特許第5715944号(P5715944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5715944-トラックフレーム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715944
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】トラックフレーム
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/56 20060101AFI20150423BHJP
   B60R 19/12 20060101ALI20150423BHJP
   B62D 21/11 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   B60R19/56
   B60R19/12
   B62D21/11
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2011-502251(P2011-502251)
(86)(22)【出願日】2009年3月17日
(65)【公表番号】特表2011-516326(P2011-516326A)
(43)【公表日】2011年5月26日
(86)【国際出願番号】EP2009001971
(87)【国際公開番号】WO2009121478
(87)【国際公開日】20091008
【審査請求日】2011年11月10日
(31)【優先権主張番号】102008016924.2
(32)【優先日】2008年4月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(74)【代理人】
【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
(74)【代理人】
【識別番号】100111143
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 枝里
(72)【発明者】
【氏名】ハートムート・ボイス
(72)【発明者】
【氏名】ノルバート・ゾンザーラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヘルム・ストッククラウスナー
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−111069(JP,A)
【文献】 特開2005−199842(JP,A)
【文献】 特開2000−272444(JP,A)
【文献】 特開2003−327063(JP,A)
【文献】 実開平07−004209(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/56
B60R 19/12
B62D 21/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがフロントエンドとバックエンドとを有する第1及び第2のサイドメンバ(12、14)を含む車両フレーム(10)と、フロントスプリングブラケット(18)とを含むトラックフレームであって、
前記フロントスプリングブラケット(18)は、
前記第1及び第2のサイドメンバ(12、14)の前方先端に固定され、前記第1及び第2のサイドメンバ(12、14)にそれぞれ割り当てられている側面部品(20)を有し、該側面部品が少なくとも1つのクロスメンバ(22)によって互いに接続されており、
少なくとも該フロントスプリングブラケット(18)の前記側面部品(20)が、アルミ鋳造構成部品として形成され、
前記側面部品(20)を互いに接続している前記クロスメンバ(22)が、アルミ素材から製造され、
前記側面部品(20)を互いに接続する前記クロスメンバ(22)が、前記第1及び第2のサイドメンバ(12、14)の下方にかなり間をあけて配置されることによって、前記フロントスプリングブラケット(18)がアンダガードを形成し、
前記クロスメンバ(22)が、前記クロスメンバ(22)の後部に備えられた変形エレメント(24)によって、前記それぞれの側面部品(20)に接続され、
さらに、前記側面部品(20)の外側に、クロスメンバ(28)によって互いに接続されている追加の側面部品(26)がそれぞれ配置され、前記追加の側面部品(26)と前記クロスメンバ(28)とが、前記第1及び第2のサイドメンバ(12、14)の高さに取り付けられていることを特徴とするトラックフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック用フロントスプリングブラケットを備えたトラックフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフロントスプリングブラケットは、トラックの量産車から知られている。この場合、この種のフロントスプリングブラケットは、通常、車両フレームの前方先端の下方に固定されており、例えばアンダガードの構成部品が取り付けられている。通常、フロントスプリングブラケットには2つの側面部品が含まれており、これらの2つの部品は、関連する車両フレームのフレームサイドメンバにそれぞれ固定され、特にボルトで固定されており、通常は、車両フレームの下方を通るクロスメンバによって相互に接続されている。
【0003】
車両の総重量を削減して、同時に積載重量を増やすという一般的な要求の他に、トラックの場合、フロントアクスル負荷を相応に軽減するという要求がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、重量が軽くなるように形成されている、冒頭に述べた種類のフロントスプリングブラケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明に基づき、請求項1の特徴を備えるフロントスプリングブラケットによって解決される。本発明の適切かつ重要な発展形態を備える有利な実施形態は、その他の請求項に示されている。
【0006】
重量が軽くなるように形成されているフロントスプリングブラケットを設計するため、本発明に基づき、少なくともフロントスプリングブラケットの部品が、アルミ鋳造構成部品として、又はアルミ合金鋳造構成部品として形成されている。このことは、特に、例えば鋳鉄が7.25kg/dmの密度を有するのに対し、アルミニウム及びアルミ合金の場合、それに対応する密度は、例えば約2.7kg/dmとなる利点がある。アルミニウム又は該当するアルミ鋳造合金によって、フロントスプリングブラケットの重量をかなり削減することができ、このことにより、運搬できる積載重量が増大するばかりでなく、さらに有利な方法でフロントアクスル負荷も軽減される。つまり、フロントスプリングブラケットは、フロントアクスルの近くに配置されているため、少なくともフロントスプリングブラケットの部品重量が減少することは、フロントアクスル負荷には有利に作用する。
【0007】
本発明のさらなる実施形態において、少なくともフロントスプリングブラケットの側面部品がアルミ鋳造合金として形成されている場合は、特に有利である。すなわち、側面部品は、重量削減の余地が大きい部品であるため、通常のフロントスプリングブラケットの場合、側面部品の範囲にアルミ鋳造合金を使用することにより、38kgの重量を削減することができ、これは、フロントスプリングブラケットの重量の約50%に相当する。ここで、とくに有利であるのは、側面部品をアルミ鋳造合金によって形成した場合、これまでの取付けスペースの少なくとも大部分を維持することができる点である。さらに、このようなアルミ鋳造合金を用いることによって、とりわけ負荷に強く形成することができるのは有利である。
【0008】
最後に、側面部品を互いに接続しているクロスメンバもアルミ素材から製造されている場合は有利である。この場合、車両重量をフロントスプリングブラケットの範囲でさらに軽減できるようにするため、例えば、このクロスメンバを押出し成形部分として形成することも考えられるであろう。
【0009】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、好ましい実施例及び図に基づく以下の説明によって生じる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】トラックの車両フレーム前方先端の部分斜視図。フロントスプリングブラケットは、この前方先端に固定されており、車両フレームの該当するフレームサイドメンバにそれぞれ割り当てられている側面部品を有し、両方の側面部品は、クロスメンバによって互いに接続されており、フロントスプリングブラケットの側面部品は、アルミ鋳造合金として形成されている。
図2図1に基づくフロントスプリングブラケットの両方の側面部品の斜視図。フロントスプリングブラケットはアルミ鋳造構成部品として形成されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、トラックの車両フレーム10の前方先端を部分斜視図で示したものである。車両フレーム10には、2つのフレームサイドメンバ12、14が含まれ、これらのフレームサイドメンバは実質的に平行な形で車両の長手方向に水平に伸び、複数のクロスメンバ16によって互いに接続されている。
【0012】
車両フレーム10の前方先端には、フロントスプリングブラケット18が固定されている。 詳しく説明すると、このフロントスプリングブラケット18には、2つの側面部品20が含まれており、これらの側面部品の1つが図2の斜視図に示されている。
【0013】
フロントスプリングブラケット18は、両方の側面部品20を間接的に互いに接続しているクロスメンバ22によってアンダガードを形成している。ここに示された例では、この間接的接続が、それぞれの変形エレメント24によって行われており、クロスメンバ22は、この変形エレメントによって、関連する側面部品20に後方で支持されている。
【0014】
このフロントスプリングブラケット18の特徴は、側面部品20がアルミ鋳造構成部品として形成されていることである。このことが特に有利であるのは、アルミニウムが2.71kg/dmの密度を有し、従って、密度が7.25kg/dmある鋳鉄によって作られた通常の側面部品20と比べ、かなり軽いという点である。これによって、このフロントスプリングブラケット18は、鋳鉄から作られた場合よりも約50%軽量化することができる。この場合、これまでの取付けスペースの、少なくとも大部分は維持される。特殊な実施例では、アルミ素材又はアルミ鋳造合金を使用することにより、フロントスプリングブラケット18の重量は38kg減少する。このフロントスプリングブラケット18は、フロントアクスルの近くに位置決めされているため、フロントアクスル負荷は、同様に38kg減少する。すなわち、より重い積載重量を運ぶことができる。
【0015】
図1から、側面部品20の外側に、クロスメンバ28によって互いに接続されている追加の側面部品26がそれぞれ配置されていることが分かる。側面部品26とクロスメンバ28とが、実質的に車両フレーム10の高さに取り付けられている一方、特にフロントスプリングブラケット18のクロスメンバ22は、クロスメンバ28の下方又は車両フレーム10の下方に、かなり間をあけて配置されている。
図1
図2