特許第5715786号(P5715786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5715786動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム、動的リンク型グラフィカル・メッセージ及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715786
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム、動的リンク型グラフィカル・メッセージ及び方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
   G05B23/02 301Z
【請求項の数】26
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2010-213662(P2010-213662)
(22)【出願日】2010年9月24日
(65)【公開番号】特開2011-70673(P2011-70673A)
(43)【公開日】2011年4月7日
【審査請求日】2013年9月9日
(31)【優先権主張番号】61/245,096
(32)【優先日】2009年9月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/883,330
(32)【優先日】2010年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー−ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム. コールドウェル
(72)【発明者】
【氏名】シンディ オールサップ スコット
【審査官】 稲垣 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−059646(JP,A)
【文献】 特開2008−145887(JP,A)
【文献】 特開2005−129062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス制御プラントのプロセス制御システムで用いる動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システムであって、
プロセッサ、メモリおよびディスプレイを有し、前記プロセス制御システムと通信する複数のコンピューティング機器と、
前記コンピューティング機器の前記メモリに記憶され、
ハイパーリンクとフィールドを含む電子付箋画像とを含む動的リンク型グラフィカル・メッセージを作成し、
前記電子付箋画像の前記フィールドの内容を前記プロセス制御システムが利用できる集中型データベースのエントリに記憶し、
前記電子付箋画像の前記フィールドの前記内容を前記プロセス制御システムの中に構成されたプロセス制御オブジェクトと関連付け、
前記ディスプレイ上の前記プロセス制御オブジェクトの表現を含む表示ビューのランタイム中に、前記フィールドの前記内容と前記プロセス制御オブジェクトとの間に前記ハイパーリンクを確立し、
前記表示ビュー上の前記プロセス制御オブジェクトの前記表現と共に、前記フィールドの前記内容を含む前記電子付箋画像を提示するため、
前記プロセッサによって実行可能である動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダのためのコンピュータ実行可能な命令と、
を備え、
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージは、前記プロセス制御プラントの至る所の前記関連付けられた前記プロセス制御オブジェクトの何れかのランタイムに表示されたインスタンスと共に前記電子付箋画像の自動表示の永続化を生じさせる
動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項2】
前記集中型データベースの前記エントリが、前記集中型データベースの前記エントリが前記動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応するという標識を備える、請求項1に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項3】
前記コンピューティング機器が第1のコンピューティング機器であり、前記表示ビューが第1の表示ビューであり、前記ディスプレイが第1のディスプレイであり、前記コンピュータ実行可能な命令が第1のコンピュータ実行可能な命令であり、
前記プロセス制御システムと通信する第2のコンピューティング機器をさらに備え、
前記第2のコンピューティング機器が、
前記第2のコンピューティング機器の第2のディスプレイ上の第2の表示ビューのランタイム中に、前記フィールドの前記内容と前記プロセス制御オブジェクトとの間に前記ハイパーリンクを確立し、
前記第2の表示ビュー上の前記プロセス制御オブジェクトの前記表現と共に、前記フィールドの前記内容を含む前記電子付箋画像を提示するため、
前記第2のコンピューティング機器のメモリに記憶され、前記第2のコンピューティング機器のプロセッサによって実行可能である第2のコンピュータ実行可能な命令を含む、
請求項1〜請求項2の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項4】
前記プロセス制御オブジェクトがプロセス制御クラス・オブジェクトであり、
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージが前記プロセス制御クラス・オブジェクトのサブクラス・オブジェクトに対応する付加的なハイパーリンク組をさらに含み、
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダのための前記コンピュータ実行可能な命令が、
前記電子付箋画像の前記フィールドの前記内容をサブクラス・オブジェクトと関連付け、
前記サブクラス・オブジェクトの表現を含む特有の表示ビューのランタイム中に、前記フィールドの前記内容と前記サブクラス・オブジェクトとの間に付加的なハイパーリンクを確立し、
前記サブクラス・オブジェクトの前記表現と共に、前記フィールドの前記内容を含む前記電子付箋画像を提示するためさらに実行可能である、
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項5】
前記電子付箋画像の前記フィールドの前記内容が2つ以上の集中型データベースに亘って記憶される、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項6】
前記集中型データベースから論理的に独立している動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースと、
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応する前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの中のエントリと、
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースへのユーザ・インターフェイスと、
をさらに備え、
前記コンピュータ実行可能な命令が、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応する前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの中の前記エントリに基づいて前記ハイパーリンクを確立するためさらに実行可能である、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項7】
前記動的リンク型グラフィック・メッセージに対応する前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの中の前記エントリが、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージの標識、作成時間、満了期間、前記プロセス制御オブジェクトの標識、前記集中型データベースの標識、作者の標識、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージのカテゴリもしくはタイプ、ユーザもしくはユーザのグループの権限レベルに対応する可視性の標識、または、付加情報フィールドのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項8】
前記満了期間が満了した後、または、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージの削除後、前記電子付箋画像が前記表示ビューから除去され、前記ハイパーリンクが無効にされ、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの中の前記エントリが削除され、前記内容が前記集中型データベースの中に維持される、請求項7に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項9】
前記表示ビューが少なくとも1個の動的リンク型グラフィカル・メッセージが定義済みであるが不可視であることを示す動的リンク型グラフィカル・メッセージ可視性インジケータを含む、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項10】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダのための前記コンピュータ実行可能な命令が、作成、修正、リンク、検索、許可設定、または、削除のうちの少なくとも1つを含む動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作の組を提供するため前記プロセッサによってさらに実行可能である、請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項11】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作の前記組が、前記集中型データベースのためのユーザ・インターフェイス、前記プロセス制御オブジェクトのためのユーザ
・インターフェイス、または、前記表示ビューのためのユーザ・インターフェイスのうちの少なくとも1つを介してアクセス可能である、請求項10に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項12】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作である修正が、選択された動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容を修正すること、または、前記選択された動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応する特有の電子付箋画像の外観を修正することのうちの少なくとも1つを備え、
前記電子付箋画像の前記外観を修正することが、形状、色、サイズ、動的視覚的特徴、場所、または、フォントのうちの少なくとも1つを修正することを備える、請求項11に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項13】
前記電子付箋画像が、
サイズ変更可能、
前記ディスプレイ上の異なる場所へ移動可能、
前記ディスプレイの前景への移動または前記ディスプレイの背景への送り出し可能、
非表示または再表示可能、または、
前記ディスプレイのサイズに比例した拡大縮小可能、
のうちの少なくとも1つである、請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項14】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダが前記表示ビューに提示された前記電子付箋画像に対応するユーザ開始アクションに応答してウィンドウをさらに表示し、
前記ウィンドウが、前記フィールドの前記内容と、前記集中型データベースの前記エントリの少なくとも1つの付加的なデータベースフィールドとを含み、
前記少なくとも1つの付加的なデータベース・フィールドが、作者フィールド、作成日フィールド、タイトルフィールド、メッセージ詳細フィールド、または、満了フィールドのうちの少なくとも1つを含み、
前記ユーザ開始アクションが、ユーザ開始マウス・アクション、ユーザ開始カーソル・アクション、音声コマンド、または、ユーザ開始タッチスクリーン・アクションのうちの少なくとも1つを備える、
請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項15】
前記電子付箋画像が、色、形状、フォント、サイズ、または、動的属性のうちの少なくとも1つである視覚的特徴を有し、
前記視覚的特徴が、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・タイプ、ユーザ識別情報、前記プロセス制御プラントの中での物理的場所、プロセス制御オブジェクト・クラス、または、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージの優先度のうちの少なくとも1つに対応する、
請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項16】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダのための前記コンピュータ実行可能な命令が、前記ディスプレイ上の利用可能な動的リンク型グラフィカル・メッセージの可視性をユーザに関連付けられた権限レベル、前記プロセス制御プラントの物理的領域、または、ユーザ指定基準のうちの少なくとも1つに基づいてフィルタ処理するためさらに実行可能である、請求項1〜請求項15の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム。
【請求項17】
プロセス制御プラントのプロセス制御システムで用いる動的リンク型グラフィカル・メ
ッセージであって、
前記プロセス制御システムの中で構成された前記プロセス制御システムのプロセス制御オブジェクトの表現と共に、前記プロセス制御システムと通信するコンピューティング機器のディスプレイ上の表示ビューに提示された、フィールドを含む電子付箋画像と、
前記表示ビューのランタイムに確立され、前記プロセス制御システムの少なくとも1つの集中型データベースの中のエントリに記憶されている前記電子付箋画像の前記フィールドの内容を前記プロセス制御オブジェクトにリンクするハイパーリンクと、
前記少なくとも1つの集中型データベースと論理的に独立している動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの中で、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージの標識、前記プロセス制御オブジェクトの標識、および前記少なくとも1つの集中型データベースの標識を含み、前記プロセス制御オブジェクトのコンフィギュレーションおよび前記表示ビューのコンフィギュレーションを除外するエントリと、
を備える動的リンク型グラフィカル・メッセージ。
【請求項18】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの中の前記エントリが、タイトルフィールドと、作者フィールドと、メッセージ詳細フィールドと、作成日フィールドと、満了フィールドと、前記プロセス制御システムにおいて構成された第2のプロセス制御オブジェクトへの第2のハイパーリンクとから選択された少なくとも1つの付加的なデータベース・フィールドをさらに含み、
前記少なくとも1つの付加的なデータベース・フィールドが、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応するユーザ開始アクションに応答して前記表示ビューに現れるウィンドウの中に表示され、
前記ユーザ開始アクションが、ユーザ開始マウス・アクションと、ユーザ開始カーソル・アクションと、ユーザ開始音声アクティブ化と、ユーザ開始タッチスクリーン・アクションとのうちの1つを備える、
請求項17に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージ。
【請求項19】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージが前記プロセス制御オブジェクトの前記表現と共に2つ以上の表示ビューの1つずつに現れ、前記2つ以上の表示ビューの1つずつが前記プロセス制御システムと通信する異なるコンピューティング機器に提示される、請求項17又は請求項18に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージ。
【請求項20】
前記プロセス制御オブジェクトがクラス・オブジェクトであり、
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージが、各付加的なハイパーリンクが前記フィールドの前記内容を前記クラス・オブジェクトの異なるサブクラス・オブジェクトにリンクする付加的なハイパーリンクの組をさらに含み、
各付加的なハイパーリンクが前記異なるサブクラス・オブジェクトの表現を含む特有の表示ビューのランタイム時に確立される、
請求項17〜請求項19の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージ。
【請求項21】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージが、ユーザにより作成済み、閲覧済み、修正済み、または、削除済みのうちの少なくとも1つである、請求項17〜請求項20の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージ。
【請求項22】
前記電子付箋画像が、色、形状、フォント、または、動的属性のうちの少なくとも1つである視覚的特徴を有し、
前記視覚的特徴が、動的リンク型グラフィカル・メッセージのタイプ、ユーザの権限レベル、前記プロセス制御プラントの中での物理的場所、前記動的リンク型グラフィカル・メッセージの優先度、または、ユーザ指定基準のうちの少なくとも1つに対応する、
請求項17〜請求項21の何れか1項に記載の動的リンク型グラフィカル・メッセージ。
【請求項23】
プロセス制御プラントのプロセス制御システムにおいて動的リンク型グラフィカル・メッセージを提供する方法であって、
ハイパーリンクとフィールドを含む電子付箋画像とを含む動的リンク型グラフィカル・メッセージを作成するステップと、
前記電子付箋画像の前記フィールドの内容を前記プロセス制御システムが利用できる集中型データベースのエントリに記憶するステップと、
前記フィールドの前記内容を前記プロセス制御システムの中に構成されたプロセス制御オブジェクトと関連付けるステップと、
コンピューティング機器のディスプレイ上の前記プロセス制御オブジェクトの表現を含む表示ビューのランタイム中に、前記フィールドの前記内容と前記プロセス制御オブジェクトとの間に前記ハイパーリンクを確立するステップと、
前記プロセス制御オブジェクトの前記表現と共に、前記フィールドの前記内容を含む前記電子付箋画像を前記表示ビューに提示するステップと、
を備え、
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージは、前記プロセス制御プラントの至る所の前記関連付けられた前記プロセス制御オブジェクトの何れかのランタイムに表示されたインスタンスと共に前記電子付箋画像の自動表示の永続化を生じさせる
方法。
【請求項24】
前記表示ビューが第1の表示ビューであり、前記ディスプレイが第1のディスプレイであり、前記コンピューティング機器が第1のコンピューティング機器であり、
前記プロセス制御システムと通信する第2のコンピューティング機器の第2のディスプレイ上での前記プロセス制御オブジェクトの前記表現を含む第2の表示ビューのランタイム中に、前記フィールドの前記内容と前記プロセス制御オブジェクトとの間に前記ハイパ
ーリンクを確立するステップと、
前記プロセス制御オブジェクトの前記表現と共に、前記フィールドの前記内容を含む前記電子付箋画像を前記第2の表示ビューに提示するステップと、
をさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記フィールドの前記内容を前記プロセス制御オブジェクトと関連付けるステップが、前記フィールドの前記内容をプロセス制御クラス・オブジェクトと関連付けるステップを備え、
前記電子付箋画像の前記フィールドの前記内容を前記プロセス制御クラス・オブジェクトのサブクラス・オブジェクトと関連付けるステップと、
前記サブクラス・オブジェクトの表現を含む特有の表示ビューのランタイム中に、前記フィールドの前記内容と前記サブクラス・オブジェクトとの間に付加的なハイパーリンクを確立するステップと、
前記サブクラス・オブジェクトの前記表現と共に、前記フィールドの前記内容を含む前記電子付箋画像を前記特有の表示ビューに提示するステップと、
をさらに備える、請求項23又は請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応するエントリを含み、前記プロセス制御オブジェクトのコンフィギュレーションおよび前記表示ビューのコンフィギュレーションを除外する動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースを提供するステップと、
データベース管理機能の組および検索能力を含む前記動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースへのユーザ・インターフェイスを提供するステップと、
をさらに備える、請求項23〜請求項25の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年9月23日付けで出願され、参照によって本明細書中に開示全体が組み込まれる、“Dynamically Linked Graphical Message for Process Control Systems”という名称の米国仮出願第61/245,096号の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本開示は、一般に、プロセス制御システムにおける動的リンク型グラフィカル・メッセージに係わり、特に、プロセス制御システムにおける表示、記憶、および使用のための動的にリンクされた電子付箋に関する。
【背景技術】
【0003】
化学、石油または他のプロセス制御プラントで用いられるようなプロセス制御システムは、典型的に、アナログバス、デジタルバスまたはアナログ/デジタル結合バスを介して少なくとも1台のホストまたはオペレータ・ワークステーションおよび1台以上のフィールド機器に通信可能に連結された1台以上のプロセス制御器と入出力(I/O)機器とを含む。例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチおよびトランスミッタ(例えば、温度センサ、圧力センサおよび流速センサ)でもよいフィールド機器は、弁の開閉および圧力パラメータの測定のようなプロセス内の機能を実行する。プロセス制御器は、フィールド機器によって行われるプロセス測定量、および/または、フィールド機器に関係する他の情報を示す信号を受信し、制御ルーチンを実施するためこの情報を使用し、その後、プロセスの動作を制御するためバスまたは他の通信線を介してフィールド機器へ送信される制御信号を生成する。このようにして、プロセス制御器は、フィールド機器を連結するバスおよび/または他の通信リンクを介してフィールド機器を使用して制御戦略を実行し調整することがある。
【0004】
フィールド機器および制御器からの情報は、通常はデータハイウェイを越えて、典型的に、制御室またはより過酷なプラント環境から離れた他の場所に置かれたオペレータ・ワークステーション、パーソナル・コンピュータ、データ・ヒストリアン、レポートジェネレータ、集中型データベースなどのような1台以上の他のハードウェア機器で利用できるようにされる。これらのハードウェア機器は、例えば、オペレータがプロセス制御ルーチンのセッティングの変更、制御器またはフィールド機器内の制御モジュールの動作の修正、プロセスの現在状態の閲覧、フィールド機器および制御器によって発生された警報の閲覧、作業者の訓練またはプロセス制御ソフトウェアの試験を目的としたプロセスの動作のシミュレーション、コンフィギュレーション・データベースの維持および更新などのプロセスに関する機能を実行することを可能にさせることがあるアプリケーションを動かす。
【0005】
実施例として、Fisher Rosemount Systems, Inc.から販売されているDeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の様々な場所に位置している異なる機器の中に記憶され、異なる機器によって実行される複数のアプリケーションを含む。1台以上のオペレータ・ワークステーションの中に存在するコンフィギュレーション・アプリケーションは、ユーザがプロセス制御モジュールを作成または変更し、データハイウェイを介して専用分散型コントローラにこれらのプロセス制御モジュールをダウンロードすることを可能にする。典型的に、これらの制御モジュールは、機能ブロックへの入力に基づいて制御スキームの範囲内で機能を実行し、そして、制御スキームの範囲内で他の機能ブロックへ出力を供給するオブジェクト指向プログラミング・プロトコルの中のオブジェクトであって、通信可能に相互接続された機能ブロックで構成されている。コンフィギュレーション・アプリケーションは、コンフィギュレーション設計者がデータをオペレータに表示するためビューイング・アプリケーションによって使用されるオペレータ・インターフェイスを作成または変更することをさらに可能にし、プロセス制御ルーチン内でオペレータにセットポイント等のセッティングを変更させることを可能にする。各専用制御器と、場合によっては、フィールド機器とは、実際のプロセス制御機能を実施するため、制御モジュールに割り当てられダウンロードされた、制御モジュールを動かす制御器アプリケーションを記憶し実行する。1台以上のオペレータ・ワークステーションで動かされることがあるビューイング・アプリケーションは、データハイウェイを介して制御器アプリケーションからデータを受信し、このデータをプロセス制御システムの設計者、オペレータ、またはユーザ・インターフェイスを使用してユーザへ表示し、ある程度の数の異なるビューのうちのいずれか、例えば、オペレータのビュー、エンジニアのビュー、技術者のビューなどを提供することがある。データ・ヒストリアン・アプリケーションは、典型的に、データハイウェイを越えて提供されたデータの一部または全部を収集および記憶するデータ・ヒストリアン機器に記憶され、データ・ヒストリアン機器によって実行され、一方、コンフィギュレーション・データベース・アプリケーションは、現在のプロセス制御ルーチン・コンフィギュレーションおよび関連付けられたデータを記憶するためにデータハイウェイに取り付けられたさらなるコンピュータの中で動くことがある。代替的に、コンフィギュレーション・データベースは、コンフィギュレーション・アプリケーションと同じワークステーションの中に位置していることがある。
【0006】
コンフィギュレーション・アプリケーションは、機能ブロック・テンプレート・オブジェクト、および、場合によっては、制御モジュール・テンプレート・オブジェクトのようなテンプレート・オブジェクトのライブラリからのオブジェクトを含むことがある。これらのコンフィギュレーション・アプリケーションは、プロセスプラントのための制御戦略を構成するために使用される。テンプレート・オブジェクトは、デフォルト特性、セッティング、およびオブジェクトと関連付けられたメソッドを有し、コンフィギュレーション・アプリケーションを使用するエンジニアは、制御モジュールを開発するために、これらのテンプレート・オブジェクトを選択可能であり、原則として選択されたテンプレート・オブジェクトのコピーをコンフィギュレーション画面の中に置く。テンプレート・オブジェクトを選択し、コンフィギュレーション画面の中に置くプロセスの間に、エンジニアは、相互接続され、プロセスプラントにおける特定の用途のための特定の制御モジュールの中に含まれているプロセス制御オブジェクトを作成するため、これらのオブジェクトの入力と出力とを相互接続し、オブジェクトのパラメータ、名前、タグ、および、他の特性を変更する。1個以上のこのような制御モジュールを作成した後、エンジニアは、その後に、制御モジュールをインスタンス化し、プロセスプラントの運転中に実行するため適切な1台以上のコントローラおよびフィールド機器へダウンロードすることが可能である。
【0007】
その後、エンジニアは、一般に、表示作成アプリケーションにおいて表示オブジェクトを選択し構築することにより、プロセスプラント内にオペレータ、保守要員などのための1個以上の表示を作成する。これらの表示は、典型的に、1台以上のワークステーションにシステムワイドの基準で実施され、プラント内の制御システムまたは機器の動作状態に関して予め構成された表示をオペレータまたは保守要員に提供する。典型的に、これらの表示は、プロセスプラント内の制御器または他の機器によって生成された警報を受信し表示する警報表示と、プロセスプラント内の制御器および他の機器の動作状態を指示する制御表示と、プロセスプラント内の機器の機能状態を指示する保守表示などの形式をとる。何らかの知られているシステムでは、表示は、物理的または論理的要素と関連付けられた図形を有し、物理的または論理的要素に関するデータを受信するため物理的または論理的要素に通信可能に連携されているプロセス制御オブジェクトの使用を通じて作成される。オブジェクトは、例えば、タンクが半分満ちていることを例示する、流れセンサによって測定される流れを例示するなどのため、受信データに基づいて表示画面上の図形を変化させることがある。
【0008】
制御コンフィギュレーション・アプリケーションと同様に、表示作成アプリケーションは、オペレータ表示、保守表示などを作成するために、いずれかの所望のコンフィギュレーションで画面に置かれることがあるタンク、バルブ、センサ、スライドバー等のオペレータ制御ボタン、オン/オフスイッチなどのようなテンプレート・グラフィカル表示項目を有する。画面に置かれるとき、個々のグラフィック項目は、プロセスプラントの内部のメカニズムの何らかの情報または表示を異なるユーザへ供給するように画面上で相互接続されることがある。各々の個々のグラフィック項目はオブジェクトおよび/またはオブジェクトのクラスと関連付けられることがある。
【0009】
プロセス制御システムを使用するプロセス制御プラントでは、オペレータおよび/または他のプロセス制御プラント要員は、多くの場合に、プロセス制御プラントを安全、能率的および有益に運転するため、特有の制御ループ、機能ブロック、機器、または、他の物理的もしくは論理的プロセス制御要素に関する情報を通信することが必要である。通信は、例えば、プラントの異なる部分に位置しているか、または、異なるシフトで作業するプラント要員の間で行われることが必要である。この情報は、紙に書かれた業務日誌の中の手書き注記を通じて、または、オペレータ操作盤に置かれた物理的な付箋を通じて手動的に配信される。迅速かつ便利な手動メッセージ配信方法は、オペレータ通信文が見落とされる、紛失される、容易に見つけられない、または、容易に参照されない、もしくは、必要な関係者へ配布されないという結果をまねくことがよくある。
【0010】
代替的に、オペレータ間の情報の通信は、電子業務日誌、電子メール、または、他の電子的媒体もしくは方法を介して行われることである。手動的な方法と比較すると、オペレータまたはプラント要員間の情報通信の電子的な方法は、より永続的であり、それほど容易に紛失することはないが、しかし、電子的な方法は、異なるタイプの不便をもたらすことがある。例えば、電子業務日誌エントリおよび故障した機器に関する機器仕様手引書の中の関連した節の両方からの内容を含む電子メールを送信するため、オペレータは、オペレータの制御操作盤に共に存在するか、または、オペレータの制御操作盤から共にアクセスできるアプリケーションを動かす必要があることがある。オペレータは、どちらのアプリケーションが動かされるべきであるか、および、アプリケーションまたは関連データがどこに配置されているかを判定することを余儀なくされるので、オペレータの時間と、注意と、時には、目前にあるオペレータの主な職務から離れる実際の存在さえも必要とする。さらに、電子的な通信配信は依然として各々の個々のメッセージ送信者に大きく依存する。内容および受信者の決定と、メッセージ、アプリケーションおよびデータの検索、アクセスおよび配信との不一致は、オペレータに不便を生じさせるだけでなく、例えば、オペレータがオペレータのプラント運転責任から注意をそらされる場合、潜在的に危険な状況をもたらすこともある。
【発明の概要】
【0011】
本概要は、詳細な説明においてさらに後述される概念のうち選択されたものを簡略化された形式で提起するため与えられている。本概要は、請求項に記載された発明の対象の重要な特徴または不可欠な特徴を特定するためのものではなく、請求項に記載された発明の対象の範囲を限定するためのものでもない。
【0012】
本開示は、動的リンク型グラフィカル・メッセージを提供するプロセス制御システムにおける方法およびシステムの実施形態を提供する。動的リンク型グラフィカル・メッセージはプロセス制御システムで用いるため作成されることがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージは、表示画面上の電子付箋画像を含むことがあり、電子付箋画像は、例えば、説明、タイトルまたは他の内容を格納するフィールドを含むことがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージは、電子付箋画像の内容のプロセス制御システムにおける特定のプロセス制御オブジェクトへの関連性を実体化するハイパーリンクをさらに含むことがある。典型的に、プロセス制御オブジェクトはオブジェクト指向プログラミング・プロトコルを使用してプロセス制御システムにおいて定義され構成されている。
【0013】
動的リンク型グラフィカル・メッセージが作成されると、特定のプロセス制御オブジェクトと電子付箋の内容との間のグラフィカル・メッセージのハイパーリンクは、特定のプロセス制御オブジェクトを含む表示ビューのランタイムに作動されることがあり、作動されたハイパーリンクは、特定のプロセス制御オブジェクトの表現が表示される時および場所とは無関係に、電子付箋が特定のプロセス制御オブジェクトの表現の付近に自動的に表示されることを可能にすることがある。特に、特定のプロセス制御オブジェクトの表現を含むプロセス制御プラントと通信しているいずれかのオペレータ・ワークステーションまたはいずれかの他のコンピューティング機器上に提示されたいずれかの表示ビューは、表現の付近に表示された電子付箋画像をさらに含むことがある。よって、動的リンク型グラフィカル・メッセージの単一の初期作成は、プロセス制御プラント全体およびいずれかの関連付けられたコンピューティング機器を通じて、リンクされた特定のプロセス制御オブジェクトのいずれかのランタイム表示されたインスタンスと併せて、電子付箋の自動的な表示の永続化を生じさせることがある。
【0014】
動的リンク型グラフィカル・メッセージは、定義、作成、アクティブ化または実行のためプロセス制御システムのコンフィギュレーション変更またはダウンロードを必要としないことがある。それどころか、動的リンク型グラフィカル・メッセージは、動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応するプロセス制御オブジェクトを含む表示ビューのランタイム中のようなランタイム中に、定義、作成、アクティブ化、および/または、実行されることがある。例えば、動的リンク型グラフィカル・メッセージは、プロセス制御システムがアクセスでき、コンフィギュレーション・データベースまたは特定のプロセス制御オブジェクトの記憶場所ではない集中型データベース(例えば、事象データベース、ヒストリアン・データベース、電子業務日誌、文書リポジトリ、知識オブジェクト・データベースなど)に内容が記憶されるように定義されることがある。特定のプロセス制御オブジェクトを含む表示ビューのランタイム時に、記憶された内容と特定のプロセス制御オブジェクトとの間のハイパーリンクが確立されることがあり、対応する電子付箋画像が表示ビューに含まれることがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージが削除されるとき、対応する電子付箋画像は、表示ビューから除去されることがあり、ハイパーリンクは無効にされることがあるが、動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容は依然として集中型データベースの中に維持されることがある。
【0015】
一実施例では、動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容は、特有のタイプの電子業務日誌エントリとして電子業務日誌エントリ・データベースに記憶されることがある。特有のタイプは、動的リンク型グラフィカル・メッセージとして電子業務日誌エントリを区別することがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容は、電子業務日誌エントリの一部に過ぎないこともある。作者身元、作成日、満了日、メッセージ詳細などのような付加情報もまた業務日誌エントリに記憶されることがある。付加情報の一部または全部は、例えば、ユーザによる電子付箋のクリック、もしくは、電子付箋上のマウスオーバーの後、または、タッチスクリーンにアクセスする、カーソル・アクションを開始する、もしくは、音声作動コマンドのメカニズムを開始する、というような何らかの他のアクションをユーザが開始した後、表示上の対応する電子付箋画像とのユーザ相互作用に応答してユーザの目に見えることがある。付加的または代替的に、ユーザは、標準的な電子業務日誌インターフェイスを介して、動的リンク型グラフィカル・メッセージにさらにアクセスし、相互作用することがある。
【0016】
動的リンク型グラフィカル・メッセージと、動的リンク型グラフィカル・メッセージをサポートするプロセス制御システムとは、オペレータおよびプロセス制御プラント要員に使いやすさおよび便利さを提供する特性を有することがある。実施例は、少数の例を挙げると、動的リンク型グラフィカル・メッセージ全部の可視性をオンまたはオフにする能力と、閲覧、変更および/または他の能力のための許可特権と、満了日と、外観操作と、異なるタイプまたはカテゴリの動的リンク型グラフィカル・メッセージの間の視覚的な違いとを含むことがある。さらに、本開示は動的リンク型グラフィカル・メッセージを管理する操作の組を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】プロセス制御プラントにおける典型的な分散型プロセス制御システムのブロック図である。
図2A】動的リンク型グラフィカル・メッセージおよび対応する詳細ウィンドウを含むプロセス制御システムの表示ビューの実施例を示す図である。
図2B図2Aの動的リンク型グラフィカル・メッセージの作成中に撮影されたスクリーンショットの実施形態を示す図である。
図3A】プロセス制御システムにおける動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの実施形態を示す図である。
図3B図3Aの動的リンク型グラフィカル・メッセージからのエントリに対応する電子付箋画像の実施例を示す図である。
図4】プロセス制御システムにおいて動的リンク型グラフィカル・メッセージを提供する方法の実施形態を示す図である。
図5】動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システムの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
ある一定の方法、装置、および製品が本明細書中に記載されているが、本特許の対象範囲はそれらに限定されない。それと反対に、本特許は、字義通りに、または、均等論の下で特許請求の範囲に完全に含まれるすべての方法、装置、および製品を対象とする。
【0019】
図1を参照すると、プロセスプラント10は、1対の冗長制御器でもよい1台以上のプロセス制御器12を有する分散型プロセス制御システムを含む。各プロセス制御器12は、所望の通信または制御器プロトコルに準拠するいずれのタイプのI/O機器でもよい入出力(I/O)カードまたは機器18および19を介して、1台以上のフィールド機器14および16に接続されている。フィールド機器14および16は、例えば、センサ、バルブ、トランスミッタ、ポジショナなどのようないずれのタイプのフィールド機器でもよく、そして、所望のどのような公開、独占、または、他の通信もしくはプログラミング・プロトコルに準拠してもよい。
【0020】
プロセスプラント10は、コンフィギュレーション・エンジニア、プロセス制御オペレータ、保守要員などのようなプラント要員によりアクセスすることができる(いずれのタイプのパーソナル・コンピュータ、ワークステーションなどでもよい)1台以上のホスト・ワークステーション、コンピュータ、または、ユーザ・インターフェイス20および22をさらに含む。ユーザ・インターフェイス20および22は、通信線またはバス24を介してプロセス制御器12に連結される。通信バス24は、所望のハードウェアまたは無線通信構造を使用して、そして、例えば、イーサネット(登録商標)・プロトコルのような所望または適当な通信プロトコルを使用して、実施されることがある。プロセス制御器12と、I/O機器18および19と、フィールド機器14および16とは、一般に、プロセス制御システムを構成する。
【0021】
その上、データベース28は、通信バス24に接続されることがあり、プラント10内部のプロセス制御器12とフィールド機器14および16と関連付けられたパラメータ、状態および他のデータを収集し記憶するデータ・ヒストリアンとして動作する。代替的、または、付加的に、データベース28は、プラント10内部のプロセス制御システムの現在のコンフィギュレーション(およびプロセス制御システムに関連したコンフィギュレーション・データ)を記憶し、プロセス制御器12とワークステーション20および22とによって使用されるコンフィギュレーション・データベースとして動作することがある。データベース28は、将来の使用のためプロセスプラント10において生成されたデータを収集し記憶するデータ・ヒストリアンとしてさらに機能することがある。図1は1つのデータベース28だけを示しているが、事象ヒストリアン・データベースおよび連続プロセス・ヒストリアン・データベースのような複数のデータベースが考えられることがある。
【0022】
プロセス制御器12と、I/O機器18および19と、フィールド機器14および16とは、典型的に、時に過酷であることがあるプラント環境の内部で下方に位置し、プラント環境の全体を通じて分布しているが、ユーザ・インターフェイス20および22とデータベース28とは、通常は、制御室またはオペレータもしくは保守要員によって容易にアクセス可能である他のあまり過酷ではない環境の中に位置している。知られているように、例えば、Emerson Process Managementによって販売されるDeltaV(商標)制御器でもよい各プロセス制御器12は、ある程度の数の異なる独立に実行される制御モジュールまたはブロックを使用して制御戦略を実施する制御器アプリケーションを記憶し実行する。制御モジュールは、それぞれが一般に機能ブロックと称されるもので構成されている。各機能ブロックは、全制御ルーチンのうちの一部またはサブルーチンであり、プロセスプラント10内部のプロセス制御ループを実施するために(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと共に動作する。
【0023】
周知のように、オブジェクト指向プログラミング・プロトコルの中のオブジェクトでもよい機能ブロックは、典型的にトランスミッタ、センサまたは他のプロセスパラメータ測定機器と関連付けられているような入力機能と、PID(比例積分微分)制御ルーチン、ファジイ論理などを実行する制御ルーチンと関連付けられているような制御機能と、プロセスプラント10内部の何らかの物理的な機能を実行するためにバルブのような何らかの機器の動作を制御する制御または出力機能とのうちの1つを実行する。当然ながら、モデル予測制御器(MPC)、最適化器などのようなハイブリッド型および他のタイプの複雑な機能ブロックが存在する。FieldbusプロトコルおよびDeltaVシステムプロトコルは、オブジェクト指向プログラミング・プロトコルにおいて設計され実施される制御モジュールおよび機能ブロックを使用するが、制御モジュールは、例えば、逐次的機能ブロック、ラダー・ロジックなどを含むいずれかの所望のプログラミングスキームを使用して設計されてもよく、機能ブロックまたはいずれかの他の特有のプログラミング技術を使用して設計されることに限定されない。
【0024】
図1に示されたプロセスプラント10では、プロセス制御器12に接続されたフィールド機器は、例えば、アナログ線、または、アナログおよびデジタルの複合線を介してI/O機器18へ通信する標準的な4−20mA機器のような従来型(すなわち、非スマート)フィールド機器14でもよい。代替的または付加的に、フィールド機器は、例えば、Fieldbusプロトコル通信を使用してデジタルバスを介してI/O機器19へ通信するFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールド機器のような、プロセッサおよびメモリを有するスマート・フィールド機器16でもよい。スマート・フィールド機器16は、制御器12の中で実施される制御戦略と関連付けられた機能ブロックのようなモジュールまたはサブモジュールを記憶し実行することがある。2台の異なるFieldbusフィールド機器16の中に配置されることがある機能ブロックは、周知のように、プロセス制御を実施するため、プロセス制御器12の内部の制御モジュールの実行と共に実行されることがある。当然ながら、フィールド機器14および16は、センサ、バルブ、トランスミッタ、ポジショナなどのようないずれのタイプの機器でもよく、I/O機器18および19は、HART、Fieldbus、Profibusなどのような所望の通信または制御器プロトコルに準拠するいずれのタイプのI/O機器でもよい。
【0025】
図1のプロセスプラント10では、(例えば、パーソナル・コンピュータでもよい)ワークステーション20は、プロセス制御器12によって実行されるべきプロセス制御モジュールと、ワークステーション20(または他のコンピュータ)によって実行されるべき表示ルーチンとを設計し、このようなプロセス制御モジュールをプロセス制御器12へダウンロードするようにプロセス制御器12と通信するために使用されることがある。さらに、ワークステーション20は、プロセスプラント10の運転中にプロセスプラント10またはプロセスプラント10の要素に関係がある情報を受信し表示する表示ルーチンを実行することがある。
【0026】
ワークステーション20は、プロセスプラント10の内部で接続された機器に関する機能性を閲覧し供給するため、権限をもつユーザ(本明細書中ではオペレータと称される)によってアクセスされることがある、例えば、コンフィギュレーション設計アプリケーションおよびユーザ・インターフェイス・アプリケーションのような複数のアプリケーション32を記憶し、例えば、プロセスプラント10のコンフィギュレーションに関係があるコンフィギュレーション・データおよび他のデータ構造32のようなデータを記憶するメモリ34を含む。
【0027】
複数のデータ・ソース・アプリケーション32の全体が唯一のワークステーション20の中に記憶されるように図示されているが、これらのデータ・ソース・アプリケーション32のうちの一部、または、他のエンティティがプラント10の内部またはプラント10と関連付けられた、例えば、ワークステーション22のような他のワークステーションまたはコンピュータ機器に記憶され実行されてもよい。さらに、複数のデータ・ソース・アプリケーション32は、互いに異なり、および/または、プロセスプラント10と異なる地理的場所に位置し、例えば、インターネット、他の公衆ネットワーク、および/または、私設ネットワークのような適当な通信ネットワークを介して通信するため適合していることがある。一部の実施形態では、ワークステーション20は、遠隔コンピューティング機器(図示せず)によってアクセスされることがある。これらの実施形態では、プロセスプラント10は遠隔コンピューティング機器への有線または無線ネットワーク接続を含むことがある。ネットワーク接続は、私設または公衆でもよく、いずれの公知のネットワーキング技術を使用してもよい。
【0028】
ワークステーション20は、オペレータがプロセス制御モジュールおよび他のルーチンを設計し、これらのプロセス制御モジュールをプロセス制御器12(または、他のコンピュータ)へダウンロードするか、または、プロセスプラント10の運転中に他のデータ・ソース・アプリケーション32から情報を収集し、表示画面37を介してオペレータへ情報表示することを可能にさせるため複数のアプリケーション32を実行するプロセッサ36をさらに含む。
【0029】
本開示は、一般に、図1に示されたプロセス制御システムのようなプロセス制御システムにおいて動的リンク型グラフィカル・メッセージを提供することに関係する。動的リンク型グラフィカル・メッセージは、集中型データベース・エントリの内容をハイパーリンクによってプロセス制御オブジェクトとリンクし、および/または、関連付けることがある。ハイパーリンクは、いずれの公知のタイプのハイパーリンクでもよい。一部の実施形態では、ハイパーリンクは、プロセス制御要素に対応するプロセス制御オブジェクトと知識基準に対応する知識オブジェクトとの間の関連性を含み、プロセス制御オブジェクトを含む表示ビューのランタイム中に確立される動的ハイパーリンクでもよい。動的ハイパーリンクの実施例は、内容全体が参照によって本明細書中に組み込まれる同時係属中の米国特許出願第12/565,272号で見つけられる。動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容を含む集中型データベースは、典型的に、プロセス制御オブジェクトの定義またはコンフィギュレーションに関係する情報を記憶するデータベース(例えば、コンフィギュレーション・データベース)とは異なることがある。すなわち、集中型データベースは、プロセス制御オブジェクトの定義またはコンフィギュレーションに関係するデータベースから論理的に、そして、場合によっては、物理的に分離または独立していることがある。
【0030】
プロセス制御オブジェクトの表現を含む表示ビューが構築されるランタイム時に、動的リンク型グラフィカル・メッセージのハイパーリンクは、表示ビューが集中型データベース・エントリの一部または全部を含む電子付箋画像をプロセス制御オブジェクトの表現の付近にまたは近接して表示するように作動されることがある。このようにして、電子付箋は、集中型データベース・エントリの内容と表示ビューのランタイム時に作動されたプロセス制御オブジェクトとの間のハイパーリンクのグラフィカル表現としての機能を果たすことがある。特に、電子付箋画像およびハイパーリンクはランタイム時に確立され、予め構成される必要がない。
【0031】
さらに、電子付箋画像は、プロセス制御オブジェクトの表現を提示するプロセス制御システムのいずれかのワークステーションまたはコンピューティング機器上の表示ビューのいずれかのインスタンスに自動的に表示されることがある。ハイパーリンクが最初に定義されると、ハイパーリンクのグラフィカル表現(すなわち、電子付箋)は、プロセス制御オブジェクトの表現が提示される表示上でプロセス制御オブジェクトの表現の付近にまたは近接して表示されることがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージの付加的な定義は別個のインスタンス、表示ビュー、ワークステーションなどのため必要とされない。
【0032】
さらに、プロセス制御オブジェクトがクラス・オブジェクトである場合、電子付箋は、クラス・オブジェクトのいずれかのサブクラス・オブジェクトの表現の付近にまたは近接して自動的に表示されることがある。この場合、各サブクラス・オブジェクトに対応する別個の付加的なハイパーリンクは動的リンク型グラフィカル・メッセージと共に定義されることがあるので、各サブクラス・オブジェクトは動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容と関連付けられている。
【0033】
本開示は、現行の電子付箋方法およびシステムへの複数の利点を提供する。現行の電子付箋は、一般に、オペレーティング・システム・サービスまたはシェルプログラムの一部として提供され、典型的に、特有のコンピュータのオペレーティングシステムによって管理されたファイルまたはアプリケーションに関係付けられる。現行の電子付箋は、通常は、一般的なコンピューティングアプリケーション(例えば、フォトエディタ、PDFジェネレータ、ワードプロセッサ、スプレッドシートなど)と、一般的なコンピュータアプリケーションによって実行可能である特定のファイルまたはターゲットに関係付けられている。
【0034】
さらに、現行の電子付箋は、典型的に、プロセス制御オブジェクト、専門プロセス制御ソフトウェア、およびプロセス制御システムから分離されている。例えば、現行の電子付箋を用いると、第1のオペレータは、特有の現行の電子付箋を作成し、電子付箋上の機器に関する内容をプロセス制御システムに入れることが可能であるが、第1のオペレータは、作成された付箋を汎用コンピュータプログラム、例えば、ワードプロセッサもしくはグラフィックスプログラムに、または、第1のオペレータが作業している特有のコンピュータまたはワークステーションにローカライズされた汎用コンピュータプログラムによって生成されたファイルに結合することに限定される。多くの場合に、汎用コンピュータプログラムおよび作成された付箋は、それぞれがプロセス制御システムの内部で定義され操作されるプロセス制御オブジェクトに気付かない。
【0035】
ローカルに作成された付箋を配布するため、第1のオペレータは、最初に適切な受信者の組を決定し、次に、作成された付箋を対象となる機器に関心があるすべての他のオペレータまたはワークステーションへ電子メールでまたは電子的に送信する。各受信側オペレータは、その後に、メールされた現行の電子付箋を読み取るように要求され、おそらく、受信側オペレータの対応するコンピュータまたはワークステーションで関係付けられている汎用コンピューティングアプリケーションを開き、そして、自分の管理範囲内にある現行の電子付箋の中で参照されている(1台以上の)対応する対象となる機器を捜し出す付加的な対策を講じる。第1のオペレータが、元の現行の電子付箋を削除する場合、この削除は、ビューおよびワークステーション全体に亘る整合性を維持するために受信側オペレータへ通知される必要がある。各受信側オペレータは、その後に、自分の電子付箋のコピーの削除を確実にするためさらなる対策を講じるように要求される。
【0036】
その上、現行のタイプの電子付箋は、プロセス制御オブジェクト・クラスの全体に亘って永久化され、コンフィギュレーションを通じて保存される能力がない。例えば、第1のオペレータが1つのタイプのバルブのための現行の電子付箋を作成した場合、さらなる別個の現行の電子付箋がバルブのタイプのインスタンス毎にランタイム中に作成される必要があり、種々のワークステーションおよび/または表示ビューへ配布される必要がある。別のシナリオでは、現行の電子付箋は、プロセス制御システムの全体に亘って永久化されるように構成される必要がある。よって、プロセス制御環境において現行の電子付箋技術を使用することは、扱いにくいだけでなく、矛盾、連携問題、および、時間の浪費をまねくことがある。
【0037】
本開示の動的リンク型グラフィカル・メッセージはこれらの不利益を被らない。例えば、動的リンク型グラフィカル・メッセージによってもたらされる1つの重大な利益は、プロセス制御システムの中の特定のプロセス制御オブジェクトへの電子付箋画像の内容のリンケージである。特定のプロセス制御オブジェクトの表現がプロセス制御システムと関連付けられたいずれかのワークステーションまたはコンピューティング機器上の表示ビューに提示されるときはいつでも、電子付箋画像がさらに同時に表示されることがある。よって、単一の定義済みの動的リンク型グラフィカル・メッセージを用いて、プラント全体に亘るユーザまたはオペレータは、どちらの表示ビューまたはワークステーションがオペレータによって使用されているかとは無関係に、関連付けられたプロセス制御オブジェクトに関する必要な通信に対する注意を自動的に喚起されることがある。単一の定義済みの動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容は、リンクされたグラフィカル・メッセージに極めて接近して都合よく現れることがあり、そして、プロセス制御プラントの全体で一貫して表示されることがある。ユーザは、通信された情報の塊を特定のプロセス制御オブジェクトの異なるインスタンス、異なるワークステーション、または、異なるユーザと手動で統合するように強制されることがない。ユーザは、もはや通信効率および精度に余分な時間および注意を費やすように要求されない。
【0038】
本開示の動的リンク型グラフィカル・メッセージはその内容が特定のプロセス制御オブジェクトにリンクされる能力だけを提供するのではなく、表示ビューまたはプロセス制御オブジェクトのために構成されることを要求されることなくその内容がプロセス制御オブジェクトのクラス全体にリンクされる能力を提供する。プロセス制御クラス・オブジェクトに適用される動的リンク型グラフィカル・メッセージは、プロセス制御クラス・オブジェクトの各サブクラス・オブジェクトと、サブクラス・オブジェクトを含む表示ビューのランタイム時のメッセージ内容との間のリンケージを自動的に永久化することがある。本開示は、各サブクラス・オブジェクトに対し電子付箋の別個のインスタンスを提供する付加的な対策の必要性を取り除く。
【0039】
動的リンク型グラフィカル・メッセージのさらなる利益は、電子業務日誌、事象ヒストリアン・データベース、連続プロセス・データベース、または、他の集中型データベースのような集中型プロセス制御データベース内でのメッセージ内容の記憶である。現行の電子付箋は典型的にオペレーティング・システム・サービスまたはシェルプログラムによって供給されるので、現行の電子付箋内容は典型的に個々のワークステーションまたはコンピュータでローカルに記憶されている。プロセス制御プラントにおけるすべての利用可能な現行の電子付箋のグローバルな管理および検索は、個々のワークステーション間の協調を行うために著しいコストおよびメッセージング処理時間を必要とする。本開示は、しかし、利用可能な集中型プロセス制御データベースの固有の特徴および機能性を活用するので、プロセス制御システムにおいてすべての動的リンク型グラフィカル・メッセージの包括的な一貫性のある突き止めを容易に、かつ、よい費用対効果で提供する。さらに、利用可能な集中型プロセス制御データベースの既存のインターフェイスおよび機能性は、プロセス制御システムにおいて動的リンク型グラフィカル・メッセージを管理するため容易に拡張されることがある。例えば、電子業務日誌インターフェイスのような種々のワークステーションからの既存の集中型データベースの検索およびアクセスのための既存の集中型インターフェイスは、動的リンク型グラフィカル・メッセージをサポートするため活用されることがあるが、新しいインターフェイスは開発される必要がない。バックアップ、アーカイブ、監査、および、その他の能力は、動的リンク型グラフィカル・メッセージを組み入れるためにさらに容易に拡張されることがある。
【0040】
実際に、本開示は、複数のユーザ・インターフェイス・アクセスの手段を介して動的リンク型グラフィカル・メッセージの便利な管理を提供する。ユーザは、動的リンク型グラフィカル・メッセージを管理するために前述の電子業務日誌インターフェイスのような既存のプロセス制御システムのデータベース・ユーザ・インターフェイスを活用することがある。付加的または代替的に、ユーザは、(プロセス制御オブジェクトのライブラリから、または、特有の表示ビュー上の特有のプロセス制御オブジェクトのアイコンから)プロセス制御オブジェクトにアクセスするため既存のプロセス制御オブジェクト・インターフェイスを使用することがあり、そして、プロセス制御システムにおけるそのユーザ・インターフェイス・ポイントから、ユーザは、動的リンク型グラフィカル・メッセージを作成するか、または、そうでなければ、管理する。場合によっては、ユーザは、一般にいずれの表示ビューの上でも利用できる動的リンク型グラフィカル・メッセージの管理操作のメニュー、例えば、ツールバーからのドロップ・ダウン・メニューを用いて動的リンク型グラフィカル・メッセージを管理することがある。
【0041】
図2Aは、図1のプロセスプラント10のようなプロセス制御プラントのプロセス制御システムにおける動的リンク型グラフィカル・メッセージの外観の実施例である。動的リンク型グラフィカル・メッセージは、プロセス制御システムと通信するワークステーションまたはコンピューティング装置で提示された表示ビュー202に電子付箋200として現れることがある。電子付箋200は内容フィールド205を含むことがある。本実施例では、フィールド205は、テキスト文字列「金曜日にバルブ保守」を格納することがあるが、他の英数字および/または絵によるフィールド内容がフィールド205に表示されることがある。図2Aにおいて、電子付箋200は、物理的な付箋に類似した形状、形式および色を有するものとして図示されているが、電子付箋200の他の形状、形式、色、および/または、サイズが考えられることがある。
【0042】
表示ビュー202は、ループ、機器、機能ブロックなどに対応するプロセス制御オブジェクトのようなプロセス制御プラントにおけるプロセス制御オブジェクトの表現がいくつでも置かれることがある。図2Aに示された実施例のスクリーンショットでは、表示ビュー202は、数ある表現の中で、バルブの表現208(以下、「バルブアイコン208」ともいう)を含む。表示ビュー202では、バルブの表現208は図式的なアイコンとして示されているが、他の実施形態では、絵、写真、またはテキスト的表現のような表現が考えられることがある。
【0043】
表示ビュー202のランタイム時に(例えば、コンフィギュレーションを必要とせずに)、動的リンク型グラフィカル・メッセージは、電子付箋200のフィールド205の内容をバルブアイコン208によって表現されたバルブに対応するプロセス制御オブジェクトにリンクするハイパーリンク(図示せず)を確立することがある。一部の実施形態では、ハイパーリンクは、同時係属中の米国特許出願第12/565,272号に記載されているような動的ハイパーリンクでもよい。内容205は、プロセス制御システムによってアクセス可能である電子業務日誌、事象データベース、ヒストリアン・データベース、知識オブジェクト・データベース、または他の集中型データベースのようなプロセス制御システムの集中型データベースに記憶されることがある。ハイパーリンクが確立された後、対応する内容205を含む電子付箋200は、バルブアイコン208に近接して表示ビュー202に現れることがある。
【0044】
プロセスプラントと通信するコンピューティング機器上でバルブの表現208を表示する表示ビューは、電子付箋200を電子ビュー上でバルブの表現208に近接して自動的に表示することがある。よって、電子付箋200の初期インスタンスは、表示ビュー202の中のバルブアイコン208と関連付けられることがあるが、バルブアイコン208の外観のすべての他のインスタンスは(どの表示ビューであるか、または、どのワークステーションであるかを問わずに)、同様に電子付箋200の外観を自動的に生じることがある。
【0045】
一部の実施形態では、指定されたプロセス制御オブジェクトがクラス・オブジェクトである場合、電子付箋フィールドの内容とクラス・オブジェクトとの間のハイパーリンクが確立されるとき、別個の付加的なハイパーリンクが、1個ずつの異なるサブクラス・オブジェクトを含む表示ビューのランタイム中に(例えば、コンフィギュレーションを要求することなく)電子付箋フィールドの内容とクラス・オブジェクトの1個ずつの異なるサブクラス・オブジェクトとの間にさらに自動的に確立されることがある。例えば、オペレータがセンサモデル番号6078に対応するプロセス制御クラス・オブジェクトのための電子付箋を作成し、その内容として「11月6日木曜日にリコール交換品到着」を記入する場合、センサモデル番号6078に対応するあらゆるサブクラス・オブジェクトは電子付箋フィールドの内容に自動的にリンクされることがある。よって、本実施例では、一方の表示ビュー上のモデル番号6078の特有のセンサ「A」のためのアイコンと、異なる表示ビュー上のモデル番号6078の異なるセンサ「B」のためのアイコンとは、それぞれがそれぞれの近傍に内容「11月6日木曜日にリコール交換品到着」を含む同じ電子付箋を提示することがある。このようにして、モデル番号6078のセンサを含むプロセス制御プラントの部分を担うすべてのオペレータは、オペレータの普通のビューの一部としてリコール交換品の到着について(動的リンク型グラフィカル・メッセージを用いて)自動的かつ容易に通知されることがある。
【0046】
図2Aに戻ると、電子付箋200のフィールド205の内容(図2Aでは、「金曜日にバルブ保守」)は、プロセス制御オブジェクトを含むデータベースとは異なるプロセス制御システムの集中型データベース(図示せず)にエントリとして記憶されることがある。例えば、集中型データベースは、プロセス制御オブジェクトが記憶されているデータベース(例えば、コンフィギュレーション・データベース)から論理的に、場合によっては、物理的に分離しているか、または、独立している。ユーザ記入内容に加えて、集中型データベース・エントリは、作成のタイプスタンプ、作成者の身元、カテゴリ、および/または、他の情報のような動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応する付加情報またはデータを含むことがある。集中型データベース・エントリの内容の一部または全部は、電子付箋200に加えられたユーザ開始アクション、例えば、ユーザ開始クリック、マウスオーバー、タッチスクリーン指示、音声コマンド、キーボードシーケンス、カーソル・アクションなどに応答して閲覧されることがある。
【0047】
例えば、電子付箋200に加えられたユーザ開始アクション(例えば、クリック、マウスオーバーなど)を受信し次第、注記閲覧ウィンドウ210(または同等のもの)が現れることがあり、対応する集中型データベース・エントリの一部または全部を注記閲覧ウィンドウに表示することがある。図2Aの実施例では、注記閲覧ウィンドウ210は、題目またはタイトルフィールド212に電子付箋200のフィールド205の内容を表示する。注記閲覧ウィンドウ210は、作成日フィールド215、満了日または期間フィールド218、作者フィールド220、または、メッセージ詳細フィールド222のうちの少なくとも1個をさらに含むことがある。フィールド212−222のうちの1個以上の内容は、別のプロセス制御オブジェクトへのリンク225を含むことがある。注記閲覧ウィンドウ210には、リンク225が標準作業手順書(SOP)知識オブジェクトへのハイパーリンクとして示されているが、リンク225はいずれかのプロセス制御オブジェクト(知識オブジェクトまたは別のもの)を参照することがあり、または、プロセス制御プラントの中のいずれかのデータ記憶場所を参照することがある。当然ながら、図2Aに示されたフィールド212−225は、典型的であり、限定的ではないように意図されている。代替的または付加的に、他のフィールドが考えられることがある。
【0048】
一実施形態では、動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応する集中型データベース・エントリは電子業務日誌エントリでもよい。電子業務日誌エントリは、電子付箋200のフィールド205の内容を記憶することがあり、そして、電子業務日誌エントリが、業務日誌エントリのタイプを示すフィールドの場合のように動的リンク型グラフィカル・メッセージであるという指示をさらに含むことがある。このようにして、動的リンク型グラフィカル・メッセージのための電子業務日誌エントリは他のタイプの業務日誌エントリから区別されることがある。利用可能な電子業務日誌ユーザ・インターフェイスは、動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応する電子業務日誌エントリへのアクセスおよび管理を行うように拡張されることがある。
【0049】
しかし、電子業務日誌の実施例は、多数の考えられる実施形態のうちの1つに過ぎない。動的リンク型グラフィカル・メッセージは、ヒストリアン・データベース、事象データベース、知識オブジェクト・データベース、人事データベースなどのようなプロセス制御システムによってアクセスすることができるいずれかのタイプの集中型データベースと共に定義されることがあり、その結果、動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容はいずれかの集中型データベースに記憶されることがある。一部の実施形態では、フィールド205の内容は、例えば、フィールド205が事象データベースの中の特定の事象からのデータ、および、知識オブジェクト・データベースの中の特定のオペレータ手順からの一節の両方を含むようなとき、複数の集中型データベースに亘って分散的に記憶されることがある。一部の実施形態では、集中型データベースの中の動的リンク型グラフィカル・メッセージと関連付けられたエントリは、エントリが動的リンク型グラフィカル・メッセージ・タイプに対応するという指示を含むことがある。
【0050】
さらに図2Aに関して、動的リンク型グラフィカル・メッセージの様々な考えられる表示特性がユーザ利便性を付加することがある。ユーザは、選択または修正によって、電子付箋200のサイズ、形状、色、動的属性、動的視覚特徴、または、他の外観特性を変更可能である。ユーザは、単一の電子付箋の外観を変更可能であり、および/または、ユーザは、動的リンク型グラフィカル・メッセージのカテゴリに対する外観特徴の組み合わせを定義可能である。例えば、ユーザは、業務日誌エントリのタイプに対応するように動的リンク型グラフィカル・メッセージの外観特徴を定義することがあり、例えば、安全業務日誌エントリは、点滅、赤色、八角形の形状によって表現されることがあり、保守記録エントリは、無点滅、青色、保護用ヘルメットの形状によって表現されることがあり、オペレータ注記エントリは、黄色、手書きフォントによる正方形の形によって表現されることがある。外観特徴は、プロセス制御プラントの物理的な場所、動的リンク型グラフィカル・メッセージの優先度、オブジェクト・クラス、または、他のカテゴリを含む他のカテゴリについても同様に代替的または付加的に定義されることがある。一部の実施形態では、個々の電子付箋または電子付箋200のカテゴリの外観特徴を定義および/または変更する許可は、ユーザ識別またはユーザもしくはユーザグループの権限レベルに基づくことがある。
【0051】
ユーザは表示ビュー202上で電子付箋200の場所を変更可能である。ユーザは、例えば、電子付箋200が表示ビュー202の重要な部分のユーザの閲覧を妨げているとき、電子付箋200を表示ビュー202上の新しい場所へ移動可能である。新しい場所は、表示ビュー202の引き続く提示が電子付箋200を新しい場所に表示するように保存されることがある。代替的または付加的に、電子付箋200は、ツールバー上、または、画面の指定された部分のような表示ビュー202の別個の場所において他の電子付箋200と集合的に見えることがある。
【0052】
ユーザは、1個以上の指示された電子付箋200を表示ビュー202の前景、または、電子付箋の「積み重ね」の前景へ移動させ、1個以上の指示された電子付箋200を表示ビュー202または「積み重ね」の背景へ出す能力が与えられることがある。ユーザは電子付箋200を最小化または復元できることがある。
【0053】
電子付箋200はディスプレイのサイズに比例して自動的に拡大縮小されることがある。例えば、電子付箋200は、フラットスクリーン型モニタ上ではより大きいサイズになり、ハンドヘルド型無線スマート機器上ではより小さいサイズになることがある。ユーザは、電子付箋200をサイズ変更することにより自動スケーリングを無効にできることがある。
【0054】
ユーザは、表示ビュー202上の電子付箋の一部または全部を非表示および再表示する能力が与えられることがある。一部の実施形態では、可視性インジケータまたはトグルアイコン228は、1個以上の電子付箋が定義されるが、不可視であることを意味することがある。例えば、アイコンまたは可視性インジケータ228を切り替えることは、表示ビュー202に対するすべての利用可能な電子付箋を非表示および再表示させる。可視性インジケータまたはトグルアイコン228が「非表示」を示す場合、トグルアイコン228または何らかの他の視覚的インジケータ(図示せず)は、何も表示されなくても、表示ビュー202が関連付けられた利用可能な電子付箋を有することをユーザに知らせることがある。一部の実施形態では、別個のトグルアイコン228または他の視覚的インジケータは、動的リンク型グラフィカル・メッセージの異なるカテゴリまたはタイプに対応することがある。例えば、第1のトグルアイコンおよび/または視覚的インジケータは、安全性関連電子付箋の可視性に対応することがあり、別のトグルアイコンおよび/または視覚的インジケータがオペレータ関連電子付箋の可視性に対応することがあり、第3のトグルアイコンおよび/または視覚的インジケータが保守関連電子付箋の可視性に対応することがある。
【0055】
一部の実施形態では、電子付箋の1つ以上のカテゴリの可視性は、ユーザまたはユーザのグループの権限レベルに基づくことがある。例えば、電子付箋の1つ以上のカテゴリは監督レベルより低いユーザだけに見えることがあり、他のカテゴリはエンジニアだけに見えることがあり、さらに他のカテゴリはエンジニアおよびオペレータだけに見えることがある。電子付箋200は、2人の個々のユーザの間だけで非公開で可視化されるものとして定義されることさえある。
【0056】
一部の実施形態では、電子付箋の1つ以上のカテゴリの可視性はフィルタに基づくことがある。例えば、利用可能なアクティブ状態の電子付箋の組から、フィルタ処理された一部が表示されるか、または、その一部の逆が表示されることがある。フィルタは、例えば、ユーザの権限レベル、プロセスプラントの物理的な領域、優先度、および/または、何らかの他の指定された基準に基づくことがある。一部または全部のフィルタはユーザ指定されることがあり、例えば、ユーザによって定義、選択および/または修正されることがある。一部または全部のフィルタはシステムによって生成されることがある。
【0057】
図2Bは、図2Aの動的リンク型グラフィカル・メッセージ200の作成中に撮影されたスクリーンショットを示している。図2Bは、バルブアイコン208を含む図2Aの表示画面202を示している。図2Bでは、ユーザは、バルブアイコン208の周りの強調されたボックス230によって示されているように、自分がバルブアイコン208に対する動的リンク型グラフィカル・メッセージを作成したいことを知らせている。ユーザ選択に応答して、利用可能な動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作の選択可能なリストを格納する結果として得られるユーザ・インターフェイス・ウィンドウ232が表示画面202に現れている。このシナリオでは、ユーザは、表示ビュー202に表示される対応する注記作成ウィンドウ235をもたらす「注記追加」または「注記作成」操作(または同等のもの)を選択している。注記作成ウィンドウ235は、題目フィールド212、作成日フィールド215、期限切れフィールド218、作者フィールド220、およびメッセージ詳細フィールド222を含む図2Aの注記閲覧ウィンドウ210に示されたフィールドと類似した1個以上のフィールドを含むことがある。図2Bは、ハイパーリンク225を含む所望の情報でフィールド212−225をポピュレートする過程にあるユーザを示している。
【0058】
一般に、ユーザがハイパーリンク225のようなハイパーリンクをフィールド212−222に追加することを望む場合、ユーザは、ウィンドウ232から、または、ウィンドウ232に掲載された操作から選択により得られる「注記作成」ウィンドウ235のようなウィンドウから「ハイパーリンク追加」または「リンク」操作(または同等のもの)を選択することがある。「ハイパーリンク追加」操作の選択後に、プロセス制御システム(図示せず)の中の利用可能なハイパーリンクのリスト(例えば、プロセス制御オブジェクト、知識オブジェクト、または、他のタイプのオブジェクトへのハイパーリンク)が表示されることがあり、ユーザはリストから1個以上の利用可能なハイパーリンクを選択することがある。選択された(1個以上の)ハイパーリンクは、カット/ペースト、キャラクタ記入のような既知の手段、または、所望のフィールドへの選択された(1個以上の)ハイパーリンクのドラッグ・アンド・ドロップによって注記作成ウィンドウ235の中に組み込まれることがある。
【0059】
ユーザがすべての所望のデータを注記作成ウィンドウ235の中へ記入し終わった後、ユーザは作成された注記を保存することがある。ユーザは、特有の集中型データベースを記憶場所として指示することがあり、または、特有の集中型データベースが予め定められるか、または、自動的に選択されることがある。作成された注記を保存したとき、記入されたデータは、集中型プロセス制御データベースのエントリにポピュレートされることがあり、バルブアイコン208に対応するプロセス制御オブジェクトが確立されることがあり、電子付箋200が図2Aに示されているようにバルブアイコン208に近接して画面上に現れることがある。さらに、作成された注記を保存したとき、プロセス制御データベースのエントリとバルブアイコン208に対応するプロセス制御オブジェクトのサブクラス・オブジェクトとの間のハイパーリンクもまた同様に集中型プロセス制御データベースに自動的にポピュレートされることがある。
【0060】
動的リンク型グラフィカル・メッセージのための他の管理操作(図示せず)は、動的リンク型グラフィカル・メッセージに関する付加的な管理操作をユーザに提供するためウィンドウ232に現れることもある。例えば、ウィンドウ232は、「注記修正」操作、「注記削除」操作、検索能力、ビューイングを設定する能力、削除および/または修正許可などのような操作をさらに格納することがある。
【0061】
「注記修正」操作(または同等のもの)は、ユーザがフィールド212−225のうちのいずれかのような動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容を修正することを可能にすることがある。いずれの修正も対応する集中型データベース・エントリに保存されることがある。さらに、「注記修正」操作は、ユーザが、色、形状、フォント、サイズ、動的属性などのような電子付箋200の外観特徴を修正することを可能にすることがある。
【0062】
「注記削除」操作(または同等のもの)は、ユーザが動的リンク型グラフィカル・メッセージを削除することを可能にすることがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージの削除は、表示ビュー202からの(従って、同様に他の表示ビューからの)電子付箋画像200の消失をまねくことがある。動的リンク型グラフィック・メッセージの削除は、バルブアイコン208に対応するプロセス制御オブジェクトと無効にされている電子付箋画像200の中のフィールド205の内容との間にハイパーリンクをさらに生じることがある。しかし、フィールド212−225の内容は、集中型データベースの中に依然として維持されることがある。リンケージ解除(すなわち、動的リンク型グラフィック・メッセージの削除)の時間の標識、エントリがリンク解除されるプロセス制御オブジェクト、リンキング解除を実行したユーザの身元、および他のデータのような付加データは、集中型データベース・エントリに追加されることがある。同様に、満了時間、期間、または、フィールド218に指定された時間間隔が満了するとき、動的リンク型グラフィカル・メッセージは類似した削除手順に従うことになる。ユーザがフィールド218などに満了時間または時間間隔を指定しない場合、デフォルト時間または時間間隔が使用されることがある。
【0063】
図2Bのウィンドウ232に示された動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作の組は、ユーザアイコン選択を介してアクセスされるものとして記載されているが、他の実施形態では、メッセージ管理操作の組は、表示画面内のドロップ・ダウン・メニューによって供給されることがあり、そして、例えば、「注記」ドロップ・ダウン・メニュー238をクリックすることにより、または、「注記」ツールバー・アイコン240をクリックすることによりアクセスされることがある。
【0064】
さらに、図2Bに示されているようにワークステーションで表示ビューから作成されるのではなく、動的リンク型グラフィカル・メッセージは、プロセス制御システムの既存のデータベース管理ユーザ・インターフェイスを介して作成されることがある。例えば、電子業務日誌が動的リンク型グラフィカル・メッセージを記憶するため使用される場合、動的リンク型グラフィカル・メッセージは、利用可能な電子業務日誌ユーザ・インターフェイスを介して作成、修正、および、そうでなければ、管理されることがある。本実施例では、利用可能な電子業務日誌ユーザ・インターフェイスを使用することにより、ユーザは新しい電子業務日誌を作成し、新しい業務日誌エントリが動的リンク型グラフィカル・メッセージであることを指示する業務日誌エントリ・タイプを新しい電子業務日誌エントリにポピュレートすることがある。新たに作成された電子業務日誌エントリは、注記閲覧ウィンドウ210の1個以上のフィールド212−225のような動的リンク型グラフィカル・メッセージのフィールドをポピュレートするデータを格納していることがある。一部の実施形態では、新たに作成された電子業務日誌エントリは、動的リンク型グラフィカル・メッセージに関係したフィールド以外のフィールドを格納することがある。
【0065】
利用可能な電子業務日誌ユーザ・インターフェイスまたは他の既存のデータベース・ユーザ・インターフェイスはリンキング操作をさらに含むことがあり、その結果、ユーザは、電子業務日誌ユーザ・インターフェイスまたは他の既存データベース・ユーザ・インターフェイスから、新しい業務日誌エントリまたは新しいデータベース・エントリがリンクされるべき特定のプロセス制御オブジェクトを指定することがある。同様に、ユーザ・インターフェイスはリンキング解除操作をさらに含むことがあり、その結果、ユーザが特有の電子業務日誌エントリまたは特有のデータベース・エントリと対応するプロセス制御オブジェクトとの関連付けを解除することがある。当然ながら、利用可能な電子業務日誌インターフェイスは、動的リンク型グラフィカル・メッセージが作成されるときに用いられる多数の利用可能な既存のデータベース管理ユーザ・インターフェイスのうちの1つに過ぎない。実際に、動的リンク型グラフィカル・メッセージ内容が記憶されることがある集中型データベースへの利用可能なインターフェイスは、動的リンク型グラフィカル・メッセージを作成、修正、および管理するため使用されることがある。
【0066】
動的リンク型グラフィカル・メッセージ作成のためのさらに別の実施形態では、ユーザは、プロセス制御システムにおいてプロセス制御オブジェクトを管理するため既存のユーザ・インターフェイスから動的リンク型メッセージを作成することがある。既存のプロセス制御オブジェクト管理ユーザ・インターフェイスを介して、ユーザは、プロセス制御オブジェクトのリストを取り出し、動的リンク型グラフィカル・メッセージを使用したリンキングのため、リストから1個以上のプロセス制御オブジェクトを選択できることがある。例えば、ユーザは、標準作業手順書、ユーザマニュアルなどのようなプロセス制御システムによってアクセスできる知識基準に対応するすべてのプロセス制御オブジェクトのリストを取り出すことができることがある。ユーザは、リストから特有の知識基準(または、対応するプロセス制御オブジェクト)を選択することがあり、図2Bのウィンドウ232に示されているものに類似した動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作の組の中から選ぶことがある。例えば、ユーザは、選択された知識基準またはオブジェクトへの参照を含む動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容を作成するため「注記追加」操作を選択することがあり、作成された内容を選択された知識オブジェクトにリンクするため「注記リンク」操作(図示せず)を使用することがある。別の実施形態では、「注記リンク」操作は、選択された知識基準の表現をポピュレートされた注記作成ウィンドウ235にドラッグ・アンド・ドロップすることにより、または、ポピュレートされた注記作成ウィンドウ235を知識基準の表現にドラッグ・アンド・ドロップすることにより実行されることがある。実際に、動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作へのユーザ・インターフェイスのいずれかの実施形態のため、管理操作のうちの一部または全部がドラッグ・アンド・ドロップ機能性を含むことがある。
【0067】
図3Aは、作成された動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応するエントリを格納する動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300の実施形態を示している。動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースは、プロセス制御システムにおいて利用できるすべてのアクティブ状態の動的リンク型グラフィカル・メッセージへの、すなわち、利用可能な(アクティブ状態または非アクティブ状態の)ハイパーリンクと関連付けられたプロセス制御オブジェクトとを用いてこれまでは定義されているプロセス制御システムにおけるすべての動的リンク型グラフィカル・メッセージへの「ロードマップ」としての機能を果たすことがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300は、動的リンク型グラフィカル・メッセージのための内容情報を記憶する1台以上の他の集中型データベースと異なる(例えば、論理的および/または物理的に別個である)こと、または、異ならないことがあり、プロセス制御オブジェクトを記憶するコンフィギュレーション・データベースから異なる(例えば、論理的および/または物理的に別個である)こと、または、異ならないことがある。ランタイム時に、特有の表示ビューまたは同等のものが表示されるとき、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300は、特有の表示ビューに提示されたプロセス制御オブジェクトのうち確立されるべき関連付けられた定義済みのハイパーリンクを有するプロセス制御オブジェクトを決定するためにアクセスされることがある。
【0068】
動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300が表として図3Aに示されているが、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300は、公知のデータベース構造および技術の形をとることがある。いずれかの公知のデータベース操作が動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300で実行されることがある。例えば、データベース300のいずれかの1個以上のフィールドのいずれかの内容が閲覧および/または選択のためより短いリストを生成するため検索可能でもよく、データベース300はソート可能でもよく、および/または、データベース300は、作成、追加、削除、修正、閲覧などの管理操作の対象でもよい。
【0069】
データベース300は、プロセス制御システムの中の他の集中型データベース(例えば、事象データベース、ヒストリアン・データベース、電子業務日誌など)と同じデータベースまたは異なるデータベースの中に位置していることがあるが、典型的に、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300はコンフィギュレーション・データベースから独立していてもよく(例えば、論理的に独立し、場合によっては、物理的にも独立していてもよく)、その結果、データベース300のエントリは、プロセス制御オブジェクト、および、特に表示ビューのコンフィギュレーションを除外する。データベース300自体は、集中型でもよく、プロセス制御システム内のどこからでもアクセスできてもよい。データベース300は、遠隔して位置し、私設または公衆ネットワークを介してアクセスできてもよい。特に、データベース300は、ランタイム・アプリケーションおよびコンフィギュレーション・アプリケーションの両方によって、または、プロセス制御システムの中のエンティティによってアクセスできることがある。
【0070】
動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300の各エントリは、新しい動的リンク型グラフィカル・メッセージが作成されるときに作成されてもよい。各エントリは、例えば、エントリ識別子302、作成時間を示すタイムスタンプ305、プロセス制御オブジェクトの標識308、プロセス制御オブジェクトがリンクされた対応するデータベース・エントリの標識310、動的リンク型グラフィカル・メッセージのカテゴリ312、および/または、1個以上の付加的なデータまたは情報フィールド315のうちの少なくとも1つを格納することがある。当然ながら、属性302−315は典型例に過ぎない。動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの実施例は、属性302−315の一部だけを含むエントリを有することがあり、および/または、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースは付加属性(図示せず)を有することがある。例えば、付加属性は、電子付箋が表示されるべきユーザまたはユーザグループの権限のレベルを示すことがあり、対応するメッセージの満了日/時間を示すことがあり、または、メッセージの作者の身元を示すことがある。
【0071】
動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300のエントリ320の実施例を検討する。エントリ320は、バルブモデル番号6081に対応するプロセス制御オブジェクトを電子業務日誌エントリ番号6379にリンクする。エントリ320は、「安全手順」のカテゴリを有するので、例えば、モデル番号6081のあらゆるバルブに対応するあらゆるバルブアイコンの隣に対応する予め定義された特徴(例えば、赤色、点滅、八角形)をもつ電子付箋を表示することにより表示ビュー上でそのように区別されることがある。
【0072】
実施例のエントリ322は、表示ビュー番号48の特有のインスタンス「B」を表現するプロセス制御オブジェクトを電子業務日誌エントリ番号7920にリンクする。エントリ322は、「オペレータ注記」のカテゴリを有し、例えば、表示ビュー番号48のインスタンス「B」上で黄色の正方形の形をした電子付箋または他の記号表示によって「オペレータ注記」として区別されることがある。
【0073】
実施例のエントリ325は、警報73Aに対応するプロセス制御警報オブジェクトをプロセス制御システムのヒストリアン・データベースの中の事象番号4622とリンクする。警報73Aがプロセス制御プラントの中で断続的に発生し、プラントオペレータが警報73Aの断続性の原因を判定することに困難を感じる場合を想定する。あるオペレータは、事象番号4622と警報73Aとの間に因果関係を発見することがある。オペレータは、警報73Aに対応するプロセス制御オブジェクトと事象番号4622とをリンクする動的リンク型グラフィカル・メッセージを作成することがある。作成されたメッセージは、エントリ325として、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300に記入されることがある(図3Aに示されている)。
【0074】
エントリ325に対応する図3の対応する電子付箋328の図形は、警報73Aまたは事象番号4622のいずれかの表現が表示されるときに表示されることがある。電子付箋328は、動的リンク型グラフィカル・メッセージの題目、例えば、事象番号4622および/または警報73Aの標識を表示する主要なフィールド330を有することがある。ユーザが付加的なテキストを記入することがある付加的なフィールド332が電子付箋328にさらに現れることがある。付加的なテキストは、図3Aのエントリ325のための任意フィールド315に記憶されることがある。
【0075】
図3Aのデータベース300は、動的リンク型グラフィカル・メッセージに関するいくつかの興味深い、有利な特徴を実証している。第一に、プロセス制御システムの中の必ずしも全部の動的リンク型メッセージがそれぞれの内容を同じ集中型プロセス制御データベースに記憶させるために必要とされるわけではない。図3Aでは、エントリ320および322は電子業務日誌に記憶され、エントリ325がヒストリアン・データベースに記憶される。実際に、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300は、プロセス制御システムと関連付けられたありとあらゆる集中型データベースと共に動作することがある。
【0076】
第二に、プロセス制御オブジェクトは、表示ビューに対応するオブジェクトでもよく、あるいは、表示ビューのインスタンスに対応するオブジェクトであるという場合さえある。例えば、エントリ322に対応して、表示ビュー番号48のインスタンス「B」がアクセスされるとき、電子業務日誌エントリ番号7920にリンクされた電子付箋は表示されることがある。表示ビュー番号48の他のインスタンスは、エントリ322に対応する電子付箋を表示しないことになる。一般に、動的リンク型グラフィカル・メッセージは、動的リンク型グラフィカル・メッセージのコンフィギュレーションを必要とすることなく、データベース300を介してプロセス制御システム内部のオブジェクト・クラスまたはサブクラスのいずれかのレベルと関連付けられることがある。
【0077】
同様に、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300は一般にプロセス制御システムにおいて利用可能なハイパーリンクの記録を提供するが、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300の中のエントリは一時的でもよいことに注意すべきである。例えば、データベース300の中のエントリは、対応する動的リンク型グラフィカル・メッセージが削除されるときに削除されることがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージが削除され、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300から除去された後であっても、しかし、対応する集中型データベース・エントリの内容(例えば、エントリ320のための電子業務日誌エントリ番号6379、エントリ322のための電子業務日誌エントリ番号7920、および、エントリ325のための事象データベース・エントリ番号4622)は、それぞれの集中型プロセス制御データベースの中に依然として維持されることがある。
【0078】
図4は、プロセス制御システムにおいて動的リンク型グラフィカル・メッセージを提供する方法400の実施形態を表している。方法400の実施形態は、図1のプロセス制御プラント10の実施形態と、図2Aおよび2Bに示された動的リンク型グラフィカル・メッセージおよびその作成と、および/または、図3Aの動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースとに従って動作することがある。
【0079】
方法400のスタート402で、動的リンク型グラフィカル・メッセージの身元と対応する内容とを含む動的リンク型グラフィカル・メッセージが作成405されることがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージはユーザによって作成405されることがある。別の実施形態では、動的リンク型グラフィカル・メッセージは、例えば、スクリプトを用いて、プロセス制御システムによって自動的に作成405されることがある。さらに別の実施形態では、動的リンク型グラフィカル・メッセージはプロセス制御オブジェクトのコンフィギュレーション時に作成405されることがある。
【0080】
動的リンク型グラフィカル・メッセージが作成405される車両は、例えば、ユーザによる注記の「作成」または「追加」操作または同等のものの選択に応答する管理運転を含むことがある。注記「作成」または「追加」オプションは、「削除」、「修正」、「リンク」および他の操作を含む動的リンク型グラフィカル・メッセージ管理操作の組のうちの1つでもよい。操作の組は、例えば、表示ビュー上のプロセス制御オブジェクトが選択されるときに(図2Bに示されているように)、または、プロセス制御オブジェクトがプロセス制御システムの中で利用可能なプロセス制御オブジェクトのリストから選択されるときに、プロセス制御オブジェクト・ユーザ・インターフェイスを介して供給されることがある。代替的または付加的に、動的リンク型グラフィカル・メッセージのための操作の組は、利用可能なユーザ・インターフェイスを介して、プロセス制御システムの集中型データベースへ、例えば、電子業務日誌ユーザ・インターフェイスまたは利用可能なユーザ・インターフェイスを介して、事象、連続、バッチ、もしくは、他のタイプの集中型データベースへ供給されることがある。一部の実施形態では、動的リンク型グラフィカル・メッセージのための操作の組は、ディスプレイ上のユーザ・インターフェイス画面を介して提供されることがある。例えば、操作の組は、ユーザ・インターフェイス画面上のドロップ・ダウン・メニューまたは選択可能なアイコンを介して提供されることがある。一部の実施形態では、動的リンク型グラフィカル・メッセージのための操作の組は、図3Aに示されている動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300のような動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースに特有であるユーザ・インターフェイスを介して提供されることがある。一部の実施形態では、動的リンク型グラフィカル・メッセージの作成405は、作成されたメッセージの内容を記憶することを含む。
【0081】
ブロック408で、作成された動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容(例えば、1個以上のフィールド212−215の中の内容)がプロセス制御システムの中のプロセス制御オブジェクトと関連付け、または、リンクされることがある。関連付けまたはリンキングは、ドラッグ・アンド・ドロップ操作によって、管理操作の組から選択された「リンク」操作によって、データエントリによって、または、何らかの他のコマンドによって実行されることがある。一部の実施形態では、動的リンク型グラフィカル・メッセージのリンキング408は、リンクされたメッセージの内容を記憶することを含み、場合によっては、プロセス制御オブジェクトへのリンクの標識を記憶することも含む。
【0082】
ブロック410で、作成された動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容は、(まだ記憶されていない場合)プロセス制御システムの1つ以上の集中型データベース、例えば、電子業務日誌、ヒストリアン・データベース、または、何らかの他の集中型データベースに記憶されることがある。典型的に、プロセッサ制御システムの集中型データベースは、コンフィギュレーション・データベースから分離した既存の利用可能な集中型データベースでもよく、内容はプロセス制御オブジェクトの記憶場所とは独立した場所に記憶されることがある。例えば、プロセス制御オブジェクトは、プロセス制御オブジェクトまたはコンフィギュレーション・データベースに記憶されることがあるが、動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容は電子文書リポジトリに記憶されることがある。
【0083】
ブロック412で、動的リンク型グラフィカル・オブジェクトは、図3Aのデータベース300のような動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの中にエントリとして記憶される。動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベースの記憶されたエントリは、プロセス制御オブジェクトの標識、および、動的リンク型グラフィカル・オブジェクトの内容が記憶されている集中型データベース・エントリの標識を含むことがある。
【0084】
プロセス制御オブジェクト表現を含む表示ビューのランタイム時に(ブロック415)、ハイパーリンクがプロセス制御オブジェクトと集中型データベース・エントリに記憶された動的リンク型グラフィカル・メッセージの内容(例えば、フィールド212−225のうちの1個以上の中の内容)との間に確立される。ブロック418で、電子付箋画像がプロセス制御オブジェクトの表現に近接してアクセスされた表示ビュー上に提示または表示されることがある。電子付箋画像上のフィールドは、ハイパーリンクを介して、集中型データベース・エントリからの内容の一部を表示することがある。
【0085】
実際に、プロセス制御オブジェクトの表現を含むいずれかの表示ビューのランタイム時に、電子付箋がプロセス制御オブジェクトの表現に近接して提示または表示されることがある。さらに、プロセス制御オブジェクトのサブクラス・オブジェクトの表現を含むいずれかの表示ビューは、サブクラス・オブジェクトの表現に近接して電子付箋をさらに提示または表示することがある。最後に、ブロック420で、方法400は終了することがある。
【0086】
図5は、プロセス制御システムで用いられる動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム500の実施形態を表している。システム500の実施形態は、図1に示されたプロセス制御システムおよびプロセス制御プラントの実施形態に組み込まれるか、または、図1に示されたプロセス制御システムおよびプラント10の実施形態と共に動作することがある。システム500の実施形態は、必要に応じて、図2Aおよび2Bに示された動的リンク型グラフィカル・メッセージの実施形態、図3Aの動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300の実施形態、および/または、図4の方法400の実施形態に従って動作することがある。
【0087】
動的リンク型グラフィカル・メッセージング・システム500は、例えば、図1のホストまたはオペレータ・ワークステーション20、22でもよいコンピューティング機器502を含むことがある。一部の実施形態では、コンピューティング機器502は、プロセスプラントまたはプロセス制御システム自体の一部でなくてもよいが、ネットワーク・リンク505を介して図1のホストまたはオペレータ・ワークステーション20、22のようなプロセスプラント制御システムのコンピュータに通信可能に連結されることがある。リンク505は、直接接続でも遠隔接続でもよく、有線でも無線でもよい。リンク505は、いずれかの公衆または私設ネットワークへのネットワーク接続を提供することがある。一般に、ネットワーク・リンク505は、技術的に知られているいずれかの公知のネットワーキング技術で作られていることがある。
【0088】
コンピューティング機器502は、プロセッサ508およびプロセッサ508によりアクセス可能であるメモリ510を有することがある。メモリ510は、プロセッサ508によって実行可能であるコンピュータ実行可能な命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体でもよい。図5に示されたコンピューティング機器502は1個のプロセッサ508と1個のメモリ510だけを明らかにしているが、一部の実施形態では、コンピューティング機器502は、複数のプロセッサ508および/または複数のメモリ510を有することがある。同様に、メモリ510は、コンピューティング機器502の内部に収容されているように図示されているが、一部の実施形態では、メモリ510はコンピューティング機器502の外部に位置していてもよいが、依然としてプロセッサ508によってリモートアクセスまたはローカルアクセスされることがある。
【0089】
コンピューティング機器502は、ディスプレイ512およびユーザ・インターフェイス515を含むことがある。例えば、ディスプレイ512はスクリーンでもよく、ユーザ・インターフェイス515は、キーボード、カーソル、タッチスクリーン、音声作動システムなどのうちの少なくとも1つを含むことがある。ディスプレイ512およびユーザ・インターフェイス515は部分的または完全に統合されてもよく、または、通信可能に連結されてもよい。一般に、プロセッサ508、メモリ510、ディスプレイ512およびユーザ・インターフェイス515はそれぞれが技術的に知られている形式をとることがある。
【0090】
コンピューティング機器502は、多数の異なるコンピューティング機器コンフィギュレーションを包含することがある。例えば、コンピューティング機器502は、ハンドヘルド型機器、携帯電話機、マルチプロセッサ・システム、マイクロプロセッサ・ベースまたはプログラマブル・コンシューマ・エレクトロニクス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯型コンピューティングまたは通信機器、および/または、視覚的表示と別のコンピューティング機器との直接的または間接的な通信の両方の能力のある他のコンピューティング機器において実現されることがある。
【0091】
コンピューティング機器502は、リンク58を介して、図1のデータベース28のような集中型プロセス制御システム・データベース520に通信可能に連結されることがある。コンピューティング機器502が図1のワークステーション20、22のうちの一方のようなプロセス制御システムのエンティティである実施形態では、コンピューティング機器502は、システム10のデータハイウェイ24を介して集中型プロセス制御データベース520に連結されることがある。コンピューティング機器502がプロセス制御プラントのエンティティではないが、プロセス制御プラントシステムに通信可能に結合されている実施形態では、コンピューティング機器502は、データベース520と通信するため(例えば、図1では、データハイウェイ24を越えてデータベース28と通信するため)、リンク518を介して、プロセス制御プラントシステム10の中間ゲートウェイ(図示せず)に連結されることがある。一部の実施形態では、リンク505およびリンク518は同じリンクでもよく、他の実施形態では、異なるリンクでもよい。
【0092】
プロセス制御システムの集中型データベース520は図5では単一のデータベースとして表現されているが、参照番号520は2つ以上の集中型データベースを表現することがある。例えば、プロセス制御システムは、プロセス制御データが履歴目的のため記録される、連続履歴データベース、離散事象データベース、および/または、バッチ・ヒストリアン・データベースのような複数のデータベースを含むことがある。集中型データベース520は、プロセス制御システムで使用される1つ以上のヒストリアン・データベースを表現することがある。集中型データベース520は、文書リポジトリ・データベース、知識オブジェクト・データベース、電子業務日誌、または、それ以外の他の集中型データベースを表現することがある。集中型データベース520は、図3Aの動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300を含むことも含まないこともある。典型的に、集中型データベース520は、プロセス制御システムにおけるコンフィギュレーション・データベースから物理的および/または論理的に分離していることがある。
【0093】
コンピューティング機器502は、メモリ510に記憶された動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522を有することがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は、コンピュータ実行可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、および、メモリ510に記憶され、プロセッサ508によって実行可能であり、かつ、アクセス可能である他のデータによって実現されることがある。分散型コンピューティング環境では、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522のコンピュータ実行可能な命令、データ構造、プログラムモジュールなどが、ローカル・メモリ・ストレージ・デバイスおよびリモート・メモリ・ストレージ・デバイスの両方に、例えば、プロセスプラント10のワークステーション20、22と、プロセス制御プラントシステム10の外部にあるコンピューティング機器との両方に位置していてもよい。
【0094】
動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は、図2Aに記載された動的リンク型グラフィカル・メッセージのような動的リンク型グラフィカル・メッセージの実施形態を提供するために、プロセッサによって実行されるコンピュータ実行可能な命令を含むことがある。例えば、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は、集中型データベース520のエントリに記憶された内容とプロセス制御オブジェクトへのリンクとを含む動的リンク型グラフィカル・メッセージを作成することがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージに対応する情報は、他の集中型データベース情報から論理的に分離された形で、メモリ510に常駐するか、または、集中型データベース520に常駐する動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300に記憶されることがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は、表示ビューのランタイム時に内容とプロセス制御オブジェクトとの間にハイパーリンクを確立し、プロセス制御オブジェクトの表現に近接して表示ビュー上に集中型データベース520のエントリの内容を格納している電子付箋を表示することがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージの削除を受けて、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は表示ビューから電子付箋を削除し、ハイパーリンクを無効にすることがあるが、集中型データベース・エントリの内容は維持されることがある。
【0095】
動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は、図2Aおよび2Bに関して前述されているような、プロセス制御システムにおいて動的リンク型グラフィカル・メッセージを管理するために用いられる管理操作の組(例えば、「追加」、「削除」、「リンク」、「修正」など)をさらに提供することがある。動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は、データベース300自体を提供すること、検索メカニズムを提供すること、エントリをポピュレートおよび逆ポピュレートすることなどを含み、図3の動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300の実施形態を管理することがある。
【0096】
実際に、動的リンク型グラフィカル・メッセージ・プロバイダ522は、図2Aおよび2Bの動的リンク型グラフィカル・メッセージのいずれかの実施形態と、図3Aの動的リンク型グラフィカル・メッセージ・データベース300のいずれかの実施形態と、図4の方法400のいずれかの実施形態とをサポートすることがある。
【0097】
本開示は、数あるコンポーネントの中で、ハードウェア上で実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む実施例の方法およびシステムを記載するが、これらの実施例は単に例示的であり、限定的であるとして見なされるべきでないことに注意を要する。例えば、ハードウェア・コンポーネント、ソフトウェア・コンポーネントおよびファームウェア・コンポーネントのいずれかまたは全部が、ハードウェアだけで、ソフトウェアだけで、または、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれかの組み合わせで具現化可能であると考えられる。従って、本開示は実施例の方法および装置を記載するが、当業者は、与えられた実施例がこのような方法およびシステムを実施するための唯一の方法でないことが直ぐにわかるであろう。
【0098】
実施されるとき、本明細書中に記載されたコンピュータ読み取り可能な命令またはソフトウェアのいずれかは、磁気ディスク、レーザディスク、もしくは、他の記憶媒体、コンピュータもしくはプロセッサのRAMまたはROM、携帯型メモリなどのようないずれかのコンピュータ記憶可能な記憶媒体またはメモリに記憶されることがある。同様に、このソフトウェアは、例えば、コンピュータ読み取り可能なディスクもしくは他の可搬型コンピュータ記憶メカニズム、または、電話回線、インターネット、ワールド・ワイド・ウェブ、いずれかの他のローカル・エリア・ネットワークもしくはワイド・エリア・ネットワークなどのような通信チャネルを含む公知または所望の配信方法を使用して、ユーザ、プロセスプラント、または、オペレータ・ワークステーションへ配信されることがある(この配信は、可搬型記憶媒体によってこのようなソフトウェアを提供することと同じであるか、または、互換性があると考えられる)。さらに、このソフトウェアは、変調または暗号化なしで直接的に提供されることがあり、または、通信チャネルを介して送信される前にいずれかの適当な変調搬送波および/または暗号化技術を使用して変調および/または暗号化されることがある。
【0099】
本発明は、発明の単なる例示であることが意図され、限定であることが意図されていない特定の実施例に関して記載されているが、変更、追加または削除が、発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に行われることは当業者に明白である。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5