(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本技術の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態の応札装置について
図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態の応札装置の構成を示す図である。
【0016】
応札装置1は、せり会場において、せり参加者からのせりの応札操作を受け付ける装置である。一般に、せり会場では、複数の応札装置1があり、各々の応札装置1がせりの進行を制御するせり制御装置と接続する。応札装置1は、応札操作を受け付けて、応札することをせり制御装置に通知する。せり制御装置は、応札装置1からの応札の通知を受けて、せりの進行を制御する。
【0017】
応札装置1は、第1認証部2と、第2認証部3と、応札受付部4と、応札許可部5を備える。第1認証部2は、せり参加者の生体情報について、第1の認証精度で生体認証をおこなう。生体情報は、生体から取得可能であって、個人を識別可能な情報である。生体情報には、たとえば、指紋、目の網膜や虹彩、顔、血管、DNA(Deoxyribo Nucleic Acid)などがある。血管を生体情報として利用する場合には、静脈パタンがあり、静脈パタンは、指先や手のひら、その他の部位から取得可能である。生体認証は、あらかじめ登録してある生体情報(登録テンプレート)と、認証時に取得する生体情報とを照合し、照合スコアと照合閾値との比較により照合の成否を判定する。認証精度は、生体認証に用いる照合閾値により調整可能である。たとえば、高い照合スコアにより本人らしいとされる場合、照合閾値を大きくすることで、FAR(False Acceptance Rate:他人受入率)を小さくすることができる。ただし、照合閾値を大きくすることで、FRR(False Rejection Rate:本人拒否率)が大きくなることがある。
【0018】
応札受付部4は、せり参加者が第1認証部2により認証された場合に、せり参加者による応札操作を受付可能とする。応札操作を受付可能な状態とは、たとえば、せり参加者の応札装置1へのログインなど、せり参加者が応札装置1を使用可能となる状態をいう。応札操作は、せり参加者が操作可能なスイッチなどの入力装置から入力することができる。これにより、せり主催者は、せり主催者が妥当とする認証精度でせり参加者をせりに参加させることができる。
【0019】
第2認証部3は、せり参加者の生体情報について、第1の認証精度と異なる第2の認証精度で生体認証をおこなう。応札許可部5は、せり参加者が第2の認証精度で認証された場合に、応札操作の受付を許可する。すなわち、応札許可部5が応札操作の受付を許可することにより、応札装置1は、せり参加者による応札をせり制御装置に通知することが可能になる。
【0020】
このようにして、応札装置1は、応札許可部5による許可を応札操作に求め、許可のない応札操作を排除可能にする。これにより、応札装置1は、せり参加者による応札装置1の公正な使用を担保する。
【0021】
また、応札装置1は、第2の認証精度を第1の認証精度より低くすることで、応札中の本人確認と、せりの淀みない進行とを両立可能にする。また、応札装置1は、第2の認証精度を第1の認証精度より高くしてもよく、高額な応札など、せりの確定後により厳格な本人確認が求められる場合に、事後手続きを容易にすることができる。これにより、応札装置1は、第2の認証精度を必要に応じた精度に設定することで、応札機会の喪失の低減や、事後手続きの容易化を図ることができる。
【0022】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態のせりシステムについて、
図2を用いて説明する。
図2は、第2の実施形態のせりシステムの機器構成例を示す図である。
【0023】
せりシステム10は、せり取引を実行可能なシステムの一例である。せりシステム10が扱うせり取引は、取引対象物を中古車として例示すると、一般に次のように進行する。せり取引の開始までに、中古車の仕様、外観などの取引対象の情報、中古車の落札希望価格、せり取引開始時の受付価格などが登録される。せり取引が開始されると、中古車の受付価格が示され、応札者は、受付価格を参照して応札をおこなう。ここで、受付価格とは、応札者が応札する際の基準の価格であり、現在の最高応札価格よりも高額に設定され、応札状況や所定の時間経過にしたがって所定の幅で上昇する。出品者の落札希望価格を超えて、最高応札価格で応札した応札者は、当該中古車を落札することができ、最高応札価格が販売店の落札希望価格を超えなければ、当該取引は流れとなる。
【0024】
せりシステム10は、せり制御装置13,14と、複数の購買店操作端末20と、これらを通信可能に接続するネットワーク19を含んで構成する。せりシステム10は、さらに、せり人・調整人操作端末15と、表示制御装置16と、連携装置17と、をネットワーク19に接続する。せりシステム10は、さらに、業務サーバ11と、映像サーバ12と、ネットワーク18を備え、せり制御装置13,14と通信可能に接続する。
【0025】
せり制御装置13,14は、せり取引の進行を統括的に制御する。せり制御装置13は、現用系の制御装置であり、せり制御装置14は、待機系の制御装置であり、せり制御装置13の故障時にせり制御装置14が速やかにせり取引の制御を引継可能にしている。
【0026】
購買店操作端末20は、せり参加者が応札をおこなうための応札操作の入力装置である。また、購買店操作端末20は、せりの取引対象物についての情報や、取引対象物の受付価格など、せりの進行に関する情報を表示する情報表示装置である。購買店操作端末20は、せり参加者にログイン認証を求め、認証を経たせり参加者が使用可能とされる。
【0027】
せり人・調整人操作端末15は、せり人(主催者)がせり取引の進行を制御するための操作端末である。せり人・調整人操作端末15は、応札の有無や、応札者数など、せりの進行に関する所要の情報を表示し、せり上げる値幅や、応札時間、落札や、流れの判断など、せりの進行に関する所要の情報の入力を受け付ける。表示制御装置16は、せり会場内でせり状況や取引対象物を表示する大型モニタの表示制御をおこなう。連携装置は、リアルタイムでの会場外応札システムなど、他のシステムとの連携をおこなう。
【0028】
ネットワーク19は、せり制御装置13,14と各端末装置(購買店操作端末20、せり人・調整人操作端末15、表示制御装置16、連携装置17)との接続を2以上の経路で2重化した冗長構成を有する。たとえば、ネットワーク19は、せり会場におけるLAN(Local Area Network)として構築される。
【0029】
業務サーバ11は、せり会場におけるせり取引のバックグラウンド業務を担う。映像サーバ12は、取引対象物の映像、あるいはその他の映像を管理する。たとえば、ネットワーク18は、公衆回線や専用回線を用いて構築される。
【0030】
次に、第2の実施形態の購買店操作端末20の外観について、
図3を用いて説明する。
図3は、第2の実施形態の購買店操作端末の外観を示す図である。
せり会場は、大型モニタを正面に臨むようにして、せり参加者の応札席が設けられる。各応札席は、購買店操作端末20を机上に備え、せり参加者毎に購買店操作端末20が割り当てられる。
【0031】
購買店操作端末20は、モニタ21と、タッチパネル22と、応札スイッチ23,24と、ホルダ25と、テンキー26と、IC(Integrated Circuit)カードリーダ27を備える。
【0032】
モニタ21は、所要の情報を表示する。タッチパネル22は、モニタ21が表示する内容に応じたタッチ操作を入力する。テンキー26は、タッチパネル22では容易でない数字入力等をおこなうための補助入力装置である。ICカードリーダ27は、ICカードが備える記憶領域の読み書きをおこなう。ICカードは、せりに参加する資格を有する会員に発行され、会員(個人あるいは、法人や団体)を特定するための識別情報を有する。
【0033】
応札スイッチ23,24は、応札操作を入力するスイッチである。応札スイッチ23,24は、モニタ21の左右両側に備えられるホルダ25により保持され、ホルダ25から外してカールコードを引き延ばして使用可能になっている。購買店操作端末20は、応札スイッチ23,24により、2つのせり取引が同時進行する場合に、各々のせり取引について応札操作可能にしている。
【0034】
応札スイッチ23,24は、操作ボタン28と、グリップ29と、ボタンガード32を備える。せり参加者は、グリップ29を片手で把持したときに、操作ボタン28を親指により押下操作可能になっている。ボタンガード32は、起立壁により、操作ボタン28の周囲を囲い、操作ボタン28の意図せぬ押下操作を防止する。ボタンガード32の起立壁は、親指が操作ボタン28に臨めるように、一部を切欠いている。
【0035】
応札スイッチ23,24のうち、応札スイッチ23は、さらに、グリップ29に静脈センサ30を備え、グリップ29を把持したせり参加者の手のひらから静脈パタンを取得可能になっている。静脈センサ30は、ボタンガード32の切欠き部に対して所定位置にある。これにより、応札スイッチ23は、応札スイッチ23の握り直しがあっても、親指による操作ボタン28を押下操作可能な状態で参加者の手のひらの位置が一定になるようにしている。
【0036】
次に、第2の実施形態の購買店操作端末20のハードウェア構成について、
図4を用いて説明する。
図4は、第2の実施形態の購買店操作端末のハードウェア構成例を示す図である。
【0037】
購買店操作端末20は、処理装置31、モニタ21、タッチパネル22、テンキー26、応札スイッチ23,24、ICカードリーダ27を備える。
処理装置31は、1つ、または2つ以上のCPU(Central Processing Unit)31aによって装置全体が制御されている。CPU31aには、バス31gを介してRAM(Random Access Memory)31b、HDD(Hard Disk Drive)31c、通信インタフェース31d、グラフィック処理装置31e、および入出力インタフェース31fが接続されている。
【0038】
RAM31bには、CPU31aに実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM31bには、CPU31aによる処理に必要な各種データが格納される。HDD31cには、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0039】
グラフィック処理装置31eには、モニタ21が接続されている。グラフィック処理装置31eは、CPU31aからの命令にしたがって、画像をモニタ21に表示させる。
入出力インタフェース31fには、タッチパネル22、テンキー26、応札スイッチ23,24、ICカードリーダ27が接続されている。また、入出力インタフェース31fは、可搬型記録媒体80への情報の書込み、および可搬型記録媒体80への情報の読出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース31fは、タッチパネル22、テンキー26、応札スイッチ23,24、ICカードリーダ27、可搬型記録媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス31gを介してCPU31aに送信する。
【0040】
通信インタフェース31dは、ネットワーク19に接続されている。通信インタフェース31dは、せり制御装置13、またはせり制御装置14との間でデータの送受信をおこなう。
【0041】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
なお、処理装置31は、それぞれFPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processer)などからなるモジュールを含んで構成することもでき、CPU31aを有しない構成とすることもできる。その場合、処理装置31は、それぞれ不揮発性メモリ(たとえば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、フラッシュメモリ型メモリカードなど)を備え、モジュールのファームウェアを記憶する。不揮発性メモリは、可搬型記録媒体80、あるいは通信インタフェース31dを介してファームウェアを書き込むことができる。このように処理装置31は、不揮発性メモリに記憶されているファームウェアを書き換えることにより、ファームウェアの更新をすることもできる。
【0042】
次に、第2の実施形態のせりシステム10が含む機能について、
図5を用いて説明する。
図5は、第2の実施形態のせりシステムの構成を示す図である。
購買店操作端末20は、第1認証部39と、応札制御部40と、応札受付部41と、第2認証部42と、応札許可部43と、認証精度取得部44と、せり進行情報取得部45と、せり状況表示部46と、通信部47を備える。
【0043】
第1認証部39は、せり参加者のログイン認証をおこなう。第1認証部39は、ICカードリーダ27を介してICカード33が記憶する登録テンプレート34と、応札スイッチ23から取得する生体情報とを照合して認証をおこなう。このとき、第1認証部39は、認証精度情報50からログイン認証用の照合閾値を取得して、照合をおこなう。具体的には、第1認証部39は、認証精度情報50として記録される認証精度テーブル100(
図10参照)からログイン認証用の照合閾値を取得して、照合をおこなう。
【0044】
応札スイッチ23は、応札操作検出部35と、発光部36と、反射光検出部37を備える。応札スイッチ23は、発光部36が被写体となる生体(手のひら)に近赤外線を照射し、反射光検出部37が反射光を撮像して生体情報を得る。静脈に流れる赤血球の中のヘモグロビンは、酸素を失っていることから、このヘモグロビン(還元ヘモグロビン)は、700ナノメートル〜1000ナノメートル付近の近赤外線を吸収する性質がある。そのため、手のひらに近赤外線を当てると、静脈がある部分だけ反射が少なく、静脈の位置は、近赤外線の反射光の強弱により認識可能となる。静脈画像は、特定の光源を用いることにより特徴的な情報の抽出が容易になる。
【0045】
応札制御部40は、せりの進行にもとづいて、購買店操作端末20の応札を統括的に制御する。応札受付部41は、せり参加者が第1認証部39の認証を得ている場合に、応札スイッチ23が備える応札操作検出部35が検出した応札操作を、応札スイッチ23より受け付ける。
【0046】
第2認証部42は、せり参加者のログイン中に所定タイミングで認証をおこなう。第2認証部42は、ICカードリーダ27を介してICカード33が記憶する登録テンプレート34と、応札スイッチ23から取得する生体情報とを照合して認証をおこなう。このとき、第2認証部42は、認証精度情報50(認証精度テーブル100)からログイン中認証用の照合閾値を取得して、照合をおこなう。
【0047】
応札許可部43は、せり参加者が第2認証部42の認証を得ている場合に、応札受付部41が受け付けた応札操作を有効な応札操作とする。
認証精度取得部44は、第2認証部42が認証精度情報50(認証精度テーブル100)から取得するログイン中認証用の照合閾値を指定する。せり進行情報取得部45は、せり制御装置13からせり進行情報53を取得する。認証精度取得部44は、せり進行情報取得部45が取得したせり進行情報53にもとづいてログイン中認証用の照合閾値を指定する。せり進行情報53は、せりの進行に関する情報であり、たとえば、応札者数、応札金額、せり上がり時の値幅、せりの残り時間などがある。ログイン中認証用の照合閾値は、せり進行情報53にもとづいて閾値が変更可能になっている。そのため、ログイン中認証の認証精度は、閾値の変更にともない変更可能になっている。
【0048】
第1認証部39がおこなうログイン認証は、認証時間に余裕があるため、生体情報取得のリトライをおこなうことができ、厳格な認証精度で認証をおこなうことができる。一方、第2認証部42がおこなうログイン中認証は、進行するせりに対応するため認証時間に十分な余裕を持てない場合がある。そのため、第2認証部42は、第1認証部39の認証精度とは異なる認証精度で、せりの進行に対応した柔軟な認証をおこなう。
【0049】
せり状況表示部46は、せり参加者がせりの状況を把握可能な情報をモニタ21に表示する。通信部47は、せり制御装置13との間で通信をおこなう。なお、せり制御装置14が現用系であるとき、通信部47は、せり制御装置14との間で通信をおこなう。
【0050】
せり制御装置13は、せり制御部48と通信部49を備える。せり制御部48は、せりの進行を統括的に制御する。せり制御部48は、せり参加者(会員)の情報を会員情報51として管理する。せり制御部48は、せりに関する情報(中古車の仕様、外観などの取引対象の情報、中古車の落札希望価格、せり取引開始時の受付価格など)をせり情報52として管理する。せり制御部48は、せりの進行に関する情報をせり進行情報53として管理する。通信部49は、購買店操作端末20、およびその他の装置(せり人・調整人操作端末15他)との間で通信をおこなう。
【0051】
次に、購買店操作端末20のゼネラルフローについて
図6から
図8を用いて説明する。
図6は、第2の実施形態の購買店操作端末におけるゼネラルフローチャートである。
図7、
図8は、第2の実施形態の購買店操作端末における表示出力の一例を示す図である。購買店操作端末20は、たとえば、せり制御装置13からの起動指示にもとづいて起動する。
【0052】
[ステップS11]応札制御部40は、ICカード33の受付を監視する。応札制御部40は、ICカード33を受け付けた場合に、ステップS12にすすみ、ICカード33の受付がない場合には、ICカード33の受付を待ち受ける。
【0053】
[ステップS12]応札制御部40は、第1認証部39に初期認証処理の実行を指示する。初期認証処理は、第1認証部39が実行するせり参加者のログイン認証処理である。このとき、購買店操作端末20は、本人確認をおこなう旨の案内表示(
図7(A))と、認証の進行を文字やグラフで案内する進行表示(認証中(
図7(B))、認証完了(
図7(C)))をおこなう。初期認証処理の詳細は、
図9を用いて後で説明する。
【0054】
[ステップS13]応札制御部40は、初期認証処理にもとづく認証の成否を判定する。応札制御部40は、認証が成功であれば、ステップS14にすすみ、認証が失敗であれば、ステップS11にすすむ。
【0055】
[ステップS14]応札制御部40は、せり参加者からの操作指示を待ち受ける。このとき、購買店操作端末20は、選択可能な操作メニューの案内表示(
図8(A))をおこなう。なお、購買店操作端末20は、初期認証を経たせり参加者について、所要のタイミングで中間認証をおこなう。中間認証をおこなう中間認証処理は、第2認証部42によりバックグラウンドで実行される処理である。
【0056】
[ステップS15]応札制御部40は、選択された操作メニューが「せり開始」であるか否かを判定する。応札制御部40は、選択された操作メニューが「せり開始」である場合に、ステップS16にすすみ、「せり開始」でない場合に、ステップS17にすすむ。
【0057】
[ステップS16]応札制御部40は、せり応札処理を実行する。このとき、購買店操作端末20は、せりの状況を把握可能な情報の表示と、中間認証がなされていることを示す識別情報の表示、中間認証が有効な残余時間を示すグラフが表示される(
図8(B))。せり応札処理の詳細は、
図12を用いて後で説明する。
【0058】
[ステップS17]応札制御部40は、その他処理を実行する。その他処理は、たとえば、
図8(A)に示す操作メニューにある「車両検索」や「購入品照会」をおこなう処理である。このとき、購買店操作端末20は、「車両検索」や「購入品照会」に対応した表示と、中間認証がなされていることを示す識別情報の表示、中間認証が有効な残余時間を示すグラフが表示される(
図8(C))。
【0059】
[ステップS18]応札制御部40は、せり参加者がログアウトしたか否かを判定する。応札制御部40は、せり参加者がログアウトした場合、ステップS19にすすみ、ログアウトしていない場合、ステップS14にすすむ。
【0060】
[ステップS19]応札制御部40は、すべてのせりが終了したか否かを判定する。応札制御部40は、すべてのせりが終了していない場合にステップS11にすすみ、すべてのせりが終了した場合に処理を終了する。
【0061】
次に、せり参加者のログイン認証をおこなう初期認証処理について
図9、
図10を用いて説明する。
図9は、第2の実施形態の購買店操作端末とせり制御装置が実行する初期認証処理のシーケンス図である。
図10は、第2の実施形態の認証精度テーブルの一例を示す図である。初期認証処理は、
図6に示すゼネラルフローのステップS12で実行される。
【0062】
まず、購買店操作端末20が初期認証処理を開始する。
[ステップS21]第1認証部39(購買店操作端末20)は、応札スイッチ23から生体情報(手のひらの静脈パタン)を取得する。
【0063】
[ステップS22]第1認証部39は、ICカード33から登録テンプレート(手のひらの静脈パタン)34を取得する。登録テンプレート34は、せり参加者が事前に登録した生体情報である。登録テンプレート34は、会員登録時や更新時に登録した生体情報であってもよいし、せりの当日に受付等で登録したものであってもよい。
【0064】
[ステップS23]第1認証部39は、認証精度取得部44を介して、照合閾値を取得する。認証精度取得部44は、認証精度テーブル100を参照して、初期認証時の照合閾値を取得する。たとえば、第1認証部39は、認証精度取得部44を介して、初期認証における照合閾値として「100」を取得する。
【0065】
[ステップS24]第1認証部39は、応札スイッチ23から取得した生体情報と、登録テンプレート34とを照合し、照合スコアを算出する。第1認証部39は、照合閾値と算出した照合スコアとを比較して照合の成否を判定する。第1認証部39は、照合スコアが照合閾値以上であれば、照合OK(照合成功)として、応札受付部41による応札操作の受付を可能として、ステップS25にすすむ。一方、第1認証部39は、照合スコアが照合閾値に満たなければ、照合NG(照合失敗)として、ステップS26にすすむ。
【0066】
[ステップS25]第1認証部39は、認証したせり参加人の会員情報(たとえば、ICカード33に記録されている会員番号)をせり制御装置13に通知する。
[ステップS26]第1認証部39は、モニタ21への表示や音声などにより、認証対象者に認証結果を報知して、初期認証処理を終了する。
【0067】
一方、せり制御装置13は、購買店操作端末20からの会員情報の通知を取得可能にして、ステップS21の実行までに初期認証処理を開始する。
[ステップS31]せり制御部48(せり制御装置13)は、購買店操作端末20からの通知により、会員情報を取得する。
【0068】
[ステップS32]せり制御部48は、会員情報からログイン認証を受けた会員を特定し、会員情報を通知してきた購買店操作端末20において、会員情報から特定される会員が利用状態にあることを、会員情報51に登録する。
【0069】
このようにして、せりシステム10は、会員の認証と、利用登録とをおこない、購買店操作端末20の公正な使用を図る。
次に、せり参加者のログイン中の認証をおこなう中間認証処理について、
図10、
図11を用いて説明する。
図11は、第2の実施形態の購買店操作端末が実行する中間認証処理のフローチャートである。中間認証処理は、
図6に示すゼネラルフローのステップS13の認証成功の判断以降に、第2認証部42により応札制御部40のバックグラウンドで実行される。
【0070】
[ステップS41]第2認証部42は、応札受付部41を介して、応札スイッチ23から生体情報を取得する。
[ステップS42]第2認証部42は、ICカード33から登録テンプレート34を取得する。
【0071】
[ステップS43]認証精度取得部44は、せり進行情報取得部45を介してせり進行情報を取得する。
[ステップS44]認証精度取得部44は、認証精度テーブル100を参照して、取得したせり進行情報に対応する中間認証時の照合閾値を取得する。第2認証部42は、認証精度取得部44を介して、照合閾値を取得する。
【0072】
認証精度テーブル100(
図10)は、認証種別と、購買店操作端末使用率と、照合閾値と、有効時間(分)を対応付けている。認証種別は、「初期認証」と「中間認証」とがある。購買店操作端末使用率は、せり会場にある複数台ある購買店操作端末20の使用率である。照合閾値は、照合スコアと比較による照合の成否に用いる。有効時間(分)は、照合の成功時の有効時間である。
【0073】
たとえば、せり会場にある100台の購買店操作端末20のうち、50台の購買店操作端末20が使用中であれば、購買店操作端末使用率は、「70%以下」となる。購買店操作端末使用率は、せり進行情報の一例であり、購買店操作端末使用率に代えて、せり上げる値幅や、応札時間、応札者数などであってもよい。
【0074】
第2認証部42は、購買店操作端末使用率「70%以下」であれば、照合閾値「95」を取得し、購買店操作端末使用率「95%超」であれば、照合閾値「75」を取得する。
[ステップS45]第2認証部42は、応札スイッチ23から取得した生体情報と、登録テンプレート34とを照合し、照合スコアを算出する。
【0075】
[ステップS46]第2認証部42は、照合閾値と算出した照合スコアとを比較して照合の成否を判定する。第2認証部42は、照合スコアが照合閾値以上であれば、照合OK(照合成功)としてステップS47にすすみ、照合スコアが照合閾値に満たなければ、照合NG(照合失敗)として、ステップS49にすすむ。
【0076】
[ステップS47]第2認証部42は、認証精度取得部44を介して、中間認証の有効時間を取得する。
[ステップS48]応札許可部43は、第2認証部42による中間認証の成功により、有効時間だけ応札を許可する。すなわち、応札許可部43は、応札受付部41が受け付けた応札操作を有効なものとする。
【0077】
[ステップS49]応札許可部43は、第2認証部42による中間認証の失敗により、応札を不許可とする。すなわち、応札許可部43は、応札受付部41が受け付けた応札操作を無効なものとする。
【0078】
[ステップS50]第2認証部42は、モニタ21への表示や音声などにより、認証対象者に認証結果を報知して、中間認証処理を終了する。
このように、第2認証部42は、せりの進行状態に応じて、照合閾値を変更し得る。また、第2認証部42は、第1認証部39による認証を経たせり参加者を認証対象とするため、初期認証における照合閾値「100」に比較して、認証精度の低い照合閾値「95」、「90」、…、「75」を照合に用いる。
【0079】
なお、第2認証部42は、ステップS46において1度の照合で照合の成否を判定したが、照合NGの場合には、所定回数を上限に再照合をおこなうようにしてもよい。たとえば、第2認証部42は、ステップS46において照合NGの場合に再度ステップS41に戻り、応札スイッチ23からの生体情報の再取得と再照合を、閾値として設定した回数を上限におこなうことができる。
【0080】
これにより、第2認証部42は、せりの進行中にあるせり参加者を、厳格に過ぎる照合閾値で排除してしまうことを防止する。せりシステム10は、購買店操作端末20の公正な使用を担保しつつ、せり参加者の認証失敗による応札機会の喪失を低減可能とする。
【0081】
次に、せりの応札をおこなうせり応札処理について
図12を用いて説明する。
図12は、第2の実施形態の購買店操作端末が実行するせり応札処理のフローチャートである。せり応札処理は、
図6に示すゼネラルフローのステップS16で実行される。
【0082】
[ステップS51]応札制御部40は、応札対象とするせり取引を一意に特定可能なせり番号を取得する。せり会場におけるせりの1開催で複数のせり取引があり、応札は、個々のせり取引を特定しておこなう必要がある。
【0083】
[ステップS52]応札制御部40は、せり番号から特定されるせり取引に関するせり情報52を、せり制御装置13から取得する。
[ステップS53]応札制御部40は、応札許可部43による応札許可があるか否かを判定する。応札制御部40は、応札許可があればステップS54にすすみ、応札許可がなければステップS57にすすむ。
【0084】
[ステップS54]応札制御部40は、応札スイッチ23から応札操作があったか否かを判定する。応札制御部40は、応札操作があればステップS55にすすみ、応札操作がなければステップS57にすすむ。
【0085】
[ステップS55]応札制御部40は、応札する旨をせり制御装置13に通知する。せり制御装置13は、通知された応札にしたがい、せりの進行を制御する。すなわち、せり制御装置13は、他にも応札者がいれば、所定の値幅でせり上げをおこない、他に応札者がいなければ、希望落札価格を超えていることを条件に応札中の価格でせりを確定する。せり制御装置13は、せりの進行にもとづいた応札応答を、応札を通知してきた購買店操作端末20に通知する。
【0086】
[ステップS56]応札制御部40は、せり制御装置13からの応札応答を取得する。
[ステップS57]応札制御部40は、取得した応札応答が、せりの確定であれば、ステップS58にすすみ、せりの確定でなければ、ステップS52にすすむ。
【0087】
[ステップS58]応札制御部40は、落札結果を確定させる確定処理を実行する。
[ステップS59]応札制御部40は、せり参加人がせりの応札を終了するか、継続するかを確認する。応札制御部40は、せり参加人がせりの応札を継続するとした場合、ステップS51にすすみ、終了するとした場合、せり応札処理を終了する。
【0088】
このように、せりシステム10は、購買店操作端末20において初期認証及び中間認証をおこなうので、せり制御装置13の処理負担を過大にすることなく、購買店操作端末20の公正な使用を担保することができる。また、購買店操作端末20は、せり参加者の認証失敗による応札機会の喪失を低減可能とする。
【0089】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態のせりシステムが含む機能について、
図13から
図15を用いて説明する。
図13は、第3の実施形態のせりシステムの構成を示す図である。
図14は、第3の実施形態の会員情報テーブルの一例を示す図である。
図15は、第3の実施形態の認証精度テーブルの一例を示す図である。第3の実施形態のせりシステム10aは、せり参加人の認証を、第2の実施形態のせりシステム10が購買店操作端末20で実行していたところ、せり制御装置13aで実行する点で異なる。以下の説明において、第2の実施形態と同様の構成、あるいは処理については、符番を同一にして、説明を簡潔に記載、または省略する。
【0090】
購買店操作端末20aは、応札制御部54と、応札受付部41と、せり状況表示部46と、通信部47を備える。
応札制御部54は、せりの進行にもとづいて、購買店操作端末20の応札を統括的に制御する。応札受付部41は、せり参加者が第1認証部39の認証を得ている場合に、応札スイッチ23が備える応札操作検出部35が検出した応札操作を、応札スイッチ23より受け付ける。せり状況表示部46は、せり参加者がせりの状況を把握可能な情報をモニタ21に表示する。通信部47は、せり制御装置13aとの間で通信をおこなう。
【0091】
せり制御装置13aは、第1認証部55と、第2認証部56と、認証精度取得部57と、せり進行情報取得部58と、応札許可部59と、せり制御部60と、通信部49を備える。
【0092】
第1認証部55は、せり参加者のログイン認証をおこなう。第1認証部55は、会員情報51aに登録してある登録テンプレートと、応札スイッチ23から取得し、購買店操作端末20aを介して通知された生体情報とを照合して認証をおこなう。このとき、第1認証部55は、認証精度情報50からログイン認証用の照合閾値を取得して、照合をおこなう。具体的には、第1認証部55は、認証精度情報50として記録される認証精度テーブル120からログイン認証用の照合閾値を取得して、照合をおこなう。このとき、第1認証部55は、購買店操作端末20aを介して会員番号を取得する。第1認証部55は、会員情報テーブル110を参照して、会員情報により特定される登録テンプレートを照合対象として、1:1照合をおこなう。なお、第1認証部55は、会員情報テーブル110に登録されている、すべての登録テンプレートを照合対象とする1:N照合をおこなうものであってもよい。
【0093】
なお、会員情報テーブル110は、会員(せり参加人)の情報を登録したテーブルデータである。会員情報テーブル110は、登録順と、会員番号と、登録年月日と、会員名と、会社名と、登録テンプレート(生体認証情報)とを記録する。登録順は、会員登録の順番である。会員番号は、会員を一意に特定可能な識別情報である。登録年月日は、会員の登録日である。会員名、会社名は、会員に属する情報であり、会員に属する情報として、住所や年齢など、その他の情報を登録するものであってもよい。登録テンプレートは、せり参加者が事前に登録した生体情報である。登録テンプレート34は、会員登録時や更新時に登録した生体情報であってもよいし、せりの当日に受付等で登録したものであってもよい。
【0094】
第2認証部56は、せり参加者のログイン中に所定タイミングで認証をおこなう。第2認証部56は、第1認証部55が照合に用いた登録テンプレートと、応札スイッチ23から取得する生体情報とを照合して認証をおこなう。このとき、第2認証部56は、認証精度情報50(認証精度テーブル120)からログイン中認証用の照合閾値を取得して、照合をおこなう。
【0095】
認証精度取得部57は、第2認証部56が認証精度情報50(認証精度テーブル120)から取得するログイン中認証用の照合閾値を指定する。せり進行情報取得部58は、せり進行情報53を取得する。認証精度取得部57は、せり進行情報取得部58が取得したせり進行情報53にもとづいてログイン中認証用の照合閾値を指定する。ログイン中認証用の照合閾値は、せり進行情報53にもとづいて閾値が変更可能になっている。そのため、ログイン中認証の認証精度は、閾値の変更にともない変更可能になっている。
【0096】
応札許可部59は、せり参加者が第2認証部56の認証を得ている場合に、応札受付部41が受け付けた応札操作を有効な応札操作とする。
第1認証部55がおこなうログイン認証は、認証時間に余裕があるため、生体情報取得のリトライをおこなうことができ、厳格な認証精度で認証をおこなうことができる。一方、第2認証部56がおこなうログイン中認証は、進行するせりに対応するため認証時間に十分な余裕を持てない場合がある。そのため、第2認証部56は、第1認証部55の認証精度とは異なる認証精度で、せりの進行に対応した柔軟な認証をおこなう。
【0097】
せり制御部60は、せりの進行を統括的に制御する。せり制御部60は、せり参加者(会員)の情報を会員情報51aとして管理する。せり制御部60は、せりに関する情報をせり情報52として管理する。せり制御部60は、せりの進行に関する情報をせり進行情報53として管理する。通信部49は、購買店操作端末20、およびその他の装置(せり人・調整人操作端末15他)との間で通信をおこなう。
【0098】
次に、せり参加者のログイン認証をおこなう初期認証処理について
図16を用いて説明する。
図16は、第3の実施形態の購買店操作端末とせり制御装置が実行する初期認証処理のシーケンス図である。第3の実施形態の初期認証処理は、第2の実施形態の初期認証処理と同様に、
図6に示すゼネラルフローのステップS12で実行される。
【0099】
まず、購買店操作端末20aが初期認証処理を開始する。
[ステップS61]応札制御部54(購買店操作端末20a)は、会員情報を取得し、せり制御装置13aに通知する。応札制御部54は、タッチパネル22によるタッチ入力により会員情報を取得することができる。なお、応札制御部54は、テンキー26によるキー入力、あるいはICカードリーダ27によるICカード33からの読出しなど、その他の入力方法により会員情報を取得するようにしてもよい。なお、第1認証部55が1:N照合をおこなう場合、応札制御部54は、会員情報の入力を省略可能である。
【0100】
[ステップS62]応札制御部54は、応札スイッチ23から生体情報(手のひらの静脈パタン)を取得する。
[ステップS63]応札制御部54は、生体情報を取得し、せり制御装置13aに通知する。
【0101】
[ステップS64]応札制御部54は、せり制御装置13aから、通知した生体情報の認証結果を取得する。応札制御部54は、せり参加者が第1認証部39の認証を得ている場合に、応札受付部41による応札操作の受付を可能とする。
【0102】
[ステップS65]応札制御部54は、モニタ21への表示や音声などにより、認証対象者に認証結果を報知して、初期認証処理を終了する。
一方、せり制御装置13aは、購買店操作端末20aからの会員情報の通知を取得可能にして、ステップS61の実行までに初期認証処理を開始する。
【0103】
[ステップS71]第1認証部55(せり制御装置13a)は、購買店操作端末20aから会員情報を取得する。
[ステップS72]第1認証部55は、購買店操作端末20aから生体情報を取得する。
【0104】
[ステップS73]第1認証部55は、会員情報テーブル110を参照して、会員情報に対応する生体情報(登録テンプレート)を取得する。
[ステップS74]第1認証部55は、認証精度取得部57を介して、照合閾値を取得する。認証精度取得部57は、認証精度テーブル120を参照して、初期認証時の照合閾値を取得する。たとえば、第1認証部55は、認証精度取得部57を介して、初期認証における照合閾値として「100」を取得する。
【0105】
[ステップS75]第1認証部55は、購買店操作端末20aから取得した生体情報と、生体情報(登録テンプレート)とを照合し、照合スコアを算出する。第1認証部55は、照合閾値と算出した照合スコアとを比較して照合の成否を判定する。第1認証部55は、照合スコアが照合閾値以上であれば、照合OK(照合成功)とし、照合スコアが照合閾値に満たなければ、照合NG(照合失敗)とする。
【0106】
[ステップS76]第1認証部55は、認証結果を購買店操作端末20aに通知する。
[ステップS77]せり制御部60は、認証成功(ステップS75において照合成功)の場合、ステップS78にすすむ。一方、せり制御部60は、認証失敗(ステップS75において照合失敗)の場合、初期認証処理を終了する。
【0107】
[ステップS78]せり制御部60は、会員情報を通知してきた購買店操作端末20aにおいて、会員情報から特定される会員が利用状態にあることを、会員情報51aに登録して、初期認証処理を終了する。
【0108】
このようにして、せりシステム10aは、会員の認証と、利用登録とをおこない、購買店操作端末20aの公正な使用を図る。
次に、せり参加者のログイン中の認証をおこなう中間認証処理について
図17、
図18を用いて説明する。
図17は、第3の実施形態の購買店操作端末とせり制御装置が実行する中間認証処理のシーケンス図である。
図18は、第3の実施形態の認証精度テーブルの一例を示す図である。中間認証処理は、
図6に示すゼネラルフローのステップS13の認証成功の判断以降に、応札制御部54、および第2認証部56により実行される。中間認証処理は、認証の有効時間が切れないように、所要のタイミングで実行される。
【0109】
まず、購買店操作端末20aが中間認証処理を開始する。
[ステップS81]応札制御部54は、応札受付部41を介して、応札スイッチ23から生体情報を取得する。
【0110】
[ステップS82]応札制御部54は、取得した生体情報をせり制御装置13aに通知する。
[ステップS83]応札制御部54は、せり制御装置13aから、通知した生体情報の認証結果を取得する。
【0111】
[ステップS84]応札制御部54は、せり制御装置13aから取得した認証結果が認証成功の場合、中間認証の有効時間を取得する。
[ステップS85]応札制御部54は、モニタ21への表示や音声などにより、認証対象者に認証結果を報知して、中間認証処理を終了する。
【0112】
一方、せり制御装置13aは、購買店操作端末20aからの生体情報の通知を取得可能にして、ステップS82の実行までに中間認証処理を開始する。
[ステップS91]第2認証部56は、購買店操作端末20aから生体情報を取得する。
【0113】
[ステップS92]第2認証部56は、会員情報テーブル110を参照して、会員情報に対応する生体情報(登録テンプレート)を取得する。
[ステップS93]認証精度取得部57は、せり進行情報取得部58を介してせり進行情報を取得する。
【0114】
[ステップS94]認証精度取得部57は、認証精度テーブル130を参照して、取得したせり進行情報に対応する中間認証時の照合閾値を取得する。第2認証部56は、認証精度取得部57を介して、照合閾値を取得する。
【0115】
認証精度テーブル130は、認証種別と、応札数/過去1時間と、照合閾値と、有効時間(分)を対応付けている。認証種別は、「初期認証」と「中間認証」とがある。応札数/過去1時間は、せり参加者ごとの過去1時間の応札数である。照合閾値は、照合スコアと比較による照合の成否に用いる。有効時間(分)は、照合の成功時の有効時間である。
【0116】
たとえば、せり参加者が過去1時間に1回の応札をおこなっている場合、応札数/過去1時間は、「1以下」となる。応札数/過去1時間は、せりの履歴情報の一例であり、応札数/過去1時間に代えて、落札数/過去1時間、ログイン時間などであってもよい。
【0117】
たとえば、応札数/過去1時間は、現在時刻から過去1時間以内の応札履歴を参照して、応札数が「5」であれば、「10以下」となる。第2認証部56は、応札数/過去1時間「1以下」であれば、照合閾値「95」を取得し、応札価格/受付価格「30超」であれば、照合閾値「75」を取得する。
【0118】
[ステップS95]第2認証部56は、購買店操作端末20aから取得した生体情報と、登録テンプレートとを照合し、照合スコアを算出する。第2認証部56は、照合閾値と算出した照合スコアとを比較して照合の成否を判定する。
【0119】
[ステップS96]第2認証部56は、中間認証が成功であれば、応札許可部59を介して有効時間だけ応札を許可する。また、第2認証部56は、中間認証が失敗であれば、応札許可部59を介して応札を不許可とする。このように、第2認証部56は、応札許可部59を介して応札許可状態を更新する。
【0120】
[ステップS97]第2認証部56は、購買店操作端末20aに認証結果を通知する。
[ステップS98]第2認証部56は、認証結果が認証成功の場合、購買店操作端末20aに中間認証の有効時間を通知して、中間認証処理を終了する。
【0121】
このように、第2認証部56は、せりの進行状態に応じて、照合閾値を変更し得る。また、第2認証部56は、第1認証部55による認証を経たせり参加者を認証対象とするため、初期認証における照合閾値「100」に比較して、認証精度の低い照合閾値「95」、「90」、…、「75」を照合に用いる。これにより、第2認証部56は、せりの進行中にあるせり参加者を、厳格に過ぎる照合閾値で排除してしまうことを防止する。せりシステム10aは、購買店操作端末20aの公正な使用を担保しつつ、せり参加者の認証失敗による応札機会の喪失を低減可能とする。
【0122】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態のせりシステムが含む機能について、
図19を用いて説明する。
図19は、第4の実施形態のせりシステムの構成を示す図である。第4の実施形態のせりシステム10bは、初期認証の際に取得した生体情報を、中間認証に用いる登録テンプレートとする点で、第2の実施形態のせりシステム10と異なる。以下の説明において、第2の実施形態と同様の構成、あるいは処理については、符番を同一にして、説明を簡潔に記載、または省略する。
【0123】
購買店操作端末20bは、第1認証部61と、応札制御部62と、応札受付部41と、第2認証部63と、応札許可部43と、認証精度取得部44と、せり進行情報取得部45と、せり状況表示部46と、通信部47を備える。応札制御部62は、せりの進行にもとづいて、購買店操作端末20bの応札を統括的に制御する。
【0124】
第1認証部61は、せり参加者のログイン認証をおこなう。第1認証部61は、生体認証に限らず暗証番号など、その他の情報を用いて認証をおこなうものであってもよい。認証に用いる情報(登録テンプレートや暗証番号など)は、せり制御装置13bに問い合わせて取得してもよいし、ICカードリーダ27を介してICカード33から取得してもよい。
【0125】
第1認証部61は、せり参加者のログイン認証の際に、せり参加者から生体情報を取得して、取得した生体情報を登録テンプレート34aとして登録する。
ここで、登録される登録テンプレート34aは、せりの当日に、認証に用いる応札スイッチ23を介して取得するものであるから、時間差や、センサの個体差などが排除され、照合に用いる登録テンプレートとして好適なものであることが期待できる。
【0126】
第2認証部63は、せり参加者のログイン中に所定タイミングで認証をおこなう。第2認証部63は、登録テンプレート34aと、応札スイッチ23から取得する生体情報とを照合して認証をおこなう。このとき、第2認証部63は、認証精度情報50からログイン中認証用の照合閾値を取得して、照合をおこなう。
【0127】
せり制御装置13bは、せり制御部64と、通信部49を備える。せり制御部64は、せりの進行を統括的に制御する。せり制御部64は、パスワードを含むせり参加者(会員)の情報を、会員情報51bとして管理する。通信部49は、購買店操作端末20b、およびその他の装置(せり人・調整人操作端末15他)との間で通信をおこなう。
【0128】
次に、せり参加者のログイン認証をおこなう初期認証処理について
図20を用いて説明する。
図20は、第4の実施形態の購買店操作端末とせり制御装置が実行する初期認証処理のシーケンス図である。初期認証処理は、
図6に示すゼネラルフローのステップS12で実行される。
【0129】
まず、購買店操作端末20bが初期認証処理を開始する。
[ステップS101]第1認証部61(購買店操作端末20b)は、会員情報とパスワードを取得する。たとえば、第1認証部61は、タッチパネル22によるタッチ入力により会員情報とパスワードを取得することができる。なお、第1認証部61は、テンキー26によるキー入力、あるいはICカードリーダ27によるICカード33からの読出しなど、その他の入力方法、またはこれらの組み合わせにより会員情報とパスワードを取得するようにしてもよい。
【0130】
[ステップS102]第1認証部61は、取得した会員情報とパスワードを、せり制御装置13に通知する。
[ステップS103]第1認証部61は、通知した会員情報とパスワードの認証結果を、せり制御装置13から取得する。第1認証部61は、認証結果がOK(成功)であれば、ステップS104にすすみ、認証結果がNG(失敗)であれば、ステップS106にすすむ。
【0131】
[ステップS104]第1認証部61は、応札スイッチ23から生体情報(手のひらの静脈パタン)を取得する。
[ステップS105]第1認証部61は、取得した生体情報を、登録テンプレート34aとして登録する。
【0132】
[ステップS106]第1認証部61は、モニタ21への表示や音声などにより、認証対象者に認証結果を報知して、初期認証処理を終了する。
一方、せり制御装置13bは、購買店操作端末20bからの会員情報とパスワードの通知を取得可能にして、ステップS102の実行までに初期認証処理を開始する。
【0133】
[ステップS111]せり制御部64(せり制御装置13b)は、購買店操作端末20bからの通知により、会員情報とパスワードを取得する。
[ステップS112]せり制御部64は、会員情報51bを参照し、購買店操作端末20bから取得した会員情報に対応するパスワードを特定する。せり制御部64は、購買店操作端末20bから取得したパスワードと、特定したパスワードとを照合する。
【0134】
[ステップS113]せり制御部64は、認証結果を購買店操作端末20bに通知して、初期認証処理を終了する。
このようにして、せりシステム10bは、会員の認証と、利用登録とをおこない、購買店操作端末20bの公正な使用を図る。また、購買店操作端末20bは、良質な登録テンプレート34aを用いた中間認証により、中間認証失敗によるせり参加機会の喪失の危険を低減して、幅広い認証精度に対応可能となることが期待できる。また、せりシステム10bは、せりの前に、生体情報のテンプレート登録を必要としないことから、せり主催者の事務負担、およびせり参加者の負担を軽減する。
【0135】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、購買店操作端末20(20a,20b)、せり制御装置13(13a,13b)、14が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0136】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0137】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0138】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。