(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マイクロプロセッサー、操作パネル、各設定値を記憶する記憶部を有する可変速制御装置と、該可変速制御装置で駆動されるポンプと、該ポンプの吐出側に取付けられた圧力センサを備えたポンプ装置をn台設置し、該圧力センサの検出したポンプ吐出側圧力が所定圧力となるように、各ポンプ装置がそれぞれ独立して運転がなされる給水システムおいて、
前記n台のポンプ装置の各可変速制御装置は、マスター号機かスレーブ号機を選択して設定する設定手段を有し、前記設定手段により予めn台のポンプ装置のうちの1台がマスター号機に他がスレーブ号機に設定され、設定されたマスター号機は、始動条件が成立した際に最初に始動し、停止条件又は減台条件が成立した際には最後に停止し、前記マスター号機の故障時に、前記設定手段により他のスレーブ号機のうちの1台のポンプ装置がマスター号機にシフトして設定されること特徴とする給水システム。
マイクロプロセッサー、操作パネル、各設定値を記憶する記憶部を有する可変速制御装置と、該可変速制御装置で駆動されるポンプと、該ポンプの吐出側に取付けられた圧力センサを備えたポンプ装置をn台設置し、該圧力センサの検出したポンプ吐出側圧力が所定圧力となるように、各ポンプ装置がそれぞれ独立して運転がなされる給水システムの運転方法において、
前記n台のポンプ装置の各可変速制御装置は、設定手段により予めn台のポンプ装置のうちの1台がマスター号機に他がスレーブ号機に設定され、設定されたマスター号機は、始動条件が成立した際に最初に始動し、停止条件又は減台条件が成立した際には最後に停止し、前記マスター号機の故障時に、他のスレーブ号機のうちの1台のポンプ装置がマスター号機にシフトして設定されること特徴とする給水システムの運転方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の給水装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0021】
以下、本発明の実施態様1について、
図1〜
図12を用いて説明する。
図1は本発明のポンプ装置単体のポンプ運転特性図であり、横軸に水量、縦軸に全揚程を取って示している。ここで、曲線Aはポンプ1台を100%の回転数(インバータのf1周波数に対応、表示はf1)で運転した際のQ−H性能曲線を示す。曲線Eはf4回転数(周波数表示はf1)運転時のQ−H性能曲線を示す。同様に、曲線Bは仕様点(需要側が所望な水量、全揚程である。)水量Q0、全揚程H00を満足するQ−H性能曲線であり、f0回転数(周波数表示はf0)で運転した際に得られる。曲線C、Dはそれぞれ回転数f2(周波数表示はf2)、f3(周波数表示はf3)で運転した時のQ−H性能曲線である。
【0022】
曲線Fはポンプで揚水した場合に生ずる弁類、配管等の配管抵抗曲線であり、ポンプの吐出側圧力を制御する際の目標値となる。H4は水量0の点での目標圧力であり、前述した配管抵抗曲線Fとポンプf4回転数運転時Q−H性能曲線Eの締め切り圧力との交点で示される。同様にH1はポンプf1回転数運転時の目標圧力であり、曲線A、曲線Fの交点で示される。この時の水量はQ1である。
【0023】
そして、ポンプ装置は需要側使用水量の変動に伴い、圧力センサの検出した給水圧力が、目標圧力即ち、前記抵抗曲線F上にくるようにインバータ周波数を制御する。これを末端圧力一定制御と呼んでいる。当然、H1、H4はパラメータとして前述したように予め設定され記憶されている。尚、図示では、Q−H性能曲線を代表の曲線A(周波数f1)〜曲線E(周波数f4)で示しているが、配管抵抗曲線F上で周波数を制御すれば、無段階の周波数に対応したポンプ性能曲線が生ずるのが明らかなので、省略している。
【0024】
又、H4は停止状態からポンプが始動する際の始動圧力としても使用する。即ち、自動運転において、圧力センサの検出した給水圧力が始動圧力H4以下にあれば、ポンプは運転を開始し、使用水量の変動に伴い配管抵抗曲線F上の圧力を保って給水していく。使用水量が極少なく、後述する流量スイッチが少水量使用状態を検出したときポンプは停止する。
【0025】
図2は、本発明実施例のポンプ装置1台設置例のシステム構成図を示している。2−1、2−2は仕切弁、3はモータ4で駆動されるポンプであり、このポンプの吸込み側は吸込み管1を介して水源側と接続される。水源側は、直結方式では図示していないが水道本管からの水の供給を受ける。受水槽方式では、図示していないが受水槽から水の供給を受ける。5は逆止め弁、6は給水管、7は圧力タンクであり給水管6のポンプに近い部位に設ける。8はこの給水管6に備わり、ここの圧力に応じて電気信号を発する圧力センサである。このセンサ8によりポンプの吐出し圧力を制御(例えば吐出し圧一定、推定末端圧力一定)する。
【0026】
更に、需要側はこの給水管6端末の先が直送式の場合には、需要側給水管と接続して例えば集合住宅等の水栓に給水する。高置水槽式の場合には、この需要側給水管と接続して高置水槽へ給水する。9は流量スイッチであり、少水量使用状態(例えば5〜10L/min)を検出してポンプを停止する信号を発信する。
【0027】
INVは前述のモータ4を駆動するマイクロプロセッサ(図示せず)を搭載した可変速制御装置(インバータ)の本体であり、漏電遮断器ELBを介して電源側より電源の供給を受ける。
【0028】
C0NSは後で詳細に述べるが可変速制御装置INVに設けられた操作パネルで、可変速制御装置INVの設定手段である。操作パネルC0NSは、表示部、操作部を備えると共に運転モード(手動、自動、その他)、判定機能、単独運転(自己機の運転)、複数台運転(ケーブル接続しているn台の運転)選択機能、IDNO.(複数台運転時の自己機か他機かを認識するための番号)、起動停止、圧力制御のための各パラメータの設定機能を有し、これらの各種設定値と圧力センサの検出した圧力信号等を記憶する記憶部M(例えばEEPROM)を備えている。
【0029】
操作パネルCONSの詳細を
図3に、その機能を
図4に示す。
【0030】
図3において、操作パネルCONSには、表示部30、運転(RUN)キー31、停止(STOP)キー32、記憶(PRG)キー33、アップキー(タクトスイッチ)34、ダウンキー(タクトスイッチ)35、機能(FUNC)キー36、モードキー37を備えている。
【0031】
モードキー37は、押される度に、MAN(手動)/AUTO(自動)、のモードを切換え選択し、機能キー36は、選択された各モードにおける複数の機能を選択する。機能キー36も、押される度に複数の機能のひとつが選択される。FUNCキー36は、押されるごとに、表示機能とパラメータ設定機能とを切換える。アップキー34、ダウンキー35のタクトスイッチが、各種パラメータの設定数値を決めるときに操作され、決められた設定値は、記憶キー33の操作により記憶部(メモリ)Mに設定記憶される。尚、操作パネルCONSは、可変速制御装置INVと別体でも一体でも良い。
【0032】
図4で、手動運転モードが選択された際には、ポンプ装置はRUNキー31を押した時に運転し、STOPキースイッチ32を押した時に停止する。手動運転時のインバータ周波数のパラメータは、機能(FUNC)キー36およびアップキー34とダウンキー35の操作で設定され、初期値が予め記憶部Mに記憶される。
【0033】
自動運転モードが選択された際には、ポンプ装置はRUNキー31を押した時に自動運転を開始し、STOPキースイッチ32を押した時に停止する。自動運転モードが選択されても、給水圧力が始動圧力(予めパラメータで初期値として設定)以下となる始動条件が成立しない限り、運転を開始しない。上記始動圧力は手動(MAN)により(予めパラメータで設定)設定される。
【0034】
自動運転モードには、
図4に示す通り単独運転と複数台運転の機能(FUNC)が用意されている。
図2の可変速制御装置INVの通信用端子S2が開放されているときは単独運転となり、通信用端子S2にケーブルが接続されているとき、接続された複数台の運転が許可される。尚、通信用端子S2の間では通信が行われるが、この通信は有線、無線を問わず、ケーブル接続に代えてパラメータとしても良い。尚、3台以上の複数台運転の場合に備え、可変速制御装置INVに端子S2を2口設けている。
【0035】
FUNCキー36によるパラメータ設定には、所定圧力設定、周波数設定、マスタ設定、スレーブ設定、マスタ候補の設定、増台時と減台時のスレーブの順番設定が用意され、FUNCキー36を押すごとにパラメータが変更される。
【0036】
所定圧力と周波数設定では、上述のようにFUNCキー36で圧力、または、周波数を選択し、アップキー34とダウンキー35の操作で始動圧力、または、インバータ周波数等を設定し、記憶キー33で記憶する。マスタ設定では、マスタとなるポンプ装置の識別番号(IDNO.)をアップキー34とダウンキー35の操作で設定し、記憶キー33で記憶する。スレーブ設定では、マスタ以外のポンプ装置の識別番号を設定し、記憶キー33で記憶する。マスタ候補のスレーブ設定では、マスタが故障した場合に次にマスタとなるスレーブの識別番号を設定し、記憶キー33で記憶する。スレーブの順番設定では、アップキー34とダウンキー35の操作で、増台運転時と減台運転時のスレーブの運転開始順番と運転停止順番のローテーションと、ローテーションのパターンをポンプ装置の識別番号で設定し、記憶キー33で記憶する。
【0037】
前記した3台以上の複数台運転の場合、認識番号IDNO.により自己機か他機かを認識する。認識番号IDNO.は、上記したように予めパラメータとして設定され、n台の場合、それぞれ適宜1、2、3、・・・、nと設定される。例えば、認識番号IDNO.1をマスター号機、他の認識番号をスレーブ号機とする。又、マスター号機に設定されているIDNO.1の号機は始動条件が成立したら、最初に運転を開始し、複数運転となった後、停止条件が成立しても最後に停止するように、マスター号機の順番のローテーションが設定されている。
【0038】
図2で可変速制御装置INVは、端子I0、I1とI2、I3を備えており、前述した吐出し側圧力センサ8と端子I0、I1とを、ケーブルS0により接続し、流量スイッチ9と端子I2、I3とをケーブルS1によって接続している。
【0039】
図5、
図6、
図7はポンプ装置の運転制御手順を示したフローチャートであり、これがプログラムとして可変速制御装置INVのマイクロプロセッサーに搭載されている。
図8は上記パラメータおよびプログラム等を格納するメモリマップである。
【0040】
さて、使用開始に当たって、
図2に示す電源側漏電遮断器ELBを投入すると、プログラムが作動する。先ず、500ステップでスタートすると、501ステップでイニシャル処理、502ステップでパラメータ設定処理を実行する。イニシャル処理では、レジスタ、割り込みベクタ、メモリ、スタックポインタなど各種の処理と、通信機能初期化処理を実行し、通信ポート(通信用端子S2)にケーブルが接続されているか否かの判定処理を実行する。接続されていなければ単独運転、接続されている場合は複数運転となる。
【0041】
パラメータ設定処理では、前記のパラメータ設定処理は、前記CONSで設定がなされる。前述した初期値を設定し、又、増台時の次に始動する号機をメモリM54及びM121のONSTBに、例えばIDNO.2の号機を、減台時の次に停止する号機をM55、M122のOFFSTBに、例えばIDNO.2の号機を設定し、運転準備を行う。503、504ステップでは割り込みを許可し、
図7に示す割り込み処理に備える。当然、割り込みが発生し、700ステップ以降の割込み処理が実行される。
【0042】
700ステップ以降のINT0割り込み処理において、
図7(A)に示すように、701ステップでは、
図3のいずれかのキースイッチが押されたか判定する。判定した結果、押されていなければ702ステップへ進み、例えば初期値で決定している圧力等を表示器30で表示を行い、711ステップで割り込み処理から、割り込み前の処理へ戻るRETI処理を実行する。
【0043】
701ステップの判定結果でキースイッチが押されていれば、703ステップへ進み、押されたキースイッチ(
図3)がパラメータ変更キーであるか判定する。パラメータ変更キーであった場合、707ステップへ進み、パラメータ設定(変更が可能なことを示す)処理、及びメモリ(記憶部M)へ格納処理を実行し、その格納状態が
図8に示される。このようにすれば、運転中でもパラメータの設定変更が可能となる。
【0044】
703ステップの判定でパラメータ変更キーでなければ704ステップへ進み、ここで、押されたキースイッチがマスター/スレーブ号機設定状態(例えば、
図3のアップキー34、ダウンキー35、FUNCキー36の操作による)か、判定処理を実行する。NOの場合706ステップへ進み、YESの場合705ステップへ進んでマスター号機かスレーブ号機かの設定を行う。例えば、IDNO.1号機をマスターからスレーブに、IDNO.2号機をスレーブからマスターに変更する場合を考えると、表示器30にそれぞれをのデータを読み出し、アップキー34、ダウンキー35、FUNCキー36の同時押しにより状態がマスターからスレーブに、又はスレーブからマスターに切り替わる。そして、IDNO.1号機のメモリM120、M53にはスレーブ号機を意味するSLEのデータが格納され、IDNO.2号機のメモリM120、M53にはマスター号機を意味するMASのデータが格納される。
【0045】
720ステップ以降のINT1割り込み処理において、
図7(B)に示すように、721ステップで故障のチエック、監視を行う。722ステップでは可変速制御装置INVの通信端子S2が接続されているか開放されているかの判定を実行し、接続されている場合は送受信処理を実行し、自動運転モードであればメモリM3、M103に、TAN/FUKパラメータのデータをセットする。例えば、通信端子S2にケーブルが接続されてなければ、データ00Hをセットする。これは、単独運転即ち自己機による運転を意味する。通信端子S2にケーブルが接続されていれば、データ0FFHをセットする。これは、複数運転即ち
図4に示す複数n台による運転を意味する。又、他機との通信を行い各IDNO.毎の運転、停止の状態をメモリ114以降に記憶しておく。
【0046】
723ステップでは、圧力センサ及び周波数の信号を検出し、アナログレジスタ内のAN0(圧力)と、現在周波数fANSのデータをメモリM108、M111に格納しておく。そして,724ステップで割り込み処理から割り込み前の処理に戻る。
【0047】
今、運転モードパラメータMAN/AUTOがMAN、即ち手動に設定されているものとする。
【0048】
図5の505ステップにおいて、MANと判定し506ステップへ進み手動運転処理を実行して505ステップへ戻る。ここで言う手動運転処理とは、前述したRUNキースイッチが押された時運転し、STOPキースイッチが押された時に停止し、インバータ周波数はアップ、ダウンキースイッチで設定される処理のことである。
【0049】
次に、運転モードパラメータMAN/AUTOがAUTOに設定された、あるいは変更された場合について説明する。505ステップの判定がAUTOとなり507ステップへ進む。ここでRUNキースイッチが押されたか判定する。YESであれば次の508ステップへ進み、自動運転を開始する。NOであればYESになるまでここの処理を繰返し実行する。
【0050】
508ステップにおいて、TAN/FUKの判定、即ち、単独運転か複数台運転かの判定を実行し、単独運転の場合511ステップへ、複数台運転の場合は509ステップへ進む。509ステップにおいて、自己機がマスター号機かスレーブ号機か前述したIDNO.により判定する。判定の結果、マスター号機であれば、511ステップへ進みスレーブ号機であれば、510ステップへ進み、ここで、マスター号機から運転指令があったか判定する。運転指令があれば511ステップへ進み、運転指令がなければ508ステップへ戻り、運転指令があるまでこの間の処理を実行する。
【0051】
511ステップにおいて、圧力センサの検出した給水圧力が始動圧力(H4)以下になったか判定する。始動圧力H4以下であれば、512ステップへ進みポンプを始動する。続いて、513、514、515ステップで、目標圧力H0(初回は初期値のH4、次からは526ステップで更新された目標圧力となる。)をメモリより読み出し、給水圧力H(実際の給水圧力は圧力センサが検出した圧力データAN0であり、H0=AN0、フロー図では説明の便宜上記号Hを使用。)を、読み出し両データを比較する。比較した結果、H0+α<H ならば516ステップへ進む。516ステップにおいて、最低周波数を次のように設定し、現在運転しているインバータ周波数が最低周波数か判定する。判定した結果、最低周波数であれば517ステップへ進み、最低周波数でなければ522ステップへ進む。ここで、最低周波数の設定方法次の通りである。
【0052】
(複数ポンプが全て変速の揃速運転の場合)
n=2台の例で説明する。(
図9参照)詳細は後で述べるので、ここでは減台時の最低周波数の設定方法について説明する。
1.ポンプ1台の性能曲線とポンプn台の揃速運転時ポンプ合成性能曲線図上に、1台運転時及びn台運転時の配管抵抗曲線F、Jを引く。
2.最高周波数運転時のポンプ性能曲線と配管抵抗曲線との交点Htが増台、減台圧力であり、これに対応する水量がQtである。ポンプ1台運転時の配管抵抗曲線Fと水量Qt/2を上方に伸ばした直線との交点O5上にポンプ性能曲線Kを引き、これを満足する周波数fGが最低周波数である。これらのHt、fGを予めメモリに記憶しておく。あるいは516ステップの処理中で演算して設定しても良い。又、本例は、n=2台で説明したが3台以上でも同様な方法で増台、減台時圧力、減台時最低周波数を決定或いは設定することが出来る。
【0053】
(複数ポンプが変速と定速の非揃速運転の場合)
n=2台の例で説明する。(
図10参照)詳細は後で述べるので、ここでは減台時の最低周波数の設定方法について説明する。先ず、予め、ポンプ性能曲線図を用いて、例えば
図10のように、並列運転時のポンプの合成性能曲線図を作図しておく。同図において、並列運転時の目標圧力は水量Q1〜Q6間で、座標O1(最低周波数f5、下限目標圧力H1)、座標O6(最高周波数f1+f1、下限目標圧力H5)を結ぶ線分の例えば方程式としている。これを方程式とするため、パラメータとして予め、最低周波数f5、下限目標圧力H1、最高周波数f11、下限目標圧力H5、締め切り圧力HSを記憶部に記憶しておく。そして、最低周波数f5は、ポンプ締め切り圧力HS、2台運転時下限目標圧力H1、最高周波数f1+f1を用いて、f5=(f1+f1)X√(H1/HS)と求める。
【0054】
この処理を
図5の502ステップ、および
図7の707ステップのパラメータ処理で実行し記憶部に記憶しておく。
【0055】
517ステップでは、前述と同様にTAN/FUKの判定、即ち、単独運転か複数台運転かの判定を実行し、単独運転の場合522ステップへ進み減速処理を実行する。複数台運転の場合は518ステップ(
図6)へ進み自己機がマスター号機かスレーブ号機かの判定を実行する。判定した結果、マスター号機であれば、519ステップへ進み減台条件が成立したか否かの判定を実行する。YESの場合、520ステップへ進みスレーブ号機に対して減台指令を発行して、528ステップへ進む。
【0056】
減台指令の発行順番を
図12に示す。
図12はポンプ装置を4台にした例で示している。例えば、519ステップの処理の中で、メモリM120のOFFSTBのデータを読み出して、そのスレーブ号機のIDNO.に対して停止指令を実行する。例えば、次に停止する号機がIDNO.2であれば、これが停止する。そして、520Aステップへ進みローテーション処理を実行して、528ステップへ進む。520Aステップのローテーション処理では、M101に格納している運転している号機RUNのデータを読み出し、メモリM122のOFFSTBのデータとを比較し、RUNのデータの中からOFFSTBのデータの次に若いIDNO.の号機を次に停止するIDNO.号機のデータをOFFSTBのデータとして更新し、メモリM53、M120に格納する。
【0057】
このようにしておけば、次に520ステップの減台処理を実行する時は、先に停止したIDNO.号機より、一つ古い(番号数の大きい)IDNO.号機が停止することとなり、ローテーションすることとなる。当然、IDNO.1号機がマスター号機であり、初めに運転して、最後に停止するよう、502ステップのパラメータ処理で予め設定してあり、520Aステップの処理においても、RUNのデータの中にIDNO.1号機を含む複数号機のデータが合った場合、次に停止する号機にIDNO.1号機が入らない処理が実行される。
【0058】
具体的な例を示すと次の通りである。
状態1
運転号機:IDNO.1、IDNO.2、IDNO.3
次に停止する号機:IDNO.2
状態2 IDNO.2の号機が停止する。
運転号機:IDNO.1、IDNO.3
次に停止する号機:IDNO.3(運転号機はIDNO.1、IDNO.3であるが複数台運転の場合、マスター号機であるIDNO.1の停止を禁止、一つ前の次に停止する号機はIDNO.2であり、運転号機のIDNO.3がIDNO.2より次に若い号機であり、次に停止する号機にIDNO.3が選ばれる。)
状態3 IDNO.3の号機が停止。
運転号機:IDNO.1
次に停止する号機:IDNO.1
となる。
【0059】
前述の動作を
図12により詳細に説明すると次の通りとなる。
パターン1 ポンプが0台から1台に増台、1台から0台に減台(
図12参照)
運転号機:IDNO.1(初めに1号機運転)→1号機が停止して0台→IDNO.2→2号機が停止して0台→IDNO.3→3号機が停止して0台→IDNO.4→4号機が停止して0台→IDNO.1
この場合、IDNO.1(スレーブ)の停止を禁止し、使用水量が0となってもポンプを停止しないと1号機のみの運転が継続する。このようにすれば、マスター号機が先に故障する確立が著しく高くなり、他のスレーブ号機は故障する確立が低くなり、保守は、マスター号機より順次実施することとなり保守性が向上する。
【0060】
パターン2 ポンプが1台から2台に増台、2台から1台に減台(
図12参照)
運転号機:IDNO.1(初めに1号機運転)→IDNO.1(運転を継続)+IDNO.2(2号機が追従)→IDNO.1(運転を継続)→IDNO.1(運転を継続)+IDNO.3(3号機が追従)→IDNO.1(運転を継続)→IDNO.1(運転を継続)+IDNO.4(4号機が追従)→IDNO.1(運転を継続)最初に戻る。
次に停止する号機:1号機を除く先に運転している号機
パターン3 ポンプが2台から3台に増台、3台から2台に減台(
図12参照)
運転号機:IDNO.1(初めに1号機運転)+IDNO.2→IDNO.1(初めに1号機運転)+IDNO.2+IDNO.3(3号機が追従)→IDNO.1(初めに1号機運転)+IDNO.3(3号機は運転継続)→IDNO.1(初めに1号機運転)+IDNO.3(3号機は運転継続)+IDNO.4(4号機が追従)→IDNO.1(初めに1号機運転)+IDNO.4(4号機は運転継続)→IDNO.1(初めに1号機運転)+IDNO.4(4号機は運転継続)+IDNO.2(2号機が追従)
次に停止する号機:1号機を除く先に運転している号機。
【0061】
図6の519ステップの判定でNOの場合は528ステップへ進む。
【0062】
ここで言う減台条件とは次の処理のことである。
1.自己機(IDNO.1)以外のスレーブ号機の運転状態をIDNO.毎にチエックし、運転台数を求め、その中から最初に運転したポンプ装置を減台指令するポンプに選ぶ。運転台数から、前述した増台、減台圧力(増台、減台時共通)を設定又は予め記憶しているメモリより読み出す。同様に、減台時最低周波数を設定又は予め記憶しているメモリより読み出す。
2.インバータ周波数が最低周波数となり、給水圧力が減台圧力以上となるか又は、この状態が所定時間経過する。
3.減台圧力の代わりに
図9に示す減台電流IGを用いても良い。
【0063】
図6の518ステップでの判定結果、スレーブ号機と判定した場合は521ステップへ進み、マスター号機から減台指令があったか否かの判定を実行する。YESの場合、525ステップへ進み、停止処理(減台)を実行し、505ステップへ戻りこれ以降の処理を続ける。NOと判定した場合は、528ステップへ進む。
【0064】
522ステップでは、現在周波数からaHz(例えば0.1Hz)減じて減速処理を実行し、523ステップで現在周波数が指令周波数に到達したか判定し、到達するまで確認処理を実行する。524ステップでは、水の使用状態が極少ないかを流量スイッチにより確認し、水の使用状態が極少ない場合は525ステップで停止処理を実行し505ステップへ戻る。そうでない場合は、528ステップへ進み、ここでSTOPキーが押されたか判定する。判定した結果、押されている場合は、前述同様525ステップへ進み停止処理を実行する。押されていない場合は、513ステップへ戻りこれ以降の処理を続ける。
【0065】
図5の515ステップの判定の結果、H0−α<=H<=H0+α ならば526ステップの従来技術による末端圧力一定制御の目標圧力更新処理を実行する。(目標圧力を求める方法は圧力パラメータと周波数パラメータによる演算式又はテーブルを用いる。)そして、527ステップで目標圧力更新に必要で且つ給水圧力が安定するのに必要な所定時間Δtの待ち時間処理を実行し528ステップへ進む。
【0066】
515ステップの判定の結果、H0−α>H ならば529ステップへ進む。ここで、現在のインバータ周波数が最高周波数となっているか判定する。判定の結果、最高周波数となっていれば、
図6の532ステップに進み、最高周波数になっていなければ
図6の530ステップへ進み、これ以降の増速処理を実行する。増速処理では、現在周波数からaHz(例えば0.1Hz)加算して増速処理を実行し、531ステップで現在周波数が指令周波数に到達したか、到達するまで確認処理を実行する。到達したら528ステップへ進む。
【0067】
ここで、変速処理の周波数fは、メモリM109のfxAUTOと同じものであり、フロー図では説明の便宜上fを使用している。又、前述のαは目標圧力の不感帯であり例えば1mである。532ステップにおいて、前述と同様にTAN/FUKの判定、即ち、単独運転か複数台運転かの判定を実行し、単独運転の場合530ステップへ進み増速処理を実行する。複数台運転の場合は533ステップへ進み自己機がマスター号機かスレーブ号機かの判定を実行する。判定した結果、マスター号機であれば、534ステップへ進み増台条件が成立したか否かの判定を実行する。YESの場合、535ステップへ進みスレーブ号機に対して増台指令を発行して、528ステップへ進む。
【0068】
増台指令の発行順番を
図12に示す。同図はポンプ装置を4台とした例で示している。例えば、535ステップの処理の中で、メモリM121のONSTBのデータを読み出して、そのスレーブ号機のIDNO.に対して運転指令を実行する。例えば、次に運転する号機がIDNO.2であれば、これが運転される。そして、535Aステップへ進みローテーション処理を実行して、528ステップへ進む。535Aステップのローテーション処理では、M102に格納している停止している号機STOPのデータを読み出し、メモリM121のONSTBのデータとを比較し、STOPのデータの中からONSTBのデータの次に若いIDNO.の号機を次に運転するIDNO.号機のデータをONSTBのデータとして更新し、メモリM54、M121に格納する。
【0069】
このようにしておけば、次に535ステップの増台処理を実行する時は、先に運転したIDNO.号機より、一つ古いIDNO.号機が運転することとなり、ローテーションすることとなる。当然、502ステップのパラメータ処理で次に運転する号機はIDNO.2と設定されている。
【0070】
具体的な例を示すと次の通りである。
状態1
運転号機:IDNO.1
次に運転する号機:IDNO.2
状態2 IDNO.2の号機が運転。
運転号機:IDNO.1+IDNO.2
次に運転する号機:IDNO.3 (運転号機はIDNO.1、IDNO.2であり、停止している号機はIDNO.3、IDNO.4とすれば、一つ前の次に運転する号機はIDNO.2であり、停止号機のIDNO.3がIDNO.4より次に若い号機であり、次に運転する号機にIDNO.3が選ばれる。
状態3 IDNO.3の号機が運転。
運転号機:IDNO.1+IDNO.2+IDNO.3
次に運転する号機:IDNO.4
となる。
534ステップの判定でNOの場合は528ステップへ進む。
【0071】
ここで言う増台条件とは次の処理のことである。
1.自己機(IDNO.1)以外のスレーブ号機の運転状態をIDNO.毎にチエックし、運転台数を求め、その中から番号の若い番号のポンプ装置を次に増台指令するポンプに選ぶ。運転台数から、前述した増台圧力(増台、減台時共通)を設定又は予め記憶しているメモリより読み出す。増台時最高周波数を設定又は予め記憶しているメモリより読み出す。
2.インバータ周波数が最高周波数となり、給水圧力が増台圧力以下となるか又は、この状態が所定時間経過する。
3.増台圧力の代わりに
図9に示す増台電流Itを用いても良い。
【0072】
533ステップの判定の結果、スレーブ号機と判定した場合は536ステップへ進み、マスター号機からの運転指令があったか否かの判定を実行する。判定の結果、YESの場合535ステップへ進み増台処理及びローテーション処理を実行し528ステップへ進む。NOの場合、508ステップへ戻りこれ以降の処理を続ける。
【0073】
以上のように、同一機能、性能を有するポンプ装置n台を設置し、末端圧力一定制御による揃速運転を行いながら、n台設置ポンプ装置の台数増減運転を行っていく。
【0074】
次に、前述のポンプ装置を複数のn台設置し場合の実施例について、詳細に説明する。説明の便宜上、複数のn台は2台を例にして説明する。
【0075】
設備計画時に、給水設備給水負荷の使用最大水量に対して、ポンプ装置をn台設置し、n台のポンプ装置がそれぞれ独自に運転及び圧力制御するよう計画する。具体的には、この給水系において、ポンプ装置の吐き出し量をQ0(m3/min)、負荷の最大水量をQ(m3/min)とした時、Q/Q0=nの演算を行い、小数点以下1桁を四捨五入して、nを決定し、n台設置するようにしたものである。このようにすれば、給水設備専用の給水システムを設計製造する必要がなく、ポンプ装置標準品のn倍化でシステムを構築することができるので、設計工数や専用給水システムの製造日数を短縮することが出来、標準品が使用できるので低価格にすることが出来る。
【0076】
図9は前述したポンプ装置を2台設置し揃速運転(2台共変速しながら運転)した場合のポンプ性能曲線を示す。一点鎖線で示している性能は、
図1に示したポンプ装置の性能曲線である。この性能曲線の圧力を一定にして水量2倍にして表示したのが実線で示した性能曲線であり、2台を並列運転した場合の合成性能曲線である。図示していないが、n台設置の場合はn台並列運転合成性能曲線となるのは明らかである。
【0077】
図9において、抵抗曲線Jは、O3点の圧力H3を一定にして水量Q3を2倍にしたポイントO5点、同様にO2点の圧力H2を一定にして水量Q2を2倍にしたポイントO6点、O0点の圧力H0を一定にして水量Q0を2倍にしたポイントO0‘点、O1点の圧力H1を一定にして水量Q1を2倍にしたポイントO7点、をプロットしてこのポイント上に引いた線分である。
【0078】
又、ポンプ性能曲線Gは、ポンプ性能曲線C(周波数f2運転時)を2台並列運転した合成性能である。ポンプ性能曲線Hは、ポンプ性能曲線B(周波数f0運転時)を2台並列運転した合成性能である。ポンプ性能曲線Iは、ポンプ性能曲線A(周波数f1運転時)を2台並列運転した合成性能である。即ち、2台同時運転すると使用水量の変動に伴い、抵抗曲線J上を運転する。しかも、2台同じものであるから、ほぼ同じ周波数で制御され給水圧力は抵抗曲線J上の圧力となる。給水圧力は抵抗曲線J上の圧力に制御され、2台の周波数はほぼ等しいので、ここでは揃速運転と呼ぶことにする。揃速運転すると、2台のポンプ装置がそれぞれ独自に運転及び圧力制御し、揃速運転するので使用水量変動時の圧力変動防止を図ることできる。従来は1台が変速で他は定速運転である。
【0079】
更に、前述の説明は、台数増減を圧力で示したが、圧力の代わりにインバータ運転電流を使用しても良い。
図9において、線分Mはポンプ装置をインバータ周波数f1で運転した時の電流カーブであり、水量Qtを上方に伸ばした直線との交点Itが増台電流(1台から2台に増台)となる。同様に、線分Lはポンプ装置をインバータ周波数fGで運転した時の電流カーブであり、水量Qt/2を上方に伸ばした直線との交点IGが減台電流(1台から2台に増台)となる。
【0080】
図10は、前述したポンプ装置を2台設置し、非揃速運転(1台変速、1台定速)した場合のポンプ性能曲線を示す。一点鎖線で示している性能は、
図1に示したポンプ装置の性能曲線である。又、
図9と同じ記号のものは同じであるから説明を省く。1台のポンプが最高周波数に到達し2台同時運転となったら、1台は定速で固定し1台が変速運転行う。よって、配管抵抗曲線Fと最高周波数f11で運転した場合のQ−H曲線Aとこの時の目標圧力H1との交点O1に変速運転の最低周波数f5によって与えられるQ−H性能曲線Nを重ねたQ−H性能曲線Oが定速(性能曲線A)と変速(性能曲線N)の合成曲線である。
【0081】
2台最高周波数f11で運転した時のQ−H性能曲線の合成曲線はRであり、配管抵抗曲線Fとの交点O6が目標圧力H5である。これの途中の状態が高周波数f10と最高周波数f11によって与えられるQ−H性能曲線BとQ−H性能曲線Aとを重ねた合成曲線Pである。交点O6、O7に対応する水量はそれぞれ、Q6、Q7である。ここで、1台目の始動圧力はH4、2台目即ち増台、減台圧力はH1である。更に、目標圧力は抵抗曲線F上にくるよう設定する。即ち、2台以上の同時運転の場合、水量Q1からQ6の間で、目標圧力はH1からH5となるように設定する。
【0082】
以上の説明は、ポンプ装置2台の例で示したが、n台を3台以上とした場合も前述で明らかなので、説明を省く。
【0083】
図11はポンプ装置を2台同じものを設置した場合のシステム構成図である。ポンプ装置のシステム構成図の
図2を2台設置したものであり、同じ記号で示しているものは同じ性能、機能である。又添字、枝番の1は1号機、2は2号機を示しているが同じものである。吸込管1及び給水管6は1号機2号機共合流している。INV1とINV2の通信端子S2をケーブルS5で接続している。これによって、前述したように自動運転選択時は複数台運転としての機能が作用することになる。
【0084】
前述したように始動圧力、増減圧力、目標圧力等全てのパラメータ、ポンプの性能、圧力制御方式が2台(n台に拡張時はn台)共同一であるが、水使用の増加に伴い順次始動、水使用の減少に伴い順次停止の台数増減、及びローテーション運転し、抵抗曲線に沿った末端圧力一定制御の揃速運転又は非揃速運転を行う。こうして、同時始動、同時停止の不都合を解消している。又、台数増減時にローテーション運転を行うことによりスレーブ号機の運転頻度の均一化を図っている。
【0085】
更に、自動運転中に保守を行う場合、適宜、STOPキーを押すことにより停止させることもできる。勿論、RUNキーを押すことにより再運転することも出来る。以上の説明は2台設置を例にしたが、2台以上の複数のn台設置でもn台の末端圧力一定制御の揃速運転が実現でき、n倍の水量を給水することができることは明らかである。
【0086】
次に、その他の実施態様について説明する。
【0087】
実施態様2は、前記実施態様の1において、マスター号機に設定されたマスター号機は、運転後は停止条件減台条件が成立しても停止を禁止するようにしたものである。
図5の520ステップにおいて、減台指令を発行する際にマスター号機(自己機)か判定し、マスター号機の場合、停止指令を発行せず528ステップへ抜けるようにすれば良い。このようにすれば、使用水量の変動する用途に対し、全停止から1台目が始動する際の圧力変動を抑制することができる。
【0088】
実施態様3は、マスター号機を停止号機に設定し、最後に停止するようにしたものである。これは、
図5の501ステップ、
図7の707ステップのパラメータ設定処理において、マスター号機を各IDNO.のうち、最も古いIDNO.をマスター号機に設定し、他をスレーブ号機に設定するようにしたものである。このようにすると運転号機のマイクロプロセッサー処理の稼働率が低下し応答性が良くなる。
【0089】
実施態様4は、実施態様の1、3において、マスター号機をシフトする設定手段(例えばアップ、ダウンキー)を設けて、この設定手段により外部からの手操作でマスター号機を変更出来るようにしたものである。具体的な説明は前述の通りであるから説明を省く。このようにすると、保守がやり易くなる。
【0090】
実施態様5は、実施態様1、3において、台数増減時のローテーションを行う際には、マスター号機を除いた号機によりローテーションを行うようにしたものである。具体的には、
図6の520A、535Aステップのローテーション処理において、マシスター号機をローテーションから外す処理を追加すれば良い。このようにすれば、マスター号機が停止しなので、台数増減、ローテーション処理を安定化させるこが出来る。又、マスター号機とスレーブ号機を識別することが出来る。
【0091】
実施態様6は、実施態様1、3において、マスター号機が運転中に故障(通信不良も含む)したら、マスター号機をスレーブ号機のうち、マスター号機より最も若い号機のスレーブ号機に変更(シフト)するようにしたものである。具体的には
図7の721ステップの故障チエックの処理にマスター号機が故障したら、マスター号機をスレーブ号機の中の若い号機に切り替える処理を追加すれば良い。このようにすれば、故障時も安定した制御ができ断水を回避することができる。