(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
搬送装置(68)で搬送する作物の等級を等級検知装置(70)で検知し、該等級検知装置(70)が設定した等級に該当する作物を検知すると送出装置(71)で作物を回収部(72)に送り出して選別する選別搬送装置(76)を設け、該選別搬送装置(76)の選別作業に適さない作物を選別搬送装置(76)に移動する前に取り除く規格外選別装置(35)を設け、
該規格外選別装置(35)は、作物を搬送する途中で下方に落下させる選別経路(34)と、該選別経路(34)を構成する搬送終端側ほど大きな作物を落下させる搬送部材(32)と、該選別経路(34)の搬送始端側下部と搬送終端側下部に設けた落下作物を回収する回収部材で構成し、
前記選別経路(34)の搬送始端側の下部に搬送部材(32)に付着した夾雑物を除去するスクレーパプレート(43)を搬送方向に沿って摺動自在に設け、該スクレーパプレート(43)に搬送部材(32)に付着した水を除去するワイパー(45)を設けると共に、前記スクレーパプレート(43)の下部にスクレーパプレート(43)を振動させる振動モータ(44)を設けたことを特徴とする作物選別装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態について説明する。
図1〜
図21に示すように、実施例の一つとして示す選別装置の一種である人参の洗浄選別装置は、人参を洗浄する洗浄部Aと、洗浄された人参を貯留する貯留部Bと、貯留部Bに選別対象の人参を引き継がせると共に規格外の人参を取り除く規格外選別部Cと、貯留部Bから人参を上方に搬送する汲上搬送部Dと、汲上搬送部Dから人参を引き継いで人参を一本ずつ整列させる整列搬送部Eと、選別搬送部Eから人参を受けて搬送し、設定した条件に応じた人参を回収部に跳ね出す選別搬送部Fとから構成される。
【0028】
まず、洗浄部Aについて説明する。
図1〜
図6で示すように、人参を投入する、平面視で長方形または正方形の投入フレーム1を設け、該投入フレーム1の内側で且つ人参の移動方向上手側に下方傾斜する傾斜板2aを設け、該傾斜板2aの左右両側に左右方向の中央に向かって下方傾斜する左右傾斜板2b,2bを設ける。また、該傾斜板2a及び左右傾斜板2b,2bの下端部に、人参を後方に向かって搬送する第1搬送部3aと、該第1搬送部3aの搬送終端部から人参を後方且つ斜め上方に汲上搬送する第2搬送部3bを形成した第1汲上搬送コンベア3を配置する。
【0029】
該第1汲上搬送コンベア3は、搬送始端側に左右の従動スプロケット4,4を回転自在に設け、搬送終端側に左右の駆動スプロケット5,5を回転自在に設ける。そして、該従動スプロケット4,4と駆動スプロケット5,5に左右の汲上搬送チェーン7,7を無端状に巻回し、該汲上搬送チェーン7,7の左右間に亘って複数の搬送プレート8…を設けて構成する。
【0030】
そして、前記第1汲上搬送コンベア3の左右両側に左右のコンベアフレーム9,9を設け、該コンベアフレーム9,9の搬送終端側の下方と前記投入フレーム1の後部を回動軸10を介して連結する。第1汲上搬送コンベア3は、該回動軸10を回動支点として、搬送始端側を上方に持ち上げることができる。
【0031】
さらに、前記コンベアフレーム9,9の搬送下手側の上部に第1駆動モータ11を設け、該駆動モータ11の出力軸に出力スプロケット12を設け、該出力スプロケット12と左右一側の駆動スプロケット5と共に回転する入力スプロケット13に伝動チェーン14を無端状に巻回することにより、投入タンク15が構成される。
【0032】
なお、投入タンク15に投入される人参が落下の衝撃で傷付くことを防止するために、投入タンク15内には水を大量に貯留させる。これにより、人参の商品価値の低下を防止できるとともに、人参に付着した泥土を洗浄前にふやけさせることができるので、後述する洗浄装置26で人参に付着した泥を確実に落とすことができる。従って、上記第1汲上搬送コンベア3の構成部材は、全て耐水性のある素材、あるいは耐水加工を施した部材で構成する。
【0033】
そして、前記投入タンク15の搬送方向下手側に、平面視で長方形または正方形の箱型の洗浄フレーム16を設け、該洗浄フレーム16の搬送方向上手側で且つ前記第1汲上搬送コンベア3の第2搬送部3bの下方に第2駆動モータ17を設ける。また、該第2駆動モータ17の近傍で且つ上方に複数の洗浄伝動スプロケット18…を正面視でU字形状に配置し、該洗浄伝動スプロケット18…に洗浄伝動チェーン19を無端状に巻き掛けて、洗浄伝動機構20を構成する。該洗浄伝動機構20は、1または左右方向に2つ以上配置する。
【0034】
また、前記洗浄伝動スプロケット18…にそれぞれ洗浄回転軸21…を軸着し、該洗浄回転軸21…に人参に接触して付着した泥土や夾雑物を擦り落とす洗浄ローラ22…を軸着して、洗浄経路23,23を構成する。
【0035】
本実施例において、前記洗浄駆動装置20は、2本1組の洗浄ローラ22,22を3組備え、1組の洗浄ローラ22,22は互いに向き合う方向に回転する構成としている。
なお、収穫されたばかりの人参は白色の薄皮で覆われているが、洗浄ローラ22はこの薄皮の除去を泥土や夾雑物の除去と共に行なう部材でもある。この薄皮は、従来より出荷前に取り除かれるものであり、洗浄作業の段階で除去しても品質に問題は無い。
【0036】
該洗浄ローラ22は、円柱形状の樹脂ローラの周囲に合成樹脂または天然素材で構成する無数の毛体(ブラシ毛)を植え付け、あるいはスポンジ等を外周面に貼り付けて構成する。このとき、毛体を搬送方向に向かって傾斜させて植え付ける、あるいはスポンジ等の表面に搬送方向に向かって凹凸を形成すると、人参を洗浄しながら搬送方向下手側に移動させることができるので、洗浄装置26内での人参の停滞が防止される。
【0037】
そして、前記洗浄フレーム16の左右両側で且つ洗浄伝動機構20,20よりも上方に、洗浄ローラ22…に向かって洗浄水を散水する散水管24,24を設け、該散水管24,24には複数の散水孔を形成する。
【0038】
上記散水管24,24への洗浄水の供給は、洗浄経路23,23よりも下側の洗浄フレーム16内に貯留した水をフィルター付きのポンプ(図示せず)で汲み上げ、このポンプと散水管24,24とをホース(図示せず)で連結して、泥土や薄皮等の夾雑物を取り除いた水を散水管24,24から散水する循環方式、あるいは大量の水を貯留したタンク(図示せず)と散水管24,24をホースで繋いだり、河川や湖沼等の水源にポンプを沈めて採水し、この水を散水管24,24に供給する給水方式で行なうとよい。
【0039】
また、散水管24,24に形成する散水孔は、洗浄始端側ほど間隔を狭めて形成する、あるいは搬送始端側ほど大径に形成すると、泥土の付着が激しい洗浄始端側に洗浄水を集中させることができ、泥土の除去が確実に行なわれる。
【0040】
そして、前記洗浄経路23,23の洗浄終端部の洗浄フレーム16に、洗浄の終わった人参を取り出すドア25,25を上下または左右方向に開閉自在に取り付けることにより、洗浄装置26が構成される。
【0041】
なお、ドア25,25をスプリング(図示せず)等で洗浄フレーム16に向けて張圧し、洗浄フレーム16の内側から外側に向かって一定以上の押す力がかかるとドア25,25が押す力に合わせて自動的に開く構成とすると、洗浄経路23,23の終端側まで人参が洗浄搬送され、一定量以上人参が洗浄経路23,23の終端側に溜まると人参がドア25,25を押し開けて洗浄装置26から出て行くので、作業者がドア25,25を開閉する必要が無く、洗浄選別作業の無人化が図られる。
【0042】
さらに、洗浄経路23,23に人参が滞留し、洗浄作業が終わっているにもかかわらず洗浄ローラ22…に接触し続け、人参の薄皮以外の皮が擦り落とされてしまうことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
【0043】
該洗浄装置26と投入タンク15から、洗浄部Aが構成される。
上記構成により、作業者は人参を投入タンク15に投入し、第1汲上搬送コンベア3及び洗浄装置26を作動させれば人参の洗浄終了まで作業が不要となるので、人参の洗浄選別作業の自動化及び省力化が図られる。
【0044】
また、洗浄装置26の第2駆動モータ17を第1汲上搬送コンベア3のうち、後上り傾斜姿勢の第2搬送部3bの下方に配置したことにより、投入タンク15と洗浄装置26の距離を短くすることができるので、洗浄部A及び洗浄選別装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0045】
さらに、投入タンク15と洗浄装置26の距離が非常に短いことにより、引継の際に人参が落下することが無く、落ちた人参を作業者が拾い直す必要がなくなり作業の無人化が図られるとともに、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、商品価値が維持される。
【0046】
次に、貯留部Bについて説明する。
図1、
図2、
図5、
図7、
図8で示すように、ベースフレーム27の前部に人参を貯留する中継ホッパ28を取り付け、該中継ホッパ28の前端部に下り傾斜姿勢の中央貯留傾斜板28aを取り付けると共に、中継ホッパ28の左右両側端部に夫々下り傾斜姿勢の左右貯留傾斜板28b,28bを取り付けることによって、貯留部Aが構成される。
【0047】
なお、中央貯留傾斜板28aの全面、及び左右貯留傾斜板28b,28bのうち少なくとも搬送方向上手側の表面に発泡ゴムやスポンジ等の軟質部材で表面が滑りやすい素材で構成するマットを貼り付けておくと、後述する規格外選別部Cから排出される選別対象の人参が落下の衝撃で傷付くことを防止できる。
【0048】
次に、規格外選別部Cについて説明する。
図1〜
図3、
図5、
図6及び
図9〜12、
図16〜
図18に示すように、前後左右に四本の支持脚29a,29a,29a,29aを配置し、該支持脚29a,29a,29a,29aの上部に中空の四角柱形状の支持枠29bを配置して、規格外選別フレーム29を構成する。そして、該規格外選別フレーム29を中継ホッパ28を左右方向に亘って跨ぐと共に始端側が前記洗浄装置26の洗浄終端側に近接する位置に配置する。さらに、前記規格外選別フレーム29の左右両側上部に複数のベアリング30a…を備えた左右の場絵リングユニット30,30を前後方向に亘って配置する。
【0049】
そして、支持枠29bの中空部の上方で且つ該ベアリングユニット30,30の左右間に亘って複数の回転軸31,31…を配置する。該回転軸31,31…は、少なくとも2本以上ベアリングユニット30,30のベアリング30a…に互いに接近させて軸着する。また、また、該回転軸31,31…に搬送方向下手側ほど小径になるテーパ形状の搬送ローラ32,32を軸着し、該搬送ローラ32,32の搬送始端側に搬送ローラ32,32よりも大径の小物除去ローラ33,33を軸着して規格外選別搬送経路34,34を形成することにより、規格外選別搬送装置35が構成される。
【0050】
該小物除去ローラ33,33は、2Sまたは3S未満の人参や、折れたり欠けたりした人参の破片を落下させるため、約10〜20mmの左右間隔を空けて配置する。この小物除去ローラ33,33の下方には、第1回収コンテナZ1を設け、落下した極小の人参や人参の破片を回収する。
【0051】
なお、小物除去ローラ33,33も搬送終端側ほど小径となるテーパ形状としてもよいが、その際は搬送終端側の径が搬送ローラ32,32の搬送始端部の径よりも大径か略同じ径とする。
【0052】
上記構成とすることにより、小物除去ローラ33,33から搬送ローラ32,32への人参の引き継ぎが円滑に行なわれるので、引き継ぎ部で人参が滞留することが防止され、作業能率が向上する。
【0053】
また、該搬送ローラ32,32は、小物除去ローラ33,33から人参を引き継ぐ部分に約10〜20mmの左右間隔を空け、搬送終端側では2Lまたは3L以下の人参を落下させるために、70〜80mm程度の左右間隔を空けて配置する。搬送ローラ32,32に搬送される人参は、小物除去ローラ33,33から引き継がれた直後に2Sまたは3Sが落下し、終端側に向かうにつれてS→M→L→2Lまたは3Lが中継ホッパ28に落下していく。
【0054】
なお、農協や出荷者の考え方によってサイズの定義が異なることがあると共に、植物である人参1本1本には当然のことながら品種や栽培地域、栽培方法、季節、圃場の土質による差異が生じるため、上記人参のサイズと径はあくまで説明用の一例である。
【0055】
このとき、4L以上の大径の人参や、二股や曲がりにより第2整地ローラ33,33のいずれの左右間隔からも落下しない奇形人参は、搬送ローラ32,32の搬送終端側に着脱自在に設ける下方傾斜した排出シュータ34aを経由して、3Lまたは4Lの極大の人参と奇形の人参を回収する第2回収コンテナZ2に排出する。
【0056】
極大の人参は数が少なく、奇形の人参は商品価値を低く見られるため、どちらもそのままの形での出荷は一般的に行なわれないが、サイズの統一性や形状を重視されない加工用としての需要はあるため、規格外選別の段階で加工用の人参の選別を終えることができ、作業能率が向上する。
【0057】
なお、前記ベアリングユニット30L,30Rを左右方向に移動自在に配置すると共に、回転軸31,31の端部の一方を自在継手(ユニバーサルジョイント)とすると、規格外選別搬送経路34,34を構成する小物除去ローラ33,33及び搬送ローラ32,32の左右間隔を変更することができるので、洗浄選別作業を行う人参の選別条件を変更することが可能となる。
【0058】
また、本件では小物除去ローラ33,33と搬送ローラ32,32を別体で用いているが、
図20、
図22で示すように、搬送ローラ32,32の搬送始端側を小物除去ローラ33,33と同一形状に形成した、一体物の選別搬送ローラ33a,33aとしてもよい。
【0059】
上記構成では、ローラ同士の間の隙間に夾雑物が入り込むことがなく、入り込んだ夾雑物を取り除く必要が無くメンテナンス性が向上する。また、選別搬送ローラ33a,33aを交換する際、交換作業に要する時間が短くなる。
【0060】
また、
図19、
図21で示すように、小物除去ローラ33,33を用いず、搬送ローラ32,32を搬送始端側から搬送終端側に亘って用いる構成としてもよい。
上記構成でも、ローラ同士の間の隙間に夾雑物が入り込むことがなく、入り込んだ夾雑物を取り除く必要が無くメンテナンス性が向上すると共に、搬送ローラ32,32を交換する際、交換作業に要する時間が短くなる。
【0061】
そして、
図18に示すように、前記小物除去ローラ33,33の下部にガイドレール42を設け、該ガイドレール42に小物除去ローラ33,33に付着した薄皮やひげ根等の夾雑物を擦り落とすスクレーパプレート43を前後方向に摺動自在に取り付ける。該スクレーパプレート43の上部には円形状の小物除去ローラ33,33の最大径部よりも僅かに広い切り欠き部を形成し、小物除去ローラ33,33の外周面に沿って移動可能に構成する。
【0062】
さらに、前記ガイドレール42の下部に、ガイドレール42を振動させる振動モータ44を設ける。該振動モータ44は自動的に間欠駆動するものとすると、夾雑物がある程度付着してからまとめて取り除くことができる。
【0063】
なお、小物除去ローラ33,33はテーパ形状であり、スクレーパプレート43を搬送方向下手側に移動させるたびに隙間が広くなるが、小物除去ローラ33,33に付着する薄皮やひげ根は基本的にこの隙間よりも大きく、また振動モータ44が作動するとスクレーパプレート43はランダムに小物除去ローラ33,33に接触するため、問題なく擦り落とすことができる。
【0064】
あるいは、小物除去ローラ33,33の法面角度に沿って直角になる姿勢で配置すると、小物除去ローラ33,33との上下間隔が一定に維持されるので、振動等が無くとも付着した夾雑物を除去することができる。
【0065】
また、スクレーパプレート43は振動モータ44の振動が加わるとランダムに前後移動するように配置すると、夾雑物がいっそう小物除去ローラ33,33に残りにくくなる。
なお、振動モータ44を正逆転可能なものとし、振動モータ44の出力軸に設けるカム(図示せず)をピニオンとし、ガイドレール42をラックとして、所定間隔ごとに振動モータ44が正逆転する構成とすると、小物除去ローラ33,33の前後方向の大部分に付着した夾雑物を除去することができる。
【0066】
さらに、前記小物除去ローラ33,33の下部に、洗浄された人参から小物除去ローラ33,33に付着させられた水気を取り除くワイパー45をそれぞれ小物除去ローラ33,33の前後方向に亘って取り付ける。該ワイパー45は、前記スクレーパプレート43の前後スライドに干渉しないよう、スクレーパプレート43と連結し、前後スライドに連動して前後スライドする構成とする。または、前記スクレーパプレート43にワイパー45を回避する切り欠きを形成し、スクレーパプレート43が前後スライドの際にワイパー45に接触しない構成としてもよい。
【0067】
そして、前記回転軸31,31…の搬送始端側に延長回転軸36の一側をそれぞれ装着し、該延長回転軸36の他側を前記洗浄回転軸21に連結して、規格外選別搬送装置35の駆動力を確保することにより、規格外選別部Cが構成される。
【0068】
上記構成により、規格外選別搬送経路34,34の搬送始端側で極小の人参及び破片は第1回収コンテナZ1に排出されるので、後述する選別搬送装置76に極小の人参や破片が入り込み、重量や長さを誤検知することを防止でき、人参の選別精度が向上する。
【0069】
また、選別搬送装置76の搬送終端部で2Sまたは3Sサイズの小さな人参を回収する第4回収コンテナZ4に極小の人参や破片が混ざり込むことを防止できるので、手作業での選別が不要となり、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
【0070】
そして、従来圃場に還元していた極小の人参や破片、ひげ根や薄皮等が第1回収コンテナZ1に回収されているので、作業者は中身を選別することなく極小の人参や破片、ひげ根や薄皮等を圃場に還元することができ、作業者の労力が軽減される。
【0071】
さらに、規格外選別搬送経路34,34の搬送終端部から、大き過ぎる人参や奇形の人参は第2回収コンテナZ2に排出されるので、選別搬送装置の最大サイズ(2Lや3L)の選別位置で選別はされるものの、数が少な過ぎて等級統一の妨げとなる人参(3Lや4L)を事前に取り除くことができ、選別精度が向上する。
【0072】
また、重量や長さは正常な人参と同じであるものの、二股や曲がりなど形状に問題のある奇形の人参をある程度除去することができるので、各選別等級から奇形の人参を取り除く作業に要する時間が軽減され、作業者の労力も軽減される。
【0073】
そして、搬送ローラ32,32をテーパ形状としたことにより、商品としての出荷に適したサイズ、形状の人参を搬送しながら途中で中継ホッパ28に落下させることができるので、作業者が後工程に移動させる必要が無く、作業の自動化や無人化が図られる。
【0074】
さらに、小物除去ローラ33,33の下方に夾雑物を取り除くスクレーパプレート43を前後方向にスライド可能に設けたことにより、小物除去ローラ33,33に堆積する人参のひげ根や薄皮を容易に除去することができるので、大量に夾雑物が付着して小物除去ローラ33,33の径が大きくなり、本来落下するはずの極小の人参が小物除去ローラ33,33を通過してしまうことが防止され、選別精度が向上する。
【0075】
また、振動モータ44でスクレーパプレート43を振動させることにより、スクレーパプレート43と小物除去ローラ33,33との間隔が狭まるので、確実に夾雑物を除去することができる。
【0076】
そして、小物除去ローラ33,33の前後方向に亘って水気を除去するワイパー45を設けたことにより、中継ホッパ28に落下する人参に余分な水分が付着することを防止できるので、整列搬送装置75や選別搬送装置76が水気により作業を妨げられることが防止され、作業能率や選別精度が向上する。
【0077】
なお、上記の延長回転軸36を介して回転軸31と洗浄回転軸21を連結する際、洗浄回転軸21は洗浄経路23の底部に位置する2本1組の物を用いると、洗浄装置26と規格外選別搬送装置35の上下高さを低く抑えることができると共に、略直線状になるため、伝動系が簡略に構成される。
【0078】
一方、
図13〜
図15で示すように、回転自在且つ左右方向に移動自在な複数の伝動スプロケット37…と、該複数の伝動スプロケット37…に無端状に巻回する伝動チェーン38を内装した伝動ケース39と、該伝動ケース39に駆動力を供給する第3駆動モータ40から駆動ユニット41を構成し、該駆動ユニット41の伝道スプロケット37…の回転軸と規格外選別搬送装置35の回転軸31,31…の搬送始端側または搬送終端側の端部を連結する構成としてもよい。
【0079】
上記構成により、規格外選別搬送装置35の駆動速度を洗浄装置26とは異なる速度に設定することができるので、洗浄装置26から排出される人参の量が多いときはより高速で人参を搬送することにより、洗浄装置26の排出位置または規格外選別搬送経路34,34に人参が滞留することが防止され、作業能率が向上する。
【0080】
また、洗浄装置の洗浄伝動機構20,20や第2駆動モータ17に余分な負荷がかかることが無いので、耐久性が向上する。
次に、汲上搬送部Dについて説明する。
【0081】
図1、
図2、
図5、
図7、
図8で示すように、前記中継ホッパ28の内側下部に、直線状に規格外品を取り除いた人参を搬送する第1中継コンベア46を設け、該中継コンベア46の搬送終端部に後上り傾斜姿勢の第2中継コンベア47を配置する。そして、前記第2中継コンベア47の終端部に人参を排出する排出シュータ48を取り付けることにより、中継汲上コンベア49を構成する。
【0082】
なお、この排出シュータ48を塩化ビニルやスポンジ等の軟質部材で構成すると中継汲上コンベア49の搬送終端部の直下の、左右第1整列搬送コンベア54,54の搬送始端部に乗せることができ、効率よく人参を整列搬送させることができると共に、排出シュータ48の端部に人参が接触して傷付くことが防止できるので、人参の商品価値が向上する。
【0083】
そして、前記ベースフレーム27の前後方向の略中央部で且つ上側に支持台50を取り付け、該支持台50の上部に中継汲上コンベア49に駆動力を供給する第4駆動モータ51を配置することにより、汲上搬送部Dが構成される。
【0084】
上記構成により、規格外選別部Cから貯留部Bに落下してきた人参を中継汲上コンベア49で受けて後述する整列搬送部Eに人参を自動的に送ることができるので、作業の自動化及び無人化が図られる。
【0085】
次に、整列搬送部Eについて説明する。
図1、
図7、
図8に示すように、前記ベースフレーム27の後側上部に整列搬送フレーム52を取り付け、該整列搬送フレーム52の上部左右両側に側板53,53を取り付ける。そして、該側板53,53の内側近傍に前記中継汲上コンベア49から排出される人参を受けて搬送する左右の第1整列搬送コンベア54,54を配置し、該第1整列搬送コンベア54,54の搬送終端部に第1整列搬送コンベア54,54から人参を引き継いで一本ずつ姿勢を整えて並べながら搬送する第2整列搬送コンベア55,55を配置する。
【0086】
また、前記第1整列搬送コンベア54,54の左右間の略中央部に、汲上搬送コンベア49の搬送終端部から排出される人参を第1整列搬送コンベア54,54の左右どちらか一方に振り分ける山型の振分板56を取り付ける。さらに、該振分板56の後側で且つ第2整列搬送コンベア55,55の側方に姿勢の整っていない人参、または複数本まとまって搬送されている人参を落下させ、該左右第2整列搬送コンベア55,55の下方空間部を通過して機体左右外側方向に移動させる左右開口部57,57を形成することにより、整列搬送装置75を構成する。
【0087】
なお、該振分板56の上面には、表面が平坦な塩化ビニル等で構成する軟質板を敷設すると、単純に傾斜面を滑らせるよりも人参が滑り落ちやすくなるため、振分板56の上に人参が停滞してしまい、手作業で第1整列搬送コンベア54,54に戻す作業が必要なくなるので、自動化、無人化が図られて作業能率が向上するとともに、整列精度及び選別精度が向上する。
【0088】
また、前記汲上搬送コンベア49から人参が振分板56に落下する位置、即ち振分板56の前部に3〜5mm程度の厚みのクッション材を山型形状に沿わせて敷設しておくと、落下の衝撃で人参が傷付くことを防止できるので、人参の商品価値が向上する。
【0089】
さらに、左右開口部57,57の長さは240mm〜400mm程度に設定しておくと、平均的な長さ(120〜200mm)の人参が2本同時に左右開口部57,57に入り込んできても左右開口部57,57に詰まることが防止されるので、作業者が詰まった人参を取り除く必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0090】
なお、前記第1整列搬送コンベア54,54と第2整列搬送コンベア55,55は、第2整列搬送コンベア55,55の搬送速度を第1整列搬送コンベア54,54の搬送速度よりも若干速く設定しておくと、前記第1整列搬送コンベア54,54から第2整列搬送コンベア55,55に人参が引き継がれる際、搬送速度の差によって搬送中の人参同士の間隔が大きく開き、人参が複数本同時に選別搬送部Fに排出されにくくなり、選別精度が向上する。
【0091】
このとき、複数本分まとまって移動しやすい極小の人参を規格外選別部Cで取り除いているので、人参同士の間隔を確実に空けることができる。
また、前記第1整列搬送コンベア54,54と第2整列搬送コンベア55,55は、第5駆動モータ59だけで両方を駆動させるために、駆動系統を連結してもよい。駆動系統を連結する際は、ギアやスプロケット等の径を変更するなどして、第2整列搬送コンベア55,55の搬送速度が第1整列搬送コンベア54,54の搬送速度よりも若干速くなる設定とする。
【0092】
そして、前記左右の開口部57,57の前側で且つ第2整列搬送コンベア55,55の搬送経路上方に、人参の搬送姿勢を整えて開口部57,57の上方を移動させると共に、第2整列搬送コンベア55,55に複数の人参が載っているときには余分な人参を左右開口部57,57に落下させる左右一対の第1ガイドプレート60,60を搬送方向下手側ほど第2整列搬送コンベア55,55の上方に向かわせて取り付ける。
【0093】
なお、該第1ガイドプレート60,60の搬送下手側端部の左右間隔は、大きい人参が一本通過可能な間隔である60〜80mm程度に設定するとよい。
そして、前記開口部57,57の後側で且つ左右第2整列搬送コンベア55,55の搬送経路上方に、開口部57,57の上方を通過する際に姿勢の乱れた人参の姿勢を修正すると共に、姿勢が乱れて第2整列搬送コンベア55,55から大幅にはみ出した人参が接触すると開口部57,57に落下させる左右の第2ガイドプレート61,61を搬送方向下手側ほど左右間隔が狭くなるように取り付ける。
【0094】
なお、該第2ガイドプレート61,61の搬送下手側端部の左右間隔は、前記第1ガイドプレート60,60の搬送下手側端部の左右間隔51よりも大き区設定する。具体的には、左右第2整列搬送コンベア55,55の搬送方向に対して横向きになった人参が姿勢を修正されながら通過可能な間隔である80〜100mm程度に設定するとよい。
【0095】
また、前記左右の第1ガイドプレート60,60及び第2ガイドプレート61,61は、軟質ゴム、塩化ビニル等の軟質材で構成すると、人参が傷付くことを防止できるので人参の商品価値が向上すると共に、人参が接触した際に柔軟に屈曲するので、搬送中の人参を停滞させることが防止され、作業能率が向上する。
【0096】
さらに、前記開口部57,57の排出口の外側に人参を中継ホッパ28に流下させる左右フィードバックシュータ64,64を搬送方向上手側に向かって下方傾斜させ、且つ着脱自在に取り付けることにより、整列搬送部Eが構成される。
【0097】
なお、前記開口部57,57及び左右フィードバックシュータ64,64の表面に、平坦な塩化ビニル板等を敷設しておくと、人参に加わる落下の衝撃が吸収されるので、人参が傷付くことが防止されて商品価値が向上する。また、平坦な塩化ビニル板等を敷設することにより、人参が左右の開口部57,57や左右フィードバックシュータ64,64から滑り落ちやすくなるので、左右の開口部57,57や左右フィードバックシュータ64,64上で停止した人参を人手で中継ホッパ28に戻す作業が省略されるので、作業者の労力が軽減されると共に、整列搬送作業の自動化、無人化を計ることができるので、作業能率が向上する。
【0098】
上記構成によれば、中継汲上コンベア49の搬送終端部の下方に山型形状の振分板56を設けたことによって、中継汲上コンベア49の終端部から排出された人参を左右の第1整列搬送コンベア54,54の左右いずれか一側に送ることができるので、整列作業の自動化を計ることができ、作業能率が向上する。
【0099】
そして、振分板56に左右の開口部57,57を形成したことによって、左右第2整列搬送コンベア55,55に不安定な姿勢のまま乗った人参や、複数本同時に乗った人参を落下させることができるので、左右第2整列搬送コンベア55,55から排出される人参は安定した姿勢で且つ1本ずつ排出されるため、排出時に人参同士がぶつかって傷付くことが防止されて人参の商品価値が向上すると共に、整列搬送部Eの後部に配置する選別搬送部Fに一本ずつ人参が投入されるため、誤選別が減少し、選別精度が向上する。
【0100】
さらに、左右の開口部57,57の排出口の外側に、落下した人参を中継ホッパ28に流下させる左右フィードバックシュータ64,64を搬送方向上手側ほど下方傾斜させて設けたことによって、左右第2整列搬送コンベア55,55から落下した人参を自動的に中継ホッパ28に戻して中継汲上コンベア49に再び搬送させることができるので、作業の自動化、無人化を計ることにより作業者の労力が軽減されるとともに、作業能率が向上する。
【0101】
なお、第1整列搬送コンベア54,54と第2整列搬送コンベア55,55の引継部での高低差は10〜15mm前後に設定すると、引き継ぎの際に人参の姿勢がぶれにくくなるので、人参が円滑に第2整列搬送コンベア55,55に引き継がれて作業能率がいっそう向上する。
【0102】
さらに、左右の開口部57,57の前端部に第1ガイドプレート60,60を設けたことによって、左右の第1整列搬送コンベア54,54から左右第2整列搬送コンベア55,55に引き継がれる人参の搬送姿勢が乱れていたり、複数の人参が積み重なって引き継がれてきても、第1ガイドプレート60,60が一本の人参の搬送姿勢を整えるとともに重なり合った余分な人参を左右の開口部57,57から下方に落下させるので、引き継ぎの際に全ての人参が落下し、整列搬送され終わった人参と整列搬送中の人参との間隔が開き過ぎることが防止されるので、作業能率が向上する。
【0103】
また、左右の開口部57,57の後端部に左右の第2ガイドプレート61,61を設けたことによって、左右の第2整列搬送コンベア55,55で搬送中に人参の姿勢が乱れることがあっても、第2ガイドプレート61,61によって搬送姿勢を正されるので、第2整列搬送コンベア55,55から排出される前に全ての人参が左右開口部57,57から落下し、整列搬送され終わった人参と整列搬送中の人参との間隔が開き過ぎることが防止されるので、作業能率が向上する。
【0104】
そして、第2ガイドプレート61,61の搬送下手側端部間に形成する左右間隔を第1ガイドプレート60,60の左右間隔よりも大きく設定したことにより、人参の搬送姿勢が第2整列搬送コンベア55,55の搬送方向に対して横方向に向いていても、第2ガイドプレート61,61が人参の姿勢を左右第2整列搬送コンベア55,55の搬送方向に沿った姿勢に修正することができるので、左右第2整列搬送コンベア55,55に一本載った人参を落としてしまうことが防止され、中継ホッパ28に戻る人参の数が減少するため、作業能率が向上する。
【0105】
さらに、左右の開口部57,57の外側に左右フィードバックシュータ64,64を設けたことによって、左右の開口部57,57から落下した人参が自動的に中継ホッパ28に流下するので、作業者が人参を中継ホッパ28に戻す必要が無くなり、作業能率が向上する。
【0106】
次に、選別搬送部Fについて説明する。
図1、
図7、
図8で示すように、整列搬送部Eの後方に選別フレーム65を配置し、該選別フレーム65の後側下部に第6駆動モータ66を設け、該第6駆動モータ66の上部にモータカバー67を設ける。
【0107】
そして、該選別フレーム65の内側でかつ左右両側に、人参を機体前側から後側に向けて搬送する左右の選別搬送コンベア68,68を配置し、該左右の選別搬送コンベア68,68を第6駆動モータ66で駆動する構成とする。
【0108】
また、左右の選別搬送コンベア68,68の搬送始端部の上方位置で且つ選別フレーム65の上部に、前記移送装置Eから排出される人参を受けて搬送コンベア68,68に移動させる後下り傾斜姿勢の左右の引継シュータ69,69を着脱自在に配置する。
【0109】
該引継シュータ69,69は、左右方向中央部の前後長さを2Sサイズの人参約1本分(約60〜80mm)と同じ長さ、又は短い長さに形成し、左右両端部に向かうにつれて前後幅を長く形成して、左右両端部では3Lサイズの人参の全長の40%〜60%程度を支持可能な長さ(約100〜150mm)で形成している。該構成により、前記引継シュータ69,69の後部側は平面視でV字型(ハの字型)に形成される。
【0110】
また、該引継シュータ69,69の人参との接触面(表面)に滑りやすい樹脂材でコーティングし、このコーティングの後側端部を引継シュータ69,69の後側端部よりも後方に延出させる。
【0111】
そして、図で示すように、前記選別搬送コンベア68,68の搬送経路の下部に人参の重量を検出する重量検知装置70…と、設定した重量以上の人参であれば後述する回収部に向かって跳ね出す跳出装置71…をそれぞれ複数配置する。さらに、前記左右の選別搬送コンベア68,68の左右間に、前記跳出装置71…から跳ね出された人参を等級別に回収する第3回収コンテナZ3…に移動させる回収シュータ72…を等級別に配置することにより、選別搬送装置76が構成される。
【0112】
なお、前記重量検知装置70…は、重量の重い方から軽い方、例えば3L→2L→L→M→Sと配置すると、跳出装置71…を作動させる人参の重量の下限値だけ設定すればよく、選別条件の設定が容易になる。軽い方から選別する場合、各等級毎に検知重量の下限値と上限値を設定しなければならず、選別条件の設定に手間がかかってしまう。
【0113】
また、回収シュータ72…を。重量の重いものを案内する側から軽いものを案内する側に向かって並べて配置し、各回収シュータ72…の下方には、それぞれ等級別に選別された人参を回収する第3回収コンテナZ3…をそれぞれ配置する。
【0114】
さらに、前記左右の選別搬送コンベア68,68の搬送終端部に、いずれの重量検知装置70…でも検知されなかった小さい人参(2Sまたは3Sサイズ)を回収する第4回収コンテナZ4を載置する左右の載置台73,73を機体前後方向に回動自在に配置する。そして、前記搬送コンベア68,68と載置台73,73との間で且つ選別フレーム65の機体後端部側に、搬送コンベア68,68から排出される人参を第4回収コンテナZ4に移動させる移送シュータ74,74を取り付けることにより、選別搬送部Fが構成される。
【0115】
上記構成により、左右の搬送コンベア68,68を一つの第6駆動モータ66で駆動させることができるので、部品点数が削減されて低コスト化、省資源化が図られる。
また、左右の搬送コンベア68,68の搬送速度が略同速度となるので、左右の選別作業の効率を略同じにすることができ、左右の搬送コンベア68,68で順次人参が選別され、作業能率が向上する。
【0116】
そして、引継シュータ69の中央部の前後幅を最も短くしたことにより、浮上に小さなサイズ、例えば2S〜4Sサイズの人参が引継シュータ69を流下移動する際、引継シュータ69上に滞留する前に搬送コンベア74に落下移動させられるため、引継シュータ69で二本以上の人参が合流してしまい、二本以上の人参が同時に重量検知装置70で重量検知することを防止できるので、重量検知装置70が二本の小さな人参を一本の大きな人参と誤認して跳出装置を作動させてしまうことがなく、人参の選別精度が向上する。
【0117】
さらに、引継シュータ71の左右両側の長さを、3Lサイズの人参を支持可能な長さとしたことにより、大きな人参が引継シュータ71から左右方向にはみ出し、搬送コンベア70に移動せず機外に落下することを防止できるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が維持されると共に、落下した人参を拾い直す作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0118】
また、引継シュータ69の作用面にコーティング部を形成し、該コーティング部の端部を引継シュータ69の後端部よりも後方に突出させたことにより、引継シュータ69の後端部の尖ったエッジに人参が接触することを防止できるので、人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0119】
これにより、引継シュータ69を金属板のような頑丈な素材で構成することができ、引継シュータ69の取り付けが容易になるとともに、耐久性が向上する。
また、左右の選別コンベア68,68の左右間に回収シュータ72…を重量検知装置70…及び跳出装置71…と同数設けたことにより、重量検知装置70で検知した重量の人参を跳出装置71で対応する等級の回収シュータ72に送り出し、第3回収コンテナZ3で人参を等級ごとに回収することができる。
【0120】
そして、左右の搬送コンベア68,68の搬送終端部に、いずれの重量検知装置70…でも重量検知されていない小さな人参(2Sまたは3S)を回収する第4回収コンテナアZ4を載置する左右の載置台73,73を設けたことにより、小さな人参に対応する重量検知装置70と跳出装置71と回収シュータ72が不要となるため、コストダウンを図ることができる。
【0121】
小さな人参は検知する重量の設定は、大きな人参の検知重量に比べて設定する範囲が広いので、敢えて重量検知をしない方が選別精度が向上する。
なお、上記人参の洗浄選別装置を構成する洗浄部A、貯留部B、規格外選別部C、汲上搬送部D、整列搬送部E、選別搬送部Fは、規格外選別部Cが貯留部Bの中継ホッパ28の上方を通過する配置とし、洗浄→規格外選別→整列→選別の順番で作業が行われるのであれば、その向きは作業場所の広さや形状、作業者が作業を行いやすい形態に任意に変更して構わない。
【0122】
例えば、規格外選別搬送装置35と洗浄装置26を直線状に並べるときは、回転軸31…と洗浄回転軸21…を延長回転軸36で連結し、洗浄装置26の搬送方向に対して規格外選別搬送装置35を直角に配置するときは、駆動ユニット41に回転軸31…を連結する構成としていることにより、配置方向が変わっても駆動することができる。
【0123】
また、整列搬送部Eは汲上搬送部Dの中継汲上コンベア49の搬送方向と同じ方向に向けることができると共に、中継汲上コンベア49の搬送方向に対して直交する方向に向けることができる。
【0124】
以下、本件人参の洗浄選別装置の別実施例を説明する。
図23で示すように、規格外選別フレーム29を構成する支持枠29bを、中空の固定側支持枠29b1と、該固定側支持枠29b1の中空部内に、中空部に沿って摺動自在に移動側支持枠29b2を挿し込んで、左右長さを調節自在な
調節支持枠29bSを構成する。
【0125】
該固定側支持枠29b1と移動側支持枠29b2は、どちらか一方の径を他方の径よりも大径に構成したものであり、固定側支持枠29b1に複数の孔部を形成し、移動側支持枠29b2には位置決め用の孔部を1または複数形成し、この孔部同士を合わせてネジ、あるいはボルトとナット等の固定部材で固定して、左右長さを決定する構成とする。
【0126】
あるいは、固定側支持枠29b1と移動側支持枠29b2の双方に左右方向の長穴を形成し、双方の長穴に沿って移動可能にストッパ(図示せず)を設ける構成とする。
そして、回転軸31,31を、固定側支持枠29b1側のベアリングケース30Lに基部を軸着する支軸31a,31aと、移動側支持枠29b2側に設けたベアリングケース30に基部を軸着する側を移動軸31b,31bに分割する。また、該支軸31a,31aと移動軸31b,31bとを搬送ローラ32,32にそれぞれ軸着して、
調節支持枠29bSの左右長さの調節に対応可能に構成する。
【0127】
調節支持枠29bSの左右長さを最短にした場合は、本実施例と同じく規格外選別搬送経路34,34の搬送終端部から排出される人参は、排出シュータ34a,34aを通じて第2回収コンテナZ2に入り込む。
【0128】
一方、
調節支持枠29bSの左右長さを最長にした場合は、搬送ローラ32,32の搬送終端部と
調節支持枠29bSの間に移動軸31b,31b…が露出する部分が発生する。このときは、第2回収コンテナZ2を移動軸31b,31b…の露出部分の下方に移動させ、搬送ローラ32,32の搬送終端部から3Lまたは4Lサイズの大きな人参、あるいは奇形の人参を第2回収コンテナZ2に落下させる構成とする。主に弾性部材で構成する排出シュータ34a,34aを使えないため落下の衝撃で人参が傷付く可能性が高まるが、外観を重視されない加工用として出荷されるため、傷がついても商品価値の低下にはなりにくいため問題はない。
【0129】
なお、この状態で人参の傷付きを防止したいのであれば、排出シュータ34aを第2回収コンテナZ2に装着可能な形状とし、搬送ローラ32,32の搬送終端部の下方に排出シュータ34aを設けるとよい。
【0130】
上記構成により、中継ホッパ28の幅に合わせて規格外選別装置35の左右長さを変更することができるので、作業場所の広さや形状、作業者の望むレイアウトに合わせることが容易であるので、作業対応性が向上すると共に、作業能率が向上する。