2回行った。水浴による冷却を用いて反応温度を約25℃に維持しながら、KOtBu(6.21g、55.5mmol)のDMF(17ml)中溶液を滴下した。15分後、固体6−ブロモ−3−フルオロ−2−[(S)−2−メチル−1−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−ピリジン(17.78g、42.7mmol)を添加し、3時間撹拌し続けた。該反応混合物を1M HCl(56ml)、ブラインおよびTBMEの混合物上に注いだ。層を分取し、ブラインおよびTBMEで洗浄した。合わせた有機層をMgSO4.H2Oで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製反応生成物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(ヘキサン/25〜33%TBME)によって精製して、異性体副生物が混入している標記化合物16.93gを黄色の樹脂として得た(比率70:30;1H−NMRによる)。
HPLC:RtH13=2.380分;ESIMS:602、604 [(M+H)+、1Br]; 1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.32(d,2H)、8.07(d,2H)、7.46−7.41(m,1H)、7.30−7.23(m,1H)、6.92(s,1H)、3.39−4.30(m,2H)、3.95(d,1H)、3.84(d,1H)、1.68(s,3H)、1.56(s,3H)、1.40−1.34(m,3H)+異性体副生物。
【0269】
i)(R)−2−[(R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド
(R)−2−[(R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(16.93g、28.1mmol)のNH3/MeOH(7M、482ml)中溶液を密閉容器中にて50℃で26時間撹拌した。該反応混合物を蒸発させ、残留物をDCMから結晶化して、標記化合物9.11gを無色の結晶として得た。
HPLC:RtH13=2.422分;ESIMS:573、575 [(M+H)+、1Br]; 1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.33(d,2H)、8.06(d,2H)、7.42(dd,1H)、7.30−7.26(m,1H)、7.17(s,br,1H)、6.41(s,1H)、5.57(s,br,1H)、4.15(m,2H)、1.68(s,3H)、1.65(s,3H)。
【0270】
j)N−[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
(R)−2−[(R)−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−(4−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3,3,3−トリフルオロ−2−メチル−プロピオンアミド(8.43g、14.70mmol)およびトリエチルアミン(5.12ml、36.8mmol)のDCM 85ml中懸濁液を0〜5℃に冷却した。トリフルオロ酢酸無水物(2.49ml、17.64mmol)を30分間かけて滴下した。さらにトリエチルアミン(1.54ml、11.07mmol)およびトリフルオロ酢酸無水物(0.75ml、5.29mmol)を添加して反応を完了させた。該反応混合物をアンモニア水溶液(25%)14mlおよび水14mlの添加によってクエンチした。該エマルションを15分間撹拌し、さらに水およびDCMを添加し、層を分取した。有機層をMgSO4.H2Oで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/10〜25%EtOAc)によって精製して、標記化合物8.09gを黄色の樹脂として得た。
HPLC:RtH13=3.120分;ESIMS:555、557 [(M+H)+、1Br]; 1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.35(d,2H)、8.11(d,2H)、7.50(dd,1H)、7.32(dd,1H)、6.78(s,1H)、4.39(d,1H)、4.22(d,1H)、1.68(s,6H)。
【0271】
k)(2R,5R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
N−[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2−((R)−1−シアノ−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−1−メチル−エチル]−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(9.18g、16.53mmol)およびN−アセチルシステイン(5.40g、33.10mmol)のエタノール92ml中溶液を蒸発させ、窒素でフラッシュした。K2CO3(4.57g、33.1mmol)を添加し、該混合物を80℃で3日間撹拌した。該反応混合物を、初期体積の約1/4に真空濃縮し、水およびTBMEに分配した。有機層を10%K2CO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の油を得た。シリカによるカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/14〜50%(EtOAc:MeOH 95:5))によって、標記化合物4.55gをオフホワイト色の固体として得た。
HPLC:RtH3=2.741分;ESIMS:370、372 [(M+H)+、1Br]; 1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):7.71−7.62(m,2H)、5.97(s,br,2H)、4.02(d,1H)、3.70(d,1H)、1.51(s,3H)、1.47(s,3H)。
【0272】
実施例25〜34:実施例11または実施例24と同様の方法によって表9に記載の化合物を製造した;実施例28は、実施例24(工程b、第2の異性体)からの中間体[(2R,5S)−5−(6−アミノ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−2,5−ジメチル−2−トリフルオロ−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを必要とした。
【0273】
【表9-1】

【表9-2】

【表9-3】

【表9-4】
【0274】
実施例35〜36:実施例16で用いた方法と同様の方法によって表10に記載の化合物を製造することができる。
【0275】
【表10】
【0276】
実施例37:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((R)−5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化24】
a)2−[2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−
プロポキシ]−3−フルオロ−2−フルオロメチル−プロピオン酸エチルエステル
3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル(中間体ヒドロキシエステル1を参照、0.606g、3.60mmol)のDMF(7ml)中溶液を活性4Åモレキュラーシーブで調製し、次いで、NaHの懸濁液(鉱油中60%分散体0.135g、3.36mmol)を添加し、該反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−ブロモ−5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アジリジン−2−イル]−ピリジン(実施例16の工程gを参照、1.0g、2.403mmol)のDMF(7ml、活性4Åモレキュラーシーブで調製した溶液)中溶液を少しずつ添加した。該反応混合物を室温で3.5時間撹拌し、次いで、1N HCl水溶液でクエンチし、H2OおよびTBMEで希釈した。相を分取し、水層をTBMEで2回再抽出した。合わせた有機層をH2Oで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた粗製標記化合物をNP−HPLC(Alltech Grom Saphir65 Si 10μmカラム、250×50mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc 75:25〜0:100)によって精製した。
HPLC:RtH4=1.18分;ESIMS [M+H]+=584、586(1Br);
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.76(s,1H)、8.21(d,1H)、7.94−7.92(m,2H)、7.88−7.75(m,2H)、7.70(d,1H)、4.85−4.46(m,4H)、4.20(q,2H)、4.04(d,1H)、3.83(d,1H),1.62(s,3H)、1.21(t,3H)。
【0277】
b)2−[2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3−フルオロ−2−フルオロメチル−プロピオンアミド
2−[2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロポキシ]−3−フルオロ−2−フルオロメチル−プロピオン酸エチルエステル(970mg、1.660mmol)およびMeOH中7M NH3(10ml)の溶液を密閉ガラスバイアル中にて55℃で20時間撹拌した。さらに、7N NH3/MeOH 3mlを添加し、55℃で16時間撹拌し続けた。該反応混合物を濃縮し、標記化合物を黄色の固体として得、これ以上精製せずに次工程に使用した。
HPLC:RtH4=0.95分;ESIMS [M+H]+=555、557(1Br);
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 9.01(s,1H)、8.25(d,1H)、7.99−7.90(m,2H)、7.85−7.58(m,5H)、4.73−4.51(m,4H)、3.96(d,1H)、3.90(d,1H)、1.58(s,3H)。
【0278】
c)N−[1−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(シアノ−ビス−フルオロメチル−メトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
2−[2−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)プロポキシ]−3−フルオロ−2−フルオロメチル−プロピオン酸エチルエステル(900mg、1.621mmol)のDCM(11ml)中溶液にNEt3(0.565ml、410mg、4.050mmol)を添加した。該反応混合物を0℃に冷却し、次いで、TFA無水物(0.275ml、408mg、1.945mmol)を滴下した。該反応混合物を室温に加温して、18時間撹拌した。完全に転換させるために、該反応混合物を再度0℃に冷却し、さらに、TFA無水物(0.450ml、670mg、3.190mmol)を添加し、次いで、NEt3(0.230ml、168mg、1.659mmol)を添加し、該反応混合物を室温に加温して、さらに30分間撹拌した。
該反応混合物をNa2CO3飽和水溶液およびDCMで希釈した。相を分取し、水相をDCMで2回再抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた粗製標記化合物をNP−HPLC(Alltech Grom Saphir65 Si 10μmカラム、150×30mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc 85:15〜0:100)によって精製した。
HPLC:RtH4=1.09分;ESIMS [M+H]+=537、339(1Br);
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 9.02(s,1H)、8.24(d,1H)、7.94−7.90(m,2H)、7.87−7.75(m,2H)、7.61(d,1H)、4.95−4.48(m,4H)、4.14−4.02(m,2H)、1.60(s,3H)。
【0279】
d)5−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2,2−ビス−フルオロメチル−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
N−[1−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2−(シアノ−ビス−フルオロメチル−メトキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(840mg、1.563mmol)、N−アセチル−L−システイン(510mg、3.13mmol)およびK2CO3(432mg、3.130mmol)の無水EtOH(10ml)中溶液を85℃で18時間撹拌した。N−アセチル−L−システイン(250mg、1.533mmol)およびK2CO3(210mg、1.519mmol)を添加し、85℃で18時間撹拌し続けた。該反応混合物をその体積の1/3まで濃縮し、10%K2CO3水溶液でクエンチし、TBMEで3回抽出した。合わせた有機相をNaHCO3飽和水溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製標記化合物を得、NP−HPLC(Alltech Grom Saphir65 Si 10μmカラム、150×30mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc:MeOH 68:30:2〜0:65:35)によって精製した。
HPLC:RtH4=0.57分;ESIMS [M+H]+=352、354(1Br);
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.35(d,1H)、7.76(d,1H)、6.32(br s,2H)、4.98−4.71(m,2H)、4.66−4.39(m,2H)、3.94(dd,1H)、3.82(d,1H)、1.40(s,3H)。
【0280】
e)5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸アミド(中間体アミド1を参照、96mg、0.596mmol)、5−(2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン−4−イル)−2,2−ビス−フルオロメチル−5−メチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(210mg、0.596mmol)、Xantphos(31.1mg、0.054mmol)およびCs2CO3(272mg、0.835mmol)のジオキサン(6ml)中混合物をアルゴンによって脱ガス処理し、Pd2(dba)3(16.38mg、0.018mmol)を添加し、該反応混合物を60℃で16時間撹拌した。さらに、Pd2(dba)3(8.19mg、0.009mmol)およびXantphos(15.60mg、0.027mmol)を添加し、60℃で4時間撹拌し続けた。該反応混合物をセライトで濾過し、該セライトパッドをDCMですすいだ。合わせた濾液を濃縮し、得られた粗製標記化合物をNP−HPLC(Alltech Grom Saphir65 Si 10μmカラム、150×30mm、勾配 n−ヘプタン:EtOAc:MeOH 68:30:2〜0:65:35)、次いで、RP−HPLC(Waters SunFire C18カラム、5μM、30×100mm、勾配 10〜30%ACN+0.1%TFA)によって精製し、SCXカートリッジによる濾過の後、遊離塩基として得た。
HPLC:RtH4=0.72分;ESIMS [M+H]+=433;
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 10.75(s,1H)、8.98(s,1H)、8.42(s,2H)、8.28(s,1H)、6.20(br s,2H)、5.05−4.45(m,4H)、4.02−3.84(m,2H)、2.58(s,3H)、1.45(s,3H)
【0281】
f)5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−((R)−5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
分取キラルHPLC(カラム:Chiralpak AD−H 20×250mm、5μM;溶媒:n−ヘプタン/エタノール 75:25;流速:12ml/分;220nmで検出)によって、ラセミ(5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミドを純粋なエナンチオマーに分離した。エナンチオマー1:Rt 8.964分。エナンチオマー2:Rt 16.220分(以下のものを使用する分析HPLCによって決定:Chiralpak AD−H 250×4.6mm、5μMカラム;溶媒:n−ヘプタン/エタノール/MeOH 70:25:5+DEA;流速:1.600ml/分;220nmで検出)。立体配置がX線結晶学によって決定される類似構造と同様に、エナンチオマー2の絶対配置に(R)を割り当てた。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 10.76(s,1H)、8.98(s,1H)、8.42(s,2H)、8.28(s,1H)、6.21(br s,2H)、5.02−4.45(m,4H)、3.95(d,1H)、3.89(d,1H)、2.58(s,3H)、1.44(s,3H)。
【0282】
実施例38:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化25】
a)2−ブロモ−5−フルオロ−4−トリエチルシラニルピリジン
ジイソプロピルアミン(25.3g、250mmol)のTHF(400ml)中溶液にn−BuLi(100ml、ヘキサン中2.5mol/L)を−50℃以下で添加した。−78℃の該LDA溶液に2−ブロモ−5−フルオロピリジン(41.9g、238mmol)のTHF(60ml)中溶液を−63℃以下で滴下した。−78℃で60分後、トリエチルクロロシラン(44ml、262mmol)を、温度が−50℃に維持されるように速く添加した。冷却浴を外し、該反応混合物を−20℃にした。該反応混合物を1M HCl水溶液(250ml)およびNH4Cl水溶液(10%)の混合物上に注いだ。tert−ブチルメチルエーテルを添加し、層を分取した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の液体を得た。蒸留(沸点99〜101℃、0.5mmHg)によって、標記化合物をかすかに黄色の液体として得た:66.26g(収率96%)。
1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.17(s,1H)、7.42(d,1H)、1.01−0.97(m,9H)、0.92−0.87(m,6H)。
【0283】
b)1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−エタノン
新しく調製したLDA(6.25mmol)のTHF(5ml)中溶液に2−ブロモ−5−フルオロ−4−トリエチルシラニルピリジン(1.6g、5.51mmol)の−78℃のTHF(12ml)中溶液を滴下した。−78℃で3時間撹拌し続けた。2,2−ジフルオロ酢酸エチル(0.58ml、5.51mmol)を滴下し、該溶液を−78℃で3時間撹拌した。該反応混合物を塩化アンモニウム飽和溶液(20ml)でクエンチし、酢酸エチルを添加した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。該粗製茶色の油(2.11g)をシリカゲルによりクロマトグラフィー処理し(シクロヘキサン/酢酸エチル)、標記化合物を得た。1.53g(収率75%、ケトン体とハイドレート体の混合物)。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 10:1)R=0.26;1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.70(d,1H)、6.96(t,1H,CHF2)、1.02−0.98(m,9H)、0.96−0.92(m,6H)。
【0284】
c)(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−エチリデン]−アミド
1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−エタノン (9.8g、26.6mmol)、(S)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(3.23g、26.6mmol)およびテトラエトキシチタニウム(13.81ml、53.2mmol)のTHF(66.5ml)中混合物を3個の栓付マイクロ波用バイアル(3×25ml)中にて80℃で3時間撹拌した。冷反応混合物を氷冷水上に注ぎ、沈殿物をハイフローパッドで濾過し、酢酸エチルで完全に洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物(12.5g)をシリカゲルによりクロマトグラフィー処理し(シクロヘキサン:酢酸エチル 5:1)、標記化合物を得た。7.96g(収率63%)。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 5:1)R=0.65;LCMS RtH4=1.53分(純度100%、ESI+ 471、473);1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.50(d,1H)、6.49(t,1H,CHF2)、1.33(s,9H)、1.03−0.98(m,9H)、0.93−0.89(m,6H)。
【0285】
d)(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(S)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−アミドおよび(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−アミド
THF中1M臭化ビニルマグネシウム(2.3ml、2.3mmol)をジクロロメタン(5ml)に添加し、該溶液を−78℃に冷却した。温度を−65℃に維持しながら、該溶液にジクロロメタン(5ml)中の(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−エチリデン]−アミド(500mg、1.06mmol)を滴下した。30分後、反応を−78℃にて塩化アンモニウム溶液(10%)でクエンチし、該反応混合物をTBMEで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。ジアステレオ異性体の4:1混合物620mg(定量的収率)を精製せずに次工程に使用した。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 10:1)R=0.15および(シクロヘキサン/酢酸エチル 10:1);R=0.10;LCMS RtH4=1.50分(ESI+ 499、501);1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.56(s,1H,NH)、7.47および7.45(d,1H)、6.60−6.30(t,1H,CHF2)、6.25−6.16(m,1H)、5.65−5.30(m,2H)、1.34および1.31(s,9H)、0.99−0.96(m,9H)、0.90−0.84(m,6H)。
【0286】
e)(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシリラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−アミドおよび(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(S)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシリラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−アミド
工程dで得た(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(S)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−アミドおよび(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−1−ジフルオロメチル−アリル]−アミドの混合物(5.137g、10.28mmol)をジクロロメタン(77ml)およびメタノール(25.7ml)に溶解し、重炭酸ナトリウム(1.296g、15.43mmol)を添加し、該反応混合物を−78℃に冷却した。該溶液が青色になるまで(4時間)、該溶液にオゾンを通気した。青色が消失するまで、過剰のオゾンを窒素によって排気した。該溶液に水素化ホウ素ナトリウム(1.945g、51.4mmol)を添加し、該反応混合物を−78℃で3時間撹拌した。該反応混合物をTBMEおよび2N HClで希釈して、過剰の水素化ホウ素ナトリウムを破壊した。有機層を1N HCl溶液およびブラインで注意深く洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。黄色の油6.15g。粗製生成物をシリカゲルによりクロマトグラフィー処理し(120g、シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1)、標記化合物を得た:
(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシリラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−アミド:2.36g(収率45.6%)。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1)R=0.24;LCMS RtH4=1.36分(純度93%、ESI+ 503、505);
1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.46(d,1H)、6.24(t,1H,CHF2)、4.60(br.s,1H,NH)、4.47(br.s,2H,AB)、3.48(br.s,1H、OH)、1.32(s,9H)、0.99(t,9H)、0.89(q,6H)。
(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(S)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシリラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−アミド:1.72g(収率33.2%)。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1)R=0.31;
LCMS RtH4=1.43分(純度100%、ESI+ 503、505);
1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.47(d,1H)、6.62(br.s,1H)、6.23(t,1H,CHF2)、4.51−4.48(d,1H,AB)、4.36−4.32(d,1H,AB)、1.42(s,9H)、0.99(t,9H)、0.89(q,6H)。
【0287】
f)(R)−2−アミノ−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−3,3−ジフルオロ−プロパン−1−オール
(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシリラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−アミド(2.3g、4.57mmol)のジクロロメタン(45ml)中溶液にHCl(5.48ml、16.45mmol、メタノール中3モル)を添加し、該反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチルで希釈し、2Nアンモニア/氷の混合物上に注いだ。層を分取し、有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。2.15g。精製せずに次工程に使用した。
LCMS RtH4=1.18分(純度94%、ESI+ 399、401);1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.43(d,1H)、6.16(t,1H,CHF2)、4.13−4.10(d,1H,AB)、3.99−3.93(d,1H,AB)、2.52(br.s,3H,OH,NH2)、0.99(t,9H)、0.89(q,6H)。
【0288】
g)N−[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド
(R)−2−アミノ−2−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−3,3−ジフルオロ−プロパン−1−オール(2.15g、5.38mmol)のジクロロメタン(14.55ml)中溶液に炭酸ナトリウム水溶液(14.55ml、10%水溶液)を0℃で添加した。2−クロロアセチルクロライド(0.518ml、6.46mmol)を0℃で滴下し、添加後、氷浴を外した。該反応混合物を室温で15分間撹拌した。メタノールを添加し、該反応混合物を50℃で10分間撹拌した。該反応混合物をジクロロメタンおよび水で希釈した。該混合物をジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製の明るい黄色の油(2.91g)をシリカゲルによりクロマトグラフィー処理し(40g redisepカラム、シクロヘキサン/酢酸エチル 10〜70%)、標記化合物を得た。2.32g(収率91%)。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1)R=0.53;LCMS RtH4=1.30分(ESI+ 475、477、479);
1H−NMR(400MHz、CDCl3):8.17(br.s,1H,NH)、7.47(d,1H)、6.58(t,1H,CHF2)、4.64−4.55(m,1H,AB)、4.20−4.12(m,3H,AB)、0.98(t,9H)、0.89(q,6H)。
【0289】
h)(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−オン
N−[(R)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−2−クロロ−アセトアミド(2.32g、4.88mmol)のt−ブタノール(50ml)中溶液にカリウムtert−ブトキシド(7.31ml、7.31mmol、THF中1M)を添加し、該溶液を密閉バイアル中にて100℃で18時間撹拌した。該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、NaHSO4飽和溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物(2.36g)をシリカゲルによりクロマトグラフィー処理し(24g redisepカラム、シクロヘキサン/酢酸エチル 10〜80%)、標記化合物を得た。1.13g(収率71%)。トリエチルシリル化ラクタム(640mg)を回収した。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1)R=0.25;
LCMS RtH4=0.79分.(ESI+ 325、327);1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.59−7.57(m,1H)、7.51(br.s,1H,NH)、7.45−7.42(m,1H)、6.23(t,1H,CHF2)、4.86(d,1H,AB)、4.38(d,1H,AB)、4.16(d,1H,AB)、3.97(d,1H,AB)。
【0290】
i)(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−チオン
(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−オン(1.13g、3.48mmol)のピリジン(34.8ml)中溶液に五硫化リンを添加し、該バイアルを密閉し、該反応混合物を100℃で2時間撹拌した。該反応混合物を2M HCl溶液および酢酸エチルで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物(1.4g)を精製せずに次工程に使用した。
LCMS RtH4=0.98分(ESI+ 341、343);1H−NMR(400MHz、CDCl3):9.40(br.s,1H,NH)、7.62(dd,1H)、7.45(dd,1H)、6.25(t,1H,CHF2)、4.93(dd,1H,AB)、4.79(d,1H,AB)、4.44(d,1H,AB)、4.00(dd,1H,AB)。
【0291】
j)(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン
(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−モルホリン−3−チオン(611mg、1.79mmol)のメタノール(15ml)中溶液にアンモニア(5.12ml、35.8mmol、メタノール中7M)を添加し、該バイアルを密閉し、該反応混合物を室温で20時間撹拌した。該反応混合物を酢酸エチルで希釈した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液(10%)、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物(640mg)をシリカゲルクロマトグラフィー処理し(14g、ジクロロメタン/メタノール 95/5+0.5%NH3)、標記化合物を得た。180mg(収率31%)。
LCMS RtH4=0.55分(ESI+ 325、327);1H−NMR(400MHz、CDCl3):7.45(dd,1H)、7.32(dd,1H)、6.31(t,1H,CHF2)、4.38(d,1H,AB)、4.22(d,1H,AB)、4.15(d,1H,AB)、4.10(d,1H,AB)、3.0−1.5(非常にbr.s,2H、NH2)。
【0292】
k)[(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イルアミン(180mg、0.555mmol)、BOC無水物(121mg、0.555mmol)およびヒューニッヒ塩基(108mg、0.833mmol)のジクロロメタン(5.5ml)中溶液を室温で18時間撹拌した。該反応混合物をジクロロメタンで希釈し、重炭酸塩飽和水溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物(352mg、明るい黄色の固体)をシリカゲルクロマトグラフィー処理し(4g、シクロヘキサン/酢酸エチル 5〜40%)、標記化合物を得た。190mg(収率81%)。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1)R=0.30;
LCMS RtH4=1.11分(純度93%、ESI+ 424、426);1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):9.97(s,1H,NH)、7.77−7.75(m,2H)、6.40(t,1H,CHF2)、4.51(br.s,2H,AB)、4.21(d,1H,AB)、3.88(d,1H,AB)、1.41(s,9H)。
【0293】
l)((R)−5−{6−[(5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−フルオロ−ピリジン−2−イル}−5−ジフルオロメチル−4,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[(R)−5−(6−ブロモ−3−フルオロ−ピリジン−2−イル)−5−ジフルオロメチル−5,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(90mg、0.212mmol)、4−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸アミド(41mg、0.255mmol)、Xantphos(11.05mg、0.019mmol)および炭酸セシウム(97mg、0.297mmol)のジオキサン(3ml)中混合物をアルゴンによって5分間脱ガス処理した。Pd2(dba)3(5.83mg、6.36μmol)を添加し、密閉バイアルを60℃で18時間加熱した。該反応混合物を水およびTBMEで希釈した。相を分取し、水相をTBMEで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理し(12g redisepカラム、シクロヘキサン/酢酸エチル 5〜40%)、標記化合物を得た。76mg(収率71%)。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1)R=0.15;LCMS RtH4=1.16分(純度100%、ESI+ 505)。
【0294】
m)5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
((R)−5−{6−[(5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−フルオロ−ピリジン−2−イル}−5−ジフルオロメチル−4,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(75mg、0.149mmol)およびTFA(115μl、1.48mmol)のジクロロメタン中溶液を室温で2時間撹拌した。該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、氷/2Mアンモニアの混合物中に注いだ。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。固体62mg(定量的収率)。
TLC(ジクロロメタン/メタノール 95/5+0.5%アンモニア)R=0.21;
LCMS RtH4=0.75分.(ESI+ 405);1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):10.75(br.s,1H,NH)、9.02(s,1H)、8.44(s,1H)、8.20(d,1H)、7.78(t,1H)、6.36(t,1H,CHF2)、6.06(br.s,2H、NH2)、4.27(d,1H,AB)、4.04−3.86(m,3H,AB)、2.61(s,3H)。
【0295】
実施例39:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−((S)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化26】
実施例38の工程eで得た中間体(S)−2−メチル−プロパン−2−スルフィン酸[(S)−1−(6−ブロモ−3−フルオロ−4−トリエチルシリラニル−ピリジン−2−イル)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシメチル−エチル]−アミドを用いて、実施例38と同様に実施例39(実施例38のエナンチオマー)を製造した。
LCMS RtH4=0.75分.(ESI+ 405);1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):10.75(br.s,1H,NH)、9.02(s,1H)、8.44(s,1H)、8.20(d,1H)、7.78(t,1H)、6.36(t,1H,CHF2)、6.06(br.s,2H、NH2)、4.27(d,1H,AB)、4.04−3.86(m,3H,AB)、2.61(s,3H)。
【0296】
実施例40:3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−((R)−5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド
【化27】
実施例38の工程mにおいてアミド−2を使用して、実施例38と同様に実施例40を製造した。
LCMS RtH12=0.66分(ESI+ 424);1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 11.22(br.s,1H,NH)、9.11(s,1H)、8.81(s,1H)、8.16(dd,1H)、7.79(dd,1H)、6.31(t,1H)、6.04(br.s,2H、NH2)、4.29(d,1H,AB)、3.96(dd,2H)、3.87(d,1H,AB)。
【0297】
実施例41〜48:実施例11または実施例24に記載の方法と同様の方法によって、また、実施例42、43、45、47および48に関してはそれぞれ酸5、6、7、8および9を使用して、表11に記載の化合物を製造した。
【表11-1】

【表11-2】

【表11-3】
【0298】
中間体の製造
置換された酸構築ブロックは、市販されているものであるか、または文献(例えば、DE19725802A1、Tetrahedron:Asymmetry 1999, 10(4), 679-687)に記載のように、もしくは類似の方法で製造することができるか、または下記の方法もしくは類似の方法で製造することができる。
【0299】
酸1:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸
a)5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸(10.20g、47.2mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル(20.61g、94mmol)のTHF 100ml中溶液にDMAP(0.577g)を添加した。CO2の蒸発がすぐに始まり、該混合物を室温で2時間撹拌した。TBMEおよびNaHCO3飽和水溶液を添加した。層を分取し、有機層をNaHCO3飽和水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO4.H2Oで乾燥させた。シリカゲルによるクロマトグラフィー処理(ヘキサン/EtOAc 1〜7%)によって、標記化合物を黄色の液体として得た。
HPLC:RtH3=3.018分;ESIMS [M+H]+=272、274(1Br);1H−NMR(360MHz、CDCl3):δ 8.59(s,1H)、7.77(s,1H)、2.52(s,3H)、1.65(s,9H)。
【0300】
b)5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(6.0g、22.05mmol)、Zn(CN)2(1.813g、15.43mmol)、Zn末(0.144g、2.205mmol)およびPd2(dba)3.CHCl3(0.571g、0.551mmol)の混合物を窒素雰囲気下にてDMF 10mlに懸濁させた。tBu3P(0.321ml、1.323mmol)を添加し、該混合物を60℃で5時間撹拌した。冷却した後、該混合物をTBMEで希釈し、セライトで濾過し、ブラインで3回洗浄した。粗製生成物をカラムシリカゲルによるクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 5〜15%)によって精製して、標記化合物をオフホワイト色の固体として得た。TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1):R=0.31;HPLC:RtH3=2.431分;ESIMS [M+Na]+=241;1H−NMR(360MHz、CDCl3):δ 8.78(s,1H)、7.88(s,1H)、2.56(s,3H)、1.67(s,9H);Ft−IR:2231cm-1(CN)。
【0301】
c)5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(8.50g、38.9mmol)の1,3−ジメトキシベンゼン(51ml、389mmol)中溶液にTFA(85ml)を添加し、6.5時間撹拌した。該反応混合物をトルエンで希釈し、蒸発させた。残留物をトルエンに溶解し、蒸発させた(2×)。該生成物をTBME/ヘキサンから結晶化して、標記化合物を白色の粉末として得た。HPLC:RtH1=2.314分;ESIMS [M+Na]+=163;1H−NMR(360MHz、CDCl3):δ 8.77(s,1H)、8.07(s,1H)、2.87(s,3H)。
【0302】
酸2:5−クロロ−4,6−ジジューテロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸
5−クロロ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸(CAS Nr.:886365−46−4)500mg(2.91mmol)のD2O(99,96%D)9ml中懸濁液をNaODのD2O中40%溶液1mlで処理した。該均一溶液をSynthos 3000 Microwave装置を有する100mlテフロン容器中にて加熱した。該混合物を160℃で5時間加熱し、次いで、冷却した。該生成物の1H−NMRおよびMS分析によって、重水素化が高度に行われたことが示された。ごく微量のテトラジューテロ誘導体が存在した。該反応混合物を2N HClでpH3に酸性化し、EtOAcで抽出した。有機相をMgSO4.H2Oで乾燥させ、蒸発させて、さらなる転換のために十分に純粋な標記化合物を白色の固体として得た。
HPLC:RtH1=2.820分;ESIMS [M+H]+=177(5D);1H−NMR(360MHz、D2O):δ 重水素化不純物はない。
【0303】
酸3:3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸
a)3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
2,2,2−トリフルオロエタノール(6.9ml、96mmol)および炭酸セシウム(1.56g、4.8mmol)の混合物を20分間撹拌し、3−アミノ−5−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(600mg、3.2mmol;GB1248146)を添加し、該混合物を室温で42時間撹拌した。反応を完了させるために、該混合物をさらに3時間加熱還流した。NH4Cl飽和水溶液を添加し、該混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 3:7)によって精製して、標記化合物を無色の固体として得た。
HPLC:RtH4=0.83分;ESIMS [M+H]+=252.2;1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 7.66(s,1H)、7.60(br s,2H)、5.03(q,2H)、3.81(s,3H)。
【0304】
b)3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(400mg、1.59mmol)のTHF 20ml中溶液に1N水酸化ナトリウム2.5ml(2.5mmol)を添加し、該混合物を室温で一夜撹拌した。該混合物に1N HCl(2.39ml、2.39mmol)を添加し、5分間撹拌した後、トルエンを添加し、溶媒を蒸発させて、塩化ナトリウムと一緒に標記化合物をオフホワイト色mの固体として得た。該混合物をこれ以上精製せずにカップリング反応に使用した。
HPLC:RtH4=0.71分;ESIMS [M+H]+=238.2;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 7.46(s,1H)、4.97(q,2H)。
【0305】
酸4:3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸
a)5−ブロモ−3−ニトロ−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
5−ブロモ−3−ニトロ−ピリジン−2−カルボン酸(4.84g、19.59mmol、CAS 954240−89−2)のTHF(59ml)中氷冷溶液にDMAP(239mg、1.96mmol)およびBoc2O(5.56g、25.5mmol)を添加し、該反応混合物を60℃で3時間加熱した。0℃に冷却した後、重炭酸ナトリウム半飽和水溶液を添加し、該混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を水およびNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 3:2)によって精製して、標記化合物を薄いベージュ色の固体として得た。
HPLC:RtH5=1.17分;ESIMS [M+H]+=304.1;1H−NMR(600MHz、DMSO−d6):δ 9.11(s,1H)、8.92(s,1H)、1.53(s,9H)。
【0306】
b)5−シアノ−3−ニトロ−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
5−ブロモ−3−ニトロ−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(888mg、2.93mmol)のDMF(8.8ml)中溶液にシアン化亜鉛(206mg、1.76mmol)および亜鉛末(2mg、0.03mmol)を添加した。該混合物を窒素でパージし(3回)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(150mg、0.293mmol)を添加し、該混合物を80℃に4時間加熱した。0℃に冷却した後、水を添加し、該混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 1:4)によって精製して、標記化合物をベージュ色の固体として得た。
HPLC:RtH5=1.04分;ESIMS [M+H]+=248.0;1H−NMR(600MHz、DMSO−d6):δ 9.39(s,1H)、9.29(s,1H)、1.55(s,9H)。
【0307】
c)3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
5−シアノ−3−ニトロ−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(130mg、0.522mmol)の水(3ml)中混合物に酢酸(0.149ml、2.61mmol)を添加し、該混合物を室温で20分間撹拌し、亜ジチオン酸ナトリウム(454mg、2.61mmol)を添加し、23時間撹拌し続けた。さらに、亜ジチオン酸ナトリウム(182mg、1.043mmol)を添加し、該反応混合物をさらに48時間撹拌した。該混合物をDCMで抽出し、合わせた有機層を水およびNaCl飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させて、標記化合物を黄色の固体として得た。該生成物をこれ以上精製せずに次工程に使用した。
HPLC:RtH4=0.86分;ESIMS [M+H]+=220.2;1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.15(d,1H)、7.61(d,1H)、6.95(br.s,2H)、1.55(s,9H)。
【0308】
d)3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(60mg、0.274mmol)および1,3−ジメトキシベンゼン(0.358ml、2.74mmol)の混合物にTFA(0.59ml、7.66mmol)を10分間以内で滴下し、該反応混合物を6時間撹拌した。トルエンを添加し、溶媒を蒸発させて、標記化合物を黄色の固体として得た。該生成物をこれ以上精製せずに次工程に使用した。
HPLC:RtH4=0.38分;ESIMS [M+H]+=164.1;1H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 13.05(br.s,1H)、8.16(d,1H)、7.64(d,1H)、7.08(br.s,2H)。
【0309】
酸5:3−(ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸
a)3−(ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸3−フルオロ−プロピルエステル
酸3の工程aに記載の方法に従って、3−(ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルおよび3−(ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸3−フルオロ−プロピルエステルの約1:1混合物を得た。
この混合物(245mg、0.89mmol)、DIPEA(1.31ml、7.48mmol)およびDMAP(13mg、0.11mmol)のDCM(10ml)中氷冷溶液にBoc2O(1.05g、4.81mmol)のDCM(10ml)中溶液を添加し、該混合物を撹拌し、室温に一夜加温した。水を添加した後、該混合物をEtOAcで抽出し(3×)、合わせた有機層を0.5N HClおよび塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン+5%NEt3〜シクロヘキサン+0.5%NEt3/EtOAc+0.5%NEt3 3:7)によって精製して、3−(ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルと一緒に標記化合物を黄色の粘着性の油として得た。この混合物を次工程に使用した。
HPLC:RtH4=1.19分;ESIMS [M+H]+=476.3;(Me−エステル:HPLC:RtH4=1.15分;ESIMS [M+H]+=430.3)。
【0310】
b)3−ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸
3−(ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸3−フルオロ−プロピルエステルおよび3−(ジ−tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(395mg、0.92mmol)のTHF(10ml)中溶液に0.5N LiOH(2.02ml、1.01mmol)を添加し、該混合物を5.5時間撹拌した。該反応混合物に1N HCl(0.92ml、0.92mmol)を添加し、5分間撹拌した後、トルエンを添加し、溶媒を蒸発させて、塩化ナトリウムと一緒に標記化合物を明るい黄色の固体として得た。該混合物をこれ以上精製せずに次工程に使用した。
HPLC:RtH4=0.98分;ESIMS [M−Boc+H]+=316.2;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.26(s,1H)、4.67(t,1H)、4.55(t,1H)、4.41(t,2H)、2.22−2.07(m,2H)、1.32(s,18H)。
【0311】
酸6:3−アミノ−5−(2−メトキシ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸
a)3−アミノ−6−ブロモ−5−(2−メトキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
3−アミノ−5,6−ジクロロ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル[CAS 1458−18−0]および3−アミノ−6−ブロモ−5−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル[CAS 14340−25−1](799mg、3mmol)のDMF中混合物に2−メトキシ−エチルアミン(0.31ml、3.6mmol)およびNEt3(2.09ml、15mmol)を添加し、該混合物を室温で3.5時間撹拌した。該反応混合物を水(150ml)上に注ぎ、トルエン(2×150ml)で抽出した。有機層を塩化ナトリウム半飽和水溶液で洗浄し、合わせ、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 100:0〜0:100%)によって精製して、3−アミノ−6−クロロ−5−(2−メトキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルと一緒に標記化合物(約1:1)を無色の固体として得た。この混合物を次工程に使用した。
HPLC:RtH4=0.77分;ESIMS [M+H]+=305.1;(Cl−ピラジン:HPLC:RtH4=0.73分;ESIMS [M+H]+=261.1)。
【0312】
b)3−アミノ−5−(2−メトキシ−エチルアミノ)−6−トリメチルシラニレチニル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
エチニル−トリメチル−シラン(1.05g、10.7mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(150mg、0.214mmol)、ヨウ化銅(I)(41mg、0.214mmol)およびNEt3(2.09ml、14.98mmol)のTHF(17ml)中溶液にアルゴン雰囲気下にて3−アミノ−6−ブロモ−5−(2−メトキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルおよび3−アミノ−6−クロロ−5−(2−メトキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(651mg、2.14mmol)の混合物(約1:1)を添加し、該混合物を80℃に17時間加熱した。該反応混合物をハイフローで濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 60:40)によって精製して、標記化合物を茶色の固体として得た。。
HPLC:RtH4=1.12分;ESIMS [M+H]+=323.3;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 7.46(br,2H)、6.65(t,1H)、3.73(s,3H)、3.59−3.45(m,4H)、3.28(s,3H)、0.25(s,9H)。
【0313】
c)3−アミノ−5−(2−メトキシ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸
3−アミノ−5−(2−メトキシ−エチルアミノ)−6−トリメチルシラニルエチニル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(487mg、1.51mmol)のTHF(7.6ml)中溶液にKOtBu(356mg、3.17mmol)のTHF(7.6ml)中懸濁液を添加し、該反応混合物を室温で2時間撹拌した。0℃で、固体NH4Cl(848mg)を添加し、該混合物を30分間撹拌した。NH4Cl半飽和溶液(15ml)を添加した後、該混合物をEtOAc(2×15ml)で抽出し、1N HClの添加によって、水相のpHを4に調整した。水相をDCM/EtOH 9:1(2×100ml)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルプラグで濾過し(DCM/EtOH 90:10)、標記化合物を茶色の粉末として得た。この物質をこれ以上精製せずにカップリング反応に使用した。
HPLC:RtH4=0.53分;ESIMS [M+H]+=237.1;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):δ 12.59(br s,1H)、7.55(d,1H)、7.26(br s,2H)、6.46(d,1H)、4.21(t,2H)、3.66(t,2H)、3.22(s,3H)。
【0314】
酸7:3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸
酸6の工程aにおいて室温に代えて80℃を適用して、酸6(工程aおよびb)の方法と類似の方法によって、3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチルアミノ)−6−トリメチルシラニルエチニル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステルを製造した。
【0315】
a)3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチル)−6H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル
3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチルアミノ)−6−トリメチルシラニルエチニル−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(624mg、1.9mmol)のDMF(19ml)中溶液にヨウ化銅(I)(181mg、0.95mmol)を添加し、該混合物を120℃に2時間加熱した。該反応混合物をハイフローで濾過し、残留物をトルエンで洗浄した。合わせた有機相を水で抽出し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 40:60)によって精製して、標記化合物を黄色の固体として得た。
HPLC:RtH4=0.67分;ESIMS [M+H]+=257.1;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 7.64−7.51(m,1H)、7.27(br s,2H)、6.56(m,1H)、6.43(t,1H)、4.62−4.46(m,2H)、3.86(s,3H)。
【0316】
b)3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸
3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチル)−6H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(192mg、0.749mmol)のTHF(3.8ml)中溶液に1M LiOHの溶液(0.824ml、0.824mmol)を添加し、該反応混合物を室温で20時間撹拌した。0℃で、1M HCl(0.749ml)を添加し、該混合物をトルエン(7.5ml)で希釈した。溶媒を蒸発させて、LiClと一緒に標記化合物を茶色の粉末として得た。この物質をこれ以上精製せずにカップリング反応に使用した。
HPLC:RtH4=0.57分;ESIMS [M+H]+=243.1;1H NMR(600MHz、DMSO−d6):δ 12.71(br s,1H)、7.56(d,1H)、7.35(br s,2H)、6.55(d,1H)、6.41(t,1H)、4.61−4.43(m,2H)。
酸8:6−クロロ−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸
a)6−クロロ−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(210mg、0.935mmol)のDMF(10ml)中溶液に炭酸セシウム(457mg、1.402mmol)を添加し、室温で15分間撹拌した後、1,1−ジフルオロ−2−ヨードエタン(538mg、2.8mmol)を添加し、一夜撹拌し続けた。テトラブチルアンモニウムヨージド(34.5mg、0.093mmol)を添加し、さらに48時間撹拌し続けた。該反応混合物にNH4Cl飽和水溶液を添加し、該混合物をMTBE(2×)で抽出した。合わせた有機層をNaCl半飽和水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(シクロヘキサン〜シクロヘキサン/EtOAc 20:80)によって精製して、標記化合物を黄色の固体として得た。
HPLC:RtH4=0.88分;ESIMS [M+H]+=289.4/291.1;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.34(s,1H)、7.83(d,1H)、6.74(d,1H)、6.40(t,1H)、4.78(td,2H)、4.35(q,2H)、1.31(t,3H)。
【0317】
b)6−クロロ−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸
6−クロロ−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(150mg、0.520mmol)のTHF(10ml)中溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(0.624ml、0.624mmol)を添加し、混合物を65℃で4.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解し、2N HCl水溶液で酸性化し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させて、標記化合物を明るい橙色の固体として得た。
HPLC:RtH4=0.50分;ESIMS [M+H]+=261.0/263.1;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 13.36(s,1H)、8.31(s,1H)、7.81(d,1H)、6.72(d,1H)、6.39(t,1H)、4.87−4.67(m,2H)。
【0318】
酸9:6−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸
r酸9の工程aにおいて1,1−ジフルオロ−2−ヨード−エタンに代えて1−ブロモ−2−メトキシ−エタンを使用し、テトラブチルアンモニウムヨージドを添加せず、1回だけ一夜撹拌する酸9[工程aおよびb]と類似の方法で、6−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸を製造した。
HPLC:RtH4=0.47分;ESIMS [M+H]+=255.1/257.1;1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 13.26(br.s,1H)、8.22(s,1H)、7.79(d,1H)、6.63(d,1H)、4.38(t,2H)、3.62(t,2H)、3.17(s,3H)。
【0319】
アミド1:5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸アミド
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸(84mg、0.518mmol)のDCM(1.5ml)中白色懸濁液に塩化オキサリル(0.068ml、99mg、0.777mmol)および触媒量のDMFを添加した。該反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、25%NH4OH水溶液(0.300ml)を0℃で滴下した。該反応混合物を室温で10分間撹拌し、H2OおよびTBMEを添加し、相を分取し、水相をTBMEで2回再抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、白色の粉末を得、これ以上精製せずに次工程で使用した。RtH4=0.47分;ESIMS:162[(M+H)+];1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.68(d,1H)、7.91(d,1H)、7.80(br s,1H)、5.57(br s,1H)、2.80(s,3H)。
【0320】
アミド2:アミド1に記載の方法と同様に、3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸(CAS 1200497−81−9)から3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸アミドを製造した。
RtH4=0.45分;
1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 9.01(d,1H)、8.70(d,1H)、8.17(br s,1H)、7.94(br s,1H)。
【0321】
アミド3:上記の方法と同様に、3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸(CAS 1262860−72−9)から3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸アミドを製造した。RtH4=0.62分;ESIMS:223[(M+H)+];
1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ 8.49(d,1H)、8.08−7.97(m,2H)、7.73(br s,1H)、7.45(t,1H)。
【0322】
ヒドロキシエステル1:3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
a)3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−トリメチルシラニルoxy−プロピオニトリル
1,3−ジフルオロ−プロパン−2−オン(8.5g、90mmol)にTMS−シアニド(8.97g、90mmol)を30分間かけて滴下した。該反応混合物を室温で16時間撹拌した。収量=17.4g(100%)。
1H−NMR(400MHz、CDCl3)δ 4.55(d,2H)、4.44(d,2H)、0.28(s,9H)。
19F−NMR(376MHz、CDCl3)δ−226(t)。
【0323】
b)3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−ヒドロキシ−プロピオン酸
3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−トリメチルシラニルオキシ−プロピオニトリル(17.4g、90mmol)を37%HCl(300ml)で処理し、3時間加熱して穏やかに還流した。該反応混合物を周囲温度に冷却し、真空濃縮した。このようにして得た固体をエタノール300mlに再溶解し、真空濃縮し、高真空下にて乾燥させた。
このようにして得た固体(17g)は、相当量の塩化アンモニウムを含有しており、これ以上精製せずに使用した。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d6)δ 7.0−7.3(m,4H)、5.6−6.5(s,1H)、4.43−4.58(m,4H)。
13C−NMR(150MHz、DMSO−d6)δ 171(t)、85(d)、83(d)、75(t)。
【0324】
c)3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−ヒドロキシ−プロピオン酸エチルエステル
粗製3−フルオロ−2−フルオロメチル−2−ヒドロキシ−プロピオン酸(17g)をエタノール(400ml)に溶解し、HSO(98%、30g)を添加した。該反応混合物を16時間還流させた。
該反応混合物を周囲温度に冷却し、濾過した。該溶液を固体NaCO 30gで注意深く処理し、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。DCM 400mlを添加し、該混合物を濾過した。該溶液を濃縮し(50℃、150ミリバール)、蒸留(82℃、20ミリバール)によってさらに精製して、無色の液体を得た。
収量=9.8g(97%)。
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δ 4.43−4.65(m,4H)、4.30(q,2H)、3.63−3.88(s,1H)、1.30(t,3H)。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
式(I):
【化1】
[式中、
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
は、CRまたはNであり;
ここで、X、X、XおよびXのうち少なくとも1つがNであり、X、X、XおよびXのうち2つ以下がNであるか;
または
は、CRまたはNであり;
は、CR、NまたはSであり;
は、結合であり;
は、CR、NまたはSであり;
ここで、X、XおよびXのうち少なくとも1つがNまたはSであり、X、XおよびXのうち2つ以下がNであり、XおよびXのうち1つ以下がSであり;
は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ、ハロゲン−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルチオ、(C2−8)アルケニルまたは(C2−8)アルキニルであり;
は、アリール、ヘテロアリールまたは非芳香族ヘテロシクリル基Gであり、ここで、基Gは、シアノ、アミノ、アミノ−(C1−8)アルキル、N−(C1−4)アルキル−アミノ−(C1−8)アルキル、N,N−ジ(C1−4)アルキル−アミノ−(C1−8)アルキル、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1−8)アルコキシ、ハロゲン−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキル、(C3−8)シクロアルキル−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルチオ、(C2−8)アルケニル、(C2−8)アルキニル、(C2−8)アルケノキシ、(C2−8)アルキノキシ、および(C3−8)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは非芳香族ヘテロシクリル基Gからなる群から選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよく、ここで、該基Gは、シアノ、アミノカルボニル、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、ヒドロキシ、(C1−8)アルコキシ、ハロゲン−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルチオ、(C2−8)アルケニルおよび(C2−8)アルキニルからなる群から独立して選択される1、2、3または4個の置換基によって置換されていてもよく;
は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ;ハロゲン−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルチオ、(C2−8)アルケニルまたは(C2−8)アルキニルであり;
は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ、ハロゲン−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルチオ、(C2−8)アルケニルまたは(C2−8)アルキニルであり;
は、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ、ハロゲン−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ、ハロゲン−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルチオ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルコキシ、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルチオ、(C2−8)アルケニルまたは(C2−8)アルキニルであるか;
または
およびRは、一緒になって、−C(H)=C(H)−C(H)=C(H)−または(C1−8)アルキレン基であり、ここで、(C1−8)アルキレン基中の1または2つの−CH−環構成員は、−N(H)−、−N[(C1−8)アルキル]−、−O−、−S−、−S(=O)−または−S(=O)−からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員と置き換えられていてもよく;
は、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、ヒドロキシ−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキル、メルカプト−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキル、アミノ−(C1−8)アルキル、N−(C1−4)アルキル−アミノ−(C1−8)アルキル、N,N−ジ(C1−4)アルキル−アミノ−(C1−8)アルキル、(C2−8)アルケニルまたは(C2−8)アルキニルであるか;
または
およびRは、一緒になって、(C1−4)アルキレン基であり、ここで、該(C1−4)アルキレン基中の1つの−CH−環構成員は、−N(H)−、−N[(C1−4)アルキル]−、−O−、−S−、−S(=O)−または−S(=O)−からなる群から独立して選択されるヘテロ環構成員と置き換えられていてもよく;
は、−C(R)(R)−または−C(R)(R)−C(R)(R10)−であり;
は、−C(R11)(R12)−または−C(R11)(R12)−C(R13)(R14)−であり;
およびRは、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルおよび(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
およびRは、一緒になって、オキソまたは−CH−CH−であり;
およびR10は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルおよび(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
およびR10は、一緒になって、オキソまたは−CH−CH−であり;
11およびR12は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルおよび(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12は、一緒になって、オキソまたは−CR1516−CR1718−であり、ここで、R15、R16、R17およびR18は、独立して、水素およびフルオロから選択され;
13およびR14は、各々独立して、水素、シアノ、ハロゲン、(C1−8)アルキル、ハロゲン−(C1−8)アルキル、(C1−8)アルコキシ−(C1−8)アルキルおよび(C1−8)アルキルチオ−(C1−8)アルキルからなる群から選択されるか;
または
13およびR14は、一緒になって、オキソまたは−CH−CH−である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
[2]
が水素である、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[3]
が、5員または6員のヘテロアリール基であり、ここで、この構造中、1、2、3または4個の環構成員が、窒素環構成員、酸素環構成員および硫黄環構成員から独立して選択されるヘテロ環構成員であり、この基が、シアノ、アミノ、アミノカルボニル、チオカルバモイル、ハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロゲン−(C1−4)アルキル、ヒドロキシ、オキソ、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン−(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、ハロゲン−(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルチオ−(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルチオ−(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ−(C1−4)アルキルチオ、(C2−4)アルケニル、(C2−4)アルキニル、(C2−4)アルケノキシおよび(C2−4)アルキノキシからなる群から選択される1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよい、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[4]
が水素である、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[5]
がCHまたはNであり;
がCHまたはNであり;
がCRまたはNであり;
がCRであり;
ここで、X、XおよびXのうち1つ以下がNである、
[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[6]
が水素またはハロゲンであり;Rが水素またはハロゲンである、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[7]
が(C1−3)アルキルまたはハロゲン−(C1−3)アルキルである、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[8]
が−C(R)(R)−であり;
およびRが水素であるか;
または
およびRが一緒になってオキソである、
[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[9]
が−C(R11)(R12)−であり;
11およびR12が、各々独立して、水素、(C1−3)アルキルおよびハロゲン−(C1−3)アルキルからなる群から選択されるか;
または
11およびR12が一緒になってオキソである、
[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[10]
下記のものからなる群から選択される、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩:
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]−オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−チオカルバモイル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロ−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
4,6−ジジューテロ−5−クロロ−3−トリジューテロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸[5−(5−アミノ−3−フルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−6−クロロ−ピリジン−3−イル]−アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−クロロ−4,6−ジジューテリオ−3−トリジューテリオメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−ブロモ−3−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−メトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3,5−ジクロロ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−フルオロメトキシ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[4−(5−アミノ−6,6−ビス−フルオロメチル−3−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
5−シアノ−3−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3−クロロ−5−シアノ−ピリジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3−ジフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
3,5−ジメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(3−フルオロ−プロポキシ)−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2−メトキシ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸[6−((5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−トリフルオロメチル−ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]アミド;
3−アミノ−5−(2,2−ジフルオロ−エチル)−5H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−クロロ−1−ジフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;
6−クロロ−1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド;および
6−クロロ−1−(2−メトキシ−エチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−カルボン酸[6−(5−アミノ−3,6−ジメチル−6−トリフルオロメチル−3,6−ジヒドロ−2H−[1,4]オキサジン−3−イル)−5−フルオロ−ピリジン−2−イル]−アミド。
[11]
医薬として使用するための、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[12]
アルツハイマー病または軽度または軽度認知障害の処置または予防に使用するための、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[13]
インスリン耐性、対糖能障害、2型糖尿病、肥満、高血圧または糖尿病合併症の処置または予防に使用するための、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[14]
活性医薬成分としての[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を少なくとも1つの医薬上許容される担体または希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
[15]
アルツハイマー病または軽度または軽度認知障害の処置または予防用の医薬の製造のための、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
[16]
インスリン耐性、対糖能障害、2型糖尿病、肥満、高血圧または糖尿病合併症の処置または予防用の医薬の製造のための、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
[17]
同時または逐次投与のための、[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩の治療有効量、および第二医薬物質を含む、医薬組合せ剤。