【実施例】
【0043】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、評価は以下の方法で行った。
【0044】
<ポリチオール化合物に含まれるアンモニウムカチオン濃度>
ポリチオール化合物50gと純水50gとをガラス製バイアルに入れ密栓後、振とう器を用いて充分に撹拌混合を行った。その後、ポリチオール化合物層と水層が充分に分離するまで静置し、水層中のアンモニウムカチオン濃度をイオンクロマトグラフィーを用いて測定し、ポリチオール化合物1kgあたりに含まれるアンモニウムカチオンの物質量(mol)を算出し、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]とした。
<ポリチオール化合物に含まれるチオシアン酸アニオン濃度>
ポリチオール化合物50gと純水50gとをガラス製バイアルに入れ密栓後、振とう器を用いて充分に撹拌混合を行った。その後、ポリチオール化合物層と水層が充分に分離するまで静置し、水層中のチオシアン酸アニオン濃度をMACHEREY−NAGEL社製の「ポータブル多項目水質計PF−12」およびMACHEREY−NAGEL社製の「チオシアン酸検査試薬NANOCOLOR Tube Test Thiocyanate50」を用いて測定し、ポリチオール化合物1kgあたりに含まれるチオシアン酸アニオンの物質量(mol)を算出し、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]とした。
<ポリチオール化合物に含まれるアンモニウムカチオンとチオシアン酸アニオンのイオン濃度積>
前記の方法で測定したアンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]を算出した。
<樹脂の透明性(白濁)>
光学材料用組成物の重合により製造した光学材料(光学レンズ)を暗室内で蛍光灯下、白濁の有無を観察した。また、光学レンズは100枚製造し、以下の5段階で評価した。評価A、B、Cが合格である。
A:100枚中、白濁の有る光学レンズがない。
B:100枚中、白濁の有る光学レンズが1枚以上3枚未満。
C:100枚中、白濁の有る光学レンズが3枚以上5枚未満。
D:100枚中、白濁の有る光学レンズが5枚以上10枚未満。
E:100枚中、白濁の有る光学レンズが10枚以上。
<光学材料の色調(YI値)>
厚さ2.5mm、φ60mmの円形平板の光学材料を製造し、分光色彩計(カラーテクノシステム社製、JS555)を用いてYI値を測定した。
【0045】
本実施例および比較例で使用したポリチオール組成物は、適宜合成したものや市販のポリチオール化合物をそのまま使用するか、それらポリチオール化合物に対して水洗浄、酸洗浄、蒸留精製などの手法から1つまたは複数の手法を組み合わせてアンモニウムカチオン濃度やチオシアン酸アニオン濃度を低減させたものを用いた。また、イオン濃度を調整するために、適宜混合を行ってイオン濃度の調整をしたポリチオール化合物も使用した。
【0046】
<ポリチオール化合物の合成例>
通常の1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン(化合物a−2)の合成
攪拌機、還流冷却管、窒素ガスパージ管、および温度計を取り付けた1L4つ口反応フラスコ内に、m−キシリレンジクロライド74.1g、チオ尿素67.2g、水270gを混合し、2.5時間加熱還流を行った。室温に冷却した後、窒素雰囲気下で、50%苛性ソーダ水溶液を134.1g加え、2時間加熱還流を行った。次いで、反応液を40℃に冷却し、希塩酸をpHが3になるまで加え、そのまま30分間攪拌して中和を実施した。反応終了後、トルエン360mLで抽出を行った後、加熱減圧下でトルエンおよび微量の水分を除去して、m−キシリレンジチオールを含むポリチオール組成物を68.7g得た。このポリチオール組成物中のアンモニウムカチオン濃度[NH
4+]は448μmol/kgでチオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]は612μmol/kgであった。
【0047】
アンモニウムカチオン濃度およびチオシアン酸アニオン濃度を下げた1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン(化合物a−2)の合成1
トルエン抽出および加熱減圧下でのトルエンおよび微量の水分の除去までは上述の通り行った。その後、得られたm−キシリレンジチオールを含むポリチオール組成物の蒸留精製を行った後に、水洗を実施し、再度蒸留精製を行った。得られたポリチオール組成物は55.0gであった。このポリチオール組成物中のアンモニウムカチオン濃度[NH
4+]は10μmol/kgでチオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]は42μmol/kgであった。
【0048】
アンモニウムカチオン濃度およびチオシアン酸アニオン濃度を下げた1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン(化合物a−2)の合成2
トルエン抽出までは通常の1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンと同様に合成し、その後、そのトルエン溶液を6規定の塩酸で洗浄後、水洗を実施した後に、加熱減圧下でトルエンおよび微量の水分を除去した。得られたポリチオール組成物の重量は58.0gであった。このポリチオール組成物中のアンモニウムカチオン濃度[NH
4+]は30μmol/kgでチオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]は66μmol/kgであった。
【0049】
アンモニウムカチオン濃度およびチオシアン酸アニオン濃度を下げた1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン(化合物a−2)の合成3
加水分解工程の温度を80℃以上に保持して行うこと以外は、通常の1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼンと同様に合成して、m−キシリレンジチオールを含むポリチオール組成物を66.3g得た。このポリチオール組成物中のアンモニウムカチオン濃度[NH4+]は39μmol/kgでチオシアン酸アニオン濃度[SCN−]は153μmol/kgであった。
【0050】
通常の1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパン(化合物a−3)の合成
攪拌機、還流冷却管、窒素ガスパージ管、および温度計を取り付けた2L4つ口反応フラスコ内に、水76.0gと48質量%の水酸化ナトリウム水溶液90.0g(1.08mol)を装入した。30℃にて2−メルカプトエタノール169g(2.16mol)を30分かけて滴下装入した後、エピクロロヒドリン99.9g(1.08mol)を同温度にて3時間かけて滴下装入し1時間熟成を行った。次に、36質量%塩酸水450.1g(4.32mol)、チオ尿素304.5g(4.00mol)を装入し、8時間110℃還流を行ってチウロニウム塩化を行った。50℃に冷却した後、トルエン450.0g、28質量%のアンモニア水溶液298g(5.21mol)を装入し、加水分解を行い、1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパンを主成分とするポリチオールのトルエン溶液を得た。該トルエン溶液を、水洗浄を行い、加熱減圧下でトルエンおよび微量の水分を除去した。その後、濾過して1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパン化合物を主成分とするポリチオール組成物271.2gを得た。このポリチオール組成物中のアンモニウムカチオン濃度[NH4+]は223μmol/kgでチオシアン酸アニオン濃度[SCN−]は356μmol/kgであった。
【0051】
アンモニウムカチオン濃度およびチオシアン酸アニオン濃度を下げた1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパン(化合物a−3)の合成
ポリチオールのトルエン溶液を得るまでは、上述の通常の1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパンの合成と同様に行い、その後、該トルエン溶液を、6規定の塩酸で洗浄した後に水洗浄を行い、加熱減圧下でトルエンおよび微量の水分を除去した。その後、濾過して1,2−ビス〔(2−メルカプトエチル)チオ〕−3−メルカプトプロパン化合物を主成分とするポリチオール組成物268.3gを得た。このポリチオール組成物中のアンモニウムカチオン濃度[NH4+]は8μmol/kgでチオシアン酸アニオン濃度[SCN−]は14μmol/kgであった。
【0052】
実施例1〜6
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表1に示す値のペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(以下、化合物a−1とする)を用いて、下記の製法1に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表1にまとめた。
【0053】
実施例7〜12
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表1に示す値の化合物a−1を用いて、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表1にまとめた。
【0054】
実施例13〜15
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表1に示す値の化合物a−1を用いて、下記の製法3に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表1にまとめた。
【0055】
実施例16〜18
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表1に示す値の1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン(以下、化合物a−2とする)を用いた以外は、下記の製法1に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表1にまとめた。
【0056】
実施例19〜25
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表1に示す値の化合物a−2を用いて、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表1にまとめた。
【0057】
実施例26〜28
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表1に示す値の化合物a−2を用いて、下記の製法3に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表1にまとめた。
【0058】
実施例29〜31
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表2に示す値の1,2− ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン(以下、化合物a−3とする)を用いた以外は、下記の製法1に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表2にまとめた。
【0059】
実施例32〜35
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表2に示す値の化合物a−3を用いて、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表2にまとめた。
【0060】
実施例36〜39
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表2に示す値の化合物a−3を用いて、下記の製法3に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表2にまとめた。
【0061】
実施例40〜42
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表2に示す値のビス(メルカプトエチル)スルフィド(以下、化合物a−4とする)を用いた以外は、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表2にまとめた。
【0062】
実施例43〜45
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表2に示す値の2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン(以下、化合物a−5とする)を用いた以外は、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表2にまとめた。
【0063】
実施例46〜50
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表2に示す値の1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン(以下、化合物a−6とする)を用いた以外は、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表2にまとめた。
【0064】
実施例51〜55
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表2に示す値の化合物a−6を用いて、下記の製法3に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表2にまとめた。
【0065】
実施例56〜60
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表3に示す値の化合物a−1及び化合物a−2を用いた以外は、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表3にまとめた。
【0066】
実施例61
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表3に示す値の化合物a−1及び化合物a−2を用いた以外は、下記の製法3に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表3にまとめた。
【0067】
実施例62〜64
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表3に示す値の化合物a−2及び化合物a−3を用いた以外は、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表3にまとめた。
【0068】
実施例65
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表3に示す値の化合物a−2及び化合物a−6を用いた以外は、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表3にまとめた。
【0069】
実施例66
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表3に示す値の化合物a−2及び化合物a−6を用いた以外は、下記の製法3に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表3にまとめた。
【0070】
実施例67
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表3に示す値の化合物a−3及び化合物a−6を用いた以外は、下記の製法2に従って、本発明の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表3にまとめた。
【0071】
比較例1、2
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−1を用いて、下記の製法1に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0072】
比較例3、4
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−2を用いて、下記の製法1に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた(ただし、比較例4は硬化物が得られなかった)。
【0073】
比較例5〜7
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−2を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた(ただし、比較例7は硬化物が得られなかった)。
【0074】
比較例8
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−2を用いて、下記の製法3に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0075】
比較例9
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−3を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0076】
比較例10
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−4を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0077】
比較例11
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−5を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0078】
比較例12
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−6を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0079】
比較例13
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−1及び化合物a−2を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0080】
比較例14
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−2及び化合物a−3を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0081】
比較例15
重量部、アンモニウムカチオン濃度[NH
4+]、チオシアン酸アニオン濃度[SCN
−]、アンモニウムカチオン濃度とチオシアン酸アニオン濃度の積[NH
4+] [SCN
−]が表4に示す値の化合物a−3及び化合物a−6を用いて、下記の製法2に従って、比較例の光学材料用組成物および光学材料を作製した。結果を表4にまとめた。
【0082】
上記実施例および比較例で用いた製法の詳細は、以下のとおりである。
<製法1>
エポキシ樹脂としてビスフェノールFジグリシジルエーテル(以下、化合物b−1とする)(エポキシ当量174)95重量部(値は表1〜4に従う)と、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(化合物a−1)5重量部(値は表1〜4に従う)を混合し、トリエチルアミン0.6質量部、内部離型剤としてジブチルアシッドホスヘート0.08質量部を加え、均一とした後、この組成物をレンズ用ガラスモールドへ注入し、2時間室温で放置し重合硬化させた。その後脱型し、光学材料を得た。
<製法2>
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(化合物a−1)5重量部(値は表1〜4に従う),(ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド(以下、化合物b−2とする)95重量部(値は表1〜4に従う)の合計100重量部に触媒として2−ジエチルアミノエタノール0.5重量部を混合し、室温で撹拌し均一液とした後、この組成物をレンズ用ガラスモールドに注入し、オーブン中で10℃から120℃まで22時間かけて昇温して重合硬化させた。その後脱型し、光学材料を得た。
<製法3>
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(化合物a−1)5重量部(値は表1〜4に従う),(ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド(以下、化合物b−3とする)95重量部(値は表1〜4に従う)の合計100重量部に触媒として2−ジエチルアミノエタノール0.5重量部を混合し、室温で撹拌し均一液とした後、この組成物をレンズ用ガラスモールドに注入し、オーブン中で10℃から120℃まで22時間かけて昇温して重合硬化させた。その後脱型し、光学材料を得た。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
表1〜4における化合物の略号の説明:
a−1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
a−2:1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン
a−3:1,2− ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン
a−4:ビス(メルカプトエチル)スルフィド
a−5:2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
a−6:1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン
b−1:ビスフェノールFジグリシジルエーテル
b−2:ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド
b−3:ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド