(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
カード挿入口から挿入されるカードの幅を検知して幅検知信号を出力する幅検知機構と、前記カード挿入口から挿入される前記カードの厚みを検知して厚み検知信号を出力する厚み検知機構と、前記幅検知機構と前記厚み検知機構とが接続され、前記幅検知信号および前記厚み検知信号が入力されるとカード検知信号を出力するAND回路と、前記AND回路から入力される前記カード検知信号に基づいて所定の制御を実行するための制御信号を出力する演算回路と、前記カードに形成される磁気ストライプを検知して磁気ストライプ検知信号を前記演算回路へ出力する磁気ヘッドとを備え、
前記厚み検知機構と前記磁気ヘッドとは、前記カードの厚み方向で互いに対向するように配置され、
前記厚み検知機構は、前記カードの表面に接触して変位する厚み方向接触部材と、前記厚み方向接触部材の変位を検知する厚み検知センサとを備え、
前記厚み方向接触部材は、前記カードの表面に接触する2個のローラを備え、
2個の前記ローラは、前記カードが搬送されるカード搬送路の中に前記ローラの一部が配置される方向へ付勢されるとともに、前記カードの幅方向において前記磁気ヘッドの両側に配置されていることを特徴とするカード処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、カードリーダに対する悪質ないたずらや犯罪が増加しており、カード挿入口から正常なカードが挿入されていないにもかかわらず、カード挿入検知機構で正常なカードが挿入されたと検知させて、シャッタを開放し、悪質ないたずらや犯罪が行われることも想定される。しかしながら、従来は、カードの幅または厚みを検知することで、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かを検知しているため、正常なカードが挿入されたか否かを適切に判断することができずに、シャッタが開放されてしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かを適切に検知することが可能なカード処理装置を提供することにある。また、本発明の課題は、かかるカード処理装置を備えるカード処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のカード処理装置は、カード挿入口から挿入されるカードの幅を検知して幅検知信号を出力する幅検知機構と、カード挿入口から挿入されるカードの厚みを検知して厚み検知信号を出力する厚み検知機構と、幅検知機構と厚み検知機構とが接続され、幅検知信号および厚み検知信号が入力されるとカード検知信号を出力するAND回路と、AND回路から入力されるカード検知信号に基づいて所定の制御を実行するための制御信号を出力する演算回路と
、カードに形成される磁気ストライプを検知して磁気ストライプ検知信号を演算回路へ出力する磁気ヘッドとを備え
、厚み検知機構と磁気ヘッドとは、カードの厚み方向で互いに対向するように配置され、厚み検知機構は、カードの表面に接触して変位する厚み方向接触部材と、厚み方向接触部材の変位を検知する厚み検知センサとを備え、厚み方向接触部材は、カードの表面に接触する2個のローラを備え、2個のローラは、カードが搬送されるカード搬送路の中にローラの一部が配置される方向へ付勢されるとともに、カードの幅方向において磁気ヘッドの両側に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明のカード処理装置は、幅検知機構と厚み検知機構とを備えている。そのため、カードの幅および厚みを検知することで、カード挿入口から挿入されるカードが正常なカードであるか否かを検知することができる。したがって、本発明では、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かを適切に検知することが可能になる。
【0010】
一方で、カード処理装置が幅検知機構と厚み検知機構とを備えている場合には、幅検知機構から幅検知信号が出力され、かつ、厚み検知機構から厚み検知信号が出力されるため、所定の制御を実行するための制御信号を出力する演算回路での処理負担が従来に比べて重くなるおそれがあるが、本発明のカード処理装置は、幅検知信号および厚み検知信号が入力されるとカード検知信号を出力するAND回路を備えており、演算回路は、AND回路から入力されるカード検知信号に基づいて所定の制御を実行するための制御信号を出力している。そのため、幅検知信号および厚み検知信号の2つの信号が演算回路に入力されることはない。また、幅検知信号および厚み検知信号がAND回路に入力されないとカード検知信号が演算回路に入力されない。したがって、本発明では、カード処理装置が幅検知機構と厚み検知機構とを備えている場合であっても、演算回路での処理負担を軽減することが可能になる。また、本発明では、幅検知信号および厚み検知信号の2つの信号が演算回路に入力される場合と比較して、演算回路の接続ポートの数を減らすことが可能になる。
また、本発明では、カード処理装置は、カードに形成される磁気ストライプを検知して磁気ストライプ検知信号を演算回路へ出力する磁気ヘッドを備えているため、カードの幅および厚みを検知するのに加え、カードに磁気ストライプが形成されているか否かを検知することで、カード挿入口から挿入されるカードが正常なカードであるか否かを検知することができる。したがって、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かをより適切に検知することが可能になる。また、本発明では、厚み検知機構は、カードの表面に接触して変位する厚み方向接触部材を備えており、厚み方向接触部材が直接、カードに接触するため、カードの厚み方向におけるカードの検知精度を高めることが可能になる。したがって、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かをより適切に検知することが可能になる。
【0011】
本発明において、カード処理装置は、たとえば
、カード搬送路を塞ぐ閉位置とカード搬送路を開放する開位置とに移動可能なシャッタと、シャッタを駆動するシャッタ駆動回路とを備え、幅検知機構および厚み検知機構は、カード挿入口とシャッタとの間に配置され、演算回路は、カード検知信号に基づいて開位置へシャッタを移動させるシャッタ開信号をシャッタ駆動回路へ出力する。本発明では、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かを適切に検知することが可能になるため、この場合には、シャッタの開閉を適切に制御して、悪質ないたずらや犯罪を防止することが可能になる。したがって、カード処理装置の信頼性を高めることが可能になる。
【0014】
本発明のカード処理装置は、演算回路に接続される制御指令部を備えるカード処理システムに用いることができる。このカード処理システムでは、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かを適切に検知することが可能になる。また、このカード処理システムでは、たとえば、処理されるカードに磁気ストライプが形成されている場合には、制御指令部は、演算回路を介してカード検知信号および磁気ストライプ検知信号が入力されると、シャッタ開信号を出力するように演算回路に制御指令を出力する。または、このカード処理システムでは、処理されるカードに磁気ストライプが形成されていない場合には、制御指令部は、演算回路を介してカード検知信号が入力されると、シャッタ開信号を出力するように演算回路に制御指令を出力する。このように、カード処理装置を備えるカード処理システムでは、たとえば、処理されるカード等に応じて、シャッタの開閉制御に磁気ストライプ検知信号を利用するか否かを選択する。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明のカード処理装置およびカード処理システムでは、カード挿入口から正常なカードが挿入されたか否かを適切に検知することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(カード処理装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカード処理装置1の斜視図である。
図2は、
図1に示すカード挿入部5および本体部3の一部の断面図である。
図3は、
図1に示すカード挿入部5に配置される幅検知機構11および厚み検知機構12の構成を説明するための斜視図である。
【0019】
本形態のカード処理装置1は、カード2に記録された磁気データを読取りおよび/またはカード2への磁気データの記録を行う磁気ヘッド(図示省略)を備えるカードリーダである。したがって、以下では、本形態のカード処理装置1を「カードリーダ1」とする。このカードリーダ1は、
図1に示すように、上述の磁気ヘッドが配置される本体部3と、カード2が挿入されるカード挿入口4が形成されるカード挿入部5とを備えている。カードリーダ1の内部には、
図2に示すように、カード2が搬送されるカード搬送路6が形成されている。また、本体部3の内部には、カード搬送路6でカード2を搬送するためのカード搬送機構(図示省略)が配置されている。
【0020】
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。カード2には(具体的には、
図2におけるカード2の下面には)、磁気データが記録される磁気ストライプ(図示省略)が形成されている。なお、カード2には、ICチップが固定されても良いし、通信用のアンテナが内蔵されても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0021】
カード搬送路6には、
図2に示すように、シャッタ7が配置されている。シャッタ7は、本体部3とカード挿入部5との境界部分に配置されている。シャッタ7には、ソレノイド8(
図3参照)が連結されており、シャッタ7は、ソレノイド8の動力で、カード搬送路6を塞ぐ閉位置(
図2に示す位置)と、カード搬送路6を開放する開位置とに移動可能となっている。本形態では、ソレノイド8が励磁状態になると、シャッタ7は開位置へ移動し、ソレノイド8が非励磁状態になると、図示を省略するバネ等の付勢力でシャッタ7は閉位置へ移動する。また、カードリーダ1にカード2が挿入されていない待機状態のときには、シャッタ7は、閉位置にあってカード搬送路6を塞いでいる。
【0022】
カード挿入部5には、
図3に示すように、カード挿入口4から挿入されるカード2の幅を検知する幅検知機構11と、カード挿入口4から挿入されるカード2の厚みを検知する厚み検知機構12と、カード挿入口4から挿入されるカード2の磁気ストライプの有無を検知するプリヘッド(磁気ヘッド)13とが配置されている。すなわち、カード挿入口4とシャッタ7との間には、幅検知機構11、厚み検知機構12およびプリヘッド13が配置されている。
【0023】
幅検知機構11は、カード2の幅方向の端面2a(
図1参照)に接触して変位する幅方向接触部材としてのレバー部材15と、レバー部材15の変位を検知する幅検知センサ16とを備えている。幅検知センサ16は、発光素子と受光素子とを備える光学式のセンサである。具体的には、幅検知センサ16はフォトインタラプタである。
【0024】
レバー部材15は、カード2の端面2aが接触するカード接触部15aと、幅検知センサ16の発光素子と受光素子との間を遮る遮光部15bとを備えている。
図3に示すように、カード接触部15aと遮光部15bとは互いに略直交するように形成されており、レバー部材15は、カード2の搬送方向から見たときの形状が略L形状となるように形成されている。
【0025】
レバー部材15は、カード2の搬送方向を軸方向としてカード挿入部5のフレームに固定される固定軸17に回動可能に支持されている。具体的には、カード2の幅方向におけるカード搬送路6の一端側からカード搬送路6に対してカード接触部15aが進退可能となるように、レバー部材15は固定軸17に回動可能に支持されている。また、固定軸17が挿通されるネジリコイルバネ18によって、カード接触部15aの一部がカード搬送路6の中に配置される方向に、レバー部材15が付勢されている。
【0026】
本形態では、カード2がカード挿入口4から挿入されていないときには、カード接触部15aは、カード搬送路6の中に配置されており、遮光部15bは、幅検知センサ16の発光素子と受光素子との間を遮っている。この状態で、所定の規格に適合するカード幅のカード2がカード挿入口4から挿入されると、カード2の端面2aがカード接触部15aに接触して、カード搬送路6からカード接触部15aが退避する方向へレバー部材15が固定軸17を中心に回動する。また、レバー部材15が回動すると、幅検知センサ16の発光素子と受光素子との間から遮光部15bが外れて、カード2が検知される。一方、所定の規格に適合していないカード幅の狭いカード2がカード挿入口4から挿入されると、カード2の端面2aがカード接触部15aに接触しないか、あるいは、カード2の端面2aがカード接触部15aに接触しても、レバー部材15の回動量はわずかである。そのため、遮光部15bは、幅検知センサ16の発光素子と受光素子との間を遮ったままであり、カード2は検知されない。このように、幅検知機構11は、挿入されるカード2の幅が所定の規格に適合した適切な幅であるか否かを検知する。
【0027】
厚み検知機構12と、プリヘッド13とは、カード2の厚み方向で互いに対向するように配置されている。プリヘッド13は、磁気ギャップが形成される先端部が厚み検知機構12側を向くように配置されている。また、プリヘッド13は、カード2の磁気ストライプに当接する位置に配置されている。
【0028】
厚み検知機構12は、カード2の表面2b(
図1参照)に接触して変位する厚み方向接触部材19と、厚み方向接触部材19の変位を検知する厚み検知センサ20とを備えている。厚み方向接触部材19は、カード2の表面2bに接触する2個のローラ21と、ローラ21を回転可能に支持する固定軸22と、固定軸22が固定される軸固定部材23とを備えている。厚み検知センサ20は、発光素子と受光素子とを備える光学式のセンサである。具体的には、厚み検知センサ20はフォトインタラプタである。
【0029】
2個のローラ21は、固定軸22の両端側のそれぞれに回転可能に支持されている。固定軸22は、カード2の幅方向を軸方向として軸固定部材23に固定されている。軸固定部材23には、厚み検知センサ20の発光素子と受光素子との間を遮る遮光部23bが形成されている。
【0030】
軸固定部材23は、カード2の幅方向を軸方向としてカード挿入部5のフレームに固定される固定軸(図示省略)に回動可能に支持されている。具体的には、カード2の厚さ方向におけるカード搬送路6の一端側からカード搬送路6に対してローラ21が進退可能となるように、軸固定部材23は固定軸に回動可能に支持されている。また、この固定軸が挿通されるネジリコイルバネ24によって、ローラ21の一部がカード搬送路6の中に配置される方向に、軸固定部材23が付勢されている。また、2個のローラ21は、
図3に示すように、カード2の幅方向において、プリヘッド13の両側に配置されている。
【0031】
本形態では、カード2がカード挿入口4から挿入されていないときには、ローラ21の一部は、カード搬送路6の中に配置されており、遮光部23bは、厚み検知センサ20の発光素子と受光素子との間から外れている。この状態で、所定の規格に適合するカード厚みのカード2がカード挿入口4から挿入されると、カード2の表面2bがローラ21に接触して、カード搬送路6からローラ21が退避する方向へ軸固定部材23が回動する。軸固定部材23が回動すると、厚み検知センサ20の発光素子と受光素子との間を遮光部23bが遮るため、カード2が検知される。一方、所定の規格に適合していないカード厚みの薄いカード2がカード挿入口4から挿入されると、カード2の表面2bがローラ21に接触しないか、あるいは、カード2の表面2bがローラ21に接触しても、軸固定部材23の回動量はわずかである。そのため、遮光部23bは、厚み検知センサ20の発光素子と受光素子との間から外れたままであり、カード2は検知されない。このように、厚み検知機構12は、挿入されるカード2の厚みが所定の規格に適合した適切な厚みであるか否かを検知する。
【0032】
(制御部の構成)
図4は、
図1に示すカード処理装置1の制御部27およびその関連部分の構成を示すブロック図である。なお、
図4には、シャッタ7の開閉制御に関連する構成が図示されている。
【0033】
カードリーダ1は、各種の制御を行うための制御部27を備えている。制御部27は、シャッタ7の開閉制御に関連する構成として、幅検知センサ16および厚み検知センサ20が接続されるAND回路(論理積回路)28と、所定の制御を実行するための制御信号を出力する演算回路としてのCPU29と、シャッタ7が連結されるソレノイド8を駆動するシャッタ駆動回路30とを備えている。
【0034】
AND回路28の入力側には、幅検知センサ16と厚み検知センサ20とが接続されており、AND回路28には、幅検知センサ16でカード2が検知されたときに幅検知センサ16から出力される幅検知信号と、厚み検知センサ20でカード2が検知されたときに厚み検知センサ20から出力される厚み検知信号とが入力可能となっている。また、AND回路28の出力側は、CPU29に接続されている。AND回路28は、幅検知信号および厚み検知信号が入力されると、カード検知信号をCPU29へ出力する。すなわち、AND回路28は、幅検知信号および厚み検知信号の両方、および、いずれか一方が入力されていない場合には、カード検知信号をCPU29へ出力しない。なお、幅検知センサ16とAND回路28との間、および、厚み検知センサ20とAND回路28との間には、図示を省略する増幅回路等が配置されている。
【0035】
CPU29には、AND回路28に加え、プリヘッド13が接続されており、カード2に形成される磁気ストライプがプリヘッド13で検知されたときにプリヘッド13から出力される磁気ストライプ検知信号が入力可能となっている。また、CPU29には、シャッタ駆動回路30が接続されており、CPU29は、所定の条件が整うと、ソレノイド8を励磁して開方向へシャッタ7を移動させるシャッタ開信号をシャッタ駆動回路30へ出力する。なお、プリヘッド13とCPU29との間は、図示を省略する増幅回路等が配置されている。
【0036】
また、CPU29には、カードリーダ1が搭載されるカード処理システム(図示省略)の制御部である制御指令部32が接続されている。制御指令部32には、CPU29を介して、カード検知信号および磁気ストライプ検知信号が入力可能となっており、制御指令部32は、カード検知信号および磁気ストライプ検知信号が入力されると、CPU29がシャッタ開信号を出力するように、CPU29に制御指令を出力する。また、この制御指令が入力されたCPU29は、シャッタ開信号をシャッタ駆動回路30へ出力する。このように、本形態では、幅検知機構11および厚み検知機構12でカード2が検知され、かつ、プリヘッド13でカード2の磁気ストライプが検知されると、シャッタ7が開位置へ移動して、カード搬送路6が開放される。
【0037】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のカードリーダ1は、カード挿入口4とシャッタ7との間に配置される幅検知機構11と厚み検知機構12とを備えている。そのため、本形態では、カード2の幅および厚みを検知することで、カード挿入口4から挿入されるカード2が正常なカード2であるか否かを検知することができる。また、本形態では、カード挿入口4とシャッタ7との間にプリヘッド13が配置されているため、カード2の幅および厚みを検知するのに加え、カード2に磁気ストライプが形成されているか否かを検知することで、カード挿入口4から挿入されるカード2が正常なカード2であるか否かを検知することができる。
【0038】
したがって、本形態では、カード挿入口4から正常なカード2が挿入されたか否かをより適切に検知することが可能になる。その結果、シャッタ7の開閉を適切に制御して、悪質ないたずらや犯罪を防止することが可能になり、カードリーダ1の信頼性を高めることが可能になる。
【0039】
また、本形態では、幅検知機構11は、カード2の端面2aに接触して変位するレバー部材15を備え、厚み検知機構12は、カード2の表面2bに接触して変位する厚み方向接触部材19を備えている。すなわち、本形態では、カード2の幅方向でカード2に直接、接触するレバー部材15と、カード2の厚み方向でカード2に直接、接触する厚み方向接触部材19とを備えている。そのため、カード2の幅方向および厚み方向におけるカード2の検知精度を高めることが可能になる。したがって、本形態では、カード挿入口4から正常なカード2が挿入されたか否かをより適切に検知することが可能になる。その結果、シャッタ7の開閉を適切に制御して、悪質ないたずらや犯罪を防止することが可能になり、カードリーダ1の信頼性を高めることが可能になる。
【0040】
本形態では、制御部27は、幅検知センサ16と厚み検知センサ20とが接続されるAND回路28を備えており、幅検知センサ16から出力される幅検知信号および厚み検知センサ20から出力される厚み検知信号の2つの信号がCPU29に入力されることはない。また、幅検知信号および厚み検知信号がAND回路28に入力されないとカード検知信号がCPU29に入力されない。したがって、本形態では、カードリーダ1が幅検知機構11と厚み検知機構12とを備えている場合であっても、CPU29での処理負担を軽減することが可能になる。また、本形態では、幅検知信号および厚み検知信号の2つの信号がCPU29に入力される場合と比較して、CPU29の接続ポートの数を減らすことが可能になる。
【0041】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0042】
上述した形態では、カードリーダ1に挿入されるカード2に磁気ストライプが形成されているため、制御指令部32は、カード検知信号および磁気ストライプ検知信号が入力されると、シャッタ開信号を出力するように、CPU29に制御指令を出力している。この他にもたとえば、カードリーダ1に挿入されるカード2が磁気ストライプが形成されていないICカード等である場合には、制御指令部32は、磁気ストライプ検知信号が入力されなくてもカード検知信号が入力されれば、シャッタ開信号を出力するようにCPU29に制御指令を出力しても良い。このように、カードリーダ1が搭載されるカード処理システムでは、たとえば、処理されるカード2に応じて、シャッタ7の開閉制御に磁気ストライプ検知信号を利用するか否かを選択することが可能である。
【0043】
上述した形態では、CPU29は、制御指令部32に接続されているが、CPU29は、制御指令部32に接続されていなくても良い。この場合には、たとえば、CPU29は、カード検知信号と磁気ストライプ検知信号とが入力されると、シャッタ開信号をシャッタ駆動回路30へ出力する。
【0044】
上述した形態では、カードリーダ1は、プリヘッド13を備えているが、カードリーダ1は、プリヘッド13を備えていなくても良い。また、カードリーダ1は、プリヘッド13に代えて、カード2に固定されるICチップを検知する金属検知機構を備えていても良い。この場合には、たとえば、制御指令部32は、ICチップを検知した金属検知機構から出力される金属検知信号およびカード検知信号がCPU29を介して入力されると、シャッタ開信号を出力するように、CPU29に制御指令を出力する。あるいは、この場合には、制御指令部32は、金属検知信号およびカード検知信号がCPU29を介して入力されると、カード2のICチップに接触してデータを読み取るIC接点ブロック等の所定の制御を実行するための制御信号をCPU29が出力するように、CPU29に制御指令を出力する。
【0045】
上述した形態では、カードリーダ1は、シャッタ7を備えているが、カードリーダ1はシャッタ7を備えていなくても良い。この場合であっても、制御指令部32は、カード検知信号および磁気ストライプ検知信号が入力されると、所定の制御を実行するための制御信号をCPU29が出力するように、CPU29に制御指令を出力する。たとえば、制御指令部32は、カード検知信号および磁気ストライプ検知信号が入力されると、カードリーダ1の内部へカード2を取り込むようにカード搬送機構を起動させる制御信号をCPU29が出力するように、CPU29に制御指令を出力する。
【0046】
上述した形態では、幅検知センサ16は、光学式のセンサである。この他にもたとえば、幅検知センサ16は、レバー部材とレバー部材の動きに応じてオンオフする接触式のスイッチとを備える接点スイッチ等の機械式のセンサであっても良い。同様に、厚み検知センサ20も、機械式のセンサであっても良い。
【0047】
上述した形態では、カード2の幅方向におけるカード搬送路6の一端側からカード搬送路6に対してカード接触部15aが進退可能となるようにレバー部材15が配置されているが、上述した特許文献1に開示されているように、カード2の幅方向におけるカード搬送路6の両端側からカード搬送路6に対してカード接触部15aが進退可能となるように2本のレバー部材15が配置されても良い。また、上述した形態では、厚み検知機構12は、2個のローラ21を備えているが、厚み検知機構12は、上述の特許文献2に開示されているように、プリヘッド13に対向配置される1個のローラ21を備えていても良い。
【0048】
上述した形態では、幅検知機構11は、レバー部材15と幅検知センサ16とを備えているが、カード搬送路6に臨むように配置される発光素子と受光素子とによって、幅検知機構が構成されても良い。また、接点スイッチによって、幅検知機構が構成されても良いし、厚み検知機構が構成されても良い。
【0049】
上述した形態では、カードリーダ1は、カード搬送機構を備えるカード搬送式のカードリーダであるが、本発明の構成が適用されるカードリーダは、カード搬送機構を備えていない手動式のカードリーダであっても良い。また、上述した形態では、磁気データの読取りや記録を行う磁気ヘッドを備えるカードリーダ1を例に、本発明の実施の形態にかかるカード処理装置を説明したが、本発明が適用されるカード処理装置は、磁気ヘッドを備えていなくても良い。たとえば、本発明が適用されるカード処理装置は、印字機構を備える印刷装置やスキャナを備える画像読取装置等であっても良い。