特許第5717367号(P5717367)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ティラドの特許一覧

<>
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000002
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000003
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000004
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000005
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000006
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000007
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000008
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000009
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000010
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000011
  • 特許5717367-モジュール型熱交換器のタンク構造 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717367
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】モジュール型熱交換器のタンク構造
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/26 20060101AFI20150423BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   F28F9/26
   F28D1/053 A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-153839(P2010-153839)
(22)【出願日】2010年7月6日
(65)【公開番号】特開2012-17876(P2012-17876A)
(43)【公開日】2012年1月26日
【審査請求日】2013年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】手塚 綾典
【審査官】 ▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−286500(JP,A)
【文献】 特開2009−019854(JP,A)
【文献】 特開2003−240122(JP,A)
【文献】 特開2007−327614(JP,A)
【文献】 特開2007−147197(JP,A)
【文献】 特開2004−211930(JP,A)
【文献】 特開2002−181486(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第19652782(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/26
F28D 1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ多数のフィン(1)とチューブ(2)が並列され、各チューブ(1)の上下両端が一対の副タンク(3)に連通され、各副タンク(3)の上下両端面に接続孔(4)が形成されると共に、少なくとも一方の接続孔(4)に連結パイプ(6)が突設された同一形状の複数のモジュールコア(7)と、
並列される複数のモジュールコア(7)の合計の長さを少なくとも有し、それぞれの各連結パイプ(6)が連通される第1連通孔(9)が互いに離間して配置された上下一対の主タンク(8)と、を具備するモジュール型熱交換器のタンク構造において、
上側の前記主タンク(8)の連結孔(9)側の面に当接され、その連結孔(9)に同軸でそれと略同一径の開口(10b) が形成されると共に、その主タンク(8)の幅方向両側に一対のフランジ部(10a)が突設され、そのフランジ部(10a) に複数の第1ボルト孔(12)が設けられた固定プレート(10)と、
その固定プレート(10)の下面で、その開口(10b)の口縁部に凹陥された環状のパッキン座(11)と、
それぞれの前記パッキン座(11)に嵌着され、そのパッキン座(11)の外直径と整合する外直径を有する複数の弾性パッキン(13)と、
前記固定プレート(10)に着脱自在に当接すると共に、前記第1連通孔(9)に略整合する第2連通孔(14)が設けられ且つ、前記第1ボルト孔(12)に整合する第2ボルト孔(15)が形成された取付プレート(16)と、
それぞれ断面円形の筒部(17)および、その筒部(17)の一端縁の外側に突設された円環状の鍔部(18)を有し、その筒部(17)の内直径が前記連結パイプ(6)の外直径より大きく、その筒部(17)の外直径が前記第1連通孔(9)の内直径より小さく形成され、その鍔部(18)の外直径が第1連通孔(9)の内直径より大きく且つ、前記パッキン座(11)の直径より小に形成された複数の接続カラー(19)と、
上下一対の主タンク(8)を平行に離間保持して、その主タンク(8)の長手方向の両端に、その上下両端が締結材を介して固定される一対のサイド材(5)と、
を具備し、
前記弾性パッキン(13)は、前記パッキン座(11)の当接面が平坦に形成されると共に、接続カラー(19)の鍔部(18)および取付プレート(16)の当接面に複数の環状凸部(22)が同心に形成され、
上側の主タンク(8)には、その固定プレート(10)の各パッキン座(11)にそれぞれ弾性パッキン(13)が嵌着され、その各弾性パッキン(13)の下面に各接続カラー(19)の鍔部(18)および取付プレート(16)が順に当接された状態で、各ボルト孔(12)(15)に挿通されるボルト(20)によりその固定プレート(10)と取付プレート(16)とが締結固定され、
その上側の主タンク(8)に接続された各接続カラー(19)の筒部(17)に、並列された複数のモジュールコア(7)の上側の各連結パイプ(6)が同時に、それぞれOリング(21)を介して気密に連結され、そのとき各接続カラー(19)は前記弾性パッキン(13)のゴム弾性により半径方向に移動できるように構成されて、各連結パイプ(6)と各接続カラー(19)とが自動調芯されて、各接続カラー(19)に連結パイプ(6)が同時に嵌着され、このとき弾性パッキン(13)は半径方向の移動を制限されるように構成されたことを特徴とするモジュール型熱交換器のタンク構造。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュール型熱交換器のタンク構造において、
上下一対の主タンク(8)(8)間に、それぞれ上下一対のモジュールコア(7)(7)が各副タンク(3)の下側連結部材(23)と上側連結部材(24)を介して二段に接続され、
その下側連結部材(23)は、副タンク(3)の接続孔(4)から上側に突設されると共に、その内周は上方に縮小する断面台形の筒状に形成され、
副タンク(3)から下方に突設する上側連結部材(24)の内周に、下側連結部材(23)の外周がOリング(25)を介して連結されたモジュール型熱交換器のタンク構造。
【請求項3】
請求項2に記載のモジュール型熱交換器のタンク構造において、
上側連結部材(24)と下側連結部材(23)には、それぞれモジュールコア(7)の幅方向両側に上下一対の接続用フランジ(26)が突設され、締結具(27)を介してそれら上下一対の接続用フランジ(26)が締結固定されるモジュール型熱交換器のタンク構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として大型建設機械等に用いられ、複数のモジュールコアを組立てて一体としたモジュール型熱交換器のタンク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、すでに下記特許文献1に記載のモジュール型熱交換器を提案している。
この熱交換器は、図9図11に示すごとく、多数のモジュールコア7を有し、それらが上下一対の主タンク8に、それぞれ上下方向へ2段に接続されて、それらが端部連結部36および中間連結部37を介して連結されている。モジュールコア7はフィンとチューブとが並列され、各チューブの上下両端に副タンク3が配置され、各副タンク3に連結パイプ6が突設されたものである。そして、左右一対のサイド材5により全体が締結固定される。
【0003】
上下一対の主タンク8にはモジュールコア7の数だけ口金31が突設され、そこにモジュールコア7の副タンク3に突設された連結パイプ6がOリング21を介して液密に嵌着される。上側のモジュールコア7の下部の副タンク3には、図11に示すごとく、口金31が突設され、その内面に下側の副タンク3の連結パイプ6がOリング25を介して液密に嵌着固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−19854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術を示す、図9図11のモジュール型熱交換器は、上部側の主タンク8を並列した各モジュールコア7に端部連結部36を介して連結する際に問題が生じる。例えば、3つの並列されたモジュールコア7の連結パイプ6に図10のごとく、主タンク8の各口金31を嵌着するとき、それら取付位置に精度のバラつきがあると、端部連結部36の結合が不能になる。
【0006】
次に、上下一対のタンクの間を中間連結部37によって結合したとき、図11に示すごとく連結パイプ6の下端縁が副タンク3の開口から突出され、そこにエア溜まり32が生じる。この例では冷却水33が上下の副タンク3にそれぞれ充満されたとき、下部側の副タンク3の連結パイプ6下縁と副タンク3の天井との間にエア溜まり32が生じ、冷却水33の円滑な流通を阻害する欠点があった。
そこで本発明は、これらの問題点を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の本発明は、それぞれ多数のフィン(1)とチューブ(2)が並列され、各チューブ(1)の上下両端が一対の副タンク(3)に連通され、各副タンク(3)の上下両端面に接続孔(4)が形成されると共に、少なくとも一方の接続孔(4)に連結パイプ(6)が突設された同一形状の複数のモジュールコア(7)と、
並列される複数のモジュールコア(7)の合計の長さを少なくとも有し、それぞれの各連結パイプ(6)が連通される第1連通孔(9)が互いに離間して配置された上下一対の主タンク(8)と、を具備するモジュール型熱交換器のタンク構造において、
上側の前記主タンク(8)の連結孔(9)側の面に当接され、その連結孔(9)に同軸でそれと略同一径の開口(10b) が形成されると共に、その主タンク(8)の幅方向両側に一対のフランジ部(10a)が突設され、そのフランジ部(10a) に複数の第1ボルト孔(12)が設けられた固定プレート(10)と、
その固定プレート(10)の下面で、その開口(10b)の口縁部に凹陥された環状のパッキン座(11)と、
それぞれの前記パッキン座(11)に嵌着され、そのパッキン座(11)の外直径と整合する外直径を有する複数の弾性パッキン(13)と、
前記固定プレート(10)に着脱自在に当接すると共に、前記第1連通孔(9)に略整合する第2連通孔(14)が設けられ且つ、前記第1ボルト孔(12)に整合する第2ボルト孔(15)が形成された取付プレート(16)と、
それぞれ断面円形の筒部(17)および、その筒部(17)の一端縁の外側に突設された円環状の鍔部(18)を有し、その筒部(17)の内直径が前記連結パイプ(6)の外直径より大きく、その筒部(17)の外直径が前記第1連通孔(9)の内直径より小さく形成され、その鍔部(18)の外直径が第1連通孔(9)の内直径より大きく且つ、前記パッキン座(11)の直径より小に形成された複数の接続カラー(19)と、
上下一対の主タンク(8)を平行に離間保持して、その主タンク(8)の長手方向の両端に、その上下両端が締結材を介して固定される一対のサイド材(5)と、
を具備し、
前記弾性パッキン(13)は、前記パッキン座(11)の当接面が平坦に形成されると共に、接続カラー(19)の鍔部(18)および取付プレート(16)の当接面に複数の環状凸部(22)が同心に形成され、
上側の主タンク(8)には、その固定プレート(10)の各パッキン座(11)にそれぞれ弾性パッキン(13)が嵌着され、その各弾性パッキン(13)の下面に各接続カラー(19)の鍔部(18)および取付プレート(16)が順に当接された状態で、各ボルト孔(12)(15)に挿通されるボルト(20)によりその固定プレート(10)と取付プレート(16)とが締結固定され、
その上側の主タンク(8)に接続された各接続カラー(19)の筒部(17)に、並列された複数のモジュールコア(7)の上側の各連結パイプ(6)が同時に、それぞれOリング(21)を介して気密に連結され、そのとき各接続カラー(19)は前記弾性パッキン(13)のゴム弾性により半径方向に移動できるように構成されて、各連結パイプ(6)と各接続カラー(19)とが自動調芯されて、各接続カラー(19)に連結パイプ(6)が同時に嵌着され、このとき弾性パッキン(13)は半径方向の移動を制限されるように構成されたことを特徴とするモジュール型熱交換器のタンク構造である。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のモジュール型熱交換器のタンク構造において、
上下一対の主タンク(8)(8)間に、それぞれ上下一対のモジュールコア(7)(7)が各副タンク(3)の下側連結部材(23)と上側連結部材(24)を介して二段に接続され、
その下側連結部材(23)は、副タンク(3)の接続孔(4)から上側に突設されると共に、その内周は上方に縮小する断面台形の筒状に形成され、
副タンク(3)から下方に突設する上側連結部材(24)の内周に、下側連結部材(23)の外周がOリング(25)を介して連結されたモジュール型熱交換器のタンク構造である。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のモジュール型熱交換器のタンク構造において、
上側連結部材(24)と下側連結部材(23)には、それぞれモジュールコア(7)の幅方向両側に上下一対の接続用フランジ(26)が突設され、締結具(27)を介してそれら上下一対の接続用フランジ(26)が締結固定されるモジュール型熱交換器のタンク構造である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のモジュール型熱交換器のタンク構造は、並列された複数のモジュールコア7の上端に突設される連結パイプ6がそれぞれ主タンク8の第1連結孔9に連結されるものにおいて、その連結時に主タンク8に着脱自在に設けた接続カラー19が弾性パッキン13のゴム弾性により半径方向へ移動できるように構成し、各連結パイプ(6)と各接続カラー(19)とが自動調芯されて、各接続カラー(19)に連結パイプ(6)が同時に嵌着され、このとき弾性パッキン(13)は半径方向の移動を制限されるように構成されたから、それらの取付精度が悪くても、複数のモジュールコア7を同時に一つの主タンク8に接続カラー19を介して無理なく接続することが可能である。それにより、各部品等の製造誤差を吸収して、水密性の高いタンク構造を提供できる。
また、主タンク8と各モジュールコア7との着脱が容易であるため、故障したモジュールコア7の交換が容易である。さらには、固定プレート10と取付プレート16とがボルト20によって分離可能であるので、弾性パッキン13の取替えが容易である。
【0013】
上記構成において請求項2に記載のように、上下一対の主タンク8間にそれぞれ一対のモジュールコア7を下側連結部材23と上側連結部材24とによって二段に接続し、その下側連結部材23の内周を上方に縮小する断面台形の筒状に形成した場合には、下側のモジュールコア7の副タンク3に生じがちな空気溜りを無くし、冷却性能のよい熱交換器を提供できる。
【0014】
上記構成において請求項3に記載のように、上側連結部材24と下側連結部材23とにそれぞれ接続用フランジ26を突設し、締結具27を介してそれらを締結固定した場合には、上下一対のモジュールコア7を確固に接続し、それらを一体として上下一対の主タンク8に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のモジュール型熱交換器のタンク構造の要部横断面図であって、モジュールコア7と主タンク8との接続前の状態を示す。
図2】同接続状態の要部断面拡大図。
図3】同構造に用いられる弾性パッキン13の平面図。
図4図3のIV−IV矢視断面拡大図。
図5】同タンク構造の要部分解横断面図。
図6】同モジュール型熱交換器の要部分解斜視図。
図7】同組立て状態を示す正面図。
図8図7のVIII−VIII矢視断面拡大図。
図9】従来のモジュール型熱交換器の正面図。
図10】同タンク構造の端部連結部36の横断面図。
図11】同中間連結部37の横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
この例の熱交換器は、図7に示すごとく、一例として上下一対の主タンク8間に上下2段に3列の計6つのモジュールコア7が配置されたものである。そして、それらの両側に一対のサイド材5が、各主タンク8のブラケット28および同図では図示しないボルトを介して取付けられている。それぞれのモジュールコア7は、図6に示すごとく、多数のフィン1とチューブ2が交互に並列され、各フィン1の上下両端(下端側省略)が一対の副タンク3にそのチューブプレート3a(図1)を介して連通されている。各副タンク3には接続孔4が開口する。
【0017】
そして、上側モジュールコア7の上側副タンク3の接続孔4および下側モジュールコア7の下側副タンク3の接続孔4に、それぞれ連結パイプ6の一端が固定され、その外周に一対づつの環状溝が形成され、そこに一対のOリング21が嵌着されている。その連結パイプ6と副タンク3とチューブプレート3aとチューブ2とは一体にろう付け固定されるとともに、各プレートフィン2とフィン1との間並びにそのコア両側に配置される副サイド材5aとの間も一体にろう付けされている。
【0018】
次に、上下一対の主タンク8は細長い箱状に形成され、各モジュールコア7側の平面にはモジュールコア7の数だけ第1連結孔9が設けられている。さらに各第1連結孔9側の面には、連結孔9の数だけ方形の固定プレート10が一体にろう付け固定されている。この固定プレート10は主タンク8の第1連結孔9に略整合する開口10bを有し、その口縁部に第1連結孔9と同軸に環状のパッキン座11が段付きに凹嵌されている。また、固定プレート10は主タンク8の幅より広く、その両側にフランジ部(10a) を延長し、そこに所定間隔で第1ボルト孔12が穿設されている。なお、複数の固定プレートに代えて、それを主タンクの長さを有する方形のプレートを一枚とし、それに複数の開口10bおよびその口縁部にパッキン座を設けることもできる。
【0019】
各パッキン座11には、その直径に整合する外周を有する環状の弾性パッキン13がそれぞれ嵌着される。弾性パッキン13は、図3および図4に示すごとく、パッキン座11の当接面側が平坦に形成され、その反対側にこの例では3本の環状凸部22が同芯に形成されている。弾性パッキン13の厚みはパッキン座11の深さよりも少し厚い。また、その内直径は第1連結孔9と略同一で、外径直径はパッキン座11の外直径と同一である。
そしてこの固定プレート10には弾性パッキン13を介して接続カラー19の鍔部18および取付プレート16が順に当接し、それらがボルト20およびナット20aにより締結固定される。
【0020】
接続カラー19は、断面円形の筒部17およびその筒部17の一端縁の外側に突設された円環状の鍔部18を有する。その筒部17の内直径は連結パイプ6の外直径よりも大きく、その外直径が第1連結孔9,開口10bの内直径よりも小さい。そして、鍔部18の外直径が第1連結孔9および取付プレート16の第2連通孔14より大きく且つ、パッキン座11の直径より小に形成されて、接続カラー19が半径方向への可動できるように構成されている。そして、取付プレート16は図6に示すとおり固定プレート10と略同一の方形に形成され、その中心に第2連通孔14が穿設されている。
【0021】
その第2連通孔14の直径は、図5に示す如く、主タンク8の第1連結孔9に略一致する。取付プレート16の両側部は定間隔に第2ボルト孔15が穿設されている。それが固定プレート10の第1ボルト孔12に整合する。なお、主タンク8の長手方向両端には、図6に示す如くブラケット28がろう付け等の手段で一体に固定され、その外側端面にボルト孔39が設けられ、その内面にねじ孔が螺刻されている。このボルト孔39は、サイド材5の上下両端に穿設されたボルト孔39に整合する。
【0022】
このようにしてなる主タンク8には、弾性パッキン13と接続カラー19と取付プレート16とが図1および図2のごとく接続される。即ち、固定プレート10のパッキン座11に弾性パッキン13の平坦側を当接して嵌着し、次いでその環状凸部22側に接続カラー19の鍔部18を配置した状態で、その外側に取付プレート16を当接し、ボルト20およびナット20aにより固定プレート10と取付プレート16との間を締結固定する。このとき接続カラー19の軸線が第1連結孔9の軸線に整合するように位置させる。
【0023】
次に、図8に示すごとく、上下一対のモジュールコア7の中間連結部37は、下側連結部材23、上側連結部材24およびOリング25を介して連結される。即ち、上側の副タンク3の接続孔4に一体に上側連結部材24がろう付けにより突設され、下側のモジュールコア7の副タンク3の接続孔4に下側連結部材23がろう付けにより突設されている。なお、下側連結部材23および上側連結部材24の外周には、それぞれ接続用フランジ26が一体にろう付け固定されている。下側連結部材23の外周には環状溝が形成され、そこにOリング25が嵌着される。
この下側連結部材23は全体が筒状で且つ、上に向けて横断面台形に形成されている。このようにすることにより、下側連結部材23と副タンク3との間に空気溜りが生じるのを防止している。さらに上下一対の接続用フランジ26には互いに整合する位置にボルト孔が穿設され、図7に示すごとく締結具27を介して、それらが一体に締結される。
【0024】
(組立方法)
次に、本発明のモジュール型熱交換器の組立て方法について述べる。
先ず、上下一対の主タンク8の固定プレート10のパッキン座11にはそれぞれ弾性パッキン13が嵌着され、次いでその外面側に接続カラー19と取付プレート16とが順に当接され、ボルト20およびナット20aを介してそれらが締結固定される。
次いで、図7において、下側の主タンク8に下側の3つのモジュールコア7の連結パイプ6(図示せず)が挿入される。
次いで、上側のモジュールコア7と下側のモジュールコア7とがそれぞれ図8のごとく嵌着され、図7に示すように締結具27を介して一対の接続用フランジ26間が締結固定される。
【0025】
次いで、上側の主タンク8の3つの接続カラー19の筒部17に、上側の3つのモジュールコア7の各連結パイプ6が嵌着する。この時、仮に接続カラー19の筒部17の中心位置が連結パイプ6の中心に整合しないとしても、接続カラー19は弾性パッキン13の弾性により半径方向へ移動し、自動調芯されて、3つの接続カラー19に3つの連結パイプ6が同時に嵌着される。なお、弾性パッキン13はその外周が固定プレート10のパッキン座11に整合するため、平面方向に移動することはない。そして、弾性パッキン13の複数の環状凸部22の存在により、接続カラー19と固定プレート10との水密性を確保する。
次いで、図6および図7に示すごとく、左右一対のサイド材5の上下両端に位置されたボルト孔39に図示ないボルトを介して、サイド材5と主タンク8の各ブラケット28とが締結固定され、組立を完了する。
【0026】
このようなモジュール型熱交換器は、主として建設機械等の大型車両のエンジン冷却水冷却用の大型熱交換器として用いることができる。即ち、多数のモジュールコア7の組立体として構成することにより、熱容量の大きな熱交換器となると共に、部分的なモジュールコア7の故障に際しては、それのみを交換することができ、メンテナンス性のよいものとなる。なお、交換の場合には、前記組立と逆の手順により行なうことができる。
【符号の説明】
【0027】
1 フィン
2 チューブ
3 副タンク
3a チューブプレート
4 接続孔
5 サイド材
5a 副サイド材
6 連結パイプ
7 モジュールコア
8 主タンク
【0028】
9 第1連結孔
10 固定プレート
10a フランジ部
10b 開口
11 パッキン座
12 第1ボルト孔
13 弾性パッキン
【0029】
14 第2連通孔
15 第2ボルト孔
16 取付プレート
17 筒部
18 鍔部
19 接続カラー
20 ボルト
20a ナット
21 Oリング
【0030】
22 環状凸部
23 下側連結部材
24 上側連結部材
25 Oリング
26 接続用フランジ
27 締結具
28 ブラケット
29 入口パイプ
30 出口パイプ
【0031】
31 口金
32 エア溜まり
33 冷却水
34 ブラケット
35 ビス
36 端部連結部
37 中間連結部
38 ブラケット
39 ボルト孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11