(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
化合物番号1〜6、8、12、14、16〜35、37、38、48、50、51、53〜56、60〜65および67〜91からなる群から選択される請求項12に記載の化合物、
ならびにその薬学的に許容される塩。
【背景技術】
【0002】
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)は、多くの細胞型の細胞質において見られる酸化窒素(NO)の受容体である。ヒトにおいて、機能性sGCは、ヘム補欠分子族を有するベータ1サブユニットと組み合わせたアルファ1またはアルファ2サブユニットのいずれかから構成されるヘテロ二量体である。非病態生理学的条件下で、sGCのヘムとのNO結合は、グアノシン−5’−三リン酸(GTP)から環状グアノシンーリン酸(cGMP)への変換を触媒するための酵素を活性化させる。cGMPは、cGMP依存性プロテインキナーゼ(PKG)アイソフォーム、ホスホジエステラーゼ、およびcGMP依存性イオンチャネルを調節することによって効果を発揮する第二のメッセンジャーである。その際、sGCは、動脈性高血圧症、肺高血圧症、アテローム性動脈硬化症、心不全、肝硬変、腎線維症および勃起不全を含む疾患に関連する多数の経路を調節することが実証されている(O. Evgenov et al., Nature Reviews, 2006, 5, 755-768 and Y. Wang-Rosenke et al., Curr. Med. Chem., 2008, 15, 1396-1406)。
【0003】
通常の条件下では、sGC中の鉄は、NOおよび一酸化炭素(CO)と結合することができる第一鉄状態で存在する。しかしながら、種々の疾患において発生し得る酸化的ストレスの条件下では、ヘム鉄は、NOまたはCOによって活性化することができない第二鉄状態に酸化することを報告書が示している。酸化したヘム鉄を持つsGCを経由してNOがシグナル伝達できないことは、疾患プロセスに寄与すると仮定されてきた。最近、ヘム依存的(sGC刺激因子)およびヘム非依存的(sGC活性化因子)にsGC活性を増強する2つの新規クラスの化合物について記述された。sGC刺激因子の活性はNOと相乗作用してcGMP生成を増加させるのに対し、sGC活性化因子はNOと相加作用するのみで、cGMPレベルを高める(O. Evgenov et al., Nature Reviews, 2006, 5, 755-768)。sGCの刺激因子および活性化因子はいずれも、疾患の動物モデルにおいて有益性が実証されている。sGCの活性化因子は、酵素の罹患した非機能性形態を優先的に標的化することができるという利点を提供する。sGC活性化因子は、BAY58−2667(シナシグアト)(J-P Stasch et al., Brit J. Pharmacol., 2002, 136, 773-783)およびHMR−1766(アタシグアト)(U. Schindler et al., 2006, Mol. Pharmacol., 69, 1260-1268)を含む。
【0004】
NOは、正常な細胞および組織機能を維持する上で重要な役割を担っている。しかしながら、NO経路における十分なシグナル伝達は、いくつかのステップで中断し得る。NOシグナル伝達は、酸化窒素シンターゼ(NOS)酵素、NOS活性、NOバイオアベイラビリティ、sGCレベルおよびsGC活性のレベル低下によって損なわれ得る。sGC活性化因子は、これらの機能障害のすべてによって生成される機能的な身体障害を回避する可能性を有する。sGC活性化はNO合成またはNOアベイラビリティの下流で発生するため、これらの欠陥がsGC活性化因子の活性に影響を及ぼすことはない。上述した通り、機能がヘム鉄酸化によって中断されるsGCの活性は、sGC活性化因子によって補正されることになる。故に、sGC活性化因子は、NO経路における不完全なシグナル伝達によって引き起こされる多くの疾患において有益性を提供する可能性を有する。
【0005】
sGCの活性化は、アテローム性動脈硬化症および動脈硬化症に治療的有益性を提供する可能性を有する。シナシグアト治療は、ラットにおける頸動脈のワイヤー傷害による内皮露出後の新生内膜過形成を予防することが実証されている(K. Hirschberg et al., Cardiovasc. Res., 2010, 87, Suppl. 1, S 100, Abstract 343)。アタシグアトは、高脂肪食を与えたApoE−/−マウスにおいてアテローム動脈硬化性プラークの形成を阻害した(M. van Eickels, BMC Pharmacology, 2007, 7, Suppl. 1, S4)。内皮酸化窒素シンターゼ(eNOS)欠損マウスにおけるNO生成の減少は、栄養過剰に応答して、血管炎症およびインスリン抵抗性を増加させた。同じ研究で、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤シルデナフィルは、高脂肪食を与えたマウスにおいて血管炎症およびインスリン抵抗性を低下させた(N. Rizzo et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 2010, 30, 758-765)。最後に、インビボでのラット頸動脈のバルーン傷害の後、sGC刺激因子(YC−1)はネオティマ(neotima)形成を阻害した(C. Wu, J. Pharmacol. Sci., 2004, 94, 252-260。
【0006】
糖尿病の合併症は、sGC活性化によって低減し得る。グルカゴン放出のグルコース誘発性の抑制は、PKGを欠く膵島では失われ、故に、グルコース調節におけるsGC媒介性cGMP生成の役割を示唆している(V. Leiss et al., BMC Pharmacology, 2009, 9, Suppl. 1, P40)。
PDE5阻害剤での治療によるcGMPの上昇が勃起不全(ED)の治療に効果的であることは、臨床的によく確立されている。しかしながら、ED患者の30%は、PDE5阻害剤治療に対して抵抗性がある(S. Gur et al., Curr. Pharm. Des., 2010, 16, 1619-1633)。sGC刺激因子BAY−41−2272は、sGC依存的に海綿体筋を弛緩させることができ、故に、sGC活性の増加がED患者において有益性を提供し得ることを示唆している(C. Teixeira et al., J. Pharmacol. & Exp. Ther., 2007, 322, 1093-1102)。さらに、個々にまたはPDE5阻害剤と組み合わせて使用したsGC刺激因子およびsGC活性化因子は、動物モデルにおいてEDを治療することができた(国際公開第10/081647号パンフレット)。
【0007】
sGC活性化は、肺、肝臓および腎臓のものを含む組織の線維化を予防するのに有用となり得るというエビデンスがある。上皮から間葉(mesenchyal)への移行(EMT)および線維芽細胞から筋線維芽細胞への変換のプロセスは、組織の線維化に寄与すると考えられている。シナシグアト(cincaciguat)またはBAY41−2272のいずれかをシルデナフィルと組み合わせた場合、肺線維芽細胞から筋線維芽細胞への変換は阻害された(T. Dunkern et al., Eur. J. Pharm., 2007, 572, 12-22)。NOは、肺胞上皮細胞のEMTを阻害することができ(S. Vyas-Read et al., Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol., 2007, 293, 1212-1221)、sGC活性化がこのプロセスに関与していることを示唆している。NOは、糸球体TGFベータシグナル伝達を阻害することも示されており(E. Dreieicher et al., J. Am. Soc. Nephrol., 2009, 20, 1963-1974)、これは、sGC活性化が糸球体硬化を阻害し得ることを示している。肝線維症のブタ血清モデルおよび四塩化炭素モデルにおいて、sGC活性化因子(BAY60−2260)は線維化を阻害するのに有効であった(A. Knorr et al., Arzneimittel-Forschung, 2008, 58, 71-80)。
【0008】
臨床研究は、急性非代償性心不全の治療のためにsGC活性化因子シナシグアトを使用して、効能を実証した(H. Lapp et al., Circulation, 2009, 119, 2781-2788)。これは、シナシグアトの急性静脈内注入により心臓の負荷軽減を生成することができたイヌの頻回ペーシング(tachypacing)誘発性心不全モデルの結果と一致する(G. Boerrigter et al., Hypertension, 2007, 49, 1128-1133)。ラット心筋梗塞誘発性慢性心不全モデルにおいて、HMR1766は、心機能を改善し、心臓線維症を低減させ、これはラミプリルによってさらに増強された(F. Daniela, Circulation, 2009, 120, Suppl. 2, S852-S853)。
【0009】
sGCの活性化因子を使用して、高血圧症を治療することができる。これは、シナシグアトの用量を、達成された血圧低下の大きさに基づいて漸増する臨床研究において明らかに実証されている(H. Lapp et al., Circulation, 2009, 119, 2781-2788)。シナシグアトを使用する前臨床研究は、血圧を低下させるsGC活性化の能力を以前に示していた(J. -P. Stasch et al., 2006, J. Clin. Invest., 116, 2552-2561)。sGC活性化因子HMR1766を使用して同様の所見も報告されている(U. Schindler et al., 2006, Mol. Pharmacol., 69, 1260-1268)。
【0010】
sGCの活性化は、内皮への影響により炎症を低減させる可能性を有する。BAY41−2272およびNO供与体は、eNOS欠損マウスにおいて白血球ローリングおよび接着を阻害した。これは、接着分子P−セレクチンの発現のダウンレギュレーションによって媒介されることが実証された(A. Ahluwalla et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2004, 101, 1386-1391)。NOSおよびsGCの阻害剤は、腸間膜微小循環血管上でのエンドトキシン(LPS)誘発性ICAM発現を増加させることが示された。これは、NO供与体によりcGMP依存的に低減された。NOSまたはsGC阻害剤でのマウスの治療は、LPSまたはカラギーナン(carrageenen)により誘発される好中球遊走、ローリングおよび接着を増加させた(D. Dal Secco, Nitric Oxide, 2006, 15, 77-86)。sGCの活性化は、インビボおよび単離心臓モデルの両方において、BAY58−2667を使用して虚血再灌流傷害からの保護を提供することが示されている(T. Krieg et al., Eur. Heart J., 2009, 30, 1607-6013)。心臓停止および体外循環のイヌモデルにおいて同じ化合物を使用して、同様の結果が取得された(T. Radovits et al., Eur J. Cardiothorac. Surg., 2010)。
【0011】
いくつかの研究は、sGC活性化が抗侵害受容作用を有する可能性を示した。マウス(ライジングアッセイ)およびラット(肢痛覚過敏症)における侵害受容のストレプトゾトシン誘発性糖尿病モデルでは、シルデナフィルの投与によるcGMPレベルの上昇が疼痛応答を遮断し、これが今度はNOSまたはsGC阻害剤によって解消された(C. Patil et al., Pharm., 2004, 72, 190-195)。sGC阻害剤1H−1,2,4−オキサジアゾロ4,2−α.キノキサリン−1−オン(ODQ)は、ホルマリン誘発性疼痛モデルにおいてはメロキシカムおよびジフェニルジセレニド(P. Aguirre-Banuelos et al., Eur. J. Pharmacol., 2000, 395, 9-13およびL. Savegnago et al., J. Pharmacy Pharmacol., 2008, 60, 1679-1686)、ならびに肢加圧モデルにおいてはキシラジン(T. Romero et al., Eur. J. Pharmacol., 2009, 613, 64-67)を含む種々の作用物質の抗侵害受容作用を遮断することが実証されている。さらに、アタシグアトは、マウスにおける炎症トリガー温熱性痛覚過敏のカラギーナンモデルおよび神経因性疼痛の予備神経損傷モデルにおいて抗侵害受容性であった(国際公開第09/043495号パンフレット)。
【0012】
脳において発現されるcGMPに対して特異的なホスホジエステラーゼであるPDE9の阻害は、長期間にわたる増強を改善することが示されている(F. van der Staay et al., Neuropharmacol. 2008, 55, 908-918)。中枢神経系において、sGCは、cGMPの形成を触媒する主要な酵素である(K. Domek-Lopacinska et al., Mol. Neurobiol., 2010, 41, 129-137)。故に、sGC活性化は、アルツハイマー病およびパーキンソン病を治療する上で有益となり得る。第二相臨床研究において、sGC刺激因子リオシグアトは、慢性血栓塞栓性肺高血圧症および肺動脈高血圧症を治療する上で効果的であった(Η. Ghofrani et al., Eur. Respir. J., 2010, 36, 792-799)。これらの所見は、BAY41−2272およびシナシグアトがマウス(R. Dumitrascu et al.. Circulation, 2006, 113, 286-295)および子羊(O. Evgenov et al., 2007, Am. J. Respir. Crit. Care Med., 176, 1138-1145)モデルにおいて肺高血圧症を低減させた前臨床研究を拡大するものである。肺高血圧症のマウスモデルにおいてHMR1766を使用して、同様の結果が取得された(N. Weissmarm et al., 2009, Am. J, Physiol, Lung Cell. Mol. Physiol, 297, L658-665)。
【0013】
sGCの活性化は、慢性腎疾患を治療する可能性を有する。BAY58−2667およびHMR1766はいずれも、腎疾患のラット腎亜全摘術モデルにおいて腎機能および構造を改善した(P. Kalk et al., 2006, Brit. J. Pharmacol., 148, 853-859およびK. Benz et al., 2007, Kidney Blood Press. Res., 30, 224-233)。腎臓機能および生存の改善は、NOS阻害剤で治療した高血圧レニントランスジェニックラット(TG(mRen2)27ラット)におけるBAY58−2667治療によって提供された(J.-P. Stasch et al, 2006, J. Clin. Invest., 116, 2552-2561)。BAY41−2272治療は、一側腎摘出術および抗thy1抗体治療によって誘発されるラットにおける腎疾患の慢性モデルにおいて、腎臓機能および構造を保存した(Y. Wang et al., 2005, Kidney Intl., 68, 47-61)。過剰な血液凝固によって引き起こされる疾患は、sGC活性化因子により治療され得る。BAY58−2667を使用するsGCの活性化により、種々の刺激によってエクスビボで誘発された血小板凝集を阻害することができた。加えて、この化合物は、マウスにおいてインビボでの血栓形成を阻害し、出血時間を延長した(J.-P. Stasch et al., 2002, Brit. J. Pharmacol., 136, 773-783)。HMR1766を使用する別の研究において、インビボ血小板活性化は、ストレプトゾトシンで治療したラットにおいて阻害された(A. Schafer et al., 2006, Arterioscler. Thromb. Vase. Biol., 2006, 26, 2813-2818)。
【0014】
sGC活性化は、泌尿器系障害の治療においても有益となり得る(国際公開第08138483号パンフレット)。これは、PDE5阻害剤バルデナフィルを使用する臨床研究によって支持される(C. Stief et al., 2008, Eur. Urol., 53, 1236-1244)。可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激因子BAY41−8543は、患者試料を使用して、前立腺、尿道および膀胱の平滑筋細胞増殖を阻害することができ(B. Fibbi et al., 2010, J. Sex. Med., 7, 59-69)、故に、sGC活性化因子で泌尿器系障害を治療することの有用性を支持するさらなるエビデンスを提供する。
【0015】
上記の研究は、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患、再狭窄、卒中、心不全、冠攣縮性狭心症、脳血管攣縮、虚血/再灌流傷害、血栓塞栓性肺高血圧症、肺動脈高血圧症、安定および不安定狭心症、血栓塞栓性障害を含む心血管疾患を治療するための、sGC活性化因子の使用にエビデンスを提供する。加えて、sGC活性化因子は、腎疾患、糖尿病、肝臓、腎臓および肺のものを含む線維性障害、過活動膀胱、良性前立腺過形成および勃起不全を含む泌尿器系障害、ならびにアルツハイマー病、パーキンソン病および神経因性疼痛を含む神経学的障害を治療する可能性を有する。sGC活性化因子での治療は、乾癬、多発性硬化症、関節炎、喘息および慢性閉塞性肺疾患等の炎症性障害においても有益性を提供し得る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一実施形態において、式Iの化合物またはその塩が提供される。
【化1】
(式中、
Aは、5または6員のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基であり、
Bは、1個の窒素を含有する5〜7員のヘテロシクリル基であり、前記ヘテロシクリル基の1個の炭素は、オキソ基で置換されていてもよく、またはBは、少なくとも2個の窒素を含有する5員のヘテロアリール基であり、
R
1およびR
2は、H、C
1-4アルキル、C
3-6シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、−CF
3、−CH
2CF
3および−CH
2CH
2CO
2Hから独立に選択され、
R
3は、Hおよび−CH
3から選択され、
R
4は、H、C
1-6アルキル、C
3-7シクロアルキル、−C(O)C
1-6アルキル、−CH
2CF
3、−SO
2C
1-6アルキル、−SO
2(CH
2)
1-3CO
2H、−CO
2C
1-4アルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−(C
1-2アルキル)ヘテロシクリル、−(C
1-2アルキル)アリールおよび−(C
1-2アルキル)ヘテロアリールから選択され、前記ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、C
1-3アルキル、−CF
3およびハロゲンから独立に選択される1〜2個の基で置換されていてもよく、
または、R
4は、Bがヘテロアリール基である場合、存在しなくてもよく、
R
5は、H、−C
1-3アルキル、−OCH
3、−CF
3、−CNおよびClから選択され、
R
6は、HおよびCH
3から選択され、
但し、R
5およびR
6の両方がHであることはない)
【0019】
別の実施形態において、
Aが、5または6員のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基であり、
Bが、1個の窒素を含有する5〜7員のヘテロシクリル基であって、前記ヘテロシクリル基の1個の炭素は、オキソ基で置換されていてもよく、またはBが、少なくとも2個の窒素を含有する5員のヘテロアリール基であり、
R
1およびR
2が、H、−CH
3および−CF
3から独立に選択され、
R
3が、Hおよび−CH
3から選択され、
R
4が、H、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、−C(O)C
1-6アルキル、−SO
2C
1-6アルキル、−SO
2(CH
2)
1-3CO
2H、−CO
2C
1-4アルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−(C
1-2アルキル)ヘテロシクリル、−(C
1-2アルキル)アリールおよび−(C
1-2アルキル)ヘテロアリールから選択され、前記ヘテロシクリル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールが、C
1-3アルキルまたは−CF
3で置換されていてもよく、
または、R
4が、Bがヘテロアリール基である場合、存在しなくてもよく、
R
5がHであり、
R
6が−CH
3である、
上記実施形態において記述されている通りの化合物またはその塩が提供される。
【0020】
別の実施形態において、
【化2】
が、
【化3】
から選択される5または6員のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基であり、
基
【化4】
が、
【化5】
から選択される、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩が提供される。
【0021】
別の実施形態において、
【化6】
が、
【化7】
から選択される5または6員のアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基である、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩が提供される。
【0022】
別の実施形態において、
基
【化8】
が、
【化9】
から選択される、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0023】
別の実施形態において、
【化10】
が、
【化11】
から選択される、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0024】
別の実施形態において、
【化12】
が、
【化13】
である、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0025】
別の実施形態において、
【化14】
が、
【化15】
である、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0026】
別の実施形態において、
【化16】
が、
【化17】
である、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0027】
別の実施形態において、
R
1およびR
2が、H、C
1-4アルキル、シクロプロピルおよび−CF
3から独立に選択され、
R
4が、H、C
1-6アルキル、C
3-7シクロアルキル、−C(O)C
1-6アルキル、−CH
2CF
3、−SO
2C
1-6アルキル、−SO
2(CH
2)
1-3CO
2H、−CO
2C
1-4アルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヘテロアリール、−(C
1-2アルキル)ヘテロシクリル、−(C
1-2アルキル)フェニルおよび−(C
1-2アルキル)ヘテロアリールから選択され、
前記ヘテロシクリルが、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルから選択され、
前記ヘテロアリールが、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、チアゾリルおよび4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾリルから選択され、
前記ヘテロシクリル、シクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリールが、メチル、エチル、−CF
3およびフッ素から独立に選択される1〜2個の基で置換されていてもよく、
R
5が、−CH
3、−CH
2CH
3、−OCH
3および−CF
3から選択され、
R
6が、Hおよび−CH
3から選択され、
但し、R
5およびR
6の両方がHであることはない、
上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0028】
別の実施形態において、
R
4が、H、C
1-6アルキル、C
3-6シクロアルキル、−C(O)C
1-6アルキル、−SO
2C
1-6アルキル、−SO
2(CH
2)
1-3CO
2H、−CO
2C
1-4アルキル、ヘテロシクリル、フェニル、ヘテロアリール、−(C
1-2アルキル)ヘテロシクリル、−(C
1-2アルキル)フェニルおよび−(C
1-2アルキル)ヘテロアリールから選択され、
前記ヘテロシクリルが、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルから選択され、
前記ヘテロアリールが、イミダゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびチアゾリルから選択され、
前記ヘテロシクリル、フェニルおよびヘテロアリールが、C
1-3アルキルまたは−CF
3で置換されていてもよい、
上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0029】
別の実施形態において、
【化18】
が、
【化19】
である、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0030】
別の実施形態において、
【化20】
が、
【化21】
である、上記実施形態のいずれかにおいて記述されている通りの化合物またはその塩がある。
【0031】
下記は、一般的合成スキーム、例、および当技術分野において公知の方法によって作製され得る本発明の代表的化合物である。
【表1】
【0054】
一実施形態において、本発明は、上記の表1において描写されている化合物のいずれかおよびその薬学的に許容される塩に関する。
別の実施形態において、本発明は、上記の表1の化合物1〜10、12〜14、16〜35、37、38、40〜43、46、48および50〜54からなる群ならびにその薬学的に許容される塩に関する。
【0055】
別の実施形態において、本発明は、上記の表1の化合物1〜6、8、12、14、16〜35、37、38、48、50、51、53〜56、60〜65および67〜91からなる群ならびにその薬学的に許容される塩に関する。
【0056】
具体的に指示がない限り、本明細書および添付の請求項の全体を通して、所与の化学式または名称は、互変異性体およびすべての立体、光学および幾何異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、E/Z異性体等)およびそれらのラセミ体、ならびに、別個の鏡像異性体の異なる割合での混合物、ジアステレオマーの混合物、またはそのような異性体および鏡像異性体が存在する場合の前述の形態のいずれかの混合物、ならびに、その薬学的に許容される塩を含む塩、遊離化合物の溶媒和物を含む例えば水和物等のそれらの溶媒和物、または化合物の塩の溶媒和物を包含するものとする。
【0057】
式(I)の化合物のいくつかは、複数の互変異性形態で存在し得る。本発明は、すべてのそのような互変異性体を使用するための方法を含む。
本発明は、式(I)の化合物の薬学的に許容される誘導体を含む。「薬学的に許容される誘導体」は、患者への投与時に、本発明に有用な化合物、またはその薬理活性代謝物もしくは薬理活性残留物を(直接的にまたは間接的に)提供することができる、任意の薬学的に許容される塩もしくはエステル、または任意の他の化合物を指す。薬理活性代謝物は、酵素的にまたは化学的に代謝されることができる本発明の任意の化合物を意味すると理解されるものとする。これは、例えば、式(I)の水酸化または酸化誘導体化合物を含む。
【0058】
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基を作製することによって修飾される開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例は、アミン等の塩基性残基の鉱物または有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリまたは有機塩;等を含むがこれらに限定されない。例えば、そのような塩は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物/臭化水素酸塩、エデト酸塩、カンシル酸塩、重炭酸塩、塩化物/塩酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エタンジスルホン酸塩、エストレートエシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsnilates)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミド、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸水素塩、テオクル酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリエチオダイド、アンモニウム、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミンおよびプロカインを含む。さらなる薬学的に許容される塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等のような金属のカチオンと形成され得る(Pharmaceutical salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19も参照)。
【0059】
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成され得る。概して、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、十分な量の適正な塩基または酸と、水中で、あるいはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールもしくはアセトニトリル、またはそれらの混合物のような有機希釈剤中で反応させることによって調製され得る。
例えば本発明の化合物を精製または単離するために有用な上記で言及したもの以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)も、本発明の一部を構成する。
加えて、式(I)の化合物のプロドラッグの使用が本発明の範囲内である。プロドラッグは、単純な化学転換時に、本発明の化合物を生成するように修飾された化合物を含む。単純な化学転換は、加水分解、酸化および還元を含む。具体的には、プロドラッグが患者に投与されると、プロドラッグは以上で開示された化合物に転換されることができ、それにより、所望の薬理学的効果を付与する。
【0060】
本発明の化合物は、当業者には分かるように、「化学的に安定」であることを企図されているもののみである。例えば、「ダングリング原子価(dangling valency)」または「カルバニオン」を有するであろう化合物は、本明細書において開示されている本発明の方法によって企図されている化合物ではない。
【0061】
本出願において以上で開示されているすべての化合物について、命名法が構造と矛盾している事象においては、化合物は構造によって定義されると理解するものとする。
本明細書において使用されるすべての用語は、別段の記載がない限り、当技術分野において公知の通りのそれらの普通の意味で理解するものとする。例えば、「C
1-4アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチルまたはt−ブチル等の1〜4個の炭素を含有する飽和脂肪族炭化水素一価基であり;「C
1-4アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等の末端酸素を持つC
1-4アルキルである。すべてのアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、構造的に可能である場合、かつ別段の指定がない限り、分枝鎖状または非分枝鎖状、環化または非環化であると解釈されるものとする。他のより具体的な定義は次の通りである。
【0062】
用語「C
1-n−アルキル」は、nが2〜nの整数である場合、単独で、または別の基と組み合わせてのいずれかで、1〜n個のC原子を持つ非環式、飽和、分枝鎖状または直鎖状炭化水素基を表す。例えば、用語C
1-5−アルキルは、基H
3C−、H
3C−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−C(CH
3)
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−CH
2−CH(CH
3)−、H
3C−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH
2−CH
2−、H
3C−CH
2−C(CH
3)
2−、H
3C−C(CH
3)
2−CH
2−、H
3C−CH(CH
3)−CH(CH
3)−およびH
3C−CH
2−CH(CH
2CH
3)−を内包する。
【0063】
用語「C
1-n−アルキレン」は、nが1〜nの整数である場合、単独で、または別の基と組み合わせてのいずれかで、1〜n個の炭素原子を含有する非環式、直鎖または分枝鎖二価アルキル基を表す。例えば、用語C
1-4−アルキレンは、−(CH
2)−、−(CH
2−CH
2)−、−(CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2)−、−(C(CH
3)
2)−、−(CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH
2−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH
2−CH(CH
3))−、−(CH(CH
3)−CH
2−CH
2)−、−(CH
2−CH(CH
3)−CH
2)−、−(CH
2−C(CH
3)
2)−、−(C(CH
3)
2−CH
2)−、−(CH(CH
3)−CH(CH
3))−、−(CH
2−CH(CH
2CH
3))−、−(CH(CH
2CH
3)−CH
2)−、−(CH(CH
2CH
2CH
3))−、−(CHCH(CH
3)
2)−および−C(CH
3)(CH
2CH
3)−を含む。
用語「C
3-n−シクロアルキル」は、nが4〜nの整数である場合、単独で、または別の基と組み合わせてのいずれかで、3〜n個のC原子を持つ環式、飽和、非分枝鎖状炭化水素基を表す。例えば、用語C
3-7−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。
用語「ヘテロ原子」は、本明細書において使用される場合、O、N、SおよびP等の炭素以外の原子を意味すると理解されるものとする。
【0064】
1個または複数の炭素原子が、ヘテロ原子:O、SまたはNにより置きかえられていてもよいすべてのアルキル基または炭素鎖において、Nが置換されていないのであればNHであると理解するものとし、ヘテロ原子は、末端炭素原子または分枝鎖状もしくは非分枝鎖状炭素鎖内の内部炭素原子のいずれを置きかえてもよいことも理解するものとする。そのような基は、オキソ等の基により本明細書において上述した通りに置換されて、アルコキシカルボニル、アシル、アミドおよびチオキソ等であるがこれらに限定されない定義をもたらすことができる。
用語「アリール」は、本明細書において使用される場合、単独で、または別の基と組み合わせてのいずれかで、芳香族、飽和または不飽和であってよい第二の5または6員の炭素環式基とさらに縮合していてよい6個の炭素原子を含有する、炭素環式芳香族単環式基を表す。アリールは、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチルおよびジヒドロナフチルを含むがこれらに限定されない。
【0065】
用語「ヘテロアリール」は、環の少なくとも1つが芳香族である芳香族5〜6員の単環式ヘテロアリールまたは芳香族7〜11員のヘテロアリール二環式環を意味し、該ヘテロアリール環は、N、OおよびS等の1〜4個のヘテロ原子を含有する。5〜6員の単環式ヘテロアリール環の非限定的な例は、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、チエニル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニルおよびプリニルを含む。7〜11員のヘテロアリール二環式ヘテロアリール環の非限定的な例は、ベンズイミダゾリル、キノリニル、ジヒドロ−2H−キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリルおよびベンゾチアゾリルを含む。
【0066】
用語「ヘテロシクリル」は、安定な非芳香族4〜8員の単環式複素環式基または安定な非芳香族6〜11員の縮合二環式、架橋二環式もしくはスピロ環式複素環式基を意味する。5〜11員の複素環は、炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される1個または複数、好ましくは1〜4個のヘテロ原子からなる。複素環は、飽和または部分不飽和のいずれかであってよい。非芳香族4〜8員の単環式複素環式基の非限定的な例は、テトラヒドロフラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキソ−1λ
6−チオモルホリニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびアゼピニルを含む。非芳香族6〜11員の縮合二環式基の非限定的な例は、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロベンゾフラニルおよびオクタヒドロベンゾチオフェニルを含む。非芳香族6〜11員の架橋二環式基の非限定的な例は、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルおよび3−アザビシクロ[3.2.1]オクタニルを含む。非芳香族6〜11員のスピロ環式複素環式基の非限定的な例は、7−アザ−スピロ[3,3]ヘプタニル、7−スピロ[3,4]オクタニルおよび7−アザ−スピロ[3,4]オクタニルを含む。用語「ヘテロシクリル」は、考えられるすべての異性形態を含むように意図されている。
【0067】
用語「ハロゲン」は、本明細書において使用される場合、臭素、塩素、フッ素またはヨウ素を意味すると理解されるものとする。定義「ハロゲン化されている」、「部分的にまたは完全にハロゲン化されている」、「部分的にまたは完全にフッ素化されている」、「1個または複数のハロゲン原子により置換されている」は、例えば、1個または複数の炭素原子上のモノ、ジまたはトリハロ誘導体を含む。アルキルについて、非限定的な例は、−CH
2CHF
2、−CF
3等であろう。
【0068】
本明細書において記述されている各アルキル、シクロアルキル、複素環、アリールもしくはヘテロアリール、またはそれらの類似体は、部分的にまたは完全にハロゲン化されていてもよいと理解するものとする。
本明細書において使用される場合、「窒素」またはNおよび「硫黄」またはSは、窒素および硫黄の任意の酸化形態ならびに任意の塩基性窒素の四級化形態を含む。例えば、−S−C
1-6アルキル基について、別段の指定がない限り、これは、−S(O)−C
1-6アルキルおよび−S(O)
2−C
1-6アルキルを含むと理解されるものとし、同じく、−S−R
aは、R
aがフェニルであり、かつmが0、1または2である場合には、フェニル−S(O)
m−として表され得る。
【0069】
一般的な合成方法
本発明の化合物は、一般的方法および以下で提示する例、ならびに当業者に公知の方法によって調製され得る。最適な反応条件および反応時間は、使用される特定の反応物質に応じて変動し得る。別段の指定がない限り、溶媒、温度、圧力および他の反応条件は、当業者によって容易に選択され得る。具体的な手順は、合成例の項において提供される。以下の合成において使用される中間体は、市販されているか、または当業者に公知の方法によって簡単に調製されるかのいずれかである。反応進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)または高圧液体クロマトグラフィー−質量分析(HPLC−MS)等の従来の方法によってモニターされ得る。中間体および生成物は、カラムクロマトグラフィー、HPLC、分取TLCまたは再結晶を含む当技術分野において公知の方法によって精製され得る。
【0070】
以下および合成例の項において記述されている方法を使用して、式Iの化合物を調製することができる。
式Iの化合物は、スキーム1において記述されている通りに調製され得る。
【化22】
【0071】
上記で例証されている通り、エステルII(式中、Rは、MeまたはEt等のアルキル基であり、Xは、ClもしくはBr等のハロゲン化物またはトリフレートもしくはピナコールボロネートエステルのいずれかから選択される)を、ピリジン誘導体III(式中、Yは、ヨードまたはピナコールボロネートエステルのいずれかである)と、テトラキス(トリフェニル)ホスフィン(0)等のパラジウム触媒およびNa
2CO
3等の適切な塩基の存在下、1,2−DME(1,2−ジメトキシエタン)水溶液中、マイクロ波照射下、120℃でカップリングさせる。その後の、同一条件下でのクロロピリジンIVおよびボロン種VaまたはVbとのカップリングにより、中間体VIaまたはVIbを生じさせる。エステルVIbのMe(R”=Meである場合)エーテルの、三臭化ホウ素(BBr
3)による脱保護、続いて、フェノール中間体VIaの、アルキルハロゲン化物VII(式中、W=ClまたはBrである)による、DMF等の溶媒中、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)等の塩基を使用する約60℃でのアルキル化、または、トリ−n−ブチルホスフィン(PBu
3)等のホスフィンおよび1,1’−ビス−アゾジカルボニルジピペリジン(ADDP)等のアゾジカルボニル化合物の存在下、PhMe等の適正な溶媒中、約80℃での光延一炭素増炭のいずれか、続いて、THF中MeOH水溶液等の溶媒混合物中、LiOH等の適切な塩基による約50℃での加水分解により、式Iの所望化合物を生じさせる。
【0072】
【化23】
を有する式Iの化合物は、
【化24】
に等しく、スキーム2に従って調製され得る。
【化25】
【0073】
上記で例証されている通り、フェノールVIaを、光延条件下、トリ−n−ブチルホスフィン(PBu
3)等のホスフィンおよび1,1’−ビス−アゾジカルボニルジピペリジン(ADDP)等のアゾジカルボニル化合物の存在下、アルコールVIIIと、PhMe等の適正な溶媒中、約80℃で反応させ、続いて、THF中MeOH水溶液等の溶媒混合物中、LiOH等の適切な塩基による約50℃での加水分解により、式Iの所望化合物を生じさせる。
代替として、
【化26】
を有する式Iの化合物は、
【化27】
に等しく、スキーム3において例証されている通りに調製され得る。
【化28】
【0074】
上記で例証されている通り、フェノールVIaをアルコールIX(X=OH)と、光延条件下、トリ−n−ブチルホスフィン(PBu
3)等のホスフィンおよび1,1’−ビス−アゾジカルボニルジピペリジン(ADDP)等のアゾジカルボニル化合物の存在下、PhMe等の適正な溶媒中、約80℃でカップリングさせる。その後の、t−Boc基の、トリフルオロ酢酸(TFA)等の適切な酸による脱保護により、テトラヒドロイソキノリンXを提供する。代替として、中間体Xは、フェノール中間体VIaの、アルキルハロゲン化物IX(X=Br)による、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)等の塩基を使用し、DMF等の溶媒中、約60℃でのアルキル化、続いて、上記の通りのt−Boc基の脱保護によって調製される。アミンXの、所望のケトンまたはアルデヒドによる、NaBH
3CN等の適正なヒドリド源を使用し、AcOH等の有機酸を含有するMeOH等の溶媒中、約50℃での還元的アミノ化、続いて、LiOH水溶液等の塩基によるインシチュ加水分解により、式Iの所望化合物を生じさせる。代替として、アミンXの、アシルまたはスルホニルクロリドによる、ピリジン等の適切な塩基の存在下、DCM(ジクロロメタン)等の溶媒中でのアシル化またはスルホニル化、続いて、エステルの加水分解により、式Iの所望化合物を産出する。
表I中の化合物はすべて、上記でおよび以下の合成例の項において例証されている方法によって調製される。
【0075】
UPLC/MS方法
合成例の項における化合物について報告されている保持時間(RT)は、下記の方法の1つを使用するUPLC/MSによって取得される。
方法のそれぞれについて、下記は同一である:
UPLC/MSシステムコンポーネント−PDA、SQおよびELS検出器付きアクイティUPLC
【0076】
PDA条件−検出:210〜400nm。サンプリング速度:20pts/秒。フィルター応答:高速。
ELSD条件−ゲイン:1000。サンプリング速度:20pts/秒。ドリフト管温度:55℃。ネブライザーモード:冷却。ガス圧:41psi。
MS条件−機器:ESCi源付きアクイティSQD。イオン化モード:ESI+/−。
毛細管電圧:3.5kV。コーン電圧:5V。抽出器:1.3V。源温度:150℃。
脱溶媒和温度:350℃。脱溶媒和ガス:800L/時。コーンガス:50L/時。
【0077】
各方法に固有の条件は、次の通りである。
方法A1
カラム−Waters BEH C18、2.1×50mm、粒径1.7μm。
記述および勾配:媒体極性高速勾配法。ESI+/−イオンモード80〜1000Da。勾配:90%A〜100%Bで1.19分以内、100%Bで1.70分まで保持。流速0.8mL/分。A=(95%水 5%アセトニトリル 0.05%ギ酸)B=(アセトニトリル 0.05%ギ酸)。
試料注入体積:1μL
方法A2
カラム−Waters BEH C18、2.1×50mm、粒径1.7μm。
記述および勾配:媒体極性長時間勾配法。ESI+/−イオンモード80〜1000Da。勾配:90%A〜100%Bで4.45分以内、100%Bで4.58分まで保持。流速0.8mL/分。A=(95%水 5%アセトニトリル 0.05%ギ酸)B=(アセトニトリル 0.05%ギ酸)。
試料注入体積:2μL
方法A1は、方法A2が使用される化合物44および49を除き、表1中の化合物すべてに使用される。
【0078】
合成例
最終化合物は、表1中の化合物番号に対応する化合物番号によって指定される。中間体には、各例についてのスキームにおいて示される図および番号に対応するハイフン付き番号が与えられる。
【0079】
(例1)
中間体1−[6−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ピリジン−2−イル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(1−7)の調製
【化29】
ヒドラジン水和物(15mL)を、2,6−ジクロロピリジン1−1(5.0g、33mmol)に室温で一度に添加する。混合物を約108℃に4時間加熱し、次いで室温に冷却する。得られた固体を真空濾過によって収集し、次いで氷冷H
2Oで洗浄する。固体を真空オーブン内で終夜乾燥させて、中間体1−2(3.9g)を生じさせる。
【0080】
中間体1−2(3.10g、21.6mmol)およびトリエチルアミン(3.1mL)を、MeCN(90mL)中、室温で合わせ、次いで化合物1−3(4.30mL、22.2mmol)を添加する。混合物を室温で20分間撹拌し、次いで60℃に追加で30分間加熱する。反応物を室温に冷却し、次いで真空濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(0〜30%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体1−4(4.73g)を提供する。
【0081】
化合物1−4(3.40g、10.6mmol)を、ボロン酸1−5(3.50g、21.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh
3)
4)(615mg、0.532mmol)および炭酸ナトリウム水溶液(Na
2CO
3)(2N、21.0mL、42.0mmol)と、1,2−DME中で合わせる。混合物を80℃に15時間加熱し、次いでDCMで希釈し、ブラインに注ぎ入れる。層を分離し、合わせた有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。粗生成物を、C18上での逆相カラムクロマトグラフィー(45〜95%MeCN/H
2O+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製する。生成物画分を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで中和する。有機相を分離し、次いで水相をEtOAcで抽出する。合わせた有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、中間体1−6(4.19g)を提供する。
【0082】
化合物1−6(4.19g、10.34mmol)をDCMに0℃で溶解し、次いで添加漏斗を介してBBr
3の溶液(DCM中1.0M、31.0mL、31mmol)で30分間にわたって処理する。混合物を0℃で20分間、次いで室温で3時間さらに撹拌する。反応物を、含水重炭酸ナトリウムの飽和溶液の添加によってクエンチし、次いでDCMで抽出する。合わせた有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。粗生成物を、シリカ(silic)ゲル上でのカラムクロマトグラフィー(6〜50%EtOAc/ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、所望の中間体1−7(2.84g)を提供する。
【0083】
(例2)
1−{6−[2−(ベンゾ[1,2,3]チアジアゾール−5−イルメチルオキシ(ylmethyoxy))−5−メチルフェニル]ピリジン−2−イル}−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物7、表1)の調製:
【化30】
中間体1−7(50.0mg、0.128mmol)および臭化物2−8(32.0mg、0.140mmol)を、DMF(2mL)中で合わせ、次いでCs
2CO
3(50.0mg、0.153mmol)で処理する。混合物を80℃に1.5時間加熱し、次いで室温に冷却し、水(1mL)で希釈する。次いで、混合物をLiOH・H
2O(54mg、1.3mmol)で処理し、50℃で15時間撹拌する。得られた混合物を室温に冷却し、3N HCl(1mL)で酸性化し、次いでDCMで抽出する。有機層を疎水性フリットで分離し、次いでNa
2SO
4で乾燥させる。濾液の真空濃縮により、表題化合物(60mg)を生じさせる。MS、エレクトロスプレー、m/z=512.3[M+H]、保持時間1.13分。
【0084】
下記の化合物は、例2において記述されている手順に従い、適正な出発材料および精製条件を使用して調製される。
化合物10:MS、エレクトロスプレー509.2[M+H]、保持時間1.01分。
【0085】
(例3)
中間体(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−イル)メタノール(3−12)の調製:
【化31】
エステル3−11(920mg、4.81mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(194mg、1.59mmol)を、THF(20mL)中で合わせ、次いでBoc
2O(1.1g、5.0mmol)で一度に処理する。混合物を室温で3日間撹拌し、次いで元の体積の半分に濃縮する。残った混合物をシリカゲルカラムに塗布し、勾配溶離(20〜60%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、中間体カルバメートを固体として生じさせる。その後、固体をTHF(12mL)に室温で溶解し、次いで固体水素化アルミニウムリチウム(LAH)粉末(240mg、6.32mmol)で処理する。得られたスラリーを65℃に13時間加熱し、次いで室温に冷却し、水(5mL)、EtOAc(10mL)および飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液(10mL)で希釈する。混合物を2時間激しく撹拌し、次いで層を分離する。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、粗製物3−12(479mg)を生じさせる。
【0086】
(例4)
中間体(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−イル)メタノール(4−14)の調製:
【化32】
中間体4−14は、例3において詳述されている手順に従い、エステル4−13から調製される。
【0087】
(例5)
中間体(1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル)メタノール(5−16)の調製:
【化33】
中間体5−16は、例3において概説されている手順に従い、エステル5−15から調製される。
【0088】
(例6)
中間体6−ヒドロキシメチル−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(6−22)の調製:
【化34】
エステル6−17(250mg、1.10mmol)を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(421μL、2.41mmol)と、DCM(10.0mL)中、室温で合わせ、次いで塩化アセチル(AcCl)(85.9μL、1.21mmol)で処理する。得られた混合物を1時間撹拌し、次いでH
2OとEtOAcとに分配し、相を分離する。有機相を、1N HCl、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、6−18(258mg)を生じさせる。
【0089】
化合物6−18(200mg、0.857mmol)を、18−クラウン−6(15mg)および過マンガン酸カリウム(KMnO
4)(271mg、1.72mmol)と、DCM(3mL)中、室温で合わせる。得られた混合物を2時間撹拌し、次いで1N HCl(60mL)および追加のDCM(50mL)で希釈する。相を分離し、水相をDCMで2回抽出する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、6−19(202mg)を生じさせる。
【0090】
化合物6−19(180mg、0.728mmol)を、MeOH(9.0mL)に室温で溶解し、次いでナトリウムメトキシド(NaOMe)(MeOH中25重量%、332μL、1.46mmol)で処理し、1時間撹拌する。得られた混合物を1N HClとEtOAcとに分配し、相を分離する。有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、6−20(118mg)を生じさせる。
【0091】
化合物6−20(118mg、0.575mmol)を、THF(5.0mL)およびDMF(1.0mL)の混合物に溶解し、次いで0℃に冷却する。水素化ナトリウム(NaH)の分散液(鉱油中60重量%、(29.9mg、0.748mmol)を添加し、混合物を15分間撹拌する。次いでヨードメタン(MeI)を添加し、反応物を室温に加温し、2時間撹拌する。次いで、混合物を1N HCl(1.0mL)で処理し、飽和NaHCO
3水溶液で希釈する。得られた混合物をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗残留物を、C18上での逆相カラムクロマトグラフィー(5〜70%MeCN:H
2O+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製して、化合物6−21(78mg)を提供する。
【0092】
化合物6−21(75.0mg、0.342mmol)を、THF(4.0mL)に室温で溶解し、次いで水素化ホウ素リチウム(LiBH
4)(THF中2M、1.00mL、2.00mmol)で処理し、終夜撹拌する。得られた混合物を1N HCl(10mL)でクエンチし、水およびEtOAcで希釈する。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、6−22(58mg)を生じさせる。
【0093】
(例7)
中間体(1−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)メタノール(7−24)の調製:
【化35】
酸7−23(500mg、1.71mmol)を、PhMeおよびMeOHの1:1混合物(10mL)に室温で溶解する。トリメチルシリルジアゾメタン(TMSCHN
2)の溶液(1.5mL、ヘキサン中2M、3.0mmol)をシリンジを介して添加し、混合物を1時間撹拌する。氷AcOHを、ガス発生が観察されなくなるまで添加し、次いで混合物を2時間撹拌する。次いで、溶媒を真空で除去し、残留物をPhMe(3×10mL)と共沸させて、残留AcOHを除去する。残った油をTHF(10mL)にAr下、室温で再溶解し、次いで固体LAH粉末(320mg、8.43mmol)で処理する。得られたスラリーを2時間加熱還流(70℃)し、次いで室温に冷却し、14時間撹拌する。混合物を水(0.16mL)でクエンチし、次いで5分間撹拌した後、1N NaOH(0.36mL)を添加する。5分後、追加の水(0.48mL)を添加し、混合物をさらに20分間撹拌した後、1gのNa
2SO
4を添加する。混合物をフリットに通して濾過し、固体をEtOAcですすぐ。固体をアセトン中でスラリー化し、1時間激しく撹拌し、次いで再濾過する。濾液を先の有機濾液と合わせ、次いで真空濃縮して、所望の中間体7−22(446mg)を生じさせる。
【0094】
(例8)
中間体(1−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)メタノール(8−26)の調製:
【化36】
酸8−25(300mg、1.24mmol)を、乾燥THF(8mL)に、室温、Ar下で溶解し、次いでシリンジを介してボランジメチルスルフィド(BH
3−DMS)(0.26mL、2.7mmol)で処理する。混合物を14時間撹拌し、次いで70℃に3時間加熱する。混合物を室温に冷却し、次いでMeOH(2mL)でクエンチし、真空濃縮して、所望の中間体8−26(289mg)を生じさせ、これをさらに精製することなく使用する。
【0095】
(例9)
1−{6−[2−(1−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イルメチオキシ)−5−メチルフェニル]ピリジン−2−イル}−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物9、表1)の調製:
【化37】
中間体1−7(50.0mg、0.128mmol)(例1)およびアルコール8−26(57.0mg、0.251mmol)を、ADDP(65.0mg、0.258mmol)と、PhMe(3mL)中で合わせ、次いでPBu
3(65.0μL、0.257mmol)で処理する。混合物を80℃に15時間加熱し、次いで熱いうちにシリカゲルカラムに塗布する。溶離(5〜50%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)により、中間体エステルを産出する。この生成物を、THF(2mL)およびH
2O(1mL)の混合物に再懸濁し、次いで水酸化リチウム一水和物(LiOH・H
2O)(54mg、1.3mmol)で処理する。混合物を55℃に12時間加熱し、続いて室温に冷却し、3N HCl(1mL)でクエンチする。DCMによる混合物の抽出、次いで有機溶媒の蒸発により、粗固体を生じさせる。これを熱MeOHで粉砕し、次いで濾過する。収集した固体を真空で乾燥させて、表題化合物9(60mg)を生じさせる。MS、エレクトロスプレー、m/z=571.3[M−H]、保持時間1.07分。
【0096】
(例10)
中間体(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イル)メタノール(10−34)の調製
【化38】
【0097】
TMSCHN
2の溶液(ヘキサン中2M、36.0mL、72.0mmol)を、PhMe/MeOHの1:1混合物(134mL)中の酸10−33(9.99g、36.02mmol)の撹拌室温溶液に添加する。1.5時間後、混合物を氷AcOH(10mL)でクエンチし、追加で5分間撹拌する。溶媒を真空で除去して、粗エステルを静置して固体として提供する。中間体エステル(15.2g、52.1mmol)をTHF(200mL)に溶解し、LAH粉末(4.95g、130mmol)で処理する。得られたスラリーを65℃に3時間加熱し、次いで室温に冷却し、水(3.6mL)でゆっくりクエンチする。次いで、混合物を、2N NaOH(3.6mL)、続いて追加の水(10.8mL)で処理する。得られたスラリーを1時間撹拌し、次いで濾過して固体を除去する。濾液をNa
2SO
4で乾燥させ、再度濾過し、真空濃縮して、所望生成物を提供する。濾過によって最初に収集した固体をアセトンに再懸濁し、室温で終夜激しく撹拌する。スラリーを再濾過し、残ったアセトンを最初に収集した生成物と合わせる。合わせた有機濾液の濃縮により、所望の中間体10−34(7.50g)を提供する。
【0098】
(例11)
中間体(2,5−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イル)メタノール(11−45)の調製
【化39】
THF(1.4L)中の酸11−35(350g、2.10mol)の溶液を、THF(2.5L)中のLAH(95.9g、1.40mol)のスラリーに0℃で添加する。混合物を室温で0.5時間撹拌し、次いで1時間加熱還流する。次いで、混合物を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液の添加によってゆっくりクエンチする。大過剰の固体Na
2SO
4およびEtOAcを添加し、次いで固体を濾過によって収集する。濾液を真空濃縮して、粗製物11−36(350g)を生じさせ、これを次のステップにおいて直接使用する。
【0099】
−10℃のDCM(2.2L)中の化合物11−36(294g、1.90mol)の溶液に、塩化チオニル(SOCl
2)(460g、3.90mol)を添加する。次いで、反応混合物を1時間加熱還流し、続いて真空濃縮して粗製物11−37(298g)を提供し、これを次のステップにおいて直接使用する。
【0100】
DMF(1.2L)中の化合物11−37(298g、1.8mol)およびNaCN(154.5g、2.1mol)の混合物を、室温で終夜撹拌し、次いでEtOAcおよびH
2Oで抽出する。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=50:1)によって精製して、中間体11−38(230g)を産出する。
【0101】
MeOH(1.0L)中の、化合物11−38(180g、1.10mol)、ラネーNi(40g)およびアンモニア水(250mL)の混合物を、H
2(50psi)下、室温で5時間撹拌する。次いで、混合物を濾過し、濃縮して、化合物11−39(165g)を得、これを次のステップにおいて直接使用する。
ギ酸(HCO
2H)(1.5L)中の化合物11−39(165g、1.0mol)およびホルムアルデヒド水溶液(HCHO)(37重量%、30g、1.0mol)の溶液を、50℃で終夜撹拌し、次いで溶媒を真空で除去して化合物11−40(150g)を生じさせ、これを次のステップにおいて直接使用する。
化合物11−40(150g、847mmol)をHBr水溶液(48%、1.0L)に懸濁し、次いで100℃に終夜加熱する。溶媒の真空除去により、化合物11−41(195g)を提供し、これを次のステップにおいて直接使用する。
THF(1.0L)およびH
2O(1.0L)中の化合物11−41(195g、799mmol)の溶液に、Et
3N(242g、2.4mol)およびBoc
2O(174g、799mmol)を添加する。得られた混合物を室温で終夜撹拌し、次いでEtOAcで抽出する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(10:1 石油エーテル:EtOAcを使用する)によって精製して、化合物11−42(100g)を提供する。
【0102】
0℃に冷却したDCM(1.5L)中の化合物11−42(100g、380mmol)およびEt
3N(76.8g、760mmol)の溶液に、添加漏斗を介してトリフリック無水物(Tf
2O)(107g、380mmol)を添加する。Tf
2Oの添加が完了したら、溶液を室温に5時間加温する。次いで、反応混合物をH
2OおよびDCMで処理し、有機相を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(20:1 石油エーテル:EtOAcを使用する)によって精製して、化合物11−43(105g)を提供する。
【0103】
化合物11−43(50.0g、127mmol)を、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)(5.0g)、dppp(5.0g)およびEt
3N(25.7g、254mmol)と、EtOH(1.0L)中で合わせ、次いで、80℃、CO下、4MPaの圧力で終夜撹拌する。混合物を室温に冷却し、次いで固体を濾過によって除去する。濾液を真空濃縮し、残った残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(20:1 石油エーテル:EtOAcを使用する)によって精製して、化合物11−44(25.0g)を提供する。
0℃のTHF(300mL)中のLAH(8.90g、235mmol)の溶液に、THF(300mL)中の化合物11−44(25.0g、78.4mmol)の溶液を30分間かけて滴下添加する。添加後、反応混合物を60℃で3時間撹拌し、次いで室温に冷却し、H
2OおよびDCMで処理する。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(20:1 DCM:MeOHを使用する)によって精製して、所望の中間体11−45(10.8g)を提供する。
【0104】
(例12)
1−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物2、表1)
【化40】
PBu
3(166μL、0.66mmol)を、PhMe(3mL)中の、中間体1−7(64mg、0.16mmol)(例1)、化合物10−34(116mg、0.66mmol)およびADDP(166mg、0.66mmol)の混合物に添加する。次いで、混合物を80℃に15時間加熱する。次いで、熱混合物をシリカゲルカラムに直接塗布し、5〜60%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用して精製する。生成物を単離し、THF(3mL)およびH
2O(1mL)の混合物に再溶解し、次いで水酸化リチウム一水和物(69mg、1.6mmol)で処理する。混合物を50℃に12時間加熱し、次いで真空濃縮する。粗製塩を、0.1%TFA(1mL)を含有するMeCN/H
2O(2:1)の溶液で酸性化し、次いでC18上での逆相カラムクロマトグラフィー(5〜60%MeCN/H
2O+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製して、表題化合物2(72mg)を生じさせる。MS、エレクトロスプレー、m/z=521.2[M−H]、保持時間=0.70分。
【0105】
表1の下記の化合物は、例12において記述されている手順に従い、適正な出発材料および精製条件を使用して調製される。
化合物11:MS、エレクトロスプレー、m/z=523.2[M+H]、保持時間1.13分。
化合物13:MS、エレクトロスプレー、m/z=523.2[M+H]、保持時間1.26分。
化合物52:MS、エレクトロスプレー、m/z=523.2[M+H]、保持時間80分。
化合物8:MS、エレクトロスプレー、m/z=537.3[M+H]、保持時間1.00分。
化合物38:MS、エレクトロスプレー、m/z=537.4[M+H]、保持時間0.76分。
化合物40:MS、エレクトロスプレー、m/z=537.3[M+H]、保持時間0.76分。
【0106】
(例13)
中間体4−メチル−2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノール(13−49)の調製
【化41】
【0107】
フェノール13−48(13.0g、69.5mmol)を、(Bpin)
2(19.5g、76.9mmol)、KOAc(20.6g、210mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド[Pd(dppf)Cl
2](5.5g、6.7mmol)と、1,2−DME(250mL)中、室温で合わせる。混合物を80℃に16時間加熱し、次いで室温に冷却し、シリカゲルカラムに直接塗布する。カラムクロマトグラフィー(0〜10%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)による精製により、所望の中間体13−49(8.7g)を提供する。
【0108】
(例14)
3−メチル−4−{6−[5−メチル−2−(2−メチル1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}チオフェン−2−カルボン酸(化合物46、表1)の調製
【化42】
エステル14−50(12.0g、51.0mmol)を、1,2DME(400mL)中で、KOAc(14.2g、145mmol)、(Bpin)
2(24.0g、96.3mmol)および[Pd(dppf)Cl
2−DCM](3.68g、4.53mmol)と合わせ、次いで130℃で30分間放射線照射する。混合物を室温に冷却し、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜75%EtOAc/ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体14−51(14.0g)を産出する。
【0109】
中間体14−51(3.00g、10.6mmol)を、Na
2CO
3水溶液(13.2mL、2.0M、26.4mmol)および1,2−DME(90mL)の混合物に溶解し、次いでピリジン誘導体14−52(2.67g、11.2mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.60g、0.52mmol)で処理する。混合物を120℃で40分間放射線照射し、次いでN
2下で濃縮乾固させる。残った残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜50%EtOAc/ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体14−53(1.52g)を生じさせる。
【0110】
中間体14−53(2.10g、7.84mmol)を、フェノール13−49(2.02g、8.63mmol)(例13)、Na
2CO
3水溶液(12.0mL、2.0M、24.0mmol)およびPd(PPh
3)
4(0.44g、0.38mmol)と、1,2−DME(48mL)中で合わせ、120℃で40分間放射線照射する。混合物を過剰のDCMおよび少量の水で希釈して塩を溶解し、次いで、疎水性フリットを使用して層を分離する。有機濾液を真空濃縮し、次いで、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜50%EtOAc/ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体14−54(2.62g)を生じさせる。
【0111】
表1の下記の化合物は、例12において記述されている手順に従い、中間体54から調製される。
化合物46:MS、エレクトロスプレー、m/z=483.3[M−H]、保持時間0.71分。
化合物47:MS、エレクトロスプレー、m/z=497.2[M−H]、保持時間0.87分。
【0112】
(例15)
6’−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−カルボン酸(化合物45、表1)の調製
【化43】
ピリジン1−1(1.15g、7.77mmol)を、アミン15−57(1.20mL、7.77mmol)およびDIEA(ジイソプロピルエチルアミン)(1.62mL、9.32mmol)と、DMF(12mL)中で合わせ、次いで108℃に4時間加熱する。混合物をH
2Oで希釈し、EtOAcで抽出する。合わせた有機物をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、次いで真空濃縮する。粗残留物を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(0〜100%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、15−58(0.88g)を提供する。
【0113】
表題化合物45は、例14において概説されている手順に従い、中間体15−58から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=472.3[M+H]、保持時間0.48分。
【0114】
(例16)
4−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル)安息香酸(化合物39、表1)の調製
【化44】
臭化物16−60(75.0mg、0.313mmol)、ボロネート16−61(75.0mg、0.327mmol)およびPd(PPh
3)
4(30mg、0.026mmol)を、1,2−DME(4mL)およびNa
2CO
3水溶液(0.5mL、2M、1.0mmol)の混合物中で合わせる。得られた混合物を110℃で30分間放射線照射し、次いで濾過し、真空濃縮する。残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜50%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体16−62(70mg)を生じさせる。
【0115】
表題化合物39は、一般例14において概説されている手順に従い、中間体16−62から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=465.3[M+H]、保持時間1.60分。
【0116】
(例17)
1−メチル−5−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(化合物44、表1)の調製
【化45】
メチルヒドラジン(37.4mL、704mmol)を、−5℃に冷却したEt
2O(450mL)中のアルキン17−64(100g、704mmol)の溶液に添加する。得られた混合物を0℃で1時間撹拌させ、次いで濾過して、固体を収集する。固体を追加のEt
2Oですすぎ、次いで40℃で乾燥させる。この材料を120℃の油浴中で10分間加熱し、次いで室温に冷却し、MeOHから再結晶させて、中間体17−65(80g)を生じさせる。
【0117】
中間体17−65(200mg、1.28mmol)およびPOBr
3(500mg、1.74mmol)をMeCN(30mL)に溶解し、得られた溶液を、密閉したフラスコ中、80℃で3時間加熱する。溶液を冷却し、飽和NaHCO
3溶液(50mL)にゆっくり注ぎ入れ、EtOAcで抽出する。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮して、中間体17−66(200mg)を生じさせる。
【0118】
ボロネート16−61(150mg、0.626mmol)、中間体17−66(150mg、0.685mmol)、Pd(PPh
3)
4(75.0mg、0.065mmol)およびNa
2CO
3水溶液(1.0mL、2M、2.0mmol)を、1,2−DME(5mL)中で合わせ、次いで110℃で30分間放射線照射する。室温に冷却したら、混合物をH
2Oに注ぎ入れ、EtOAcで抽出する。有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。残った残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜50%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体17−67(120mg)を産出する。
【0119】
表題化合物44は、例14において概説されている手順に従い、中間体17−67から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=469.3[M+H]、保持時間1.39分。
【0120】
(例18)
5−メチル−1−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物43、表1)の調製
【化46】
化合物1−2(250mg、1.74mmol)(例1)およびEt
3N(0.3mL)を、MeCN(9mL)中、室温で合わせ、次いでエステル18−69(324mg、1.74mmol)を添加する。混合物を室温で20分間撹拌し、次いで60℃に追加で30分間加熱する。混合物を室温に冷却し、真空濃縮する。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(0〜30%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)による精製により、18−70(0.3g)を提供する。
【0121】
表題化合物43は、例14において概説されている手順に従い、中間体18−70から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=469.3[M+H]、保持時間0.69分。
【0122】
(例19)
1,4−ジメチル−5−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}1H−ピラゾール−3−カルボン酸(化合物15、表1)の調製
【化47】
エステル19−72(10g、49mmol)、氷AcOH(10mL)およびメチルヒドラジン(2.96g、64.0mmol)を、無水EtOH(50mL)中、室温で合わせる。混合物を3日間加熱還流し、次いで室温に冷却し、真空濃縮する。ヘプタン:EtOAcの1:1混合物を添加し、生成物を溶液から晶出させる。固体を濾過によって収集し、次いでヘプタンで洗浄し、真空で乾燥させて、8.9gの19−73を得る。
【0123】
中間体19−73(1.0g、5.4mmol)をDCM(25mL)に溶解し、次いで0℃に冷却する。Et
3N(830mg、8.10mmol)を一度に添加し、続いてTf
2O(1.8g、6.5mmol)を滴下添加する。試薬の添加が完了したら、混合物を0℃で30分間撹拌する。次いで、反応物を飽和NaHCO
3溶液でクエンチし、DCMで抽出する。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで濾過し、真空濃縮して、19−74(1.5g)を生じさせる。
【0124】
中間体19−74(400mg、1.30mmol)を、ボロネート16−61(333mg、1.40mmol)、Pd(PPh
3)
4(140mg、0.12mmol)およびNa
2CO
3水溶液(2.57mL、2.0M、5.14mmol)と、1,2−DME(5mL)中で合わせて置く。混合物を120℃で30分間放射線照射し、次いで室温に冷却し、真空濃縮する。粗材料を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜100%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、19−75(65mg)を提供する。
【0125】
表題化合物15は、例14において概説されている手順に従い、中間体19−75から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=483.3[M+H]、保持時間0.65分。
表1の下記の化合物は、例12において記述されている手順に従い、中間体19−75および11−45から調製される。
化合物78:MS、エレクトロスプレー、m/z=496.9[M+H]、保持時間0.72分。
【0126】
(例20)
5−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}チオフェン−2−カルボン酸(化合物36、表1)の調製
【化48】
臭化物20−77(300mg、1.27mmol)を、ボロネート16−61(370mg、1.55mmol)、Pd(PPh
3)
4(70mg、0.061mmol)およびNa
2CO
3水溶液(2.0mL、2.0M、4.0mmol)と、1,2−DME(8mL)中で合わせる。混合物を120℃で40分間放射線照射し、次いで室温に冷却し、N
2流下で濃縮する。粗材料を、C18シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(5〜95%MeCN:H
2O+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体20−78(321mg)を提供する。
【0127】
表題化合物36は、例14において概説されている手順に従い、中間体20−78から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=471.3[M+H]、保持時間0.75分。
【0128】
(例21)
4−メチル−5−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}チオフェン−2−カルボン酸(化合物37、表1)の調製
【化49】
臭化物21−80(300mg、1.27mmol)を、ボロネート16−61(370mg、1.55mmol)、Pd(PPh
3)
4(70mg、0.061mmol)およびNa
2CO
3水溶液(1.9mL、2.0M、3.8mmol)と、1,2−DME(10mL)中で合わせる。混合物を120℃で40分間放射線照射し、次いで、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜60%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって直接精製して、中間体21−81(192mg)を提供する。
【0129】
表題化合物37は、例14において概説されている手順に従い、中間体21−81から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=485.3[M+H]、保持時間0.80分。
【0130】
(例22)
2−{6−[2−(2,5−ジメチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)−5−メチルフェニル]ピリジン−2−イル}−3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(化合物48、表1)の調製
【化50】
臭化物22−83(1.00g、4.56mmol)を、ボロネート16−61(1.30g、5.43mmol)、Pd(PPh
3)
4(275mg、0.238mmol)およびNa
2CO
3水溶液(5.0mL、2.0M、10.0mmol)と、1,2−DME(15mL)中で合わせる。混合物を120℃で40分間放射線照射し、次いで室温に冷却し、N
2流下で濃縮する。粗材料を、C18シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(5〜75%MeCN:H
2O+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体22−84(370mg)を生じさせる。
【0131】
表題化合物48は、例14において概説されている手順に従い、中間体22−84から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=481.3[M−H]、保持時間0.68分。
表1の下記の化合物は、例22において記述されている手順に従い、適正な出発材料および精製条件を使用して調製される。
化合物41:MS、エレクトロスプレー469.3[M+H]、保持時間0.62分。
【0132】
(例23)
2−{6−[5−メチル−2−(2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−3−トリフルオロメチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(化合物49、表1)の調製
【化51】
【0133】
臭化物23−86(660mg、2.37mmol)およびボロネート23−87(500mg、2.17mmol)を、Pd(PPh
3)
4(126mg、0.109mmol)およびNa
2CO
3水溶液(2.4mL、2.0M、4.8mmol)と、1,2−DME(8mL)中で合わせる。混合物を120℃で40分間放射線照射し、次いで室温に冷却し、N
2流下で濃縮する。粗材料を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜70%EtOAc/ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体23−88(167mg)を生じさせる。
【0134】
中間体23−88(175mg、0.583mmol)を、ヒドロキシルアミン塩酸塩(HONH
2・HCl)(102mg、1.47mmol)およびK
2CO
3(81.0mg、0.586mmol)と、EtOH(3mL)およびH
2O(3mL)の混合物中で合わせ、次いで65℃に15時間加熱する。混合物をN
2流下で濃縮し、次いでH
2O(10mL)で粉砕する。固体を濾過によって収集し、追加のH
2O(10mL)で洗浄し、次いで真空下(30mmHg、45℃)で17時間乾燥させて、中間体23−89(152mg)を生じさせる。
【0135】
プロピオール酸エチル(0.17mL、1.7mmol)および中間体23−89(150mg、0.450mmol)をMeOH(2.5mL)中で合わせ、次いで密閉したバイアル内で15時間加熱還流する。溶媒を真空で除去し、粗残留物をBu
2O(3mL)に再懸濁する。溶液を180℃で2時間放射線照射し、次いで、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜65%EtOAc/ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって直接精製して、中間体23−90(120mg)を産出する。
【0136】
中間体23−90(115mg、0.278mmol)およびKOt−Bu(94.0mg、0.838mmol)を、乾燥DMF(3mL)に、隔膜で蓋をしたバイアル内、室温で溶解し、次いで5分間撹拌する。ガス状CF
3Iを10分間混合物に吹き込んで発泡させ、次いで混合物を80℃で20時間加熱する。バイアルの蓋を外し、Cs
2CO
3(100mg、0.308mmol)を添加し、混合物をCF
3Iで5分間再飽和させる。容器を再密閉し、80℃で14時間加熱し、次いでN
2流下で濃縮する。残った残留物を、C18シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(50〜95%MeCN/水+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体23−91(81mg)を生み出す。
【0137】
中間体23−91(80.0mg、0.166mmol)およびPd(OH)
2(50mg)を、EtOH中、H
2(1気圧、バルーン)下で合わせ、次いで室温で16時間撹拌する。H
2雰囲気をN
2で置きかえ、次いで粗混合物を珪藻土プラグ(水で湿らせたもの)に通して濾過する。珪藻土をEtOAcですすぎ、濾液を10gのシリカゲルカートリッジに通し、追加のEtOAc(50mL)を使用して溶離する。濾液を真空濃縮して、中間体23−92(72mg)を生じさせる。
表題化合物49は、例14において概説されている手順に従い、中間体23−92から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=521.5[M−H]、保持時間1.44分。
【0138】
(例24)
6−中間体ヒドロキシメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(24−95)の調製
【化52】
室温のTHF(50mL)中の酸24−94(2.40g、8.65mmol)の溶液に、未希釈のBH
3−DMS複合体(1.8mL、19mmol)を添加する。混合物を室温で24時間撹拌し、次いでH
2O(10mL)およびNa
2CO
3水溶液(15mL)で連続してクエンチする。15分間激しく撹拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、有機相を分離する。その後有機相を1N HClですすぎ、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(12〜100%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、所望の中間体24−95(2.0g)を提供する。
【0139】
(例25)
中間体6−ヒドロキシメチル−5−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(25−96)の調製
【化53】
−30℃に冷却したTHF(400mL)中のLAH(12.5g、330mmol)の溶液に、THF(400mL)中の化合物11−44(35.0g、110mmol)(例11)の溶液を30分間かけて滴下添加する。添加後、反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次いでH
2OおよびDCMで処理する。
【0140】
有機相を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(10:1 石油エーテル:EtOAcを使用する)によって精製して、所望の中間体25−96(21.1g)を提供する。
【0141】
(例26)
1−{6−[5−メチル−2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物4、表1)の調製
【化54】
PBu
3(4.00mL、15.9mmol)を、PhMe/THF(2:1)(120mL)中の、1−7(2.23g、5.70mmol)、ADDP(4.00g、15.9mmol)および26−95(2.00g、7.60mmol)の溶液に室温で添加する。次いで、混合物を80℃に14時間加熱した後、室温に冷却する。溶媒を真空で蒸発させ、残った固体をEtOAcで粉砕し、次いで珪藻土に通して濾過する。濾液を真空濃縮し、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜60%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用する)によって精製して、所望の中間体を産出する。その後、生成物をDCM(20mL)に室温で再溶解し、次いでTFA(5mL)で処理する。2時間後、混合物を飽和NaHCO
3水溶液でクエンチし、疎水性フリットを使用して層を分離する。有機濾液をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで濾過し、真空濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(0〜10%MeOH:DCMの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体26−97(2.06g)を提供する。ES、エレクトロスプレー、m/z=538.2[M+H]、保持時間0.90分。
【0142】
化合物26−97(53.0mg、0.099mmol)を、THF(1mL)およびH
2O(0.5mL)の混合物に溶解し、次いで固体LiOH・H
2O(40.0mg、0.953mmol)で処理する。混合物を50℃に5時間加熱し、次いで室温に冷却し、3N HCl(1mL)でクエンチする。得られた溶液をC18シリカカラムに直接塗布し、勾配溶離(5〜60%MeCN:水+0.1%TFA)によって精製して、表題化合物4(43mg)を生じさせる。MS、エレクトロスプレー、m/z=509.3[M+H]、保持時間0.71分。
【0143】
(例27)
1−{6−[2−(2−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ)−5−メチルフェニル]ピリジン−2−イル}−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物6、表1)の調製
【化55】
化合物26−97(40.0mg、0.075mmol)を、DIEA(28.6μL、0.164mmol)と、DCM(1.0mL)中、室温で合わせ、次いでAcCl(5.8μL、0.082mmol)で処理する。混合物を1時間撹拌し、次いでH
2OとEtOAcとに分配する。相を分離し、有機相を、1N HCl、飽和NaHCO
3水溶液、次いでブラインで連続して洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体27−99(43mg)を生じさせる。
【0144】
表題化合物6は、例14において記述されている加水分解手順に従い、化合物27−99(42mg、0.073mmol)から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=551.3[M+H]、保持時間1.03分。
【0145】
(例28)
1−(6−{2−[2−(3−カルボキシプロパン−1−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ]−5−メチルフェニル}ピリジン−2−イル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物3、表1)の調製
【化56】
化合物26−97(54.0mg、0.101mmol)を、DCM(2mL)およびピリジン(24.0μL、0.303mmol)の混合物に溶解し、次いで0℃に冷却する。スルホニルクロリド28−101(30.0μL、0.150mmol)を、シリンジを介して添加し、次いで混合物を室温に加温させ、14時間撹拌する。4−DMAPの少数の結晶を追加の28−101(20.0μL、0.101mmol)とともに添加し、混合物を50℃に3時間加熱する。室温に冷却したら、反応物をシリカゲルカラムに直接塗布し、0〜60%EtOAc:ヘプタンの溶媒勾配を使用して精製する。清浄な生成物を真空濃縮し、次いでTHF(1mL)およびH
2O(0.5mL)の混合物に溶解し、LiOH・H
2O(30mg、0.71mmol)で処理する。混合物を50℃で15時間撹拌し、次いで室温に冷却し、3N HCl(1mL)でクエンチする。反応物をDCMで抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、表題化合物3(39mg)を産出する。MS、エレクトロスプレー、m/z=657.3[M−H]、保持時間1.04分。
【0146】
表1の下記の化合物は、例28において記述されている手順に従い、適正な出発材料および精製条件を使用して調製される。
化合物1:MS、エレクトロスプレー631.3[M+H]、保持時間1.03分。
化合物5:MS、エレクトロスプレー585.3[M−H]、保持時間1.07分。
【0147】
(例29)
1−(6−{5−メチル−2−[2−(テトラヒドロフラン(tetrahydofuran)−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルメトキシ]フェニル}ピリジン−2−イル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(化合物35、表1)の調製
【化57】
【0148】
化合物26−97(70.0mg、0.130mmol)を、ケトン29−105(17.0μL、0.158mmol)および炉乾燥させた4Å分子篩と、AcOH(1滴)を含有する乾燥MeOH(1.5mL)中で合わせる。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3CN)(11.0mg、0.175mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌し、次いで50℃に13時間加熱する。混合物を室温に冷却し、N
2流下で濃縮乾固させる。残留物を、C18シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(5〜60%MeCN/水+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製して、中間体エステルを産出する。この材料を、MeOH(1mL)、H
2O(1mL)およびTHF(2mL)の混合物に再懸濁し、次いでLiOH・H
2O(50mg、1.2mmol)で処理する。得られた混合物を50℃で14時間撹拌し、次いでN
2流下で濃縮し、C18シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(5〜70%MeCN:水+0.1%TFAの溶媒勾配を使用する)によって精製して、表題化合物35(69mg)を生じさせる。MS、エレクトロスプレー577.1[M−H]、保持時間0.78分。
【0149】
表1の下記の化合物は、例29において記述されている手順に従い、適正な出発材料および精製条件を使用して調製される。
化合物12:MS、エレクトロスプレー549.2[M+H]、保持時間0.77分。
化合物14:MS、エレクトロスプレー567.3[M−H]、保持時間0.87分。
化合物16:MS、エレクトロスプレー563.1[M+H]、保持時間0.76分。
化合物17:MS、エレクトロスプレー577.3[M+H]、保持時間0.81分。
化合物19:MS、エレクトロスプレー591.3[M+H]、保持時間0.87分。
化合物33:MS、エレクトロスプレー659.3[M+H]、保持時間0.86分。
化合物34:MS、エレクトロスプレー593.3[M+H]、保持時間0.76分。
化合物22:MS、エレクトロスプレー593.3[M+H]、保持時間0.80分。
化合物21:MS、エレクトロスプレー551.3[M+H]、保持時間0.80分。
化合物23:MS、エレクトロスプレー593.3[M+H]、保持時間0.79分。
化合物26:MS、エレクトロスプレー607.3[M+H]、保持時間0.82分。
化合物25:MS、エレクトロスプレー621.3[M+H]、保持時間0.82分。
化合物27:MS、エレクトロスプレー599.3[M+H]、保持時間0.87分。
化合物42:MS、エレクトロスプレー613.3[M+H]、保持時間0.88分。
化合物20:MS、エレクトロスプレー613.3[M+H]、保持時間0.89分。
化合物18:MS、エレクトロスプレー600.3[M+H]、保持時間0.83分。
化合物24:MS、エレクトロスプレー601.3[M+H]、保持時間0.79分。
化合物28:MS、エレクトロスプレー615.3[M+H]、保持時間0.81分。
化合物29:MS、エレクトロスプレー620.3[M+H]、保持時間0.92分。
化合物30:MS、エレクトロスプレー602.6[M+H]、保持時間0.78分。
化合物31:MS、エレクトロスプレー604.3[M+H]、保持時間0.86分。
化合物32:MS、エレクトロスプレー617.3[M+H]、保持時間0.81分。
化合物50:MS、エレクトロスプレー582.3[M+H]、保持時間0.84分。
化合物51:MS、エレクトロスプレー553.4[M−H]、保持時間0.71分。
化合物53:MS、エレクトロスプレー555.3[M+H]、保持時間0.78分。
化合物54:MS、エレクトロスプレー539.4[M+H]、保持時間0.61分。
【0150】
(例30)
6−ブロモメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(30−106)の調製
【化58】
DCM(100mL)中の中間体24−95(2.0g、7.6mmol)およびピリジン(1.2mL、11mmol)の溶液を、0℃のトリフェニルホスフィンジブロミド(4.8g、11mmol)で一度に処理する。混合物を30分間撹拌させ、次いで真空濃縮する。得られた粗材料を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜60%EtOAc/ヘプタンの勾配を使用する)によって精製して、表題化合物(2.2g)を生じさせる。
【0151】
(例31)
5−メチル−1−[6−[3−メチル−2−[(2−テトラヒドロピラン−4−イル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−6−イル)メトキシ]フェニル]−2−ピリジル]イミダゾール−4−カルボン酸(化合物57、表1)の調製
【化59】
【0152】
イミダゾール30−107(3.0g、19.5mmol)を、ピリジン30−108(5.16g、39.2mmol)およびCs
2CO
3(12.7g、38.9mmol)とN,N−DMA(60mL)中で合わせ、次いで150℃で30分間放射線照射する。得られた混合物を蒸発乾固させる。粗製中間体30−109(1.0g、3.76mmol)を、Pd(PPh
3)
4(400mg、0.35mmol)、2M Na
2CO
3水溶液(4mL、8mmol)および30−110(740mg、4.87mmol)と、1,2−DME(15mL)中で合わせる。混合物を120℃で40分間放射線照射し、次いで蒸発乾固させる。粗残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(0〜10%MeOH/DCMの勾配を使用する)によって精製して、中間体30−111(1.36g)を提供する。中間体30−111(100mg、0.3mmol)、臭化物30−106(120mg、0.36mmol)およびCs
2CO
3(180mg、0.55mmol)をDMF(6mL)中で合わせ、40℃に3日間加熱する。次いで、溶媒を蒸発させ、粗残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜100%EtOAc/ヘプタンの勾配を使用する)によって精製して、中間体カルバメートを提供する。カルバメートをDCM(10mL)に溶解し、室温のTFA(1mL)で処理する。1.5時間後、混合物を飽和NaHCO
3溶液で中和し、疎水性フリットで層を分離する。有機濾液を濃縮して、粗製アミンを生じさせる。この材料を、4Å分子篩(30mg)、テトラヒドロピラン4−オン(38μL、0.41mmol)、AcOH(10μL)およびNaBH
3CN(24mg、0.38mmol)と、MeOH(4mL)中で合わせる。混合物を室温で45分間撹拌し、次いで50℃に16時間加熱する。混合物を濃縮乾固させ、次いで残留物を、C18シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜95%MeCN/水+0.1%TFAの勾配を使用する)によって精製して、表題化合物57(69mg)を生じさせる。MS、エレクトロスプレー、m/z=539.3[M+H]、保持時間0.64分。
【0153】
表Iの下記の化合物は、例31において概説されている手順に従い、適正な試薬および精製条件を使用して、中間体30−109から調製される。
化合物55:MS、エレクトロスプレー、m/z=539.2[M+H]、保持時間0.62分)
化合物56:MS、エレクトロスプレー、m/z=560.2[M+H]、保持時間0.66分)
化合物58:MS、エレクトロスプレー、m/z=539.3[M+H]、保持時間0.64分)
表Iの下記の化合物は、例31において概説されている手順に従い、適正な試薬および精製条件を使用して、中間体14−53から調製される。
化合物60:MS、エレクトロスプレー、m/z=553.4[M+H]、保持時間0.72分)
【0154】
表Iの下記の化合物は、例31において概説されている手順に従い、適正な試薬および精製条件を使用して、中間体18−70から調製される。
化合物64:MS、エレクトロスプレー、m/z=538.3[M+H]、保持時間0.73分)
化合物65:MS、エレクトロスプレー、m/z=538.3[M+H]、保持時間0.73分)
【0155】
表Iの下記の化合物は、例31において概説されている手順に従い、適正な試薬および精製条件を使用して、中間体22−84から調製される。
化合物61:MS、エレクトロスプレー、m/z=593.3[M+H]、保持時間0.64分)
化合物66:MS、エレクトロスプレー、m/z=539.3[M+H]、保持時間1.25分)
化合物67:MS、エレクトロスプレー、m/z=539.3[M+H]、保持時間1.28分)
化合物68:MS、エレクトロスプレー、m/z=553.3[M+H]、保持時間1.19分)
化合物69:MS、エレクトロスプレー、m/z=564.3[M+H]、保持時間1.44分)
化合物70:MS、エレクトロスプレー、m/z=564.3[M+H]、保持時間1.25分)
化合物71:MS、エレクトロスプレー、m/z=563.3[M+H]、保持時間1.23分)
化合物72:MS、エレクトロスプレー、m/z=550.3[M+H]、保持時間1.33分)
化合物73:MS、エレクトロスプレー、m/z=553.3[M+H]、保持時間1.22分)
化合物74:MS、エレクトロスプレー、m/z=573.3[M+H]、保持時間1.37分)
化合物75:MS、エレクトロスプレー、m/z=539.2[M+H]、保持時間1.15分)
化合物76:MS、エレクトロスプレー、mz=551.4[M+H]、保持時間1.52分)
化合物77:MS、エレクトロスプレー、m/z=604.4[M+H]、保持時間1.76分)
【0156】
表Iの下記の化合物は、例31において概説されている手順に従い、適正な試薬および精製条件を使用して、中間体19−75から調製される。
化合物79:MS、エレクトロスプレー、m/z=553.2[M+H]、保持時間0.63分)
化合物80:MS、エレクトロスプレー、m/z=567.2[M+H]、保持時間0.66分)
化合物81:MS、エレクトロスプレー、m/z=553.3[M+H]、保持時間0.71分)
【0157】
(例32)
4−メチル−2−[6−[3−メチル−2−[(2−テトラヒドロピラン−4−イル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−6−イル)メトキシ]フェニル]−2−ピリジル]チアゾール−5−カルボン酸(化合物59、表1)の調製
【化60】
【0158】
チアゾール32−112(250mg、1mmol)、ボロン酸エステル16−61(360mg、1.5mmol)およびPd(PPh
3)
4(60mg、0.05mmol)を、2N Na
2CO
3水溶液(1.5mL、3mmol)と、1,2−DME(9mL)中で合わせ、次いで120℃で30分間放射線照射する。溶媒をN
2下で蒸発させ、粗残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(5〜100%EtOAc/ヘプタンの勾配を使用する)によって精製して、中間体32−113(77mg)を生じさせる。
【0159】
表題化合物59は、例31において記述されている手順に従い、中間体32−113から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=556.3[M+H]、保持時間0.74分。
【0160】
(例33)
3−エチル−2−[6−[3−メチル−2−[(2−テトラヒドロピラン−4−イル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−6−イル)メトキシ]フェニル]−2−ピリジル]イミダゾール−4−カルボン酸(化合物63、表1)の調製
【化61】
イミダゾール33−114(500mg、2.8mmol)を(1:1)PhMe/MeOH(40mL)に溶解し、次いでシリンジを介してヘキサン中TMSCHN
2の2M溶液(6mL、12mmol)で処理する。混合物を室温で1時間撹拌させ、次いでAcOH(1mL)でクエンチする。次いで、混合物を真空濃縮し、その後DCM(15mL)に再溶解し、飽和NaHCO
3溶液(30mL)で中和する。層の分離および有機相の濃縮により、粗製中間体エステル(269mg)を生じさせる。
【0161】
前述のエステル(265mg、1.7mmol)、NBS(612mg、3.4mmol)およびAIBN(15mg、0.1mmol)を、CCl
4(30mL)中で合わせ、次いで50℃に4時間加熱する。反応物を熱いうちに珪藻土のショートパッドに通して、追加のCCl
4ですすぎながら濾過し、次いで真空濃縮して、粗製臭化物33−115(450mg)を生じさせる。
表題化合物63は、例32において記述されている手順に従い、粗製中間体33−115から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=553.4[M+H]、保持時間0.68分。
【0162】
(例34)
5−[6−[2−[2−[2−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−6−イル]エチル]−3−メチルフェニル]−2−ピリジル]−1−イソプロピル−4−メチル−ピラゾール−3−カルボン酸(化合物88、表1)の調製
【化62】
THF(200mL)中のビス[2−N,N−ジメチルアミノエチル)]エーテル(12mL、63mmoL)の溶液に、エチルマグネシウムクロリド(31.5mL、エーテル中2M溶液)を0℃で添加する。混合物を0℃で15分間撹拌し、次いで−78℃に冷却する。THF(100mL)中の6−ブロモ−ピリジン−2−カルボニルクロリド(34−116)の溶液を、15分間かけて添加する。得られた混合物を−78℃で5分間撹拌し、混合物を100mLの飽和塩化アンモニウム水溶液で直ちにクエンチする。粗反応混合物をEtOAc(2×400mL)で抽出し、合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮して、粗製中間体34−117を生じさせる。
【0163】
−78℃のTHF(150mL)中の34−117(6.8g、31mmol)の溶液に、LiHMDS(38mL、THF中1M)を添加する。この混合物を10分間撹拌し、次いでエチルクロロオキサレート(4.77g、35mmol)を添加する。反応物を室温に2時間かけて加温させ、次いで100mLの飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチする。粗反応混合物をEtOAc(2×400mL)で抽出し、次いで合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮する。得られた材料を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(3〜40%EtOAc:ヘプタンの勾配を使用する)によって精製して、中間体34−118(4.9g)を生じさせる。
【0164】
EtOH(5mL)中の34−118(300mg、0.95mmol)の溶液を、0.1mLの濃HCl、次いでイソプロピルヒドラジン(71mg、0.96mmol)で処理する。反応物を120℃で10分間放射線照射し、次いで室温に冷却し、2M炭酸ナトリウム水溶液の撹拌溶液にゆっくり添加する。反応混合物をジクロロメタン(2×10mL)で抽出し、合わせた有機物を真空濃縮し、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5〜50%EtOAc:ヘプタンの勾配を使用する)によって精製して、中間体34−119(154mg)を生じさせる。
【0165】
表題化合物88は、例31において記述されている手順に従い、中間体34−119から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=615.4[M+H]、保持時間0.79分。
【0166】
表1の下記の化合物は、例34において概説されている手順に従い、中間体34−118および適正なヒドラジンから調製される。
化合物82:MS、エレクトロスプレー、m/z=567.2[M+H]、保持時間0.68分)
化合物83:MS、エレクトロスプレー、m/z=581.2[M+H]、保持時間0.70分)
化合物84:MS、エレクトロスプレー、m/z=595.2[M+H]、保持時間0.71分)
化合物85:MS、エレクトロスプレー、mz=611.3[M+H]、保持時間0.63分)
化合物87:MS、エレクトロスプレー、m/z=621.1[M+H]、保持時間0.71分)
化合物89:MS、エレクトロスプレー、m/z=623.4[M+H]、保持時間0.71分)
化合物90:MS、エレクトロスプレー、m/z=613.4[M+H]、保持時間0.78分)
化合物91:MS、エレクトロスプレー、m/z=579.4[M+H]、保持時間0.70分)
【0167】
(例35)
4−メチル−5−[6−[3−メチル−2−[(2−テトラヒドロピラン−4−イル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−6−イル)メトキシ]フェニル]−2−ピリジル]イソオキサゾール−3−カルボン酸(化合物86、表1)の調製
【化63】
中間体34−118(300mg、0.96mmol)をEtOH(5mL)に溶解し、0.1mLの濃HClで処理する。ヒドロキシルアミン塩酸塩(32mg、0.96mmol)を添加し、反応物を120℃で10分間放射線照射する。混合物を室温に冷却し、次いで2M炭酸ナトリウムの撹拌溶液にゆっくり添加する。有機層をDCMで抽出し、真空濃縮する。得られた材料を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5〜50%EtOAc:ヘプタンの勾配を使用する)によって精製して、中間体35−120(127mg)を生じさせる。
【0168】
表題化合物86は、例31において記述されている手順に従い、35−120から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=540.4[M+H]、保持時間0.72分。
【0169】
(例36)
中間体(2,7−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−6−イル)メタノール(36−122)の調製
【化64】
中間体36−122は、例11において概説されている手順に従い、エステル36−121から調製される。
【0170】
(例37)
1−[6−[2−[(2,7−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−6−イル)メトキシ]−5−メチルフェニル]−2−ピリジル]−5−(トリフルオロメチル)ピラゾール−4−カルボン酸(化合物62、表1)の調製
【化65】
表題化合物は、例12において概説されている手順に従い、中間体1−7および36−122から調製される。MS、エレクトロスプレー、m/z=537.3[M−H]、保持時間0.72分。
【0171】
生物学的活性の評価
分子アッセイ
本発明の化合物は、下記の分子アッセイにおいて評価され得る。
【0172】
組換えヒト可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)を、いずれもC末端ヒスチジンタグを持つsGCのアルファ1またはベータ1サブユニットを発現しているバキュロウイルスに共感染させたSf9昆虫細胞から精製する。ヘムフリーsGCは、細胞溶解物を、最終濃度の0.5%ツイン20で、ニッケル親和性カラム上での精製前に処理することによって調製される。sGCは、グアノシン−5’−三リン酸(GTP)から環状グアノシンーリン酸(cGMP)への変換を触媒する。sGCの活性は、市販のCisBio cGMP検出キット(カタログ番号62GM2PEB)を、384ウェルフォーマットで使用して、インビトロで測定される。手短に述べると、300pMのヘムフリーsGCを、反応緩衝液(50mMのMOPS pH6.8、0.2NのKOH、50mMのNaCl、2mMのMgCl
2、0.1%のBSA、1.25mMのIBMX、0.25mMのTCEP、50nMのGTP)中、10μLの体積のDMSO中で希釈された試験化合物の希釈物(最終濃度1%)の存在下または非存在下、37℃で60分間インキュベートする。0.2mMのTCEPおよび10mMのEDTAを含有する反応緩衝液中で調製された不希釈反応生成物または反応生成物の80倍希釈物(いずれも10μL)を、0.1MのKPO
4 pH7.5、0.4MのKF、20mMのEDTA、0.2%のBSAを含有する緩衝液中でそれぞれ希釈した5μLのd2−cGMPおよび5μLのEu
3+クリプテート標識抗cGMPと混合する。室温、暗所で1時間インキュベーション後、混合物を、エンビジョンプレートリーダー(PerkinElmer)でメーカーの使用説明書に従って(レーザー励起337nm、発光620および665nm)定量化する。各化合物濃度における比率を、較正曲線の線形部を使用してnM cGMPに変換する。合わせた不希釈および希釈nM cGMP値に対して対数化合物濃度をプロットして、各曲線についてEC
50を決定する。
【0173】
本発明の代表的化合物を、上記アッセイにおいて活性について試験した。このアッセイにおいて、好ましい化合物は、5,000nMより小さいIC
50を有し、より好ましい化合物は、100nMより小さいIC
50を有する。例として、表1の代表的化合物についてのデータを、表2に示す。
【0175】
溶解度の評価
溶解度は、下記の方法によって測定される。
1.試料調製:
10mM濃度のDMSOストック試料を調製する。100ulの95化合物+1 DMSO(ブランク)を、HT溶解度分析用の96Rempチューブプレート中に調製する(2×95プレート)。試料に穴をあけ、100ulの解凍した試料を分析用のPCRプレートに移す。各試料を各pH(pH4.5および7.4)で2連で実行する。最大95個の試料を2つのpH+1 DMSO(ブランク)で反復して行うことができる。
2.pH4.5および7.4の緩衝液の調製:
pH4.5緩衝液:−12.5のシステム溶液(pION)に蒸留水を加えて500mLとし(pH2.85〜2.90)、pHを0.5N NaOHでpH4.5に調整する。
pH7.4緩衝液:12.5のシステム溶液(pION)に蒸留水を加えて500mLとし(pH2.85〜2.90)、pHを0.5N NaOHでpH7.4に調整する。
3.手順:
UVブランクプレートの調製:
75ulの緩衝液(pH7.4またはpH4.5)をUVプレートに添加し、続いて70ulのN−プロパノールを添加する。溶液を混合し、分光光度計を使用してブランクスペクトルを読み取る。
【0176】
基準UVプレートの調製:
10ulの各ストック試料(DMSO対照を含む)を190ulのN−プロパノールに添加して、基準ストックプレートを調製する。基準ストック試料を混合し、5ulの各ストック試料をUVブランクプレートに添加し、その後、分光光度法で読み取る。基準ストック試料をUVプレート中のブランク溶液と混合し、UV分光光度計を使用して基準スペクトルを読み取る。
インキュベーション用試料の調製:
pH7.4での溶解度:6ulの各ストック試料(DMSO対照を含む)を、600ulのpH7.4緩衝液を含有する保存プレートに添加し、混合し、16〜19時間インキュベートする。インキュベーションプロセスの間、プレートを十分に密閉する。試料中のDMSO含有量は、1.0%である。ディープウェルプレート中の濃度は、100uMである。
【0177】
pH4.5での溶解度:
6ulの各ストック試料(DMSO対照を含む)を、600ulのpH4.5緩衝液を含有するディープウェルプレートに添加し、混合し、16〜19時間インキュベートする。インキュベーションプロセスの間、プレートを十分に密閉する。試料中のDMSO含有量は、1.0%である。ディープウェルプレート中の濃度は、100uMである。
試料UVプレートの調製:
インキュベーション期間の終わりに、フィルタープレートを使用して、保存プレートからの100uLの試料を真空濾過する。このステップでフィルターを湿らせ、濾液を廃棄する。同じフィルターブロックであるが清浄なフィルタープレートを使用して、ディープウェルプレートからの別の200ulの試料を真空濾過する。フィルタープレートの75ulの濾液をUV試料プレートに移す。75ulのN−プロパノールをこのUVプレートに添加する。溶液を混合し、UV分光光度計を使用してスペクトルを読み取る。
【0178】
データ分析:
ブランク、基準および試料について収集された250〜498nmのスペクトルは、pIONソフトウェアを使用して分析される。試料が凝結すれば、溶解度はXXμg/mlとして報告される。沈殿物がなく、試料が可溶性であれば、溶解度は40μg/mL超として報告される(YYは、試料中の化合物の初期濃度である)。
【0179】
表1の化合物についての溶解度データ(μg/mL)を、以下の表に示す。
【表3】
【0180】
治療的使用の方法
本明細書において開示されている化合物は、可溶性グアニル酸シクラーゼを有効に活性化させる。可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化または増強は、sGC活性化の欠損に関連する様々な疾患または状態を予防および治療するための魅力的な手段である。故に、本発明の一実施形態において、sGC活性化または増強によって軽減され得る疾患を治療する方法が提供される。これらは、次のものを含む:
高血圧症、アテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患、再狭窄、卒中、心不全、冠攣縮性狭心症、脳血管攣縮、虚血/再灌流傷害、血栓塞栓性肺高血圧症、肺動脈高血圧症、安定および不安定狭心症、ならびに血栓塞栓性障害を含む、心血管および関連疾患;
乾癬、多発性硬化症、関節炎、喘息、および慢性閉塞性肺疾患を含む、炎症性疾患;
任意の病因の硬変、または免疫学的傷害、血行力学的効果および/もしくは他の原因によって引き起こされ得る門脈周囲の線維化等の肝臓の特定の領域の線維化を含むがこれらに限定されない、肝臓の線維性障害;
免疫学的および非免疫学的原因の、糸球体硬化症、巣状糸球体硬化症、メサンギウム細胞の線維化、免疫学的傷害、血行力学的効果、糖尿病(I型および2型)、IgA腎症、ループス腎症、膜性腎症、高血圧症、溶血性尿毒症症候群、多発性糸球体腎炎(glomerulonephritides)、間質性腎炎、また尿細管間質性腎炎による間質性線維症を含むがこれらに限定されない、腎臓の線維性障害;
特発性肺線維症、毒素、化学物質、薬物への暴露による肺線維症、および嚢胞性線維症を含むがこれらに限定されない、免疫学的および非免疫学的原因による、広範性および限局性両方の肺の線維性障害;
心臓手術および/または心肺バイパス術の使用、ならびにウイルス性および非ウイルス性原因による心筋炎、ならびに、人体が暴露される他の抗原との交差反応性による可能性がある、免疫学的に関係する心筋障害に関連する、冠動脈または静脈への治療介入におそらく関係しているものを含む1つまたは複数の冠状血管における、虚血性心疾患(冠動脈疾患)ならびに一過性および/または持続性の血流減少を含む、免疫学的および非免疫学的原因による心臓の線維性障害;
腎疾患、糖尿病、過活動膀胱、良性前立腺過形成および勃起不全を含む泌尿器系障害、ならびにアルツハイマー病、パーキンソン病および神経因性疼痛を含む神経学的障害等、可溶性グアニル酸シクラーゼ活性の低下または減少によって少なくとも部分的に媒介される他の疾患。
【0181】
これらの障害は、ヒトにおいてはよく特徴付けられているが、他の哺乳動物においても同様の病因で存在し、本発明の医薬組成物によって治療することができる。
【0182】
治療的使用のために、本発明の化合物は、任意の従来の医薬剤形の医薬組成物を介して、任意の従来の様式で投与され得る。従来の剤形は、典型的には、選択された特定の剤形に適した薬学的に許容される担体を含む。投与ルートは、静脈内、筋肉内、皮下、滑液嚢内、注入によるもの、舌下、経皮、経口、局所または吸入によるものを含むがこれらに限定されない。好ましい投与モードは、経口および静脈内である。
【0183】
本発明の化合物は、単独で、または、阻害剤の安定性を強化し、ある特定の実施形態においてはそれらを含有する医薬組成物の投与を容易にし、溶解または分散の増加を提供し、阻害活性を増加させ、補助療法を提供する等の、他の活性成分を含むアジュバントと組み合わせて投与され得る。一実施形態において、例えば、本発明の複数の化合物が投与され得る。有利なことに、そのような併用療法は、従来の治療薬よりも低用量を利用し、故に、それらの作用物質が単剤療法として使用された場合に被ると考えられる毒性および有害な副作用を回避する。本発明の化合物は、単一の医薬組成物中に、従来の治療薬または他のアジュバントと物理的に組み合わせることができる。次いで、有利なことに、化合物は、単一の剤形で一緒に投与され得る。いくつかの実施形態において、化合物のそのような組合せを含む医薬組成物は、少なくとも約5%であるがより好ましくは少なくとも約20%の、式(I)の化合物(w/w)またはその組合せを含有する。本発明の化合物の最適なパーセンテージ(w/w)は変動し得、当業者の権限内である。代替として、本発明の化合物および従来の治療薬または他のアジュバントは、別個に(順次にまたは並行してのいずれかで)投与され得る。別個の投薬は、投薬計画におけるより大きな柔軟性を可能にする。
【0184】
上記で言及した通り、本発明の化合物の剤形は、当業者に公知であり、剤形に適した、薬学的に許容される担体およびアジュバントを含み得る。これらの担体およびアジュバントは、例えば、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、緩衝物質、水、塩または電解質およびセルロースベースの物質を含む。好ましい剤形は、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、液剤(liquid)、液剤(solution)、懸濁剤、乳剤、ロゼンジ剤、シロップ剤、再構成可能な散剤、顆粒剤、坐剤および経皮パッチ剤を含む。そのような剤形を調製するための方法は公知である(例えば、H.C. Ansel and N.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 5th ed., Lea and Febiger (1990)を参照)。本発明の化合物の投薬量レベルおよび要件は、特定の患者に適した利用可能な方法および技術から、当業者により選択され得る。いくつかの実施形態において、投薬量レベルは、70kgの患者について、約1〜1000mg/用量の範囲である。1日当たり1回用量で十分となり得るが、1日当たり最大5回用量が与えられ得る。経口用量では、最大2000mg/日が必要とされ得る。当業者であれば、特定の要因に応じてより低いまたはより高い用量が必要とされ得ることが分かるであろう。例えば、具体的な投薬量および治療計画は、患者の全般的健康プロフィール、患者の障害またはそれへの傾向の重症度および経過、ならびに治療医師の判断等の要因によって決まることになる。