特許第5717475号(P5717475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717475
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   F28F 19/06 20060101AFI20150423BHJP
   F28F 1/30 20060101ALI20150423BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20150423BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   F28F19/06 A
   F28F1/30 B
   F28D1/053 A
   B60H1/32 613A
   B60H1/32 613E
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2011-49913(P2011-49913)
(22)【出願日】2011年3月8日
(65)【公開番号】特開2011-237164(P2011-237164A)
(43)【公開日】2011年11月24日
【審査請求日】2014年3月4日
(31)【優先権主張番号】特願2010-94804(P2010-94804)
(32)【優先日】2010年4月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】512025676
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 新吾
(72)【発明者】
【氏名】鴇崎 和美
(72)【発明者】
【氏名】瀬野 善彦
(72)【発明者】
【氏名】藤井 隆行
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−223422(JP,A)
【文献】 実開平03−031266(JP,U)
【文献】 実開平04−115255(JP,U)
【文献】 実開平02−127957(JP,U)
【文献】 特開2008−280544(JP,A)
【文献】 特開2002−277106(JP,A)
【文献】 米国特許第04977956(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 19/06
B60H 1/32
F28D 1/053
F28F 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで複数設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下側に位置する少なくとも1つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた残りの熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【請求項2】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【請求項3】
第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうちの上端の熱交換パスと、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管からなる熱交換パスとが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスであり、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうち上端の熱交換パスを除いた熱交換パスが、冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスである請求項2記載のコンデンサ。
【請求項4】
第1ヘッダタンクに少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクに少なくとも1つの熱交換パスを構成する第2熱交換管が接続されている請求項2または3記載のコンデンサ。
【請求項5】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、下端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【請求項6】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、上端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、上端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの上端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、下端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの上端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【請求項7】
すべての熱交換パスが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスである請求項5または6記載のコンデンサ。
【請求項8】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで複数設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下側に位置する少なくとも1つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた残りの熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ。
【請求項9】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ。
【請求項10】
第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうちの上端の熱交換パスと、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管からなる熱交換パスとが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスであり、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうち上端の熱交換パスを除いた熱交換パスが、冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスである請求項9記載のコンデンサ。
【請求項11】
第1ヘッダタンクに少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクに少なくとも1つの熱交換パスを構成する第2熱交換管が接続されている請求項9または10記載のコンデンサ。
【請求項12】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、下端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ。
【請求項13】
上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、上端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、上端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの上端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、下端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの上端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ。
【請求項14】
すべての熱交換パスが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスである請求項12または13記載のコンデンサ
【請求項15】
防食部材の下側の腕部に、上端の第1熱交換管の風上側または風下側の側縁部に係合する係合部が設けられている請求項8〜14のうちのいずれかに記載のコンデンサ
【請求項16】
第2ヘッダタンクの下端面に凹所が設けられ、防食部材の上側の腕部に前記凹所内に嵌る凸部が設けられている請求項8〜15のうちのいずれかに記載のコンデンサ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車に搭載される冷凍サイクルであるカーエアコンに好適に用いられるコンデンサに関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、「コンデンサ」という用語には、通常のコンデンサの他に凝縮部および過冷却部を有するサブクールコンデンサを含むものとする。
【0003】
また、この明細書および特許請求の範囲において、上下、左右は図1および図2の上下、左右をいうものとする。
【背景技術】
【0004】
たとえばカーエアコンのコンデンサとして、幅方向を通風方向に向けるとともに、上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の扁平状熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3つ設けられ、各熱交換パスを構成する全ての熱交換管の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管の冷媒流れ方向が異なっているコンデンサであって、左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、下端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが別個に設けられ、第2ヘッダタンクが第1ヘッダタンク上に配置され、第1ヘッダタンクの太さが第2ヘッダタンクの太さよりも極めて大きくなっているとともに、第1ヘッダタンク内に乾燥剤が配置され、これにより第1ヘッダタンクが重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める受液器としての機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1の熱交換管および第2ヘッダタンクに接続された第2の熱交換管の長さが等しくなっているとともに、第1熱交換管の第1ヘッダタンク側の端部および第2熱交換管の第2ヘッダタンク側の端部が同一垂直線上に位置し、すべての熱交換パスが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているコンデンサが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1記載のコンデンサにおいて、第1ヘッダタンク内での気液分離を効果的に行うには、第1ヘッダタンクの内容積を第2ヘッダタンクに比べてかなり大きくする必要があるので、第1ヘッダタンクの太さが第2ヘッダタンクの太さに比較してかなり大きくなっており、コンデンサを配置するために大きなスペースが必要になるという問題がある。
【0006】
また、通常、コンデンサの近傍には、他の機器が配置されるが、特許文献1記載のコンデンサによれば、第1ヘッダタンクが他の機器の邪魔になる。たとえば、カーエアコン用のコンデンサの通風方向下流側にはラジエータが配置されることが一般的であるが、特許文献1記載のコンデンサによれば、第1ヘッダタンクがラジエータ設置の邪魔になり、エンジンルーム内で無駄なスペースが生じ、省スペース化を図ることができない。しかも、第1ヘッダタンクのほぼ全長にわたって熱交換管が接続されているので、気液分離性能が十分ではないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平3−31266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の目的は、上記問題を解決し、特許文献1記載のコンデンサに比較して設置スペースを小さくすることができるとともに、第2ヘッダタンクの直下に位置する上端の第1熱交換管の耐食性を向上しうるコンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0010】
1)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで複数設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下側に位置する少なくとも1つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた残りの熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【0011】
上記1)のコンデンサにおいて、第1ヘッダタンクおよび第2ヘッダタンクに、それぞれ1つの熱交換パスを構成する熱交換管が接続されることがある。
【0012】
2)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【0013】
3)第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうちの上端の熱交換パスと、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管からなる熱交換パスとが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスであり、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうち上端の熱交換パスを除いた熱交換パスが、冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスである上記2)記載のコンデンサ。
【0014】
4)第1ヘッダタンクに少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクに少なくとも1つの熱交換パスを構成する第2熱交換管が接続されている上記2)または3)記載のコンデンサ。
【0015】
5)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、下端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【0016】
6)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、上端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、上端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの上端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、下端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの上端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有しているコンデンサ。
【0017】
7)すべての熱交換パスが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスである上記5)または6)記載のコンデンサ。
【0018】
8)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで複数設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下側に位置する少なくとも1つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた残りの熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ
【0019】
9)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで3以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ。
【0020】
10)第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうちの上端の熱交換パスと、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管からなる熱交換パスとが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスであり、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスのうち上端の熱交換パスを除いた熱交換パスが、冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスである上記9)記載のコンデンサ。
【0021】
11)第1ヘッダタンクに少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1熱交換管が接続され、第2ヘッダタンクに少なくとも1つの熱交換パスを構成する第2熱交換管が接続されている上記9)または10)記載のコンデンサ。
【0022】
12)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、下端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ。
【0023】
13)上下方向に間隔をおいて並列状に配置された左右方向にのびる複数の熱交換管と、熱交換管の左右両端部が接続された上下方向にのびるヘッダタンクと、上下方向に隣り合う熱交換管どうしの間に配置されて熱交換管にろう付されたフィンとを備え、上下に連続して並んだ複数の熱交換管からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられているコンデンサであって、
左右いずれか一端部側に、上端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、上端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの上端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有し、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、下端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの上端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されており、防食部材が、円弧状部および円弧状部の両側に連なった腕部よりなる略V字状の板ばねからなり、防食部材が、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されているコンデンサ。
【0024】
14)すべての熱交換パスが、冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスである上記12)または13)記載のコンデンサ
【0025】
15)防食部材の下側の腕部に、上端の第1熱交換管の風上側または風下側の側縁部に係合する係合部が設けられている上記8)〜14)のうちのいずれかに記載のコンデンサ。
【0026】
16)第2ヘッダタンクの下端面に凹所が設けられ、防食部材の上側の腕部に前記凹所内に嵌る凸部が設けられている上記8)〜15)のうちのいずれかに記載のコンデンサ。
【発明の効果】
【0027】
上記1)のコンデンサによれば、左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有しているので、第1ヘッダタンクの上端を、たとえば第2ヘッダタンクの上端近傍まで上方に延ばすことによって、特許文献1記載のコンデンサに比べて、第1ヘッダタンクの太さを第2ヘッダタンクの太さよりも大きくすることなく、第1ヘッダタンクの内容積を、気液分離を効果的に行いうる大きさにすることができる。したがって、コンデンサを配置するためのスペースを、特許文献1記載のコンデンサに比べて小さくすることができる。その結果、省スペース化を図ることが可能になる。また、第1ヘッダタンクにおける熱交換管が接続された部分よりも上方に比較的大きな空間が存在するので、重力による気液分離効果が優れたものになる。
【0028】
上記2)〜4)のコンデンサによれば、左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有しているので、第1ヘッダタンクの上端を、たとえば第2ヘッダタンクの上端近傍まで上方に延ばすことによって、特許文献1記載のコンデンサに比べて、第1ヘッダタンクの太さを第2ヘッダタンクの太さよりも大きくすることなく、第1ヘッダタンクの内容積を、気液分離を効果的に行いうる大きさにすることができる。したがって、コンデンサを配置するためのスペースを、特許文献1記載のコンデンサに比べて小さくすることができる。その結果、省スペース化を図ることが可能になる。また、第1ヘッダタンクにおける熱交換管が接続された部分よりも上方に比較的大きな空間が存在するので、重力による気液分離効果が優れたものになる。
【0029】
上記1)〜4)のコンデンサによれば、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されているので、第1ヘッダタンクに接続された全第1熱交換管のうちの上端に位置する第1熱交換管への孔食の発生、および当該孔食に起因する冷媒の洩れが防止される。
【0030】
すなわち、通常、コンデンサの熱交換管への孔食の発生、および当該孔食に起因する冷媒の洩れは、熱交換管の外周面に亜鉛などからなる犠牲腐食層を形成することや、フィンを熱交換管における犠牲腐食層を除いた芯部に対して犠牲的に腐食される材料で形成することによって防止されている。しかしながら、左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管からなる熱交換パスよりも上方に設けられた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置し、第1ヘッダタンクに接続された第1の熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2の熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられていると、第1ヘッダタンクに接続された全第1熱交換管のうちの上端に位置する第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間には隙間が形成されることになる。この場合、当該隙間は比較的大きくなるとともに、当該隙間にはフィンは存在しないので、当該隙間に熱交換管の腐食を促進させる物質が比較的多く溜まり、この腐食促進物質によって全第1熱交換管のうちの上端に位置する第1熱交換管に孔食が発生するとともに当該孔食に起因する冷媒の洩れが発生するおそれがある。
【0031】
これに対し、上端の第1熱交換管と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されていると、防食部材が上端の第1熱交換管に対して犠牲的に腐食されることになり、第1熱交換管への孔食の発生および第1熱交換管からの冷媒の洩れが防止される。
【0032】
上記3)のコンデンサによれば、下端に位置する冷媒凝縮パスを構成する複数の第1熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離するので、圧力降下の発生を抑制して液相冷媒の再気化を防止することができる。
【0033】
また、上記3)のコンデンサによれば、下端に位置する冷媒凝縮パスを構成する複数の熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離するので、第1ヘッダタンク内で気液分離を効率良く行うことができる。すなわち、冷媒凝縮パスを構成する複数の第1熱交換管のうちの上側の第1熱交換管内には気相成分の多い気液混相冷媒が流れ、同じく下側の第1熱交換管内には液相成分の多い気液混相冷媒が流れるが、これらの気液混相冷媒が混じり合うことなく第1ヘッダタンク内に流入するので、気液分離を効率良く行うことができる。
【0034】
上記5)のコンデンサによれば、左右いずれか一端部側に、下端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、下端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの上端が第2ヘッダタンクの下端よりも上方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有しているので、第1ヘッダタンクの上端を、たとえば第2ヘッダタンクの上端近傍まで上方に延ばすことによって、特許文献1記載のコンデンサに比べて、第1ヘッダタンクの太さを第2ヘッダタンクの太さよりも大きくすることなく、第1ヘッダタンクの内容積を、気液分離を効果的に行いうる大きさにすることができる。したがって、コンデンサを配置するためのスペースを、特許文献1記載のコンデンサに比べて小さくすることができる。さらに、第1ヘッダタンクにおける熱交換管が接続された部分よりも上方に空間が存在するので、重力による気液分離効果が優れたものになる。
【0035】
また、下端に位置する熱交換パスを構成する複数の第1熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離するので、第1ヘッダタンク内で気液分離を効率良く行うことができる。すなわち、下端の熱交換パスを構成する複数の第1熱交換管のうちの上側の第1熱交換管内には気相成分の多い気液混相冷媒が流れ、同じく下側の第1熱交換管内には液相成分の多い気液混相冷媒が流れるが、これらの気液混相冷媒が混じり合うことなく第1ヘッダタンク内に流入するので、気液分離を効率良く行うことができる。
【0036】
さらに、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、隣り合う第1熱交換管の突出部間にフィンが配置され、下端の第1熱交換管と、第2ヘッダタンクの上端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されているので、上記1)および2)のコンデンサの場合と同様にして、第1ヘッダタンクに接続された全第1熱交換管のうちの上端に位置する第1熱交換管への孔食の発生、および当該孔食に起因する冷媒の洩れが防止される。
【0037】
上記6)のコンデンサによれば、左右いずれか一端部側に、上端の熱交換パスを構成する第1の熱交換管が接続される第1ヘッダタンクと、上端の熱交換パスを除いた熱交換パスを構成する第2の熱交換管が接続される第2ヘッダタンクとが設けられ、第1ヘッダタンクが、第2ヘッダタンクよりも左右方向外側に配置されるとともに、第1ヘッダタンクの下端が第2ヘッダタンクの上端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンクが気液を分離して液を溜める機能を有しているので、第1ヘッダタンクの下端を、たとえば第2ヘッダタンクの下端近傍まで下方に延ばすことによって、特許文献1記載のコンデンサに比べて、第1ヘッダタンクの太さを第2ヘッダタンクの太さよりも大きくすることなく、第1ヘッダタンクの内容積を、気液分離を効果的に行いうる大きさにすることができる。したがって、コンデンサを配置するためのスペースを、特許文献1記載のコンデンサに比べて小さくすることができる。
【0038】
また、上端に位置する熱交換パスを構成する複数の第1熱交換管から第1ヘッダタンク内に冷媒が流入し、第1ヘッダタンク内で気液を分離することになり、第1ヘッダタンク内で気液分離を効率良く行うことができる。すなわち、上端の熱交換パスを構成する複数の第1熱交換管のうちの上側の第1熱交換管内には気相成分の多い気液混相冷媒が流れ、同じく下側の第1熱交換管内には液相成分の多い気液混相冷媒が流れるが、これらの気液混相冷媒が混じり合うことなく第1ヘッダタンク内に流入するので、気液分離を効率良く行うことができる。
【0039】
さらに、第1ヘッダタンクに接続された第1熱交換管における第1ヘッダタンク側の部分に、第2ヘッダタンクに接続された第2熱交換管における第2ヘッダタンク側の端部よりも左右方向外側に突出した突出部が設けられ、隣り合う第1熱交換管の突出部間にフィンが配置され、下端の第1熱交換管と、第2ヘッダタンクの上端との間の隙間内に、第1熱交換管に対する犠牲腐食機能を有する防食部材が配置されているので、上記1)および2)のコンデンサの場合と同様にして、第1ヘッダタンクに接続された全第1熱交換管のうちの下端に位置する第1熱交換管への孔食の発生、および当該孔食に起因する冷媒の洩れが防止される
【0040】
上記1)〜6)のコンデンサによれば、防食部材が、1枚の板を曲げることにより形成されており、通風方向にのびかつ両端が開口した空間部を有するので、コンデンサの製造の際に、防食部材を若干上下方向に圧縮するように変形させた状態で、第1熱交換管の突出部と第2ヘッダタンクとの間に配置させておくことが可能になり、その結果炉中ろう付時の防食部材の脱落を防止することができる。
【0041】
上記8)〜13)のコンデンサによれば、次の効果を奏する。すなわち、コンデンサは、すべての部品を一括してろう付することにより製造されるが、防食部材が略V字状の板ばねからなるとともに、両腕部が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管の突出部と、第2ヘッダタンクの下端との間の隙間内に配置されていると、コンデンサを製造する際の炉中でのろう付時に、防食部材の脱落が防止される。
【0042】
上記15)のコンデンサによれば、コンデンサを構成する各部品をろう付前に組み立てる際に、防食部材の第1熱交換管に対する位置決めを行うことができる。
【0043】
上記16)のコンデンサによれば、防食部材の第2ヘッダタンクに対する位置決めを行うことができるとともに、コンデンサを製造する際の炉中でのろう付時の防食部材の脱落が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】この発明によるコンデンサの第1の実施形態の全体構成を具体的に示す正面図である。
図2図1のコンデンサを模式的に示す正面図である。
図3図1の部分拡大図である。
図4図1のコンデンサに用いられている防食部材を示す斜視図である。
図5】防食部材の第1の変形例を示す斜視図である。
図6】防食部材の第2の変形例を示す斜視図である。
図7】防食部材の第3の変形例を示す斜視図である。
図8】防食部材の第4の変形例を示す図3相当の図である。
図9】防食部材の第5の変形例を示す斜視図である。
図10図9の防食部材を第1熱交換管と第2ヘッダタンクとの間に配置する際の状態を示す斜視図である。
図11図9の防食部材を備えたコンデンサの図3相当の図である。
図12図11のA−A線断面図である。
図13】この発明によるコンデンサの第2の実施形態を模式的に示す正面図である。
図14】この発明によるコンデンサの第3の実施形態を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0046】
以下の説明において、通風方向下流側(図1の紙面裏側)を前、これと反対側を後というものとする。
【0047】
また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0048】
さらに、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0049】
図1はこの発明によるコンデンサの全体構成を具体的に示し、図2はこの発明によるコンデンサを模式的に示す。図2においては、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。また、図3および図4図1のコンデンサの要部の構成を示す。
【0050】
図1および図2において、コンデンサ(1)は、幅方向を前後方向に向けるとともに長さ方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(2A)(2B)と、熱交換管(2A)(2B)の左右両端部がろう付により接続された上下方向にのびる3つのアルミニウム製ヘッダタンク(3)(4)(5)と、隣り合う熱交換管(2A)(2B)どうしの間および上下両端の外側に配置されて熱交換管(2A)(2B)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(6A)(6B)と、上下両端のコルゲートフィン(6A)(6B)の外側に配置されてコルゲートフィン(6A)(6B)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(7)とを備えており、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)が上下に並んで3以上、ここでは4つ設けられている。4つの熱交換パスを、上から順に第1〜第4熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)(P3)(P4)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0051】
コンデンサ(1)の左端側には、下端の熱交換パスを含みかつ連続して並んだ少なくとも2つの熱交換パス、ここでは第3および第4熱交換パス(P3)(P4)を構成する熱交換管(2A)がろう付により接続された第1ヘッダタンク(3)と、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)を構成する熱交換管(2B)がろう付により接続された第2ヘッダタンク(4)とが別個に設けられている。ここで、第1ヘッダタンク(3)に接続された熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第2ヘッダタンク(4)に接続された熱交換管(2B)が第2熱交換管である。第1および第2熱交換管(2A)(2B)の外周面には、亜鉛などからなる犠牲腐食層が形成されている。また、隣り合う第1熱交換管(2A)どうしの間、および下端の第1熱交換管(2A)と下側サイドプレート(7)との間に配置されたコルゲートフィン(6A)を第1コルゲートフィンといい、隣り合う第2熱交換管(2B)どうしの間、上端の第1熱交換管(2A)と下端の第2熱交換管(2B)との間、および上端の第2熱交換管(2B)と上側サイドプレート(7)との間に配置されたコルゲートフィン(6B)を第2コルゲートフィンというものとする。第1および第2コルゲートフィン(6A)(6B)は、第1および第2熱交換管(2A)(2B)における犠牲腐食層を除いた芯部に対して犠牲的に腐食される材料で形成されている。
【0052】
第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)との前後方向の寸法はほぼ等しくなっているが、水平断面積は第1ヘッダタンク(3)の方が第2ヘッダタンク(4)よりも大きくなっている。第1ヘッダタンク(3)は第2ヘッダタンク(4)よりも左方(左右方向外側)に配置されており、第1ヘッダタンク(3)の左右方向の中心が第2ヘッダタンク(4)の左右方向の中心よりも左右方向外側に位置している。したがって、第1ヘッダタンク(3)と第2ヘッダタンク(4)とは、平面から見て重なることなくずれている。また、第1ヘッダタンク(3)の上端は第2ヘッダタンク(4)の下端よりも上方、ここでは第2ヘッダタンク(4)の上端とほぼ同一高さ位置にあり、第1ヘッダタンク(3)が、重力を利用して気液を分離しかつ液を溜める受液部としての機能を有している。すなわち、第1ヘッダタンク(3)の内容積は、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒が重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まるとともに、気液混相冷媒のうちの気相成分が重力により第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まり、これにより第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内には液相主体混相冷媒のみが流入するような内容積となっている。
【0053】
コンデンサ(1)の右端部側には、第1〜第4熱交換パス(P1)〜(P4)を構成するすべての熱交換管(2A)(2B)が接続される第3ヘッダタンク(5)が配置されている。第3ヘッダタンク(5)の横断面形状は第2ヘッダタンク(4)と同一である。第3ヘッダタンク(5)内は、第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置、および第3熱交換パス(P3)と第4熱交換パス(P4)との間の高さ位置にそれぞれ設けられたアルミニウム製仕切板(8)(9)により上側ヘッダ部(11)と、中間ヘッダ部(12)と、下側ヘッダ部(13)とに区画されている。第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)にそれぞれ接続され、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)の左端部は第2ヘッダタンク(4)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)にそれぞれ接続され、第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)にそれぞれ接続され、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)の左端部は第1ヘッダタンク(3)に、同右端部は第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)にそれぞれ接続されている。
【0054】
そして、第2ヘッダタンク(4)、第1ヘッダタンク(3)における第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)および中間ヘッダ部(12)、ならびに第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)により冷媒を凝縮させる凝縮部(1A)が形成され、第1ヘッダタンク(3)における第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)が接続された部分、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)および第4熱交換パス(P4)により冷媒を過冷却する過冷却部(1B)が形成され、第1〜第3熱交換パス(P1)〜(P3)が冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっているとともに、第4熱交換パス(P4)が冷媒を過冷却する冷媒過冷却パスとなっている。
【0055】
凝縮部(1A)を構成する第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)に冷媒入口(14)が形成され、過冷却部(1B)を構成する第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)に冷媒出口(15)が形成されている。そして、第3ヘッダタンク(5)に、冷媒入口(14)に通じる冷媒入口部材(16)および冷媒出口(15)に通じる冷媒出口部材(17)が接合されている。
【0056】
図3に示すように、第1ヘッダタンク(3)に接続された第1熱交換管(2A)の左側部分(第1ヘッダタンク(3)側の部分)に、第2ヘッダタンク(4)に接続された第2熱交換管(2B)の左端部(第2ヘッダタンク(4)部側端部)よりも左方に突出した突出部(2a)が設けられている。全第1熱交換管(2A)のうちの上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と、第2ヘッダタンク(4)の下端との間には隙間(18)が存在している。また、第1コルゲートフィン(6A)の左側部分に、第2コルゲートフィン(6B)の左端部よりも左方に突出した突出部(6a)が設けられており、第1コルゲートフィン(6A)の突出部(6a)が隣り合う第1熱交換管(2A)の突出部(2a)間に配置されて突出部(2a)にろう付されている。
【0057】
全第1熱交換管(2A)のうちの上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と、第2ヘッダタンク(4)の下端との間の隙間(18)内に、第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する防食部材(19)が配置されている。図4に示すように、防食部材(19)は、通風方向にのびる波頂部(19a)、通風方向にのびる波底部(19b)および波頂部(19a)と波底部(19b)とを連結する連結部(19c)よりなるコルゲート状であり、第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する材料、ここでは第1熱交換管(2A)における犠牲腐食層を除いた芯部に対して犠牲的に腐食される材料で形成されている。防食部材(19)の波頂部(19a)および波底部(19b)は丸みを帯びており、波頂部(19a)が第2ヘッダタンク(4)の下端に、波底部(19b)が第1熱交換管(2A)の突出部(2a)にそれぞれろう付されている。
【0058】
コンデンサ(1)は、すべての部品を一括してろう付することにより製造される。コンデンサ(1)の製造の際には、防食部材(19)が若干上下方向に圧縮するように変形させられた状態で、第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と第2ヘッダタンク(4)の下端との間に配置され、その結果炉中ろう付時の防食部材(19)の脱落が防止される。
【0059】
コンデンサ(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0060】
上述した構成のコンデンサ(1)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材(16)および冷媒入口(14)を通って第3ヘッダタンク(5)の上側ヘッダ部(11)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を左方に流れる間に凝縮させられて第2ヘッダタンク(4)内に流入する。第2ヘッダタンク(4)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)の中間ヘッダ部(12)内に流入した冷媒は第3熱交換パス(P3)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0061】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入る。
【0062】
第4熱交換パス(P4)の第1熱交換管(2A)内に入った液相主体混相冷媒は第1熱交換管(2A)内を右方に流れる間に過冷却された後、第3ヘッダタンク(5)の下側ヘッダ部(13)内に入り、冷媒出口(15)および冷媒出口部材(17)を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0063】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0064】
図5図12は防食部材の変形例を示す。
【0065】
図5に示す防食部材(20)は、通風方向にのびる波頂部(20a)、通風方向にのびる波底部(20b)および波頂部(20a)と波底部(20b)とを連結する連結部(20c)よりなるコルゲート状であり、第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する材料で形成されている。防食部材(20)の波頂部(20a)は上方に向かって尖っており、同じく波底部(20b)は下方に向かって尖っており、波頂部(20a)が第2ヘッダタンク(4)の下端に、波底部(20b)が第1熱交換管(2A)の突出部(2a)にそれぞれろう付される。
【0066】
図6に示す防食部材(25)は、通風方向にのびかつ両端が開口した横断面略L字状の2つの空間部(26)を有しており、第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する材料で形成されている。防食部材(25)は、1枚の板を曲げることにより形成されており、両空間部(26)に共通する上壁(26a)が第2ヘッダタンク(4)の下端に、各空間部(26)の下壁(26b)が第1熱交換管(2A)の突出部(2a)にそれぞれろう付される。
【0067】
図7に示す防食部材(30)は、通風方向にのびかつ両端が開口した横断面略だ円形の2つの空間部(31)を有しており、第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する材料で形成されている。防食部材(30)は、1枚の板を曲げることにより形成されており、各空間部(31)の周壁(31a)の上部が第2ヘッダタンク(4)の下端に、各空間部(31)の周壁(31a)の下部が第1熱交換管(2A)の突出部(2a)にそれぞれろう付される。
【0068】
図8に示す防食部材(35)は、通風方向にのびる波頂部(35a)、通風方向にのびる波底部(35b)および波頂部(35a)と波底部(35b)とを連結する連結部(35c)よりなるコルゲート状であり、上端の第1熱交換管(2A)と、下端の第2熱交換管(2B)との間に配置された第2コルゲートフィン(6B)と一体に設けられている。すなわち、当該第2コルゲートフィン(6B)の左端部を左方に引っ張って延ばし、第2コルゲートフィン(6B)の隣接する波頂部間および同波底部間のピッチを大きくするとともにフィン高さを低くすることにより形成されている。防食部材(35)の波頂部(35a)が第2ヘッダタンク(4)の下端に、波底部(35b)が第1熱交換管(2A)の突出部(2a)にそれぞれろう付される。
【0069】
図5図8に示す防食部材(20)(25)(30)(35)の場合にも、コンデンサ(1)の製造の際には、若干上下方向に圧縮するように変形させられた状態で、第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と第2ヘッダタンク(4)の下端との間に配置され、その結果炉中ろう付時の防食部材(20)(25)(30)(35)の脱落が防止される。
【0070】
図9に示す防食部材(60)は、円弧状部(61)および円弧状部(61)の上下両側に連なった腕部(62)(63)よりなる略V字状の板ばねからなり、第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する材料で形成されている。防食部材(60)の下側の腕部(63)に、防食部材(60)を上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と第2ヘッダタンク(4)の下端との間に配置した際に、上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)の風上側または風下側の側縁部、ここでは風下側縁部(前側縁部)に係合する係合部(64)が下方突出状に一体に設けられている。
【0071】
防食部材(60)の上側腕部(62)に、防食部材(60)を上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と第2ヘッダタンク(4)の下端との間に配置した際に、第2ヘッダタンク(4)の下端面に設けられた凹所(4a)内嵌る凸部(65)が上方突出状に設けられている。また、防食部材(60)の下側腕部(63)に、下方に突出しかつ突出端面が平坦面となった凸部(66)が設けられている。
【0072】
コンデンサ(1)の製造の際には、図10に示すように、防食部材(60)は、円弧状部(61)を後方に向けるとともに両腕部(62)(63)が互いに接近するように弾性変形させられた状態で、上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と第2ヘッダタンク(4)の下端との間に前方から挿入され、係合部(64)が上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)の前側縁部に係合させられる。なお、弾性変形させないで、図9に示す状態のままで、上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と第2ヘッダタンク(4)との間に前方から挿入されてもよい。このとき、図11および図12に示すように、上側腕部(62)の凸部(65)が、第2ヘッダタンク(4)の下端面に設けられた凹所(4a)内に嵌り、さらに上側腕部(62)が第2ヘッダタンク(4)の下端面における凹所(65)の周りの部分に接触するとともに、下側腕部(63)の凸部(66)の突出端面が第1熱交換管(2A)の突出部(2a)の上端面に接触し、防食部材(60)が第1熱交換管(2A)と第2ヘッダタンク(4)との間に突っ張った状態で仮止めされる。その結果、炉中ろう付時の防食部材(60)の脱落が防止される。
【0073】
この状態で、上側腕部(62)が第2ヘッダタンク(4)にろう付されるとともに、下側腕部(63)の凸部(66)が第1熱交換管(2A)にろう付されている。
【0074】
図13および図14はこの発明によるコンデンサの他の実施形態を示す。なお、図13および図14はコンデンサを模式的に示すものであり、個々の熱交換管の図示は省略されるとともに、コルゲートフィン、サイドプレート、冷媒入口部材および冷媒出口部材の図示も省略されている。
【0075】
図13に示すコンデンサ(40)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)が上下に並んで2つ設けられている。2つの熱交換パスを、上から順に第1〜第2熱交換パス(P1)(P2)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0076】
第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。したがって、第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0077】
そして、第1〜第3ヘッダタンク(3)〜(5)、ならびに第1および第2熱交換パス(P1)(P2)により冷媒を凝縮させる凝縮部(40A)が形成され、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)、すなわちすべての熱交換パスが冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっている。
【0078】
凝縮部(40A)を構成する第2ヘッダタンク(4)の上端部に冷媒入口(41)が形成され、第1ヘッダタンク(3)の下端部に冷媒出口(42)が形成されている。そして、第1ヘッダタンク(5)に冷媒入口(41)に通じる冷媒入口部材(図示略)が接合され、同じく第1ヘッダタンク(3)に冷媒出口(42)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0079】
図13に示すコンデンサ(40)において、上端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と、第2ヘッダタンク(4)の下端との間の隙間(18)内に、図4図12のうちのいずれかに示す構成を有し、かつ第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する防食部材(図示略)が配置されている。
【0080】
その他の構成は図1図3に示すコンデンサと同様である。
【0081】
図13に示すコンデンサ(40)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(41)を通って第2ヘッダタンク(4)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。
【0082】
第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、冷媒出口(42)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0083】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0084】
図14に示すコンデンサ(50)の場合、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(2A)(2B)からなる熱交換パス(P1)(P2)が上下に並んで2つ設けられている。2つの熱交換パスを、下から順に第1〜第2熱交換パス(P1)(P2)というものとする。各熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(2A)(2B)の冷媒流れ方向が異なっている。
【0085】
第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)の左右両端部は、第2ヘッダタンク(4)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)の左右両端部は、第1ヘッダタンク(3)および第3ヘッダタンク(5)にろう付により接続されている。したがって、第2熱交換パス(P2)を構成する熱交換管(2A)が第1熱交換管であり、第1熱交換パス(P1)を構成する熱交換管(2B)が第2熱交換管である。
【0086】
第2ヘッダタンク(4)の左方に配置された第1ヘッダタンク(3)の下端は第2ヘッダタンク(4)の上端よりも下方に位置しており、第1ヘッダタンク(3)が気液分離機能を有している。
【0087】
そして、第1〜第3ヘッダタンク(3)〜(5)、ならびに第1および第2熱交換パス(P1)(P2)により冷媒を凝縮させる凝縮部(50A)が形成され、第1および第2熱交換パス(P1)(P2)、すなわちすべての熱交換パスが冷媒を凝縮させる冷媒凝縮パスとなっている。
【0088】
凝縮部(50A)を構成する第2ヘッダタンク(4)の下端部に冷媒入口(51)が形成され、第1ヘッダタンク(3)の下端部に冷媒出口(52)が形成されている。そして、第2ヘッダタンク(4)に冷媒入口(51)に通じる冷媒入口部材(図示略)が接合され、同じく第1ヘッダタンク(3)に冷媒出口(52)に通じる冷媒出口部材(図示略)が接合されている。
【0089】
図14に示すコンデンサ(50)において、下端の第1熱交換管(2A)の突出部(2a)と、第2ヘッダタンク(4)の上端との間の隙間(53)内に、図4図12のうちのいずれかに示す構成を有し、かつ第1熱交換管(2A)に対する犠牲腐食機能を有する防食部材(図示略)が配置されている。
【0090】
その他の構成は図1図3に示すコンデンサと同様である。
【0091】
図14に示すコンデンサ(50)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材および冷媒入口(51)を通って第2ヘッダタンク(4)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の第2熱交換管(2B)内を右方に流れる間に凝縮させられて第3ヘッダタンク(5)内に流入する。第3ヘッダタンク(5)内に流入した冷媒は、第2熱交換パス(P2)の第1熱交換管(2A)内を左方に流れる間に凝縮させられて第1ヘッダタンク(3)内に流入する。第1ヘッダタンク(3)内に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により第1ヘッダタンク(3)内の下部に溜まり、冷媒出口(52)および冷媒出口部材を通って流出し、膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0092】
一方、第1ヘッダタンク(3)内に流入した気液混相冷媒のうちの気相成分は、第1ヘッダタンク(3)内の上部に溜まる。
【0093】
なお、図13および図14に示すコンデンサ(40)(50)において、第2ヘッダタンク(4)と第3ヘッダタンク(5)との間に、上下に連続して並んだ複数の第2熱交換管(2B)からなる熱交換パスが上下に並んで2以上設けられていてもよい。第2ヘッダタンク(4)と第3ヘッダタンク(5)との間に偶数の熱交換パスが設けられる場合には、第3ヘッダタンク(5)の下端部に冷媒入口が形成されるとともに、第2ヘッダタンク(4)内および第3ヘッダタンク(5)内に適当な数のヘッダ部が設けられる。また、第2ヘッダタンク(4)と第3ヘッダタンク(5)との間に奇数の熱交換パスが設けられる場合には、第2ヘッダタンク(4)の下端部に冷媒入口が形成されるとともに、第2ヘッダタンク(4)内および第3ヘッダタンク(5)内に適当な数のヘッダ部が設けられる。
【0094】
なお、上述した全てのコンデンサ(1)(40)(50)において、第1ヘッダタンク(3)内に、乾燥剤、気液分離部材およびフィルタのうちの少なくともいずれか1つが配置されることがある。
【産業上の利用可能性】
【0095】
この発明によるコンデンサは、自動車に搭載されるカーエアコンに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0096】
(1)(40)(50):コンデンサ
(1A)(40A)(50A):凝縮部
(1B):過冷却部
(2A):第1熱交換管
(2a):突出部
(2B):第2熱交換管
(3):第1ヘッダタンク
(4):第2ヘッダタンク
(4a):凹所
(5):第3ヘッダタンク
(6A):第1コルゲートフィン
(6B):第2コルゲートフィン
(6a):突出部
(18):隙間
(19)(20)(25)(30)(35)(60):防食部材
(61):円弧状部
(62)(63):腕部
(64):係合部
(65):凸部
(P1):第1熱交換パス
(P2):第2熱交換パス
(P3):第3熱交換パス
(P4):第4熱交換パス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14