特許第5715957号(P5715957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5715957
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】カテーテル処置装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20150423BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20150423BHJP
【FI】
   A61M25/00 600
   A61M25/10
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-533830(P2011-533830)
(86)(22)【出願日】2009年10月28日
(65)【公表番号】特表2012-507318(P2012-507318A)
(43)【公表日】2012年3月29日
(86)【国際出願番号】GB2009051453
(87)【国際公開番号】WO2010049735
(87)【国際公開日】20100506
【審査請求日】2012年9月20日
(31)【優先権主張番号】0820052.9
(32)【優先日】2008年10月31日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】513324848
【氏名又は名称】ユーリスロテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ アンドッヒ
【審査官】 鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6663589(US,B1)
【文献】 特開2007−54646(JP,A)
【文献】 米国特許第5391155(US,A)
【文献】 特表2007−533331(JP,A)
【文献】 特表2007−500555(JP,A)
【文献】 特表平9−508557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
末端チップ(16)、基端部(18)、並びに細長本体に貫通する排尿チャネル(14)及び独立したガイドワイヤチャネル(32)を設けた前記細長本体(12)を有するカテーテル(10)と、
前記ガイドワイヤチャネルに挿通して、前記カテーテルを挿入時に案内するためのガイドワイヤ(38)と、および
前記細長本体の前記基端部、または基端部近傍における潤滑ポート(34)であって、ガイドワイヤ潤滑液を、前記ガイドワイヤチャネルに導入するための前記ガイドワイヤチャネルと流体連通するサイドアームを持つ潤滑ポートとを備え、
前記排尿チャンネルは、前記細長本体の中心に沿って貫通し、前記ガイドワイヤチャネルは、前記細長本体の一方の側面に沿って前記排尿チャンネルと平行に延在する、尿カテーテル処置装置。
【請求項2】
請求項1に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ガイドワイヤはストッパ(50)を有する構成とし、このストッパにより前記ガイドワイヤの前記基端部が、前記ガイドワイヤチャネルから、前記カテーテルの前記末端チップに向かって移動するのを防止する、尿カテーテル処置装置。
【請求項3】
請求項2に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ストッパは、前記ストッパを潤滑ポートに結合したとき、ガイドワイヤ潤滑液を前記ガイドワイヤチャネルに導入するシリンジを収容する構成とした、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ストッパは、ヘッド部分と、T字形状に形成し、また中空コアが貫通する本体部分とを備え、前記本体部分は、前記潤滑ポート内に収容でき、前記ヘッド部分は前記シリンジを収容できる構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項5】
請求項3に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ストッパは、中空コアが貫通するヘッド部分を備え、前記ヘッド部分は前記シリンジを収容できる構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ヘッド部分は、前記潤滑ポートの前記開口よりも大きくした、尿カテーテル処置装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか一項に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ストッパは、前記潤滑ポートに着脱自在に接続できる構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項8】
請求項7に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ストッパは、前記潤滑ポートに、ねじ手段、押し込み嵌合手段またはツイストロック手段によって着脱可能に接続できる構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項9】
請求項2〜8のいずれか一項に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ストッパは、前記ガイドワイヤの前記基端部を前記ストッパに連結するためのアンカー(58)を設ける構成とし、前記アンカーは、前記ガイドワイヤ潤滑液が前記ストッパを経て前記ガイドワイヤチャネルに通過する際に、前記ガイドワイヤ潤滑液を前記アンカーの周りを流れることができるよう構成した、尿カテーテル処置装置。
【請求項10】
請求項9に記載の尿カテーテル処置装置において、前記アンカーは、前記ストッパの前記中空コアの幅を横切るバンド、及び前記バンドの各端部に設けた終端部材を有する構成とし、前記終端部材は、それぞれ前記ストッパの各側方部分に埋設し、前記アンカーを前記ストッパに固定する構成とした、
尿カテーテル処置装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の尿カテーテル処置装置において、前記アンカーをI字状の形状とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ガイドワイヤの前記基端部を、前記アンカーの前記バンドに連結した、尿カテーテル処置装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の尿カテーテル処置装置において、前記潤滑ポートは、前記ガイドワイヤが抜去したとき、前記潤滑ポートからの排尿を防止するための閉塞部材を設ける構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項14】
請求項13に記載の尿カテーテル処置装置において、前記閉塞部材は一方向弁(36)とした、装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置において、前記ガイドワイヤを抜去した後、前記ガイドワイヤチャネルは、前記膀胱に無菌の洗浄液を導入するための洗浄チャンネルとしても作用する構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項16】
請求項2〜15のいずれか一項に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ストッパを前記潤滑ポートに接続したとき、前記ガイドワイヤが前記カテーテルの前記末端チップを越えて突出する構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の尿カテーテル処置装置において、前記ガイドワイヤは親水性高分子材料を有する構成とした、
尿カテーテル処置装置。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の尿カテーテル処置装置において、前記カテーテルの前記末端チップは、前記膀胱から尿を排出するために開放端部とし、斜めの角度を付けて形成された、尿カテーテル処置装置。
【請求項19】
請求項18に記載の尿カテーテル処置装置において、前記カテーテルの前記細長本体は、前記カテーテルの前記末端チップに隣接した、少なくとも1つの他の排尿孔を設ける構成とした、尿カテーテル処置装置。
【請求項20】
請求項19に記載の尿カテーテル処置装置において、2個の排尿孔を設け、それぞれ前記末端チップに隣接して、前記カテーテル両側の側面にそれぞれ1個配置した、尿カテーテル処置装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の尿カテーテル処置装置において、前記カテーテルは、膨張液を、前記カテーテルの前記先端チップに隣接して配置した、前記カテーテルを前記膀胱内に留め置くための、前記膨張可能なバルーンへ導くための膨張チャンネルをさらに備えた、尿カテーテル処置装置。
【請求項22】
i)装置であって、
末端チップ(16)、基端部(18)、細長本体(12)に貫通する排尿チャネル(14)及び独立したガイドワイヤチャネル(32)を設けた、該細長本体を有するカテーテル(10)であって、前記排尿チャンネルは、前記細長本体の中心に沿って貫通し、前記ガイドワイヤチャネルは、前記細長本体の一方の側面に沿って前記排尿チャンネルと平行に延在する、カテーテル、
前記カテーテルを挿入時に案内するため、前記ガイドワイヤチャネルに挿通するガイドワイヤ(38)、及び
ガイドワイヤ潤滑液を、前記ガイドワイヤチャネルに導入するために、前記細長本体の前記基端部、または前記基端部の近傍に設けた潤滑ポート(34)であって、ガイドワイヤ潤滑液を、前記ガイドワイヤチャネルに導入するために前記ガイドワイヤチャネルと流体連通するサイドアームを持つ潤滑ポートを備える、装置と、
ii)前記カテーテル及びガイドワイヤを、使用のために供給する無菌パッケージ(90)であって、前記パッケージは、開くことで、ガイドワイヤ潤滑液を前記潤滑ポートから注入して、前記ガイドワイヤチャネル内の前記ガイドワイヤ、及び前記カテーテルの前記末端チップから突出する前記ガイドワイヤの部分を潤滑するように構成した、該無菌パッケージと、
iii)前記カテーテル及びガイドワイヤを収容する前記無菌パッケージを、収容するための無菌の外部パッケージ(104)と、
を備える尿カテーテル処置キットであり、
前記無菌の外部パッケージは、付加的に少なくとも1個のシリンジ(108)を収容し、前記少なくとも1個のシリンジには予めガイドワイヤ潤滑液を充填する、尿カテーテル処置キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿カテーテル挿入及び尿道狭窄を拡張する装置、及びそれに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル法には体腔、導管または血管へのカテーテルの挿入が含まれ、それによって、流体の排出もしくは注入、または外科用器具によるアクセスを可能にする。尿カテーテル法の場合、通常尿失禁の治療のため、または、患者が、例えば前立腺肥大による急性尿閉のとき膀胱から尿を放出するため、もしくは手術後に患者の容態が悪く動けないときの尿モニタリングのため、カテーテルを患者の膀胱に挿入する。カテーテルは、通常患者の尿道に挿入するが、尿道がふさがっている、または損傷している場合、カテーテルを、尿道の代わりに腹腔壁から患者の膀胱に挿入する必要があり得る。
【0003】
尿カテーテル法は、主に2種類ある。留置カテーテル法は、カテーテルをある期間にわたり体内に残すことを指し、医療従事者によって行うべきものである。間欠式カテーテル法は、患者の膀胱を空にするために、カテーテルを一時的に挿管するものであり、医療従事者または患者(患者が行う場合、自己間欠式カテーテル法と称される)が実施できる。
【0004】
留置カテーテル法のためのカテーテルは、通常2、3のチャンネルを有し、カテーテルの先端にあるバルーンによって、膀胱内に保持される。カテーテルにおける狭いバルーンチャンネルに、シリンジを使用して空気、水または生理食塩液を注入することによって、バルーンを膨張させる。膨張した後には、バルーンはカテーテルを確実に膀胱内に保持するとともに、カテーテルにおける主要チャネルにより排尿することができる。随意的な第3の洗浄チャンネルを使用して、膀胱または前立腺の手術後に存在することがある、血液および小さい血餅を洗い出す。このことにより、より大きな血餅を形成しないよう防止し、さもないとカテーテルが詰まらせる恐れがある。
【0005】
間欠式カテーテル法のためのカテーテルは、膀胱内に保持することを目的としないので、先端にバルーンを持たない。
【0006】
尿道の狭窄化により患者の尿流が遮断されている場合(尿道狭窄として知られる)には、カテーテルを挿入できるようになる前に、狭窄部を拡張することが、しばしば必要となる。狭窄部の拡張は、尿道拡張器を用いて達成できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既知のタイプのカテーテル及び拡張器に関する問題は、男性における球面状に湾曲した尿道の自然の曲率に起因し、装置を適正に挿入することが困難で、潜在的に有害な処置であるという点である。特に前立腺が肥大している場合に、カテーテル/拡張器は、膀胱に向かって上方に湾曲し、前立腺尿道として知られる尿道部分に前進させることが困難となり得る。ユーザーが、カテーテルを、尿道の球面状に湾曲した経路に沿って、前立腺尿道に向けて案内しようとする際に、先端チップは尿道組織を傷つける原因となる恐れがある。組織外傷は疑似通路(すなわち、尿道の壁に穿たれる孔)の形成につながる恐れがあり、この場合、その後の尿道カテーテル法の試みが、不可能ではないにしても、困難になることがある。
【0008】
カテーテルの位置異常に気付かない場合、カテーテルの先端が尿道にある間の、カテーテルバルーンの膨張(既知のタイプの留置カテーテルに伴う危険性)が尿道組織をひどく損傷させることがあり、痛み、出血及び外傷性断裂を引き起こすことがある。この断裂は後日、拡張手術または外科手術を必要とする尿道狭窄と一緒に治癒させなければならない。最悪の場合、尿道組織が損傷していることに気付くのが遅れ、その後の尿道の虚血性壊死に付随する、命に関わる敗血症、及び尿道や陰茎組織の喪失が起こりうる。
【0009】
処置の安全性を向上し、挿入を単純化かつ高速化し、装置の性能を向上するために、現行のカテーテル法、尿道狭窄の拡張術の装置及び挿入の方法を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一の態様において、本発明は、尿カテーテル処置装置であり、この尿カテーテル処置装置は、末端チップ、基端部、並びに細長本体に貫通する排尿チャネル及び独立したガイドワイヤチャネルを設けた前記細長本体を有するカテーテルと、前記ガイドワイヤチャネルに挿通して、前記カテーテルを挿入時に案内するためのガイドワイヤと、および前記細長本体の前記基端部、または基端部近傍における潤滑ポートであって、ガイドワイヤ潤滑液を、前記ガイドワイヤチャネルに導入するための前記ガイドワイヤチャネルと流体連通するサイドアームを持つ潤滑ポートとを備え、前記排尿チャンネルは、前記細長本体の中心に沿って貫通し、前記ガイドワイヤチャネルは、前記細長本体の一方の側面に沿って前記排尿チャンネルと平行に延在する
【0011】
好ましくは、前記ガイドワイヤはストッパを有する構成とし、このストッパにより前記ガイドワイヤの前記基端部が、前記ガイドワイヤチャネルから、前記カテーテルの前記末端チップに向かって移動し、尿道または膀胱内で紛失してしまうことを防止する。前記ストッパは、ストッパを前記潤滑ポートに結合したとき、ガイドワイヤ潤滑液を前記ガイドワイヤチャネルに導入するシリンジを収容する構成とする。
【0012】
前記ストッパは様々な形状をとることができ、例えば、前記ストッパは、ヘッド部分と、T字形状に形成し、また中空コアが貫通する本体部分とを備え、前記本体部分は、前記潤滑ポート内に収容でき、前記ヘッド部分は前記シリンジを収容できる構成とする。代案として、前記ストッパは、中空コアが貫通するヘッド部分のみを備え、前記ヘッド部分は前記シリンジを収容できる構成とする。ストッパのそれぞれの形状において、前記ヘッド部分は、前記潤滑ポートの前記開口よりも適切に大きくする。前記ストッパは、前記潤滑ポートに着脱自在に接続でき、好ましくは、ねじ手段、押し込み嵌合手段またはツイストロック手段によって接続できる構成とするが、スナップロックまたはルアーロック等の他の機構を等しく用いることもできる。
【0013】
さらに、前記ストッパは、前記ガイドワイヤの前記基端部を前記ストッパに連結するためのアンカーを設ける構成とする。前記アンカーは、前記ガイドワイヤ潤滑液が前記ストッパを経て前記ガイドワイヤチャネルに通過する際に、前記ガイドワイヤ潤滑液を前記アンカーの周りを流れることができるように適切に構成する。好ましくは、前記アンカーは、前記ストッパの前記中空コアの幅を横切るバンド、及び前記バンドの各端部に設けた終端部材を有する構成とし、前記終端部材は、それぞれ前記ストッパの各側方部分に埋設し、前記アンカーを前記ストッパに固定する構成とする。さらに好ましくは、前記アンカーはI字状の形状とする。好ましい構成では、前記ガイドワイヤの前記基端部を前記アンカーの前記バンドに連結する。連結の適切な手段には、例えば、前記アンカーを金属から形成する場合には溶接があり、例えば、剛性ポリマー材料から成る場合にはエポキシ樹脂がある。
【0014】
好ましくは、前記カテーテルは、さらに、排尿のための、前記ガイドワイヤと分離した排尿チャンネルを有する。前記排尿チャンネルは前記細長本体の中心に沿って貫通し、前記ガイドワイヤチャネルは、前記細長本体の一方の側面に沿って前記排尿チャンネルと平行に延在させることができる。随意的に、前記ガイドワイヤを抜去したとき、前記ガイドワイヤチャネルは、無菌の洗浄液を膀胱に導入するための洗浄チャンネルとして作用させることもできる。
【0015】
前記潤滑ポートは、前記カテーテルの前記基端部に隣接して、前記ガイドワイヤチャネルと流体連通するサイドアームを備えることができる。前記潤滑ポートは、前記ガイドワイヤを抜去したとき、前記潤滑ポートからの排尿を防止するための閉塞部材を備えることができる。好ましくは、前記閉塞部材は一方向弁とする。
【0016】
有利には、前記ストッパを前記潤滑ポートに接続したとき、前記ガイドワイヤが前記カテーテルの前記末端チップを越えて突出する構成とする。好ましくは、前記ガイドワイヤは親水性高分子材料を有する構成とする。
【0017】
前記膀胱から尿を排出するために、前記カテーテルの前記末端チップを、開放端部とする。有益なことに、この構成は、長期間の尿カテーテル(特に恥骨上カテーテル)を交換するために、前記カテーテルを既知のガイドワイヤと一緒に使用することも可能にする。このことによって、恥骨上カテーテルの管を紛失することがなくなるので、カテーテルの交換処置をより安全かつ容易にする。訓練が不十分な臨床従事者が恥骨上カテーテルを交換する場合に、このことは頻繁に問題となる。
【0018】
好ましくは、排尿効率を増加させるために、前記カテーテルの前記細長本体は、前記カテーテルの前記末端チップに隣接した、少なくとも1つの他の排尿孔を設ける構成とする。さらに好ましくは、前記カテーテルは、排尿効率をさらに増加させるために、他の2個の排尿孔を、前記末端チップに隣接して前記カテーテルに両側の側面にそれぞれ1個に設けることができる。その上、3個の排尿孔の存在は、たとえ(例えば凝血によって)前記孔のうち1つまたは2つが塞がれてしまっても、他の排尿孔を経て排尿を継続することができることを意味する。
【0019】
前記カテーテルが尿道を経て通過する際に、組織の損傷を軽減することを促進するために、前記カテーテルの前記末端チップは、好ましくは、斜めの角度を付けて形成する。傾斜角度により、前記カテーテルが球面状に湾曲した尿道及び前立腺尿道内で前記ガイドワイヤに追従する手助けをする、先導端縁を生ずる。
【0020】
前記カテーテルは、さらに、前記カテーテルの前記末端チップに隣接して配置した、前記カテーテルを前記膀胱内に留め置くための、膨張可能なバルーンを備えることもできる。前記バルーンを膨張させるために、前記カテーテルは、膨張液を前記バルーンへ導くための膨張チャンネルを備えることができる。
【0021】
前記カテーテルは、概して、可撓性、弾性、また生体適合性のある高分子材料(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTTE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ラテックスまたはシリコーン)から形成することができる。前記膨張バルーンは、前記カテーテルと同一材料で形成することができ、前記細長シャフトに取り付ける、高分子材料の薄い付加膨張層を有する構成とする。
【0022】
前記カテーテルの挿入、抜去及び位置決めをより容易にするために、前記カテーテルは随意に、親水性の滑らかなポリマー(例えばポリ尿素、ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン尿素、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP))、またはカルボン酸、エステル類、ポリ(メタ)クリル酸の塩類及びアミド類で被覆することができ、それらによって水性流体がある場合に滑りやすくなる。付加的または代替的に、リドカイン/アクアゲル(aquagel)またはアクアゲル単体等の潤滑性チューブを尿道に導入することができる。感染症の発生を減らしたり、遅延させたりするために、前記カテーテルを、抗感染性材料(例えば銀合金または抗生物質)で被覆することもできる。
【0023】
前記カテーテルの寸法は、概して、10French〜26Frenchの直径及び20cm〜50cmの長さにできる。男性は女性よりも尿路が長いため、より長いカテーテルは通常男性が必要とする。
【0024】
第2の態様において、本発明は、尿カテーテル方法であり、この方法は、末端チップ、基端部、及び細長本体に貫通する1つまたはそれ以上のチャネルを設けた、該細長本体と、末端チップおよび基端部を有するガイドワイヤとを備えたカテーテルに貫通するチャンネル内に配置するガイドワイヤを潤滑するステップと、前記ガイドワイヤの前記末端チップを尿道に挿入し、また前記ガイドワイヤを前記尿道に沿って膀胱まで案内操作するステップと、前記カテーテルの前記末端チップが膀胱に配置されるまで、前記ガイドワイヤで前記カテーテルを前進させるステップと、前記尿道及び前記カテーテルから前記ガイドワイヤを抜去するステップとを有する。
【0025】
第3の態様において、本発明は尿道狭窄拡張装置であり、この尿道狭窄拡張装置は、末端チップに向かってテーパを付けた末端部、基端部、および細長本体に貫通するガイドワイヤチャネルを持つ、該細長本体を有する拡張器と、前記ガイドワイヤチャネルに挿通し、挿入時に前記拡張器を案内するためのガイドワイヤと、前記ガイドワイヤチャネルにガイドワイヤ潤滑液を導入するための、前記細長本体の前記基端部に設けた潤滑ポートとを備える。
【0026】
拡張器の末端部には、前記末端チップへ向かって、3〜4cmの長さにわたってテーパを付けることができる。さらに、前記拡張器の前記末端部を、前記細長本体に対して角度を付けることができる。好ましくは、前記末端部を、前記細長本体に対して30°〜45°の角度を付けることができる。有利には、前記拡張器の寸法を、2−14French〜2−24Frenchの間における寸法とする。
【0027】
尿道狭窄の瘢痕組織を押し通すことができるように、前記拡張器は、概して弾性がありかつ生体適合性のある高分子材料から形成することができる。前記拡張器の前記テーパを付けた末端部は、前記細長本体の残りの部分とは異なる材料から形成することができる。例えば、前記テーパを付けた末端部は、前記細長本体の残りの部分と比較して、より大きな可撓性に、より少ない可撓性に、より滑り易い、滑り易さがより減少した材料から形成することができる。代替的にまたは付加的に、前記テーパを付けた末端部は、物理的性質が周囲の温度に従って変化する材料から形成することができる。例えば、この材料は、患者の体と接触する際に膨張する(膨れる)が、冷水と接触する際に収縮するものとすることができる。前記拡張器の挿入、抜去及び位置決めをより容易にするために、前記拡張器は、随意に、親水性の滑らかなポリマー(例えばポリ尿素、ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン尿素、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP))、またはカルボン酸、エステル類、ポリ(メタ)クリル酸の塩類及びアミド類で被覆することができ、被覆によって水性流体がある場合に滑りやすくなる。加えて、または、あるいは、リドカイン/アクアゲルまたはアクアゲル単体等の潤滑剤を尿道に導入することができる。感染症の発生を減らし、遅延させるために、前記拡張器を、抗感染性の材料(例えば銀合金または抗生物質)で被覆することもできる。
【0028】
第4の態様において、本発明は尿道狭窄拡張方法であり、この本発明は、末端チップに向かってテーパを付けた末端部、及び基端部を設けた、拡張器に貫通するガイドワイヤチャネルに配置する、末端チップおよび基端部を有するガイドワイヤを潤滑するステップと、前記ガイドワイヤの前記末端チップを尿道に挿入し、また前記ガイドワイヤを前記尿道に沿って膀胱まで案内操作するステップと、前記拡張器の前記末端チップが前記膀胱に配置されるまで、前記拡張器を前記ガイドワイヤ上で前進させるステップと、前記ガイドワイヤ及び前記拡張器を、前記膀胱から抜去するステップとを有する。
【0029】
第5の態様において、本発明は、前記ガイドワイヤの紛失を防止するために、ストッパを備えた、医療装置に使用されるガイドワイヤにある。好ましくは、ガイドワイヤの潤滑液をガイドワイヤに導入するために、前記ストッパは、シリンジを収容するよう構成する。
【0030】
有利には、本発明のカテーテル及び拡張器を、(例えば親水性高分子で被覆したコアワイヤを備える既知のガイドワイヤと一緒に使用することができる。
【0031】
第6の態様において、本発明は尿カテーテル処置キットであり、このキットは、i)装置であって、末端チップ、基端部、細長本体に貫通する排尿チャネル及び独立したガイドワイヤチャネルを設けた、該細長本体を有するカテーテルであって、前記排尿チャンネルは、前記細長本体の中心に沿って貫通し、前記ガイドワイヤチャネルは、前記細長本体の一方の側面に沿って前記排尿チャンネルと平行に延在する、カテーテル、前記カテーテルを挿入時に案内するため、前記ガイドワイヤチャネルに挿通するガイドワイヤ、及びガイドワイヤ潤滑液を、前記ガイドワイヤチャネルに導入するために、前記細長本体の前記基端部、または前記基端部近傍に設けた潤滑ポートであって、ガイドワイヤ潤滑液を、前記ガイドワイヤチャネルに導入するために前記ガイドワイヤチャネルと流体連通するサイドアームを持つ潤滑ポートを備える、装置と、ii)前記カテーテル及びガイドワイヤを、使用のために供給する無菌パッケージであって、前記パッケージは、開くことで、ガイドワイヤ潤滑液を前記潤滑ポートから注入して、前記ガイドワイヤチャネル内の前記ガイドワイヤ、及び前記カテーテルの前記末端チップから突出する前記ガイドワイヤの部分を潤滑するよう構成した、該無菌パッケージと、iii)前記カテーテル及びガイドワイヤを収容する前記無菌パッケージを、収容するための無菌の外部パッケージと、を備える尿カテーテル処置キットであり、前記無菌の外部パッケージは、付加的に少なくとも1個のシリンジを収容し、前記少なくとも1個のシリンジには予めガイドワイヤ潤滑液を充填する
【0032】
前記キットは、さらに、前記カテーテル及びガイドワイヤを収容する前記無菌パッケージを収容するための、無菌の外部パッケージをさらに備えることができ、前記外部パッケージは、付加的に少なくとも1個のシリンジを収容する。好ましくは、前記少なくとも1個のシリンジには予めガイドワイヤの潤滑液を充填する。
【0033】
第7の態様において、本発明は尿道狭窄拡張処置キットであり、このキットは、末端チップに向けてテーパを付けた末端部、基端部、細長本体に貫通するガイドワイヤチャネルを設けた、該細長本体を有する拡張器と、前記拡張器を挿入時に案内するための前記ガイドワイヤチャネルに挿通するガイドワイヤと、前記細長本体の前記基端部に位置し、ガイドワイヤ潤滑液を前記ガイドワイヤチャネルに導入するための潤滑ポートと、及び前記拡張器及びガイドワイヤを使用のために供給する無菌パッケージであって、前記無菌パッケージは、開くことで、ガイドワイヤ潤滑液を前記潤滑ポートから注入し、前記ガイドワイヤチャネル内の前記ガイドワイヤ、及び前記拡張器の前記末端チップから突出する前記ガイドワイヤの部分を潤滑するよう構成した、該無菌パッケージとを備える。
【0034】
尿道狭窄拡張処置キットは、さらに、前記拡張器及びガイドワイヤを含む前記無菌パッケージを収容するための無菌の外部パッケージを備えることができ、前記無菌の外部パッケージは、付加的にシリンジを収容する。好ましくは、前記シリンジに、ガイドワイヤ洗浄液を予め充填する。
【発明の効果】
【0035】
本発明はカテーテル法/拡張術の処置を簡素化し、カテーテル法/拡張術の処置の安全性を改善する利点を有する。ガイドワイヤをカテーテル/拡張器に統合することで、カテーテル/拡張器を尿道に配置することを容易にし、医療/臨床従事者または患者が使用する際に便利かつ安全な製品を提供する。
【0036】
ストッパによって、ガイドワイヤの基端部が、ガイドワイヤチャネルに沿って尿道または膀胱内に紛失してしまうことを防止できるので、本発明のガイドワイヤは特に有益である。さらに、ストッパが、潤滑液を充填したシリンジを収容することができる場合には、親水性ガイドワイヤがカテーテル/拡張器の内部にある間は、親水性ガイドワイヤを潤滑することができる。このことは、使用する準備ができていながら、装置の無菌状態を維持するのに役立ち、ユーザーがより準備をしやすくなる。また、装置が潤滑された時点で、内部パッケージ内にまだ留まっているという事実は、ガイドワイヤがその全長に沿って完全に潤滑されることを保証する。
【0037】
本発明の理解に役立つ多数の定義を行う。
【0038】
本明細書において使用される用語「カテーテル」は、体腔、導管もしくは血管から流体を排出する、または体内通路を拡張するのに用いる、中空のチューブを意味する。また、用語「カテーテル処置」は、体内にカテーテルを導入する作業を意味する。
【0039】
本明細書において使用される用語「拡張器」は、体腔、導管、血管、脈管または開口部を拡張または膨張するための器具を意味する。本明細書において使用される用語「拡張」は、拡張器を体内に導入する作業を意味する。
本発明をより容易に理解できるように、一例として、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1a】本発明による第1実施形態の尿カテーテル装置であり、排尿チャネル、バルーン膨張チャネル、及びガイドワイヤチャネルを有するガイドワイヤを挿通した状態で示す留置カテーテルの側面図である。
図1b】カテーテルのII−II線上の断面図である。
図1c】カテーテルのIII−III線上の断面図である。
図2】本発明のすべての実施形態で用いられる、ストッパを有するガイドワイヤの図であり、(a)はT字形状のストッパを有するガイドワイヤの斜視図、(b)は円筒状のストッパを有するガイドワイヤの斜視図、(c)は図2a及び図2bで示すストッパの端面図である。
図3】本発明による第2実施形態の尿カテーテル挿入処置装置の側面図である。
図4】本発明による第3実施態様の尿道狭窄拡張装置の側面図である。
図5】本発明の全ての実施形態における、装置の無菌パッケージの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の第1の実施形態は、図1に示される。装置は、可撓性細長シャフト12を有するカテーテル10を備える。細長シャフト12は、カテーテル10の末端チップ16から、カテーテル10の基端部18までカテーテル10の長さに沿って延在する排尿チャンネル14を画定する。カテーテル10の基端部18は、流体コレクタ(図示せず)に接続することができる。
【0042】
カテーテルの末端チップ16は、開放端で、斜めの角度を付けて形成する。末端チップ16の開放端は排尿孔20を画定し、排尿孔20は流体が排尿チャンネル14に入ることを可能にする。更なる2つの排尿孔22は、先端チップ16に隣接して配置し、各排尿孔22は、細長シャフト12における両側の側面に位置し、装置の排尿効率を増加させる。
【0043】
膨張可能バルーン24は、カテーテル10の末端チップ16に隣接して配置し、細長シャフト12を包囲する。通常は、バルーン24は10〜30mlの最大容積を持ち、球形状であるが、様々な形状を使用することができる。細長シャフト12の壁は膨張チャンネル26を収容する。膨張チャンネル26は、膨張可能バルーン24から、カテーテル10の基端部18に隣接して配置される、膨張チャンネルのサイドアーム28までカテーテル10の長さに沿って延在する。膨張チャンネル26は円筒状で、通常は0.1〜0.3mmの直径を持つ。膨張チャンネルのサイドアーム28は、二方向弁30を収容して、シリンジを受け入れることができる。バルーン24が十分に膨張するまで、空気、水または生理食塩水を充填するシリンジ(図示せず)を、膨張チャンネルのサイドアーム28に挿入し、シリンジの中身を、弁30を経て、膨張チャンネル26に沿って、膨張チャンネルのサイドアーム28に、注入することによって、膨張バルーン24は膨張する。収縮させる必要があるまで、弁30は膨張バルーン24の中身が膨張チャンネルのサイドアーム28から洩出するのを防止する。バルーン24を収縮させるためには、空のシリンジを膨張チャンネルのサイドアーム28に接続し、バルーン24の中身を吸入によって除去する。
【0044】
細長シャフト12の壁はガイドワイヤチャネル32を更に備え、ガイドワイヤチャネル32は、カテーテル10の末端チップ16から、カテーテル10に沿って、膨張チャネルのサイドアーム28側とはシャフトの反対側に配置する、カテーテル10の基端部18に隣接するガイドワイヤチャネルのサイドアーム34まで延在する。ガイドワイヤチャネル32は、長方形断面であるが、他の形状(例えば、楕円形、円形、正方形の断面)を用いることもでき、通常約1〜2mm×1mmの寸法を持つ。ガイドワイヤチャネル32および膨張チャンネル26はともに、排尿チャンネル14と平行に延び、排尿チャンネル14から独立している。ガイドワイヤ38を装置から取り外したとき、尿がガイドワイヤチャネル32に沿って、ガイドワイヤチャネル32の開口44から流出するのを防止するために、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34には、一方向弁36を設ける。ガイドワイヤチャネル32を閉鎖するのに、代わりの手段を使用することもできる。
【0045】
可撓性ガイドワイヤ38は、ガイドワイヤチャネル32内に配置し、カテーテル10を挿入時に適正位置に案内するのに役立つ。ガイドワイヤ38は通常、0.8〜0.9mmの直径、100cm〜180cmの長さであり、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34の基端部から、ガイドワイヤチャネル32の全長に沿って、カテーテル10の末端チップ16を越えて突出する。
【0046】
ガイドワイヤ38はコアワイヤ(通常はステンレス鋼、プラチナ、形状記憶合金(例えばニチノール)または他の金属で形成する)を備え、コアワイヤは、ガイドワイヤ38にある程度の剛性をもたらす。コアワイヤは、ガイドワイヤのほぼ全長にわたって延在し、末端チップ40の直前で終端し、また末端チップ40へ向かうにつれてテーパを付け、それによって、末端チップに向かうにつれて、ガイドワイヤ38の柔軟性を向上させることができる。コアワイヤが存在しない、可撓性の高い末端チップ40は、通常3〜9cmの長さである。末端チップ40の可撓性は、ガイドワイヤが体内に進入する際の、組織の損傷及び削ぎ取りのおそれを減らし、ユーザーが、安全かつ容易に、ガイドワイヤ38を操作して、尿路に沿って膀胱に向けて進行させることを可能にする。
【0047】
ガイドワイヤ38のコアワイヤは、親水性ポリマー(例えばポリ尿素、ポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン尿素、ポリグリコール、ポリビニルピロリドン(PVP))、またはカルボン酸、エステル類、ポリ(メタ)クリル酸の塩類及びアミド類で被覆される。親水性被覆は、水性流体(例えば水)がある場合には滑りやすくなって、ガイドワイヤ38の表面を潤滑にする。この表層の滑らかさは、ガイドワイヤ38が尿路を通過する際に、ガイドワイヤ38と体組織との間における摩擦を減らし、またカテーテル10がガイドワイヤ38上で通過する際に、ガイドワイヤ38とガイドワイヤチャネル32との間における摩擦を減らす。
【0048】
親水性被覆は、1つのポリマー、2つ以上の親水性ポリマーの混合/錯体化、ポリマーの相互に浸透し合った網目構造または1つ以上の化学反応した親水性ポリマーの被覆を有する構成とすることができる。
【0049】
ガイドワイヤ38の基端部42に配置するストッパ50は、ガイドワイヤ38が、ガイドワイヤチャネル32に沿って、カテーテル10の末端チップ16に向かう方向に入り込んで消失し、また尿道または膀胱内で遺失するのを防止する。
【0050】
図2a及び図2bは、2つの相違するストッパの、さらに詳細な構造を示す。図2aは、T字形状を有し、ストッパ50のボディ54及びヘッド56に貫通する中空コア52を備える、ストッパ50を示す。ストッパ50のヘッド56は、中空コア52を横切り、ストッパ50のヘッド56における両側の側方部分に埋設した、細い金属製のアンカー58を有する。ガイドワイヤ38の基端部42は、金属製のアンカー58に溶接し、それによって、ガイドワイヤ38をストッパ50にしっかりと連結する。
【0051】
ストッパ50のヘッド56は、シリンジ(図示せず)を収容でき、この場合、シリンジの先端をストッパ50の中空コア52に嵌合する。ガイドワイヤ38を潤滑するために、水性流体(例えば水)を充填したシリンジを、ストッパ50のヘッド56に挿入し、その流体をストッパ50に注入し、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34から、ガイドワイヤチャネル32に沿ってカテーテル10の末端チップ16に向かう。ストッパ50のヘッド56における金属製のアンカー58の狭い幅は、流体がストッパ50を通過する時に、流体がアンカー58を容易に越えて移動できることを意味する。
【0052】
ストッパ50のボディ54は、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34に適合できる大きさに設定し、一方、ストッパ50のヘッド56はガイドワイヤチャネル32の開口44より大きくし、ストッパ50がガイドワイヤチャネル32から、カテーテル10の末端チップ16の方へ通過することを防止するために、ストッパ50のヘッド56が開口44に当接する。ガイドワイヤ38の使用前及び使用中に、ガイドワイヤ38とカテーテル10をしっかりと連結するために、ガイドワイヤチャネル32の内面における互いに補完し合う雌ねじ部と螺合する、ストッパ50のボディ54の外面における雄ねじ山部によって、ストッパ50は、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34に、着脱自在に連結する。
【0053】
ストッパの代替的な形態を図2bに示す。この場合、ストッパ50は、シリンジの先端が嵌合する中空コア52を有するヘッド56のみを備える。上述したように、ストッパ50のヘッド56は、アンカー58によって、ガイドワイヤ38の基端部42に連結し、またストッパ50が、ガイドワイヤチャネル32から、カテーテル10の末端チップ16へ通過することを防止するために、ガイドワイヤチャネル32の開口44に当接する。図2aにおいて上述したように、ストッパ50とカテーテル10との確実な連結を可能にするために、ストッパ50のヘッド56は、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34と、着脱自在に結合することができる。図2cは、図2a及び図2bのストッパ50の端面図、及びストッパ50の中空52の幅を横切るアンカー58の構造を示す。
【0054】
使用にあたり、本発明の第1実施形態の装置は、図1に示すように、患者の尿路に挿入し、下記の方法で排尿するために、膀胱に留置する。
【0055】
まず、水で充填したシリンジを、ガイドワイヤ38の基端部42に配置したストッパ50に挿入し、ストッパ50にシリンジの中身を注入することによって、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34及びガイドワイヤチャネル32の全長に沿って、ガイドワイヤ38の全長が、潤滑される。水との接触により、ガイドワイヤ38の親水性被覆は、膨張し、滑りやすくなり、ガイドワイヤ38に表層の潤滑性をもたらす。表層の潤滑性は、ガイドワイヤ38が尿路を通過する際に、ガイドワイヤ38、ガイドワイヤチャネル32及び体組織の間における摩擦を減らす手助けする。ガイドワイヤ38が完全に潤滑された後、ガイドワイヤ38を患者の尿道に挿入する準備ができる。
【0056】
潤滑液を患者の尿道に導入し、つぎにガイドワイヤ38の先端40を尿道に挿入し、ガイドワイヤ38は尿道の経路に沿って膀胱の方へ案内される。ガイドワイヤの先端40の高い可撓性は、ガイドワイヤ38が尿路に沿って移動する際の、組織の損傷及び削ぎ取りのおそれを低減し、ユーザーが尿路のあらゆる閉塞を迂回する手助けをする。ガイドワイヤ38の全長を挿入することによって、ユーザーは、ガイドワイヤ38が膀胱に達したと確信することができる。ストッパ50の存在は、ガイドワイヤ38がガイドワイヤチャネル32に沿って、埋没消失してしまうことを妨げる。
【0057】
ガイドワイヤ38が膀胱に完全に挿入した後、カテーテル10はガイドワイヤ38上で前進させる準備ができる。カテーテル10の随意的な表面潤滑性と組み合わさったガイドワイヤ38の表面潤滑性は、カテーテル10がガイドワイヤ38上を摺動する際の、ガイドワイヤ38とガイドワイヤチャネル32との間における摩擦抵抗を減らす。ガイドワイヤ38はカテーテル10が移動する経路を規定し、ガイドワイヤ38はカテーテルの挿入を、より安全かつ信頼性をより高くし、それによって、患者への不快感を最小限にする。
【0058】
カテーテル10は完全に挿入した位置となるのは、カテーテル10の末端チップ16が膀胱に到達し、バルーン24が膀胱頚部を越えるときである。ユーザーは、カテーテル10の排尿チャンネル14からの尿の排出を観察することによって、カテーテル10の端部が膀胱に正しく配置されたか否かを、判断することができる。尿排出が観察されない場合、カテーテル10の末端チップ16がまだ尿道にあり、カテーテル10をガイドワイヤ38に沿って更に進める必要がある。尿排出を観察した後、ユーザーはカテーテル10が適正位置にあると確信でき、ガイドワイヤ38を膀胱およびカテーテル10から安全に抜去することができる。カテーテル10は、その後、カテーテル10の基端部18で流体コレクタ(図示せず)に接続する。
【0059】
カテーテル10を膀胱に留め置くために、水または生理食塩水で充填したシリンジを、膨張チャンネルのサイドアーム28に挿入し、バルーン24が満たされるまで、シリンジの中身を膨張チャンネルのサイドアーム28から、膨張チャンネル26に沿って注入することで、バルーン24が膨張する。外科的処置後に患者が再び排泄することができる、尿出の測定がもはや必要でなくなる、またはカテーテル10を交換する必要がある時まで、カテーテル10は同一場所に留め置く。カテーテル10を抜去するには、空のシリンジを膨張チャンネルのサイドアーム28に接続し、バルーン24から水または生理食塩水を吸引することによって、バルーン24を収縮させる。この後、カテーテル10を慎重に抜去する。
【0060】
カテーテル10を完全に挿入し、またガイドワイヤ38が抜去した後、ガイドワイヤチャネル32は、膀胱に無菌の洗浄液を流すために、随意に洗浄チャンネルとして用いることができる。この場合、洗浄流体コネクタ(図示せず)は、着脱可能な接続機構(例えばねじ嵌合、押し込み嵌合、スナップロック、ツイストロックまたはルアーロック)を用いて、ガイドワイヤチャネルのサイドアーム34に取り付ける。膀胱が適切に洗浄し、また凝血等を洗い出した後、洗浄流体コネクタを取り外す。
【0061】
本発明による第2実施形態を、図3に示す。この装置は、膀胱不全、または膀胱再生後のため、間欠式カテーテル法で膀胱を空にすることを必要とする患者を対象とする。装置を膀胱において留置する必要がないために、装置は膨張可能バルーンを持たないこと以外は、本発明の第1の実施形態と同じである。この場合、カテーテル10は患者の膀胱に挿入し、膀胱からの尿が完全に排出されたことが観察されるまでの間だけ、患者の膀胱に留め置く。
【0062】
本発明による第3の実施形態を図4に示す。この装置は、尿道狭窄部を広げるため、細長シャフト72を有する拡張器70を備える。細長シャフト72は、拡張器70の末端チップ76から、拡張器70の長さに沿って、拡張器70の基端部78まで延在するガイドワイヤチャネル74を画定する。ガイドワイヤチャネル74は、円筒状で、通常は0.8〜1.0mmの直径を有する。但し、ガイドワイヤチャネル74は、細長シャフト72の末端チップ76で、末端チップ76に向けてテーパを付ける。末端チップ76及びガイドワイヤチャネル74の基端部78は開放端部とし、また基端部78にハンドル80を設けて使い勝手をよくする。
【0063】
可撓性ガイドワイヤ38は、ガイドワイヤチャネル74内に配置し、拡張器70を挿入時に適正位置に案内するのに役立つ。本発明によるこの実施形態のガイドワイヤ38およびストッパ50は、本発明による第1または第2の実施形態において用いられるものと同一である。上述の実施形態のように、ガイドワイヤ38の基端部42に配置するストッパ50は、ガイドワイヤ38がガイドワイヤチャネル74に沿って、埋没消失するのを防止するが、本実施形態では、ガイドワイヤチャネルのサイドアームが存在しないために、ストッパ50は、ガイドワイヤチャネルのサイドアームの近端部ではなく、拡張器70の基端部78に相互作用する。
【0064】
拡張器70の寸法は、通常は2-14Frenchから2-24Frenchの間の直径と、30〜40cmの長さである。拡張器70の末端部77は、尿道の自然なカーブをたどる手助けするために、約30〜45°の角度で湾曲するが、まっすぐな先端を用いることもできる。さらに、直径が14French〜24Frenchの範囲である、細長シャフト72で最も幅の広い位置から、末端チップ76で直径が2Frenchとなるまで、約4cmの長さにわたって、末端部77にはテーパを付ける。拡張器70には、さらに、細長シャフト72の長さに沿って10cm毎に周方向マーク(図示せず)を設け、医療/臨床従事者が、尿道に挿入した拡張器70の長さを判断する上で支援できるようにする。末端チップ76のガイドワイヤ38の周囲における密接嵌合状態は、尿道組織が末端チップ76とガイドワイヤ38の間に引っかかることを防止するのに役立ち、それゆえに、組織にダメージを与える可能性を減少する。さらにまた、テーパを付けた末端部77および細い直径の末端チップ76は、拡張器の末端部77を、より幅広の残りの細長シャフトよりも、より撓み易くする。
【0065】
既知の拡張器と比較して、相対的に長くテーパを付けた、本発明による拡張器70の末端部77は、単独の拡張器の直径を大きく増加させることを可能とする。このことは、ユーザーが、それぞれわずかに直径を増加させた多数の拡張器(例えば、6/10F、8/12F、12/14F、14/18F等。ここで、第1の数字は先端の口径を示し、第2の数字は、シャフトの口径を示す。)を使用しなければならないのではなく、単一の拡張器を用いて、狭窄部を、要求される最大の幅に広げることを可能にする。ガイドワイヤ上で安全に1個の拡張器を使用することは、拡張処置の速度を上げて、尿道狭窄部を治療するために通常用いられる拡張器の数を減らし、したがって、生ずる廃棄材料の量を減らす。
【0066】
使用にあたり、図4に示すように、本発明の装置は、以下のようにして尿道狭窄を拡張するよう、患者の尿路に挿入する。
【0067】
まず、本発明による第1および第2の実施形態につき説明したように、ガイドワイヤ38の全長を潤滑し、完全に尿道に挿入する。ガイドワイヤ38における高い可撓性を持つ先端40は、ユーザーが尿道狭窄の内腔を見つけるのを補助する。ガイドワイヤ38が膀胱内まで前進した後、拡張器70を、ガイドワイヤ38上で前進させる準備ができる。拡張器70の挿入は、末端チップ76が膀胱に到達するまで行い、それによって狭窄が拡張器のシャフトの口径に拡張される。拡張器70およびガイドワイヤ38は、その後、尿道から抜去する。
【0068】
図5は、どのように本発明の装置を、使用準備ができている無菌の環境にしてパッケージするかを示す。このパッケージは本発明のあらゆる実施形態(すなわち留置カテーテル(図1)、間欠式カテーテル(図3)または拡張器(図4)に対して用いることができ、不可欠なガイドワイヤ38を有する。パッケージにより、便利かつ無菌な方法で、装置を、使用する準備ができている状態にできる。
【0069】
本発明の装置(図示せず)は、無菌の内部パッケージ90内に収納し、内部パッケージ90は通常、プラスチックから形成する。内部パッケージ90は頂面側と底面側(図示せず)を有し、製造を容易にするほぼ矩形形状であるが、他の形状も同様に適用できる。第1のミシン目92は内部パッケージ90の基端部94に位置し、内部パッケージ90の基端部94は、装置の基端部が位置する箇所である。第2のミシン目96は内部パッケージ90の末端部98に位置し、内部パッケージ90の末端部98は、装置の末端チップが位置する箇所である。第1および第2のミシン目はいずれも、内部パッケージ90の頂面の及び底面の全幅にわたって延在し、内部パッケージ90をこれらの位置で完全に破ることを可能にする。第3のミシン目100を、内部パッケージ90の上面に沿って、末端部98から、パッケージ90の中間点102近傍まで延在させる。
【0070】
内部パッケージ90は無菌の外部パッケージ104の内に収納し、外部パッケージ104は通常、プラスチックまたは紙で形成する。外部パッケージ104は、頂面側および底面側(図示せず)を有し、ほぼ矩形形状であり、外部パッケージ104の基端部に、剥離可能なコーナー106を備える。さらに、外部パッケージ104には、ガイドワイヤ38を潤滑するために、水で予め充填したシリンジ108を収納する。装置が不可欠なガイドワイヤ38を有する留置カテーテル10を備える場合、外部パッケージ104内には水で充填した2本のシリンジを収容し、1本はガイドワイヤを潤滑するため、他の1本はバルーンを膨張させるためのものである。あるいは、外部パッケージ104内のシリンジは空とし、装置を使用する準備ができた時に、ユーザーが充填することができる。
【0071】
本発明の装置は、以下の方法で、使用するための準備がなされる。まず、外部パッケージ104は、パッケージの基端部の、剥離可能コーナー106を引っ張ることによって開かれる。外部パッケージ104(装置を備える内部パッケージ90、及び水を充填した少なくとも1個のシリンジ108を含む)の内容物は、つぎに、無菌表面(例えばテーブルまたは外部パッケージの内部無菌側面)に移す。
【0072】
次に、内部パッケージ92の基端部92にある第1のミシン目を引き裂いて、装置の基端部を露出させる。この後、水で充填したシリンジ108を、装置のガイドワイヤ38の基端部に位置するストッパ50に挿入し、水がストッパ50を通じて注入し、ガイドワイヤ38を潤滑する。ガイドワイヤ38の全長が、内部パッケージ90の中で巻き上げられており、水に浸漬されるという事実によって、ガイドワイヤ38の全長が潤滑される。
【0073】
ガイドワイヤ38が完全に潤滑された後、内部パッケージ90の第2のミシン目96および第3のミシン目100を引き裂いて、装置の末端チップを露出させる。内部パッケージ90は、その後廃棄する、または、更にカテーテル/拡張器を保護するために、ガイドワイヤ38を挿入するまで、内部パッケージ90を所定位置にキープしておくこともできる。
【0074】
本明細書において本発明の特別な実施形態を詳細に説明したが、これは一例であり、例示のみを目的としてなされたものである。上述した実施形態は、添付の特許請求の範囲を限定することを意図したものではない。発明者は、特許請求の範囲に記載した本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な置換、改変及び変更できることを意図する。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5