【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1の面状光源装置の構成を示した図である。
図1のように、面状光源装置は、線状光源装置1と、導光板2と、枠体3と、によって構成されている。線状光源装置1は、その光放射方向を導光板2の側面に向けて、その導光板2側面に接触するようにして配置されている。枠体3は、導光板2に対する線状光源装置1の位置が固定されるように、導光板2、および線状光源装置1をはめ込む構造となっている。
【0022】
次に、線状光源装置1の構成について、詳しく説明する。
図2は、線状光源装置1の構成を示した断面図であり、
図3は、線状光源装置1を裏面側(光放射方向とは反対側)から斜め方向に見た図である。
図2、3のように、実施例1の線状光源装置1は、細長い長方形状の配線基板10と、配線基板10上に直線状に配置された発光素子11と、各発光素子毎に配線基板10上に配置されたリフレクタ12と、発光素子11を封止する封止樹脂13と、によって構成されている。
【0023】
配線基板10は、ガラス布基材ビスマレイミドトリアジン樹脂からなるFR−5基板である。他にも、ガラス布基材エポキシ樹脂からなるFR−4基板なども用いることができる。配線基板10の表面には、配線パターンが形成されており、その配線パターンと発光素子11とがボンディングワイヤ(図示しない)を介して接続されている。配線基板10は、細長い長方形状である。
【0024】
配線基板10の長手方向中央部には、配線基板10主面に垂直な方向に貫通するスルーホール14が2つ設けられている。そして、配線基板10の裏面10a(配線パターン形成側とは反対側、発光素子11配置側とは反対側)であって、配線基板10の長手方向中央部には、外部接続端子17(正電極側と負電極側の2つの部分17a、b)が設けられており、配線基板10表面の配線パターンと外部接続端子17は、スルーホール14を介して接続されている。
【0025】
外部接続端子17の2つの部分17a、bは、配線基板10の長手方向に並んで離間して配置されている。なお、実施例1では外部接続端子17が配線基板10裏面から金属板の厚さ分突出しているが、配線基板10に凹部を設け、金属板が配線基板10に埋め込まれるようにしてもよい。このとき、金属板の表面は、配線基板10裏面10aから上方に突出してもよいし、裏面10aと同一面となってもよいし、裏面10aよりも下方となってもよい。特に裏面10aよりも下方となって凹部が形成されているのがよい。外部接続端子17に接触するバネ状端子がこの凹部によって固定され、バネ状端子がずれて外部接続端子17と接触しなくなるのを防止することができる。また、スルーホールを埋める金属をそのまま外部接続端子17としてもよい。また、外部接続端子17の2つの部分17a、bは、必ずしも配線基板10の長手方向に並んで配置されている必要はなく、短手方向に並んで配置されていてもよい。ただし、作製の容易さなどの点から長手方向に並んだ配置であることが望ましい。
【0026】
発光素子11は、青色発光のIII 族窒化物半導体からなるフェイスアップ型のLEDである。発光素子11は、配線基板10上に、配線基板10の長手方向に沿って直線状に複数配置されている。また、配線基板10の配線パターンと発光素子11のn電極、p電極(いずれも図示しない)とが、ボンディングワイヤ(図示しない)を介して接続されている。
【0027】
なお、実施例1では発光素子11をフェイスアップ型として配線基板10にワイヤボンディングしているが、発光素子11はフリップチップ型や縦方向に導通をとる構造のものを用いてもよい。
【0028】
リフレクタ12は、配線基板10上に、各発光素子11ごとに溝15によって分離されて設けられている。リフレクタ12は、たとえばポリフタルアミド、液晶ポリマ、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂材料からなる。リフレクタ12は、線状光源装置1の長手方向において発光素子11を挟んで対向する2つの部分12a、bからなり、それぞれの部分12a、bは、発光素子11側に配線基板10の主面に対して傾斜した傾斜面16a、bを有している。傾斜面16a、bは、発光素子11上方側を上に見て逆ハの字型となるような傾斜角度を有している。この傾斜面16a、bによって発光素子11からの光を上方に反射させることによって、線状光源装置1の輝度を高めるとともに輝度のムラを低減している。また、リフレクタ12a、bの最上部(配線基板10の主面に垂直な方向において、最も配線基板10から離れた部分)は、配線基板10の主面に平行な平面(以下、リフレクタ12の上面と呼ぶ)となっている。リフレクタ12の2つの部分12a、bそれぞれは、
図1のように、配線基板10長手方向であって、配線基板10主面に垂直な方向での断面が、配線基板10に接する面を切断する辺である下辺、下辺に平行でリフレクタ12の上面を切断する辺である上辺、傾斜面16a、16bを切断する辺である斜辺、下辺および上辺に垂直な辺、によって構成される台形である。
【0029】
なお、実施例1ではリフレクタ12は各発光素子11ごとに設けたが、複数の発光素子ごと(たとえば2、3個の発光素子ごと)に設けてもよい。1のリフレクタ当たりに複数の発光素子を配置する場合、その複数の発光素子の配置は、配線基板の長手方向に沿って並んだ配置であってもよいし、他の配置方法であってもよい。
【0030】
封止樹脂13は、黄色蛍光体が混合されたシリコーン樹脂からなり、発光素子11を封止するよう形成されている。封止樹脂13として他にもエポキシ樹脂などを用いることができる。この封止樹脂13は、発光素子11およびボンディングワイヤを保護するためのものであると同時に、発光素子11からの青色光の一部を黄色光に変換して青色光と黄色光とを混合し、白色発光とするものである。また、封止樹脂13は、リフレクタ12の傾斜面16a、b、発光素子11の配置された配線基板10で囲まれた凹部を満たすようにして形成されている。封止樹脂13は、粘性を有したシリコーン樹脂をポッティングしたのち、熱処理して硬化させることにより形成する。この熱処理に際して、シリコーン樹脂は収縮するため、配線基板10に、配線基板10の発光素子11実装側から裏面側に向かって凸状に湾曲させるような応力を発生させる。この応力によって、線状光源装置1は配線基板10裏面側(発光素子11が配置されている側とは反対側の面側)に凸に湾曲する。
【0031】
なお、封止樹脂13には、発光素子11からの光を拡散させるための反射材が混合されていてもよい。反射材は、たとえばシリカなどの粒子である。
【0032】
この線状光源装置1の外部接続端子17に電圧を印加すると、以下のように動作する。電圧の印加により配線基板10の配線パターンを介して各発光素子11に電流が流れると、各発光素子11から青色光が放射状に出射し、一部は封止樹脂13を介して上方に放射され、他の一部は封止樹脂13を介してリフレクタ12の傾斜面16a、bに達し、傾斜面16a、bに反射されて上方に放射される。ここで青色光の一部は封止樹脂13に混合されている黄色蛍光体によって黄色光に変換されるため、青色光と黄色光の混合により白色光に変換される。このように発光素子11からの青色光は白色光に変換されて上方に拡散し、各発光素子11が線状に配置されているため光も線状に拡散する。その結果、線状光源装置1は、線状に白色光を発する。
【0033】
以上が線状光源装置1の詳細な説明である。
【0034】
次に、導光板2について説明する。導光板2は、矩形の板状であり、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなる。導光板2の側面には、線状光源装置1がその光放射方向を導光板2の側面に向けて接触して位置する。導光板2内部に入射した光は、内部で反射して導光板2の主面に垂直な方向に取り出されるため、面状に発光させることができる。
【0035】
次に、枠体3について説明する。枠体3は、線状光源装置1、および導光板2をはめ込む中空部を有しており、その中空部に線状光源装置1と導光板2がはめ込まれ、導光板2の側面に線状光源装置1が接触している。線状光源装置1の向きは、その光放射方向が導光板2側面方向となる向きである。また、枠体3は、線状光源装置1の裏面10a側(導光板2側とは反対側)に回り込むように延びる部分3aを有し、その部分3aには、線状光源装置1の配線基板10の裏面10aに設けられた外部接続端子17に接触して押圧するバネ状端子31が設けられている。
【0036】
バネ状端子31は、正電極側と負電極側にそれぞれ対応した部分31a、31bを有している。バネ状端子31の2つの部分31a、bは、それぞれ外部接続端子17の2つの部分17a、bにそれぞれ対向するように配置されていて、バネ状端子31の2つの部分31a、bが外部接続端子17の2つの部分17a、bにそれぞれ接触しつつ、そのバネ性によって押圧している。バネ状端子31の部分31a、bは、バネ性を有した構造であれば任意の構造でよい。たとえば、くの字型、への字型、L字型、半円弧型、螺旋型などの線状あるいは板状の金属材を用いることができる。その金属材にはベリリウム銅、リン青銅、洋白などを用いることができる。
図4にバネ状端子31の一例を示す。
図4(a)に示すバネ状端子31は、くの字型に折り曲げたワイヤ状の金属材からなるものである。
図4(b)に示すバネ状端子31は、への字型に折り曲げたワイヤ状の金属材からなるものである。
図4(c)に示すバネ状端子31は、L字型に折り曲げたワイヤ状の金属材からなるものである。
【0037】
以上に示した実施例1の面状光源装置では、枠体3によって導光板2側面に線状光源装置1が固定されるとともに、枠体3に設けられたバネ状端子31によって線状光源装置1の外部接続端子17と接触して配線基板10長手方向中央部を押圧する。その結果、線状光源装置1の湾曲は矯正され、線状光源装置1からの光が導光板2へと入射する光入射効率が向上し、実施例1の面状光源装置の輝度を向上させることができる。また、従来のように線状光源装置と電源とをフレキシブル基板を用いて接続するのではないため、面状光源装置の小型化を図ることができる。
【0038】
なお、実施例1において、線状光源装置1のリフレクタ12の個数を4とし、各リフレクタ12に1つの発光素子を設けたが、リフレクタ12の個数はこれに限るものではない。ただし、リフレクタ12の個数は偶数個とすることが望ましい。奇数個では、発光素子11と対向する位置に外部接続端子17が位置することとなる。そのため、その対向する位置の発光素子11は、バネ状端子の押圧によって圧力が強くかかり、たとえばボンディングワイヤが切断されるなどの不具合を生じるおそれがある。それに対してリフレクタ12の個数を偶数個とした場合には、外部接続端子17と対向する位置は溝15が形成されている位置であり、バネ状端子の押圧による圧力が発光素子11に強くかかることはない。
【0039】
また、実施例1では、線状光源装置1の発光素子11として青色光のLEDを用い、封止樹脂13に混合する蛍光体として黄色蛍光体を用い、線状光源装置1の発色光を白色とするものであったが、発光素子11の発光色および蛍光体の蛍光色はこれらに限るものではない。たとえば、発光素子として青色発光LEDを用い、封止樹脂13に混合する蛍光体として赤色蛍光体、緑色蛍光体の2つを用いることで、線状光源装置1の発色光を白色とすることもできる。他にも、リフレクタ12内に設ける発光素子を青色LEDと緑色LEDの2つとし、封止樹脂13に混合する蛍光体を赤色蛍光体としたり、リフレクタ12内に設ける発光素子を青色LEDと赤色LEDの2つとし、封止樹脂13に混合する蛍光体を緑色蛍光体としたり、リフレクタ12内に青色LED、緑色LED、赤色LEDの3つを配置して線状光源装置1の発光色を白色としてもよい。
【0040】
また、実施例1では、導光板2の一側面に線状光源装置1を配置していたが、2以上の側面に線状光源装置を配置して面状光源装置を構成してもよい。
【0041】
さらに、実施例1ではリフレクタ12を用いているが、リフレクタ12を設けずに、発光素子11を封止樹脂13により封止しただけの構造としてもよい。