特許第5717029号(P5717029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717029
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】暗渠型ブロック
(51)【国際特許分類】
   E03F 3/04 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
   E03F3/04 A
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-183110(P2011-183110)
(22)【出願日】2011年8月8日
(65)【公開番号】特開2013-36311(P2013-36311A)
(43)【公開日】2013年2月21日
【審査請求日】2011年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000202419
【氏名又は名称】草竹コンクリート工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】草竹 杉晃
【審査官】 ▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−108481(JP,U)
【文献】 特開2008−169595(JP,A)
【文献】 特開平07−196036(JP,A)
【文献】 特開2008−163708(JP,A)
【文献】 特公昭46−019153(JP,B1)
【文献】 特開2004−346691(JP,A)
【文献】 実開平04−009495(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 3/00 − 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に長手方向に沿う孔(3)を有するブロック本体(2)の上面(2a)が孔(3)上部との間に所定厚みを有してなり、上記孔(3)の断面形状が、底部(3a)に比し両側辺部(3b)が短左右対称の二等辺三角形(T)を基本に変形させた異形状をなし、三角形(T)の各角部が夫々三角形(T)の外方に向いた凸湾曲状をなすべく三角形(T)の内方に収縮変形され、頂部(3c)が略山形状に形成されるとともに、上記三角形(T)の各辺部が夫々三角形(T)の外方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなすべく三角形(T)の外方に膨出変形されて、三角形(T)の斜め上方に向け凸湾曲状をなす両側辺部(3b)及び三角形(T)の下方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなす底辺部(3a)が形成され、該両側辺部(3b)と底辺部(3a)とが、上記三角形(T)の左右両角部の収縮変形で生じた丸みを帯びて外方に向いた凸湾曲状部分を介して滑らかに連続され、孔(3)内部の下部空間が左右方向に拡開して広くなされ、孔(3)内部に人が四つん這い姿勢で進入可能な大きさとなされた暗渠型ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は暗渠型ブロックに関し、詳しくは、例えば道路に埋設施工されてその上方から輪荷重等が負荷されても十分な強度を有する水路用ブロック、道路や軌道下或いは各種場所のトンネルを形成する通路用ブロック等、水路や通路等として使用可能な暗渠型ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば暗渠型水路ブロックとして、下記の特許文献1に開示されるように、内部に長手方向に沿う水路を有し、上面が水路上部との間に所定厚みを有してなり、上記水路の断面形状が略山形状の上部を有する略扁平異形状で、略左右対称状をなし、左右方向に延びる底辺部に相対し、頂部の左右両側が所定勾配の斜降状をなして略山形状となされた上辺部の左右両端を、上記底辺部に連設せる両側辺部の上端に夫々連続させて形成されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2008−163708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる従来の暗渠型水路ブロックは、水路の断面形状が略山形状の上部を有する扁平異形状、即ち、断面円形に比し底部から上部方向への広がりを抑えてその断面高さを低くして上下高さが左右幅に比し小さくなされた形状であるため、ブロックの強度面や、ブロック高さを低く抑え埋設時に深掘せずにすむ施工性等の点で有効である反面、施工後水路内部に汚泥等の堆積物が溜まって水はけが悪くなった場合や比較的大きな異物が引っ掛かったりした異常時に、堆積物や異物を除去すべく、或いは、定期点検のために水路内に人が進入して作業するようなことは想定外で、人が進入しようとしても水路の上下高さが不十分で進入できなかったり、仮に進入できても水路内での身動きが困難で作業ができず、又、危険を伴うといった問題点がある。又、水路の断面形状がたとえ扁平異形状であっても水路の上下高さと左右幅が十分大きい場合には、人が進入しての堆積物や異物の除去作業や点検作業は可能であるが、その場合には水路の断面形状が本来の排水処理のみに必要な形状よりも大きくなり、これに伴いブロック自体も嵩張って無駄が生じて不経済になりやすいといった問題点がある。
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、上方から輪荷重等が負荷されても十分な強度を有するとともに、孔内部に溜まった汚泥等の堆積物や孔内部に引っ掛かった異物等の除去、或いは定期点検等に際し、孔内に人が進入して作業可能で無駄のない水路や通路として使用可能な暗渠型ブロックを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の暗渠型ブロックは、内部に長手方向に沿う孔3を有するブロック本体2の上面2aが孔3上部との間に所定厚みを有してなり、上記孔3の断面形状が、底部3aに比し両側辺部3bが短左右対称の二等辺三角形Tを基本に変形させた異形状をなし、三角形Tの各角部が夫々三角形Tの外方に向いた凸湾曲状をなすべく三角形Tの内方に収縮変形され、頂部3cが略山形状に形成されるとともに、上記三角形Tの各辺部が夫々三角形Tの外方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなすべく三角形Tの外方に膨出変形されて、三角形Tの斜め上方に向け凸湾曲状をなす両側辺部3b及び三角形Tの下方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなす底辺部3aが形成され、該両側辺部3bと底辺部3aとが、上記三角形Tの左右両角部の収縮変形で生じた丸みを帯びて外方に向いた凸湾曲状部分を介して滑らかに連続され、孔3内部の下部空間が左右方向に拡開して広くなされ、孔3内部に人が四つん這い姿勢で進入可能な大きさとなされたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の暗渠型ブロックは、ブロック本体の上面が内部の孔上部との間に所定厚みを有し、孔の断面形状が、底に比し両側辺部が短左右対称の二等辺三角形を基本に変形させた異形状をなし、三角形の各角部が夫々三角形の外方に向いた凸湾曲状をなすべく三角形の内方に収縮変形され、頂部が略山形状に形成されるとともに、上記三角形の各辺部が夫々三角形の外方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなすべく三角形の外方に膨出変形されて両側辺部及び底辺部が形成されているために、例えば水路用ブロックとして道路等の適宜箇所に埋設施工されてその上方から輪荷重等外力が負荷されても十分な強度を有し、安定した構造の路面用水路施設の形成ができるとともに、孔断面の底辺部が外方(下方)に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなすべく外方(下方)に膨出されて孔内の流水性がよく、孔内に汚泥等の堆積物やごみ等が溜まりにくい。
又、孔の断面形状が上記形状をなし、孔内部に人が四つん這い姿勢で進入可能な大きさとなされているために、水路として使用する場合、施工後、孔内部にたとえ汚泥等の堆積物やごみ等が溜まって水はけが悪くなった場合や、比較的大きな異物が引っ掛かったりした異常時、或いは孔内の定期点検等の必要時に、堆積物、ごみや異物等の除去、孔内点検等をすべく孔内に人が容易に進入して作業でき、孔内部の下部空間が左右方向に拡開して広がっていることもあって堆積物、ごみや異物等の除去、或いは点検等の作業がしやすく、又、孔断面の底辺部が下方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなすことと相俟って、孔内に進入した人が上記底辺部に無理なく膝と手をついて四つん這い又は前かがみの姿勢を確保できて作業が容易に行え、又、孔の上下高さ及び断面形状を本来の水路機能のみに必要な高さ及び形状として不必要に大きくすることなく、延いてはブロック自体を無駄に嵩張らせずに全体を経済的で有効な断面形状を有するブロックとすることができる。
更に、本発明の暗渠型ブロックは上記水路用ブロックとして使用する他、各種場所で非常、緊急時等の避難用トンネル通路、往来が必要な場所のトンネル通路等の各種通路用ブロックとしても好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】 本発明の暗渠型ブロックの一実施の形態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は右側面図、(ニ)は(イ)のA−A断面図。
図2】 施工状態とともに示す図1(イ)のB−B拡大断面図。
図3】 (イ)及び(ロ)は夫々施工状態とともに示す本発明の暗渠型ブロックの他実施の形態を示す一部断面図。
図4】 (イ)〜(ハ)は夫々本発明の暗渠型ブロックの孔の断面形状の他の例を示す説明図。
図5】 (イ)〜(ハ)は夫々本発明の暗渠型ブロックの外郭形状の他の例を示す断面図。
図6】 (イ)は本発明の暗渠型ブロックの他実施の形態を示す一部正面図、(ロ)は左側面図、(ハ)は(イ)のC−C断面図、(ニ)は本発明の暗渠型ブロックの更に他実施の形態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の暗渠型ブロックの一実施の形態を示し、1は本実施形態のブロックであって、図1(イ)〜(ニ)に示す如く、そのブロック本体2の内部に長手方向に沿う孔3を有するコンクリート製等の横長筒状体となされ、孔3の断面形状が左右対称で、三角形(正三角形に近く、底辺部3aに比し両側辺部3bがやや短い二等辺三角形)Tを基本にしてこれを変形させた異形状をなし、ブロック本体2の断面外郭形状が略変形台形状で、上記孔3の断面形状に伴いその断面最大幅付近から上側が上窄まり状、下側が若干下窄まり状に形成されることで左右両側面が外方に向け膨出状となされ、両側面が孔3内面との間に所定厚みを有するとともに、ブロック本体2の上面2aが略水平状となされて孔3の上部との間に所定厚みを有して形成されている。
基本的にブロック本体2の上面2aに負荷される輪荷重等外力による曲げやせん断力に対する最低限の強度を保持する必要性や、例えば水路用ブロックとして使用する際の孔3内の流水の流量等の水路機能の面から、ブロック本体2及び孔3の断面形状が設計されるとともに、ブロック本体2自体を無駄に嵩張らせないようになされている。
上記孔3の断面形状は、図2に示す如く、左右対称で三角形Tの各角部(角及びその周辺部)が夫々三角形Tの外方に向いた凸湾曲状をなすべく三角形Tの内方に収縮変形されることで丸みが付され、頂部3cが略山形状に形成されるとともに、上記三角形Tの直線状の各辺部(詳しくは上記角部を除く辺部)が夫々三角形Tの外方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなすべく三角形Tの外方に膨出変形されることで両側辺部3b及び底辺部3aが形成された異形状をなす。
具体的には、上記断面形状の底辺部3aが略中央部で三角形Tの下方に向け略凸湾曲状をなして左右方向に夫々緩傾斜状に延び(詳しくは曲率の異なる円弧状の曲線が連続されその両側に緩傾斜状の直線が連続されて略凸湾曲状をなして左右方向に延び)、該底辺部3aに相対し、頂部3cがその左右両側が所定の斜降状をなすべく三角形Tの上方に向け凸湾曲され(詳しくは曲率の異なる円弧状の曲線を組み合わせて連続させ、一様な円弧状とは異なる凸湾曲状をなす)、頂部3cの左右両側の側辺部3bが三角形Tの斜め上方に向け凸湾曲状をなし、頂部3cと両側辺部3b、両側辺部3bと底辺部3aとが夫々丸みを帯びて滑らかに連続されて上記三角形Tの変形状をなす如く孔3の断面形状が形成されている。
【0009】
又、図2に示す如く、孔3内部に人(例えば普通の大人)Pが四つん這い姿勢で進入可能な大きさ(例えば孔3の上下高さが少なくとも略70cm以上)で、水路機能を確保すべく孔3内の流水の流量も所望する必要流量を満たす大きさに形成され、図2の場合には頂部3cにおける空間部、換言すれば上記人Pの頭部付近の空間部が左右方向に所定広さを確保すべくなされている。
即ち、孔3の底辺部3aがその略中央部で下方に向け凸湾曲状(凸屈曲状でもよい)をなして左右方向に夫々緩傾斜状に延びることで、水路としての孔3内の流水性をよくして孔3内に汚泥等の堆積物やごみ等が溜まりにくくなされるとともに、孔3内に進入した人Pが上記底辺部3aに無理なく膝と手をついて四つん這い又は前かがみの姿勢を確保できて移動、清掃や点検等の各種作業が容易に行え、且つ頂部3cにおける空間部が左右方向に所定広さを有することでヘルメットを被っていても人Pが余裕をもって進入可能なようになされている。
又、孔3の断面形状が上記の如く三角形Tを基本に変形させた異形状となされることで、施工後、孔3内に溜まった汚泥等の堆積物やごみ、孔3内に引っ掛かった異物等の除去、或いは孔3内の点検等必要時に孔3内に人Pが進入して身動きや各種作業をするのに際し、孔3の上下高さ及び断面形状を無駄に大きくすることなく有効な大きさ及び形状に設計されている。
更に、孔3の断面形状が上記形状となされることで、孔3内部の下部空間を左右方向に拡開して広くして例えば上記堆積物や異物等の除去作業スペース或いは点検作業スペースを確保でき、両側辺部3bと底辺部3aが湾曲状をなして滑らかに連続されていることと相俟って堆積物や異物等の除去、孔内点検作業が容易に行えるようになされている。
【0010】
又、本実施形態のブロック1は、施工時にその長手方向で他のブロック1とボルト連結して接合するために、例えば図1(イ)、(ロ)及び(ニ)に示す如く、ブロック本体2の長手方向両端面付近の両側壁上下部に凹部2b(ボルトやナットの挿入用空間)が夫々設けられるとともに、上記両端面上下部に長手方向に沿い凹部2b内に貫通するボルト孔2cが夫々設けられている。尚、図示しないが少なくとも水路用ブロックとして使用する際のボルト連結時には隣接するブロック1間に止水パッキンが挟着されて接合される。
又、上記ブロック1はその優れた強度面(ブロック本体2の上面2aが孔3上部との間に所定厚みを有し、孔3の断面形状が上記の如き三角形Tを基本に変形させた異形状で、頂部3cが上方に向け凸湾曲する略山形状をなし、その左右両側が所定の斜降状の両側辺部3bに連続することに起因)から例えば輪荷重等の負荷が大きい道路等に好適に埋設使用可能で、その際、図2に示す如く路面r下の浅い位置に埋設施工されるものであって、ブロック本体2の上面2aはその幅方向全体にわたり略水平な平滑面となされているが、例えば図3(イ)に示す如くブロック本体2の上面2aの幅方向両端部に長手方向に沿って切欠段部2dが設けられたり、図3(ロ)に示す如く上記切欠段部2dが更に幅方向に複数連設されて階段状に設けられてもよい。尚、上記切欠段部2dの形状は上記以外の他の適宜形状でもよい。
【0011】
尚又、本発明の暗渠型ブロックは必ずしも上記実施形態のものに限定されることなく、本発明の意図する範囲内で種々の設計変更がなされてもよい。
例えば孔3の断面形状は、上記と略同様にして正三角形に近似して底辺部3aに比し両側辺部3bが短い二等辺三角形Tを基本に変形させた異形状をなし、その各角部が三角形Tの内方に向け収縮変形されるとともに、各辺部が三角形Tの外方に向け膨出変形されることにより、上記以外に図4(イ)〜(ハ)に示す如く種々の形状に形成されてもよい。
まず図4(イ)の場合は、正三角形に近く、底辺部3aに比し両側辺部3bがやや短い二等辺三角形Tを基本に変形され、断面形状が上記実施形態と全体的に略同様な異形状でその底辺部3aが上記と異なり左右方向に延びる緩やかなV形状をなして下方に向け凸屈曲状となされている。
【0012】
又、図4(ロ)の場合は、上記断面形状全体が正三角形の変形状、詳しくは底辺部3aに比し両側辺部3bがやや短い二等辺三角形Tの変形状で上記実施形態と異なり、比較的正三角形に近い形状をなすべく上記と略同様にして三角形Tを基本に変形され、頂部3cが上向き凸湾曲状の略山形状となされ、その底辺部3aが上記と略同様で下方に向け凸湾曲状、両側辺部3bが夫々外方に向け凸湾曲状をなし、両側辺部3bと底辺部3aとが夫々湾曲状をなして連続されている。
図4(ハ)の場合は、断面形状全体が正三角形、詳しくは正三角形に近似して底辺部3aに比し両側辺部3bがやや短い二等辺三角形Tを基本に変形され、上記図4(ロ)の如き断面形状全体が夫々略山形状の上部を有する略三角異形状を更に変形させた形状となされ、上記(ロ)と略同様でその底辺部3aが左右方向に延びる緩やかなV形状をなして下方に向け凸屈曲状となされている。
【0013】
要は、孔3の断面形状は、底部3aに比し両側辺部3bが短い左右対称の二等辺三角形(正三角形に近似)Tの各角部が夫々三角形Tの外方に向いた凸湾曲状をなすべく三角形Tの内方に収縮変形され、頂部3cが略山形状に形成されるとともに、上記三角形Tの各辺部が夫々三角形Tの外方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなすべく三角形Tの外方に膨出変形されて、三角形Tの斜め上方に向け凸湾曲状をなす両側辺部3b及び三角形Tの下方に向け凸湾曲又は凸屈曲状をなす底辺部3aが形成された異形状をなし、両側辺部3bと底辺部3aが湾曲状に連続(換言すれば、三角形Tの左右両角部の収縮変形で生じた丸みを帯びて外方に向いた凸湾曲状部分を介して滑らかに連続)し、下部に左右方向に広がる空間を有するように形成されればよく、上記以外の種々の適宜形状となされてもよい。
又、孔3の断面形状は内部に人が四つん這い姿勢で進入可能で、水路機能も保持すべく孔3内の流水の流量を考慮した大きさで、その高さと左右幅(最大幅)寸法は略等しいか、左右幅が高さに比しやや大きくなされるのが好ましいが、高さと左右幅寸法の比率を特に限定するものではない。
【0014】
ブロック本体2の断面外郭形状についても、少なくとも上面2aに負荷される輪荷重等外力に対する十分な強度を有するとともに、孔3が上記断面形状となされるのに伴って無駄に嵩張ることなく形成されればよく、上記以外の適宜形状となされてもよい。
例えば図5(イ)に示す如く、上記と全体的に略同様でその上面2aが緩やかなV形状をなすべく幅方向両端部から略中央部に向け斜降状の傾斜面となされたり、図5(ロ)に示す如く、略変形台形状で、長方形の左右上半部が斜めに切欠かれた如き上窄まり状をなして左右上隅部に丸みが付されたり、図5(ハ)に示す如く、全体が孔3の略三角異形状の断面形状に近似した形状で、その断面最大幅付近から上側が孔3の内壁に略沿う上窄まり状、下側が若干下窄まり状に形成され、上面2aが狭幅の略水平状となされる等、その他上記条件を満足する種々の適宜形状となされてもよい。
又、ブロック本体2の外面と孔3の内面との間の厚みが上記図5のものに比し薄い場合(例えばコンクリート以外の合成樹脂や金属等の各種剛性材料から作製される場合等)は、例えば図6(イ)〜(ハ)に示す如く、ブロック本体2の外周及び長さ方向の両方向に夫々リブからなる補強材2eが適宜間隔で複数突設されるとともに、長さ方向端部に接合用のフランジ2f(周方向に間隔をあけて複数のボルト孔2cを有する)が突設されてもよいし、図6(ニ)に示す如く、ブロック本体2の外周に略相似形の補強材2eが設けられるとともに、両者間を連結するリブをなす補強材2eがブロック本体2の外周方向に適宜間隔で複数設けられてもよく、何れにしてもブロック本体2が所定の強度を保持すべく補強されることでブロック本体2の外郭形状が形成されてもよい。
【0015】
更に、上記実施形態では、他のブロック1とボルト連結して接合するために、ブロック本体2に凹部2b(ボルトやナットの挿入用空間)やボルト孔2cが設けられているが、かかる凹部2bやボルト孔2cはブロック本体2の長手方向両端面付近の両側壁下部、両端面下部にのみ上記と同様にして設けられてもよいし、他のボルト連結構造が採用されてもよいし、又、他のブロック1との接合構造は上記ボルト連結に限定されるものではなく、例えば嵌合方式等、適宜公知の接合構造を有して長手方向に接合可能となされておればよい。
又、ブロック本体2の長手方向の長さも上記十分な強度を有する適宜長さとなされればよく、一般的に施工性や輸送性等を考慮した所定長さであればよい。
尚、上記実施形態では本発明の暗渠型ブロック1は水路用ブロックとして使用される際、道路の機能性や景観面等種々の点から路面r下に浅く埋設施工されて上面2aが路面rから露出しないようになされているが、これに限らず上面2aが路面rに露出されたり、上面2aを含め全体が路面r下の適宜深さに埋設施工されてもよいし、その施工場所も上記の輪荷重等の負荷が大きい道路の交差部等に限らず、各種場所に埋設施工されてもよいことは勿論である。
尚又、本発明の暗渠型ブロック1は水路用ブロックとして使用される他、道路や軌道下のトンネル通路、或いは各種場所で非常、緊急時等の避難用トンネル通路、往来が必要な場所のトンネル通路等の各種通路用ブロックとして使用することも可能である。又、複数接続して長い通路を形成する場合には、人の進入に鑑みブロック1に外部に連通する換気用の管や設備が接続されるようになされていてもよい。
【符号の説明】
【0016】
1 暗渠型ブロック
2 ブロック本体
2a 上面
3 孔
3a 底辺部
3b 側辺部
3c 頂部
P 人
T 三角形
r 路面
図1
図2
図3
図4
図5
図6