特許第5716095号(P5716095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5716095-支持構造を備えた移動型作業機 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5716095
(24)【登録日】2015年3月20日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】支持構造を備えた移動型作業機
(51)【国際特許分類】
   B60S 9/12 20060101AFI20150423BHJP
   E04G 21/04 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   B60S9/12
   E04G21/04
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-538113(P2013-538113)
(86)(22)【出願日】2011年10月17日
(65)【公表番号】特表2014-501655(P2014-501655A)
(43)【公表日】2014年1月23日
(86)【国際出願番号】EP2011068068
(87)【国際公開番号】WO2012065795
(87)【国際公開日】20120524
【審査請求日】2013年9月3日
(31)【優先権主張番号】102010043957.6
(32)【優先日】2010年11月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510312961
【氏名又は名称】プッツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】フューゲル ディートマル
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−116384(JP,U)
【文献】 特表2009−526685(JP,A)
【文献】 特開平10−067305(JP,A)
【文献】 特開平10−007017(JP,A)
【文献】 特開平02−033598(JP,A)
【文献】 英国特許第00865102(GB,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 9/00 − 9/22
E04G 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行台(12)と、搬送位置から少なくとも1つの作業位置へ前記走行台(12)に対し相対的に張出し可能で、前記走行台(12)を持ち上げた状態でそれぞれ1つの支持脚(42)でもって地面上で支持可能な2つの前部アウトリガー(38)および2つの後部アウトリガー(40)と、作業装置および/または前記アウトリガー(38,40)を制御するための駆動ユニット(47)とを備え、中空室を有する前記アウトリガー(40)の少なくとも1つが横貫通穴(48)を有している移動型作業機において、
前記中空室を有し且つ前記横貫通穴(48)を有している前記アウトリガー(40)の少なくとも1つが前記中空室によって形成される液体タンクを有していることを特徴とする作業機。
【請求項2】
前記アウトリガーの前記横貫通穴(48)が、補強手段としての貫通穴壁(50)を備えるように形成されていることを特徴とする、請求項に記載の作業機。
【請求項3】
前記アウトリガーの少なくとも1つのアウトリガー(40)の前記横貫通穴(48)が前記駆動ユニットの補助装置(52)のためのハウジングとして形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の作業機。
【請求項4】
前記補助装置が液冷機として形成されていることを特徴とする、請求項に記載の作業機。
【請求項5】
少なくとも1つの前記横貫通穴(48)が、カバー(54)により閉鎖可能なハウジングとして形成されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の作業機。
【請求項6】
走行台(12)と、搬送位置から少なくとも1つの作業位置へ前記走行台(12)に対し相対的に張出し可能で、前記走行台(12)を持ち上げた状態でそれぞれ1つの支持脚(42)でもって地面上で支持可能な2つの前部アウトリガー(38)および2つの後部アウトリガー(40)と、作業装置および/または前記アウトリガー(38,40)を制御するための駆動ユニット(47)とを備え、中空室を有する前記アウトリガー(40)の少なくとも1つが横貫通穴(48)を有している移動型作業機において、
前記アウトリガー(40)の少なくとも1つの前記横貫通穴(48)が、前記駆動ユニットの補助装置(52)のためのハウジングとして形成され、前記補助装置が液冷機として形成されていることを特徴とする作業機。
【請求項7】
前記補助装置(52)が、液圧管、液圧チューブおよび/または電気ケーブルを介して、前記走行台に固設される中央制御部または前記駆動ユニットと結合されていることを特徴とする、請求項に記載の作業機。
【請求項8】
少なくとも部分的に前記横貫通穴(48)を備えている前記アウトリガー(38,40)と作業装置(24,36)とが、前記走行台に固定して取り付けられるボディフレーム(22)に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送位置から少なくとも1つの作業位置へ走行台に対し相対的に張出し可能で、前記走行台を持ち上げた状態でそれぞれ1つの支持脚でもって地面上で支持可能な2つの前部アウトリガーおよび2つの後部アウトリガーと、作業装置および/または前記アウトリガーを制御するための駆動ユニットとを備え、中空室を有する前記アウトリガーの少なくとも1つが横貫通穴を有している移動型作業機、特に自走型コンクリートポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
走行可能なコンクリートポンプの場合、作業機は、とりわけ、分配マストを備えたマストブロックと、材料装入容器を備えたコアポンプとを含んでいる。コアポンプは、分配マストを介して案内されている搬送管に開口している。ポンプの型式に応じては、作業機は、1個の他は複数個の液圧ポンプと、他の補助ポンプ、たとえばコアポンプの材料装入容器内に設けた混合装置を駆動するための補助ポンプとを含んでいる。アウトリガーの課題は、とりわけ、作業位置にある作業機を地面上で作業ユニットのすべての位置で確実に傾動なしに支持することである。これに対応して、アウトリガーの強度に対する要求が大きい。その製造のために通常は鋼から成る中実の担持プロファイルまたは中空室プロファイルが使用される。他方、走行台上のアウトリガーに対しては、効率的な積載面積を考慮した広いスペースが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、アウトリガーの少なくとも一部分を、その強度および安定性を維持してより簡潔に構成し、省スペースの付加機能を備えさせることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、請求項1および請求項6に記載した構成を提案する。本発明の有利な構成および他の構成は従属項から明らかである。
【0005】
本発明による解決手段は、中空室を有しているアウトリガーの少なくとも一部分に横貫通穴を備えさせることができるという考え方から出発している。後部アウトリガーのそれぞれに少なくとも1つの横貫通穴が配置されているのが特に有利なことが明らかになった。この横貫通穴によって材料の節約が達成されるとともに、この横貫通穴は、アウトリガーのその貫通穴壁でもって張出し機能を有している。
【0006】
本発明の有利な構成によれば、少なくとも1つの横貫通穴は、片側または両側で開口して、場合によってはカバーにより閉鎖可能なハウジングとして形成されている。ハウジング内には、たとえば駆動ユニットの補助装置を配置することができる。補助装置は、有利には、主に液圧で操作される駆動ユニットの液冷機として形成されている。補助装置は、液圧管、液圧チューブおよび/または電気ケーブルを介して、走行台に固設される中央制御部または前記駆動ユニットと結合されていてよい。他の付加利用は、中空室として形成され且つ1つの横貫通穴を有しているアウトリガーの少なくとも1つが中空室によって形成される液体タンクを有していることによって得ることができる。
【0007】
本発明の他の有利な構成によにれば、少なくとも部分的に横貫通穴を備えているアウトリガーと作業ユニットとは、走行台に固定して取り付けられるボディフレームに配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
次に、本発明を図面に図示した実施形態に関して詳細に説明する。
図1a】後部アウトリガーを折りたたんだ状態で示した自走型コンクリートポンプの斜視図である。
図1b】後部アウトリガーを張り出させた状態で示した自走型コンクリートポンプの斜視図である。
図2】横貫通穴内に補助装置を組み込んだ後部アウトリガーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1aおよび図1bに図示した走行可能なコンクリートポンプはトラックシャーシ10を有し、該トラックシャーシは、原動機で駆動される走行台12と、運転室14とを備えている。トラックシャーシ10はコンクリートポンプ20を担持し、該コンクリートポンプはボディフレーム22を介して走行台12と結合されている。コンクリートポンプ構造部は実質的にコアポンプ24を含み、該コアポンプは、液圧駆動される2つの搬送シリンダ30と、該搬送シリンダ30の自由端に固設されている材料装入容器32とを備えている。前記構造部はさらに圧送管34を含み、該圧送管は屈曲マストとして構成された分配マスト36を介して案内されている。分配マスト36は、運転室14の付近でボディフレーム22と固定結合されているマスト回転支持ブロック44上で鉛直軸線のまわりに回転可能に支持されている。ボディフレーム22の後端にはマスト載置体46が配置され、該マスト載置体上に分配マスト36が図示した折りたたみ走行状態で載置される。さらに、張出し可能な前部アウトリガー38および後部アウトリガー40を備えた支持装置が設けられている。コンクリート打ち作動の場合、これらアウトリガーは図1bに図示したように張り出され、走行台12を該アウトリガーの伸縮可能な支持脚42でもって持ち上げた状態で地面で支持される。コアポンプ24、分配マスト36、アウトリガー38,40の液圧駆動は駆動ユニット47を介して行い、該駆動ユニットは、実質的に、走行原動機のパワートレインを介して駆動可能な液圧ポンプから成っている。
【0010】
本発明の特徴は、両後部アウトリガー40が中空室として形成され、該中空室が、その前部領域に、周回するように延在している貫通穴壁50を備えた横貫通穴48を有していることである。横貫通穴48には、軽量化機能と補強機能との双方の機能がある。右側の後部アウトリガー40では、横貫通穴48が、たとえば液圧管、液圧チューブおよび/または電気ケーブルを介して駆動ユニット47と結合されている補助装置52を内設したハウジングを形成している。補助装置52はたとえば液冷機として構成されている。図示した実施形態では、液冷機を有している横貫通穴48は内面が開口し、外面をカバー54によって閉鎖されている。基本的には、これら横貫通穴の1つはたとえば工具箱、クラッチ、角材処理機等を受容するための積荷室としても使用することができる。
【0011】
以上を要約すると、以下のようになる。本発明は、移動型作業機、特に自走型コンクリートポンプに関する。作業機は、実質的に、走行台12と、搬送位置から少なくとも1つの作業位置へ前記走行台12に対し相対的に張出し可能で、前記走行台12を持ち上げた状態でそれぞれ1つの支持脚42でもって地面上で支持可能な2つの前部アウトリガー38および2つの後部アウトリガー40と、作業装置および/または前記アウトリガー38,40を制御するための駆動ユニット47とを含んでいる。本発明の特徴は、中空室を有する前記アウトリガー40の少なくとも1つが、たとえば前記駆動ユニットの補助装置52のためのハウジングとして形成されてよい横貫通穴48を有している。
【符号の説明】
【0012】
10 シャーシ
12 走行台
14 運転室
20 コンクリートポンプ
22 ボディフレーム
24 コアポンプ
30 搬送シリンダ
32 材料装入容器
34 圧送管
36 分配マスト
38,40 アウトリガー
42 支持脚
44 マスト回転支持ブロック
46 マスト載置ブロック
47 駆動ユニット
48 横貫通穴
50 貫通穴壁
52 補助装置
54 カバー
図1a
図1b
図2