(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の遊技状態に対応した前記特殊演出状態の継続期間が、前記所定の遊技状態に対応しない前記特殊演出状態の継続期間よりも短いことを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。
前記所定の遊技状態に対応した前記特殊演出状態での前記抽選処理における前記特殊演出の当選確率が、前記所定の遊技状態に対応しない前記特殊演出状態での前記抽選処理における前記特殊演出の当選確率より高く設定されていることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載のスロットマシン。
前記役抽選における役の当選確率が通常の遊技よりも高く設定された第1の遊技状態に対応した第1の所定役と、前記役抽選における役の当選確率が前記第1の遊技状態よりも低く設定された第2の遊技状態に対応した第2の所定役とがあり、
前記特殊演出状態の遊技において、前記役抽選で前記第1の所定役に当選したとき、前記特殊演出状態制御手段により、前記特殊演出状態を前記所定の遊技状態に対応した前記特殊演出状態に変更し、
前記特殊演出状態の遊技において、前記役抽選で前記第2の所定役に当選にしたとき、実施中の前記特殊演出状態を継続させる制御処理を行なうことを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載のスロットマシン。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を
図1に示す。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けてある。このフロントパネル20の略中央には、垂直方向に縦長矩形の3つの表示窓22L、22C及び22Rが形成してある。
【0035】
スロットマシン10の筐体の内部には、3個のリール40L、40C及び40Rが回転自在に設けてある。各リール40L、40C及び40Rは、それぞれリング形状となっており、その外周面には、図柄を印刷したリールテープが貼着してある。このリールテープには、例えば、21個の図柄が等間隔で描かれている。これら図柄の配列は、リール40L,40C及び40Rごとにそれぞれ異なっている。なお、各リールの具体的な図柄配置については、
図27を用いて追って詳細に説明する。
各リール40L、40C及び40Rは、上述した表示窓22L、22C及び22Rを介してそれぞれ視認可能となっている。リールが停止しているときには、1つの表示窓において、1本のリールの連続した3つの図柄が視認可能となる。このため、3つの表示窓22L、22C及び22Rの全てからは、合計9つの図柄が視認可能となる。
後述するように、各リール40L、40C及び40Rは、それぞれモータ(図示せず)により回転駆動され、各表示窓22L、22C及び22Rにおいて、各リール40L、40C及び40Rの外周面に描かれた図柄が上から下に向かって移動する。
【0036】
これらの3つの表示窓22L、22C及び22Rの前面には、5本の入賞ラインが定めてある。これら5本の入賞ラインは、水平の3本(中央L1、上下L2A、L2B)の入賞ラインと、斜めの2本(斜め右下がりL3A、斜め右上がりL3B)の入賞ラインとで構成してある。これら入賞ラインL1、L2A、L2B、L3A及びL3Bの左端部には、有効ライン表示部(ベット数表示手段)24a〜24eが設けてある。これら有効ライン表示部24a〜24eは、賭けの対象となった遊技媒体(本実施形態ではメダルを用いている。)の枚数により、有効となった入賞ライン(以下、有効ラインと称する)を表示する。なお、本実施形態では、各有効ライン表示部24a〜24eに、賭けの対象となった遊技媒体の枚数(ベット数)を、上から順に「3」、「2」、「1」、「2」、「3」のように表示してあり、入賞ラインとともにベット数をも表示する役割をもたせてある。
なお、
図26に示す実施形態においては、下側の水平入賞ラインL2Bは設定されていない。
【0037】
上述したフロントパネル20の下方には、略水平の操作パネル部30が設けてある。この操作パネル部30の左側には、1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び3−ベットスイッチ36が配設してある。また、操作パネル部30の右側には、遊技媒体を投入することができる遊技媒体投入口38が設けてある。
遊技媒体投入口38から遊技媒体が投入されると、遊技媒体カウンタ(図示せず)が遊技媒体の枚数を計数する。この遊技媒体投入口38から規定枚数以上の遊技媒体が投入された場合には、規定以上の枚数をクレジット数として後述するRAM110に記憶するとともに、このクレジット数をクレジット数表示部53に表示するようになっている。
1−ベットスイッチ32は、クレジット数のうちの1枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。2−ベットスイッチ34は、クレジット数のうちの2枚だけを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。3−ベットスイッチ36は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
【0038】
また、スロットマシン10の筐体の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けてある。なお、画像表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限らず、遊技者が、画像情報や文字情報を遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
【0039】
操作パネル部30の前面の左側には、スタートスイッチ(スタートレバー)50が傾動可能に設けてあり、また、操作パネル部30の前面の中央部には、3つのリール停止スイッチ52L、52C及び52Rが設けてある。リール停止スイッチ52Lは左リール40Lに対応し、リール停止スイッチ52Cは中リール40Cに対応し、リール停止スイッチ52Rは右リール40Rに対応している。
遊技者が、スタートスイッチ50を傾動操作すると、上述した3つのリール40L、40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これらリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達すると、遊技者によるリール停止スイッチ52L、52C及び52Rの操作が有効となる。
遊技者が、リール停止スイッチ52Lを押動操作すると左リール40Lが停止する。リール停止スイッチ52Cを押動操作すると中リール40Cが停止する。リール停止スイッチ52Rを押動操作すると右リール40Rが停止する。
各リール40L、40C又は40Rが停止したときは、それぞれの外周面に描かれた図柄が、上述した表示窓22L、C、R中に見える縦3つのコマの位置に停止するように停止制御している。
【0040】
スロットマシン10の筐体の下方の右側には、筐体の内部に収納した図示しないスピーカ(後述する
図4に示すスピーカ64に対応する)から発せられた音を筐体の外部へ出すための透音穴60が設けてある。スロットマシン10の筐体の下方の中央部には、遊技媒体払出口62が設けてある。各リール40L、40C又は40Rが停止して、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせ、すなわち、役を構成する図柄の組み合わせとなり、役に入賞したときには、この組み合わせに応じて予め定めた枚数の遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すようになっている。
上述したように、スロットマシン10における遊技は、停止させた複数のリール40L、40C又は40Rの図柄の組み合わせによって遊技結果が定まるというものである。また、この遊技は、スタートスイッチ50を遊技者が傾動操作するたびに行なわれ、複数のリール40L、40C又は40Rの回転開始から回転停止までの行程を1単位の遊技として、繰り返し行なうことができる。
【0041】
上述した役の種類には、例えば、当たり役、一般役、再遊技役等の種類がある。当たり役は、抽選で当たり役に当選し、その当たり役に応じた図柄が揃って入賞したときには、遊技を遊技者にとって有利に進行させる当たり遊技を行なうことができる役である。また、一般役は、抽選で一般役に当選し、その一般役に応じた図柄が揃って入賞すると、予め定めた数の遊技媒体を払い出す役である。なお、一般役の中には、遊技媒体の払い出し枚数が1枚の所謂一枚役も含まれる。また、再遊技役は、抽選で再遊技役に当選し、再遊技役に応じた図柄が揃って入賞したときに、遊技媒体を新たに投入することなく再遊技(リプレイとも称する)を行なうことができる役である。
【0042】
また、当たり役には、ビッグボーナス役(以下、BB役と称する)がある。BB役は、当たり遊技の1つであるBB遊技に移行させる役であり、このBB遊技は、所定の役が高確率で当選する遊技を、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、連続して行なうことができる。なお、複数のBB遊技を設定することも可能であり、例えば、所定の役の当選確率や終了枚数の設定が異なる複数のBB遊技を設けることもできる。
更に、当たり役として、ミドルボーナス役(以下、MB役と称する)やシングルボーナス(以下、SB役)を設定することもできる。MB役(「2種BB役」と称する場合がある)は、当たり遊技の1つであるMB遊技(「2種BB遊技」と称する場合がある)に移行させる役であり、このMB遊技は、役抽選の結果によらず、所定の図柄の組み合わせが停止したとき入賞処理が行なわれる遊技(CB遊技と称する場合がある))を、予め定められた遊技媒体の払い出し数に達するまで、連続して行なうことができる。SB役は、当たり遊技の1つであるSB遊技に移行させる役であり、このSB遊技は、1遊技だけ行なわれる当たり遊技である。
【0043】
<制御手段の説明>
スロットマシン10を制御する制御手段は、主制御回路100と副制御回路200から構成される。ここで、主制御回路100のブロック図を
図2に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を
図3に示す。
上述したスタートスイッチ50は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ50から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。
【0044】
また、上述したインターフェイス回路102には、リール停止スイッチ52L、52C及び52R、並びに1−ベットスイッチ32、2−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ36も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。上述したリール停止スイッチ52L、52C又は52Rから発せられる信号も、操作信号を構成する。
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。また、RAM110は、上述した制御プログラムで使用するフラグや変数の値を一時的に記憶することができる。
【0045】
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)に含まれる乱数を発生させる。尚、CPU106の演算処理により乱数を発生させるように構成してもよい。
入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L、40C及び40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L、80C及び80Rが接続されている。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内部に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトがリール40L、40C及び40Rの回転中心となるように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに取り付けられている。
【0046】
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御も行なう。
CPU106が、上述したように、ステッピングモータ80L、80C及び80Rに対する制御をすることにより、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行なうとともに、回転速度の制御を行なうことができる。
【0047】
リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。CPU106は、供給された回転角度位置から図柄の番号を算出し、表示窓22L、22C及び22Rの各々に表示される図柄を特定する。
【0048】
更に、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されている。この接続線118によって、主制御回路100は、後述する副制御回路200に電気的に接続される。この副制御回路200を示すブロック図を
図3に示す。
上述した接続線118は、副制御回路200のインターフェイス回路202に接続され、インターフェイス回路202は、入出力バス204に接続されている。主制御回路100から副制御回路200に送信された信号は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給される。入出力バス204は、中央処理回路(以下、CPUと称する)206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。
【0049】
上述した入出力バス204には、ROM(リード・オンリー・メモリ)208及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)210も接続されている。ROM208は、後述するランプ駆動回路218や、表示駆動回路220や、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データや、スピーカ64から発するための音声データも記憶する。
入出力バス204には、各表示ランプ124を駆動するためのランプ駆動回路218も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じて駆動指令をランプ駆動回路218に発し、駆動指令に応じて表示ランプ124を点灯駆動する。
【0050】
また、入出力バス204には、表示装置70を駆動する表示駆動回路220も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている画像データや文字データ等を読み出し、そのデータを表示駆動回路220に供給する。このようにすることにより、表示装置70には、様々な画像データや文字データが画像として表示される。
更に、入出力バス204には、スピーカ64を駆動するためのスピーカ駆動回路222も接続されている。CPU206は、主制御回路100から供給される制御情報に応じてROM208に記憶されている音声データを読み出し、そのデータをスピーカ駆動回路222に供給する。このようにすることにより、スピーカ64から所定の音声が発せられる。
【0051】
(機能ブロック図の説明)
次に、スロットマシン10の制御の機能ブロック図を
図4に示す。
制御回路として、主制御回路100と副制御回路200が電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L、40C及び40Rの各々に設けられたモータ80L、80C及び80Rが電気的に接続されている。副制御回路200には、表示装置70、表示ランプ124、及びスピーカ64が電気的に接続されている。
3つのリール停止スイッチ52L、52C及び52Rから停止操作手段310が構成され、この停止操作手段310と、スタートスイッチ50と、ベットスイッチ32、34及び36とから操作手段300が構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。
【0052】
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段440と、入賞処理制御手段450と、再遊技制御手段460と、再遊技選択高状態制御手段470と、特殊演出状態制御手段480とを含む。
役抽選手段410は、役抽選処理によって、役(当たり役、一般役、再遊技役等)の抽選を行なうものである。役抽選手段410は、例えば、役抽選用の乱数発生器112(ハード乱数等)と、この乱数発生器112が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段420と、乱数抽出手段420が抽出した乱数値に基づいて役の当選の有無及び当選役を判定する乱数判定手段430とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、役抽選処理サブルーチン(
図6〜
図10参照)に示される。
【0053】
リール制御手段440は、スタートスイッチ50から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L、80C、80Rの制御を行なって、リール40L、40C、40Rを回転させ、そして、リール停止スイッチ52L、52C、52Rの操作開示時に発信されるリール停止立ち上り信号または操作終了時に発信されるリール停止立ち下り信号に基づき、リール40L、40C、40Rを停止させるリール作動に関する制御を行なう。停止の制御においては、当選した役に対応して、停止図柄が揃うまたは揃わないようにするための図柄組み合わせ制御を行なう。以上のようなリール制御手段440による制御処理は、リール変動、停止サブルーチン(
図11〜
図13参照)に示される。
【0054】
入賞処理制御手段450は、役抽選処理で当たり役や一般役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、各々の役に対応した図柄が揃って入賞したと判別したときに、遊技が遊技者にとって有利に進行する当たり遊技や所定枚数の遊技媒体の払い出しを実施するための制御を行なう。
再遊技制御手段460は、抽選処理で再遊技役が当選し、停止した図柄に関する入賞図柄判定により、再遊技役に対応した図柄が揃ったと判別したときに、遊技媒体を投入しないで、次の遊技を行なうための制御を行なう。なお、入賞処理制御手段450や再遊技制御手段460による制御処理は、後述する入賞判定。フラグオフ処理サブルーチン(
図14〜
図19参照)。
【0055】
再遊技選択高状態制御手段470は、所定の開始要件を満たしたときに、遊技の態様を、役抽選手段により再遊技役が当選する確率が通常の遊技より高い値に設定されたRT作動状態(再遊技選択高状態)に変更し、RT作動状態(再遊技選択高状態)に変更後、所定の解除要件を満たしたときに、RT作動状態(再遊技選択高状態)を解除する制御処理を行なう。なお、RT作動状態では、再遊技役の当選確率が通常の遊技より高い場合だけに限られず、通常の遊技と同じ場合や通常の遊技よりも低い場合もあり得る。
【0056】
特殊演出状態制御手段480は特殊演出実施手段490を含み、特殊演出実施手段490は、スロットマシンの操作手段の機能を一時停止状態にするまたはリールを通常と異なる態様で回転若しくは停止させる特殊演出を実施するための制御処理を行なう。特殊演出状態制御手段480は、特殊演出実施手段490による制御処理に加えて、特殊演出を実施するためのその他の全般的な制御処理を行なう。その具体的な制御処理は、主に
図8〜10、12、及び13のフローチャートに示される。なお、特殊演出状態制御手段480による、その他の実施形態については、主に
図36、42、44、45、47、48及び50のフローチャートに示される。
【0057】
<副制御回路200の説明>
副制御回路200には、画像制御手段510、音声制御手段520、ランプ制御手段530、及び報知演出制御手段540が設けられている。画像制御手段510は、報知演出制御手段540等から受信した画像データに基づいて、表示駆動回路220を制御して、表示装置70に所定の演出画像を表示することができる。なお、表示装置70、表示駆動回路220、画像制御手段510を含めて、画像表示手段と称する場合もある。
【0058】
また、ランプ制御手段520は、報知演出制御手段540等から受信したランプ点灯データに基づいて、ランプ駆動回路218を制御して、所定の表示ランプ124を点灯することができる。また、音声制御手段530は、報知演出制御手段540等から受信した音声データに基づいて、スピーカ駆動回路222を制御して、スピーカ64から所定の音声を発することができる。
また、報知演出制御手段540は、上述の画像制御手段510、ランプ制御手段520、及び音声制御手段530に報知演出データを含む制御信号を送信して、所定の報知演出を実施するための制御処理を行なう。この制御処理の一例が、後述する報知画像表示サブルーチン(
図22参照)に示される。
【0059】
(制御処理の説明)
以下に、上述した制御手段において行なわれる各種の制御について、フローチャートを用いながら詳細に説明する。
図5には、主制御回路100で行なわれる制御処理のメインルーチンを示す。
図6から
図19には、このメインルーチンで行なわれる制御処理である各サブルーチンを示す。
図6〜
図10には、役抽選手段410により行なわれる役抽選と、役抽選に引き続き行なわれるフラグオン処理を行なう役抽選処理サブルーチンを示す。
図11〜
図13には、リール制御手段440により、リールの回転、停止のための制御を行なうリール変動、停止サブルーチンを示す。
図14には、リール変動、停止サブルーチンにより図柄が停止した後の制御処理である入賞判定・フラググオフ処理サブルーチンを示す。
【0060】
図15には、入賞判定・フラググオフ処理サブルーチンの制御処理の一部であるBB遊技中処理サブルーチンを示し、
図16には、入賞判定・フラググオフ処理サブルーチンの制御処理の一部である役当選時処理サブルーチンを示す。
図17には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部である当たり役入賞時サブルーチンを示し、
図18には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部である再遊技役入賞時サブルーチンを示し、
図19には、役当選時処理サブルーチンの制御処理の一部である不利益図柄判定サブルーチンを示す。
【0061】
図20、21には、主制御回路100から受信した信号に基づき、副制御回路200において、ATの設定を行なうAT設定サブルーチン、及びATの解除を行なうAT解除サブルーチンを示す。また
図22には、副制御回路200における制御処理である、主制御回路100から受信した信号に基づいて、報知画像を表示するための制御処理を行なう報知画像表示サブルーチンを示す。
なお、以下に説明する制御処理においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述した主制御回路100や副制御回路200において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
【0062】
<メインルーチンの説明>
まず、メインルーチンの制御処理の説明を、
図5のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、複数の図柄が表示された複数のリールを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を、1回行なうときの制御処理を示す。
まず、パラメータNRPの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS10)。ここでNRPは、再遊技を行なうか否かを定めるパラメータであり、0より大きい場合には再遊技を行ない、0以下の場合には再遊技を行なわないように設定されている。また、
図17のステップS510に示すように、役抽選で再遊技役に当選し、当選役に対応した図柄が停止して入賞したときに、NRPの値として1をインプットするようになっている。
【0063】
ステップS10の判断で、もし、NRPの値が0以下である(NO)と判別したときには、再遊技を行なわないと判断して、次に、遊技媒体が投入されたか否かを判断する(ステップS12)。この判断で、もし、遊技媒体が投入された(YES)と判別したときには、ステップS18へ進み、遊技媒体投入口38の下部に設置された遊技媒体カウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数の遊技媒体が投入されたときには、規定枚数を越える分の遊技媒体は、クレジット枚数としてRAM110に記憶する。
ステップS12の判断において、もし、遊技媒体が投入されていない(NO)と判断したときには、次に、クレジットされた遊技媒体が有るか否かを判断する(ステップS14)。この判断で、もし、クレジットされた遊技媒体はない(NO)と判別したときには、再びステップS12へ戻り、ステップS12とステップS14の判断処理を繰り返し実行する。
【0064】
また、ステップS14の判断で、もし、クレジットされた遊技媒体が有る(YES)と判別したときには、次に、ベット操作信号を受信したか否かを判断する(ステップS16)。このベット操作信号は、遊技者がベットスイッチ32、34または36の何れか1のスイッチを操作したときに発信される。この判断で、もし、ベット操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、再びステップS12に戻り、ステップS12からステップS16までの判断処理を繰り返し実行する。ステップS16の判断で、もし、ベット信号を受信した(YES)と判別したときには、受信したベット操作信号からベット数を検出する(ステップS18)。そして、遊技媒体の投入またはクレジットされた遊技媒体の使用の何れの場合においても、検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされた遊技媒体を使用する場合には、同時に、遊技媒体のクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行なう(ステップS20)。そして、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。
【0065】
ステップS10の判断において、もし、NRPの値が0より大きく(YES)、再遊技状態にあると判別したときには、NRPの値に0をインプットして再遊技状態を解除し(ステップS22)、ステップS12からステップS20の処理を行なわない再遊技の制御処理を行なって、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。つまり、再遊技状態にあると判別したときには、遊技媒体を新たに投入したり、クレジットした遊技媒体を消費することなく、遊技を行なうことができる。また、再遊技におけるベット数としては、本実施形態では、前の遊技におけるベット数と同じベット数を設定するような制御が行なわれるが、前の遊技のベット数と異なる値のベット数を設定する制御も可能である。
【0066】
ステップS24の役抽選処理サブルーチンでは、役抽選手段410による役抽選が行なわれ、当選した役に応じて、BBフラグ、再遊技フラグ、一般役フラグをオンにするフラグオンの処理が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、
図6〜
図10のフローチャートを用いて後述する。
役抽選処理サブルーチン(ステップS24)に引き続いて、この役抽選の結果に基づいて、リール40L、40C、40Rを回転させてから停止させるリールの動きに関する制御処理を行なうリール変動、停止サブルーチン(ステップS26)が行なわれる。このリール変動、停止サブルーチンは、リール制御手段440によって行なわれ、このサブルーチンの詳細については、
図11〜
図13のフローチャートを用いて後述する。
【0067】
次に、リール変動、停止サブルーチンによってリールが停止した後、入賞図柄判定を行なって、その判定結果に基づいて、フラグオフの処理を行ない、また、RT作動状態(再遊技選択高状態)を設定するためのRT設定処理を行なう入賞判定・フラググオフ処理サブルーチン(ステップS28)が行なわれる。このサブルーチンの詳細については、
図14〜
図19のフローチャートを用いて後述する。
そして、役抽選、入賞図柄判定の結果に基づいて、入賞した当たり遊技に対応した所定枚数の遊技媒体を払い出す払い出し処理(ステップS30)が行なわれる。この払い出し処理は、実際に遊技媒体を遊技媒体払出口62から払い出すことも可能であるし、払い出す代わりに、所定枚数の遊技媒体をクレジットすることも可能である。以上の制御処理によって1回分の遊技が終了する。このメインルーチンに示される制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の遊技を行なうことができる。
【0068】
<遊技状態の流れの説明>
次に、
図52の模式図を用いて、下記に示す制御処理により進行する遊技状態の流れの概要を説明する。
本実施形態では、役抽選で一般役3(詳細には一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせ)に当選したときに「不利益図柄」が表示されたとき、遊技状態を、通常の遊技またはRT2作動状態の遊技からRT1作動状態の遊技へ移行するようになっている。ここで、一般役3は一般役3A〜3Eから構成され、役抽選で
図26(b)に示すような役の組み合わせに当選する可能性がある。
図26(b)から明らかなとおり、役抽選で一般役3に当選する場合には、常に一般役3Aを含む役の組み合わせに当選し、
図26(b)に示す一般役3A〜3Eの各組み合わせに対応した順番でリールを停止操作したとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示される。一方、一般役3A〜3Eの各組み合わせに対応した順番でリールを停止操作しなかった場合には、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示される。つまり、正しい順番でリール停止操作を行なわなかったとき、「不利益図柄」として、中リールにおいて図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示された「不利益図柄」を表示することになる。なお、「不利益図柄」が表示された場合には、一般役3A〜3Eの各組み合わせに対応した順番でリールを停止操作して、「利益図柄」が表示された場合に比べて、遊技媒体の払い出し枚数が少なくなっている。
【0069】
図52に示すように、RT作動状態でもBB作動状態でもない通常(非RT、非BB)遊技において、この「不利益図柄」が表示されたとき、遊技状態を通常の遊技からRT1作動状態の遊技に移行する(
図19のステップS626参照)。
【0070】
RT1作動状態では、通常の再遊技役と、入賞すると遊技者にとってより有利な遊技状態であるRT2作動状態へ移行する昇格再遊技役とが設定されている(
図24a参照)。役抽選でこれらの2つの再遊技役の何れかが当選する確率は、通常(非RT、非BB)遊技の場合と同一な確率(確率1/7.3)になっている。RT1作動状態の遊技において、もし、役抽選で昇格再遊技役に当選し対応する図柄が表示されて入賞したとき、RT1作動状態の遊技からRT2作動状態の遊技へ移行する(
図18のステップS604参照)。
【0071】
RT2作動状態は、再遊技役の当選確率が、通常(非RT、非BB)遊技より高く(確率1/2)、遊技者にとってより有利な遊技状態となっている(
図24b参照)。
RT2作動状態において、上述と同様の「不利益図柄」が表示されたとき、遊技者にとって不利なRT1作動状態へ移行する(
図19のステップS626参照)。
また、通常(非RT、非BB)遊技、RT1作動状態の遊技、またはRT2作動状態の遊技において、役抽選でBB役に当選してBBフラグがオンになったとき、つまり内部中の遊技状態になったとき、内部中の遊技状態に対応したRT3作動状態の遊技へ移行する(
図7のステップS72参照)。
【0072】
RT3作動状態では、役抽選における再遊技役の当選確率が通常(非RT、非BB)遊技と同一(確率1/7.3)である(
図24c参照)。RT3作動状態の遊技で、フラグがオンになっているBB役が入賞すると、RT3作動状態を解除して、BB遊技へ移行する(
図17のステップS540、S544参照)。
BB遊技においては、役抽選における一般役3の当選確率(詳細には一般役3A〜3Bの何れかが当選する確率)が非常に高くなっており(確率1/1.15)、遊技者にとって最も有利な態様で遊技が進行する。このBB遊技が終了すると、通常(非RT、非BB)遊技へ戻る(
図15のステップS412、S414参照)。
【0073】
なお、
図52に示すように、BB遊技以外の各遊技状態では、特殊演出及びAT(アシストタイム)を実施可能である。特殊演出及びAT(アシストタイム)を実施するための制御処理については、追って詳細に説明する。また、BB遊技中においては、特殊演出及びAT(アシストタイム)を実施できないようになっている。
以上のような遊技の流れを実現するための各制御処理の説明を、メインサブルーチンの流れに沿って以下に説明する。
【0074】
<役抽選処理サブルーチン>
次にメインルーチンのステップS24で行なわれる役抽選処理サブルーチンについて、
図6〜
図10に示したフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、スタートスイッチONの信号を受信したか否か判断する(ステップS40)。このスタートスイッチONの信号は、遊技者によるスタートスイッチ50の操作をしたときに操作手段300により発信される信号であり、この信号の受信に基づいてリール制御手段440へリール回転開始信号を送信することにより、リール制御手段440が、リールの回転を開始する制御を行なう(
図11のステップS236参照)。スタートスイッチONの信号を受信してからリール回転開始信号を送信するまでの制御処理、つまり遊技者のスタートスイッチの操作に基づく所定の制御処理については、追って詳細に説明する。
【0075】
この判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信していない(NO)と判別したときには、このステップS40の判断処理を繰り返す。つまり、遊技者がスタートスイッチ50を操作するまで、遊技のスタートを待つ待機状態となっている。
ステップS40の判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、遊技開始信号を、副制御回路200へ送信し(ステップS41)、ステップS42へ進む。ここで、ステップS41で副制御回路200へ送信した遊技開始信号は、報知画像表示サブルーチンのステップS800の制御処理で用いられる(
図22参照)。
【0076】
次に、ステップS42において、パラメータNBBの値が0より大きい値であるか否かを判断する(ステップS42)。この判断で、もし、NBBの値が0より大きい(YES)と判別したときには、ROM108に記憶されたBB作動時一般抽選表を読み出し(ステップS44)、ステップS52へ進む。
【0077】
ここで、BB作動時抽選表の実施例を
図23に示す。BB作動時抽選表では、図柄番号1の一般役1と、図柄番号2の一般役2と、図柄番号3〜7の一般役3A〜3Eと、図柄番号8の一枚役と、図柄番号9のはずれとが設定されている。
【0078】
図柄番号1の一般役1は、役抽選における当選確率が1/80であって、左リールで図柄がチェリーが有効ライン上に表示されれば、残り2つのリールの表示図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。なお、以下の記述では、「有効ライン上に」の記載を省略して、図柄が「表示される」とだけ記載する。
図柄番号2の一般役2は、役抽選における当選確率が1/100であって、右・中・左リールで図柄スイカが表示される場合に入賞するように設定されている。
図柄番号3〜7の一般役3A〜3Eにおいては、役抽選で一般役3A〜3Eの中の何れかが当選する確率が1/1.15であって、
図23に示すような図柄が表示される場合に入賞するように設定されている。つまり、BB遊技中においては、役抽選で一般役3A〜3Eの何れかに当選する可能性が非常に高くなっている。
【0079】
図柄番号8の一枚役は、役抽選における当選確率が1/10であって、右リールで図柄バーが、中リールで図柄ベルが、右リールで図柄リプレイが表示される場合に入賞するように設定されている。
図柄番号9のはずれの確率は、約1/126という低い値が設定されている。
【0080】
次に、ステップS42の判断で、もし、NBBの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、パラメータNRTの値が、0より大きいか否かを判断する(ステップS46)。ここでNRTは、遊技状態が、役抽選における再遊技役の当選確率が通常遊技に対して変動するRT作動状態であるか否か、及びRT作動状態が複数設定されている場合には、どのRT作動状態であるかを定めるパラメータである。なお、「再遊技役の当選確率が変動する」とは、RT作動状態における再遊技役の当選確率が、遊技状態の移行によって変動することを意味し、通常遊技より高く設定された場合だけでなく、RT作動状態における再遊技役の当選確率が、通常の遊技における当選確率と同じ、または通常の遊技における当選確率より低く設定された場合も含まれることを意味する。
【0081】
本実施形態では、NRTは、初期状態では0に設定されており、RT作動状態の開始要件が満たされたとき、NRTに1〜3の値をインプットして、RT1〜RT3作動状態の設定を行なう。具体的には、通常(非RT、非BB)遊技において、一般役3(詳細には一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせ)が役抽選で当選したときの「不利益図柄」が表示されたとき、NRTの値に1をインプットして、遊技状態をRT1作動状態に移行する(
図19のステップS626参照)。また、RT1作動状態の遊技において、もし、役抽選で昇格再遊技役に当選して対応する図柄が表示されたとき、NRTの値に2をインプットして、RT2作動状態へ移行する(
図18のステップS604参照)。また、役抽選でBB役に当選して、BBフラグがオンになった内部中の遊技状態になったとき、NRTの値に3をインプットして、内部中の遊技状態に対応したRT3作動状態へ移行する(
図7のステップS72参照)。
【0082】
ステップS46においてパラメータNRTの値が0より大きい(YES)と判別すると、次に、ROM108に記憶されたNRTの値に対応したRT1〜RT3作動時一般抽選表の何れかを読み出して(ステップS48)、ステップS52へ進む。
ここで、RT1作動時一般抽選表の実施例を
図24aに示し、RT2作動時一般抽選表の実施例を
図24bに示し、RT2作動時一般抽選表の実施例を
図24cに示す。
【0083】
RT1〜3作動時抽選表では、設定されている一般役及び一枚役及びそれらに対応する図柄は同一であり、図柄番号1の一般役1と、図柄番号2の一般役2と、図柄番号3〜7の一般役3A〜3Eと、図柄番号8の一枚役とが設定されている。また、これらの役の当選確率も、RT1〜RT3作動時抽選表で同一である。
RT1作動状態では、図柄番号9の通常再遊技役と図柄番号10の昇格再遊技役とが設定されているが、RT2、RT3作動状態では、図柄番号9の通常再遊技役のみが設定されている点で異なる。また、RT1、RT2作動状態では、BB役が設定されているが、内部中に対応したRT3作動状態では、BB役が設定されていない点で異なる。
例えば、RT2作動時一般抽選表は、上述のBB作動時抽選表に対して、更に図柄番号9の(通常)再遊技役と、図柄番号10のBB役とが追加されていることになる。
【0084】
図柄番号1の一般役1は、役抽選における当選確率が1/80であって、左リールで図柄がチェリーが表示されれば、残り2つのリールの停止図柄については、何れの図柄であっても入賞するように設定されている。図柄番号2の一般役2は、役抽選における当選確率が1/100であって、右・中・左リールで図柄スイカが表示される場合に入賞するように設定されている。
図柄番号3〜7の一般役3A〜3Eにおいては、役抽選で一般役3A〜3Eの中の何れかが当選する確率が1/5であって、
図23に示すような図柄が表示される場合に入賞するように設定されている。
【0085】
更に詳細に説明すると、
図26(b)の表の右欄に示すような5種類の役の組み合わせが役抽選で当選するようになっており、
図26(b)の表の左欄に示すように、各組み合わせに対応したリールの停止順が設定されている。そして、
図26(a)に示すように、役抽選で当選した一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示され、一方、役抽選で当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なわなかったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示されるように、リールの停止制御が行なわれる。
【0086】
図26(b)に示すように、役抽選で当選する一般役3A〜3Eの各組み合わせにおいて、常に一般役3Aが含まれている。役抽選で一般役3Aに当選した場合には、中リールで図柄ベルが表示されれば、左、右リールでは任意の図柄が表示された場合に入賞するようになっている。
図24a〜
図24cに示すように、一般役3A〜3Eが入賞したとき、それぞれ3枚の遊技媒体の払い出しがある。
よって、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されたとき、中央の水平有効ラインL1、斜め右下がりの有効ラインL3A及び斜め右上がりの有効ラインL3Bの3本の有効ライン上に、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになる。よって、3枚×3ライン=9数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
一方、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示されたとき(つまり「不利益図柄」が表示されたとき)には、上側の水平上有効ラインL2A上のみに、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになるので、3枚の遊技媒体の払い出しのみを受けることになる。
【0087】
このため、もし、後述するAT(アシストタイム)によって、当選した役の組み合わせに応じた正しいリールの停止順を報知することができれば、遊技者は、確実に9枚の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
更に、例えば、所定のリール停止順(例えば、右リールを最初に停止)でリール停止操作を行なった場合にはATを実施し、所定のリール停止順でリール停止操作を行なうことができなかった場合には、ペナルティとしてATを実施しないようにすることもできる。この場合には、あるタイミングにおけるリール停止順により、ATの実施の可否が定まり、これにより、獲得できる遊技媒体の枚数に差異が付くので、遊技の進行に変化がつき、遊技の興趣を高めることができる。
【0088】
なお、このような一般役3のリール停止順に基づくリール停止操作は、RT1〜3作動状態の遊技及び通常(非RT、非BB)遊技において実施される。一方、BB遊技においては、常に図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されるようになっている(つまり常に9枚の遊技媒体の払い出しを受ける)。ただし、そのような実施形態に限られるものではなく、BB遊技においても、リール停止順に基づくリール停止制御を行なって、ATの実施の可否で遊技媒体の獲得枚数に差異を付けることも可能である。
【0089】
図柄番号4の一枚役は、役抽選における当選確率が1/10であって、右リールで図柄バーが、中リールで図柄ベルが、右リールで図柄リプレイが表示される場合に入賞するように設定されている。
【0090】
RT1作動時抽選表においては、図柄番号9の通常再遊技役及び図柄番号10の昇格再遊技役の何れかが当選する確率が1/7.3であり、
図24aに示すような図柄(通常再遊技役:リプレイ・リプレイ・リプレイ、昇格再遊技役:リプレイ・リプレイ・ベル)が表示されると入賞するようになっている。なお、後述するように、RT1作動状態の遊技で、昇格再遊技役が入賞すると、遊技者にとってより有利なRT2作動状態へ移行する(
図19AのステップS604参照)。
RT2作動時抽選表においては、図柄番号9の通常再遊技役の当選確率が1/2に設定され、右・中・左リールで図柄リプレイが停止する場合に入賞するように設定されている。つまり、RT2作動状態は、通常の遊技やRT1、3作動状態の遊技よりも、遊技者にとって有利な遊技状態になっている。
【0091】
RT3作動時抽選表においては、図柄番号9の通常再遊技役の当選確率が1/7.3に設定され、右・中・左リールで図柄リプレイが停止する場合に入賞するように設定されている。ただし、RT3作動状態における通常再遊技役の当選確率を、RT2作動状態と同様に高く(例えば、確率1/2)に設定することもできる。
下記に示す通常(非RT・非BB)遊技中一般抽選表に比べて、RT2作動時抽選表においては、(通常)再遊技役の当選確率が高く設定されており、RT1、RT3作動時抽選表においては、再遊技役の当選確率が同一に設定されている。
RT1、RT2作動時抽選表において、図柄番号11(または10)のBB役については、役抽選における当選確率が1/300であって、右・中・左リールで図柄赤7が表示される場合に入賞するように設定されている。図柄番号10、11または12のはずれの確率は、RT1作動時抽選表で約1/1.86、RT2作動時抽選表で約1/5.74、RT3作動時抽選表で約1/1.86に設定されている。
【0092】
フローチャートの説明に戻り、ステップS46の判断で、もし、NRTの値が0以下である(NO)と判別したときには、次に、ROM108に記憶した通常(非RT・非BB)遊技中一般抽選表を読み出し(ステップS50)、ステップS52へ進む。ここで、通常(非RT・非BB)遊技中一般抽選表の実施例を
図25に示す。
【0093】
通常(非RT・非BB)遊技中一般抽選表は、通常の遊技状態において用いられる抽選表であり、上述のRT2作動状態一般抽選表と同一の役及びはずれが設定されている。通常(非RT・非BB)遊技中一般抽選表とRT2作動状態一般抽選表とを比べると、通常再遊技役及びはずれの当選確率のみが異なっている。RT2作動状態一般抽選表においては、通常再遊技役の当選確率が1/2に設定されているが、通常(非RT・非BB)遊技中一般抽選表では、1/7.3という低い値が設定されている(ただし、RT1、RT3作動状態とは同一)。また、はずれの確率は、通常再遊技役の当選確率に応じて異なっている。
【0094】
以上のように、遊技の状態に応じた抽選表を読み出した後、乱数を取得して抽選判定を行なう役抽選を実施する(ステップS52)。具体的には、乱数発生器112で発生させた乱数を乱数抽出手段420で抽出し、乱数判定手段430が、この抽出した乱数と上述の読み出した抽選表を照らし合わせて当選の判定を行なう。
そして、
図6に引き続いて
図7に移り、抽選判定の結果、BB役に当選したか否かを判断する(ステップS70)。この判断で、もし、BB役に当選した(YES)と判別したときには、BB役フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS71)、
次に、NRTの値に3をインプットして(ステップS72)、ステップS82へ進む。
つまり、次遊技から、RT2作動状態(再遊技役の当選確率1/2)が開始され、BB役が入賞したときに終了する(
図17のステップS544参照)。
【0095】
ステップS70の判断で、もし、BB役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップS74)。この判断で、もし、役抽選によって再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、再遊技フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS76)、ステップS82へ進む。
ステップS74の判断で、もし、再遊技役に当選していない(NO)と判別したときには、次に、一般役に当選したか否かを判断する(ステップS78)。この判断で、もし、役抽選によって一般役に当選した(YES)と判別したときには、一般役フラグをオンにして、RAM110に記憶し(ステップS80)、ステップS82へ進む。
【0096】
ステップS78の判断で、もし、一般役に当選していない(NO)と判別したときには、抽選判定の結果は、はずれであると判断し、はずれ時の所定の制御処理を行なって、ステップS82へ進む。
以上のようにフラグオンに関する一連の処理を行なった後、ステップ82において、役抽選で当選した役に対応した図柄番号、制御図柄データをROM108から読み出して、後述するリール変動、停止サブルーチンに用いるため、このデータをRAM110に記憶する(ステップS82)。
次に、以上のような役抽選の結果、つまり当選役またははずれの情報を含む役抽選情報信号を副制御回路200へ送信して(ステップS84)、ステップS86へ進む。なお、ステップS84で副制御回路200へ送信した役抽選情報信号は、報知画像表示サブルーチンのステップS802において、役抽選結果に対応した報知画像を表示する制御処理に用いられる(
図22参照)。
【0097】
ステップS86では、カウンタGAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS86)。ステップS86の判断で、もし、GAMEの値が0以上である(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS86の判断で、もし、GAMEの値が0より小さい(NO)と判別したときには、AT・特殊演出状態抽選処理サブルーチン(ステップS88)を実施して、本サブルーチンを終了する。
【0098】
<<特殊演出に関する制御処理の概要の説明>>
ここで、上記のカウンタGAMEに関する説明を含め、
図8〜
図13に示すリールを用いた特殊演出を実施するための制御処理の概要を説明する。
図8に示すAT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンにおいて、所定の要件を満たしたとき、具体的には、BB遊技中ではない遊技で(ステップS120でNO)、特定役である一般役3に当選し(ステップS122でYES)、抽選処理で特殊演出状態1〜4の何れかに当選したとき(ステップS136でYES)、カウンタGAMEの値に20をインプットして(ステップS140参照)、特殊演出制御サブルーチン(
図12参照)を実施可能な状態を設定する(
図11のステップS222でYES)。特殊演出制御サブルーチンを実施して遊技を消化するごとに、GAMEの値を1ずつ減じていき(
図12のステップS270参照)、GAMEの値が20から0となるまで、計21回の遊技において、特殊演出制御サブルーチンを実施するようになっている。このようなGAMEが0以上の特殊演出を実施可能な遊技状態を特殊演出状態と称し、複数の遊技に渡る特殊演出状態の期間を、特殊演出実施期間と称することができる。
【0099】
カウンタGAMEの値が0以上の各遊技で実施される特殊演出制御サブルーチンでは、演出パターン抽選処理を行なって(
図12のステップS264参照)、所定の演出パターンが当選した場合に、当選したパターンの特殊演出を実施するようになっている(
図12のステップS268、
図13参照)。演出パターン抽選処理においては、特殊演出状態の種類(1〜4の何れか)及びGAMEの値に応じて、各演出パターンが当選する確率が異なる状態で抽選処理が行なわれる(
図29〜32参照)。
【0100】
本実施形態では、カウンタGAMEの値が0以上の特殊演出実施期間の遊技においては、AT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンは行なわず、GAMEの値が0より小さい遊技、つまり特殊演出実施期間でない遊技においてのみ、GAMEの値に20をインプット可能なAT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンを実施するようになっている(
図7のステップS86、88参照)。ただし、これに限られるものではなく、
図10に示すように、GAMEの値が0以上の特殊演出実施期間の遊技において、所定の要件を満たしたときに、GAMEの値を加算する制御処理を行なうこともできる。
【0101】
<<AT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンの説明>>
次に、GAMEの値が0より小さい場合に実施されるAT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンの説明を、
図8のフローチャートを用いて行なう。
まず、NBBの値が0より大きいか否か判断する(ステップS120)。この判断で、もし、NBBの値が0より大きい、つまりBB遊技中である(YES)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS120の判断で、もし、NBBの値が0以下である、つまりBB遊技中でない(NO)と判別したときには、次に、役抽選で一般役3に当選したか否か判断する(ステップS122参照)。この判断で、もし、一般役3に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。つまり、本実施形態では、一般役3が特定役となっており、役抽選でこの特定役に当選した場合に、特殊演出を実施可能な特殊演出実施期間の設定を行なうようになっている。
【0102】
ステップS122の判断で、もし、一般役3に当選した(YES)と判別したときには、次に、RAM110からAT抽選表を読み出してAT抽選処理を行なう(ステップS124)。このAT抽選処理は、リール停止操作で所定の図柄を表示させるのに有用な情報を報知する演出を行なうアシストタイム(AT)を行なうか否か定める抽選処理である。本実施形態では、AT抽選処理でATを実施する確率は50%に設定されている。ただし、これに限られるものではなく、その他の任意の値を設定することができる。
【0103】
次に、AT抽選処理の結果、ATが当選したか否か、つまりATを実施するか否か判断する(ステップS126)。この判断で、もし、AT当選でATを実施する(YES)と判別したときには、ATフラグをオンにして(ステップS128)、ステップS130に進む。なお、ATフラグは、次遊技に持ち越し可能であり、所定回数(上述では、GAMEの値が20から0までの21回)の遊技で特殊演出制御サブルーチンを行なった後、ATフラグをオフにしてATを開始するようになっている(
図11のステップS230、232参照)。
【0104】
ステップS130では、RAM110からAT当選時特殊演出状態抽選表を読み出して(ステップS130)、特殊演出状態抽選処理を行なう(ステップS134)。一方、ステップS126の判断で、もし、ATはずれでATを実施しない(NO)と判別したときには、RAM110からATはずれ時特殊演出状態抽選表を読み出して(ステップS132)、特殊演出状態抽選処理を行なう(ステップS134)。
【0105】
ここで、AT当選時特殊演出状態抽選表の実施例を
図28(a)に示し、ATはずれ時特殊演出状態抽選表の実施例を
図28(b)に示す。
AT当選時特殊演出状態抽選表の場合には、特殊演出状態1〜4の4種類の特殊演出状態が設定されており、各々の特殊演出状態の当選確率が1/5に設定されている。また、特殊演出不実施の確率は1/5に設定されている。つまり、AT当選時においては、80%の確率で何らかの特殊演出状態が選択されることになっている。なお、特殊演出状態1〜4では、
図29〜
図32に示すように、演出パターン1〜5が選択される確率が少なくとも一部異なっている。なお、詳細な説明は後述する。
【0106】
一方、ATはずれ時特殊演出状態抽選表の場合には、特殊演出状態1のみが設定されており、特殊演出状態の当選確率が1/2、特殊演出不実施の確率が1/2に設定されている。よって、AT実施時の方が、何らかの特殊演出状態が選択される確率が高くなっている。
なお、ステップS124で行なうAT抽選処理やステップS134で行なう特殊演出状態抽選処理は、乱数発生器でハード乱数を発生させて取り出して、読み出した抽選表と照らし合わせて抽選処理を行なうこともできるし、ソフトウエア上の乱数を発生させて抽選処理を行なうこともできる。また、役抽選で取り出した乱数を用いて、抽選処理を行なうこともできる。後述する各抽選処理についても、同様に行なうことができる。
【0107】
次に、ステップS134で行なった特殊演出状態抽選処理の結果、何らかの特殊演出状態に当選したか否か判断する(ステップS136)。この判断で、もし、何らかの特殊演出状態に当選した(YES)と判別したときには、当選した特殊演出状態1〜4に応じた値1〜4の何れかをパラメータFRZの値としてインプットし(ステップS138)、カウンタGAMEの値に20をインプットして(ステップS140)、本サブルーチンを終了する。この制御処理により、次の遊技から特殊演出制御サブルーチンの示された制御処理を行なうことになる。
一方、ステップS136の判断で、もし、特殊演出状態に当選していない(NO)と判別したときには、カウンタの値に−1をインプットして(ステップS142)、本サブル一ンを終了する。この制御処理により、次遊技から、
図11のステップS222の判断で、GAMEの値が0より小さい(NO)と判別されて、特殊演出制御サブルーチンを実施しないように制御処理される。
【0108】
以上のように、本実施形態では、特殊演出を実施可能な複数の遊技に渡る期間である特殊演出実施期間を予め定めることによって、特殊演出実施期間の全体を考慮した効果的な演出を実施することができ、遊技者の特殊演出に対する関心を高め持続させることができ、延いては、遊技者の遊技に対する関心を高め持続させることが期待できる。
特に、抽選処理の結果や遊技状態やその他の条件に適応させて、複数の特殊演出状態の中から最適な特殊演出状態を定めることができるので、状況に応じた特殊演出を効果的に実施することができる。
【0109】
<<AT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンの中の制御処理に関するその他の実施形態の説明>>
[その1]
上記の実施形態においては、役抽選で一般役3に当選したとき、つまり一般役3を特定役として、GAMEの値に所定値をインプットする制御処理を行なっているが、これに限られるものではなく、一般役1、一般役2、1枚役、再遊技役、当たり役を始めとするその他の任意の役を特定役に設定することもできる。
【0110】
[その2]
特定役を1つの役に定めずに、
図34の特殊演出状態抽選表に示すように、特殊演出状態1〜4の当選確率及び特殊演出不実施の確率が、役抽選の結果(一般役1〜3、一枚役、再遊技役の何れかに当選またははずれ)に応じて異なるようにすることもできる。
図34に示す実施例の場合には、役抽選ではずれの場合には、常に特殊演出不実施が選択され、役抽選で一般役3または一枚役に当選した場合には、他の役に当選した場合よりも、何れかの特殊演出状態が選択される確率が高くなっている。ただし、
図34に示す確率は一例に過ぎず、その他の任意の確率を設定することができる。
【0111】
[その3]
上記の実施形態では、所定の要件を達成すると、
図8のステップS140において、GAMEの値に20をインプットするようになっているが、これに限られるものではない。例えば、抽選処理でGAMEの値を定めることもできる。
その一例として、
図35にGAMEの値を抽選処理で定めるときに用いる抽選表の実施例を示す。
図35(a)には、特殊演出状態1のときのゲーム数の抽選表を示し、
図35(b)には、特殊演出状態2のときのゲーム数の抽選表を示す。この実施例では、選択された特殊演出状態の種類によって、インプットするGAMEの値の当選確率が異なっている。なお、
図35の抽選表は、当選確率でなく、発生させる乱数の総数が256の場合の、各値に振り分けた置数を示す。
【0112】
[その4]
その他、特殊演出状態1〜4に応じてGAMEの値を定めることもできる。例えば、特殊演出状態1が選択された場合には、GAMEの値として10をインップットし、特殊演出状態2が選択された場合には、GAMEの値として15をインップットし、特殊演出状態3が選択された場合には、GAMEの値として20をインップットし、特殊演出状態4が選択された場合には、GAMEの値として25をインップットするようにすることも考えられる。
【0113】
<<AT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンのその他の実施形態の説明>>
図8に示すAT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンでは、特殊演出実施期間の遊技を実施する間は、ATフラグの持ち越し処理を行ない、特殊演出実施期間が終了した後、ATを開始するようになっているが、これに限られるものではない。
図9に示すAT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンのその他の実施形態では、特殊演出実施期間の遊技において、つまり特殊演出制御サブルーチンを行なうと同時に、ATを実施する制御処理を行なう。以下の説明においては、
図8に示すフローチャートと異なる点に絞って説明を行なう。
【0114】
図9のフローチャートにおいて、ステップS164で行なうAT抽選処理の結果、AT当選か否か、つまりATを実施するか否か判断し(ステップS166)、この判断で、もし、AT当選でATを実施する(YES)と判別したとき、
図9においては、ATフラグを設定しているが、
図9においては、AT開始信号を副制御回路200へ送信する(ステップS168)。ステップS168で副制御回路200へ送信したAT開始信号は、AT設定サブルーチンのステップS700の制御処理に用いられる(
図20参照)。これにより、副制御回路では、ATの設定が行なわれ(NAT=15:
図20のステップS702参照)、次の遊技から、役抽選で一般役2に当選したとき、正しいリール停止順を報知するATを実施する(
図22参照)。
【0115】
また、
図9のフローチャートでは、ステップS180でGAMEの値として14(
図8では20)をインプットしているが(ステップS180)、これにより、特殊演出状態の遊技が15回(GAME=0〜14)行われる。これは同時に実施されるATの遊技数(=15)に合わせたものである(
図20のステップS702参照)。
本実施態様では、特殊演出が実施可能な特殊演出実施期間の遊技において、特別な遊技状態であるATも実施するので、遊技者の特殊演出及び遊技に対する関心を高め持続させることが期待できる。
【0116】
なお、特殊演出とATとを同時に実施する場合には、特殊演出制御サブルーチンの演出パターン抽選処理(
図12のステップS264参照)で選択された演出パターンの情報を副制御回路200へ送信することにより、副制御回路200で、選択された演出パターンに応じたATの態様を選択して、例えば、リールの動きと画像を組み合わせたATを実施することもできる。
【0117】
<<追加抽選処理サブルーチンの説明>>
上述の実施形態では、カウンタGAMEの値が0以上の、特殊演出状態抽選処理サブルーチンを実施する特殊演出実施期間の遊技においては、AT・特殊演出状態抽選処理サブルーチンは行なわないようにしているが(
図7のステップS86でNO参照)、これに限られるものではない。例えば、
図10に示すように、GAMEの値が0以上の特殊演出実施期間の遊技において、所定の要件を満たしたときに、ATを実施するための抽選処理に再チャレンジする機会を与え、GAMEの値を加算する制御処理を行なうこともできる。以下にその制御処理を、
図10のフローチャートを用いて説明する。
【0118】
図10において、まず、GAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS200)。この判断で、GAMEの値が0より小さい(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS200の判断で、もし、GAMEの値が0以上である(YES)と判別したときには、次に、役抽選で一般役3に当選したか(所定の要件を満たしたか)否か判断する(ステップS202)。
この判断で、もし、一般役3に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま、本サブルーチンを終了する。ステップS202の判断で、もし、一般役3に当選した(YES)と判別したとき、次に、ATフラグがオンになっているか否か判断する(ステップS204)。この判断で、もし、ATフラグがオンになっている(YES)と判別したときには、ステップS206からS210の制御処理を行なわずに、ステップS212へ進む。
【0119】
ステップS204の判断で、もし、ATフラグがオンになっていない(NO)と判別したときには、次に、RAM110からAT抽選表を読み出してAT抽選処理を行なう(ステップS206)。つまり、ATを実施するための抽選処理を再チャレンジすることができる。この場合のAT抽選表は、
図8のステップS124または
図9のステップS164に示すAT抽選表と同一のものを用いることもできるし、異なるAT抽選表(例えば、ATの当選確率が50%より高いもの)を用いることもできる。
【0120】
次に、AT抽選処理の結果、ATが当選したか否か、つまりATを実施するか否か判断する(ステップS208)。この判断で、もし、AT当選でATを実施する(YES)と判別したときには、ATフラグをオンにして(ステップS210)、ステップS212に進む。ステップS208の判断で、もし、ATはずれでATを実施しないと判別したときには、ステップS210を実施せずに、ステップS212へ進む。
【0121】
ここで、ステップS206〜S210に示す制御処理が有効なのは、例えば、特定役である一般役3に当選してAT抽選処理を行なったが、その結果はATはずれとなり、
図28(b)に示すATはずれ時特殊演出状態抽選表を読み出した特殊演出状態抽選処理で、特殊演出状態1に当選した場合が考えられる。つまり、特殊演出を実施可能な特殊演出実施期間であるが、ATフラグがオンになっていない遊技において、再び特定役である一般役3に当選したときに、再びAT抽選処理を行なって、ATを実施する機会が得られる場合である。
【0122】
ステップS212においては、RAM110からゲーム数追加抽選表を読み出して、ゲーム数抽選処理を行なう(ステップS212)。ゲーム数追加抽選表としては、
図35に示す抽選表と同様な抽選表を用いることができる。
次に、GAMEの値にゲーム数追加抽選処理で定められた値を加えて、新たなGAMEの値としてRAM110に記憶して(ステップS214)、本サブルーチンを終了する。
【0123】
以上のように、本実施形態では、特殊演出実施期間の遊技において、更に所定の要件を達成(例えば、一般役3当選)したとき、GAMEの値の追加、つまり特殊演出実施期間を延長させることができるので、遊技者の特殊演出に対する関心、延いては遊技者の遊技に対する関心を高め持続させることが期待できる。
【0124】
なお、本実施形態では、抽選処理によりATの実施の可否や追加するGAMEの値を決定しているが、これに限られるものではなく、例えば、特定役である一般役3に当選したとき、抽選処理を行なわずに、常にATフラグをオンにしたり、所定値をGAMEに加えたりすることもできる。
【0125】
<リール変動、停止サブルーチンの説明>
次に、
図5のメインルーチンにおいて、上述の役抽選処理サブルーチン(ステップS24)が終了すると、次に、リール変動、停止サブルーチン(ステップS26)を行なう。
図11に示すフローチャートを用いて、リール変動、停止サブルーチンの詳細な説明を行なう。
まず、
図7のステップS82で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS220)。次に、GAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS222)。この判断で、もし、GAMEの値が0より小さい(NO)と判別したときには、ステップS224の制御処理を行なわずに、ステップS226へ進む。
ステップS222の判断で、もし、GAMEの値が0以上である、つまり特殊演出実施期間の遊技である(YES)と判別したときには、ステップS224の特殊演出制御サブルーチンを行なって(ステップS224)、ステップS226へ進む。なお、
図11に示すフローチャートでは、後述するステップS236以降の制御により、通常のリールを回転させて停止させる一連の制御処理が実施され、ステップS224に示すリールを用いた特殊演出は、通常のリール回転開始の前に行なわれる。
【0126】
<<特殊演出制御サブルーチンの説明>>
ここで、
図12のフローチャートを用いて、特殊演出制御サブルーチンの詳細な説明を行なう。
図12において、まず、FRZの値(
図8のステップS138、
図9のステップS178でインプットした値)が1であるか否か判断する(ステップS250)。この判断で、もし、FRZの値が1である、つまり特殊演出状態1である(YES)と判別したときには、特殊演出状態1演出パターン抽選表(
図29参照)をRAM110から読み出して(ステップS252)、GAMEの値に応じた当選確率で演出パターン抽選処理(ステップS264)を行なう。
【0127】
ステップS250の判断で、もし、FRZの値が1でない(NO)と判別したときには、次に、FRZの値が2であるか否か判断する(ステップS254)。この判断で、もし、FRZの値が2である、つまり特殊演出状態2である(YES)と判別したときには、特殊演出状態2演出パターン抽選表(
図30参照)をRAM110から読み出して(ステップS256)、GAMEの値に応じた当選確率で演出パターン抽選処理(ステップS264)を行なう。
【0128】
ステップS254の判断で、もし、FRZの値が2でない(NO)と判別したときには、次に、FRZの値が3であるか否か判断する(ステップS258)。この判断で、もし、FRZの値が3である、つまり特殊演出状態3である(YES)と判別したときには、特殊演出状態3演出パターン抽選表(
図31参照)をRAM110から読み出して(ステップS260)、GAMEの値に応じた当選確率で演出パターン抽選処理(ステップS264)を行なう。
【0129】
ステップS258の判断で、もし、FRZの値が3でない(NO)と判別したときには、FRZの値が4である、つまり特殊演出状態4であると判別して、特殊演出状態4演出パターン抽選表(
図32参照)をRAM110から読み出して(ステップS262)、GAMEの値に応じた当選確率で演出パターン抽選処理(ステップS264)を行なう。
【0130】
ここで、特殊演出状態1〜4演出パターン抽選表の実施例を、
図29〜
図32に示す。これらの特殊演出状態1〜4演出パターン抽選表では、演出パターン1〜5の5つの演出パターンと、演出不実施(はずれに相当)が設定されている。各抽選表の備考欄に記載のように、演出パターン1では、左リールを0.5秒間回転させて停止させる特殊演出を実施する。演出パターン2では、左リール・中リールの順に、0.5秒間回転させて停止させる特殊演出を実施する。演出パターン3では、左リール・中リール・右リールの順に、0.5秒間回転させて停止させる特殊演出を実施する。演出パターン4では、5秒間、全リールの回転をさせないフリーズを行なう特殊演出を実施する。演出パターン5では、5秒間、全リールを逆回転させて停止させる特殊演出を実施する。
【0131】
また、GAMEの値が10〜20、5〜9、1〜4及び0の場合により、各演出パターンの当選確率が異なる設定となる。
演出パターン1及び2は、全ての特殊演出状態演出パターン抽選表で当選する可能性があるが、演出パターン3は、特殊演出状態2演出パターン抽選表でのみ当選し、特に、特殊演出実施期間の後半であるGAMEの値が0〜4のときにのみ、当選して実施される可能性がある。
演出パターン4は、特殊演出状態3演出パターン抽選表でのみ当選し、特に、特殊演出実施期間の最後のGAMEの値が0のときにのみ実施され、この場合には、当選確率100%で常に実施される。
演出パターン5は、特殊演出状態4演出パターン抽選表でのみ当選し、特に、特殊演出実施期間の最後のGAMEの値が0のときにのみ実施され、この場合には、当選確率100%で常に実施される。
【0132】
以上のような特殊演出状態1〜4演出パターン抽選表を用いて演出パターン抽選を行なった場合の遊技進行の実施例を、
図33に模式的に示す。
図33(a)に、ATはずれ時において、特殊演出状態1演出パターンを用いて演出パターン抽選を行なった場合の遊技進行の一例を示す。
図33(b)に、AT当選時において、特殊演出状態1演出パターンを用いて演出パターン抽選を行なった場合の遊技進行の一例を示す。
図33(c)に、AT当選時において、特殊演出状態2演出パターンを用いて演出パターン抽選を行なった場合の遊技進行の一例を示す。
図33(d)に、AT当選時において、特殊演出状態3演出パターンを用いて演出パターン抽選を行なった場合の遊技進行の一例を示す。
図33(e)に、AT当選時において、特殊演出状態4演出パターンを用いて演出パターン抽選を行なった場合の遊技進行の一例を示す。
【0133】
特殊演出状態抽選処理(
図8のステップS134、
図9のステップS174参照])では、
図28の特殊演出状態抽選表に示すように、特殊演出状態1は、AT抽選処理でAT当選の場合にも、ATはずれの場合にも選択される可能性があるが、特殊演出状態2〜4は、AT抽選処理でAT当選の場合にのみ選択される。よって、特殊演出状態2においてのみ選択される演出パターン3、特殊演出状態3においてのみ選択される演出パターン4、及び特殊演出状態4においてのみ選択される演出パターン5については、AT抽選処理でAT当選となってATフラグオンとなり、特殊演出実施期間の遊技が終了後、ATに移行する場合にのみ、実施される特殊演出である。
【0134】
以上のように、特殊演出実施期間の遊技が終了した後、遊技者の関心が高い特別な遊技状態であるATに移行する場合にだけ選択される特殊演出があるので、これらの特殊演出により、遊技者の特殊演出に対する信頼度を高めることが期待できる。
【0135】
図12のフローチャートの説明に戻り、ステップS264で実施した演出パターン抽選処理の結果、何れかの演出パターンが選択されて特殊演出を実施するか否か判断する(ステップS266)。この判断で、何れかの演出パターンが選択されていない(NO)、つまり演出不実施(はすれ)が選択されたと判別したときには、ステップS268の制御処理を行なわずに、ステップS270へ進む。
ステップS266の判断で、もし、ステップS266の判断で、もし、何れかの演出パターンが選択されて、特殊演出を実施する(YES)と判別したときには、特殊演出実施サブルーチンを行なって(ステップS268)、ステップS270へ進む。
【0136】
<<特殊演出実施サブルーチンの説明>>
図13のフローチャートを用いて、特殊演出実施手段490により行なわれる特殊演出実施サブルーチンの詳細な説明を行なう。
図13において、まず、演出パターン1が選択されたか否か判断する(ステップS280)。この判断で、もし、演出パターン1が選択された(YES)と判別したときには、左リールを0.5秒間回転させて停止させる特殊演出を実施して(ステップS282)、本サブルーチンを終了する。
【0137】
ステップS280の判断で、もし、演出パターン1が選択されていない(NO)と判別したときには、次に、演出パターン2が選択されたか否か判断する(ステップS284)。この判断で、もし、演出パターン2が選択された(YES)と判別したときには、左リール・中リールの順に、0.5秒間回転させて停止させる特殊演出を実施して(ステップS286)、本サブルーチンを終了する。
【0138】
ステップS284の判断で、もし、演出パターン2が選択されていない(NO)と判別したときには、次に、演出パターン3が選択されたか否か判断する(ステップS288)。この判断で、もし、演出パターン3が選択された(YES)と判別したときには、左リール・中リール・右リールの順に、0.5秒間回転させて停止させる特殊演出を実施して(ステップS290)、本サブルーチンを終了する。
【0139】
ステップS288の判断で、もし、演出パターン3が選択されていない(NO)と判別したときには、次に、演出パターン4が選択されたか否か判断する(ステップS292)。この判断で、もし、演出パターン4が選択された(YES)と判別したときには、5秒間、全リールの回転をさせないフリーズを行なう特殊演出を実施して(ステップS294)、本サブルーチンを終了する。
【0140】
ステップS292の判断で、もし、演出パターン4が選択されていない(NO)と判別したときには、演出パターン5が選択されたと判別して、5秒間、全リールを逆回転させて停止させる特殊演出を実施して(ステップS296)、本サブルーチンを終了する。
【0141】
再び、
図12のフローチャートに戻り、ステップS268の特殊演出実施サブルーチンに引き続いて、カウンタGAMEの値を1減じる制御処理を行なって(ステップS270)、本サブルーチンを終了する。このステップS270の制御処理により、特殊演出制御サブルーチンを行なうたびにGAMEの値が1ずつ減り、GAMEの値が0より小さくなった時点で、特殊演出制御サブルーチンの実施を終了する(
図11のステップS222でNO参照)。
【0142】
以上のように、特殊演出制御サブルーチンにおいては、GAMEの値が0以上の特殊演出実施期間の各遊技において、演出パターン抽選処理を実施し、この演出パターン抽選処理の結果によって、特殊演出の実施の可否が定まり、実施される特殊演出パターンの内容に変化を付けることができるので、遊技者が遊技を継続しても、特殊演出に対する高い関心を持続させることが期待できる。
【0143】
再び、
図11のフローチャートに戻り、ステップS224で特殊演出制御サブルーチンを実施した後、ATフラグがオンであるか否か判断する(ステップS226参照)。この判断で、ATフラグがオンではない(NO)と判別したときには、ステップS228〜S232の制御処理を実施せずに、ステップS234へ進む。
ステップS226の判断で、もし、ATフラグがオンの状態である(YES)と判別したときには、次に、GAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS228)。この判断で、もし、GAMEの値が0以上である(YES)、つまり特殊演出実施期間の遊技であると判別したときには、ステップS230〜S232の制御処理を実施せずに、ステップS234へ進む。
【0144】
ステップS228の判断で、もし、GAMEの値が0より小さい(NO)と判別したときには、AT開始信号を副制御回路200へ送信し(ステップS230)、ATフラグをオフにして(ステップS232)、ステップS234へ進む。ここで、ステップS230で副制御回路200へ送信したAT開始信号は、AT設定サブルーチンのステップS700の制御処理に用いられる(
図20参照)。これにより、副制御回路200では、ATの設定が行なわれ(
図20のステップS702参照)、次の遊技から、役抽選で一般役2に当選したとき、正しいリール停止順を報知するATを実施する(
図22参照)。
【0145】
このAT開始信号を副制御回路200へ送信する制御処理を行なう場合としては、AT抽選処理でAT当選となってATフラグがオンとなり、特別演出状態抽選処理で何れかの特別演出状態が選択されて、GAMEの値に20がインプットされた場合において、GAMEの値が1ずつ減じられて0より小さくなった場合、つまり特殊演出実施期間が終了して、次の遊技から特別な遊技状態であるATの遊技に移行する場合が考えられる。
その他の場合として、AT抽選処理でAT当選となってATフラグがオンとなったが、特別演出状態抽選処理で特別演出状態が選択されずに、GAMEの値に−1がインプットされた場合(
図8のステップS142参照)が考えられる。この場合には、特殊演出が実施されることなく、次の遊技からATが開始されることになる。
【0146】
以上のように、本実施形態では、特殊演出実施期間の遊技が終了した後、特別な遊技状態として遊技者の関心が高いATに移行する場合があるので、遊技者は、特殊演出が実施されたときにそれに対する期待感を抱き、遊技に対する関心が高まる。また、特殊演出実施期間の遊技が終了した後、ATに移行する場合だけでなく、ATに移行しない場合もあるので、遊技の進行に変化を付けることができる。
【0147】
なお、本実施形態では、特殊演出実施期間において特殊演出が実施された後、特別な遊技状態として、ATが開始されるようになっているが、これに限られるものではなく、例えば、特殊演出実施期間の後に、特別な遊技状態として、当たり遊技が開始されたり、RT作動状態が開始されたりすることも考えられる。
【0148】
ステップS232に引き続いて、遊技者のスタートスイッチの操作に応じてリールの回転を開始させ、遊技者のリール停止操作に応じてリールの停止操作を行なう制御処理が行なわれる。更に詳細に述べれば、遊技者のスタートスイッチの操作に基づく所定の制御処理を実施後、リールの回転を開始させ、リールが定常回転に達した後、遊技者のリール停止スイッチの操作に基づく信号を受信したとき、役抽選の結果に応じて、回転させたリールの停止制御を行なう。このとき、所定の制御処理を終了したタイミングから所定の最短遊技時間を経過する前に次のスタートスイッチの操作が行われた場合には、下記のステップS234に示すように、所定の最短遊技時間を経過した後に、リールの回転を開始させるリール制御手段を行なう。
【0149】
なお、最短遊技時間経過の開始タイミングとなる「遊技者のスタートスイッチの操作に基づく所定の制御処理の終了」については、例えば、
図6のステップS40に示すスタートスイッチONの信号の受信完了を挙げることができる。この場合には、スタートスイッチONの信号受信完了から最短遊技時間経過後に、次のスタートスイッチの操作が行なわれた(つまり、次のスタートスイッチONの信号受信した)場合には、速やかにリール回転開始信号をリール制御手段440に送信して、リールの回転を開始させる。一方、スタートスイッチONの信号受信完了から最短遊技時間経過前に、次のスタートスイッチの操作が行なわれた(つまり、次のスタートスイッチONの信号受信した)場合には、最短遊技時間経過後に、速やかにリール回転開始信号をリール制御手段440に送信して、リールの回転を開始させる。
【0150】
また、「遊技者のスタートスイッチの操作に基づく所定の制御処理の終了」を、
図11のステップS236に示す制御処理の一部であるリール回転開始信号の送信完了とすることもできる。この場合には、リール回転開始信号の送信完了から最短遊技時間経過前に、次のスタートスイッチの操作が行なわれた(つまり、次のスタートスイッチONの信号受信した)場合には、最短遊技時間経過後、速やかにリール回転開始信号をリール制御手段440に送信して、リールの回転を開始させることになる。
なお、例えば、最短遊技時間を約4.1秒とした場合、「遊技者のスタートスイッチの操作に基づく所定の制御処理の終了」のタイミングを、スタートスイッチONの信号受信完了としても、リール回転開始信号の送信完了としても、そのタイミングの差は、最短遊技時間に比べて極めて僅かである。
【0151】
以上のように、予め定められた最短遊技時間を経過したか否かの判断を行なう(ステップS234)。この判断で、もし、最短遊技時間が経過していない(NO)と判別したときには、このステップS234の判断処理を繰り返し実行する。つまり、上記のように、最短遊技時間が経過するまで次の工程であるリールの回転開始を行なえないようなっている。この制御によって、一定時間に行なわれる遊技の回数を、所定の回数以内に抑える制御を行なっている。
【0152】
ステップS234の判断で、もし、最短遊技時間が経過した(YES)と判別したときには、既にスタートスイッチONの信号を受信しているので(
図6のステップS40参照)、リール回転開始信号をモータ駆動回路114に送信して、モータ80L、80C、80Rの回転を開始させ、リール40L、40C、40Rを回転させる(ステップS236)。
次に、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS238)。この判断で、もし、リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判別したときには、このステップS238の判断処理を繰り返す。つまり、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行なえないようになっている。
【0153】
ステップS238の判断で、もし、リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断したときには、次に、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS240)。ここで、リール停止信号は、停止スイッチ52L、52C、52Rのうち、遊技者が何れか1つの停止スイッチを押動操作したときに、操作手段300によって発信される信号である。
ステップS240の判断で、もし、リール停止信号を受信した(YES)と判別したときには、リール制御手段440は、リール停止信号を発信した停止スイッチに対応するリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう(ステップS242)。
【0154】
ここで、ステップS240、S242の制御処理を更に詳細に説明すれば、左リール用の停止スイッチ52Lが押動操作された場合には、リール制御手段440は、左リール40Lを回転させるモータ80LについてステップS242の停止制御を行なう。同様に、中リール用の停止スイッチ52Cが押動操作された場合には、中リール40Cを回転させるモータ80CについてステップS242の停止制御を行ない、右リール用の停止スイッチ52Rが押動操作された場合には、右リール40Rを回転させるモータ80RについてステップS242の停止制御を行なう。
【0155】
ステップS242の図柄組み合わせ制御(停止制御)は、ステップS220で読み出した図柄番号、制御図柄データに基づいて、リール停止信号を受信したときのコマを1コマ目として、最大5コマ目までリールを滑らして、その範囲内で、所定の図柄を有効ライン上に停止させる図柄組み合わせ制御(引き込み制御)、または停止させない図柄組み合わせ制御(蹴飛ばし制御)を行なうものである。
【0156】
既に説明したように、役抽選で一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせ(ただし常に一般役3Aが含まれる)が当選したとき、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されるように引き込み制御を行なう。一方、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なわなかったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示されるように、つまり「不利益図柄」が表示されるように引き込み制御を行なう。
【0157】
図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されたとき、中央の水平有効ラインL1、斜め右下がりの有効ラインL3A及び斜め右上がりの有効ラインL3Bの3本の有効ライン上に、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになるので、3枚×3ライン=9数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。一方、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に停止した「不利益図柄」が表示されたときには、上側の水平有効ラインL2A上のみに、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになるので、3枚の遊技媒体の払い出しのみを受けることになる。
後述するATによって、役の組み合わせに応じた正しいリールの停止順を報知することができれば、遊技者は、確実に9枚の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
【0158】
なお、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なわなかった場合であっても、例えば、入賞となる図柄の組み合わせが、左・中・右リールにおいて図柄ベルが一直線状に並ぶような、遊技者にとって入賞の可否が判別し易い図柄の組み合わせにおいて、下記のようなリールの停止制御を行なうことによって、遊技者の入賞に対する期待感を、第2リール停止のタイミングまで継続させることができる。
【0159】
中・右・左または中・左・右が正しいリール停止順の場合に、左リールを第1停止させたとき、第1停止リールである左リールにおいて、例えば、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に停止するように引き込み制御を行なうことが考えられる。図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に停止するように引き込み制御を行なった場合には、中央の水平有効ラインL1上に図柄ベルが表示される場合しか考えられないが、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に停止するように引き込み制御を行なった場合には、第2停止リールの停止位置によって、図柄ベルが上の水平有効ラインL2A上に表示される可能性も、斜め右下がりの有効ラインL3A上に表示される可能性もあるので、遊技者の入賞に対する期待感を、第2リール停止のタイミングまで高い状態で保つことができる。
また、中・右・左または中・左・右が正しいリール停止順の場合に、右リールを第1停止させたとき、第1停止リールである右リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に停止するように引き込み制御を行なうことにより、上述と同様に、第2停止リールの停止位置によって、図柄ベルが上の水平有効ラインL2A上に表示される可能性も、斜め右上がりの有効ラインL3B上に表示される可能性もあるので、遊技者の入賞に対する期待感を、第2リール停止のタイミングまで高い状態で保つことができる。
【0160】
また、
図27に示すリールの図柄配置図から明らかなとおり、3リール共に、5コマ以内に図柄リプレイが配置されているので、役抽選で通常再遊技役に当選した場合には、引き込み制御で常に図柄リプレイが表示されて、次遊技で再遊技が行なわれるようになっている。また、BBフラグが設定された内部中の遊技において、役抽選で再遊技役に当選した場合、つまりBBフラグと再遊技役のフラグとが同時にオンになった場合、再遊技役に対応した図柄リプレイを優先的に表示させるように、引き込み制御が行なわれる。なお、BB役に対応した図柄赤7は、各リールで1〜2個しか存在せず、BB役を入賞させるには、遊技者が所謂目押しをして図柄7を表示させる必要がある。
【0161】
上述のように、役抽選でBB役に当選してBBフラグが設定された内部中の遊技状態になると、RT3作動状態となり(
図7のステップS72参照)、後述するように、BB役が入賞した場合にはRT3作動状態が解除されて(
図17のステップS544参照)、次遊技からBB遊技が開始される。
特に、RT3作動状態において、役抽選で通常再遊技役に当選する確率を高くすれば(例えば、確率1/2)、BB役が入賞するより再遊技役が入賞する可能性が高くなる。よって、RT2作動時においては、すぐにRT2作動状態が解除されてBB遊技に移行するよりは、RT2作動状態が所定期間継続する可能性が高いといえる。
【0162】
再び
図11のフローチャートの説明に戻り、ステップS240の判断において、もし、リール停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、停止に関する制御を行なわずに、次にステップS244へ進む。ステップS244では、全てのリールは停止したか否かを判断する。
この判断で、もし、全てのリールが停止してはいない(NO)と判別したときには、再びステップS240に戻り、ステップS240からステップS244の制御処理を繰り返す。以上により、全リールが停止するまで、リール停止信号を受信するごとに、対応するリールの図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう工程を繰り返す。
【0163】
ステップS244の判断で、もし、全てのリールが停止している(YES)と判別したときには、全リール停止信号を副制御回路200へ送信して(ステップS246)、本サブルーチンを終了する。ここで、ステップS246で副制御回路200へ送信した全リール停止信号は、報知演出表示サブルーチンのステップS812の制御処理に用いられる。
【0164】
なお、上述の実施形態では、リールを用いた特殊演出を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、ベットスイッチの操作や遊技媒体の投入に関して、一定期間、機能をフリーズさせる特殊演出を行なうこともできる。具体的には、
図5のメインフローにおいて、ステップS12またはステップS16の判断処理でYESと判別しても、所定の時間を経過するまで、ステップS18以降の制御処理を行わないことにより実現できる。
【0165】
<入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンの説明>
図5のメインルーチンにおいて、上述のリール変動、停止サブルーチン(ステップS26)が終了すると、次に、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(ステップ28)を行なう。
図14に示すフローチャートを用いて、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンの詳細な説明を行なう。
【0166】
まず、遊技の状態がBB遊技中であるか否かを判断する(ステップS300)。この判断で、もし、BB遊技中である(YES)と判別したときには、BB遊技中処理サブルーチン(ステップS302)を行なって、本サブルーチンを終了する。BB遊技中処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。
ステップS300の判断で、もし、遊技の状態がBB遊技中ではない(NO)と判別したときには、次に、当選役があるか否かを判断する(ステップS304)。この判断で、もし、当選役がある(YES)と判別したときには、役当選時処理サブルーチン(ステップS306)を行なって、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを終了する。役当選時処理サブルーチンの詳細な説明は後述する。ステップS304の判断で、もし、当選役がない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
以下に、ステップS302、S306に示されるサブルーチンの詳細な説明を行なう。
【0167】
<BB遊技中処理サブルーチンの説明>
次に、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(
図14参照)において、ステップS300でBB遊技中であると判別したときに実施するBB遊技中処理サブルーチン(ステップS302参照)の詳細な説明を、
図15に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行ない(ステップS400)、次に、入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS402)。この判断で、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、一般役のフラグがオンになっていればフラグオフにして(ステップS404)、ステップS410へ進む。
【0168】
ステップS402の判断で、もし、入賞がある(YES)と判別したときには、払出枚数をカウントして、払出枚数のデータを更新し、更新したデータをRAM110に記憶する(ステップS406)。そして、一般役フラグをオフにして(ステップS408)、ステップS410へ進む。なお、このデータは、BB遊技の終了条件に用いられ、払出枚数が終了枚数に達したときには、BB遊技を終了する。
次に、BB遊技の終了条件が達成したか否かを判断する(ステップS410)。この判断で、もし、BB遊技の終了条件を達成してない(NO)と判別したときには、そのまま、本サブルーチンを終了する。また、ステップS410の判断で、もし、BB遊技の終了条件を達成している(YES)と判別したときには、NBBの値に0をインプットしてBB遊技状態を解除する(ステップS412)。次に、NRTの値に0をインプットして(ステップS414)、本サブルーチンを終了する。つまり、BB遊技が終了すると、通常(非RT、非BB)の遊技が開始される。なお、BB遊技開始時にNRTの値に0をインプットする制御処理を行なっているので(
図17のステップS544参照)、ステップS414の制御処理を実施しなくても、次遊技から、通常(非RT、非BB)の遊技が開始される。
【0169】
<役当選時処理サブルーチンの説明>
次に、入賞判定、フラグオフ処理サブルーチン(
図14参照)において、ステップS304で当選役ありと判別したときに実施する役当選時処理サブルーチン(ステップS306参照)の詳細な説明を、
図16に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、上述のリール変動、停止サブルーチンによって停止したリール図柄が入賞しているか入賞図柄判定を行ない(ステップS500)、この入賞図柄判定の結果、何らかの役が入賞しているか否かを判断する(ステップS502)。この判断で、もし、入賞している(YES)と判別したときには、次に、BB役が入賞したのか否かの判断を行なう(ステップS504)。この判断で、もし、BB役が入賞した(YES)と判別したときには、当たり役入賞時サブルーチンを行なって(ステップS506)、本サブルーチンを終了する。なお、当たり役入賞時サブルーチンについては、
図17を用いて追って詳細に説明する。
【0170】
ステップS504の判断で、もし、BB役が入賞していない(NO)と判別したときには、次に、再遊技役が入賞したか否か判断する(ステップS508)。この判断で、もし、再遊技役が入賞した(YES)と判別したときには、次に、再遊技役入賞時サブルーチンを行なって(ステップS510)、本サブルーチンを終了する。なお、再遊技役入賞時サブルーチンについては、
図18を用いて追って詳細に説明する。
【0171】
ステップS508の判断で、もし、再遊技役が入賞していない(NO)と判別したときには、一般役が入賞したと判断して、不利益図柄判定サブルーチンを行なって(ステップS512)、ステップS514へ進む。なお、不利益図柄判定サブルーチンについては、
図19を用いて追って詳細に説明する。
ステップS514では、一般役フラグをオフにして、BBフラグがオンになっていれば持ち越し処理を行なって(ステップS514)、本サブルーチンを終了する。
【0172】
ステップS502の判断に戻って、もし、入賞がない(NO)と判別したときには、次に、BBフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS516)。この判断で、もし、BBフラグがオンになっている(YES)と判別したときには、BBフラグの持ち越し処理を行ない、他のフラグ(再遊技役、一般役)がオンになっていれば、そのフラグをオフにして(ステップS518)、本サブルーチンを終了する。
ステップS516の判断で、もし、BBフラグがオンになっていない(NO)と判別したときには、フラグオンになっているフラグ(再遊技役、一般役)をオフにして(ステップS520)、本サブルーチンを終了する。
【0173】
<当たり役入賞時サブルーチンの説明>
次に、
図16のフローチャートのステップS506に示す当たり役入賞時サブルーチンについて、
図17を用いて詳細に説明する。
図17において、まず、NBBの値に1をインプットし(S540)、BBフラグをオフにして(ステップS542)、ステップS544へ進む。ステップS540の制御処理により、次の遊技からBB遊技が開始される。
ステップS544では、NRTの値に0をインプットする(ステップS544)。この制御処理により、RT作動状態であった場合には解除され、次遊技から、BB遊技が開始される。
【0174】
ステップS544に引き続いて、カウンタGAMEの値に−1をインプットする(ステップS546)。この制御処理により、カウンタGAMEの値が0以上の特殊演出実施期間中であれば、GAMEの値に−1をインプットすることにより、特殊演出実施期間が終了する。
次に、ATフラグをオフにし(ステップS548)、副制御回路200にAT解除信号を送信して(ステップS550)、本サブルーチンを終了する。ステップS548の制御処理により、ATフラグがオンの状態の場合には、ATフラグをオフになるので、特殊演出実施期間が経過後にATが実施されることはなくなる。また、ステップS550の制御処理により、副制御回路200でAT(報知演出)を実施している場合には、ATを解除する制御処理を行なうことになる(
図21参照)。
【0175】
なお、上述の実施形態では、特殊演出実施期間にBB役が入賞すると、特殊演出実施期間やATフラグが解除されるようになっているが、これに限られるものではない。例えば、BB役が入賞した場合に、GAMEの値やATフラグをRAM110に継続して記憶しておき、BB遊技が終了した後に、特殊演出実施期間の遊技を再開して、特殊演出実施期間が経過した後、ATフラグに基づいてATを行なうことが考えられる。
その他、BB遊技に移行した後も、そのまま特殊演出実施期間の遊技を継続して実施し、特殊演出実施期間が経過した後、ATフラグに基づいてATを行なうことも考えられる。
【0176】
以上のように、本実施形態では、特殊演出を実施可能な特殊演出実施期間に引き続いて、遊技者の関心の高い当たり遊技が実施され、更に、当たり遊技が終了した後に特殊演出実施期間を再開させたり、当たり遊技実施中に特殊演出実施期間を継続させたりすることもできるので、遊技者の特殊演出及び遊技に対する関心を高め持続させることが期待できる。
【0177】
<再遊技役入賞時サブルーチンの説明>
次に、
図16のフローチャートのステップS510に示す再遊技役入賞時サブルーチンについて、
図18を用いて詳細に説明する。
図18において、まず、NRTの値が1であるか否か、つまりRT1作動状態であるか否か判断する(ステップS600)。この判断で、もし、NRTの値が1でない(NO)、つまりRT1作動状態でないと判別したときには、ステップS602及びS604の制御処理を行なわずに、そのままステップS606へ進む。
ステップS600の判断で、もし、NRTの値が1である(YES)、つまりRT1作動状態であると判別したときには、次に、役抽選で昇格再遊技役に当選したか否か判断する(ステップS602)。
【0178】
この判断で、もし、昇格再遊技役に当選した(YES)と判別したときには、次に、NRTの値に2をインプットして(ステップS604)、ステップS606へ進む。つまり、RT1作動状態の遊技において、役抽選で昇格再遊技役に当選したときには、次の遊技から、RT2作動状態へ移行する。ステップS602の判断で、もし、昇格再遊技役に当選していない(NO)と判別したときには、そのままステップS606へ進む。
ステップS606では、NRPの値に1をインプットし(ステップS606)、次に、再遊技フラグをオフにして、BBフラグがオンの状態であれば持ち越し処理を行なって(ステップS608)、本サブルーチンを終了する。ステップS606の制御処理により、次の遊技においては、遊技媒体を投入せずに遊技を行なう再遊技が実施される(
図5のステップS22参照)。
【0179】
<不利益図柄判定サブルーチンの説明>
次に、
図16のフローチャートのステップS512に示す不利益図柄判定サブルーチンについて、
図19を用いて詳細に説明する。
図19において、まず、役抽選で一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせ(ただし、一般役3Aは常に含まれる)が当選したとき、所定のリール停止順でリール停止操作を行なわなかったときに表示される「不利益図柄」が表示されたか否か判断する(ステップS620)。この判断で、もし、「不利益図柄」が表示されていない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0180】
ステップS620の判断で、もし、「不利益図柄」が表示された(YES)と判別したときには、次に、NRTの値が0より大きいか否か、つまりRT作動状態であるか否か判断する(ステップS622)。この判断で、もし、NRTの値が0以下である(NO)、つまり通常の遊技状態であると判別したときには、NRTの値に1をインプットして(ステップS626)、本サブルーチンを終了する。つまり、通常の遊技において「不利益図柄」が表示されたときには、次遊技から、RT1作動状態の遊技に移行するようになっている。
【0181】
ステップS622の判断で、もし、NRTの値が0より大きい(YES)、つまりRT作動状態であると判別したときには、次に、NRTの値が2であるか否か、つまり、RT2作動状態であるか否か判断する(ステップS624)。この判断で、もし、NRTの値が2でない(NO)、つまりRT2作動状態でないと判別したときには、そのまま、本サブルーチンを終了する。
ステップS624の判断で、もし、NRTの値が2である(YES)、つまりRT2作動状態であると判別したときには、NRTの値に1をインプットして(ステップS626)、本サブルーチンを終了する。つまり、RT2作動状態において「不利益図柄」が表示されたときには、次遊技から、RT1作動状態の遊技に移行するようになっている。
【0182】
上述のように、RT2作動状態は再遊技役の当選確率が高く、RT1作動状態より遊技者にとって有利な遊技状態になっている。従って、RT2作動状態の遊技において、役抽選で一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせに当選したとき、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なえば、RT2作動状態が継続され、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なわなかった場合には、「不利益図柄」が表示されて、RT2作動状態から遊技者にとって不利なRT1作動状態に移行することになる。
よって、遊技者は、リールの停止順によって、RT2作動状態を継続させたり、RT1作動状態に移行させたりすることができるので、遊技者に、遊技の進行をコントロールする遊技的な面白さを与えることができる。特に、ATにより、正しいリール停止順が報知される場合には、比較的遊技経験の少ない遊技者であっても、「不利益図柄」が表示されないようにリールの停止操作をして、RT2作動状態を確実に継続させることができる。
【0183】
<メインルーチンの説明(続き)>
以上のように、ステップS302、S306に示されるサブルーチンが終了して、
図14に示す入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンが終了する。ここで、
図5のメインルーチンに戻り、ステップS28の入賞判定、フラグオフ処理サブルーチンを終了し、ステップS30の払い出し処理を終了して、本メインルーチンを終了する。これにより、図柄が変動してから停止するまでの1工程を1回とする遊技を行なうための制御処理が終了する。
【0184】
(副制御回路200により行なわれる制御処理の説明)
<AT設定サブルーチンの説明>
次に、主制御回路100から受信した信号に基づいて、副制御回路200で行なわれるAT設定サブルーチンの説明を、
図20のフローチャートを用いて行なう。
図20において、まず、主制御回路100からAT開始信号(
図9のステップS168、
図11のステップS230参照)を受信したか否か判断する(ステップS700)。この判断で、もし、AT開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS700の判断で、もし、AT開始信号を受信した(YES)と判別したときには、カウンタNATの値に15をインプットして(ステップS702)、本サブルーチンを終了する。
【0185】
ここで、NATは、ATを実施するときに用いるカウンタであり、主制御回路100において、ATフラグがオンとなった特殊演出実施期間が終了したとき、主制御回路100からAT開始信号を副制御回路200へ送信し、これに基づいて、副制御回路200において、NATの値に15をインプットして、AT開始の設定を行なう。この制御処理により、次遊技から一般役2を入賞させるための正しいリール停止順を報知する演出画像を表示するATを実施するための制御処理を行なう。このATを実施可能な遊技を行なうたびに、NATの値を1ずつ減じていき(
図22のステップ808参照)、NATの値が0以下になったときにATを終了する(
図22のステップS804参照)。つまり、本実施形態では、ATを実施可能な遊技を15遊技行なうことになる。
【0186】
<AT解除サブルーチンの説明>
次に、主制御回路100から受信した信号に基づいて、副制御回路200で行なわれるAT解除サブルーチンの説明を、
図21のフローチャートを用いて行なう。
図21において、まず、主制御回路100からAT解除信号(
図17のステップS550参照)を受信したか否か判断する(ステップS720)。この判断で、もし、AT解除信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS720の判断で、もし、AT解除信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、カウンタNATの値が0より大きいか否か判断する(ステップS722)。
この判断で、もし、NATの値が0以下である(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS722の判断で、もし、NATの値が0より大きい(YES)と判別したときには、次に、カウンタNATの値に0をインプットして(ステップS724)、本サブルーチンを終了する。
【0187】
以上のように、本サブルーチンでは、NATの値が0より大きく、ATを実施している遊技において、BB役が入賞した場合には、主制御回路からAT解除信号を副制御回路200へ送信し(
図17のステップS550参照)、これに基づいて、副制御回路200において、NATの値に0をインプットしてATの解除を行なう。この制御処理により、ATの実施を終了する。
【0188】
<報知画像表示サブルーチンの説明>
次に、主制御回路100から受信した信号に基づいて、副制御回路200で行なわれる報知画像表示サブルーチンの説明を、
図22のフローチャートを用いて行なう。本サブルーチンでは、報知演出制御手段540による制御処理であって、ATが設定された遊技(NAT>0の遊技)において、役抽選で一般役2に当選したとき、リール停止スイッチの正しいリール停止順を報知する演出画像を表示する制御処理を行なう。この制御処理により、遊技者は、確実に一般役2を入賞させることができる。
【0189】
はじめに、主制御回路100から遊技開始信号(
図6のステップS41参照)を受信したか否か判断する(ステップS800)。この判断で、もし、遊技開始信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのままステップS800の判断処理を繰り返す。つまり、遊技か開始されるまで待機状態になっている。ステップS800の判断で、もし、遊技開始信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から役抽選情報信号(
図7のステップS84参照)を受信したか否か判断する(ステップS802)。
この判断で、もし、役抽選情報信号を受信していない(NO)と判別したときには、そのままステップS802の判断処理を繰り返す。つまり、役抽選情報信号を受信するまで待機状態になっている。ステップS802の判断で、もし役抽選情報信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、カウンタNATの値が0より大きいか否か、つまりAT実施中か否か判断する(ステップS804)。この判断で、もし、NATの値が0以下である(NO)と判別しときには、本サブルーチンを終了する。
【0190】
ステップS804の判断で、もし、NATの値が0より大きい、つまりAT実施中である(YES)と判別したときには、次に、主制御回路100から受信した役抽選情報信号に基づいて、役抽選で一般役3(詳細には一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせ)に当選したか否か判断する(ステップS806)。この判断で、もし、一般役3に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま、本サブルーチンを終了する。
ステップS806の判断で、もし、一般役3に当選している(YES)と判別したときには、カウンタNATの値を1減じる制御処理を行なう(ステップS808)。次に、正しいリール停止順を報知するためのリール停止順報知画像を表示装置70に表示して(ステップS810)、ステップS812へ進む。ステップS812では、主制御回路100から全リール停止信号(
図11のステップS246参照)を受信した否か判断する(S812)。
【0191】
この判断で、もし、全リール停止信号を受信していない(NO)と判別したときには、ステップS810に戻り、ステップS810からS812の制御処理を繰り返す。つまり、全リールが停止するまで、リール停止順報知画像の表示を継続する。ステップS812の判断で、もし、全リール停止信号を受信した(YES)と判別したときには、本サブルーチンを終了する。
【0192】
既に説明したように、役抽選で一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせ(ただし、常に一般役3Aが含まれる)が当選したとき、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されるように引き込み制御を行なう。一方、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なわなかったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示されるように引き込み制御を行なう。
【0193】
中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されたとき、中央の水平有効ラインL1、斜め右下がりの有効ラインL3A及び斜め右上がりの有効ラインL3Bの3本の有効ライン上に、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになるので、3枚×3ライン=9数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。一方、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示されたときには、上側の水平有効ラインL2A上のみに、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになるので、3枚の遊技媒体の払い出しのみを受けることになる。
よって、ステップS810において、役の組み合わせに応じた正しいリールの停止順を報知することができれば、遊技者は、確実に9枚の遊技媒体の払い出しを受けることができるので、遊技者の演出及び遊技に対する関心が高まることが期待できる。
【0194】
なお、報知演出制御手段540により表示される報知演出画像は、これに限られるものではなく、例えば、RT2作動時の遊技において、役抽選で一枚役に当選し対応する図柄が表示されて入賞するとき、RT2作動状態からRT1作動状態へ移行する場合において、役抽選で一枚役に当選したとき、一枚役の当選を報知する演出を実施することも考えられる。この報知演出により、遊技者は、リール停止操作で、RT2を継続させることも終了させることもできる。つまり、遊技者は、自分の意思で所望の遊技進行を選択することができる。
その他、例えば、所定のリールで表示すべき図柄が、3つの図柄のうちの何れか1つの場合(所謂三択の場合)に、該当する図柄を報知する演出も考えられる。その他の任意の報知演出を実施することが考えられる。
【0195】
(本発明に係るスロットマシンの第2の実施形態に関する説明)
次に、特殊演出を実施可能な本発明に係るスロットマシンの第2の実施形態について、
図36から
図41を用いて詳細に説明する。
本発明に係るスロットマシンの第2の実施形態においては、上述の実施形態の内容をすべて含み、更に、特殊演出を実施可能な特殊演出実施期間の遊技(「特殊演出状態の遊技」とも称する)において、役抽選で当たり役に当選にしたとき、特殊演出状態を内部中の遊技状態に対応した「内部中特殊演出状態」に変更するようになっている。
【0196】
これを実現するための制御処理を、
図36のBB役当選時処理サブルーチンのフローチャートにより詳細に説明する。このBB役当選時処理サブルーチンは、
図7の役抽選処理サブルーチンにおいて、抽選結果の判定を行なう場合に実施する制御処理である。
【0197】
<BB役当選時処理サブルーチン(その1)の説明>
はじめに、
図36(a)に示すBB役当選時処理サブルーチン(その1)の説明を行なう。
図36(a)において、まず、カウンタGAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS1000)。この判断で、もし、GAMEの値が0より小さい、つまり特殊演出状態ではない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS1000の判断で、もし、GAMEの値が0以上である、つまり特殊演出状態である(YES)と判別したときには、次に、役抽選でBB役に当選したか否か判断する(ステップS1002)。この判断で、もし、BB役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0198】
ステップS1002の判断で、もし、BB役に当選した(YES)と判別したときには、特殊演出状態を内部中特殊演出状態に変更する制御処理を行ない(ステップS1004)、カウンタGAMEの値に4をインプットして(ステップS1006)、本サブルーチンを終了する。
ここで、「特殊演出状態を内部中特殊演出状態に変更する制御処理」として、例えば、
図12のステップS264で行なう演出パターン抽選処理において用いる特殊演出状態演出パターン抽選表を、
図29から
図32に示す特殊演出状態1〜4演出パターン抽選表から、
図37に示す内部中特殊演出状態演出パターン抽選表に変更する制御処理を行なうことが考えられる。
内部中に対応しない特殊演出状態1〜4演出パターン抽選表(
図29〜
図32参照)と、内部中特殊演出状態演出パターン抽選表(
図37参照)とを比較すると、内部中に対応しない場合の特殊演出状態の継続期間(つまり特殊演出実施期間)が、GAMEの値が0〜20の計21遊技あるのに対して、内部中の特殊演出状態の継続期間(つまり特殊演出実施期間)が、GAMEの値が0〜4の計5遊技となっており、内部中ではかなり短い期間になっている。
【0199】
このように、内部中の特殊演出状態の継続期間が、内部中に対応しない特殊演出状態の継続期間よりも短いので、当たり役が入賞したときに終了する内部中の期間に適応した期間設定を実現することができる。このような設定により、遊技状態に適合した演出を実現できるので、遊技者の演出に対する関心を高め、延いては、遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0200】
内部中特殊演出状態演出パターン抽選表では、GAMEの値が1〜4の遊技において、演出パターン1の当選確率(確率:1/1.7)が、内部中に対応しない特殊演出状態演出パターン抽選表における演出パターン1の当選確率(確率:1/5)に比べて非常に高く設定されている。
【0201】
よって、内部中の特殊演出状態の遊技においては、特殊演出が実施される可能性が高くなる。よって、特殊演出の実施頻度が上がることによって、当たり役の当選や当たり遊技の開始に対する遊技者の期待感を高めることができ、延いては、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0202】
また、
図37に示す内部中特殊演出状態演出パターン抽選表では、特殊演出状態での最後の遊技であるGAMEの値が0の遊技において、演出パターン5の当選確率が100%であり、常に演出パターン5が実施されるようになっている。
以上のような内部中特殊演出状態演出パターン抽選表を用いて演出パターン抽選を行なった場合の遊技進行の実施例を、
図38に模式的に示す。
【0203】
「特殊演出状態を内部中特殊演出状態に変更する制御処理」としては、上述のように、演出パターン抽選処理において、
図37に示す内部中特殊演出状態演出パターン抽選表を用いることに限られず、例えば、役抽選で当たり役に当選して内部中となったとき、特殊演出状態1〜4演出パターン抽選表に設定された置数を書き換えることもできる。
図39にその一例として、特殊演出状態1演出パターン抽選表の置数を書き換えた場合の、書き換え後の抽選表の実施例を示す。
【0204】
図39と
図29とを比較すれば明らかなとおり、全てのGAMEの領域に渡って、
図39の書き換え後の抽選表の方が、演出パターン1、2が選択される確率が高くなっている。
よって、上述と同様に、内部中の特殊演出状態の遊技においては、特殊演出が実施される可能性が高くなり、特殊演出の実施頻度が上がることによって、当たり役の当選や当たり遊技の開始に対する遊技者の期待感を高めることができ、延いては、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0205】
以上のように、本実施形態では、特殊演出を実施可能な特殊演出状態を設定し、役抽選で当たり役に当選にしたとき、特殊演出状態を内部中の遊技状態に対応した内部中特殊演出状態に変更することができるので、遊技者が高い関心を示し、かつ遊技状態の変化に適切に対応できる演出を効果的に実施可能であり、遊技者の演出に対する関心を高め、延いては遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0206】
上述のように、内部中に対応したRT3作動上状態の遊技では、役抽選における再遊技役の当選確率があまり高くないので(
図24c参照、確率:1/7.3)、比較的短い期間で、フラグオンになっているBB役が入賞する可能性が高い。つまり、最大5遊技継続する内部中特殊演出状態が継続している間に、BB役が入賞して、そのままBB遊技に移行する可能性が高い。
このとき、ATフラグがオンの状態でBB役が開始された場合には、ATフラグの持ち越し処理を行なって、BB遊技終了後に、ATを開始することも考えられる。
更に、内部中特殊演出状態の遊技数を定めずに、BB役が入賞したことを契機に内部中特殊演出状態を終了させる制御処理を行なうこともできる。
【0207】
なお、上述のように、内部中に対応したRT3作動上状態において、役抽選における再遊技役の当選確率を通常の遊技より高く設定する(例えば、確率:1/2)ことも可能である。この場合には、役抽選で再遊技役に当選したとき、当たり役に対応した図柄(赤7)よりも再遊技役に対応した図柄の組み合わせを優先的に表示させるリール停止制御を行なう。
よって、この場合には、内部中の遊技において、すぐに当たり役が入賞して内部中の遊技状態が終了する可能性よりも、内部中の遊技状態がある遊技期間(例えば、GAME0〜4の5遊技)継続する可能性が高いので、遊技者は内部中特殊演出状態における特殊演出を十分に堪能することができる。
【0208】
<BB役当選時処理サブルーチン(その2)の説明>
次に、
図36(b)に示すBB役当選時処理サブルーチン(その2)の説明を行なう。本実施形態のスロットマシンでは、入賞するとBB1作動時抽選表を用いて役抽選を行なうBB1遊技を行なうBB1役と、入賞するとBB2作動時抽選表を用いて役抽選を行なうBB2遊技を行なうBB2役とが設定されている。
【0209】
ここで、BB1作動時抽選表の実施例を
図40に示し、BB2作動時抽選表の実施例を
図41に示す。
BB1作動時抽選表においては、一般役3の当選確率(詳細には、一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせに当選する確率)が非常に高く(確率:1/1.5)設定されており、BB2作動時抽選表においては、一般役3の当選確率(詳細には、一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせに当選する確率)がBB1作動時抽選表より低く(確率:1/4.5)設定されている。なお、通常の遊技における、一般役3の当選確率(詳細には、一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせに当選する確率)は1/5である(
図25参照)。
つまり、BB1遊技は、通常の遊技に比べて遊技者にとって有利な態様で遊技が進行し、BB2遊技は、通常の遊技に比べて遊技者にとってあまり有利な態様では遊技が進行しないようになっている。
【0210】
図36(b)のフローチャートを説明すると、まず、カウンタGAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS1100)。この判断で、もし、GAMEの値が0より小さい、つまり特殊演出状態ではない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS1100の判断で、もし、GAMEの値が0以上である、つまり特殊演出状態である(YES)と判別したときには、次に、役抽選でBB役に当選したか否か判断する(ステップS1102)。この判断で、もし、BB役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0211】
ステップS1102の判断で、もし、BB役に当選した(YES)と判別したときには、次に、BB1役に当選したか否か判断する(ステップS1104)。この判断で、もし、BB1役には当選していない(NO)、つまりBB2役に当選したと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
ステップS1104の判断で、もし、BB1役に当選した(YES)と判別したときには、次に、特殊演出状態を内部中特殊演出状態に変更する制御処理を行ない(ステップS1106)、カウンタGAMEの値に4をインプットして(ステップS1108)、本サブルーチンを終了する。
なお、特殊演出状態を内部中特殊演出状態に変更する制御処理については、
図36(a)のステップS1004に示す制御処理と同一であり、更なる説明は省略する。
【0212】
以上のように、本実施形態では、一般役2の当選確率が高いBB1遊技に対応したBB1役に当選したときには、特殊演出状態を内部中特殊演出状態に変更し、一般役2の当選確率がBB1遊技よりも低く設定されたBB2遊技に対応したBB2役に当選したときには、実施中の特殊演出状態を継続させることになる。
従って、遊技者にとって有利な遊技状態に移行するときにだけ、特殊演出状態を内部中特殊演出状態に変更するので、遊技の進行状況に応じた適切な演出を実施でき、遊技者の特殊演出に対する信頼度を高め、延いては、遊技者の遊技に対する関心を高めることが期待できる。
<第2の実施形態に関するその他の説明>
上述のように、内部中に対応した特殊演出状態の遊技が継続しているときに、BB役が入賞したとき、特殊演出状態を終了または中断してBB遊技を実施する場合も可能であるし、入賞により開始されるBB遊技を実施している間も、特殊演出状態を継続させることも可能である。
【0213】
よって、特殊演出状態の遊技が継続しているときにBB役が入賞したとき、特殊演出状態を終了する場合と、BB遊技実施中も特殊演出状態を継続させる場合があるので、遊技の進行に変化を付けることができ、遊技者の特殊演出に対する関心を高めることが期待できる。
【0214】
(本発明に係るスロットマシンの第3の実施形態に関する説明)
次に、特殊演出を実施可能な本発明に係るスロットマシンの第3の実施形態について、
図42及び
図43を用いて詳細に説明する。
本発明に係るスロットマシンの第3の実施形態においては、上述の実施態様を全て含み、更に、最短遊技時間を経過する前及び経過する後において、実施時間の異なる特別演出を選択して実施するようになっている。
【0215】
これを実現するための制御処理を、
図42の特殊演出実施時間選択サブルーチンのフローチャートにより詳細に説明する。この特殊演出実施時間選択サブルーチンは、遊技者のスタートスイッチの操作に基づくスタートスイッチONの信号を受信してから、特殊演出制御サブルーチンを行なうまでの間の制御処理を示す。つまり、
図11のリール変動、停止サブルーチンにおいて、ステップ220からステップS224の間の制御処理に該当する。それ以降の制御処理については、
図11のステップS226以降の制御処理と同様である。
【0216】
<特殊演出実施時間選択サブルーチンの説明>
図42において、まず、スタートスイッチONの信号を受信したか否か判断する(ステップS2000)。この判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信していない(NO)と判別したときには、このステップS2000の判断処理を繰り返す。つまり、遊技者がスタートスイッチ50を操作するまで、遊技のスタートを待つ待機状態となっている。
ステップS200の判断で、もし、スタートスイッチONの信号を受信した(YES)と判別したときには、次に、カウンタGAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS2002)。この判断で、もし、カウンタGAMEの値が0より小さい(NO)、つまり特殊演出状態の遊技でないと判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。
【0217】
ステップS2002の判断で、もし、カウンタGAMEの値が0以上である(YES)、つまり特殊演出状態の遊技であると判別したときには、次に、最短遊技時間を経過したか否か判断する(ステップS2004)。この判断で、もし、最短遊技時間を経過していない(NO)と判別したときには、第1演出パターン群を選択し(ステップS2006)、特殊演出制御サブルーチンを実施して(ステップS2010)、本サブルーチンを終了する。
ステップS2004の判断で、もし、最短遊技時間を経過している(YES)と判別したときには、第2演出パターン群を選択し(ステップS2008)、特殊演出制御サブルーチンを実施して(ステップS2010)、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS2010の特殊演出制御サブルーチンについては、
図12に示す制御処理と同様な制御処理を行なうので、更なる説明は省略する。
【0218】
ここで、第1演出パターン群及び第2演出パターン群の一例を
図43に示す。
図43に示す演出パターンの内容は、上述の
図29から
図32に示す演出パターンと基本的に同様であり、実施時間だけが異なっている。
具体的には、演出パターン1〜3においては、第1演出パターン群では、リールを1秒回転させて停止させるが、第2演出パターン群では、リールを0.2秒回転させて停止させる。なお、
図29から
図32に示す演出パターン1〜3では、リールを0.5秒回転させて停止させるようになっている。
演出パターン4においては、第1演出パターン群では、リールを10秒間フリーズさせるが、第2演出パターン群では、リールを2秒間フリーズさせる。なお、
図29〜
図32に示す演出4パターンでは、リールを5秒間フリーズさせるようになっている。
演出パターン5においては、第1演出パターン群では、全リールを10秒間逆回転させるが、第2演出パターン群では、全リールを2秒間逆回転させる。なお、
図29〜
図32に示す演出5パターンでは、全リールを5秒間逆回転させるようになっている。
【0219】
以上のように、最短遊技時間が経過する前にスタートスイッチONの信号を受信した場合に選択される第1演出パターン群の演出実施時間の方が、最短遊技時間が経過した後にスタートスイッチONの信号を受信した場合に選択される第2演出パターン群の演出実施時間より長く設定されている。
最短遊技時間が経過した後にスタートスイッチONの信号を受信した場合に、特殊演出を一切行わないことは、遊技の進行の遅延を防ぐ観点からは有効であるが、特殊演出を実施しない遊技が生じてしまうので、これにより、遊技者の特殊演出に対する関心があまり高まらない虞がある。
【0220】
そこで、本実施形態のように、最短遊技時間を経過前にスタートスイッチが操作されて特殊演出を実施する場合には、実施時間の長い第1演出パターン群を選択して実施し、最短遊技時間を経過後にスタートスイッチが操作されて特殊演出を実施する場合には、実施時間の短い第2演出パターン群を選択して実施するので、第1演出パターン群及び第2演出パターン群の実施時間を適切に設定することにより、遊技開始時において、遊技者に演出を堪能させることができるとともに、遊技の進行の遅延を抑制可能なスロットマシンを提供することができる。
【0221】
なお、
図43に示す演出パターンはあくまで一例であり、第1演出パターン群及び第2演出パターン群として、その他の任意の演出パターンを設定することができる。また、第2演出パターンの実施時間としては、遊技者が演出を楽しむことができ、かつ遊技の進行の遅延を抑制できる時間を定めるべきであり、例えば、1〜3秒程度を例示することができるが、これに限られるものではない。第1演出パターンの実施時間としては、第2演出パターンの実施時間に最短遊技時間の一部を加えた時間とすることができ、例えば、2〜5秒程度を例示することができるが、これに限られるものではない。
【0222】
<本発明に係るスロットマシンの第3の実施形態のその他の実施形態の説明)
なお、最短遊技時間を経過する前に特殊演出を開始する場合であっても、第1演出パターン群の演出パターンを実施すると、演出実施中に最短遊技時間を経過する場合が考えられる。この場合には、実施時間の短い第2の特殊演出状態を選択するという実施形態も考えられる。
このような制御処理により、遊技者に演出を堪能させることができるとともに、遊技の進行の遅延を最小限に抑えることが期待できる。
【0223】
同様に、最短遊技時間を経過する前に特殊演出を開始する場合であっても、第1演出パターン群の演出パターンを実施すると、演出実施中に最短遊技時間を経過する場合においては、既に実施された遊技の平均遊技時間に基づいて、第1演出パターン群を選択するか、第2演出パターン群を選択するか定めることもできる。つまり、平均遊技時間が長い場合には、実施時間の短い第2演出パターン群を選択し、平均遊技時間が短い場合には、実施時間の長い第1演出パターン群を選択する。
【0224】
ここで、平均遊技時間を算出する既に実施された遊技の数としては、例えば、直近の10〜30遊技を例示することができるが、これに限られるものではない。また、第1演出パターン群を選択するか、第2演出パターン群を選択するかの判断基準としては、例えば、算出した平均遊技時間が時間t以上の場合には、実施時間の短い第2演出パターン群を選択し、算出した平均遊技時間が時間tより小さい場合には、実施時間の長い第1演出パターン群を選択することが考えられる。この場合には、時間tとして、例えば、5〜15秒の間の時間を定めることが考えられるが、これに限られるものではない。
また、第1演出パターン群及び第2演出パターン群の実施時間を、時間tの関数として算出するようにすることもできる。
【0225】
このような過去の遊技の平均遊技時間を用いる場合においても、上述の同様に、遊技者に演出を堪能させることができるとともに、遊技の進行の遅延を最小限に抑制することが期待できる。
【0226】
(本発明に係るスロットマシンの第4の実施形態に関する説明)
次に、特殊演出を実施可能な本発明に係るスロットマシンの第4の実施形態について、
図44から
図51を用いて詳細に説明する。
本発明に係るスロットマシンの第4の実施形態においては、上述の実施形態の内容をすべて含み、更に、リールを用いた特殊演出により、リール停止操作で、役抽選で当選した役に対応した図柄や所定の図柄を表示させるのに有用な情報を遊技者に報知する報知演出(所謂AT)を行なう。これを実現するための制御処理を、
図44、45、47、48、50に示す。
【0227】
<リール変動、停止サブルーチンのリールAT制御処理の説明>
はじめに、
図44のリール変動、停止サブルーチンのフローチャートを用いて、スタートスイッチ操作時のリールAT制御処理の説明を行なう。このリール変動、停止サブルーチンと
図11に示すリール変動、停止サブルーチンとを比べると、特殊演出やATに関連する制御処理を除いて同一である。よって、
図44のステップS3008以降の制御処理については、
図11のフローチャートと同一なので、詳細な説明を省略する。
【0228】
上述のように、このリール変動、停止サブルーチンは、スタートスイッチONの信号を受信(
図6のステップS40参照)に引き続いて実施される。
図44において、まず、
図7のステップS82で記憶した図柄番号と制御図柄データを読み出す(ステップS3000)。次に、パラメータNRTの値が0より大きいか否か判断する(ステップS3002)。この判断で、NRT値が0以下である(NO)と判別したときには、ステップS3004及びステップS3006のスタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンを行なわずに、ステップS3006へ進む。つまり、本実施形態では、NRTの値が0以下の非RTの遊技状態では、リールATを行なわないようになっている。
【0229】
ステップS3002の判断で、もし、NRTの値が0より大きい(YES)と判別した、ときには、次に、カウンタGAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS3004)。この判断で、もし、GAMEの値が0より小さい(NO)と判別したときには、ステップS3006の制御処理を行なわずに、ステップS3008へ進む。
ステップS3004の判断で、もし、GAMEの値が0以上である、つまり特殊演出状態の遊技である(YES)と判別したときには、ステップS3006のスタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンを行なって(ステップS3006)、ステップS3008へ進む。ステップS3006のスタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンは、
図11の特殊演出制御サブルーチン(ステップS224参照)に相当するサブルーチンであり、本実施形態のリールATは特殊演出の1つであるといえる。
次に、
図45を用いて、ステップS3006に示すスタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンの詳細な説明を行なう。
【0230】
<スタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンの説明>
役抽選で押し順関連役に当選したとき、所定の順番でリールを停止操作した場合に、当選した役に対応した図柄が表示され、それ以外の順番でリールを停止操作した場合に、当選した役に対応した図柄が表示されないようなリール制御を行なう。
図45のスタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンでは、このような押し順関連役に当選した場合に、リールを用いて遊技者に正しい押し順を報知するATを行なうものである。本実施形態では、一例として、最初に停止させる第1停止リールが正しかった場合、当選した役に対応する図柄が表示されて入賞するようになっている。つまり、左、中、右の3つのリールの中から1つを選択する場合(所謂三択の場合)の一例を示すものである。
【0231】
図45において、まず、役抽選で押し順関連役に当選したか否か判断する(ステップS3020)。押し順関連役に当選していない(NO)と判別したときには、そのまま本サブルーチンを終了する。ステップS3022の判断で、もし、押し順関連役に当選した(YES)と判別したときには、次に、正しい押し順は左リールを第1停止させることであるか否か判断する(ステップS3022)。この判断で、もし、正しい押し順は左リールを第1停止させることである(YES)と判別したときには、左リールのみを回転開始させて(ステップS3024)、ステップS3032へ進む。この制御処理により、遊技者は第1停止させるのは、左リールであることを認識することができる。
【0232】
ステップS3022の判断で、もし、正しい押し順は左リールを第1停止させることではない(NO)と判別したときには、次に、正しい押し順は中リールを第1停止させることであるか否か判断する(ステップS3026)。この判断で、もし、正しい押し順は中リールを第1停止させることである(YES)と判別したときには、中リールのみを回転開始させて(ステップS3028)、ステップS3032へ進む。この制御処理により、遊技者は第1停止させるのは、中リールであることを認識することができる。
【0233】
ステップS3026の判断で、もし、正しい押し順は中リールを第1停止させることではない(NO)と判別したときには、正しい押し順は右リールを第1停止させることであると判別して、右リールのみを回転開始させ(ステップS3030)、ステップS3032へ進む。この制御処理により、遊技者は第1停止させるのは、右リールであることを認識することができる。
【0234】
ステップS3032では、第1停止させるリールがどのリールであるかというリール情報信号を外部端子へ送信して(ステップS3032)、ステップS3034へ進む。ステップS3032で外部端子へ送信した信号を用いた制御処理については、
図46を用いて、追って詳細に説明する。
ステップS3034では、ステップS3024、S3028、S3030の何れかにより所定のリールの回転が開始した後、所定時間が経過したか否か判断する(ステップS3034)。この判断で、所定時間を経過していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、所定時間が経過するまで、リールの回転が継続される。この所定の時間としては、遊技者がリールの回転を視認して報知の内容を理解できるだけの時間であれば、遊技進行の妨げとならないように、比較的短い時間が好ましい。よって、例えば、1〜5秒を例示することができるが、これに限られるものではない。
ステップS3034の判断で、もし、所定時間を経過した(YES)と判別したときには、回転中のリールを停止させて(ステップS3036)、本サブルーチンを終了する。
【0235】
再び
図44のリール変動、停止サブルーチンの説明に戻り、ステップ3006のスタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンを終了した後、次に、最短遊技時間が経過したか否かを判断する(ステップS3008)。なお、ステップ3008以降の制御処理は、通常のリールを回転させて停止させる制御処理であり、
図11のステップS234〜S244の制御処理と同一であり、更なる詳細な説明は省略する。
【0236】
以上のように、本実施形態では、RT作動状態に遊技において、スタートスイッチONの信号の受信に引き続いて、リールが回転開始する通常のリール制御を行なう前に、特殊演出の1つとして、1つのリールのみ所定時間回転させた後、停止させて、正しい第1停止リールを遊技者に報知するATを実施するものである。特殊演出の1つとして行なうリールATの実施遊技数は、上述と同じ21遊技(GAME=0〜20)や15遊技(GAME=0〜14)とすることもできるし、その他の任意の遊技数を設定することもできる。
【0237】
本実施態様では、RT作動状態に遊技において、特殊演出(リールAT)を実施するので、特殊演出(リールAT)とRT作動状態とが相乗効果を発揮して、遊技者の演出及び遊技に対する関心を高めることが期待できる。
【0238】
なお、リールATを行なうRT遊技状態においては、必ずしも、再遊技役の役抽選における当選確率が通常の遊技より高い場合に限られず、通常の遊技と同じまたは通常遊技より低い特定の遊技状態も含まれる。
例えば、
図24aに示すRT1作動状態のように、通常の遊技(
図25参照)と比較して、再遊技役全体の当選確率は同一であるが、通常の遊技に設定されていない、昇格再遊技役が設定されている場合もあり得る。
また、例えば、再遊技役として、再遊技役1及び再遊技役2が設定されているとき、再遊技役1及び再遊技役2の個々の当選確率が、通常の遊技及びRT作動状態の遊技で異なっているが、再遊技役1及び再遊技役2の当選確率を合計した再遊技役全体の当選確率が両遊技状態で同一の場合が考えられる。一例を挙げれば、通常の遊技において、再遊技役1及び再遊技役2の当選確率が1/10であるとき、RT作動状態において、再遊技役1の当選確率が3/20であり、再遊技役2の当選確率が1/20である場合が考えられる。更に、通常の遊技より当選確率が高くなった再遊技役2が入賞すると、RT作動状態が解除されるように設定することもできる。
更に、その他の実施形態として、下記のような実施形態が考えられる。
【0239】
<その他の実施形態の説明>
[その1]
上述の
図45に示す実施形態では、1つのリールのみを回転させることによって、第1停止リールを報知しているが、これに限られるものではなく、例えば、スタートスイッチを操作しても、1つのリールだけ回転しない、つまり1つのリールだけフリーズ状態にすることによって、第1停止リールを報知することもできる。
【0240】
[その2]
上述のように、RT作動状態の遊技においてATを実施する場合に限られるものではなく、例えば、非RTの通常の遊技でリールATを実施することもできる。
例えば、上述の実施形態と同様に、役抽選で特定役1に当選したとき、カウンタGAMEに所定値をインプットし、さらにGAMEの値が0以上のリールAT(特殊演出)を実施する遊技で、更に特定役2に当選したとき、カウンタGAMEに所定の値を加算したり、抽選処理を行なって抽選結果に応じた値を加算することもできる。この場合、抽選処理の結果、加算を行なわない場合や、GAMEの値を減じる制御処理を行なうこともできる。
【0241】
[その3]
また、特定役2に当選したことを、リールATで遊技者に報知する(例えば、リールを停止させて対応する図柄を表示する)ことも考えられる。
更に、リールATを行なう特定演出状態が終了した後、AT等の助けを借りずに、所定の役を入賞させることができたとき、リールATを復活させることも考えられる。この場合、抽選処理を行なって、当選した場合にのみ復活させることも考えられる。
【0242】
[その4]
また、正しい第1停止リールの情報を副制御回路200へ送信して、主制御回路100で行なうリールATに加えて、画像や音声を用いたATを行なうこともできる。この場合、リールの動きと、画像や音声を連携させることによって、より遊技者を魅了する演出を実施できる。また、副制御回路200で抽選処理を行なって、ATを実施するか否か定めることもできる。更に、主制御回路100と副制御回路200で個々に抽選処理を行なって、リールAT及び画像や音声によるATの実施の可否を個々に定めることもできる。
【0243】
本実施形態では、リールを用いた特殊演出とともに、画像表示や音声による報知演出を実施するので、特殊演出(リールAT)と、報知画像や音声が相乗効果を発揮して、遊技者の演出に対する関心が高まり、延いては、遊技者の遊技に対する関心が高まることが期待できる。
【0244】
なお、上述のその他の実施形態(その1〜4)については、スタートスイッチ操作時リールATだけに適用するものではなく、後述するストップスイッチ操作時リールATを始めとするあらゆるリールATに適用可能である。
【0245】
<外部端子へ送信した信号に基づくATの説明>
次に、
図46を用いて、
図45のステップS3032で外部端子へ送信したリール情報信号(正しい第1停止リールの情報を含む信号)を用いて、スロットマシン以外の機器でATを実施する実施形態の説明を行なう。
図46では、スロットマシンの上部に設置され、所定の情報を遊技者以外の者にも視認可能なように報知するためのコールランプを用いて、ATを行なうものである。
本実施形態では、左、中、右の3つのコールランプが設けられており、これらのランプを点灯、点滅等させることによって、左、中、右リールのうち、正しい第1停止リールがどのリールであるか報知することができる。
【0246】
本実施形態様では、主制御回路100で行なうリールの制御処理によって特殊演出(リールAT)を行なうので、リール情報信号(例えば、正しい第1停止リールの情報を含む信号)、つまり特殊演出の情報を含む信号を外部端子に送信することができる。このリール情報信号(特殊演出に関する情報を含む信号)については、後述するあらゆるATに関する信号が含まれる。
よって、外部端子へ送信された信号を用いて、コールランプを始めとするスロットマシン以外の設備を用いて報知演出を実施できるので、表示装置や表示ランプ等のスロットマシンの機器を一切用いずにATを実施することができる。
なお、遊技機以外の設備としては、コールランプ以外にも、例えば、遊技の履歴等を表示する表示装置を用いて、ATを行なうことができる。
また、本実施形態では、外部端子へ信号を送信する場合を示しているが、これに限られるものではなく、スロットマシンの外部の任意の機器の受信手段へ、リール情報信号(特殊演出の情報を含む信号)を送信することができる。
【0247】
<外部端子へ送信した信号に基づく遊技状態監視システムの説明>
更に、外部端子へ送信した信号に基づく遊技状態監視システムも実現できる。スロットマシンから外部端子へ、特殊演出(リールAT)に関する情報だけでなく、入賞処理に関する情報を含む信号を送信することができる。この入賞処理に関する情報には、遊技媒体の払い出し枚数が含まれる。
この場合、特殊演出(リールAT)を実施した遊技と実施しない遊技とにおける遊技媒体の払い出し枚数を比較すると、一般的に、特殊演出つまりリールATを実施した遊技における遊技媒体の払い出し枚数の方が、リールATを実施しない遊技における遊技媒体の払い出し枚数より多くなる。もし、リールATを実施しない遊技における遊技媒体の払い出し枚数が、リールATを実施した遊技と同じまたはそれより多い場合には、スロットマシンを始めとする機器において、何らかの故障が生じていることや、何らかの不正行為が行なわれた可能性がある。
C47:よって、本実施形態の遊技状態監視システムでは、所定の警報を出すことによって、不測の事態に対処することができる。
【0248】
なお、上述の実施形態では、リールATを実施しない遊技における遊技媒体の払い出し枚数が、リールATを実施した遊技と同じまたはそれより多い場合に、何らかの警報を出すようになっているが、そのような実施形態に限られるものではない、
例えば、リールATを実施したことにより、本来増えるはずの遊技媒体の払い出し枚数が増加していない場合には、遊技者がリールATによる報知の内容を、十分に理解していない虞がある。よって、これに対処するため、画像や音声を用いて、リールATの説明を行なうこともできるし、更に、リールATに代わって、またはリールATとともに、画像や音声を用いてATを行なうこともできる。このような制御処理により、比較的遊技経験の少ない遊技者を含む幅広い遊技者層に、リールATを十分に堪能してもらうことができる。
【0249】
<ストップスイッチ操作時のリールAT制御処理の説明>
次に、
図47から
図51を用いて、本発明に係るスロットマシンの第4の実施形態に関するその他の実施形態であるストップスイッチ操作時のリールAT制御処理の説明を行なう。
ストップスイッチ操作時のリールAT制御処理では、リールの回転開始後、リールの停止操作維持にリールを用いたATを行なう特殊演出であり、
図47には全体的な制御の流れを示すリール変動、停止サブルーチンを示し、
図48には、正しいリール停止順(6択)を報知するリールATを行なうための制御フローを示し、
図49には、そのリールATの実施例を模式的に示す。また、
図50には、所定の図柄を遊技者に報知するための制御フローを示し、
図51には、そのリールATの実施例を模式的に示す。
【0250】
<リール変動、停止サブルーチンのリールAT制御処理の説明>
はじめに、
図47のリール変動、停止サブルーチンのフローチャートを用いて、ストップスイッチ操作時のリールAT制御処理の全体的な流れの説明を行なう。このリール変動、停止サブルーチンと
図11に示すリール変動、停止サブルーチンとを比較すると、特殊演出やATに関連する制御処理を除いて同一である。
更に詳細に述べれば、
図47のステップS3106及びステップS3112の制御処理は、それぞれ
図11のステップS238及びステップS240の制御処理と対応する。
図47のフローチャートにおいては、
図11のステップS238に対応するステップS3106の判断処理(リールが定速回転に達したか否かの判断処理)と、
図11のステップS240に対応するステップS3112の判断処理(リール停止信号を受信したか否かの判断処理)との間に、ステップS3108とステップS3110の制御処理が付加されている点で、
図11のフローチャートと異なる。その他の制御処理については、
図11のフローチャートと異なるので、主に相違する点に絞って、下記に説明を行なう。
【0251】
ステップS3106の判断処理で、もし、リールが定速回転に達した(YES)と判別したときには、次に、カウンタGAMEの値が0以上であるか否か判断する(ステップS3108)。この判断で、もし、GAMEの値が0より小さい(NO)と判別したときには、ステップS3110の制御処理を行なわずに、ステップS3112へ進む。この場合には、通常のリールの制御と同様である。
ステップS3108の判断で、もし、GAMEの値が0以上である、つまり特殊演出状態の遊技である(YES)と判別したときには、ステップS3110のストップスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンを行なって(ステップS3110)、本サブルーチンを終了する。次に、
図48を用いて、ステップS3110のストップスイッチ操作時リールAT制御サブルーチン(その1)の説明を行なう。
【0252】
<ストップスイッチ操作時リールAT制御サブルーチン(その1)の説明>
図48のストップスイッチ操作時リールAT制御サブルーチン(その1)は、役抽選で押し順関連役に当選したとき、所定の順番でリールを停止操作した場合に、当選した役に対応した図柄が表示され、それ以外の順番でリールを停止操作した場合に、当選した役に対応した図柄が表示されないようなリール制御を行なう場合において、遊技者に正しい押し順を報知するATを行なうものである。
本実施形態では、例えば、役抽選で一般役2に当選したとき、3つのリールについて正しいリール停止順(例えば、中、右、左リールの順)でリール停止操作した場合に、対応する図柄ベルが表示されて入賞するようになる場合が考えられる。つまり、
図45に示すスタートスイッチ操作時リールAT制御サブルーチンでは、第1リール停止に対応するリールのみを選択する場合(所謂三択の場合)であったが、本実施形態では、第1リール停止に対応するリールと、第2リール停止に対応するリールとを選択する場合(所謂六択の場合)を示している。
【0253】
図48のフローチャートの開始時においては、既に全リールが定速回転している状態になっている。
図48において、まず、役抽選で押し順関連役に当選したか否か判断する(ステップS3130)。この判断で、もし、押し順関連役に当選していない(NO)と判別したときには、
図47のステップS3112〜S3116に記載の通常のリール停止制御を行なう(ステップS3164)。ステップS3130の判断で、もし、押し順関連役に当選した(YES)と判別したとききには、次に、正しい押し順は左リールを第1停止させることであるか否か判断する(ステップS3132)。
この判断で、もし、正しい押し順は左リールを第1停止させることである(YES)と判別したときには、左リールのみを時間Tだけ間欠回転させた後、連続回転に戻す制御処理を行なって(ステップS3134)、ステップS3142へ進む。この制御処理により、遊技者は第1停止させるのは、左リールであることを認識することができる。
【0254】
ステップS3132の判断で、もし、正しい押し順は左リールを第1停止させることではない(NO)と判別したときには、次に、正しい押し順は中リールを第1停止させることであるか否か判断する(ステップS3136)。この判断で、もし、正しい押し順は中リールを第1停止させることである(YES)と判別したときには、中リールのみを時間Tだけ間欠回転させた後、連続回転に戻す制御処理を行なって(ステップS3138)、ステップS3142へ進む。この制御処理により、遊技者は第1停止させるのは、中リールであることを認識することができる。
【0255】
ステップS3136の判断で、もし、正しい押し順は中リールを第1停止させることではない(NO)と判別したときには、正しい押し順は右リールを第1停止させることであると判別して、右リールのみを時間Tだけ間欠回転させた後、連続回転に戻す制御処理を行なって(ステップS3140)、ステップS3142へ進む。この制御処理により、遊技者は第1停止させるのは、右リールであることを認識することができる。
なお、以上により、第1停止を行なうときのリールATが終了する。
【0256】
次に、ステップS3142では、第1リール停止の停止操作信号を受信したか否か判断する(ステップS3142)。この判断で、もし、第1リール停止の停止操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、リール停止操作が行なわれて、最初のリール停止信号を受信するまで待機状態になっており、その間は、全リールが回転した状態になっている。
ステップS3142の判断で、もし、第1リール停止の停止操作信号を受信した(YES)と判別したときには、リール停止信号を受信したリールについて図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう(ステップS3144)。この図柄組み合わせ制御は、
図11のステップS242に示すものと同一の停止制御であり、操作が行なわれたストップスイッチに対応したリールが停止する。
【0257】
次に、正しい押し順は左リールを第2停止させることであるか否か判断する(ステップS3146)。この判断で、もし、正しい押し順は左リールを第2停止させることである(YES)と判別したときには、左リールが回転中であれば、左リールのみを時間Tだけ間欠回転させた後、連続回転に戻す制御処理を行なって(ステップS3148)、ステップS3156へ進む。この制御処理により、遊技者は第2停止させるのは、左リールであることを認識することができる。
なお、第1停止時のATにより正しい順番でリールの停止操作を行なった場合には、第2リール停止時に左リールは回転しているはずであるが、間違った順番でリールの停止操作を行なった場合には、既に左リールが停止している場合もある。その場合には、ステップS3148の制御処理は行なわずに、ステップS3156へ進む。
【0258】
ステップS3146の判断で、もし、正しい押し順は左リールを第2停止させることではない(NO)と判別したときには、次に、正しい押し順は中リールを第2停止させることであるか否か判断する(ステップS3150)。この判断で、もし、正しい押し順は中リールを第2停止させることである(YES)と判別したときには、中リールのみを時間Tだけ間欠回転させた後、連続回転に戻す制御処理を行なって(ステップS3152)、ステップS3156へ進む。この制御処理により、遊技者は第2停止させるのは、中リールであることを認識することができる。
なお、第1停止時のATにより正しい順番でリールの停止操作を行なった場合には、第2リール停止時に中リールは回転しているはずであるが、間違った順番でリールの停止操作を行なった場合には、既に中リールが停止している場合もある。その場合には、ステップS3152の制御処理は行なわずに、ステップS3156へ進む。
【0259】
ステップS3150の判断で、もし、正しい押し順は中リールを第2停止させることではない(NO)と判別したときには、正しい押し順は右リールを第2停止させることであると判別して、右リールのみを時間Tだけ間欠回転させた後、連続回転に戻す制御処理を行なって(ステップS3154)、ステップS3156へ進む。この制御処理により、遊技者は第2停止させるのは、右リールであることを認識することができる。
なお、第1停止時のATにより正しい順番でリールの停止操作を行なった場合には、第2リール停止時に右リールは回転しているはずであるが、間違った順番でリールの停止操作を行なった場合には、既に右リールが停止している場合もある。その場合には、ステップS3154の制御処理は行なわずに、ステップS3156へ進む。
なお、以上により、第2停止を行なうときのリールATが終了する。
【0260】
次に、ステップS3156では、第2リール停止の停止操作信号を受信したか否か判断する(ステップS3156)。この判断で、もし、第2リール停止の停止操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、リール停止操作が行なわれて、2番目のリール停止信号を受信するまで待機状態になっており、その間は、2リールが回転した状態になっている。
ステップS3156の判断で、もし、第2リール停止の停止操作信号を受信した(YES)と判別したときには、停止信号を受信したリールについて図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なう(ステップS3158)、これにより、操作が行なわれたストップスイッチに対応したリールが停止する。
【0261】
次に、第3リール停止の停止操作信号を受信したか否か判断する(ステップS3160)。この判断で、もし、第3リール停止の停止操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、リール停止操作が行なわれて、3番目の停止信号を受信するまで待機状態になっており、その間は、1リールが回転した状態になっている。ただし、既に3つのリールの停止順が定まっているので、1リールが回転した状態でリールATを行なう必要がない。
ステップS3160の判断で、もし、第3リール停止の停止操作信号を受信した(YES)と判別したときには、停止信号を受信したリールについて図柄組み合わせ制御(停止制御)を行なって(ステップS3162)、本サブルーチンを終了する。この停止制御により、操作が行なわれたストップスイッチに対応したリールが停止し、全リールが停止することになる。
なお、リールを間欠回転させる時間Tは、間欠回転しているリールを視認できる時間であればよく、例えば、1〜5秒を例示することができる。ただし、これに限られるものではなく、その他の任意の時間を設定することができる。
【0262】
なお、上述の実施形態では、3リールの場合におけるリールATの制御処理なので、第1リール停止及び第2リール停止におけるリールATを行なっているが、4個以上のリールがある場合であっても、同様な制御処理を繰り返すことによって、リールATを実施できる。例えば、N個のリールを回転させて停止させ、各リールに正しい停止順が定められている場合には、N−1回のリールATを行なえばよいことになる。
【0263】
<
図48の制御処理を行なった場合のリールの動きの説明>
図48に示す制御処理を行なった場合の実際のリールの動きの一例を、
図49の模式図に示す。
図49の実施例には、正しいリールの停止順が、左、右、中リールの順番である場合を示す。
図49において、(a)では、
図48のステップS3132〜S3140に示した制御処理によるリールの動きを示し、第1停止を行なうのが左リールであることを報知するため、左リールを時間Tだけ間欠回転しているところを示す。そして、時間T経過後、左リールを間欠回転から連続回転に戻す。
(b)では、
図48のステップS3142〜S3144に示した制御処理によるリールの動きを示し、第1停止時のリールATに従い、左リールのストップスイッチを停止操作したところを示し、これにより、(c)に示すように左リールの停止制御が行なわれて、一般役2に対応した図柄ベルが表示される。
【0264】
(c)では、
図48のステップS3146〜S3154に示した制御処理によるリールの動きを示し、第2停止を行なうのが右リールであることを報知するため、右リールを時間Tだけ間欠回転しているところを示す。そして、時間T経過後、左リールを間欠回転から連続回転に戻す。
(d)では、
図48のステップS3156〜S3158に示した制御処理によるリールに動きを示し、第2停止時のリールATに従い、右リールのストップスイッチを停止操作したところを示す。
これにより、(e)に示すように、右リールの停止制御が行なわれて、一般役2に対応した図柄ベルが表示される。
【0265】
(f)では、
図48のステップS3160〜S3162に示した制御処理によるリールの動きを示し、第3停止リールである中リールのストップスイッチを停止操作したところを示す。
これにより、(g)に示すように、中リールの停止制御が行なわれて、一般役2に対応した図柄ベルが表示される。以上のように、リールATによって正しいリール停止順でストップスイッチの操作を行なった結果、一般役2に対応する図柄ベルが表示され入賞する。
以上により、第1及び第2リール停止時に行なわれるリールATにより、役抽選で当選した一般役2を入賞させることができ、所定枚数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
なお、スタートスイッチ操作に基づくリール回転開始時または全リール回転時に、リールの動きで、第1停止リール及び第2停止リールの両方を一度に報知することも可能である。
【0266】
<ストップスイッチ操作時リールAT制御サブルーチン(その2)の説明>
次に、
図50に示すストップスイッチ操作時リールAT制御サブルーチン(その2)の説明を行なう。なお、このサブルーチンは、
図44のリール変動、停止サブルーチンのステップS3006の制御処理に相当する。
このフローチャートでは、リールの停止順ではなく、役抽選で当選した役に対応した図柄を遊技者に報知するための特殊演出(リールAT)を行なう。
図50に示した実施形態では、役抽選で一枚役に当選し、左リールで表示すべき図柄バーを報知するための制御処理を示す。なお、中、右リールについては、任意のタイミングでリール停止操作を行なっても、一枚役に対応した図柄ベル、リプレイが常に表示されるようになっている(
図27参照)。
【0267】
図50のフローチャートの開始時においては、既に全リールが定速回転している状態になっている。
図50において、まず、役抽選で図柄報知関連役に当選したか否か判断する(ステップS3200)。この判断で、もし、図柄報知関連役に当選していない(NO)と判別したときには、ステップS3202〜S3206の制御処理を行なわずに、ステップS3208へ進む。
ステップS3200の判断で、もし、図柄報知関連役に当選した(YES)と判別したときには、左リールのみ、図柄バーが表示されるように停止させる(ステップS3202)。そして、時間Tが経過したか否か判断する(ステップS3204)。この判断で、もし、時間Tが経過していない(NO)と判別したときには、この判断処理を繰り返す。つまり、時間Tが経過するまで待機状態となり、その間、左リールは図柄バーを表示した状態で停止している。
【0268】
ステップS3204の判断で、もし、時間Tが経過した(YES)と判別したときには、左リールの回転を開始させる制御処理を行なう(ステップS3206)。この制御処理により、遊技者は、左リールで表示すべき図柄がバーであることを認識し、図柄バーが表示されるように、タイミングを図ってリール停止操作を試みるようになる。なお、図柄バーを停止表示する時間Tは、遊技者が図柄バーを視認できる時間であればよく、例えば1〜5秒を例示することができる。ただし、これに限られるものではなく、その他の任意の時間を設定することができる。
【0269】
ステップS3206が終了すると、それ以降は通常のリール停止制御を行ない、全リールが停止するまで、ステップS3208〜S3212の制御処理を繰り返してリール停止制御を行なう。このステップS3208〜S3212の制御処理は、
図11のステップS240〜S244の制御処理と同一であり、更なる説明は省略する。
【0270】
<
図50の制御処理を行なった場合のリールの動きの説明>
図50に示す制御処理を行なった場合の実際のリールの動きの一例を、
図51の模式図に示す。
図51において、(a)では、全リールが回転しているところを示し、(b)では、
図50のステップS3202〜S3204に示した制御処理によるリールに動きを示し、時間Tだけ左リールを図柄バーが表示されるように停止しているところを示す。
(c)では、
図50のステップS3202〜S3208に示した制御処理によるリールに動きを示し、図柄バーの報知に従い、所定のタイミングで左リールのストップスイッチを停止操作したところを示す。
(d)では、
図50のステップS3208〜S3210に示した制御処理によるリールに動きを示し、(c)に示すリール停止操作に基づく、左リールの停止制御により、左リールに図柄バーが表示されたところを示す。
【0271】
以上のように、
図44〜
図51を用いて、スタートスイッチ操作時またはストップスイッチ操作時におけるリールATの実施形態の説明を行なった。遊技者に報知する情報としては、正しいリール停止順も含まれるし、リール停止操作で表示すべき図柄も含まれる。また、正しいリール停止順を報知する場合には、第1停止となるリールを報知する場合も、第1及び第2リール停止を報知する場合も含まれる。
リール停止操作で表示すべき図柄を報知する場合には、役抽選で当選した役に対応した図柄だけでなく、役抽選ではずれの場合に表示される図柄や、当選した役に対応した図柄を表示させることができなかった場合に表示される図柄も含まれる。また、図柄の表示が、所定の遊技状態の開始要件や終了要件になっている図柄が報知される場合もある。
【0272】
なお、上述の実施形態では、全リールが回転した後のストップ操作時のリールATとして、所定の図柄を報知したが、これに限られるものではなく、遊技者のスタートスイッチ操作に基づくリール回転開始時に、所定の図柄の報知を行なうこともできる。この場合、例えば、リール回転開始時に、左リールのみ低速で回転させて、図柄バーが表示された時点で時間Tだけ停止させた後、回転を再開することが考えられる。
【0273】
何れの場合においても、スタートスイッチ、ストップスイッチ操作時におけるリールを用いた特殊演出によって、報知演出(リールAT)を実施できるので、遊技者が高い関心を示す演出が実現でき、報知演出として多彩なバリエーションを得ることができ、遊技者に様々な情報を報知することができる。
よって、本実施態形態では、表示装置を用いずにATが実施可能であるとともに、遊技者が高い関心を示すような魅力のある演出を実施可能なスロットマシンを提供することができる。
【0274】
既に説明したように、役抽選で一般役3A〜3Eの何れかの組み合わせが当選したとき、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されるように引き込み制御を行なう。一方、当選した組み合わせに対応したリール停止順でリール停止操作を行なわなかったとき、中リールにおいて、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示されるように引き込み制御を行なう。
【0275】
図柄ベルが縦3つの位置のうち中央の位置に表示されたとき、水平な中央有効ラインL1、斜め右下がりの有効ラインL3A及び斜め右上がりの有効ラインL3Bの3本の有効ライン上に、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになるので、3枚×3ライン=9数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。一方、図柄ベルが縦3つの位置のうち上の位置に表示されたときには、水平な上有効ラインL2A上のみに、一般役3Aに対応する図柄が表示されたことになるので、3枚の遊技媒体の払い出しのみを受けることになる。
よって、上述のリールATによって、役の組み合わせに応じた正しいリールの停止順を報知することができれば、遊技者は、確実に9枚の遊技媒体の払い出しを受けることができるので、遊技者のリールAT(特殊演出)及び遊技に対する関心が高まることが期待できる。
【0276】
なお、リールを用いた特殊演出と、上述の様々な実施形態とを組み合わせることもできる、例えば、カウンタGAMEの値が0以上の特殊演出状態においてリールATを行ない、GAMEの値が0より小さくなって特殊演出状態が終了した後に、引き続いて、副制御回路200で画像や音声を用いたATを行なうこともできる。また、特殊演出状態において、リールATと同時に、制御回路200で画像や音声を用いたATを行なうことも可能であり、この場合には、リールATと画像や音声を連動させて、より効果的なATを行なうこともできる。
また、リールATを行なっている特殊演出状態の遊技において、役抽選で当たり役に当選して内部中となった場合には、内部中だけ実施される特別なリールの動きをするリールATに切り替えることにより、通常と異なる遊技状態であることを遊技者に報知することもできる。また、リールATを行なっている特殊演出状態の遊技において、役抽選で当たり役に当選して内部中となった場合には、リールATを一時中断させ、当たり遊技が終了した後、リールATを再開することも考えられる。
【0277】
(全般的な説明)
以上のような制御処理により実現される特殊演出やATの実施形態のうち、その代表的な実施形態の概要を、
図53、54を用いて再度説明する。
【0278】
<
図8のフローチャートに対応する遊技の流れ>
特殊演出やATを実施する1つの実施形態として、
図53(a)に示すような
図8のフローチャートに対応する実施形態(遊技の流れ)がある。
この実施形態では、BB遊技以外の遊技状態において、役抽選で一般役3に当選したとき、抽選処理に基づいて(抽選処理により当選した場合)、所定の特殊演出実施期間(例えば、21遊技の間)を設定し、ATフラグをオンにする。主制御回路100で制御する特殊演出を所定の特殊演出実施期間を実施した後、ATフラグをオフにし、副制御回路200へAT開始信号を送信する。これにより次遊技から、所定の遊技期間(例えば15遊技の間)、副制御回路200によりATを実施することができる。例えば、ATで一般役3に関する正しいリール停止順を報知することによって、遊技者は、確実により多くの枚数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
このとき、副制御回路200によりATを実施する代わりに、主制御回路100で制御するリールATを行なうこともできる。また、主制御回路100で実施するリールATと、副制御回路200で実施される画等によるATとを同時に行ない、それらを組み合わせて、更に遊技者が高い関心を示すような新たな態様のATを実現することもできる。
【0279】
<
図9のフローチャートに対応する遊技の流れ>
特殊演出やATを実施するその他の実施形態として、
図53(b)に示すような
図9のフローチャートに対応する実施形態(遊技の流れ)がある。この場合には、BB遊技以外の遊技状態において、役抽選で一般役3に当選したとき、抽選処理に基づいて(抽選処理により当選した場合)、所定の特殊演出実施期間(例えば、15遊技の間)を設定し、副制御回路200へAT開始信号を送信する。これにより、主制御回路100で制御する特殊演出を実施するとともに、副制御回路200により画像等を用いたATを実施することができる。これにより、例えば、ATで一般役3に関する正しいリール停止順を報知することによって、遊技者は、確実により多くの枚数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
このとき、特殊演出としてリールATを行なうことも可能であり、この場合には、副制御回路200によりATを実施する代わりにリールATを行なうこともできる。また、主制御回路100で実施するリールATと、副制御回路200で実施される画等によるATとを同時に行ない、それらを組み合わせて、更に遊技者が高い関心を示すような新たな態様のATを実現することもできる。
【0280】
<
図36のフローチャートに対応する遊技の流れ>
特殊演出やATを実施するその他の実施形態として、
図54に示すような
図36(a)のフローチャートに対応する実施形態(遊技の流れ)がある。
この場合には、BB遊技以外の遊技状態において、役抽選で一般役3に当選したとき、抽選処理に基づいて、所定の特殊演出実施期間(例えば、21遊技の間)を設定し、ATフラグをオンにする。この特殊演出実施期間中に役抽選で当たり役に当選して内部中の遊技状態になったとき、内部中に対応した演出パターン抽選表に変更して、内部中特殊演出を行なう。また、内部中特殊演出では、内部中の状態が継続する期間に対応させて、通常の特殊演出実施期間より短い期間(例えば、5遊技の間)を設定する。
【0281】
内部中に実施されるRT3作動状態では、再遊技役の当選確率が高くないので(
図24c参照、確率:1/7.3)、比較的短い期間で、フラグオンになっているBB役が入賞する可能性が高い。
図54では、内部中特殊演出期間の遊技から、BB遊技に移行したところを示す。なお、この場合、フラグオンとなっているATフラグの持ち越し処理を行なうこともできる。
【0282】
この場合には、
図54に示すように、BB遊技後に、ATフラグをオフにして、副制御回路200へAT開始信号を送信することもできる。これにより次遊技から、所定の遊技期間(例えば15遊技の間)、副制御回路200によりATを実施することができる。例えば、ATで一般役3に関する正しいリール停止順を報知することによって、遊技者は、確実により多くの枚数の遊技媒体の払い出しを受けることができる。
また、このとき、副制御回路200によりATを実施する代わりに、主制御回路100で制御するリールATを行なうこともできる。また、主制御回路100で実施するリールATと、副制御回路200で実施される画等によるATとを同時に行ない、それらを組み合わせて、更に遊技者が高い関心を示すような新たな態様のATを実現することもできる。
【0283】
図53(a)及び(b)、
図54に示す遊技の流れにおいて、最短遊技時間を経過したか否かにより、実施時間の長いまたは短い特殊演出を選択することもできる。また、
図53(a)及び(b)、
図54に示す遊技の流れに加えて、またはこれらの遊技の流れに代わって、上述のあらゆる実施形態を適用することができる。
【0284】
本発明に係るスロットマシンは、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。