【実施例】
【0013】
実施例1
以下、本発明の実施例1が図面にしたがって説明される。
図1および
図2は実施例1を示す。
【0014】
着用物品1:
図1A,Bに示すように、本実施例の着用物品は、吸収性本体(オムツ本体)20および一対の胴回り部30を備えている。前記吸収性本体20は、着用者の前胴を覆うフロント部201、着用者の後胴を覆うバック部202、ならびに、前記フロント部201とバック部202との間の股間を覆う股部203を有している。
【0015】
前記股部203はフロント部201およびバック部202に連なり、前記吸収性本体20は胴回り方向Xに直交する縦方向Yに延びる。
【0016】
吸収性本体20には立体ギャザー200が設けられてもよい。また、吸収性本体20には、着用者の脚部に沿って括れた脚回り部を形成してもよい。
【0017】
さらに、吸収性本体20の脚回りとなる部分などには、着用物品を着用者にフィットさせるための弾性部材23が設けられていてもよい。この弾性部材23としては、たとえば、複数の糸ゴムや平ゴム、フィルムまたは熱可塑性樹脂を含む材料などを採用することができる。
【0018】
一般に、前記吸収性本体20は、着用者の肌面に接するトップシート24と前記肌面に接しないカバーシート25および吸収性のコア26を備える。
前記トップシート24は、液透過性で、かつ、通気性を有する不織布で形成されている。カバーシート25は、液透過性で、かつ、親水性を有するティッシュで形成されていてもよい。前記カバーシート25の背面には液不透過性のバックシート27が付着されて吸収性本体20がバックシート27に覆われていてもよい。
【0019】
前記コア26はフラップパルプや多数の吸収性の粉粒体を含んでいてもよい。かかる粉粒体は周知の吸収性の高分子ポリマーからなる。
【0020】
本実施例の場合、前記胴回り部30は2枚の不織布(ウエブ)の間にたとえば糸ゴムのような伸縮性の弾性部材32が挟まれていてもよい。この場合、胴回り部30は胴回り方向Xに伸縮するギャザーを形成する。
【0021】
各胴回り部30は前記吸収性本体20の前記バック部202の肌面側(着用者の肌に接する側)に固着(溶着または接着等)されている。前記バック部202における前記吸収性本体20の長手方向Yの第1端部21から吸収性本体20の幅方向Xの第2端部22にわたるL字状の固着ラインLに沿って前記各胴回り部30が前記バック部202に固着(溶着または接着等)されている。その他部位においては、前記胴回り部30は前記吸収性本体20に固着されていない。
なお、L字状の固着ラインLとは、直角に屈曲したラインに限定されず、後述のポケット39が形成されるラインであれば、90°以外の角度で屈曲していてもよいし、更に円弧状の湾曲したラインも含まれる。
【0022】
前記胴回り部30は前記股部203に近づくに従い前記幅方向Xの第2端部22に近づくように傾いたラインに沿う傾斜縁37を有する。前記傾斜縁37は前記吸収性本体20に固着されていない
図1Bの開口38を形成して前記
図1Aの傾斜縁37から前記L字状の固着ラインLにわたってポケット39が形成されている。つまり、ポケット39はxxで示される固着ラインLに沿ってシールされて塞がれている。
【0023】
前記各胴回り部30の傾斜縁37は互いに交差した状態で重なっており、前記各胴回り部30のポケット39同士が前記バック部202の第1端部21の近傍における前記胴回り方向Xの中央において互いに重なっている。前記各胴回り部30は前記傾斜縁37と平行な突出端33を有する台形状に形成されている。
【0024】
前記胴回り部30の前記突出端33の近傍には雄面ファスナ34のような止着材が固着されている。この雄面ファスナ34は前記吸収性本体20の前記フロント部201の非肌面に形成された雌面ファスナ(図示せず)に接合される。
【0025】
前記胴回り部30は前記突出端33と傾斜縁37とを連ねる上縁35および下縁36を有する。本実施例の場合、前記上縁35および下縁36は吸収性本体20のバック部202に近づくに従い下方に向かって傾斜している。つまり、前記胴回り部30は前記吸収性本体20に向かって斜め下方向に向かうように傾いている。このように傾いていることにより、前記胴回り部30は前記吸収性本体20の両側において着用者の臀部の一部を覆う。
【0026】
前記胴回り部30は前記下縁36に平行に延びる弾性部材32を有する。つまり、弾性部材32は前記吸収性本体20に向かって斜め下方に向かうように傾いており、弾性部材23に連なって、オムツを着用者の臀部から股間にフィットさせる。
【0027】
前記各胴回り部30には前記胴回り方向Xに沿って伸縮する前記弾性部材32が配置されていることで前記各胴回り部30にギャザーが形成され、一方、前記傾斜縁37の近傍においては前記ギャザーが形成されていない。これにより、ポケット39が開口し易くなる。
【0028】
図2に示すように、前記胴回り部30を形成するには、まず、長手方向に延び胴回り部30となる連続積層体3Aを生成する。この連続積層体3Aは、各胴回り部30の傾斜縁37の近傍の部位および前記雄面ファスナ34を貼り付ける部位については弾性部材32による伸縮力が作用しないように、弾性部材32が切断等されている。
【0029】
つぎに、前記突出端33となる近傍の前記部位に雄面ファスナ34が貼り付けられる。その後、前記連続積層体3Aを台形状に切り分けることで前記胴回り部30が生成される。
【0030】
こうして帯状の連続積層体3Aから材料のロスなく生成された前記胴回り部30の
図1Aの前記傾斜縁37と下縁36とは直角に交差する。つまり、前記傾斜縁37と下縁36との間の角は90°に設定されている。
なお、連続積層体3Aから、個々の胴回り部30を切り分けるにあたり、台形状に限られず、方形状に切り分けてもよい。
【0031】
図3は実施例2を示す。
この図の実施例においては、前記胴回り部30の前記下縁36は吸収性本体20のバック部202に近づくに従い下方に向かって傾斜しているが、前記上縁35は吸収性本体20のバック部202に近づくに従い上方に向かって傾斜している。
【0032】
図4は実施例3を示す。
この図の実施例においては、前記胴回り部30の前記下縁36は吸収性本体20のバック部202に近づくに従い下方に向かって傾斜しているが、前記上縁35は傾斜しておらず、胴回り方向Xに平行である。
【0033】
なお、前記実施例2および実施例3のその他の構成は実施例1と同様であり、その説明を省略する。
【0034】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、弾性部材として糸ゴムを用いずに、ベルト部自体を弾性不織布で形成してもよい。
また、本着用物品はT型のオムツではなくパンツであってもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。