特許第5715903号(P5715903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715903
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/26 20060101AFI20150423BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   A47L9/26 A
   A47L9/00 A
   A47L9/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-165486(P2011-165486)
(22)【出願日】2011年7月28日
(65)【公開番号】特開2013-27546(P2013-27546A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】江部 清
(72)【発明者】
【氏名】田中 正俊
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】川村 直子
(72)【発明者】
【氏名】高井 保志
【審査官】 芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−303407(JP,A)
【文献】 再公表特許第2004/010839(JP,A1)
【文献】 実開昭50−131178(JP,U)
【文献】 特開2006−034492(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0078812(US,A1)
【文献】 特開2000−201863(JP,A)
【文献】 実開昭63−136559(JP,U)
【文献】 特開平04−079925(JP,A)
【文献】 特開平11−235299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/26
A47L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機室および電源室を内部に備えた本体ケースと、
前記電動送風機室に収容された電動送風機と、
前記電源室に収容され前記電動送風機に電源を供給する電源部と、
前記本体ケースに対して着脱可能で、前記電動送風機の駆動により空気とともに吸い込んだ塵埃を遠心分離する集塵部と、
前記本体ケースに配置され、前記電動送風機よりも上流側に位置し、前記本体ケースに対して装着された前記集塵部の上流側に連通するとともに、前記電動送風機室と前記電源室とを区画する区画壁の少なくとも一部を構成する筒状の部材である風路部と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。
【請求項2】
電動送風機室に少なくとも一部が収容され、電動送風機の動作を制御する制御回路部を具備した
ことを特徴とした請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】
風路部は、外表面に表面積を増加させる凹凸部が形成されている
ことを特徴とした請求項1または2記載の電気掃除機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動送風機室に収容された電動送風機および電源室に収容された電源部を備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機は、中空状の本体ケースの内部に、電動送風機を収容する電動送風機室と、電源部であるコードリール装置を収容する電源室であるコードリール室とが互いに隣接して区画されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−233289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された構成では、本体ケースの内部に、例えば紙パックなどの集塵袋を着脱可能な集塵室がさらに区画されている。この集塵室は、電動送風機の吸込側と連通して風路の一部を形成する。また、集塵室と電動送風機室およびコードリール室との間には隔壁が形成されており、この隔壁の後部が電動送風機室とコードリール室との間を区画している。
【0005】
そして、電気掃除機を駆動させることにより、電流が流れる電源コードを備えるコードリール装置、および、電動送風機がそれぞれ発熱する。この発熱を抑制するため、電動送風機は、吸い込んだ空気により冷却され、コードリール装置は、電動送風機の排気風によって冷却されるように構成されている。そのため、集塵袋の目詰まりなどによって吸気量が減少するに従い、電動送風機およびコードリール装置は充分に冷却することが容易でなくなる。すなわち、集塵袋式の電気掃除機の場合、電動送風機およびコードリール装置は発熱が大きいときほど冷却が容易でなくなるという問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、電動送風機および電源部を効果的に冷却できる電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電気掃除機は、電動送風機室および電源室を内部に備えた本体ケースを有する。また、この電気掃除機は、電動送風機室に収容された電動送風機を有する。さらに、この電気掃除機は、電源室に収容され電動送風機に電源を供給する電源部を有する。また、この電気掃除機は、本体ケースに対して着脱可能で、電動送風機の駆動により空気とともに吸い込んだ塵埃を遠心分離する集塵部を有する。そして、この電気掃除機は、本体ケースに配置され、電動送風機よりも上流側に位置し、本体ケースに対して装着された集塵部の上流側に連通するとともに、電動送風機室と電源室とを区画する区画壁の少なくとも一部を構成する筒状の部材である風路部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態の電気掃除機の掃除機本体の一部の内部構造を示す斜視図である。
図2】同上掃除機本体の一部を示す平面図である。
図3】同上掃除機本体を示す斜視図である。
図4】同上電気掃除機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
【0010】
図4において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、吸込風路体(風路形成体)である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
【0011】
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側などに着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
【0012】
手元操作部17には、ループ状の把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21の上部には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
【0013】
また、掃除機本体13は、図1ないし図4に示すように、大径の走行輪23を両側に有し図示しない旋回輪を下部に有する本体ケース25を備え、この本体ケース25の上部には、集塵部としての集塵装置26が着脱可能となっている。そして、掃除機本体13は、走行輪23および旋回輪によって被掃除面である床面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能に構成されている。
【0014】
本体ケース25は、例えば合成樹脂などにより形成されており、本体部31と、この本体部31の前部に突設された突出受部32とを一体的に有している。そして、本体ケース25の内部には、これら本体部31と突出受部32とに亘って、風路部33が配置されている。
【0015】
本体部31は、集塵装置26の後側に位置する部分であり、内部の一側に電動送風機室35が区画され、内部の他側に電源室であるコードリール室36が区画されて、これら電動送風機室35とコードリール室36との間に隔壁37が形成されているとともに、両側に走行輪23が位置している。そして、電動送風機室35には、電動送風機38およびこの電動送風機38の動作を制御する制御手段としての制御回路部39が収容されており、コードリール室36には、電動送風機38および制御回路部39に給電するための電源部として、電源コード40を巻回したコードリール装置41が収容されている。また、この本体部31の前端部には、集塵装置26の後部に対向し上下方向に沿う対向面部42と、この対向面部42の両側に位置する側面部43,43とが形成されている。そして、対向面部42には、本体ケース25に装着された集塵装置26とそれぞれ連通する例えば四角形状の吸気開口部44と連通開口部45とが上下に開口形成され、側面部43,43には、集塵装置26をガイドするガイド部46,46が形成され、かつ、対向面部42の連通開口部45の下部には、補助ガイド部47がそれぞれ形成されている。さらに、この本体部31の後端部には、電動送風機室35などに連通し電動送風機38からの排気を本体ケース25の外部へと排出する複数の排気孔48と、電源コード40の先端側が導出されるコード導出口49とが形成されている。また、この本体部31の上部には、掃除機本体13(本体ケース25)を把持するためのハンドル55が前後方向に回動可能に軸支されている。また、本体部31の上部には、コードリール装置41を操作する操作部である操作ボタン56が配置されている。
【0016】
また、電動送風機38は、設定ボタン22の操作に応じて、制御回路部39により動作が制御されるもので、電動送風機室35内に上下方向に沿って軸方向を有するように配置され、上側が吸込側、下側が排気側となっている。そして、この電動送風機38の吸込側は吸気開口部44と連通している。
【0017】
また、制御回路部39は、平板状の基板39aと、この基板39aにそれぞれ実装された複数の電子部品である素子39bとを備え、例えば電動送風機38の前方下側の一側に基板39aを上下方向に沿わせて配置されている。そして、この制御回路部39は、設定ボタン22と電気的に接続されており、この設定ボタン22の操作により設定された動作モード(例えば強モード、中モード、弱モード、自動モード、停止モードなど)に電動送風機38の動作を設定するように構成されている。
【0018】
さらに、コードリール装置41は、ボビン状に形成されたコードリール59と、このコードリール59に巻回された電源コード40とを備えている。コードリール59は、左右幅方向に沿って軸方向を有しており、前後方向に回動可能に本体ケース25に軸支されている。そして、このコードリール59は、図示しない付勢手段としてのぜんまいばねなどにより電源コード40の巻き取り方向へと付勢されているとともに、図示しないブレーキ装置により電源コード40の巻き取り方向への回動が阻止されている。このブレーキ装置は、操作ボタン56の操作によって動作することで、コードリール59の回動の阻止を解除するように構成されている。
【0019】
また、吸気開口部44は、前方上側に向けて開口している。さらに、この吸気開口部44は、対向面部42の連通開口部45と異なる位置、本実施形態では連通開口部45の上方に形成されており、左右幅方向に長手状となっている。また、この吸気開口部44は、対向面部42の上端部に位置しており、内部に格子状のリブ61が形成されている。また、この吸気開口部44の周縁部には、例えばゴムなどの弾性部材により形成された一方のシール部材である上部シール部材62が取り付けられている。
【0020】
また、連通開口部45は、前方上側に向けて開口している。さらに、この連通開口部45は、風路部33の下流側と連通している。また、この連通開口部45は、吸気開口部44に対して下方に離間された位置に形成されている。そして、この連通開口部45の周縁部には、例えばゴムなどの弾性部材により形成された他方のシール部材である下部シール部材63が取り付けられている。
【0021】
また、各ガイド部46は、集塵装置26を本体ケース25に装着する際に吸気開口部44側、すなわち対向面部42側へと押し当てる方向に集塵装置26をガイドするものであり、吸気開口部44の近傍であるこの吸気開口部44の両側下部にて各側面部43に突設されている。そして、各ガイド部46の後部、すなわち対向面部42側に対向する位置には、集塵装置26が係止される図示しない係止凹部がそれぞれ形成されている。
【0022】
さらに、補助ガイド部47は、集塵装置26を本体ケース25に装着する際に吸気開口部44側、すなわち対向面部42側へと押し当てる方向に集塵装置26をガイドするものであり、前方上側に向けて開口している。
【0023】
また、突出受部32は、集塵装置26の前側の下部を支持する部分であり、平面視で有底円筒状に形成され、本体部31の対向面部42の下部から前方に向けて上方へと傾斜して突出している。さらに、この突出受部32の前面には、管部12の接続管部15が接続される本体吸込口66が形成されており、この本体吸込口66が風路部33の上流端の開口となっている。そして、この突出受部32の下部には、旋回輪が位置している。
【0024】
また、風路部33は、本体ケース25に対して装着された集塵装置26の上流側に連通することでこの集塵装置26を介して電動送風機38の吸込側と連通する部分、すなわち電動送風機38よりも上流側に位置する部分であり、突出受部32内に位置して前後方向に沿う長手状の上流側風路部67と、本体部31内に位置して上下方向に沿う長手状の下流側風路部68とが連続して形成されている。このため、風路部33は、側面視でL字状(逆L字状)に屈曲している。上流側風路部67は、上流側である前端側が上記本体吸込口66となっている。また、下流側風路部68は、下流側である上端側が連通開口部45と気密に接続されている。したがって、この風路部33により、本体吸込口66と連通開口部45とが互いに連通している。さらに、風路部33の外表面には、上流側風路部67および下流側風路部68に亘って、風路部33の表面積を増加させる凹凸部69が形成されている。これら凹凸部69は、風路部33の外表面の略全体に亘って格子状、すなわち縦横に形成されたリブ状となっている。また、この風路部33は、電動送風機室35とコードリール室36とを区画する区画壁Aの一部を構成している。すなわち、この風路部33の下流側風路部68は、隔壁37の前端部と連続しており、これら隔壁37と風路部33(の下流側風路部68)とにより、電動送風機室35とコードリール室36とが区画されている。したがって、風路部33(の下流側風路部68)は、後部の一側が電動送風機室35に臨み、後部の他側がコードリール室36に臨んでおり、それぞれの冷却機能を有している。
【0025】
そして、集塵装置26は、電動送風機38の駆動により吸い込まれた空気を旋回させてこの空気に含まれる塵埃を遠心分離(サイクロン分離)して捕集する塵埃分離部としての遠心分離部、すなわち集塵部本体であるカップ部71と、このカップ部71の上部にこのカップ部71の遠心分離の軸と交差(直交)する面(前後方向に沿う面)に沿って着脱可能に取り付けられる図示しないフィルタ部と、カップ部71に対して着脱可能でフィルタ部の上部を覆うカバー部73とを備えている。さらに、この集塵装置26は、上部が後方へと傾斜するように本体ケース25(の突出受部32)に対して装着される。
【0026】
カップ部71は、例えば透光性を有する合成樹脂などにより円筒状に形成された遠心分離部本体としてのカップ本体75と、このカップ本体75の内部に配置された旋回部としての分離ネットである図示しないセード部と、例えば合成樹脂などにより円形板状に形成された蓋体としての図示しない底蓋とを備えている。
【0027】
カップ本体75は、塵埃を内部に収容するものであり、上端部がフィルタ部と連通しているとともに、下端側がカップ本体75内に収容された塵埃を廃棄するための廃棄開口部となっている。また、このカップ本体75の周面の後側には、電動送風機38の駆動により含塵空気をカップ本体75の内部に吸い込むための図示しない集塵部吸気口が開口形成されている。さらに、このカップ本体75の後部である集塵部吸気口の下方には、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で補助ガイド部47に挿入係止される図示しない係止部が突設されている。
【0028】
集塵部吸気口は、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で連通開口部45と連通するものであり、先端部である後端部が、連通開口部45の周囲の下部シール部材63に対して圧接される平面状となっている。さらに、この集塵部吸気口は、カップ本体75内の接線方向に沿って含塵空気を導くように形成されている。
【0029】
また、係止部は、下方に向けてL字状に屈曲しており、先端側が基端側に対して徐々に細くなるように形成されている。
【0030】
また、セード部は、カップ本体75内を旋回する含塵空気の中心となる部分であり、円筒状に形成されており、外周に複数の開口を有し、これら開口にメッシュ状のフィルタが取り付けられて構成されている。したがって、このセード部外部とカップ本体75の内周との間に、含塵空気が旋回する旋回風路部が形成されている。
【0031】
また、底蓋は、カップ本体75の廃棄開口部を気密に開閉するもので、例えばカップ本体75に対して前後方向に回動可能に軸支されている。
【0032】
また、フィルタ部は、通気の上流側と下流側とに交互に突出する複数の突出部を有する細塵フィルタであるプリーツフィルタを備えている。このプリーツフィルタは、例えば四フッ化エチレン樹脂(polytetrafluoroethylene、PTFE)などの部材によりシート状に形成された表面集塵フィルタであり、カップ本体75内のフィルタよりも目が細かく設定され、このフィルタで捕集する塵埃よりも小さい塵埃すなわち細塵を捕集可能となっている。また、このフィルタ部には、プリーツフィルタに捕集した細塵をこのプリーツフィルタから除去する塵落とし手段が設けられている。この塵落とし手段によりプリーツフィルタから除去された細塵は、セード部の中央部に形成されたごみ溜め部に溜められる。
【0033】
また、カバー部73は、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で掃除機本体13の最上部となる上部に、塵落とし手段を操作するための回転式摘みである円盤状の塵落とし摘み106が外部に露出して取り付けられている。さらに、このカバー部73の後部には、集塵装置26の排気口となる集塵部排気口が形成されている。また、このカバー部73の集塵部排気口の下部の両側には、本体ケース25の各ガイド部46が挿入されるガイド部挿入部がそれぞれ形成されている。そして、このカバー部73の後部上側には、集塵装置26を本体ケース25に対して係止固定およびこの係止固定を解除可能な着脱操作部としての取り外しレバー109が可動的に配置されている。
【0034】
また、集塵部排気口は、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で吸気開口部44と連通するもので、その先端部である後端部には、吸気開口部44の周囲の上部シール部材62に対して圧接される平面状となっている。
【0035】
また、取り外しレバー109は、例えば上下方向に回動可能に取り付けられている。さらに、この取り外しレバー109には、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で本体ケース25の各ガイド部46の係止凹部に挿入係止される図示しない係止突出部がそれぞれ突設されている。そして、この取り外しレバー109は、例えばコイルばね、あるいはトーションばねなどの図示しない付勢体によって下方へと回動する方向に向けて付勢されており、各係止突出部が各係止凹部に挿入係止された状態を維持するように構成されている。
【0036】
次に、上記一実施形態の動作を説明する。
【0037】
本体ケース25に対して、カップ部71のカップ本体75にフィルタ部、セード部およびカバー部73を取り付けた集塵装置26を装着する。このとき、各ガイド部46および補助ガイド部47の作用により、集塵装置26が下側後方、すなわち集塵部排気口を吸気開口部44へと、集塵部吸気口を連通開口部45へと、それぞれ押し付ける方向へとガイドされ、集塵部排気口と吸気開口部44とが気密に接続されるとともに、集塵部吸気口と連通開口部45とが気密に接続される。すなわち、集塵装置26の上流側が風路部33に、集塵装置26の下流側が電動送風機38の吸込側に、それぞれ気密に接続される。
【0038】
そして、掃除の際には、本体吸込口66に接続管部15を接続することで、管部12の各部、すなわちホース体16、延長管18および床ブラシ19のそれぞれを(本体吸込口66、風路部33、連通開口部45、集塵部吸気口、カップ部71、フィルタ部、集塵部排気口、吸気開口部44を介して)電動送風機38の吸込側と連通させるとともに、掃除機本体13のコード導出口49から電源コード40を引き出し、図示しない壁面などのコンセントに接続した後、把持部21を把持し、所望の設定ボタン22を操作することでこの操作により設定された動作モードで制御回路部39が電動送風機38を駆動させる。この電動送風機38の駆動により生じた負圧は、吸気開口部44、集塵部排気口、フィルタ部、カップ部71、集塵部吸気口、連通開口部45、風路部33、本体吸込口66、および、管部12のホース体16、延長管18および床ブラシ19と順次作用し、この床ブラシ19から空気とともに塵埃を吸い込むことが可能になる。すなわち、電動送風機38の駆動により、管部12から集塵装置26を介して電動送風機38の吸込側へと空気の流れが形成される。
【0039】
使用者は、床ブラシ19を床面上に載置し、掃除する箇所で前後に走行させて床面上の塵埃を吸い込む。なお、掃除する箇所を床面上で移動する場合には、ホース体16を引っ張ることで掃除機本体13を床面上で移動させる。
【0040】
床ブラシ19から吸い込まれた含塵空気は、延長管18、ホース体16、本体吸込口66、風路部33を通過し、電動送風機室35の電動送風機38および制御回路部39と、コードリール室36のコードリール装置41とを冷却しつつ、連通開口部45を介して集塵部吸気口から、すなわち管部12側から集塵装置26内(カップ部71内)へと吸い込まれ、カップ本体75内の旋回風路部で旋回される。この結果、比較的大きい綿ごみなどの塵埃すなわち粗塵が空気から遠心分離され、この粗塵がカップ本体75の内側面に沿って自重落下して捕集される。
【0041】
粗塵が除去された空気は、フィルタを通過した後、フィルタ部のプリーツフィルタを通過することで、微細な塵埃すなわち細塵がプリーツフィルタに捕集される。
【0042】
この後、プリーツフィルタを下流側へと通過した空気は、集塵部排気口および吸気開口部44を介して電動送風機38へと吸い込まれる。そして、この電動送風機38を冷却した後、排気風となって電動送風機38から排気され、排気孔48から掃除機本体13(本体ケース25)の外部へと排気される。
【0043】
掃除が終了すると、使用者が設定ボタン22を操作することにより、制御回路部39が電動送風機38を停止させる。
【0044】
使用者が必要に応じて塵落とし摘み106を掴み、左右方向(時計回り方向および反時計回り方向)に交互に反転させるように回動させると、この塵落とし摘み106と一体的に塵落とし手段が反転回動し、プリーツフィルタに捕集された細塵がこのプリーツフィルタから落下除去され、カップ本体75内のごみ溜め部に溜められる。
【0045】
集塵装置26に一定量以上の塵埃が溜まった場合には、本体ケース25から集塵装置26を取り外してこの塵埃を廃棄する。すなわち、使用者は、取り外しレバー109を上方へと回動させることにより、各係止突出部と各ガイド部46の係止凹部との係合を解除した後、集塵装置26を上方に持ち上げて本体ケース25から取り外した後、塵埃を廃棄するごみ箱などの上に集塵装置26を運んで底蓋を開くことで、廃棄開口部から、カップ本体75内の塵埃を廃棄する。捕集した塵埃を廃棄した集塵装置26は、再度本体ケース25に装着して使用できる。
【0046】
以上説明した一実施形態によれば、電動送風機38よりも上流側に位置する風路部33により、電動送風機室35とコードリール室36とを区画する区画壁Aの少なくとも一部を構成することにより、風路部33内を常時通過する、電動送風機などの熱の発生源を通過していない、いわば「冷えた」含塵空気(吸気風)の作用によって、電動送風機室35に収容した電動送風機38およびコードリール室36に収容したコードリール装置41をそれぞれ効果的に冷却できる。
【0047】
また、電動送風機38の動作を制御する制御回路部39を電動送風機室35に収容することにより、この制御回路部39を電動送風機38の排気風だけでなく、風路部33を通過する「冷えた」含塵空気(吸気風)によって効果的に冷却できる。
【0048】
さらに、風路部33の外表面に表面積を増加させる凹凸部69を備えることにより、風路部33への放熱効果を持たせ、この風路部33を通過する「冷えた」含塵空気(吸気風)によってより冷却された状態とすることができるので、この含塵空気によって冷却される風路部33によって、電動送風機室35およびコードリール室36、すなわち電動送風機38(および制御回路部39)、および、コードリール装置41を、それぞれ効果的に冷却できる。
【0049】
しかも、風路部33の外表面の凹凸部69をリブ状とすることにより、風路部33の強度を向上することも可能になる。
【0050】
そして、吸気風は、集塵装置26内を通過、本実施形態では集塵装置26での旋回の際に生じる摩擦などによりわずかな温度上昇が生じるものの、風路部33が本体ケース25に対して装着された集塵装置26の上流側に連通することにより、この風路部33を通過する含塵空気(吸気風)は、上記の温度上昇が生じる前の含塵空気(吸気風)であるから、より温度が低い、冷えた状態となっている。したがって、この風路部33を通過する含塵空気(吸気風)によって、より効果的に冷却できる。
【0051】
なお、上記一実施形態において、電源部としては、コードリール装置41だけでなく、例えば充電可能な電池である二次電池などを用いることもできる。
【0052】
また、集塵装置26は塵埃を遠心分離するものに限らず任意に構成でき、例えば集塵装置26に代えて集塵袋あるいは濾過フィルタなどを用いて塵埃を捕集する電気掃除機であっても対応することができる。
【0053】
さらに、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
11 電気掃除機
25 本体ケース
26 集塵部としての集塵装置
33 風路部
35 電動送風機室
36 電源室であるコードリール室
38 電動送風機
39 制御回路部
41 電源部としてのコードリール装置
69 凹凸部
A 区画壁
図1
図2
図3
図4