特許第5717085号(P5717085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5717085マーケティングデータ作成装置およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717085
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】マーケティングデータ作成装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20150423BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20150423BHJP
【FI】
   G06Q50/10 110
   G06Q30/02 100
   G06Q30/02 130
   G06Q30/02 150
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-225674(P2010-225674)
(22)【出願日】2010年10月5日
(65)【公開番号】特開2012-79216(P2012-79216A)
(43)【公開日】2012年4月19日
【審査請求日】2013年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】松尾 光一郎
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 泰治
【審査官】 長 由紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−038582(JP,A)
【文献】 特開2002−259800(JP,A)
【文献】 特開2000−056721(JP,A)
【文献】 特表2003−501756(JP,A)
【文献】 関 庸一,データ解析コンペティション:小売業におけるCRM,経営の科学 オペレーションズ・リサーチ,日本,社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会,2003年 2月 1日,第48巻第2号,p.75-82
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/10
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の提供サービスにおいて自らの属性情報の提供と引き替えに特典サービスが受けられる登録会員に関するデータを蓄積する会員データベースと、
前記の登録会員が駐車場を利用する際に入出庫時刻および当該駐車場の位置データを含む駐車場利用データを取得する駐車場利用データ取得装置と、
その駐車場利用データ取得装置が取得した駐車場利用データおよび前記会員データベースに蓄積された入出庫時刻、駐車場の位置データおよび登録会員の属性情報を用いてマーケティングデータを作成するデータ解析装置と、
そのデータ解析装置が作成したマーケティングデータを所定の契約者に係る端末に対して送信するデータ送信手段と、
前記の登録会員に係る端末に対して情報を送信可能な会員向け情報発信装置と、
を備えたマーケティングデータ作成装置であって、
前記の駐車場利用データ取得装置は、取得した駐車場利用データを登録会員とのひも付けをした上で前記会員データベースに蓄積することとし、
前記のデータ解析装置は、前記の所定の契約者に係るビジネス拠点の最寄り駐車場における駐車場利用データを用いて前記のマーケティングデータ作成することとし、
前記の会員向け情報発信装置は、前記の駐車場利用データを用いて所定のビジネス拠点に出向くことがほぼ不可能と推測される会員に対しては配信しないという情報フィルタを備えるとともに、
前記の所定の契約者に係る端末から受信した会員向け情報を発信可能としマーケティングデータ作成装置
【請求項2】
前記の所定の契約者に係るビジネス拠点には、当該ビジネス拠点にて使用可能なクーポン券を発行するクーポン発券機を備えた請求項1に記載のマーケティングデータ作成装置
【請求項3】
前記のマーケティングデータは、年代別および曜日別にマトリクスを形成した一覧表示を含むこととした請求項1から請求項2のいずれかに記載のマーケティングデータ作成装置
【請求項4】
前記のマーケティングデータは、駐車場利用データの取得が可能な駐車場の存在する領域毎に一覧表示することとした請求項3に記載のマーケティングデータ作成装置
【請求項5】
駐車場の提供サービスにおいて自らの属性情報の提供と引き替えに特典サービスが受けられる登録会員に関するデータを会員データベースに蓄積する会員データ蓄積手順と、
前記の登録会員が駐車場を利用する際に入出庫時刻および当該駐車場の位置データを含む駐車場利用データを取得する駐車場利用データ取得手順と、
その駐車場利用データ取得手順にて取得した駐車場利用データおよび前記会員データベースに蓄積された入出庫時刻、駐車場の位置データおよび登録会員の属性情報を用いてマーケティングデータを作成するデータ解析手順と、
そのデータ解析手順が作成したマーケティングデータを所定の契約者に対して送信するデータ送信手順と、
前記の所定の契約者に係る端末から会員向け情報を受信する会員向け情報受信手順と、
前記の登録会員に係る端末に対して情報を送信可能な会員向け情報発信手順と、
実行するマーケティングデータ作成用のコンピュータプログラムであって、
前記の駐車場利用データ取得装置が取得した駐車場利用データは、会員とのひも付けをした上で前記会員データベースに蓄積することとし、
前記のマーケティングデータは、前記の所定の契約者に係るビジネス拠点の最寄り駐車場における駐車場利用データを用いて作成することとし、
前記の会員向け情報発信手順は、前記の駐車場利用データを用いて所定のビジネス拠点に出向くことがほぼ不可能と推測される会員に対しては配信しないという情報フィルタリング手順を含むこととしたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会員向けの情報や契約先の企業等に役立つマーケティングデータを配信する情報発信装置およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
(会員向けサービス)
消費者に対して所定の会員に登録してもらうことで、その消費者に有益と予想される情報を配信し、その消費者の購買意欲を高める、という会員向けの情報配信サービスは、携帯電話を中心とする情報端末の普及発展によって、広がりを見せている。
自らの属性情報などの提供と引き替えに会員となった消費者は、会員ではない消費者に比べて割引価格が適用されたり、いわゆるポイント制によるヘビーユーザ待遇も用意されているなどの特典を受けられるというメリットを享受できる。
会員登録を得た業者(販売や娯楽、飲食などの提供サービス業)は、競合する業者からの顧客囲い込みというメリットを享受できる。
【0003】
たとえば、特許文献1には、移動体通信機のユーザに対して、適切かつ絞り込まれた検索結果を提供するという技術が開示されている。 ユーザの嗜好、頻繁に訪問するインターネットサイト、色々なサイトで最近した買い物等を考慮した情報が検索に組み込むことにとどまらず、時間(彼らは移動中である)ならびにコスト(通信時間および受信する情報量に応じたパケット料金)上の理由から、移動体通信機のユーザに対して、は適切かつ絞り込まれた情報を提供することを目的とした技術である。
【0004】
駐車場の提供サービスにおいても、会員登録したユーザに対する様々なサービスおよびそのサービス運営に関連する技術が提供されている。 たとえば、特許文献2(特開2007−183749号)には、駐車場運営とカーシェアリングとを実現するための技術として、以下のような技術が開示されている。
すなわち、会員登録をしたユーザには、ICチップを内蔵した会員カード(ICカード)が配布される。会員ユーザは、登録番号などを用いて、使用したい車両についての予約をし、その予約情報を車両の車載機に送信する。 それによって、そのICカードのICチップに記憶された会員識別情報にて、運転席に係る運転者空間を解錠できるようにしている。
【0005】
駐車場ユーザに対する会員登録は、割引価格の適用や駐車場周辺のサービス内容に関する情報提供の便利さを理由として、登録会員数を増加させつつある。 これは、駐車場周辺の店舗から提供される販売促進費用を原資として、駐車場利用料金の割引や無料化などが実現可能だからであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−216641号公報
【特許文献2】特開2007−183749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、現在の一般消費者は、情報提供を伴う会員登録に慎重な態度で臨む傾向にある。 個人情報の保護という防衛的な意味合いのみならず、不要な情報が送られてくることを嫌うためである。 特許文献1に開示された技術は、不要な情報が送られてこないという消費者の要望に沿うものであろう。しかし、趣味や嗜好といった個人情報の提供と引き替えになっているため、個人情報の登録を控えた消費者に対しては、不要な情報が送られてしまう。
【0008】
駐車場ユーザにおいても、不要な情報は受け取りたくないという点は同じであろう。 しかし、明らかに不要な情報であるとして選別するためのフィルタ形成には、依然として趣味や嗜好といった個人情報が中心となっている。 したがって、個人情報を提供しない会員ユーザには、会員登録時に必須としている個人情報に基づいた情報フィルタしか形成できない。
【0009】
駐車場周辺の店舗経営者は、駐車場の利用料金の割引に使われる販売促進費用が効率的、効果的であったのかどうか、という検討は、過去の実績と比較するであろう。 しかし、駐車場ユーザが店舗に関するどのような割引サービスを欲しているのか、ということを知る術がない。
【0010】
本発明が解決すべき課題は、上述の課題に鑑みてなされたものである。 すなわち、駐車場の利用状況というデータを取得、加工することで会員ユーザに対する不要な情報提供を減らす一方、販売促進の効果が高い情報の形成に役立つであろうマーケティングデータを、駐車場周辺の店舗に提供することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第一の発明)
本願における第一の発明は、 駐車場の提供サービスにおいて自らの属性情報の提供と引き替えに特典サービスが受けられる登録会員に関するデータを蓄積する会員データベースと、 前記の登録会員が駐車場を利用する際に入出庫時刻および当該駐車場の位置データを含む駐車場利用データを取得する駐車場利用データ取得装置と、 その駐車場利用データ取得装置が取得した駐車場利用データおよび前記会員データベースに蓄積された入出庫時刻、駐車場の位置データおよび登録会員の属性情報を用いてマーケティングデータを作成するデータ解析装置と、 そのデータ解析装置が作成したマーケティングデータを所定の契約者に係る端末に対して送信するデータ送信手段と、 前記の登録会員に係る端末に対して情報を送信可能な会員向け情報発信装置と、を備えたマーケティングデータ作成装置に係る。
前記の駐車場利用データ取得装置は、取得した駐車場利用データを登録会員とのひも付けをした上で前記会員データベースに蓄積することとする。
前記のデータ解析装置は、前記の所定の契約者に係るビジネス拠点の最寄り駐車場における駐車場利用データを用いて前記のマーケティングデータ作成することとする。
前記の会員向け情報発信装置は、前記の駐車場利用データを用いて所定のビジネス拠点に出向くことがほぼ不可能と推測される会員に対しては配信しないという情報フィルタを備える。
前記の所定の契約者に係る端末から受信した会員向け情報を発信可能とする
【0012】
(用語説明)
「属性情報」とは、たとえば、年齢、性別、住居地、電話番号、電子メールアドレスを含む。
「特典サービス」とは、たとえば、割引価格でのサービス提供、利用金額に応じたポイント制およびその還元(プレゼントの提供)などである。会員登録をしていないユーザと差別化される。
「駐車場利用データ」には、乗用車の入庫時刻および出庫時刻が含まれているので、入庫時刻および出庫時刻の間の時間帯は、登録会員が当該駐車場の近辺に存在していたということが推測できる。
「駐車場利用データ取得装置」とは、駐車場に設置された会員認識装置(たとえば、ICチップや磁気テープにデータを記録した会員カードのカードリーダ)である。
「ビジネス拠点」とは、たとえば販売やサービス提供を実行するための店舗や施設、スペースなどである。
【0013】
(作用)
駐車場の提供サービスにおいて自らの属性情報の提供と引き替えに特典サービスが受けられる登録会員に関するデータを、予め会員データベースが蓄積する。
その登録会員が駐車場を利用する際に、駐車場利用データ取得装置が入出庫時刻を含む駐車場利用データを取得する。駐車場利用データ取得装置が取得した駐車場利用データは、会員とのひも付けをした上で前記会員データベースに蓄積される。
駐車場利用データ取得装置が取得した駐車場利用データおよび前記会員データベースに蓄積されたデータおよび前記の所定の契約者に係るビジネス拠点の最寄り駐車場における駐車場利用データを用いて、データ解析装置がマーケティングデータを作成する。 そのデータ解析装置が作成したマーケティングデータは、データ送信手段が所定の契約者に係る端末に対して送信する。
以上により、駐車場の利用状況というデータを取得、加工することで会員ユーザに対する不要な情報提供を減らす一方、販売促進の効果が高い情報の形成に役立つであろうマーケティングデータを、駐車場周辺のビジネス拠点運営者(所定の契約者)に提供することが可能となった。
【0015】
(用語説明)
「登録会員に係る端末」とは、たとえば、当該会員の携帯電話である。携帯電話の電子メールアドレスを、会員登録の際に入力してもらっていることで会員向け情報を発信することができる。
「会員向け情報」とは、たとえば、駐車場周辺のビジネス拠点運営者(所定の契約者)の当該ビジネス拠点にて行われる割引販売や、そこで使用できる割引電子クーポンである。
「情報フィルタ」とは、たとえば、駐車場利用データから週末にしか乗用車を使わないと推定される会員に対して、平日にしか利用できない会員向けの電子クーポンを送信しないこととする情報フィルタである。
【0016】
(作用)
所定の契約者に係る端末から会員向け情報を会員向け情報発信装置が受信する。 一方、データ解析装置は、駐車場利用データを用いて情報フィルタを作成する。 そして、会員向け情報発信装置は、その情報フィルタを用いつつ、登録会員に係る端末に対して会員向け情報を送信する。
情報フィルタの存在により、登録会員は不要な情報を受け取らずに済み、煩わしさが軽減される。
【0017】
第一の発明のバリエーション1
第一の発明は、以下のようにすることも可能である。
すなわち、前記の所定の契約者に係るビジネス拠点には、当該ビジネス拠点にて使用可能なクーポン券を発行するクーポン発券機を備えたマーケティングデータ作成装置とすることもできる。
【0018】
(用語説明)
「クーポン発券機」は、紙媒体に印刷されたクーポンのほか、携帯電話の液晶画面に表示させることができる電子クーポンを発行できるものであってもよい。 また、登録会員でなければクーポンを発行しないとすることもできるし、登録会員か否かによって異なる種類のクーポンを発行することもできるし、登録会員か否かの区別なしにクーポンを発行することができるものとすることもできるし、それらを使い分けることができる機種としても良い。 ただし、前記の種類によって、クーポン発行に関するデータが異なり、後にマーケティングデータとして活用する際には異なったマーケティングデータの基礎となる。
【0019】
第一の発明のバリエーション2
第一の発明は、前記のマーケティングデータは、年代別および曜日別にマトリクスを形成した一覧表示を含むこととしたマーケティングデータ作成装置とすることもできる。
前記のバリエーション3については、更に、マーケティングデータは、駐車場利用データの取得が可能な駐車場の存在する領域毎に一覧表示することとしてもよい。
【0020】
(第二の発明)
本願における第二の発明は、 駐車場の提供サービスにおいて自らの属性情報の提供と引き替えに特典サービスが受けられる登録会員に関するデータを会員データベースに蓄積する会員データ蓄積手順と、 前記の登録会員が駐車場を利用する際に入出庫時刻および当該駐車場の位置データを含む駐車場利用データを取得する駐車場利用データ取得手順と、 その駐車場利用データ取得手順にて取得した駐車場利用データおよび前記会員データベースに蓄積された入出庫時刻、駐車場の位置データおよび登録会員の属性情報を用いてマーケティングデータを作成するデータ解析手順と、 そのデータ解析手順が作成したマーケティングデータを所定の契約者に対して送信するデータ送信手順と、 前記の所定の契約者に係る端末から会員向け情報を受信する会員向け情報受信手順と、 前記の登録会員に係る端末に対して情報を送信可能な会員向け情報発信手順と、実行するマーケティングデータ作成用のコンピュータプログラムである。
前記の駐車場利用データ取得装置が取得した駐車場利用データは、会員とのひも付けをした上で前記会員データベースに蓄積する。
前記のマーケティングデータは、前記の所定の契約者に係るビジネス拠点の最寄り駐車場における駐車場利用データを用いて作成する。
前記の会員向け情報発信手順は、前記の駐車場利用データを用いて所定のビジネス拠点に出向くことがほぼ不可能と推測される会員に対しては配信しないという情報フィルタリング手順を含む
【0022】
第二の発明に係るコンピュータプログラムは、ハードディスクやDVD−Rなどの記録媒体に記録して提供することもできるし、通信手段を用いて情報端末へインストールすることもできる。
【発明の効果】
【0023】
第一の発明によれば、駐車場の利用状況というデータを取得、加工することで会員ユーザに対する不要な情報提供を減らす一方、販売促進の効果が高い情報の形成に役立つであろうマーケティングデータを、駐車場周辺の店舗に提供可能なマーケティングデータ作成装置を提供することができた。
第二の発明よれば、駐車場の利用状況というデータを取得、加工することで会員ユーザに対する不要な情報提供を減らす一方、販売促進の効果が高い情報の形成に役立つであろうマーケティングデータを、駐車場周辺の店舗に提供可能なコンピュータプログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願発明の実施形態の概要を示す概念図である。
図2】データ解析装置がどのような演算を行っているかについての第一例を示すブロック図である。
図3】データ解析装置がどのような演算を行っているかについての第二例を示すブロック図である。
図4】第二例について出力されたマーケティングデータの詳細を示す図である。
図5】本願発明を概念的に捉え直したブロック図である。
図6】本願発明における実施形態のバリエーションの概要を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願発明を実施する形態について、図1から図3を用いて説明する。 本実施形態は、カート車両を用いたカーシェアリングである。
【0026】
図1
図1は、駐車場の提供サービスに関する会員登録した会員Aと、その駐車場の提供サービスに関する情報サービスを担うシステム運営者と、そのシステム運営者からのマーケティングデータ提供というサービスを受ける契約をした企業(店舗Z)との関係を示したものである。
会員Aは、会員登録をしていない駐車場ユーザよりも割引価格で駐車場を利用でき、またそうした割引価格での駐車場提供がいつどこで実施されている、といった情報サービスの提供を受ける。 会員登録の際には、性別、年齢、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの属性データをシステム運営者に提供する。
店舗Zは、システム運営者に係る駐車場と関連の深い店舗である。すなわち、ある駐車場の近隣に位置し、駐車場利用者が顧客となりうる店舗である。より具体的には、当該店舗Zは、お客様専用駐車場を所有しており、その駐車場の運営をシステム運営者に委託している。
【0027】
会員Aは、自らに係る端末(たとえば電子メール機能のある携帯電話)にて、システム運営者における会員向け情報発信装置からの会員向け情報を受信する(1)。
受信した情報が有益であると感じた会員Aが、その会員向け情報に係る駐車場へ、前記情報による特典などが得られる日時に駐車する(2)。 会員Aは、駐車する際に会員カードを、会員カード認証機にかざす。その会員カード認証機は、その会員カードに記録された会員データを読み取り、システム運営者に係る情報端末へ利用者情報として送信する(3)。
【0028】
駐車場を出た会員Aは、徒歩で店舗Zに入店する(4)。 そして、その店舗Zにて買い物をしたり、有料サービスを受けたりしてある程度の時間を過ごす。その過ごした時間は会員Aに係る乗用車の駐車時間にほぼ等しい。
店舗Zは、買い物または有料サービスを受けた会員Aに対して、駐車料金の割引または無料クーポンを手渡したり、駐車料金の割引または無料化分のキャッシュバックをしたりクレジットカードに対して振り込んだり、といった特典を与える。
【0029】
さて、利用者情報を受信したシステム運営者に係る端末は、店舗利用データベースに受信した利用者情報を蓄積する(3)。 そして、その利用者情報と会員データベースのデータとをひも付けし、データ解析装置にて解析データを作成する。 この解析データとは、具体的には、たとえば、以下のようなデータである。
すなわち、どのような曜日のどの時間帯に、どのような住所に住むどの年齢層の会員が、駐車場を利用したのか、というデータである。
駐車場の利用者は、店舗Zの利用者とイコールである、と推定できる。 また、利用者情報が多数となれば、解析データは、曜日別や時間帯別に利用者状況を分析したり、更に利用者の性別および年齢(年代)別にマトリクス化した統計データとすることができる。
【0030】
なお、単数の店舗Zが当該駐車場を保有しているのではなく、複数の店舗で保有しているような場合には、各店舗でも会員カード認証機による会員カード認証を実行することが望ましい。 会員カード認証機を駐車場にのみ設置していては、会員Aがどの店舗にて特典を受けたのか、システム運営者が把握できないからである。
【0031】
店舗Zに係る店舗パソコンは、システム運営者に係るデータ解析装置にて作成された解析データを受信する。 その解析データに基づいて、会員向け情報を作成する。
作成された会員情報は、会員向けの配信を依頼するために、システム運営者に係る端末へ送信される。 ここで送信される会員向け情報は、たとえば、60歳代を対象としたイベントを店舗Zにて企画した場合であれば、そのイベント開催の予告内容を、60歳台の会員向けに対して配信してほしい旨を含んでいる。 それを受信したシステム運営者においては、会員データベースを用いて60歳台の会員向けに対して配信する。
ここにおいて、システム運営者は、無駄な送信を行わずに済み、60歳台ではない会員は、自分には有益ではない情報までを受信しなくて済む。 そして、店舗Zは、無駄な広告をしなくて済む。
【0032】
図2
図2は、会員向け情報を作成する際に参考となるデータを出力する演算を図式化したものである。
ある会員αが駐車場を利用した記録を、会員カード認証機から受信して、会員データベースに蓄積する。たとえば、平日の何時から何時までS区にある駐車場を利用し、土日は会員登録の際に登録した住居地に近い駐車場を利用している、といった記録である。
こうした情報に基づいて、会員αは土日が休日という仕事をしており、S区にて車を使う仕事をしており、休日は自宅近辺に来るまで出掛ける、ということが推測できる。この推測は、所定のアルゴリズムによる演算手段によって出力できる。
【0033】
上記の出力結果を用いれば、会員αに対しては、平日にはS区近傍の割引情報を、土日には住居地近傍の割引情報を発信した場合に、割引情報に係る店舗にとって効率的である、ということが分かる。
また、会員αとすれば、自分が利用する可能性のある割引情報が送信されてくることとなり、不要な情報がフィルタリングされていることと同じである。換言すれば、自分が利用する可能性が、物理的な理由にてほぼゼロに近い割引情報が送信されてこないこととなる。
【0034】
図3
図3は、会員データベースに蓄積された会員による駐車場の利用データを用いて、店舗に対するマーケティングデータに加工し、提供する様子を示している。
ここに示す「クーポン発券機」とは、駐車場の出入り口などに設置し、駐車場の利用者に対して、当該駐車場の近隣にある店舗で使えるクーポン券を発券する装置である。会員登録をしていない駐車場利用者でも使用できる。
システム運営者としては、平日に会員αと似たような行動パターンとなる会員群をソートし、S区近傍の店舗などに対して、有益なマーケティングデータとして提供できる。 同様に、土曜日や日曜日や休日に、会員αの住居地近傍の店舗などに対して、有益なマーケティングデータとして提供できる。
【0035】
図4
図4は、店舗Z向けのマーケティングデータの一例を示す図である。
店舗Zは、エリア1と称する領域内に存在し、そのエリア1には、エリア2、エリア3、エリア4が隣接しているとする。
システム運営者は、エリア1〜4のいずれの領域内にも、管理運営を任されている駐車場があり、それぞれの駐車場での登録会員による利用状況を、会員データベースに蓄積している。 また、店舗Zの専用駐車場に設置した会員カード認証機から、会員に係る自動車の駐車データを取得し、店舗利用データベースに蓄積している。
【0036】
会員データベースと店舗利用データベースとに蓄積されたデータを、データ解析装置によって分析することによって、エリア毎の店舗Zの来店客を統計処理することができる。 具体的には、図4に示すように、年代別および曜日別にマトリクスを形成した来店客数を一覧表にして出力することができる。
また、その一覧表を含めたデータを用いて、来店客の「傾向」について、システム運営者における担当者がコメントを作成したり、「対策」のコメントを作成したりする。 システム運営者は、以上のようなデータを、店舗Zに対する解析データ(マーケティングデータ)として提供し、店舗Zからはその手数料を受け取る。
【0037】
図5
図5は、前述してきた実施形態によるシステム運営者に係る情報処理技術を概念的に捉え直したブロック図である。
情報処理としての「入力」は、対象となる店舗への入店時刻(あるいはそれに近いと推測される駐車場への入庫時刻)と、退店時刻(あるいはそれに近いと推測される駐車場からの出庫時刻)と、会員を特定するためのデータとともに取得する。 クーポン発券機が併設されている場合には、クーポン発行数のデータも併せて入手する。
【0038】
「記憶」では、予め会員登録した会員の属性データなどを、会員特定のためのデータとともに蓄積している。 また、対象となる店舗の利用者しか駐車しない駐車場である場合の駐車の記録は、対象となる店舗への入店時刻(あるいはそれに近いと推測される駐車場への入庫時刻)と、退店時刻(あるいはそれに近いと推測される駐車場からの出庫時刻)とともに、店舗への来客数を推定するデータとして蓄積している。
さらに、クーポン発券機が発行したクーポンの数に関するデータがある場合には、そのデータも蓄積している。
【0039】
「演算」では、「入力」において取得した会員特定のためのデータを、会員データベースと照合する。 そして、店舗利用データによって、滞在時刻データおよびそれによって当該会員が他の場所には居なかったというアリバイデータを用いて、会員への情報提供サービスにおける情報フィルタ形成用のデータを作成する。
また、店舗への滞在時刻データ(駐車場の入出庫時刻データ)と会員における属性データとを用いて、店舗における集客や売り上げ増大を期待できるマーケティングデータを作成する。
【0040】
演算結果の出力は、契約している店舗にシステム運営者が提供するデータと、会員登録している会員に提供するデータとして直接または間接的に利用するデータとに大別される。 店舗への出力は、前述した店舗における集客や売り上げ増大を期待できるマーケティングデータが主なデータである。
会員への出力においては、契約している店舗から会員への配信を依頼された「会員向け情報」について、ある会員群にとってほぼ無益な情報であるという場合のための情報フィルタを形成するためのデータがある。 たとえば、店舗から依頼された「会員向け情報」が「平日のみ有効な割引電子クーポン」である場合に、平日にはその店舗に出向くことがほぼ不可能と推測される会員に対しては配信しない、という情報フィルタを形成する。
【0041】
上述したマーケティングデータは一例であって、システム運営者と契約した店舗における集客や売り上げ増大が期待できるデータというのは、様々な種類があり得る。 また、様々なマーケティングデータの作成に寄与しているのは、契約した店舗の駐車場における利用状況のデータのみならず、様々な地域(多くのエリア)にて、駐車場の利用データを取得しているデータである。 そのデータは、ある駐車場の入出庫時刻データである、ということから推測される当該会員のアリバイデータという性格を持っている。この性格が、他のマーケティングデータとは異質で個性的なデータとなっているのである。
【0042】
図6
図6は、図1に示した実施形態のバリエーションの概要を示す概念図である。
図1や前述してきた実施形態と異なるのは、クーポン発券機の機能である。 すなわち、会員は、会員カードを用いてクーポン発券機からクーポンを受け取るが、クーポン発券機はクーポンの発行の際に、「何名様ですか?」という質問を音声や液晶画面にて会員に尋ねることとしている。 そして、会員が人数を入力したら、その人数分のクーポンを発行するか、その人数が使用するのに適した種類のクーポンを発行することとしている。
【0043】
このようなクーポン発券機によれば、一枚の会員カードで何人分のクーポンを発行したか、というデータを取得することができることとなる。これにより、当該会員が乗用車に何人を乗せてきたかを把握することができる。
また、こうしたデータを大量に蓄積することで、新たな種類のマーケティングデータの基礎とすることができる。
なお、クーポンの発行の際に、そのクーポンの個体識別が可能であるように発行されていれば、より精度の高いデータを得ることができる。
【0044】
なお、会員がクーポンの発行の際に「何人分なのか」ということについて、事実と異なる申告をすることがあったとする。その場合、クーポンの使用実態との照合によって、事実と異なる申告がなされたことが推定できる。たとえば、会員が配偶者と2人で乗用車を利用してやってきたにもかかわらず、「4人」と申告することでクーポンを発行したとしても、そのクーポンにてあるレストランで食事をした際に2人であることがレストランとしては把握できる。そのレストランからのデータがシステム運営者にフィードバックされれば、クーポンの申告が事実と異なっていた、ということが把握できる。
【0045】
たとえば、二酸化炭素排出量を削減するためには、乗用車に乗る人数を増やすことが望ましい。 その望ましい状態を増やす政策が打ち出された場合、たとえば、人数が多いほど割引率の高いクーポンが発行されるように、クーポンを工夫する、といった対策を取ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本願発明は、駐車場の運営管理業、駐車場を付帯サービスとして保有する販売などのサービス業、会員向けの情報提供を実行するサービス業などにおいて、利用可能性を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6