【実施例】
【0025】
<第1実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第1実施例に係るサーマルヘッド1について説明する。サーマルヘッド1は、制御基板から通信線を介して入力される各種信号やデータに応じて発熱抵抗体を発熱させ、微少距離ずつスクロール制御される感熱紙上に所望の印字(又は印画)を行うための装置である。
図1は、本発明の実施例に係るサーマルヘッドを含むサーマルプリンタの全体構成を簡略に示す図である。制御基板は、例えばマイクロコンピュータであり、入力されるデータに基づいて印字パターンを生成し、サーマルヘッド1に各種信号、データを出力する。サーマルヘッド1は、例えば静止したラインヘッドであり、1ミリあたり8ドット程度の分解能で印字を行うことができる。
【0026】
[構成]
図2は、本発明の第1実施例に係るサーマルヘッド1の回路構成例である。図示するように、サーマルヘッド1は、電源PSと、発熱抵抗体R1〜R832と、NANDゲートNAND1〜832と、印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832と、印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832と、ストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8と、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8と、を備える。
【0027】
電源PSは、例えば7.2[V]程度の直流電源である。発熱抵抗体R1〜R832は、略直線状に並んでおり、電流が流れることによって発熱し、感熱紙の対向する箇所に熱を供給して印字する。
【0028】
NANDゲートNAND1〜832は、入力される電圧信号が共に値1の信号(HI信号)である場合のみ値0の信号(LO信号)を出力し、それ以外の場合に値1の信号(HI信号)を出力する。
【0029】
本実施例における値1の信号は、電源PSに合わせて7.2[V]程度の電圧信号であるものとする。また、値0の信号は、図示しないグランド端子におけるグランド電位の電圧信号であるものとする。なお、本実施例では、値1が「印字有り」、値0が「印字無し」を示すものとする。
【0030】
この結果、NANDゲートに入力される電圧信号が共に値1の信号であればNANDゲートの出力が値0となり、対応する発熱抵抗体の両端に電位差が生じるため、電流が流れて発熱することになる。一方、NANDゲートに入力される電圧信号の少なくとも一方が値0の信号であればNANDゲートの出力が値1となり、対応する発熱抵抗体の両端に電位差が生じず、電流は流れない。従って、各発熱抵抗体は、対応するNANDゲートに入力される信号が共に値1の信号である場合のみ発熱し、印字を行うことになる。
【0031】
なお、係る構成は任意に変更することができ、NANDゲートに代えてANDゲートを備え、値0が「印字有り」、値1が「印字無し」を示すように設計してもよい。
【0032】
印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832、及びストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8は、シリアルデータを順送りに取り込んで格納する。本発明におけるシリアルデータとは、例えばクロック信号に応じて一つずつ送られる、値1と値0の二値データである。
【0033】
例えば(*)、ストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に「10000000」なる8ビットのデータが8クロックで入力されると、SR_ST1が値1を格納し、SR_ST2が値0を格納し、SR_ST3が値0を格納し、SR_ST4が値0を格納し、SR_ST5が値0を格納し、SR_ST6が値0を格納し、SR_ST7が値0を格納し、SR_ST8が値0を格納した状態となる。
【0034】
印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832、又はストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8は、それぞれラッチ信号が入力されると、対応する印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832、又はストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8からデータを取り込んで格納すると共に、格納したデータを一斉に常時出力する状態となる。
【0035】
前述の例(*)に即して説明すると、ストローブ側フリップフロップFF_ST1が値1を格納して出力し、ストローブ側フリップフロップFF_ST2が値0を格納して出力し、ストローブ側フリップフロップFF_ST3が値0を格納して出力し、ストローブ側フリップフロップFF_ST4が値0を格納して出力し、ストローブ側フリップフロップFF_ST5が値0を格納して出力し、ストローブ側フリップフロップFF_ST6が値0を格納して出力し、ストローブ側フリップフロップFF_ST7が値0を格納して出力し、ストローブ側フリップフロップFF_ST8が値0を格納して出力する状態となる。
【0036】
また、サーマルヘッド1は、入力端子として、印字データ側ラッチ信号入力端子R_PRと、印字データ入力端子D_PRと、印字データ側クロック信号入力端子C_PRと、ストローブ側ラッチ信号入力端子R_STと、ストローブ用データ入力端子D_STと、ストローブ側クロック信号入力端子C_STと、を備える。
【0037】
印字データ入力端子D_PRには、各発熱抵抗体が当該回の印字において印字を行うか否かを示す832ビットのシリアルデータ(印字データ)が入力される。印字データは、印字データ側クロック信号入力端子C_PRに入力されるクロック信号(印字データ側クロック信号)に応じて1ビットずつ入力され、印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832に格納される。
【0038】
印字データ側ラッチ信号入力端子R_PRには、印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832が前述のラッチ動作を行うトリガーとなる印字データ側ラッチ信号が入力される。
【0039】
ストローブ用データ入力端子D_STには、発熱抵抗体R1〜R832をブロック分けし、それぞれのブロックについて、当該回の印字動作において印字を行うか否かを決定するシリアルデータ(ストローブ用データ)が入力される。本実施例では、発熱抵抗体R1〜R832は、R1〜128、R129〜R256、R257〜R352、R353〜R416、R417〜R480、R481〜R576、R577〜R704、R705〜R832の8ブロックに分けられており、1回の印字動作において1ブロックのみが印字を行う。これによって、各発熱抵抗体が一斉に印字を行う場合に比して、電源PSから過大な電流が流れるのを防止することができる。
【0040】
ストローブ用データは、例えば「0100000」のように、1ビットのみが値1となる8ビットのデータである。また、後述するように、印字をしない期間を作り出すために全てのビットが値0となり得る。
【0041】
ストローブ用データは、ストローブ側クロック信号入力端子C_STに入力されるクロック信号(ストローブ側クロック信号)に応じて1ビットずつ入力され、ストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に格納される。
【0042】
ストローブ側ラッチ信号入力端子R_STには、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8が前述のラッチ動作を行うトリガーとなるストローブ側ラッチ信号が入力される。
【0043】
[タイミングチャート]
以下、このような構成のサーマルヘッド1に入力される信号やデータ、それに応じた各構成要素の状態変化について説明する。
【0044】
図3は、第1実施例に係るサーマルヘッド1におけるタイミングチャートであり、1ライン分の印字を行う期間のうち、印字データ側に印字データが取り込まれて出力開始されるまでの間(印字データ入力期間)に、サーマルヘッド1に入力される信号やデータ、及び各構成要素の状態変化を示すタイミングチャートである。
【0045】
時刻t1からt2までの間の印字データ側クロック信号にして832クロックの間、印字データが1ビットずつ入力され、印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832に格納される。この間、印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832の出力は、前回のサイクルにおける印字データに応じた出力のままである。なお、1ビットの入力と1クロックが一対一に対応している必要はなく、1ビットの入力に複数クロックを要しても構わない。
【0046】
時刻t2に至ると、印字データの入力が終了すると共に、印字データ側ラッチ信号が印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832に入力される。この時点で印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832は印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832に格納された印字データを取り込み、取り込んだデータを一斉に常時出力する。なお、係る動作が、特許請求の範囲における「シリアルデータとして入力される印字データを、パラレルデータに変換して一括供給する」に相当する。
【0047】
一方、ストローブ側では、時刻t1から時刻t2の間、ストローブ側クロック信号が継続的に入力される他、ストローブ用データ及びストローブ側ラッチ信号は値0を維持し、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8の出力は全て値0である。ストローブ側クロック信号は、印字データ側クロック信号と同じものであってもよい(この場合、入力端子C_PRとC_STを共通化することができる)。
【0048】
図4は、第1実施例に係るサーマルヘッド1におけるタイミングチャートであり、1ライン分の印字を行う期間のうち、印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832に印字データ側ラッチ信号が入力された後(ストローブ期間)に、サーマルヘッド1に入力される信号やデータ、及び各構成要素の状態変化を示すタイミングチャートである。なお、本図においては、印字データ側クロック信号及び印字データを省略している。
【0049】
時刻t2に至ると、ストローブ用データ(「1000000」)が入力開始され、ストローブ側クロックにして8クロックを経てストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に格納される(時刻t2〜t3)。この間、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8の出力は全て値0であり、発熱抵抗体による印字は行われない。なお、1ビットの入力と1クロックが一対一に対応している必要はなく、1ビットの入力に複数クロックを要しても構わない。
【0050】
時刻t3に至ると、ストローブ側ラッチ信号がストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8に入力され、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8はストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に格納されたデータを取り込んで出力する。この結果、ストローブ側フリップフロップFF_ST1のみが値1を出力し、その他のストローブ側フリップフロップFF_ST2〜8は値0を出力することになる。従って、ストローブ側フリップフロップFF_ST1の出力を反映する発熱抵抗体R705〜R832が印字データに応じた印字を行う。この時刻t3〜t4の間隔は、所望の時間に設定することができる。例えば、寒暖の差、湿度等を考慮して好適に設定してよい。
【0051】
また、時刻t3〜t4の間、ストローブ用データとして値0が継続して入力される。このため、時刻t4に至りストローブ側ラッチ信号がストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8に入力されると、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8の出力は全て値0となり、発熱抵抗体R705〜R832による印字は停止される。
【0052】
この印字停止期間において、感熱紙の微少なスクロールを行うものとすると、好適である。感熱紙に熱を提供した状態で感熱紙をスクロールさせると、印字の掠れ等が生じる可能性があるからである。従って、感熱紙をスクロールさせるタイミングを作り出す上でも、印字停止期間を設けることが望ましい。
【0053】
また、時刻t4に至ると、ストローブ用データ(「0100000」)が入力開始され、ストローブ側クロックにして8クロックを経てストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に格納される(時刻t4〜t5)。この間、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8の出力は全て値0であり、発熱抵抗体による印字は行われない。
【0054】
時刻t5に至ると、ストローブ側ラッチ信号がストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8に入力され、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8はストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に格納されたデータを取り込んで出力する。この結果、ストローブ側フリップフロップFF_ST2のみが値1を出力し、その他のストローブ側フリップフロップFF_ST1、3〜8は値0を出力することになる。従って、ストローブ側フリップフロップFF_ST2の出力を反映する発熱抵抗体R577〜R704が印字データに応じた印字を行う。
【0055】
上記と同様に、時刻t5〜t6の間、ストローブ用データとして値0が継続して入力される。このため、時刻t6に至りストローブ側ラッチ信号がストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8に入力されると、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8の出力は全て値0となり、発熱抵抗体R577〜R704による印字は停止される。
【0056】
このような動作を継続して行い(中略)、時刻t18に至ると、ストローブ用データ(「0000001」)が入力開始され、ストローブ側クロックにして8クロックを経てストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に格納される(時刻t18〜t19)。この間、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8の出力は全て値0であり、発熱抵抗体による印字は行われない。
【0057】
時刻t19に至ると、ストローブ側ラッチ信号がストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8に入力され、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8はストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8に格納されたデータを取り込んで出力する。この結果、ストローブ側フリップフロップFF_ST8のみが値1を出力し、その他のストローブ側フリップフロップFF_ST1〜7は値0を出力することになる。従って、ストローブ側フリップフロップFF_ST2の出力を反映する発熱抵抗体R1〜R128が印字データに応じた印字を行う。
【0058】
そして、時刻t20に至りストローブ側ラッチ信号がストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8に入力されると、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8の出力は全て値0となり、発熱抵抗体R1〜R128による印字は停止される。その後は時刻t1に戻り、次回のサイクルにおける印字データの入力が開示される。
【0059】
[従来構成との比較、まとめ]
図5は、本実施例に係るサーマルヘッド1の比較対象となる従来のサーマルヘッドXの回路構成例である。サーマルヘッドXは、ストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8及びストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8を備えず、ストローブ用データの入力端子としてD_ST1〜D_ST8を備える。
【0060】
図6は、
図5に示す従来のサーマルヘッドXにおける、印字データの入力及びラッチ後の(ストローブ期間の)タイミングチャートである。印字データの入力及びラッチに関しては本実施例に係るサーマルヘッド1と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
図6に示すように、従来のサーマルヘッドXでは、入力端子D_ST1〜D_ST8にそれぞれブロック毎にストローブデータ1〜8が入力される。この結果、本実施例と同様の印字動作が実現される。
【0062】
ところが、従来のサーマルヘッドXはストローブ用の入力端子を八個備えるため、入力端子としてのコネクタ、及び制御基板との間の通信線の数が増加し、コストや重量の増加を招くことになる。
【0063】
この点、本実施例のサーマルヘッド1では、ストローブ用の入力端子を三個に留め、ストローブ用データをヘッド側でブロック毎に分配しているため、従来構成に比してコストや重量の増加を防止している。
【0064】
もとより、ブロック毎に印字を行うため、一斉に各発熱抵抗体に印字させるものに比して、電源PSから各発熱抵抗体に供給する電流が過大になることを抑制することができる。
【0065】
以上説明した本実施例のサーマルヘッド1、及びこれを一部に含むサーマルプリンタによれば、入力端子の数が増加するのを抑制しつつ、発熱抵抗体に供給する電流が過大となることを回避することができる。
【0066】
<第2実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第2実施例に係るサーマルヘッド2について説明する。サーマルヘッド2は、第1実施例に係るサーマルヘッド1と同様、制御基板から通信線を介して入力される各種信号やデータに応じて発熱抵抗体を発熱させ、微少距離ずつスクロール制御される感熱紙上に所望の印字(又は印画)を行うための装置である(
図1を参照)。制御基板は、例えばマイクロコンピュータであり、入力されるデータに基づいて印字パターンを生成し、サーマルヘッド2に各種信号、データを出力する。サーマルヘッド2は、例えば静止したラインヘッドであり、1ミリあたり8ドット程度の分解能で印字を行うことができる。
【0067】
図7は、本発明の第2実施例に係るサーマルヘッド2の回路構成例である。図示するように、サーマルヘッド2は、電源PSと、発熱抵抗体R1〜R832と、NANDゲートNAND1〜832と、印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832と、印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832と、ストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8と、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8と、を備える。これらの構成要素については第1実施例と同様であるため、説明を省略する。また、
図7において構成要素の一部について図示を省略している。
【0068】
また、サーマルヘッド2は、入力端子として、ラッチ信号入力端子Rと、データ入力端子Dと、クロック信号入力端子Cと、切り替え信号入力端子Sと、を備える。すなわち、印字データ側とストローブ側で入力端子を共通化し、いずれの側に信号及びデータを供給するかを、制御基板から切り替え信号入力端子Sに入力される切り替え信号に応じて切り替えている。
【0069】
例えば、切り替え信号が値1であれば、スイッチSW1がデータ入力端子Dと印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832を接続させると共に、スイッチSW2がラッチ信号入力端子と印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832を接続させる。一方、切り替え信号が値0であれば、スイッチSW1がデータ入力端子Dとストローブ側シフトレジスタSR_PR1〜8を接続させると共に、スイッチSW2がラッチ信号入力端子とストローブ側フリップフロップFF_PR1〜8を接続させる。
【0070】
係る構成によって、第1実施例と同様の動作が実現される。
図8は、第2実施例に係るサーマルヘッド2におけるタイミングチャートである。本図において、例えば「ストローブ用ラッチ信号」とは、ラッチ信号入力端子に入力されたラッチ信号がスイッチSW2を介してストローブ側フリップフロップFF_PR1〜8に入力されたものを意味する。
【0071】
図示するように、印字データの入力及びラッチが行われるまでは、切り替え信号として値1が入力されており、第1実施例における
図3と同様の動作が実現される。また印字データの入力及びラッチが行われた後は、切り替え信号として値0が入力されており、第1実施例における
図4と同様の動作が実現される。
【0072】
係る構成によって、入力端子の数を更に減少させることができ、コストや重量の増加を防止することができる。
【0073】
以上説明した本実施例のサーマルヘッド2、及びこれを一部に含むサーマルプリンタによれば、入力端子の数が増加するのを更に抑制しつつ、発熱抵抗体に供給する電流が過大となることを回避することができる。
【0074】
<第3実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第3実施例に係るサーマルヘッド3について説明する。サーマルヘッド3は、第1実施例に係るサーマルヘッド1と同様、制御基板から通信線を介して入力される各種信号やデータに応じて発熱抵抗体を発熱させ、微少距離ずつスクロール制御される感熱紙上に所望の印字(又は印画)を行うための装置である(
図1を参照)。制御基板は、例えばマイクロコンピュータであり、入力されるデータに基づいて印字パターンを生成し、サーマルヘッド3に各種信号、データを出力する。サーマルヘッド3は、例えば静止したラインヘッドであり、1ミリあたり8ドット程度の分解能で印字を行うことができる。
【0075】
図9は、本発明の第3実施例に係るサーマルヘッド3の回路構成例である。図示するように、サーマルヘッド3は、電源PSと、発熱抵抗体R1〜R832と、NANDゲートNAND1〜832と、印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832と、印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832と、ストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8と、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8と、を備える。これらの構成要素については第1実施例と同様であるため、説明を省略する。また、
図9において構成要素の一部について図示を省略している。
【0076】
また、サーマルヘッド3は、入力端子として、ラッチ信号入力端子Rと、データ入力端子Dと、クロック信号入力端子Cと、を備え、更に、切り替え信号生成部SGを備えている。すなわち、第2実施例と比較して、切り替え信号入力端子を省略すると共に、自身で切り替え信号を生成するための構成要素を備えている。
【0077】
切り替え信号生成部SGは、内部にクロック信号をカウントするカウントレジスタ等を備え、第2実施例において
図8に即して説明したような切り替え信号を自動的に生成する。
【0078】
係る構成によって、入力端子の数を更に減少させることができ、コストや重量の増加を防止することができる。
【0079】
以上説明した本実施例のサーマルヘッド3、及びこれを一部に含むサーマルプリンタによれば、入力端子の数が増加するのを更に抑制しつつ、発熱抵抗体に供給する電流が過大となることを回避することができる。
【0080】
<第4実施例>
以下、図面を参照し、本発明の第4実施例に係るサーマルヘッド4について説明する。サーマルヘッド4は、第1実施例に係るサーマルヘッド1と同様、制御基板から通信線を介して入力される各種信号やデータに応じて発熱抵抗体を発熱させ、微少距離ずつスクロール制御される感熱紙上に所望の印字(又は印画)を行うための装置である(
図1を参照)。制御基板は、例えばマイクロコンピュータであり、入力されるデータに基づいて印字パターンを生成し、サーマルヘッド4に各種信号、データを出力する。サーマルヘッド3は、例えば静止したラインヘッドであり、1ミリあたり8ドット程度の分解能で印字を行うことができる。
【0081】
図10は、本発明の第4実施例に係るサーマルヘッド4の回路構成例である。図示するように、サーマルヘッド3は、電源PSと、発熱抵抗体R1〜R832と、NANDゲートNAND1〜832と、印字データ側シフトレジスタSR_PR1〜832と、印字データ側フリップフロップFF_PR1〜832と、ストローブ側シフトレジスタSR_ST1〜8と、ストローブ側フリップフロップFF_ST1〜8と、を備える。これらの構成要素については第1実施例と同様であるため、説明を省略する。また、
図10において構成要素の一部について図示を省略している。
【0082】
また、サーマルヘッド4は、入力端子として、データ入力端子Dと、クロック信号入力端子Cと、を備え、更に、切り替え信号生成部SGとラッチ信号生成部DGと、を備えている。すなわち、第3実施例と比較して、ラッチ信号入力端子を省略すると共に、自身でラッチ信号を生成するための構成要素を備えている。
【0083】
ラッチ信号生成部DGは、切り替え信号生成部SGと同様、内部にクロック信号をカウントするカウントレジスタ等を備え、第1実施例において
図3、4に即して示したような各ラッチ信号を自動的に生成する。
【0084】
係る構成によって、入力端子の数を更に減少させることができ、コストや重量の増加を防止することができる。
【0085】
以上説明した本実施例のサーマルヘッド4、及びこれを一部に含むサーマルプリンタによれば、入力端子の数が増加するのを更に抑制しつつ、発熱抵抗体に供給する電流が過大となることを回避することができる。
【0086】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。