【実施例】
【0210】
本発明の内容は下記の各例においてさらに説明するが、それらは本発明の範囲を制限するものではない。
【0211】
[実施例1]
1−(2−クロロエチル)ピロール(PyCl)で準リビングPIBをその場でクエンチすることによる単官能一級塩化末端PIBの合成
以下の操作を、乾燥窒素雰囲気下、−70℃に設定され恒温に制御されたヘキサン/ヘプタン冷浴を取り付けたグローブボックス内で実施した。テフロンで裏打ちされたキャップを取り付けた75mLの培養管中に、10mL(−70℃)のCH
3Cl、15mL(−70℃)のn−ヘキサン、および0.029mL(室温、0.027g、0.25ミリモル)の2,6−ルチジンを加えた。この混合物を−70℃に冷却し、次に6.67mL(−70℃、4.7g、83ミリモル)のIBを反応器に加えた。周期的に渦を巻くように攪拌しながら10分間で平衡に達した後、0.605mL(室温、0.53g、3.6ミリモル)のTMPClを反応器に移した。周期的に渦を巻くように攪拌しながら5分間で平衡に達した後、1.175mL(2.03g、10.7ミリモル)のTiCl
4を反応器に移し、重合を開始した。初期の試薬濃度は、以下のように定めた:
[TMPCl]=0.11M;
[IB]=2.5M;
[26Lut]=7.5×10
−3M;
[TiCl
4]=0.32M。
【0212】
この重合は、40分間進行させた。次に、0.82mL(0.93g、7.2ミリモル)(2×TMPCl)の1−(2−クロロエチル)ピロール(PyCl)(TCIから商業的に入手、CaH
2で吸引蒸留したもの)を、60/40のHex/MeCl中の溶液として重合系に加えた。PyClは準リビング連鎖末端と、60分間反応させた。反応は5mLの予め冷蔵しておいたメタノールを加えてクエンチし、引き続き、ポリマーを一度にメタノール中に投下して過剰のPyClを除去した。
【0213】
その結果として生じたポリマーの
1H NMR分析は、定量的な末端官能基化および少量の2−PIB−1−(2−クロロエチル)ピロールを伴う主に3−PIB−1−(2−クロロエチル)ピロールの生成を示した。三級塩化末端基の定量的変換は、1.96ppmおよび1.68ppmにおける特徴的ピークの消失によって示された。等しい面積からなる二つの三重項が、3.70および4.11ppmを中心に出現した。これらは3−PIB異性体の塩素および窒素原子に、それぞれ結合しているメチレン基を表している。2−PIB異性体について有意に弱いが、類似のシグナルが3.72および4.27を中心として観察された。6.05、6.41、および6.59ppmを中心とする新たな三つの多重項は、3−PIB異性体の三個のピロール環のプロトンに割り当てられ;5.90、6.35および6.51ppmを中心とする三個の有意に弱い多重項は、2−PIB異性体のピロール環のプロトンに割り当てられた。1.65および1.73ppmにおけるピークは、それぞれ3−および2−PIB異性体におけるPIB鎖の最も遠いメチレン単位に割り当てられた。
【0214】
[実施例2]
1−(2−ブロモエチル)ピロール(PyBr)で準リビングPIBをその場でクエンチする反応による単官能一級臭化末端PIBの合成
以下の操作を、乾燥窒素雰囲気下、−70℃に設定され恒温に制御されたヘキサン/ヘプタン冷浴を取り付けたグローブボックス内で実施した。テフロンで裏打ちされたキャップを取り付けた75mLの培養管中に、10mL(−70℃)のCH
3Cl、15mL(−70℃)のn−ヘキサン、および0.029mL(室温、0.027g、0.25ミリモル)の2,6−ルチジンを加えた。この混合物を−70℃に冷却し、次に6.67mL(−70℃、4.7g、83ミリモル)のIBを反応器に加えた。10分間で平衡に達した後、周期的に渦を巻くように攪拌しながら、0.605mL(室温、0.53g、3.6ミリモル)のTMPClを反応器に移した。周期的に渦を巻くように攪拌しながら5分間で平衡に達した後、1.175mL(2.03g、10.7ミリモル)のTiCl
4を反応器に移し、重合を開始した。初期の試薬濃度は以下のように定めた:
[TMPCl]=0.11M;
[IB]=2.6M;
[26Lut]=7.4×10
−3M;
[TiCl
4]=0.32M。
【0215】
重合は、30分間進行させた。次に、0.89mL(1.3g、7.4ミリモル)(2×TMPCl)の1−(2−ブロモエチル)ピロール(PyBr)(TCIから商業的に入手、CaH
2で吸引蒸留したもの)を、60/40のHex/MeCl中の溶液として重合系に加えた。PyBrは準リビング連鎖末端と、60分間反応させた。反応は5mLの予め冷蔵しておいたメタノールを加えてクエンチし、引き続き、ポリマーを一度にメタノール中に投下して過剰のPyBrを除去した.
【0216】
上記の操作の結果として生じたポリマーの
1H NMR分析は、定量的な末端官能基化および少量の2−PIB−1−(2−ブロモエチル)ピロールを伴う主に3−PIB−1−(2−ブロモエチル)ピロールの生成を示した。三級塩化末端基の定量的変換は、1.96ppmおよび1.68ppmにおける特徴的ピークの消失によって示された。等しい面積からなる二つの三重項が、3.52および4.19ppmを中心に出現した。これらは3−PIB異性体の臭素および窒素原子に、それぞれ結合しているメチレン基を表している。2−PIB異性体についてメチレンのシグナルは、上記実施例1における一級塩化機能的ポリマーと比較すると、ここでは比較的強く現れた。これは、PyBrに関するEAS反応が、PyClクエンチャーに関する場合と比較して、3位への指向がより弱い可能性があることを示唆している。2−PIB異性体に関して、窒素に隣接するメチレンのプロトンは4.31を中心に出現し、一方、臭素に隣接するものは、3−PIB異性体のものに、ほぼ完全に巻き込まれている。ピロール環のプロトンおよびPIBの最も遠いメチレンのプロトンに関するシグナルは、実施例1においてPyClクエンチャーで得られた生成物について観察されたものと実質的に同じパターンを示した。
【0217】
[実施例3]
1−(2−クロロエチル)ピロールで準リビングPIBをその場でクエンチする反応による単官能一級塩化末端PIBの合成
TMPClを開始剤とするIBの準リビング重合を、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、100mLのCH
3Cl、150mLのn−ヘキサン、および0.116mL(0.107g、3.7×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡にさせ、次に16.1mL(11.2g、0.74M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡に到達した後、1.26mL(1.10g、0.027M)のTMPClを反応器に加えた。重合を開始させるため、2.45mL(4.24g、0.083M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は10分間進行させ、次に1.72mLのPyCl(1.94g、15.0ミリモル)を10mLのヘキサン/CH
3Cl(60/40、v/v、70℃)中に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyClの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyCl]=0.053M;
[CE]=0.026M;
[TiCl
4]=0.079M。
【0218】
PyClを、リビング連鎖末端と20分間反応させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、回転式蒸発器で濃縮した。ポリマーを、最後に室温で吸引乾燥した。
【0219】
図1は、準リビングPIBおよび1−(2−クロロエチル)ピロールの反応生成物の
1H NMRスペクトルを示す。スペクトルは、求電子性の芳香族置換による定量的な末端官能基化を示す。定量的置換は、1.96ppm(PIB−CH
2−C(CH
3)
2−ClのCH
2のH)および1.68ppm(PIB−CH
2−C(CH
3)
2−ClのCH
3のH)におけるPIB三級塩化末端基を伴う共鳴の欠如によって示される。ピロール環の3位における置換の結果である生成物(多い方の異性体)によって、1.65、3.69、4.11、6.05、6.40、および6.56ppmにおいて、新たな共鳴の組み合わせが出現している。2位における置換(少ない方の異性体)も、1.73、3.73、4.27、5.90、6.07、および6.59ppmにおける共鳴によって現れている。
【0220】
図2は、生成物の
13C NMRスペクトルを示す。末端基の官能基化は、
図2に示されるピークの指定によって指摘されている通り、71.9および35.2ppmにおける共鳴であって、それぞれ末端三級塩化物基に隣接する四級および対をなすジメチルが結合した炭素を表すものの消失、並びにスペクトルの芳香族および脂肪族の双方の領域における新たなピークの出現により確認された。
【0221】
PyClを用いるクエンチング反応を20分間実施したが、完全な官能基化のために実際に必要な時間は3.5分未満である。
図3は、PIB三級塩化物基による共鳴が、3.5分後に完全に消失していることを示している。
【0222】
エンドキャップする前後においてPIBについてのGPCのトレースは実質的に同じであって、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないことを示していた(
図4)。
【0223】
[実施例4]
1−(2−ブロモエチル)ピロールで準リビングPIBをその場でクエンチすることによる単官能一級臭化末端PIBの合成
TMPClを開始剤とするIBの準リビング重合を、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、72mLのCH
3Cl、108mLのn−ヘキサン、および0.116mL(0.107g、5.1×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に9.60mL(6.70g、0.62M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、1.26mL(1.10g、0.038M)のTMPClを反応器に加えた。重合を開始させるため、2.44mL(4.22g、0.115M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は10分間進行させ、次に1.852mLのPyBr(2.70g、15.5ミリモル)を10mLのヘキサン/CH
3Cl(60/40、v/v、70℃)中に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyBrの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyBr]=0.076M;
[CE]=0.036M;
[TiCl
4]=0.108M。
【0224】
PyBrは、リビング連鎖末端と20分間反応させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、回転式蒸発器で濃縮した。ポリマーを、最後に室温で吸引乾燥した。
【0225】
図5は、準リビングPIBおよび1−(2−ブロモエチル)ピロールの反応生成物の
1H NMRスペクトルを示す。スペクトルは、求電子性の芳香族置換による定量的な末端官能基化を示す。定量的置換は、1.96ppm(PIB−CH
2−C(CH
3)
2−ClのCH
2のH)および1.68ppm(PIB−CH
2−C(CH
3)
2−ClのCH
3のH)におけるPIB三級塩化末端基を伴う共鳴の欠如によって示される。ピロール環の3位における置換の結果である生成物(多い方の異性体)によって、1.65、3.53、4.18、6.05、6.40、および6.56ppmにおいて、新たな共鳴の組み合わせが出現している。2位における置換(少ない方の異性体)も、1.73、3.58、4.31、5.90、6.07、および6.59ppmにおける共鳴によって現れている。
【0226】
図6は、生成物の
13C NMRスペクトルを示す。末端基の官能基化は、
図6に示されるピークの指定によって指摘されている通り、71.9および35.2ppmにおける共鳴であって、それぞれ末端三級塩化物基に隣接する四級および対をなすジメチルが結合した炭素を表すものの消失、およびスペクトルの芳香族および脂肪族の双方の領域における新たなピークの出現によって確認された。
【0227】
PyBrを用いるキャッピング反応を20分間実施したが、完全な官能基化のために実際に必要である時間は3.0分未満である。
図7は、PIB三級塩化物基による共鳴が、3.0分後に完全に消失していることを示している。
【0228】
エンドキャップする前後においてPIBについてのGPCのトレースは実質的に同じであって、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないことを示していた(
図8)。
【0229】
[実施例5]
bDCCで開始された準リビングPIBを1−(2−クロロエチル)ピロールでその場でクエンチすることによる二官能一級塩化末端PIBの合成
t−Bu−m−DCCを開始剤とするIBの準リビング重合を、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、72mLのCH
3Cl、108mLのn−ヘキサン、および0.116mL(0.107g、5.3×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に5.7mL(4.0g、0.38M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、0.7182g(0.013)のbDCCを反応器に加えた。重合を開始させるため、1.64mL(2.84g、0.080M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は26分間進行させ、次に1.157mLのPyCl(1.31g、10.1ミリモル)を10mLのヘキサン/CH
3Cl(60/40、v/v、70℃)中に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyClの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyCl]=0.051M;
[CE]=0.025M;
[TiCl
4]=0.075M。
【0230】
PyClを、30分間リビング連鎖末端と反応させた。最後に、予め冷蔵しておいたメタノールを加えて反応をクエンチした。引き続き、過剰の1−(2−クロロエチル)ピロールを除去するため、ポリマーを一度にメタノール中に投下した。
【0231】
図9は、二官能準リビングPIBおよび1−(2−クロロエチル)ピロールの反応生成物の
1H NMRスペクトルを示す。ピロール部分の連鎖末端への付加は、1.96ppmおよび1.68ppmにおけるPIB三級塩化末端基を伴う共鳴の欠如によって示される。ピロール環の3位における置換の結果である生成物(多い方の異性体)によって、1.65、3.69、4.11、6.05、6.40、および6.56ppmにおいて、新たな共鳴の組み合わせが出現している。2位における置換(少ない方の異性体)も、1.73、3.73、4.27、5.90、6.07、および6.59ppmにおける共鳴によって、現れている。
【0232】
最終的なPIBのSEC分析により、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないこと(
図10)を確認した。
【0233】
bDCCからの芳香族開始剤残基は、
1H NMRによる末端基の官能基化の定量のため内部参照を提供した。このように様々な末端基の共鳴領域が集積され、
図9における芳香族プロトン(m)を集積した領域と比較した。第1表に示されるように、それらの結果は、実質的に連鎖末端の定量的官能基化を示していた。例えば、塩化物基(g+a)およびピロール環の窒素(h+b)に隣接するメチレンのプロトンの集積は、百分率で101%の末端基の官能基化を明らかにした。様々なピロール環の水素原子の集積は、90〜92%の末端基の官能基化を明らかにした。bプロトン(3異性体の−CH
2−CH
2−ClのClに結合しているCH
2のH)の集積は、3異性体の画分[b/(h+b)]を0.73として明らかにし;同様に、3異性体のH2プロトン(e)の集積は、3異性体の画分[e/(k+e)]を0.73として明らかにした。
【0234】
【表1】
【0235】
[実施例6]
bDCCで開始された準リビングPIBを1−(2−ブロモエチル)ピロールでその場でクエンチすることによる二官能一級臭化末端PIBの合成
bDCCを開始剤とするIBの準リビング重合は、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、72mLのCH
3Cl、108mLのn−ヘキサン、および0.116mL(0.107g、5.3×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に5.7mL(4.0g、0.38M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、0.718g(0.013M)のbDCCを反応器に加えた。重合を開始させるため、1.64mL(2.84g、0.080M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は26分間進行させ、次に1.24mLのPyBr(1.81g、10.4ミリモル)を10mLのヘキサン/CH
3Cl(60/40、v/v、70℃)中に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyBrの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyBr]=0.052M;
[CE]=0.025M;
[TiCl
4]=0.075M。
【0236】
PyBrは、30分間リビング連鎖末端と反応させた。最後に、予め冷蔵しておいたメタノールを加えて反応をクエンチした。引き続き、過剰の1−(2−ブロモエチル)ピロールを除去するため、ポリマーを一度にメタノール中にて沈澱させた。
【0237】
図11は、二官能準リビングPIBおよび1−(2−ブロモエチル)ピロールの反応生成物の
1H NMRスペクトルを示す。ピロール部分の連鎖末端への付加は、1.96ppmおよび1.68ppmにおけるPIB三級塩化末端基を伴う共鳴の欠如によって示される。ピロール環の3位における置換の結果である生成物(多い方の異性体)によって、1.65、3.53、4.18、6.05、6.40、および6.56ppmにおいて、新たな共鳴の組み合わせが出現している。2位における置換(少ない方の異性体)も、1.73、3.58、4.31、5.90、6.07、および6.59ppmにおける共鳴によって、現れている。
【0238】
最終的なPIBのSEC分析により、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないこと(
図12)を確認した。
【0239】
bDCCからの芳香族開始剤残基は、
1H NMRによる末端基の官能基化の定量のため内部参照を提供した。このように様々な末端基の共鳴領域が集積され、
図11における芳香族プロトン(m)の集積した領域と比較した。第2表に示されているように、それらの結果、実質的に連鎖末端の定量的官能基化を示していた。例えば、臭化物基(h+b)およびピロール環の窒素(g+a)に隣接するメチレンのプロトンの集積は、百分率で101%の末端基の官能基化を明らかにした。様々なピロール環の水素原子の集積は、90〜93%の末端基の官能基化を明らかにした。bプロトン(3異性体の−CH
2−CH
2−ClのClに結合しているCH
2のH)の集積は、3異性体の画分[b/(h+b)]を0.73として明らかにし;同様に、3異性体(e)のH2プロトンの集積は、3異性体の画分[e/(k+e)]を0.72として明らかにした。
【0240】
【表2】
【0241】
[実施例7]
1−(2−ブロモエチル)ピロールで準リビングPIBをその場でクエンチすることによる単官能一級臭化末端PIBの規模拡大
TMPClを開始剤とするIBの準リビング重合を、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、680mLのCH
3Cl、1020mLのn−ヘキサン、および0.667mL(0.614g、3.2×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に96mL(67g、0.66M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、4.95mL(4.33g、0.016M)のTMPClを反応器に加えた。重合を開始させるため、9.58mL(16.6g、0.048M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は25分間進行させ、次に7.24mLのPyBr(10.6g、60.7ミリモル)を15mLのヘキサンおよび10mLのCH
3Clの混合物中に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyBrの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyBr]=0.033M;
[CE]=0.016M;
[TiCl
4]=0.047M。
【0242】
PyBrは、30分間リビング連鎖末端と反応させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、その結果得られた溶液を分離用漏斗中メタノールで洗浄した。次に、ポリマーを一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。膨潤した沈澱物をヘキサン中に再溶解させ、その結果得られた溶液を分離漏斗中、水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。乾燥した溶液は、シリカゲルのカラムに通した。ポリマーから、回転式蒸発器を用いる蒸留および室温の吸引オーブン中における仕上げの吸引乾燥によって、ヘキサンを除去した。
【0243】
その結果として生じたポリマーの
1H NMR分析は、定量的な末端官能基化および少量の2−PIB−1−(2−ブロモエチル)ピロールを伴う主に3−PIB−1−(2−ブロモエチル)ピロールの生成を示した。
【0244】
最終的な生成物のGPC分析から、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないことを確認した。
【0245】
[実施例8]
1−(3−ブロモプロピル)ピロール(PyBrP)で準リビングPIBをその場でクエンチすることによる単官能一級臭化末端PIBの合成
N−(3−ブロモプロピル)ピロール(PyBrP)は、DMSO中、1,3−ジブロモプロパンによるピロリルナトリウム塩のN−アルキル化によって合成し、分留によって精製した。
【0246】
TMPClを開始剤とするIBの準リビング重合を、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、108mLのCH
3Cl、72mLのn−ヘキサン、および0.07mL(64mg、3.1×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に9.6mL(6.7g、0.62M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、1.26mL(1.10g、0.038M)のTMPClを反応器に加えた。重合を開始させるため、2.44mL(4.22g、0.12M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は10分間進行させ、次に2.00mLのPyBrP(2.72g、14.5ミリモル)を15mLのヘキサンおよび10mLのCH
3Clの混合物中に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyBrPの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyBrP]=0.066M;
[CE]=0.034M;
[TiCl
4]=0.101M。
【0247】
PyBrPは、リビング連鎖末端と60分間反応させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、回転式蒸発器で濃縮した。ポリマーを、最後に室温で吸引乾燥した。
【0248】
その結果として生じたポリマーの
1H NMR分析は、定量的な末端官能基化および少量の2−PIB−1−(3−ブロモプロピル)ピロールを伴う主に3−PIB−1−(3−ブロモプロピル)ピロールの生成を示した。三級塩化末端基の定量的変換は、1.96ppmおよび1.68ppmにおける特徴的ピークの消失によって示された。3−PIB異性体のトリメチレン鎖のメチレン単位を表す等しい面積からなる三個の多重項は、3.29(三重項、−CH
2−CH
2−CH
2−BrのBrに結合しているCH
2のH)、2.21(多重項、−CH
2−CH
2−CH
2−Brの中間のCH
2のH)、および3.99ppm(三重項、−CH
2−CH
2−CH
2−BrのBrから最も遠いCH
2のH)を中心に観察された。2−PIB異性体に関して、より弱い類似のシグナルが3.50、2.35、および4.13ppmを中心に観察された。3−PIB異性体のピロール環のプロトンは多重項として6.02、6.38、および6.55ppmで観察され、2−PIB異性体のものは5.88、6.05および6.59ppmで観察された。1.65および1.73ppmにおける一重項は、それぞれ、3−および2−PIB異性体におけるPIB鎖の最も遠いメチレン単位に割り当てられた。
【0249】
クエンチングを60分間実施したが、様々な時間において反応器から採取された部分標本のNMR分析は、3分間で定量的クエンチングが完了していたことを示した(
図13)。
【0250】
最終的なポリマーのGPC分析は、カップリング生成物の証拠を示さなかった。
【0251】
[実施例9]
1−(3−ブロモプロピル)ピロールで準リビングPIBをその場でクエンチすることによる二官能一級臭化末端PIBの合成
N−(3−ブロモプロピル)ピロール(PyBrP)は、DMSO中、1,3−ジブロモプロパンによるピロリルナトリウム塩のN−アルキル化によって合成し、分留によって精製した。
【0252】
bDCCを開始剤とするIBの準リビング重合は、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに108mLのCH
3Cl、72mLのn−ヘキサン、および0.07mL(64mg、3.2×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に5.4mL(3.8g、0.36M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、0.7182g(0.013M)のbDCCを反応器に加えた。重合を開始させるため、1.64mL(2.84g、0.080M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は15分間進行させ、次に1.38mLのPyBrP(1.88g、10.0ミリモル)を15mLのヘキサンおよび10mLのCH
3Clの混合物に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyBrPの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyBrP]=0.047M;
[CE]=0.023M;
[TiCl
4]=0.070M。
【0253】
PyBrPは、30分間リビング連鎖末端と反応させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、回転式蒸発器で濃縮した。ポリマーを、最後に室温で吸引乾燥した。
【0254】
図14は、二官能準リビングPIBおよび1−(3−ブロモプロピル)ピロールの反応生成物の
1H NMRスペクトルを示す。ピロール部分の連鎖末端への付加は、1.96ppmおよび1.68ppmにおけるPIB三級塩化末端基を伴う共鳴の欠如によって示される。ピロール環の3位における置換の結果である生成物(多い方の異性体)によって、1.65、2.21、3.29、3.99、6.02、6.38、および6.55ppmにおいて、新たな共鳴の組み合わせが出現している。2位における置換(少ない方の異性体)の結果である生成物は、1.73、2.35、3.50、4.13、5.88、6.05、および6.59ppmにおいて観察される。
【0255】
クエンチングを30分間実施したが、様々な時間において反応器から採取された部分標本のNMR分析は、3分間で定量的クエンチングが完了していたことを示した(
図15)。
【0256】
最終的なPIBのSEC分析により、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないことを確認した。
【0257】
[実施例10]
1−(2−ブロモエチル)ピロールで準リビングPIBをその場でクエンチすることによる二官能一級臭化末端PIBの規模拡大
bDCCを開始剤とするIBの準リビング重合は、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、680mLのCH
3Cl、1020mLのn−ヘキサン、および0.667mL(0.614g、3.2×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に85.95mL(60.0g、0.59M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、7.494g(0.013M)のbDCCを反応器に加えた。重合を開始させるため、17.16mL(29.7g、0.086M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は55分間進行させ、次に12.97mLのPyBr(18.9g、109ミリモル)を15mLのヘキサンおよび10mLのCH
3Clの混合物に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyBrの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyBr]=0.059M;
[CE]=0.028M;
[TiCl
4]=0.085M。
【0258】
PyBrは、60分間リビング連鎖末端と反応させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、その結果得られた溶液を分離漏斗中、メタノールで洗浄した。次に、ポリマーを一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。膨潤した沈澱物をヘキサン中に再溶解させ、その結果得られた溶液を分離漏斗中、水で洗浄しMgSO
4で乾燥した。乾燥した溶液を、シリカゲルのカラムに通した。回転式蒸発器を用いる蒸留でポリマーからヘキサンを除去し、最終的に室温で吸引オーブン中、吸引乾燥した。
【0259】
生成物の
1H NMRスペクトルは、
図11に類似していた。ピークの集積を分析した結果(第3表)は、連鎖末端の定量的官能基化を示した。臭化物基(h+b)およびピロール環の窒素(g+a)に隣接するメチレンのプロトンの集積は、百分率で107〜108%の末端基の官能基化を明らかにした。様々なピロール環の水素原子の集積は、96〜98%の末端基の官能基化を明らかにした。bプロトン(3異性体の−CH
2−CH
2−BrのBrに結合しているCH
2のH)の集積は、3異性体の画分[b/(h+b)]を0.73として明らかにし;同様に、3異性体(e)のH2プロトンの集積は、3異性体の画分[e/(k+e)]を0.70として明らかにした。
【0260】
【表3】
【0261】
[実施例11]
TiCl
4の存在下で単官能三級塩化末端PIBと1−(2−ブロモエチル)ピロールとの反応による単官能一級臭化末端PIBの合成
単官能三級塩化末端PIBを、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で製造した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、654.5mLのCH
3Clおよび0.58mL(0.53g、6.2×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に97.15mL(67.81g、1.51M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、6.12mL(5.35g、0.045M)のTMPClを反応器に加えた。重合を開始させるため、41.63mL(63.69g、0.680M)のBCl
3を反応器に加えた。反応は、7時間進行させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、回転式蒸発器で濃縮した。ポリマーを、最後に室温で吸引乾燥した。精製したポリマーのSEC分析は、Mn=1985g/モルを明らかにした。
【0262】
上記のように予め生成しておいた三級塩化末端PIBは、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン冷浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で、−70℃において1−(2−ブロモエチル)ピロールでクエンチした。テフロンで裏打ちされたキャップを取り付けた75mLの培養管中に、2.0gの三級塩化末端PIB(Mn=1985g/モル、0.037M)、10mLのCH
3Cl、および15mLのn−ヘキサンを加えた。混合物を−70℃まで冷却し、周期的に渦を巻くように攪拌して均一にした。次に、0.33mL(0.57g、0.110M)のTiCl
4を反応器に加え、引き続き0.25mLのPyBr(0.37g、2.1ミリモル)を6mLのヘキサンおよび4mLのCH
3Clの混合物に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyBrの溶液を重合系に加えた。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyBr]=0.056M;
[CE]=0.027M;
[TiCl
4]=0.080M。
【0263】
PyBrは10分間リビング連鎖末端と反応させ、その時点で予め冷蔵しておいたメタノールを加えて反応をクエンチした。引き続き、CH
3Clを蒸発させ;ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に過剰のPyBrを除くため一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を回転式蒸発器で濃縮し、最後にポリマーを室温で吸引乾燥した。
【0264】
その結果として生じたポリマーの
1H NMR分析は、定量的な末端官能基化および少量の2−PIB−1−(2−ブロモエチル)ピロールを伴う主に3−PIB−1−(2−ブロモエチル)ピロールの生成を示した。定量的官能基化は、1.96ppmおよび1.68ppmにおける三級塩化ピークの完全な消失および3.52および4.19ppmを中心として、3−PIB異性体の臭素および窒素原子に、それぞれ結合しているメチレン基を表す等しい面積からなる二つの三重項の出現によって示された。2−PIB異性体についても、3.58および4.31ppmを中心とするメチレンのシグナルが出現した。ピロール環のプロトンおよびPIBの最も遠いメチレンのプロトンに関するシグナルが存在し、上記のこれまでの実施例におけるPyBrクエンチャーで得られた生成物について観察されたものと同じパターンが示された。オレフィンは、検出されなかった。
【0265】
[実施例12]
重合後の一級塩化末端PIBとアジ化ナトリウムとの反応による一級アジド末端PIBの合成
以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で、単官能一級塩化末端PIBを製造した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、340mLのCH
3Cl、510mLのn−ヘキサン、および0.33mL(0.30g、3.1×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に47.5mL(33.2g、0.65M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、2.47mL(2.16g、0.016M)のTMPClを反応器に加えた。重合を開始させるため、4.79mL(8.28g、0.048M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は34分間進行させ、次に3.77mLのPyCl(4.26g、32.9ミリモル)を25mLのヘキサン/CH
3Cl(60/40、v/v、−70℃)に溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyClの溶液を重合系に加えた。PyClを、30分間リビング連鎖末端と反応させた。最後に過剰量の予め冷蔵しておいたメタノールを加えて、反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、回転式蒸発器で濃縮した。ポリマーを、最後に室温で吸引乾燥した。精製したポリマーのSEC分析は、Mn=2660g/モルを明らかにした。
【0266】
上記のように予め生成しておいた一級塩化末端PIB(2および3異性体の混合物)は、以下の操作に従い、乾燥窒素雰囲気下、フラスコ中でアジ化ナトリウムと反応させた。1−(2−クロロエチル)ピロール−PIB(Mn=2660g/モル、10g、3.76ミリモル)をフラスコ中で22.1mLの乾燥ヘプタンに溶解し、次に22.1mLの乾燥DMF中のアジ化ナトリウム(0.729g、11.21ミリモル)を加えた。得られた二相混合物を攪拌し、90℃まで加熱し、反応を24時間進行させた。反応の過程において、当初の二相混合物が単相になった。反応の最後で、冷却することにより、二相混合物が再び観察され、ヘプタンおよびDMFの層が分離した。ヘプタン相はメタノールで洗浄し、メタノール中に沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め、メタノール中に再び沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶媒させることにより再び集め、溶液を回転式蒸発器で濃縮し、ポリマーを最後に室温で吸引乾燥した。
【0267】
図16は、結果として生じたポリマーの
1H NMRスペクトルを割り当てられたピークと共に示す。アジドの添加は、3.69(3−PIB−Py−CH
2−CH
2−ClのClに結合しているCH
2のH)、3.73(2−PIB−Py−CH
2−CH
2−ClのClに結合しているCH
2)、4.11(3−PIB−Py−CH
2−CH
2−ClのClに結合していないCH
2のH)、および4.27ppm(2−PIB−Py−CH
2−CH
2−ClのClに結合していないCH
2)におけるピークの消失と、3.52および3.95ppm(3異性体、相対的に多い)、並びに3.64および4.13ppm(2異性体、相対的に少ない)における連鎖末端の1−(2−アジドエチル)ピロール部分の存在による新たなピークの出現とによって示された。
【0268】
[実施例13]
1−(2−シアノエチル)ピロール(PyCN)で準リビングPIBをその場でクエンチすることによる単官能一級シアン化末端PIBの合成
TMPClを開始剤とするIBの準リビング重合を、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、99.6mLのCH
3Cl、66.4mLのn−ヘキサン、および0.062mL(0.058g、0.54ミリモル)の2,6−ルチジンを加え、次に混合物を−70℃まで平衡させた。11.3mL(7.87g、140.4ミリモル)のIBを反応器に加えた。10分間の攪拌後、0.61mL(0.53g、3.6ミリモル)のTMPClを反応器に移した。5分間の攪拌後、0.32mL(0.55g、2.91ミリモル)のTiCl
4を針で反応器に移した。反応は40分間進行させ、次に1.23mLのPyCN(1.29g、10.7ミリモル)を10mLのヘキサンおよび15mLのCH
3Clの混合物に分散して製造し、予め冷蔵しておいたPyCNのスラリーを加え、引き続き1.65mL(1.29g、10.7ミリモル)のTiCl
4を追加した。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyCN]=0.052M;
[CE]=0.017M;
[TiCl
4]=0.087M。
【0269】
PyCNは、40分間リビング連鎖末端と反応させた。最後に、予め冷蔵しておいたメタノールを加えて反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め、溶液を回転式蒸発器で濃縮し、ポリマーを最後に室温で吸引乾燥した。
【0270】
図17は、様々な時間において反応器から採取された部分標本の部分的
1H NMRスペクトルを示す。1−(2−シアノエチル)ピロールによるクエンチングの進行は、メチルプロトン(1.68ppm)および準リビングPIB前駆体の末端三級塩化物基に隣接するメチレンのプロトン(1.96ppm)の消失によって観察することができる。官能基化は、20分以内で完了した。
【0271】
[実施例14]
1−(2−シアノエチル)ピロールで準リビングPIBをその場でクエンチすることによる二官能一級シアン化末端PIBの合成
bDCCを開始剤とするIBの準リビング重合は、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機、赤外線プローブ、および熱電対を取り付けた丸底フラスコに、99.6mLのCH
3Cl、66.4mLのn−ヘキサン、および0.062mL(0.057g、3.0×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物を−70℃まで平衡させ、次に11.3mL(7.89g、0.79M)のIBを反応器に加えた。熱的な平衡後、0.517g(1.80ミリモル)のbDCCを反応器に加えた。重合を開始させるため、0.32mL(0.55g、0.016M)のTiCl
4を反応器に加えた。反応は49分間進行させた。次に、1.23mL(1.29g、10.7ミリモル)のPyCNを10mLのヘキサンおよび15mLのCH
3Clの混合物に分散して製造し、予め冷蔵しておいたPyCNのスラリーを加え、引き続き1.65mL(2.85g、15.0ミリモル)のTiCl
4を追加した。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyCN]=0.052M;
[CE]=0.017M;
[TiCl
4]=0.087M。
【0272】
PyCNは、5時間リビング連鎖末端と反応させた。最後に、予め冷蔵しておいたメタノールを加えて反応をクエンチした。引き続き、ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め、溶液を回転式蒸発器で濃縮し、ポリマーを最後に室温で吸引乾燥した。
【0273】
図18は、結果として生じたポリマーの
1H NMRスペクトルをピークの割り当てと共に示す。キャッピング剤の添加は、1.96ppm(−−PIB−CH
2−C(CH
3)
2−ClのCH
2)および1.68ppm(−−PIB−CH
2−C(CH
3)
2−ClのCH
3)におけるピークの消失と、1.66、2.72、4.11、6.07、6.40、および6.57ppm(3異性体、相対的に多い)並びに1.71、2.80、4.29、5.90、6.10、および6.60ppm(2異性体、相対的に少ない)における連鎖末端の1−(2−シアノエチル)ピロール部分の存在による新たなピークの出現とによって示された。
【0274】
図19は、様々な時間において反応器から採取された部分標本の部分的
1H NMRスペクトルを示す。1−(2−シアノエチル)ピロールによるクエンチングの進行は、メチルプロトン(1.68ppm)および準リビングPIB前駆体の末端三級塩化物基に隣接するメチレンのプロトン(1.96ppm)の消失によって観察することができる。官能基化は20分以内で完了した。
【0275】
エンドキャップする前後において、PIBについてのGPCのトレースは実質的に同じであって、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないことを示していた(
図20)。
【0276】
bDCCからの芳香族開始剤残基は、
1H NMRによる末端基の官能基化の定量のため内部参照を提供した。このように様々な末端基の共鳴領域が集積され、
図18において芳香族プロトン(m)の集積した領域と比較した。第4表に示されるように、それらの結果は、実質的に連鎖末端の定量的官能基化を示していた。例えば、シアノ基(h+b)およびピロール環の窒素(g+a)に隣接するメチレンのプロトンの集積は、百分率で103および104%の末端基の官能基化を明らかにした。様々なピロール環の水素原子の集積は、96%の末端基の官能基化を明らかにした。bプロトン(3異性体の−CH
2−CH
2−CNのシアノ基に結合しているCH
2のH)の集積は3異性体の画分[b/(h+b)]を0.71として明らかにし;同様に、3異性体のH2プロトン(e)の集積は、3異性体の画分[e/(k+e)]を0.70として明らかにした。
【0277】
【表4】
【0278】
[実施例15]
TiCl
4の存在下でジ三級塩化末端PIBと1−(2−アジドエチル)ピロールとの反応による二官能一級アジド末端PIBの合成
50/50(v/v)ヘプタン/ジメチルホルムアミド混合物中、90℃で24時間、過剰量のNaN
3を1−(2−ブロモエチル)ピロールと反応させることにより1−(2−アジドエチル)ピロールを製造した。
【0279】
以下の操作を、乾燥窒素雰囲気下、−70℃に設定され恒温に制御されたヘキサン/ヘプタン冷浴を取り付けたグローブボックス内で実施した。テフロンで裏打ちされたキャップを取り付けた75mLの培養管中に、0.53gの予め生成しておいた二官能三級塩化末端PIB(Mn=2099g/モル、0.019Mのtert−Cl末端基)、10mLのCH
3Cl、15mLのn−ヘキサン、および0.008mL(0.007g、2.6×10
−3M)の2,6−ルチジンを加えた。混合物は−70℃まで冷却し、周期的に渦を巻くように攪拌して均一にした。次に、0.55mL(0.95g、0.192M)のTiCl
4を反応器に移し、引き続き、0.123g(1.0ミリモル)の1−(2−アジドエチル)ピロール(PyAz)を15mLのn−ヘキサンおよび10mLのCH
3Clに溶解して製造し、予め冷蔵しておいたPyAzの溶液を移した。クエンチングに関連する濃度は以下の通りであった:
[PyAz]=0.052M;
[CE]=0.010M;
[TiCl
4]=0.098M。
【0280】
PyAzは、10分間リビング連鎖末端と反応させ、その時点で予め冷蔵しておいたメタノールを加えて反応をクエンチした。引き続き、CH
3Clを蒸発させ;ポリマーをヘキサン中に溶解し、メタノールで洗浄し、次に過剰のPyAzを除くため一度にヘキサンからメタノール中に移して沈澱させた。沈殿物をヘキサン中に溶解させることにより集め;溶液を回転式蒸発器で濃縮し、ポリマーを最後に40℃で吸引乾燥した。
【0281】
図21は、結果として生じたポリマーの
1H NMRスペクトルをピークの割り当てと共に示す。キャッピング剤の添加は、1.96および1.68ppmにおける三級塩化ピークの消失と、1.67、3.52、3.95、6.07、6.40、および6.57ppm(3異性体、相対的に多い)並びに1.72、3.64、4.13、5.90、6.10、および6.60ppm(2異性体、相対的に少ない)における連鎖末端の1−(2−アジドエチル)ピロール部分の存在による新たなピークの出現とによって示された。
【0282】
エンドキャップする前後においてPIBについてのGPCのトレースは実質的に同じであって、カップリング反応もしくはポリマーの劣化のいずれも存在しないことを示していた(
図22)。
【0283】
ピークの集積の分析(第5表)は、連鎖末端の高度な官能基化を示した。アジド基(h+b)およびピロール環の窒素(g+a)に隣接するメチレンのプロトンの集積は、百分率で末端基の官能基化が98〜99%であることを明らかにした。bプロトン(3異性体の−CH
2−CH
2−N
3のN
3に結合しているCH
2のH)の集積は、3異性体の画分[b/(h+b)]を0.62として明らかにし;同様に、3異性体のH2プロトン(e)の集積は、3異性体の画分[e/(k+e)]を0.61として明らかにした。アジド基を伴う官能基化は、混合エキソ/エンドオレフィンの存在によって完全には定量的ではなく、約1〜2%と推定された。
【0284】
【表5】
【0285】
[実施例16]
パラジウム触媒の存在下で実施例12の生成物(アジド末端PIB)を水素で還元することによるアミン末端PIBの合成
実施例12の生成物である1−(2−アジドエチル)ピロール−PIB(0.5g、0.2ミリモル)およびテトラヒドロフラン(60mL)から製造され、チャコール上の10%パラジウムを0.055g含む溶液を、パー(Parr)低圧水素化器で35psiにて19時間水素化した。混合物を窒素雰囲気下でセライトを通して濾過し、生成物を溶媒の回転蒸発により濃縮した。
【0286】
生成物である1−(2−アミノエチル)ピロール−PIBの
1H NMR分析は、19時間の還元期間後にアジドのアミンへの変換が完了したことを示した。エチレン結合におけるメチレンのプロトンを、反応における変換を確認するために採用した。アミン生成物において、ピロールに隣接するメチレンのプロトンは4.1(2異性体、相対的に少ない)および3.8(3異性体、相対的に多い)において観察され、アミン基に隣接するメチレンのプロトンは3.1(2異性体、相対的に少ない)および3.0(3異性体、相対的に多い)において観察された。アジド−PIBによる共鳴の残存は認められなかった。
【0287】
[実施例17]
ボランによる1−(2−シアノエチル)ピロール−PIBの還元によるアミン末端PIBの合成
1−(2−シアノエチル)ピロール−PIB(29.6g、11.9ミリモル)およびテトラヒドロフラン(90mL)から製造した溶液に、ボラン−ジメチルスルフィド(1.18mL、12.5ミリモルのボラン)の溶液をスポイトで滴下した。混合物を65℃で15時間攪拌し、次に室温まで放置して冷却した。4.0M水酸化ナトリウム(20mL)の溶液を、ゆっくり滴下する速さで、氷水浴で5℃まで冷蔵しておいた反応混合物に加えた。次に混合物を、65℃で12時間還流した。室温まで冷却してから、ヘキサンを加え、有機層を水および食塩水で洗浄(3×20mL)した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を除去して、最終生成物を得た(収量:22.2g)。
【0288】
生成物である1−(3−アミノプロピル)ピロール−PIBのプロトンNMR分析は、割り当てた反応時間後に、シアノ基のアミンへの変換が完了したことを示した。反応における変換は、反応物のエチレン鎖におけるメチレンのプロトンの消失および生成物の1,3−プロピレン鎖におけるメチレンのプロトンの出現を観察することによって確認した。アミン生成物において、ピロールに隣接するメチレンのプロトンは4.0(2異性体、相対的に少ない)および3.8ppm(3異性体、相対的に多い)において観察され、新たなアミン基に隣接するメチレンのプロトンは2.8(2異性体、相対的に少ない)および2.7ppm(3異性体、相対的に多い)において観察された。二つの異性体における中央のメチレン(1,3−プロピレン鎖の2位)のプロトンは、1.8および2.0間の化学的シフトを伴う多重項として観察された。シアノ−PIBに割り当てられた化学的シフトの残存は認められなかった。
【0289】
[実施例18]
実施例7の生成物(1−(2−ブロモエチル)ピロール−PIB)とアニリンとの反応による1−(2−アニリノエチル)ピロール−PIBの合成
実施例7の生成物である1−(2−ブロモエチル)ピロール−PIB(10.8g、4.5ミリモル)およびアニソール(60mL)から製造した溶液に、スポイトでアニリン(12.3mL、135.0ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.84mL、45ミリモル)を加えた。混合物を130℃で攪拌しながら、定期的に部分標本を取り出して反応の進行を調べた。44時間後に、アニリンによる臭化末端の置換が完了した。溶液を吸引により濃縮して、粗製物(11.64g)を得た。粗製物をヘキサン中に溶解し(125mL)、メタノール:水の50:50(v:v)溶液で洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、生成物を回転式蒸発器で濃縮した(収量:10.14g)。
【0290】
生成物である1−(2−アニリノエチル)ピロール−PIBのプロトンNMR分析は、44時間後に臭化物基のアミンへの変換が完了したことを示した。エチレン鎖におけるメチレンのプロトンを、反応における変換を確認するために採用した。生成物において、ピロールに隣接するメチレンのプロトンは4.2(2異性体、相対的に少ない)および4.05ppm(3異性体、相対的に多い)において観察され、アニリン部分に隣接するメチレンのプロトンは3.55(2異性体、相対的に少ない)および3.45ppm(3異性体、相対的に多い)において観察された。ブロモエチル−PIBによる共鳴の残存は認められなかった。
【0291】
[実施例19]
すす分散性の結果
すす分散性試験も、実施例17および18、並びに比較例Aについて異なる適用量で、すすの濃縮ベンチテストとして実施した。この試験の詳細は、米国特許第5716912号明細書に記載されており、その全ての内容は参照のため、この明細書の記載とする。すすの濃縮ベンチテストでは、均一に分散したカーボンブラックを導入する前後において、油の動粘度を測定する。知られているようにカーボンブラックが凝集するため、これにより一般に油の動粘度が増加する。カーボンブラックの凝集を防止するために有効な添加剤は、一般に良好なすすの分散性を示すであろう。従って、カーボンブラックの存在下で粘度の増加をより低くする添加剤は、カーボンブラックの存在下で粘度の増加をより高くする添加剤よりも、良好に機能することが予測される。表6は、すすの濃縮ベンチテストについて、それらの結果を列挙する;参考のため、添加剤を含まない基準油についての結果も表示する。
【0292】
【表6】
【0293】
すすの濃縮ベンチテストについての以上の結果は、実施例17および18のPIB−アミンの使用による粘度百分率の増加が、分散剤を全く含まずに処方された油(基準)における粘度百分率の増加よりも低かったことを示す。さらに、実施例17もしくは18のいずれかを含む油における粘度の増加は比較例Aのものよりも低く、実施例17および18がより良好な分散性を発揮することを示している。この試験は、実施例17および18のPIB−アミンが良好な分散性を有することを示す。
【0294】
本明細書に記載した発明的事項は特定の態様を参照して記述されているが、本発明は、当業者が添付の特許請求の範囲の真意および範囲を逸脱しない限り行うことができる様々な変更および置換を包含する。
【0295】
[比較例A]
準リビングPIBをN−メチルピロールでその場でクエンチすることによる単官能N−メチルピロール−PIBの合成
米国特許第6969744号明細書に記載の方法に従い、N−メチルピロールで停止させた単官能PIBを製造した。TMPClを開始剤とするIBの準リビング重合を、以下の操作に従い、一体化した低温保持ヘキサン/ヘプタン浴を取り付けた乾燥窒素雰囲気のグローブボックス中で実施した。機械式攪拌機および熱電対を取り付けた丸底フラスコに513.0mLのCH
3Cl、557.0mLのn−ヘキサン、および1.5mLの2,6−ルチジンを加え、次に混合物を−60℃まで平衡させた。212.7mL(2.6モル)のIBを反応器に加えた。10分間の攪拌後、9.43g(0.063モル)のTMPClを反応器に移した。5分間の攪拌後、4.87mL(0.044モル)のTiCl
4を反応器に移した。反応は66分間進行させ、その時点で溶液を2つの等しい容量の部分標本に分離した。8分(重合時間の合計で74分)後、4.2mL(0.048モル)のN−メチルピロール、次に8.7mL(0.079モル)のTiCl
4を部分標本の一つに加えた。この溶液を50分間反応させ、その時間が経過後、反応を45mLのメタノール(−60℃で平衡させた)で停止させた。溶液をグローブボックスから取り出し、揮発性成分を周囲の環境条件で蒸発させるために充分な時間、放置した。引き続き、PIB−ヘキサン溶液を希釈HCl溶液、次に脱イオン水で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥した。固形分を濾過し、PIBを回転式蒸発器で濃縮した。
【0296】
1H NMR分光分析は、全てのPIB連鎖末端がN−メチルピロール部分(2および3異性体の混合物)を伴う末端であることを示した。N−メチル置換基による共鳴の集積は、3:2異性体比が、おおよそ55:45であることを示した。