特許第5717725号(P5717725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5717725P2X7調節因子としての5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717725
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】P2X7調節因子としての5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20150423BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20150423BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   C07D487/04 144
   C07D487/04CSP
   A61K31/4985
   A61P25/04
   A61P29/00
   A61P25/28
   A61P25/08
   A61P29/00 101
   A61P19/02
   A61P25/16
   A61P25/14
【請求項の数】12
【全頁数】89
(21)【出願番号】特願2012-507731(P2012-507731)
(86)(22)【出願日】2010年4月28日
(65)【公表番号】特表2012-525351(P2012-525351A)
(43)【公表日】2012年10月22日
(86)【国際出願番号】EP2010055714
(87)【国際公開番号】WO2010125101
(87)【国際公開日】20101104
【審査請求日】2013年3月28日
(31)【優先権主張番号】0907515.1
(32)【優先日】2009年4月30日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】397009934
【氏名又は名称】グラクソ グループ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100143971
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド、ケネス、ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ、ムノス‐ムリエダス
(72)【発明者】
【氏名】マイリ、サイム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、グラハム、アンソニー、ステッドマン
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル、エリザベス、アン、シュウリス
(72)【発明者】
【氏名】ジャンカルロ、トラーニ
(72)【発明者】
【氏名】イアン、デイビッド、ウォール
(72)【発明者】
【氏名】ダリル、サイモン、ウォルター
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/125102(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/138351(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/138355(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/029035(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/00
A61K 31/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩:
【化1】
(式中、
Aは、水素、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルコキシC1〜4アルキル、C1〜2フルオロアルキル、ハロゲン、Het、またはフェニルであり、前記フェニルは独立してフッ素、塩素、C1〜3アルキルである1、2、または3の置換基により場合により置換されており、
Hetは
i)1、2、もしくは3の環窒素原子を含む6員複素芳香族単環、または
ii)NおよびSの環ヘテロ原子を含む5員複素芳香族単環
であり、
Hetは、独立してC1〜3アルキル、フッ素、または塩素である1つまたは2つの置換基により場合により置換されており、
は、水素、塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル、またはC1〜3アルキルであり、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、Cフルオロアルキル、またはC1〜3アルキルであり、
は、水素、フッ素、塩素、またはC1〜3アルキルであり、
は、水素であり、
は、水素、フッ素、塩素、またはメチルであり、
ここで、R1〜R5は2つ以上の置換基が水素でなく、
14は、水素、C1〜6アルキル、C1〜2フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキル、ハロゲン、またはフェニルであり、前記フェニルは、独立してフッ素、塩素、メチル、または−CFである1つまたは2つの置換基により場合により置換される)。
【請求項2】
Aが、水素、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜2フルオロアルキル、ハロゲン、Het、またはフェニルであり、前記フェニルは、独立してフッ素、塩素、またはC1〜3アルキルである1つ、2つ、または3つの置換基により場合により置換されており、
Hetが
i)1、2、もしくは3の環窒素原子を含む6員複素芳香族単環、または
ii)NおよびSである環ヘテロ原子を含む5員複素芳香族単環であり、
Hetは、独立してC1〜3アルキル、フッ素、または塩素である1つもしくは2つの置換基により場合により置換されており、ここで
が、水素、塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル、またはC1〜3アルキルであり、
が、水素、フッ素、塩素、臭素、Cフルオロアルキル、またはC1〜3アルキルであり、
が、水素、フッ素、または塩素であり、
が、水素であり、
が、水素、フッ素、塩素、またはメチルであり、ならびに
14が、水素、C1〜6アルキル、C1〜2フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキル、ハロゲン、またはフェニルであり、前記フェニルが、独立してフッ素、塩素、メチル、または−CFである1つまたは2つの置換基により場合により置換される、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項3】
Aが、臭素、ヨウ素、フェニル、4−フルオロフェニル、または4−ジフルオロフェニルであるか、またはAがHetであり、
Hetが、下記副式(a1)、(a2)、(a6)、(a7)、または(a8)の6員複素芳香族単環であるか:
【化2】
、あるいは
【化3】
の5員複素芳香族単環である、
請求項1または2に記載の化合物または塩。
【請求項4】
が塩素、フッ素、またはメチルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項5】
が水素、フッ素、塩素、−CF、またはメチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項6】
が水素である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項7】
が、塩素、フッ素、またはメチルであり、
が、水素、フッ素、塩素、−CF、またはメチルであり、
が、水素、フッ素、または塩素であり、ならびに
が、水素、フッ素、または塩素である、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩。
【請求項8】
14が水素、メチル、エチル、Cフルオロアルキル、またはハロゲンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物または塩。
【請求項9】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2−クロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(1,1−ジメチルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−フェニル−7−[(2,4,6−トリクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2,3−ジヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−ヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(3−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−(4−クロロフェニル)−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(5−フルオロ−2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−2−クロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
2−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
2,3−ジクロロ−7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(1,3−チアゾール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピリミジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(1,3−チアゾール−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−クロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−クロロ−7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
もしくは2,3−ジクロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンである、
請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項10】
疼痛、炎症、神経変性疾患、またはてんかん、および/または発作の治療または予防に用いるための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項11】
炎症性疼痛、神経因性疼痛、内臓痛、関節リウマチ、または骨関節炎の治療または予防に用いるための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項12】
アルツハイマー病、パーキンソン病(パーキンソン病における認知症を含む)、血管性認知症(多発脳梗塞性認知症を含む)、レヴィー小体認知症、ハンチントン舞踏病、または軽度認知機能障害(MCI)(加齢性記憶障害などの加齢性MCIを含む)を含む変性認知症の治療または予防に用いるための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2X7受容体機能を調節し、P2X7受容体にてATP作用と拮抗できる縮合二環誘導体、具体的には縮合イミダゾール誘導体(「P2X7受容体アンタゴニスト」);それらの調製のための加工;それらを含む医薬組成物;ならびに療法におけるかかる化合物の使用に関連する。
【背景技術】
【0002】
P2X7受容体はリガンド依存性イオンチャンネルであり、これは造血性分化系列細胞内、例えばマクロファージ、ミクログリア、肥満細胞、リンパ球(TおよびB)で発現し(例えば、Collo, et al. Neuropharmacology, Vol.36, pp1277−1283 (1997)を参照されたい)、細胞外ヌクレオチド、特にアデノシン三リン酸(ATP)により活性化している。P2X7受容体の活性化は巨細胞形成、脱顆粒、細胞溶解性細胞死、CD62L脱落、細胞増殖の制御、インターロイキン1β(IL−1β)(例えばFerrari, et al., J. Immunol., Vol.176, pp3877−3883 (2006)、インターロイキン18(IL−18)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)(例えばHide, et al. Journal of Neurochemistry, Vol.75, pp965−972 (2000)などの炎症性サイトカインの放出に関与している。P2X7受容体は抗原提示細胞、ケラチン生成細胞、耳下腺細胞、肝細胞、赤血球、赤白血病細胞、単球、線維芽細胞、骨髄細胞、ニューロン、および腎メサンギウム細胞上にも位置する。さらに、P2X7受容体は中枢神経系および末梢神経系における前シナプス末端により発現しており、グリア細胞内グルタメート放出を媒介することが示されている(Anderson, C. et al. Drug. Dev. Res., Vol.50, page 92 (2000)。
【0003】
免疫系の主細胞に対するP2X7受容体の局在化は、これらの細胞から重要な炎症メディエイターを放出する能力と併せて、疼痛および神経変性障害を含む広範囲の疾患治療におけるP2X7受容体アンタゴニストの潜在的役割を示唆する。最近の前臨床インビボ試験により、炎症と神経因性疼痛の両方においてP2X7受容体が直接示されており(Dell’Antonio et al., Neurosci. Lett., Vol.327, pp87−90 (2002),. Chessell, IP., et al., Pain, Vol.114, pp386−396 (2005), Honore et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., Vol.319, p1376−1385 (2006)、P2X7受容体はミクログリア細胞誘発性皮質ニューロン死を媒介するというインビトロ証拠がある(Skaper, S.D., et al., Glia, Vol.54, p234−242 (2006)。加えて、P2X7受容体の上方制御がアルツハイマー病モデルのトランスジェニックマウスのβ−アミロイド斑周囲で観察されている(Parvathenani, L. et al. J. Biol. Chem., Vol.278(15), pp13309−13317 (2003)。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、P2X7受容体機能を調節し、P2X7受容体にてATP作用と拮抗できる化合物(「P2X7受容体アンタゴニスト」)を提供する。
第一の態様では、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を提供し、
【化1】
式中、
Aは、水素、C1〜4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、C3〜6シクロアルキル(例えばシクロプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル)、C1〜3アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1〜3アルコキシC1〜4アルキル(例えば、メトキシエチル)、C1〜2フルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ハロゲン(例えば、臭素、塩素またはヨウ素)、NR、Het、またはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素、C1〜3アルキル(例えば、メチル)、OH、メトキシ、または重水素である1、2、または3(例えば、1または2)の置換基により場合により置換されており、
Hetは
i)1、2、もしくは3(例えば、1または2)の環窒素原子を含む6員複素芳香族単環、または
ii)独立して、N、O、もしくはSである1、2、もしくは3(例えば、1または2)の環ヘテロ原子を含む5員複素芳香族単環(この5員環ヘテロ原子のうちの1つ以下がOまたはSである)、
iii)1、2、もしくは3(例えば、1または2)の環窒素原子を含む9もしくは10員複素芳香族二環;
であり、
Hetは、独立してC1〜3アルキル(例えば、メチル)、フッ素、塩素、OH(その互変異性体を含む)、メトキシ、または重水素である1つまたは2つの置換基により場合により置換されており、
は水素、塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、シアノ、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、シアノ、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、
は、水素、フッ素、塩素、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、
は、水素であり、
は、水素、フッ素、塩素、またはメチルであり、
およびRは、独立して水素またはC1〜3アルキル(例えば、水素またはメチル)であり、
またはRおよびRは、一緒になって−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、または−(CH−であり、nは3、4、5、または6(例えば3、4、または5)であり、ならびに
14は、水素、C1〜6アルキル、C1〜2フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキル、ハロゲン(例えば、臭素、塩素、またはヨウ素)、またはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素、メチル、−CF、またはメトキシである1つまたは2つの置換基により場合により置換されており、
Aが、水素、C1〜4アルキル、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルコキシC1〜4アルキル、C1〜2フルオロアルキル、ハロゲン、またはNRである場合、Rは塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、シアノ、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、RおよびRの少なくとも1つは水素以外であり、
ならびにAがHet、または場合により置換されたフェニルである場合、Rは水素、塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、シアノ、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、R、R2、およびRの少なくとも1つは水素以外であり、R14は、水素、C1〜6アルキル、C1〜2フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキル、またはハロゲンであり、
ならびにRがフッ素、塩素、またはメチルである場合、Rは塩素、フッ素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、またはメチルであり、Rは水素である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書で使用する「アルキル」という用語は(基または基の一部として使用する場合)、指定数の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖を指す。例えば、C1〜6アルキルは、少なくとも1つかつ最大6つの炭素原子を含む直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。アルキルまたはC1〜6アルキルは例えば、これらに限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(プロピル)、イソプロピル(1−メチルエチル)、n−ブチル(ブチル)、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシルまたはイソヘキシルであり得る。
「C1〜2フルオロアルキル」は、1つ、2つまたは3つのフッ素原子により置換されているC1〜2アルキル;例えば1つ、2つまたは3つのフッ素原子により置換されているメチル(すなわちトリフルオロメチル(−CF)、ジフルオロメチルまたはモノフルオロメチル)、特にトリフルオロメチル(−CF)を意味する。
【0006】
「C3〜6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり得る。
【0007】
本明細書で使用する「ハロゲン」という用語は、別段の指定のない限り、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である基を意味する。ハロゲンは、例えばフッ素または塩素であり得る。
【0008】
本発明は、(例えばA、Het、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、およびR11、R12、R13、R14、X、X、X、X、X、X、X、X10、およびX11ならびに/またはnの)基または素性の特定の、好ましい、適切な、または他の実施形態の可能な組み合わせすべてを網羅して開示する、例えば本明細書に記載の実施形態と異なる基または素性の実施形態の可能な組み合わせすべてを網羅して開示することが理解されるべきである。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を提供し、
【化2】
式中、
Aは、水素、C1〜4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、C1〜3アルコキシ(例えば、メトキシ)、C1〜2フルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ハロゲン(例えば、臭素、塩素またはヨウ素)、NR、Het、またはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素、C1〜3アルキル(例えば、メチル)、またはメトキシである1、2、または3(例えば、1または2)つの置換基により場合により置換されており、
Hetは
i)1、2、もしくは3(例えば、1または2)の環窒素原子を含む6員複素芳香族単環、または
ii)独立して、N、O、もしくはSである1、2、もしくは3(例えば、1または2)環ヘテロ原子を含む5員複素芳香族単環(この5員環ヘテロ原子のうち1つ以下がOまたはSである)、
であり、
Hetは、独立してC1〜3アルキル(例えば、メチル)、フッ素、塩素、OH(その互変異性体を含む)、またはメトキシである1つまたは2つの置換基により場合により置換されており、
は、水素、塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、シアノ、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、シアノまたはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、
は、水素、フッ素または塩素であり、
は、水素であり、
は、水素、フッ素、塩素、またはメチルであり、
およびRは、独立して水素またはC1〜3アルキル(例えば、水素またはメチル)であり、
またはRおよびRは、一緒になって−(CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、または−(CH−であり、nは3、4、5、または6(例えば3、4、または5)であり、ならびに
14は、水素、C1〜6アルキル、C1〜2フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキル、ハロゲン、またはフェニルであり、ここでフェニルは、独立してフッ素、塩素、メチル、−CF、またはメトキシである1つまたは2つの置換基により場合により置換されており、
Aが、水素、C1〜4アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜2フルオロアルキル、ハロゲン、またはNRである場合、Rは塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば−CF)、シアノ、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、RおよびRの少なくとも1つは水素以外であり、
ならびにAが、Het、または場合により置換されたフェニルである場合、Rは水素、塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば、−CF)、シアノ、またはC1〜3アルキル(例えば、メチル)であり、R、RおよびRの少なくとも1つは水素以外であり、R14は水素、C1〜6アルキル、C1〜2フルオロアルキル、C3〜6シクロアルキル、またはハロゲンであり、ならびにRが、フッ素、塩素もしくはメチルである場合、Rは塩素、フッ素、Cフルオロアルキル(例えば−CF)またはメチルであり、Rは水素である。
【0010】
特定の実施形態では、Aはメチル、エチル、メトキシ、Cフルオロアルキル(例えばトリフルオロメチル)、ハロゲン(例えば臭素、塩素またはヨウ素、例えば臭素またはヨウ素)、NR、Het、もしくはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素、C1〜3アルキル(例えば、メチル)またはメトキシである1、2、もしくは3(例えば1または2)つの置換基により場合により置換されている。
【0011】
より特定の実施形態では、Aはトリフルオロメチル、臭素、ヨウ素、NR、Het、またはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素、メチルまたはメトキシである1つまたは2つの置換基により場合により置換されている。さらにより特定の実施形態では、AはHetまたはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素、メチルまたはメトキシである1つまたは2つの置換基により場合により置換されている。
【0012】
1つの実施形態では、Aがフェニルである場合、Aは独立してフッ素、塩素、C1〜3アルキル(例えばメチル)、Cフルオロアルキル(例えば−CF)、OH、またはメトキシである1、2もしくは3(例えば、1または2)つの置換基により場合により置換されている。さらなる実施形態では、Aがフェニルである場合、このフェニルは独立してフッ素、塩素、C1〜3アルキル(例えばメチル)もしくはメトキシである1、2、もしくは3(例えば、1または2)つの置換基により場合により置換されている。
【0013】
1つの実施形態では、Aがフェニルである場合、このフェニルはフッ素、塩素、C1〜3アルキル(例えば、メチル)、OH、メトキシまたは重水素である1つの置換基により場合により置換されている。さらなる実施形態では、Aがフェニルである場合、このフェニルはフッ素、塩素、C1〜3アルキル(例えば、メチル)、OHまたはメトキシである1つの置換基により場合により置換されている。
【0014】
Aが、独立してフッ素、塩素、メチル、OHまたはメトキシである1つもしくは2つの置換基により場合により置換されているフェニルである場合、特定の実施形態では、Aは1つもしくは2つのフッ素置換基、1つもしくは2つの塩素置換基、1つのOH置換基、1つのOH置換基および1つのフッ素置換基または1つのメトキシ置換基により場合により置換されているフェニルであり、ならびにより特定の実施形態では、Aは1つもしくは2つ(例えば、1つ)のフッ素置換基、1つの塩素置換基または1つのメチル置換基により場合により置換されているフェニルであり、さらにより特定の実施形態では、Aは1つもしくは2つのフッ素置換基により場合により置換されているフェニルである。特定の実施形態では、Aは非置換フェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2−メチルフェニル、さらに特定の実施形態では、Aは非置換フェニルまたは4−フルオロフェニルであり、またはより特定の実施形態では、Aは4−フルオロフェニルもしくは2,4−ジフルオロフェニルであり、または好ましくは、Aは4−フルオロフェニルである。
【0015】
1つの実施形態では、Aは水素、ハロゲン(特に臭素、塩素またはヨウ素)、Het、もしくはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素またはメチル(例えばフッ素またはメチル)である1つもしくは2つ(例えば、1つ)の置換基により場合により置換されている。好ましくは、Aはハロゲン(特に臭素またはヨウ素)、Het、もしくはフェニルであり、ここでフェニルは独立してフッ素、塩素またはメチル(例えば、フッ素またはメチル)である1つもしくは2つ(例えば、1つ)の置換基により場合により置換されている。
【0016】
1つの特定の実施形態では、Aは水素、臭素、塩素、ヨウ素、Het、フェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−メチルフェニルまたは4−クロロフェニルである。より特に、Aは臭素、ヨウ素、Het、フェニル、4−フルオロフェニルもしくは2,4−ジフルオロフェニルである。
【0017】
別の特定の実施形態では、Aは臭素、ヨウ素、Het、フェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−メチルフェニルまたは4−クロロフェニルである。より特に、Aは臭素、ヨウ素、Het、フェニル、4−フルオロフェニルもしくは2,4−ジフルオロフェニルである。
【0018】
特定の実施形態では、Hetは
i)1、2もしくは3(例えば、1または2)環窒素原子を含む6員複素芳香族単環、もしくは
ii)独立してN、OもしくはSである1、2もしくは3(例えば、1または2)環ヘテロ原子を含む5員複素芳香族単環(この5員環ヘテロ原子のうちの1つ以下がOまたはSである);
であり、
Hetは、独立してメチルまたはフッ素である1つもしくは2つの置換基と場合により置換されている。
【0019】
1つの特定の実施形態では、Hetは置換されていないかまたは1つのフッ素原子と置換されている。
【0020】
好ましくは、Hetは炭素結合した複素芳香族環系であり、すなわち複素芳香族環はHetの複素芳香族環系における炭素原子への結合を介してテトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンの3位に結合している。
【0021】
特定の実施形態では、HetがN、OもしくはSである1、2もしくは3環ヘテロ原子を含む場合により置換されている5員複素芳香族単環であり、この5員環ヘテロ原子のうちの1つ以下がOまたはSである場合、5員環ヘテロ原子の少なくとも1つは窒素である。好ましくは、Hetが場合により置換されている5員複素芳香族単環である場合、Hetは置換されていないまたは1つのフッ素原子と置換されており、より好ましくはHetは置換されていない。特定の実施形態では、Hetが1、2もしくは3(例えば1または2)環窒素原子を含む場合により置換されている6員複素芳香族単環である場合、Hetは副式(a)
【化3】
であり、
式中、X、X、X10、およびX11の0、1もしくは2(特に0または1)つは窒素原子であり、ならびに
残りのX、X、X10、およびX11はそれぞれC−R、C−R、C−R10、およびC−R11であり、式中R、R、R10、およびR11は独立して水素、重水素、C1〜3アルキル(例えばメチル)、フッ素、塩素、OH(その互変異性体を含む)またはメトキシである。
【0022】
特定の実施形態では、R、R、R10、およびR11は独立して水素、重水素、メチル、フッ素、塩素、もしくはメトキシ、より特に水素、メチルまたはフッ素である。
【0023】
1つの実施形態では、Rは水素、メチル、フッ素、塩素、OHまたはメトキシ、例えば塩素またはメトキシから選択される。別の実施形態では、R10は水素、重水素、C1〜3アルキル(例えばメチル)、フッ素またはOH(その互変異性体を含む)、例えば水素、メチルまたはフッ素から選択される。さらに特定の実施形態では、Rは水素またはフッ素である。特定の実施形態では、Hetが場合により置換されている6員複素芳香族単環である場合、Hetは本明細書の実施例の任意の1つにおいて定義するとおりである副式(a)である。
より特定の実施形態では、Hetが場合により置換されている6員複素芳香族単環である場合、Hetは副式(a1)〜(a25)
【化4】
である。
【0024】
さらなる実施形態では、Hetが場合により置換されている6員複素芳香族単環である場合、Hetは副式(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)、(a7)、(a8)、(a9)、(a10)、(a11)、(a12)、(a13)、(a15)、(a16)、(a17)、(a18)、(a19)、(a20)、(a21)、(a23)もしくは(a25)である。より特定の実施形態では、Hetが場合により置換されている6員複素芳香族単環である場合、Hetは副式(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)、(a7)、または(a8)
【化5】
である。
【0025】
別の実施形態では、Hetが場合により置換されている6員複素芳香族単環である場合、Hetは副式(a1)、(a2)、(a6)、(a7)もしくは(a8)である。好ましくは、Hetが場合により置換されている6員複素芳香族単環である場合、Hetは副式(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)もしくは(a8)である。
【0026】
特定の実施形態では、Hetが独立してN、OもしくはSである1、2もしくは3(例えば1または2)環ヘテロ原子を含む場合により置換されている5員複素芳香族単環であり、この5員環ヘテロ原子の1つ以下がOまたはSである場合、Hetは副式(b1)、(b2)、(b3)、(b4)もしくは(b5)
【化6】
であり、
式中、
はO、SもしくはNR12であり、
、X、X、およびXは独立してNもしくはCR13であり、ただし1、2または3環のみの(1もしくは2環のみなどの)ヘテロ原子がHetの5員複素芳香族単環に存在し、ならびに
はO、Sであり; R12は水素またはC1〜3アルキル(特に水素またはメチル)であり、ならびに
各R13は独立して水素、C1〜3アルキル(例えば、メチル)、フッ素、塩素、OH(その互変異性体を含む)またはメトキシ(特にフッ素またはメチル)であり;
ただしR12および各R13は5員複素芳香族単環Hetが1つもしくは2つの置換基と場合により置換されているものである。
【0027】
特定の実施形態では、Hetが独立してN、OもしくはSである1、2もしくは3(例えば、1または2)環ヘテロ原子を含む場合により置換されている5員複素芳香族単環であり、この5員環ヘテロ原子の1つ以下がOまたはSである場合、Hetは副式(b1)、(b2)、(b3)、(b4)もしくは(b5’)
【化7】
であり、
式中、
はO、SもしくはNR12であり、ならびに
、X、X、およびXは独立してNもしくはCR13であり、ただし1、2または3環のみの(1もしくは2環のみなどの)ヘテロ原子がHetの5員複素芳香族単環に存在し、 R12は水素またはC1〜3アルキル(特に水素またはメチル)であり、ならびに
各R13は独立して水素、C1〜3アルキル(例えばメチル)、フッ素、塩素、OH(その互変異性体を含む)またはメトキシ(特にフッ素またはメチル)であり、
ただしR12および各R13は5員複素芳香族単環Hetが1つもしくは2つの置換基と場合により置換されているものである。
【0028】
より特定の実施形態では、Hetが独立してN、OもしくはSである1、2もしくは3(例えば1または2)環ヘテロ原子を含む場合により置換されている5員複素芳香族単環であり、この5員環ヘテロ原子のうちの1つ以下がOまたはSであり、かつHetが副式(b1)、(b2)、(b3)もしくは(b4)である場合、Hetは下記副式
【化8】
の1つであり、式中各R12は独立して水素もしくはメチルであり、各R13は独立して水素もしくはメチルである。
【0029】
特定の実施形態では、Hetが独立してN、OもしくはSである1、2もしくは3(例えば、1または2)環ヘテロ原子を含む場合により置換されている5員複素芳香族単環であり、この5員環ヘテロ原子のうち1つ以下がOまたはSであり、かつHetが副式(b1)、(b2)、(b3)もしくは(b4)である場合、Hetは下記副式
【化9】
の1つであり、式中各R12は独立して水素もしくはメチルであり、各R13は独立して水素もしくはメチルである。
【0030】
好ましくは、Hetが2つのR13基を含む上の副式の1つである場合、一方のR13は水素であり、他方のR13は水素またはメチルである。1つの特定の実施形態では、両R13が水素である。
【0031】
特定の実施形態では、Hetが場合により置換されている5員複素芳香族単環である場合、Hetは本明細書の実施例の任意の1つにおいて定義するとおりである。
【0032】
より特定の実施形態では、Hetが場合により置換されている5員複素芳香族単環である場合、Hetは
【化10】

であり、好ましくは
【化11】
またはより好ましくは
【化12】
である。
【0033】
したがって、1つの実施形態では、Aは水素、臭素、塩素、ヨウ素、フェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−メチルフェニルまたは4−クロロフェニルまたはAはHetであり、ここでHetは副式(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)、(a7)もしくは(a8)の6員複素芳香族単環であるか、またはHetは5員複素芳香族単環である以下
【化13】
である。
【0034】
したがって、好ましくは、Aは臭素、ヨウ素、フェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルであるか、またはAはHetであり、ここでHetは副式(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)もしくは(a8)の6員複素芳香族単環であるか、またはHetは5員複素芳香族単環である以下
【化14】
である。
【0035】
さらに好ましい実施形態では、Aは水素、臭素、塩素、ヨウ素、フェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−メチルフェニルまたは4−クロロフェニルまたはAはHetであり、ここでHetは副式(a1)、(a2)、(a6)、(a7)もしくは(a8)の6員複素芳香族単環であるか:またはHetは5員複素芳香族単環である以下
【化15】
である。
【0036】
より好ましくは、Aは臭素、ヨウ素、フェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルであるか、またはAはHetであり、ここでHetは副式(a1)、(a2)、(a3)、(a4)、(a5)、(a6)もしくは(a8):
【化16】
の6員複素芳香族単環である。
【0037】
特定の実施形態では、Rは水素、塩素、フッ素、Cフルオロアルキル(例えば−CF)、シアノまたはメチルである。より特に、Rは塩素、フッ素、Cフルオロアルキル(例えば−CF)、またはメチルである。さらにより特に、Rは塩素、フッ素またはメチルである。さらにより特に、Rは塩素またはフッ素である。
【0038】
好ましくは、Rは塩素である。
【0039】
特定の実施形態では、Rは水素、フッ素、塩素、Cフルオロアルキル(例えば−CF)、またはメチルである。
【0040】
好ましくは、Rは水素、フッ素、塩素、−CFもしくはメチル;特に水素、フッ素、塩素または−CFである。1つの実施形態では、Rは塩素または−CFである。
【0041】
1つの実施形態では、Rは水素、フッ素または塩素;特に水素またはフッ素である。
【0042】
特定の実施形態では、Rは水素、フッ素または塩素である。より特に、Rは水素または塩素である。
【0043】
好ましくは、Rは水素である。
【0044】
1つの実施形態では、AがHetまたは場合により置換されたフェニルである場合、Rは水素、塩素、フッ素、臭素、Cフルオロアルキル(例えば−CF)、シアノまたはC1〜3アルキル(例えばメチル)であり、R、RおよびRの少なくとも1つは水素以外である。
【0045】
特定の実施形態では、
は塩素、フッ素もしくはメチルであり、
は水素、フッ素、塩素、−CFもしくはメチルであり、
は水素、フッ素もしくは塩素であり、ならびに
は水素、フッ素、塩素もしくはメチルであり、
式中RおよびRの少なくとも1つは水素以外であり、ならびに
式中Rがフッ素、塩素もしくはメチルである場合、Rは水素であり、Rはフッ素もしくは塩素である。
【0046】
より特定の実施形態では、
は塩素、フッ素もしくはメチルであり、
は水素、フッ素、塩素、−CFもしくはメチルであり、
は水素、フッ素もしくは塩素であり、ならびに
は水素、フッ素もしくは塩素であり、
式中RおよびRの少なくとも1つは水素以外であり、ならびに
式中Rがフッ素もしくは塩素である場合、Rは水素であり、Rはフッ素もしくは塩素である。
【0047】
さらにより特定の実施形態では、
は塩素であり、
は水素、フッ素、塩素、−CFもしくはメチルであり、
は水素、フッ素もしくは塩素であり、ならびに
は水素、フッ素、または塩素(好ましくは水素)であり、
式中RおよびRの少なくとも1つは水素以外であり、ならびに
式中Rがフッ素もしくは塩素である場合、Rは水素であり、Rはフッ素もしくは塩素である。
【0048】
好ましくは、
は塩素であり、
は水素、フッ素、塩素もしくは−CFであり、
は水素、フッ素もしくは塩素であり、ならびに
は水素であり、
式中RおよびRの少なくとも1つは水素以外であり、
ならびに式中Rが塩素である場合、Rは水素またはフッ素である。
【0049】
特定の実施形態では、
は塩素であり、Rは−CFであり、R、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、Rは塩素であり、R、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、R、RおよびRは水素であり、Rは塩素であり、または
は塩素であり、R、RおよびRは水素であり、Rはフッ素であり、または
は塩素であり、Rはメチルであり、R、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、RおよびRは水素であり、RおよびRは塩素であり、または
は塩素であり、Rは塩素であり、Rはフッ素であり、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、Rはフッ素であり、Rは塩素であり、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、RおよびRはフッ素であり、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、Rは−CFであり、Rはフッ素であり、RおよびRは水素であり、または
はフッ素であり、Rは−CFであり、R、RおよびRは水素であり、または
はフッ素であり、Rは塩素であり、R、RおよびRは水素であり、または
はフッ素であり、R、RおよびRは水素であり、Rは塩素であり、または
はメチルであり、R、RおよびRは水素であり、Rはフッ素であり、または
はメチルであり、Rは−CFであり、R、RおよびRは水素であり、
または
は塩素であり、R、R、RおよびRは水素であり、AはHetもしくは場合により場合により置換されたフェニルであり、または
は水素であり、Rは−CFであり、Rはフッ素であり、RおよびRは水素であり、AはHetもしくは場合により置換されたフェニルであり、または
は水素であり、Rは−CFであり、Rは塩素であり、RおよびRは水素であり、AはHetもしくは場合により置換されたフェニルであり、または
は水素であり、Rは塩素であり、Rはフッ素であり、RおよびRは水素であり、AはHetもしくは場合により置換されたフェニルである。
【0050】
好ましくは、
は塩素であり、Rは−CFであり、R、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、Rは塩素であり、R、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、R、RおよびRは水素であり、Rは塩素であり、または
は塩素であり、R、RおよびRは水素であり、Rはフッ素である。
最も好ましくは、
は塩素であり、Rは−CFであり、R、RおよびRは水素であり、または
は塩素であり、R、RおよびRは水素であり、Rは塩素であり、または
は塩素であり、R、RおよびRは水素であり、Rはフッ素である。
【0051】
特定の実施形態では、RおよびRは独立して水素もしくはメチルであり、
またはRおよびRは一緒になって−(CH−O−(CH−もしくは−(CH−であり、式中nは3、4、5もしくは6(特に3、4または5)である。
【0052】
特定の実施形態では、nは3、4または5である。
【0053】
特定の実施形態では、R14は水素、C1〜4アルキル(例えばメチル、エチルまたはt−ブチル)、C1〜2フルオロアルキル(例えばCフルオロアルキル、特に−CF)、ハロゲン、もしくはフェニルであり、ここでフェニルはフッ素、塩素、メチル、−CFまたはメトキシである1つの置換基により場合により置換されている。
【0054】
特定の実施形態では、R14は水素、C1〜4アルキル(例えばメチル、エチルまたはt−ブチル)、C1〜2フルオロアルキル(例えばCフルオロアルキル、特に−CF)、ハロゲン(例えば塩素、臭素またはヨウ素)、または非置換フェニルである。
【0055】
1つの実施形態では、R14は水素、メチル、エチル、t−ブチル、−CF、塩素、臭素もしくはヨウ素、または非置換フェニルである。
【0056】
より特定の実施形態では、R14は水素、C1〜3アルキル(例えばメチルまたはエチル)、Cフルオロアルキル(例えば−CF)、またはハロゲン(例えば塩素、臭素またはヨウ素)。
【0057】
さらにより特定の実施形態では、R14は水素、メチル、エチル、−CF、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0058】
好ましくは、R14は水素、−CF、塩素、臭素またはヨウ素である。1つの特定の実施形態では、R14は水素である。
【0059】
1つの実施形態では、Aがハロゲン(例えば塩素、臭素またはヨウ素)、場合により置換されたフェニルまたはHetである場合、R14は水素、−CF、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0060】
1つの実施形態では、R14がフェニルであり、またはC1〜4アルキルである場合、Aは水素である。
【0061】
本発明の1つの特定の実施形態では、実施例の任意の1つ(例えば実施例1〜28および30〜34ならびに/または実施例29および35〜45の任意の1つ)において、化合物またはその医薬上許容可能な塩として(例えば化合物またはその塩酸塩として)称されるおよび/または式が例証されている化合物または塩である式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を提供する。
【0062】
したがって、本発明の1つの特定の態様に従い、以下である化合物またはそれらの医薬上許容可能な塩を提供する:
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2−クロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(1,1−ジメチルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−フェニル−7−[(2,4,6−トリクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2,3−ジヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−ヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(3−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−(4−クロロフェニル)−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(5−フルオロ−2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
3−ブロモ−2−クロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン
、もしくは
2−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン
またはそれらの医薬上許容可能な塩。
【0063】
本発明のさらに特定の態様では、以下である化合物またはそれらの医薬上許容可能な塩を提供する:
E29 2,3−ジクロロ−7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E35 7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E36 7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E37 7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E38 7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E39 7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(1,3−チアゾール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E40 7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E41 7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピリミジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E42 7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(1,3−チアゾール−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E43 3−クロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン、
E44 3−クロロ−7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン
、もしくは
E45 2,3−ジクロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン
またはそれらの医薬上許容可能な塩。
【0064】
上記の特定の態様では、本発明は、例えば化合物またはその塩酸塩であり得る。
【0065】
本発明の好ましい態様に従い、以下である化合物またはその医薬上許容可能な塩を提供する:
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン
【化17】
(例えば、実施例19を参照)
またはそれらの医薬上許容可能な塩(例えば塩酸塩)。
【0066】
P2X7のアンタゴニストは様々な疼痛状態(例えば神経因性疼痛、慢性炎症性疼痛、または内臓痛)、炎症(例えば関節リウマチまたは骨関節炎)、または神経変性疾患、特にアルツハイマー病の治療(例えば改善)または予防(特に治療)に有用であり得る。P2X7アンタゴニストは関節リウマチおよび炎症腸疾患の管理に有用な治療薬を構成し得る。
【0067】
P2X7受容体機能を調節し、P2X7受容体にてATP作用と拮抗できる本発明の化合物または塩(「P2X7受容体アンタゴニスト」)はP2X7受容体機能の競合アンタゴニスト、逆アゴニスト、または負のアロステリック調節因子であり得る。
【0068】
式(I)のある化合物は一部の状況において、その酸添加塩を形成し得る。医薬における使用において、式(I)の化合物は塩として使用し得、この場合、塩は医薬上許容可能であるべきであることが理解されるであろう。医薬上許容可能な塩としてはBerge, Bighley and Monkhouse , J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1−19により記載のものが挙げられる。
【0069】
式(I)の化合物が塩基である場合、1つの実施形態では、医薬上許容可能な塩は、無機酸または有機酸などの医薬上許容可能な酸から形成される。かかる酸としては、酢酸、p−アミノ安息香酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、メチレンビスサリチル酸、カンファースルホン酸、クエン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0070】
1つの特定の実施形態では、医薬上許容可能な塩は、医薬上許容可能な強酸から形成される。例えば、医薬上許容可能な塩は、ベンゼンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、またはp−トルエンスルホン酸塩であり得る。
【0071】
式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、結晶形態または非結晶形態(例えば結晶形態または非晶質形態)で調製し得、および、特に結晶の場合、例えば水和物など場合により溶媒和させてよい。式(I)の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩の溶媒和化合物(例えば水和物)、例えば化学量論的な溶媒和化合物(例えば水和物);ならびに可変量の溶媒(例えば水)を含む化合物もしくはその塩が本発明の範囲内に含まれる。
【0072】
式(I)のある化合物またはその塩は立体異性体型(例えばジアステレオマーおよび鏡像異性体)にて存在できる場合があり、本発明は、これらの立体異性体型およびそれらの混合物(ラセミ体を含む)のそれぞれに拡張される。異なる立体異性体型は通常の方法により一方を他方から分離してもよいし、任意の所定の異性体を立体特異的または不斉合成により得てもよい。本発明は任意の互変異性体型およびその混合物にも拡張される。
【0073】
化合物の調製
【化18】
(I)
【0074】
式(I)の化合物(式中、可変部分は本明細書で定義する)およびその医薬上許容可能な塩は、下記の方法により調製し得、本発明のさらなる1つの態様を成す。
【0075】
本発明のさらなる1つの態様では、下記の工程(a)、(b)、(c)、(d)、もしくは(e)を含む式(I)の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩を調製する過程;
ならびに場合により化合物の医薬上許容可能な塩を調製する過程を提供する。
【0076】
(a)式(2)の化合物を、酸塩化物(Y=Cl)またはカルボン酸(Y=OH)もしくはカルボン酸の活性化誘導体である式(3)の化合物とカップリングさせることによる式(I)の化合物の調製(下記スキーム1を参照)、式中R、R、R、R、R、R14およびAは本明細書で定義するとおりである。化合物(2)および(3)は場合により保護されている。
【0077】
(b)式(4)の化合物(式中X=H、またはハロゲン、例えば臭素、ヨウ素もしくは塩素)を式(5)の化合物と反応させることによる式(I)の化合物の調製(下記スキーム2を参照)、Lはハロゲン原子(例えば臭素またはヨウ素)もしくはボロン酸などの適切な解離基またはエステルを示し、式中R、R、R、R、R、R14およびAは本明細書で定義するとおりである。化合物(4)および(5)は場合により保護されている。
【0078】
(c)式(9)の化合物を式(10)の化合物と反応させることによる式(I)の化合物の調製(下記スキーム4を参照)(式中R、R、R、R、R、R14およびAは本明細書で定義するとおりであり、R15はエチルまたはメチルなどのC1〜4アルキルである)。化合物(9)および(10)は場合により保護されている。
【0079】
(d)保護されている式(I)の化合物の脱保護。保護基および保護基の除去方法の例は、T.W. Greene and P.G.M. Wuts ‘Protective Groups in Organic Synthesis’ (Wiley−Interscience, 4th ed., 2006)に見出すことができる。
【0080】
(e)式(I)の化合物から式(I)の他の化合物への相互変換。相互変換手順の例としては、エピメリ化、酸化、還元、アルキル化、芳香族置換、求核置換、アミドカップリングおよびエステル加水分解が挙げられる。
【0081】
式(1)の化合物の代表的な調製方法を下記スキーム1〜3に示す。
スキーム1
【化19】
【0082】
スキーム1の工程(i)は典型的には、トリエチルアミンまたはジエチルアミノメチルポリスチレンなどの適切な塩基の存在下、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジクロロメタンなどの適切な溶媒中、例えば、約0℃〜室温などの適温で、式(2)の化合物(またはその酸添加塩、一般的な調製経路については、例えばスキーム4を参照)を式(3)の酸塩化物(Y=Cl)により処理することを含む。
あるいは、式(2)の化合物は、水溶性カルボジイミドなどの活性化剤、およびジイソプロピルエチルアミンなどの適切な塩基の存在下、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中、例えば適温、例えば約0℃〜室温で、式(3)のカルボン酸(式中Y=OH)で処理できるであろう。
【0083】
スキーム2
【化20】
【0084】
スキーム2の工程(i)は典型的には、上のスキーム1に記載のように調製できる式(4)の化合物(式中X=Hまたはハロゲン、例えば臭素、ヨウ素もしくは塩素、特に臭素)を式(5)の化合物と(a)酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンもしくは(b)酢酸パラジウム(II)および1,1’−(ビスジフェニルホスフィノ)フェロセンまたは(c)ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などの適切な触媒の存在下、炭酸セシウムもしくは炭酸ナトリウムなどの適切な塩基の存在下、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドもしくは1,2−ジメトキシエタンなどの適切な溶媒中、例えば適温、例えば室温〜還流温度で反応させることを含み、Lはハロゲン原子(例えば臭素またはヨウ素)もしくはボロン酸などの適切な解離基またはエステルを示す。ある実施形態(例えば、実施例31を参照)では、工程(i)はヨウ化銅(I)または塩化銅(I)などの銅(I)塩の存在下でも実行される。
【0085】
スキーム3
【化21】
【0086】
スキーム3の工程(i)は典型的には、スキーム1の工程(i)に記載した方法に類似した方法で化合物(6)を化合物(3)で処理することを含む。
【0087】
スキーム3の工程(ii)は典型的には、化合物(7)をC1〜4テトラフルオロホウ酸トリアルキルオキソニウム(例えばトリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート)試薬(8)と、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中、例えば室温などの適温で処理することを含む。
【0088】
スキーム3の工程(iii)は典型的には、化合物(9)を適切なアルファ−アミノケトン(10)、1−ブタノールなどの適切な溶媒中、例えば、還流温度などの適温で処理することを含む。
【0089】
スキーム3の工程(ii)および(iii)は併合して1つの工程とし、式(9)の化合物の単離を介さずに化合物(7)から式(I)の化合物へ変換することもできる。
式(2)、(3)、(5)、(6)、(8)および(10)の化合物は典型的には、購入できるおよび/または化学文献に記載の方法を用いて(または類似した方法を用いて)当業者が調製できる。
【0090】
式(2)の化合物は下記スキーム4および5に概説する代表的な方法を用いて調製できる。
【0091】
スキーム4
【化22】
【0092】
スキーム4の工程(i)は典型的には、式(12)または(13)の化合物(式中R16は、低級アルキル基を示す)を化合物(11)で、適切な溶媒、例えばエタノール中、還流温度などの適温で処理することを含み、式(13)の化合物を用いる場合、臭化水素酸などの適切な酸を添加することを含む。
【0093】
工程(ii)は典型的には、炭素または酸化プラチナ(IV)上の10%パラジウムなどの適切な触媒の存在下、14.7psi(大気圧)および50psiなどの適切な圧力下、メタノールまたはエタノールなどの適切な溶媒中、例えば、室温〜50℃などの適温での式(14)の化合物の水素化を含む。
【0094】
スキーム5
【化23】
【0095】
スキーム5の工程(i)は典型的には、臭素、臭化カリウム、酢酸ナトリウムの混合物などのハロゲン化剤(例えば臭素化剤)で、メタノールなどの適切な溶媒中、例えば、−15℃〜室温などの適温で、式(14)の化合物(スキーム4に概説するように調製できる)(式中A=H)を式(15)の化合物(式中Xはハロゲン(例えば臭素)である)で処理することを含む。
【0096】
スキーム5の工程(ii)は典型的には、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)などの適切な触媒、および炭酸ナトリウムなどの適切な塩基の存在下、1,2−ジメトキシエタンおよび水などの適切な溶媒中、例えば適温、例えば室温〜還流温度で式(15)の化合物(式中X=ハロゲン、例えば臭素)を式(5)の化合物と反応させることを含み、Lはボロン酸などの適切な解離基またはエステルを示す。
【0097】
スキーム5の工程(iii)は典型的には、酢酸パラジウム(II)およびトリフェニルホスフィンなどの適切な触媒および酢酸カリウムの存在下、N,N−ジメチルアセトアミドなどの適切な溶媒中、例えば適温、例えば室温〜150℃、マイクロ波反応装置内で、式(14)の化合物(式中A=H)を式(5)の化合物と反応させることを含み、Lはハロゲン原子(例えば臭素またはヨウ素)などの適切な解離基を示す。
【0098】
スキーム6
【化24】
【0099】
スキーム6の工程(i)は典型的には、(a)パラジウムテトラキスなどの適切な触媒の存在下、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒の存在下、例えば適温、例えば室温〜還流温度で、従来の加熱を用いてまたはマイクロ波条件を用いて上のスキーム5の工程(i)に記載のように調製できる式(16)の化合物(式中X=Hまたはハロゲン、例えば臭素、ヨウ素もしくは塩素、特に臭素)を式(17)の化合物と反応させることを含み、Lはハロゲン原子(例えば臭素またはヨウ素)などの適切な解離基またはスズ試薬を示す。
【0100】
スキーム7
【化25】
【0101】
スキーム7の工程(i)は典型的には、(a)パラジウムテトラキスなどの適切な触媒の存在下、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒の存在下、例えば適温、例えば室温〜還流温度で、従来の加熱またはマイクロ波条件を用いて、市販されている式(18)の化合物(式中X=H、またはハロゲン、例えば臭素、ヨウ素もしくは塩素、特に臭素、R〜R=Hまたはハロゲン、例えばフッ素)を式(19)の化合物と反応させることを含み、Lはハロゲン原子(例えば臭素またはヨウ素)などの適切な解離基またはスズ試薬を示す。
【0102】
化合物(11)および式(5)、(12)、(13)の化合物は典型的には、購入できるおよび/または化学文献に記載の方法を用いて(または類似した方法を用いて)当業者が調製できる。
【0103】
関連する場合、医薬上許容可能な塩は、適切な酸または酸誘導体と反応させることにより従来どおりに調製し得る。
【0104】
臨床的適応、医薬組成物、および投与量
本発明の化合物または医薬上許容可能な塩は、P2X7受容体機能を調節し、P2X7受容体にてATP作用と拮抗できる(「P2X7受容体アンタゴニスト」)ため、疼痛;例えば、急性疼痛、慢性疼痛、慢性関節痛、筋骨格系疼痛、神経因性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛、癌に合併する疼痛、偏頭痛に合併する疼痛、緊張性頭痛または群発性頭痛、機能的腸障害に合併する疼痛、背部痛および/または頚痛、捻挫および/または緊張に関連するする疼痛、交感神経性に持続した疼痛;筋炎、インフルエンザまたは感冒などの他のウイルス感染に合併する疼痛、リウマチ性発熱に合併する疼痛、心筋虚血に合併する疼痛、術後痛、癌化学療法、頭痛、歯痛、または月経困難の治療または予防(特に治療)に有用であり得ると考えられる。
【0105】
慢性関節痛状態は関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ様脊椎炎(強直性脊椎炎)、痛風性関節炎または若年性関節炎であり得る。
【0106】
炎症性疼痛状態は関節リウマチ、骨関節炎、リウマチ様脊椎炎(強直性脊椎炎)または線維筋痛であり得る。
【0107】
特に、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、関節リウマチまたは骨関節炎における疼痛(例えば炎症性疼痛)などの関節炎における疼痛(例えば炎症性疼痛)の治療または予防(特に治療)に有用であり得る。
【0108】
機能腸障害に合併する疼痛としては、非潰瘍消化不良、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群が挙げられる。
【0109】
神経因性疼痛状態は、糖尿病性ニューロパシー(例えば有痛性糖尿病性ニューロパシー)、坐骨神経痛、非特異的な背部痛、三叉神経痛、多発性硬化症疼痛、線維筋痛、HIV関連ニューロパシー、疱疹後神経痛、三叉神経痛、もしくは腰部神経根障害;または身体的外傷、切断、幻肢症候群、脊髄手術、癌、毒素もしくは慢性炎症状態に起因する疼痛であり得る。あるいは、神経因性疼痛状態は、通常、「しびれ」(感覚異常および/または異常感覚)、増大した触感(知覚過敏)、非侵害性刺激後の有痛感(動的、静的、温熱性または寒冷アロディニア)、侵害性刺激に対する感覚上昇(温熱性、寒冷、または機械的痛覚過敏)、刺激除去後の有痛感の持続(痛覚過敏)、または選択性感覚経路の欠陥もしくは欠如(痛覚鈍麻)などの無痛感に関連している疼痛であり得る。
【0110】
急性疼痛状態は術後痛または月経困難(例えば原発性月経困難)であり得る。
【0111】
本発明の化合物または医薬上許容可能な塩は、オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、トラマドール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、メサドンまたはブプレノルフィン;特にモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、またはトラマドールなど)の鎮痛作用への耐性発現の治療または予防(例えば予防、例えば低減、遅延化または阻止(prevention)に有用な可能性があり得る。
【0112】
潜在的に本発明の化合物または塩を用いる治療または予防(特に治療)の対象となり得る他の状態は、発熱、炎症、免疫疾患、異常な血小板機能疾患(例えば閉塞性血管疾患)、インポテンスまたは勃起機能障害;異常な骨代謝もしくは骨吸収を特徴とする骨疾患;シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤などの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の血行動態副作用、心血管疾患(例えばアテローム性動脈硬化症);神経変性疾患および/または神経変性;外傷後神経変性;耳鳴;オピオイド鎮痛薬(例えばモルヒネ)、CNS(中枢神経系)抑制剤(例えばエタノール)、覚醒剤(例えばコカイン)またはニコチンなどの依存性誘発剤への依存(例えば中毒);1型もしくは2型糖尿病などの糖尿病、1型もしくは2型糖尿病の合併症などの糖尿病の合併症、腎機能障害、肝機能障害(例えば肝炎、肝硬変)、胃腸機能障害(例えば下痢)、胃癌、結腸癌、過活動膀胱、または切迫尿失禁である。うつ病およびアルコール依存症も潜在的に本発明の化合物または塩による治療または予防の対象となり得る。
【0113】
前記炎症に合併する炎症および/または炎症状態は、関節炎(特に関節リウマチまたは骨関節炎)、皮膚状態(例えば日光皮膚炎、熱傷、湿疹、皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、または乾癬)、髄膜炎、緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎もしくは眼組織に対する急性損傷(例えば結膜炎)などの眼疾患、炎症肺障害(例えば喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD、気管支炎および/または肺気腫を含む)、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、鳩飼い疾患、農夫肺、または気道過敏性);消化管障害(例えばアフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、バリアロフォルム胃炎、潰瘍性大腸炎、セリアック疾患、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症腸疾患、または胃腸逆流症);臓器移植;または他の炎症成分を伴う状態、例えば、血管疾患、偏頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性狼瘡エリテマトーデス、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎、もしくはシェーグレン症候群であり得る。
【0114】
前記炎症に合併する炎症および/または炎症状態は、特に関節炎(例えば関節リウマチまたは骨関節炎)であり得る。
【0115】
免疫疾患としては、自己免疫疾患、免疫不全疾患または臓器移植が挙げられる。
【0116】
異常な骨代謝もしくは骨吸収を特徴とする骨疾患は、骨粗鬆症(特に閉経後骨粗鬆症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症、骨パジェット病、骨溶解症、骨転移を伴うもしくは伴わない悪性腫瘍の高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、骨関節炎、骨痛、骨減少症、癌悪液質、結石症(calculosis)、結石症(lithiasis)(特に尿路結石)、固形癌、痛風性および/もしくは強直性脊椎炎、腱炎または滑液包炎であり得る。
【0117】
心疾患としては、高血圧もしくは心筋虚血;アテローム性動脈硬化症;機能性もしくは器質性静脈不全;静脈瘤性療法;痔核;ならびに顕著な動脈圧低下に合併するショック状態(例えば敗血症性ショック)が挙げられる。
【0118】
潜在的に本発明の化合物または塩を用いる治療または予防(特に治療)の対象となり得る神経変性疾患は、認知症、特に変性認知症(アルツハイマー病、老年認知症、レヴィー小体認知症、側頭葉認知症、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病、または筋萎縮性側索硬化症(ALS);特にアルツハイマー病など);軽度認知機能障害(MCI)、例えば加齢性MCI、特に加齢性記憶障害;運動ニューロン疾患;;血管性認知症(多発脳梗塞性認知症および/または脳虚血に合併する認知症を含む);または以下に合併する神経変性疾患(例えば認知症):頭蓋内占拠性病変、頭部外傷、脳内および/もしくは脳感染または関連状態(HIV感染、ウイルスもしくは細菌性髄膜炎、または帯状疱疹もしくは単純疱疹ウイルスなどの脳ヘルペスウイルス感染など)、代謝作用、毒素、無酸素症、低酸素症またはビタミン欠乏症である。
【0119】
式(I)の化合物またはその塩による治療または予防(特に治療)の対象となる例えば神経変性疾患は、特に変性認知症(特にアルツハイマー病)、パーキンソン病(特にパーキンソン病における認知症)、血管性認知症(特に多発脳梗塞性認知症)、レヴィー小体認知症、ハンチントン舞踏病、または軽度認知機能障害(MCI)、例えば加齢性記憶障害などの加齢性MCIであり得る。式(I)の化合物またはその塩による治療または予防(特に治療)の対象となる例えば神経変性疾患は、特に変性認知症(特にアルツハイマー病)、血管性認知症(特に多発脳梗塞性認知症)、または軽度認知機能障害(MCI)、例えば加齢性記憶障害などの加齢性MCIであり得る。
【0120】
1つの実施形態では、本発明の式(I)の化合物またはその塩を神経変性疾患(変性認知症、例えばアルツハイマー病、もしくは血管性認知症、または軽度認知機能障害など)の疾患緩和および/または神経保護による治療または予防(特に治療)のために使用する。あるいはまたは追加的に、1つの実施形態では、本発明の式(I)の化合物またはその塩を神経変性疾患(変性認知症、例えばアルツハイマー病、もしくは血管性認知症、または軽度認知機能障害など)の神経変性疾患に合併する認識機能障害の対症療法による治療または予防(特に治療)のために使用する。
【0121】
式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、脳卒中、心停止、肺バイパス、外傷性脳損傷、脊髄損傷などの外傷後の神経保護のためおよび/もしくは神経変性の治療またはは予防(例えば治療)にも有用であり得る。
【0122】
本発明の化合物または医薬上許容可能な塩は、悪性細胞増殖および/もしくは転移、または筋芽細胞性白血病の治療または予防(特に治療)にも有用であり得る。
【0123】
1型糖尿病の合併症は、糖尿病性微小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性ネフロパシー、黄斑変性、緑内障、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、ブドウ膜炎、川崎病またはサルコイドーシスであり得る。
【0124】
腎機能障害は、腎炎、糸球体腎炎、特にメサンギウム増殖性糸球体腎炎または腎炎症候群であり得る。
【0125】
本発明の化合物または医薬上許容可能な塩は、例えばヒトなどの哺乳類のてんかんおよび/または発作の治療または予防(例えば治療)において(すなわち抗けいれん薬として)潜在的に有用であり得る。
【0126】
本発明の化合物または医薬上許容可能な塩は、ヒトにおけるヒトてんかん症候群、例えば部分および/もしくは全身発作(例えば強直、強直間代、または欠神発作)、側頭葉てんかん、欠神発作(小児性、若年性、ミオクローヌス、光線誘発またはパターン誘発を含む)、重度のてんかん性脳症(低酸素症関連またはラスムッセン症候群を含む)、熱性けいれん、持続性部分てんかん、進行性ミオクローヌスてんかん(ウンフェルリヒト−ルントボルク病またはラフォラ病を含む)頭部損傷に関連するものなどの外傷後発作および/もしくはてんかん、単純反射てんかん(感光性、体感覚性、固有受容性、聴原性または前庭性など)、ピリドキシン依存性てんかんなどのてんかんに一般に合併する代謝障害、メンケス縮れ毛病、クラッベ病、アルコールおよび/もしくは薬物乱用(例えばコカイン乱用)に起因するてんかん、てんかんに合併する皮質性形成異常(例えば二重皮質症候群または皮質下帯状異所性灰白質)、または発作もしくはてんかんに合併する部分的モノソミー(15Q/アンジェルマン症候群)などの染色体異常の治療または予防(例えば治療)に潜在的に有用であり得る。
【0127】
したがって我々は、本発明のさらなる態様に従い、ヒトもしくは獣医学における使用のためおよび/または療法における使用のための式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を提供する。
【0128】
本発明の別の態様に従い、我々は、例えば哺乳類、例えばヒトまたはげっ歯類、例えばヒトまたはラット、例えばヒトにおけるP2X7受容体に媒介される状態、例えば本明細書に開示する状態または疾患(特に疼痛、関節リウマチもしくは骨関節炎などの炎症、または神経変性疾患(例えばアルツハイマー病または軽度認知機能障害)、またはてんかんおよび/もしくは発作(例えばヒトてんかん症候群);より特に炎症性疼痛、神経因性疼痛もしくは内臓痛などの疼痛、または関節リウマチもしくは骨関節炎)の治療または予防(例えば治療)における使用のための式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を提供する。
【0129】
本発明のさらなる態様に従い、我々は、P2X7受容体に媒介される状態、例えば本明細書に開示する状態もしくは疾患(特に疼痛、関節リウマチもしくは骨関節炎などの炎症、または神経変性疾患(例えばアルツハイマー病または軽度認知機能障害)、またはてんかんおよび/もしくは発作(例えばヒトてんかん症候群);より特に炎症性疼痛、神経因性疼痛もしくは内臓痛などの疼痛、または関節リウマチもしくは骨関節炎)を呈しているヒトまたは動物(例えばげっ歯類、例えばラット)対象、例えばヒト対象の治療または予防(例えば治療)方法を提供し、これは前記対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を投与することを含む。
【0130】
本発明のさらなる態様に従い、我々は、疼痛、炎症(例えば関節リウマチまたは骨関節炎)、または神経変性疾患(例えばアルツハイマー病または軽度認知機能障害)、またはてんかんおよび/もしくは発作(例えばヒトてんかん症候群)、(より特に炎症性疼痛、神経因性疼痛もしくは内臓痛などの疼痛、または関節リウマチもしくは骨関節炎)を呈しているかそれらに感受性のヒトまたは動物(例えばげっ歯類、例えばラット)対象、例えばヒト対象の治療または予防(例えば治療)方法を提供し、この方法は前記対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を投与することを含む。
【0131】
本発明のよりさらなる1つの態様に従い、我々は、炎症性疼痛、神経因性疼痛または内臓痛(例えば、関節炎(例えば関節リウマチまたは骨関節炎)における炎症性疼痛などの疼痛)を呈しているかそれらに感受性のヒトまたは動物(例えばげっ歯類、例えばラット)対象、例えばヒト対象の治療または予防(例えば治療)方法を提供し、この方法は前記対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を投与することを含む。
【0132】
本発明のさらなる1つの態様に従い、我々はアルツハイマー病または軽度認知機能障害を呈している対象、例えばヒト対象の治療方法を提供し、この方法は前記対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を投与することを含む。
【0133】
本発明の1つの態様では、我々はオピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、トラマドール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、メサドンまたはブプレノルフィン;特にモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、またはトラマドールなど)の鎮痛作用への耐性発現の治療または予防(例えば予防、例えば低減、遅延化または阻止(prevention)方法を、かかるオピオイド鎮痛薬耐性を発現しているかそれらに感受性の対象において提供し、この方法は前記対象に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を投与することを含む。
【0134】
疑問点を回避するため、「治療」という用語は、本明細書で特定の疾患または状態に関して使用する場合、前記疾患または状態に合併する症状の緩和を含む。
【0135】
本発明の別の態様に従い、我々は、例えば哺乳類、例えばヒトまたはげっ歯類、例えばヒトまたはラット、例えばヒトにおけるP2X7受容体作用に媒介される状態、例えば本明細書に開示する状態または疾患(特に疼痛、関節リウマチもしくは骨関節炎などの炎症、または神経変性疾患(例えばアルツハイマー病または軽度認知機能障害)、またはてんかんおよび/もしくは発作(例えばヒトてんかん症候群);より特に炎症性疼痛、神経因性疼痛もしくは内臓痛などの疼痛)の治療または予防(例えば治療)のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0136】
本発明の別の態様に従い、我々は、例えば哺乳類、例えばヒトまたはげっ歯類、例えばヒトまたはラット、例えばヒト疼痛(例えば炎症性疼痛、神経因性疼痛または内臓痛)、炎症(例えば関節リウマチまたは骨関節炎)、または神経変性疾患(例えばアルツハイマー病または軽度認知機能障害)、またはてんかんおよび/もしくは発作(例えばヒトてんかん症候群)、(より特に炎症性疼痛、神経因性疼痛もしくは内臓痛などの疼痛、または関節リウマチもしくは骨関節炎)の治療または予防(例えば治療)のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0137】
本発明の別の態様に従い、我々は、例えば哺乳類、例えばヒトまたはげっ歯類、例えばヒトまたはラット、例えばヒトにおける炎症性疼痛、神経因性疼痛または内臓痛(特に炎症性疼痛または神経因性疼痛;例えば関節リウマチもしくは骨関節炎などの関節炎における炎症性疼痛など)の治療または予防(例えば治療)のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0138】
本発明の1つの態様では、我々は、例えば哺乳類、例えばヒトまたはげっ歯類、例えばヒトまたはラット、例えばヒトにおけるアルツハイマー病または軽度認知機能障害の治療または予防(例えば治療)のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0139】
本発明の1つの態様では、我々は、オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、トラマドール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、メサドンまたはブプレノルフィン;特にモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、またはトラマドールなど)の鎮痛作用への耐性発現の治療または予防(例えば予防、例えば低減、遅延化または阻止(prevention)のための薬剤の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩の使用を提供する。
【0140】
式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩をヒトおよび/または他の哺乳類の治療において使用するために、製薬現場に従い医薬組成物として場合により製剤化できる。したがって、本発明の別の態様では、ヒトまたは獣医学における使用に適応した式(I)の化合物、またはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を提供する。
【0141】
式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を療法において使用するために、通常、製薬現場に従い医薬組成物に製剤化する。本発明は、式(I)の化合物、もしくはその医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物、ならびに医薬上許容可能な担体もしくは賦形剤も提供する。
【0142】
医薬組成物は、治療もしくは予防方法において、または本明細書に記載の使用または治療もしくは予防において使用し得る。
【0143】
例えば外界温度および/または大気圧で混合により調製し得る本発明の医薬組成物は通常、経口、非経口または直腸投与に適応している。そのため、医薬組成物は、錠剤、カプセル、経口液体調製物、散剤、顆粒剤、トローチ剤、再構成可能な散剤、注射液もしくは注入液もしくは懸濁液、または坐剤の形態であり得る。
【0144】
経口的に投与可能な医薬組成物が一般に好ましい。
【0145】
経口投与用の錠剤およびカプセルは単位用量形態であり得、結合剤(例えばヒドロキシメチルセルロースまたはポビドン)、注入剤(例えば乳糖および/または微結晶性セルロース)、潤滑剤、例えば錠剤潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム)、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウムなどの錠剤崩壊剤)および/または許容可能な湿潤剤などの1つまたは複数の賦形剤を含み得る。錠剤は例えば製薬現場において知られている方法に従いコーティングし得る。
【0146】
経口液体調製物は、例えば、水性もしくは油性懸濁液、溶液、乳濁液、シロップまたはエリキシル剤の形態であってもよいし、使用前に水または他の適切なビヒクルと再構成する乾燥生成物の形態であってもよい。かかる液体調製物は、懸濁化剤(1つまたは複数)、乳化剤(1つまたは複数)、非水性ビヒクル(1つまたは複数)(食用油など)および/または防腐剤(1つまたは複数)および/または、所望の場合、香料(1つまたは複数)または着色料(1つまたは複数)などの添加物(1つまたは複数)を含んでよい。
【0147】
非経口投与において、流体単位用量形態は典型的には、本発明の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩ならびに滅菌ビヒクルを用いて調製する。1つの実施形態では、化合物または塩は、ビヒクルおよび使用濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁または溶解させる。溶液の調製において、化合物または塩は、例えば注射用に溶解させて、滅菌ろ過後、適切なバイアルまたはアンプル中に装填して、密封することができる。1つの実施形態では、局所麻酔薬、防腐剤(1つまたは複数)および/または緩衝剤(1つまたは複数)などのアジュバント(1つまたは複数)をビヒクル中に溶解させる。安定性を高めるため、組成物は、例えば真空除去したバイアルおよび水中に装填後に凍結することができる。非経口懸濁液は典型的には、化合物または塩が典型的にはビヒクル中に溶解ではなく懸濁しており、滅菌は通常ろ過により成し遂げられない点を除き、実質的に同じ方法で調製する。化合物または塩は、例えば滅菌ビヒクル中に懸濁させる前にエチレンオキシドに曝露させることにより滅菌できる。1つの実施形態では、例えば本発明の化合物または塩の均一な分配を促進するために、組成物に界面活性剤または湿潤剤を含む。
【0148】
1つの実施形態では、組成物は、例えば投与方法に応じて、活性物質(本発明の化合物または医薬上許容可能な塩)の0.1%〜99%(組成物の重量)、特に0.1〜60%または1〜60%または10〜60%重量を含む。組成物に含まれる担体(1つまたは複数)および/または賦形剤(1つまたは複数)は、組成物の重量の例えば1%〜99.9%、例えば10%〜99%;ならびに/または組成物の単位用量当たり20mg〜2000mg(50mg〜1000mgなど)の量で存在できる。
【0149】
例えば本明細書に記載の障害/疾患/状態の治療または予防(例えば治療)における使用のための化合物またはその医薬上許容可能な塩の用量は、障害の重篤度、患者・患畜の重量および/または他の類似要因に応じて通常の方法において変わり得る。しかしながら、一般的な指針として、1つの実施形態では、0.05〜2000mgまたは0.05〜1000mg、例えば0.05〜200mg(20〜40mgなど)の単位用量の本発明の化合物または医薬上許容可能な塩(化合物として測定)を、例えば医薬組成物中に使用し得る。1つの実施形態では、かかる単位用量は、(例えばヒトなどの哺乳類に対して)1日1回投与用である;あるいはかかる単位用量は、(例えばヒトなどの哺乳類に対して)1日複数回(例えば2回または3回)投与用であり得る。かかる療法は数日間、数週間、数ヶ月または数年延長し得る。
【0150】
組み合わせ
式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩は、他の(さらなる)治療薬(1つまたは複数)、例えば上記障害の治療または予防(例えば治療)に有用であることが主張される薬品と組み合わせて使用し得る。
【0151】
かかるさらなる治療薬(1つまたは複数)の例としては、例えばWO2007/008155号および/またはWO2007/008157号に記載のように、例えば呼吸障害(喘息または慢性閉塞性肺疾患(COPD)など)の治療のため、β2アゴニスト(β2アドレナリン受容体アゴニストとしても知られている;例えばフォルモテロール)および/またはコルチコステロイド(例えばブデソニド、フルチカゾン(例えば、プロピオン酸塩またはフロ酸エステル)、モメタゾン(例えば、フロ酸)、ベクロメタゾン(例えば、17−プロピオン酸塩または17,21−ジプロピオン酸エステル)、シクレソニド、トリアムシノロン(例えば、アセトニド)、フルニソリド、ロフレポニドまたはブチキソコート(例えば、プロピオン酸エステル)を挙げ得る。
【0152】
さらなる治療薬は、例えばWO2006/083214号に記載のように、例えば心血管障害(アテローム性動脈硬化症など)の治療のため、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG CoA)還元酵素阻害剤(例えばアトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、またはシムバスタチン)(例えば経口投与用)を含み得る。
【0153】
さらなる治療薬は、例えばWO2005/025571号に記載のように、例えば炎症疾患または障害(関節リウマチまたは骨関節炎および/または炎症性疼痛など)の治療のため、特に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID;例えばイブプロフェン、ナプロキセン、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナク、エトドラク、フェノプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、オキサプロジン、ナブメトン、スリンダク、トルメチン、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルミラコキシブ、メロキシカム、エトリコキシブもしくはパレコキシブ;または例えばパラセタモール、ロキソプロフェンもしくはアセクロフェナク;特にセレコキシブ、パラセタモール、イブプロフェンもしくはジクロフェナク)(例えば経口投与用)を含み得る。セレコキシブ(COX−2阻害剤)は、例えば1日1回または2回100mgまたは200mg(遊離塩基として測定)の経口投与量レジメンで投与できる。
【0154】
さらなる治療薬は、例えばWO2004/105798号に記載のように、例えば炎症疾患または障害(関節リウマチまたは骨関節炎など)の治療のため、特に腫瘍壊死因子α(TNFα)阻害剤(例えばエタネルセプトまたはインフリキシマブもしくはアダリムマブなどの抗TNFα抗体)(例えば皮下または静脈内投与などの非経口投与用)を含み得る。
【0155】
さらなる治療薬は、特にオファツムマブ(HuMax−CD20(商標登録)、Genmab ASが一部開発)(例えば静脈内投与用オファツムマブ)、リツキシマブ、PRO70769、AME−133(Applied Molecular Evolution)、またはhA20(Immunomedics, Inc.)などの抗CD20モノクローナル抗体(例えば静脈内投与などの非経口用);特にオファツムマブまたはリツキシマブを含み得る。このさらなる治療薬は、例えば炎症疾患または障害(関節リウマチもしくは骨関節炎ならびに/または炎症性疼痛など)の治療のためであり得る。
【0156】
さらなる治療薬は、例えばWO2004/105797号に記載のように、例えば炎症疾患または障害(関節リウマチまたは骨関節炎など;特に関節リウマチ)の治療のため、2−ヒドロキシ−5−[[4−[(2−ピリジニルアミノ)スルホニル]フェニル]アゾ]安息香酸(スルファサラジン)を含み得る。
【0157】
さらなる治療薬は、例えばWO2004/105796号に記載のように、例えば経口投与用のならびに/または例えば炎症疾患もしくは障害(関節リウマチまたは骨関節炎など;特に関節リウマチ)の治療のため、特にN−[4−[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸(メトトレキサート)を含み得る。関節リウマチの治療のためのメトトレキサートは、ヒトに週1回7.5mgの経口投与量レジメンで投与することもできるし、週1回2.5mgの経口分割用量、12時間間隔で3回(計7.5mg)コースを用いてもよい;スケジュールは徐々に至適反応を得るように場合により調節することができるが、典型的には、メトトレキサートの週1回経口用量計20mgを超えない;反応が得られた後は、メトトレキサート用量を典型的には、可能な最低有効量まで低減する。
【0158】
さらなる治療薬は、例えばWO2004/073704号に記載のように、例えば炎症疾患または障害(関節リウマチまたは骨関節炎など;特に関節リウマチ)の治療のため、プロTNF−α変換酵素(TACE)の阻害剤を含み得る。
【0159】
さらなる治療薬は、例えばWO2006/003517号に記載のように、例えばIL−1(例えばIL−1β)に媒介される疾患(関節リウマチもしくは骨関節炎、ならびに/または炎症もしくは神経因性疼痛など;特に関節リウマチ)の治療のため、以下を含み得る:
a)スルファサラジン;
b)スタチン(例えば経口投与用)(アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、シムバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、クリルバスタチン、ダルバスタチン、ロスバスタチン、テニバスタチン、フルインドスタチン、ベロスタチン、ダルバスタチン、ニスバスタチン、ベルバスタチン、ピタバスタチン、リバスタチン、グレンバスタチン、エプタスタチン、テニバスタチン、フルラスタチン、ロスバスタチンまたはイタバスタチンなど);
c)グルココルチコイド剤(例えば経口投与用、または皮膚局所投与用)(デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンおよびヒドロコルチゾンなど);
d)p38キナーゼの阻害剤(例えば経口投与用);
e)抗IL−6−受容体抗体、例えば抗IL−6−受容体モノクローナル抗体(例えば静脈内投与などの非経口用);
f)アナキンラ;
g)抗IL−1(例えばIL−1β)モノクローナル抗体(例えば静脈内投与などの非経口用);
h)JAK3タンパク質チロシンキナーゼの阻害剤;
i)抗マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)モノクローナル抗体;または
j)抗CD20モノクローナル抗体(例えば静脈内投与などの非経口用)(リツキシマブ、オファツムマブ(HuMax−CD20(商標登録)、Genmab ASが一部開発)(例えば静脈内投与用オファツムマブ)、PRO70769、AME−133(Applied Molecular Evolution)、もしくはhA20(Immunomedics, Inc.)など);特にリツキシマブもしくはオファツムマブ。
【0160】
特に、さらなる治療薬(1つまたは複数)は、炎症性疼痛治療が可能な治療薬(パラセタモールおよび/またはオピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、トラマドール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、メサドンまたはブプレノルフィンなど;特にモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、またはトラマドール)などであり得る。当該治療薬(1つまたは複数)および/または当該治療薬(1つまたは複数)を含む組み合わせは、例えばヒトなどの哺乳類における炎症性疼痛の治療用であることができる。例えば、パラセタモールは、パラセタモール500mg〜1000mg(例えば500mg、650mgまたは1000mg、特に650mg)(遊離塩基/遊離化合物として測定)のヒト経口投与量レジメンで1日2回、3回または4回投与できる。
【0161】
本発明の特定の実施形態では、さらなる治療薬(1つまたは複数)は、
−オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、トラマドール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、メサドンまたはブプレノルフィンなど;特にモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、またはトラマドール、最も特にモルヒネ)、
−モノアミン再取り込み阻害剤(デュロキセチンまたはアミトリプチリンなど)、
−プレガバリン、
−ガバペンチン、
−ガバペンチンエナカルビル(XP13512)および/または
−カルバマゼピン
などの神経因性疼痛治療が可能な治療薬であり得る。
【0162】
当該治療薬(1つまたは複数)および/または当該治療薬(1つまたは複数)を含む組み合わせは、例えばヒトなどの哺乳類における神経因性疼痛の治療用であることができる。
【0163】
例えば、プレガバリンは、例えば神経因性疼痛に対して、例えば1日総プレガバリン150mg〜600mg(遊離塩基として測定)のヒト経口投与量レジメンで、1日2〜3回に分割して投与できる。プレガバリンは、例えば、ヘルペス後神経痛(神経因性疼痛状態)に対して、1日総プレガバリン150mgの初回経口投与量レジメン(1日2または3回投与に分割)から1日総プレガバリン300mgの経口投与量レジメンに(例えば約1週間で)漸増して、場合により1日総プレガバリンの最大経口投与量レジメン600mgまで漸増して投与できる。有痛性糖尿病性ニューロパシー(別の神経因性疼痛状態)に対して、1日総プレガバリン150mg〜300mgの経口投与量レジメンを投与できる。線維筋痛に対して、1日総プレガバリン150mg〜450mg(例えば300または450mg)の経口投与量レジメンを投与できる。プレガバリンは、例えば式(I)の化合物またはその塩と別々に投与できる。
【0164】
例えば、ガバペンチンは、例えば神経因性疼痛に対して経口投与できる。経口投与量単位は、例えばガバペンチン100mg、300mg、400mg、600mgまたは800mg(遊離塩基/酸として測定)を含むことができる。神経因性疼痛のためのガバペンチン投与量レジメンは、例えば1日1回、2回または3回300mgから総用量3600mg/日まであり得る。投与量レジメンは通常ある程度漸増される。例えば、成体における末梢神経因性疼痛に対して、ガバペンチン療法は用量を滴定して開始、すなわち:1日目=ガバペンチン1日1回300mg(遊離塩基/酸として測定)、2日目=1日2回300mg、3日目=1日3回300mgとできる;あるいは、開始用量は1日ガバペンチン900mg(遊離塩基/酸として測定)を3等分にした用量で投与できる。その後、例えば各患者の反応および忍容性に基づきさらに増量、典型的には、2〜3日ごとに300mg/日ずつ、1日総プレガバリンの最大3600mg(遊離塩基/酸として測定)まで増量し得る。より緩慢なガバペンチン投与量の漸増が各患者にとって適している場合がある。総用量1800mg/日に達する最短期間は典型的には1週間であり、2400mg/日に達する最短期間は典型的には計2週間であり、3600mg/日に達する最短期間は典型的には計3週間である。ガバペンチンは、例えば式(I)の化合物またはその塩と別々に投与できる。
【0165】
例えば、ガバペンチンエナカルビル(XP13512、(±)−1−([(α−イソブタノイルオキシエトキシ)カルボニル]−アミノメチル)−1−シクロヘキサン酢酸、ガバペンチンのプロドラッグ)は、例えばヒトに、例えば式(I)の化合物またはその塩と別々に経口投与できる。1つの実施形態では、ガバペンチンエナカルビル(XP13512)を、例えばヒト(ヒトの成人など)に、例えばガバペンチン900mg/日〜3600mg/日に存在するモル量と等モル量のガバペンチンエナカルビルを有する総1日用量で、例えば経口投与する(例えばWO02/100347号81頁24〜32行を参照されたい)。ガバペンチンエナカルビル600mg用量(遊離酸として測定)には、ガバペンチン312mgのモル当量が含まれる。例えばヒト薬物動態試験に用いるXP13512の一部の経口用量、投与量レジメンおよび製剤化については、参照により本明細書に組み込まれるK.C. Cundy et al., “Clinical Pharmacokinetics of XP13512, a Novel Transported Prodrug of Gabapentin”, J. Clin. Pharmacol., 2008(2008年9月30日電子出版)およびそのMaterials and Methods − Formulation and Study Designs項目も参照されたい。
【0166】
本発明の特定の実施形態では、さらなる治療薬が、オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、トラマドール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、オキシモルフォン、メサドンまたはブプレノルフィン;特にモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン、またはトラマドールなど)を含む場合、オピオイド鎮痛薬はおよび/またはオピオイド鎮痛薬を含む組み合わせは、例えばヒトなどの哺乳類における疼痛、特に炎症または神経因性疼痛の治療用である。この実施形態のより特定の実施形態では、本発明の化合物または塩を(例えばヒトに)、オピオイド鎮痛薬と組み合わせて例えば連続投与または同時投与し、このオピオイド鎮痛薬は前記オピオイド鎮痛薬に典型的に使用される(すなわち本発明の化合物または塩によりオピオイド上昇効果が得られ得る)投与量(例えばヒト投与量)と比較して減量して投与する;これにより適切に疼痛を制御し得るおよび/またはオピオイド鎮痛薬誘発性の有害事象を低減し得る。
【0167】
特定の実施形態では、さらなる治療薬は神経変性疾患の治療または予防(特に治療)に有用であり得る。例えばさらなる治療薬は神経変性疾患の症状の緩和に有用であり得る。
【0168】
化合物を他の治療薬と組み合わせて使用する場合、化合物は任意の好都合な経路によって連続投与してもよいし、同時投与してもよい。
【0169】
したがって本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を含む組み合わせを(例えば本明細書で定義する)さらなる治療薬(1つまたは複数)と共に提供する。
【0170】
本発明の組み合わせの各成分(すなわち式(I)の化合物もしくはその塩、ならびにさらなる治療薬(1つまたは複数)は別々の医薬製剤/組成物として存在してもよいし、配合医薬製剤/組成物(例えば配合した単一の経口投与量形態で、例えば単一の配合錠剤またはカプセルであり得る)として存在してもよい。この組み合わせの各成分は、例えば別々の医薬製剤/組成物として連続して(例えば経口)投与することもできるし、別々のまたは配合した医薬製剤/組成物として同時に(例えば経口)投与することもできる;特定の実施形態では、この組み合わせの各成分は別々の医薬製剤/組成物として連続して(例えば経口)投与する。
【0171】
本明細書に記した組み合わせは医薬製剤の形態での使用において場合により存在し得、したがって本明細書で定義する組み合わせを含む医薬製剤は医薬上許容可能な担体または賦形剤と共に本発明のさらなる態様を含む。かかる組み合わせの各成分は、別々の医薬製剤として連続投与してもよいし、配合した医薬製剤として同時投与してもよい。
【0172】
式(I)の化合物またはその医薬上許容可能な塩を同一の疾患状態に対して活性の第二治療薬と組み合わせて使用する場合、各化合物の用量は化合物の単独使用時と異なる場合がある。
【0173】
以下の実施例および中間体は、本発明の化合物、本発明の化合物の調製方法、および本発明の化合物の調製において使用可能な中間体を例証するが、これらに限定することを意図しない。
【0174】
実験項目
本明細書に一部使用し得る略語は以下を含む:
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP 4−(ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチル−4−ピリジンアミンとも称する
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン(PrNEt)
DPPF 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
EtO ジエチルエーテル
EtOH エタノール
HCl 塩酸
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−1−エタンスルホン酸
【化26】
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IPA イソプロパノール(イソプロピルアルコール)
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NaHCO 炭酸水素ナトリウム
NBS N−ブロモコハク酸イミド
NCS N−クロロコハク酸イミド
NIS N−ヨードコハク酸イミド
NH アンモニア
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
eq 当量
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
h 時間
min 分
LCMSまたはLC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
MDAP マスディレクテッド自動(分取)HPLC
MS 質量分析
NMR 核磁気共鳴
TLC 薄層クロマトグラフィー
RT 室温(外界温度);本明細書に別段の開示のない限り、通常約18〜約25℃の範囲、またはこの範囲内の副範囲。
SCX 強陽イオン交換。SCXカラムまたはカートリッジは典型的には、固体相(例えばIST Isolute(商標登録)カラム)上に固定化したベンゼンスルホン酸残基を有する固体相抽出(SPE)カラムである。アンモニア/メタノールで溶出する場合、SCXにより単離した化合物は通常、遊離塩基形態である(かかる形態が存在する場合)と考えられる。
【0175】
中間体および実施例
以降の本文中で詳述していない試薬は、通常、化学物質供給者、例えばSigma−Aldrichなどの確立された供給者から市販されている。出発物質の調達に有用であり得る、一般的な種々の化学物質の供給者の一部の住所および/または連絡先の詳細は以下のとおりである:
ABCR GmbH KG, Im Schlehert 10, Karlsruhe, D−76187, Germany, telephone: +49 (0)721−95061−0, Fax: +49 (0)721−95061−80, http://www.abcr.de
AKos Consulting and Solutions GmbH, Austr. 26, Steinen, D−78585, Germany, telephone: +49 7627 970068, fax: +49 7627 970067, http://www.akosgmbh.eu
Alchem Pharmtech, Inc., 160 Liberty Street, Bldg 4A, Metuchen, NJ, 08840, USA, telephone: +1 848−565−5694, fax: +1 732−317−4369, www.alchempharmtech.com
Alfa Aesar, 26 Parkridge Road, Ward Hill, MA, 01835, USA, telephone: 1−978−521−6300, Fax: 1−978−521−6350, http://www.alfa.com
Allichem LLC, 8510 Corridor Road Ste A, Savage, MD, 20763−9504, USA, telephone: +1 301−317−5072, Fax: +1 301−317−5073, http://www.allichemllc.com
American Custom Chemicals Corp., P O Box 262527, San Diego, CA, 92196−2527, USA, telephone: +1 858−201−6118, Fax: +1 858−451−8607, http://www.acccorporation.com
Anichem LLC, 195 Black Horse Lane, North Brunswick, NJ, 08902, USA, telephone: +1 732−821−6500, fax: +1 732−821−6008, http://www.anichemllc.com
APAC Pharmaceutical, LLC, 6851 Oak Hall Lane, Suite 101, Columbia, MD, 21045, USA, phone: +1 (410) 469−0727, fax: +1 (410) 309 5955, www.apacpharma.com
Apollo Scientific Ltd., Whitefield Rd., Bredbury, Stockport, Cheshire, SK6 2QR, United Kingdom, telephone: +44 (0)161 406 0505, Fax: +44 (0)161 406 0506, http://www.apolloscientific.co.uk
Ark Pharm, Inc., 1840 Industrial Drive, Suite 280, Libertyville, IL, 60048, USA, telephone: +1−847−367−3680, fax: +1−847−367−3681, http://www.arkpharminc.com
Atomole Scientific Co., Ltd, 150 Zhongjia Village, Suite 104, Hanyang District, Wuhan, Hubei, 430050, China, telephone: +86−27−82261049, fax: +86−27−82629206, http://www.atomole.com
Aurora Fine Chemicals LLC, 7929 Silverton Ave., Suite 609, San Diego, CA, 92126, USA, tel: +1 858 549 4700, fax: +1 858 549 4701, www.aurorafinechemicals.com
Bepharm Ltd., 128 Xiangyin Road, Room C316, Yangpu District, Shanghai, 200433, China, phone: +86−21−51816456, fax: +86−21−51816457, http://www.bepharm.com
Beta Pharma, Inc., 91 Shelton Avenue, Suite: 211, New Haven, CT, 06511, USA, telephone: +1−877−786−1922, Fax: (203)786−5437, http://www.betapharma.com
Bosche Scientific, LLC, New Brunswick Technology Center, 100 Jersey Avenue, Box D−12, Building D, 3rd Floor, New Brunswick, NJ, 08901, USA, telephone: +1 (732)−565−9988, fax: +1 (732)−875−0899, http://www.BoscheSci.com
Bridge Organics, 311 W. Washington St., Vicksburg, MI, 49097−1200, USA, telephone: +1 269−649−4200, fax: +1 269−649−0611, http://www.bridgeorganics.com
ChemBridge Corporation, 16981 Via Tazon, Suite G, San Diego, CA, 92127, USA, telephone: +1 (800) 964−6143, fax: +1 (858) 451−7401, http://www.chembridge.com
ChemPacific Corp, 6200 Freeport Center, Baltimore, MD, 21224, USA, telephone: +00 1 410−633−5771, Fax: +001 410−633−5808, http://www.chempacific.com
China Hallochem Pharma Co., Ltd., 17F, Venus Science Incubate Center, No.60 Xingguang Road, New North Zone, Chongqing, 401121, China, telephone: +86−23−67030786, Fax: +86−23−67030809, http://www.hallochem.com
D−L Chiral Chemicals, LLC, 53 Champlain Road, Monmouth Junction, NJ, 08852, USA, telephone: +1 732−668−8759, fax: +1 732−359−1599, http://www.dlchiral.com
Fluorochem Ltd., Wesley Street, Old Glossop, Derbyshire, SK13 7RY, United Kingdom, telephone: +44 (0) 1457 868921, Fax: +44 (0) 1457 869360, http://www.fluorochem.net
Haiso PharmChem, Hubei Research Institute of Chemistry, No. 30 Guanshan Road, Wuhan, 430074, China, telephone: +86−27−87422225, fax: +86−27−87496702, http://www.haisopharm.com
Indofine Chemical Company, Inc., 121 Stryker Lane, Bldg 30, Suite 1, Hillsborough, NJ, 08844, USA, telephone: +1 (908) 359−6778, fax: +1 (908) 359−1179, http://www.indofinechemical.com
International Laboratory Limited, 1067 Sneath Ln, San Bruno, CA, 94066, USA, telephone: +1 650−278−9963, Fax: +1 650−589−2786, http://www.intlab.org
J&W PharmLab LLC, 2000 Hartel Street, Suite B, Levittown, PA, 19057, USA, telephone: +1−215−945−6595, fax: +1−215−945−6597, http://www.jwpharmlab.com
JRD Fluorochemicals Ltd, Unit 11, Mole Business Park, Randalls Road, Leatherhead, Surrey, KT22 7BA, United Kingdom, telephone: +44 (0) 1372 360896, Fax: +44 (0) 1372 360790, http://www.jrdfluoro.co.uk
Lanzhou Chon Chemical Co., Ltd., D6, Guchengping Industrial Park, Donggang Town, Lanzhou City, China, telephone: +86−138−93130096, fax: +86−931−4673545, http://www.chonchem.com
Matrix Scientific, P O Box 25067, Columbia, SC, 29224−5067, USA, telephone: 800−733−0244 (from USA and Canada) or (803) 788−9494 (all other calls), Fax: (803) 788−9419, http://www.matrixscientific.com
Manchester Organics Ltd., Unit 2, Clifton Lane, Ashville Industrial Estate, Sutton Weaver, Runcorn, Cheshire, WA7 3FP, United Kingdom, telephone: +44 (0)1928 710 200, fax: +44 (0)1928 710 225, http://www.manchesterorganics.com
Maybridge, Trevillett, Tintagel, Cornwall, PL34 0HW, United Kingdom, telephone: +44 (0)1840 770453, Fax: +44 (0)1840 770111, http://www.maybridge.com
Oakwood Products, Inc., 1741 Old Dunbar Rd., West Columbia, SC, 29172, USA, telephone: +1−800−467−3386, fax: +1 803−739−6957, http://www.oakwoodchemical.com
Pfaltz & Bauer, Inc., 172 E. Aurora Street, Waterbury, CT, 06708, USA, telephone: +1 (203) 574−0075, Fax: +1 (203) 574−3181, http://www.pfaltzandbauer.com
Princeton BioMolecular Research, Inc., Princeton Corporate Plaza, 11 Deer Park Drive, Ste. 114, Monmouth Junction, NJ, 08852, USA, telephone: +1 732−355−9920 ext. 102, fax: +1 732−355−9921, http://www.princetonbio.com
Ryan Scientific, Inc., P O Box 703, Mt. Pleasant, SC, 29465, USA, telephone: +1 888−884−4911, ,fax: +1 843−884−5568, http://www.ryansci.com
Shanghai AOKChem Group Limited, No. 1768−4−302 Boxing Road, Shanghai, China, telephone: +86−21−68712331, Fax: +86−21−68712362, http://www.aokchem.com
Shanghai FWD Chemicals Limited, Room 409, The Technological and Industrial Building, Meilong Road 130, Shanghai, 200237, China, telephone: +86−21−64251348, Fax: +86−21−64251330, http://www.fwdchem.com
Shanghai PI Chemicals Ltd, Room 512, Building 1, 88 Cai Lun Road, Zhangjiang Hi−Tech Park, Pudong New Area, Shanghai, 201203, China, telephone: +86−21−58953700, Fax: +86−21−58953701, http://www.pipharma.com
Shanghai Sinofluoro Scientific Corporation Ltd., Room113, Building 2, No. 969#
Zhongshan South No.2 Road, Shanghai, 200030, China, telephone: +86−21−642−793−60, fax: +86−21−642−786−03, http://www.sinofluoro.com
Shanghai Specbiochem Co., Ltd., Unit A101−2, No.326, Edison Rd, Zhangjiang High−tech Park, Shanghai, China, telephone: +86 21−51320052, Fax: +86 21−51320053, http://www.specbiochem.com
Sigma−Aldrich, P O Box 14508, St. Louis, MO, 63178, USA, Tel: 1−800−325−3010, Fax: 1−800−325−5052, http://www.Sigma−Aldrich.com
Spectrum Chemicals and Laboratory Products, Inc., 14422 South San Pedro St., Gardena, CA, 90248, USA, telephone: 800−395−6723, Fax: 310−516−7512, http://www.spectrumchemical.com
Strem Chemicals, Inc., Dexter Industrial Park, 7 Mulliken Way, Newburyport, MA, 01950−4098, USA, telephone: +1 (978) 499−1600, fax: +1 (978) 465−3104, http://www.strem.com
Thermo Fisher Scientific, Janssens Pharmaceuticalaan 3A, Geel, 2440, Belgium, telephone: 0032 14 575261, Fax: 0032 14 593434, http://www.acros.com
TimTec, Inc., Harmony Business Park 301−A, Newark, DE, 19711, USA, telephone: +1 (302) 292−8500, fax: +1 (302) 292−8520, http://www.timtec.net
Tyger Scientific Inc., 324 Stokes Avenue, Ewing, NJ, 08638, USA, telephone: +1 609 434−0144, fax: +1 609 434−0143, http://www.tygersci.com
UkrOrgSynthesis, 18 Mechnikova Street, Suite 92, Kiev, 01021, Ukraine, telephone: +38 044 531 94 97, Fax: +38 044 531 94 97, http://www.ukrorgsynth.com
Vesino Industrial Co., Ltd., No.4 Xinglanyuan Building, Changjiang Road, Tianjin, 300193, China, telephone: +86 22 81289555, fax: +86 22 27455635, http://www.vesino.com.cn
Wako Pure Chemical Industries, Ltd., 1−2, Doshomachi 3−Chome, Chuo−ku, Osaka, 540−8605, Japan, telephone: +81−6−6203−3741, Fax: +81−6−6201−5964, http://www.wako−chem.co.jp
【0176】
中間体
【0177】
中間体1 イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I1)(購入も可能)
【化27】
2−ピラジナミン(9.51g、100mmol)をエタノール(300ml)に溶解させて、2−ブロモ−1,1−ビス(エチルオキシ)エタン(21.06ml、140mmol)を添加した。48%臭化水素酸(33.3ml)を添加して、混合物を還流で24時間加熱した。溶液を真空濃縮して粗固体として、これを10%アンモニア氷(300ml)で塩基性化した。溶液を酢酸エチル(300ml)に3回抽出して、併合抽出物をブラインで洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して粗固体(4.76g)を得た。固体をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、40+M、勾配0〜100%[25%2Mアンモニア/メタノールのジクロロメタン溶液]のジクロロメタン溶液で溶出)により精製して、イミダゾ[1,2−a]ピラジン(2.86g、24.01mmol、24.01%収率)を得た。
H NMR(CDCl、400MHZ)d 9.11(s、1H)、8.10(d、1H、J=4.8Hz、7.88(d、1H、4.8Hz、7.83(s、1H)、7.71(s、1H)
【0178】
中間体2 3−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I2)
【化28】
イミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.191g、10mmol、中間体1)および酢酸ナトリウム(0.984g、12.00mmol)を(過剰)臭化カリウムで飽和したメタノール(10ml)中に懸濁させて、−10℃に冷却した。臭素(0.515mL、10.00mmol)を滴下して、混合物を−10℃で10分間攪拌した。溶液を1N亜硫酸ナトリウム溶液(10ml)の添加により急冷して、真空濃縮した。残渣を酢酸エチル(100ml)および50%飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)間に分配した。水相を酢酸エチル(100ml)で2回抽出して、併合して、ブライン(50ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗3−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.66g、8.38mmol、84%収率)を得て、これをさらに精製せずに以降の工程に用いた(3−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.66g、8.38mmol、84%収率))。
LC/MS[M+H]=198、200、保持時間=0.53分(2分方法)。
H NMR(CDCl、400MHz)d 9.09(s、1H)、8.08(s 1H)、7.94(s、1H)、7.81(s、1H)。
【0179】
中間体3 3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I3)
【化29】
3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.391g、7.13mmol)をエタノール(100ml)に溶解させて、室温、1気圧水素下、酸化プラチナ(IV)(0.202g、0.713mmol)上で、24時間水素化した。触媒をろ過して、エタノールで洗浄して、ろ液を濃縮して、3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.41g、7.08mmol、99%収率)を得た。
【0180】
LC/MS[M+H]=200、保持時間=0.30分(5分方法)。
【0181】
H NMR(CDCl、400MHz)d 7.7−7.3(m、5H)、7.06(s、1H)、4.20(s、2H)、3.97(m、2H)、3.23(m、2H)。
上の方法に用いた3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジンは以下のとおり調製した:
【0182】
3−ブロモイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.66g、7.13mmol、中間体2)、炭酸ナトリウム(3.78g、35.6mmol)およびフェニルボロン酸(1.043g、8.55mmol)を1,2−ジメトキシエタン(DME)(40ml)および水(20ml)に溶解させた。ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.250g、0.356mmol)を添加して二相性溶液を80℃で16時間加熱した。水相を酢酸エチル(100ml)で3回抽出して、併合抽出物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)、水(100ml)、ブライン(100ml)で洗浄して、ヒドロマトリックスカートリッジ(Varian)を通過させることによって乾燥させた。ろ液を真空濃縮して粗油(2.44g)を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、40+M、勾配0〜100%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出)−(生成物を100%酢酸エチルで溶出)により精製して、3−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.22g、6.25mmol、88%収率)を得た。
【0183】
LC/MS[M+H]=196、保持時間=1.63分(5分方法)。
【0184】
中間体4 2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I4)
【化30】
2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.63g、8.71mmol)をメタノール(70mL)に溶解させて、RT、1気圧水素下、カーボンペースト上10%パラジウム(0.464g、0.436mmol)で16時間水素化した。触媒をろ過して、ろ液を濃縮して油として、これを静置して固体化し、蝋様固形2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.56g、8.16mmol、94%収率)とした。
【0185】
H NMR(CDCl、400MHz)d 7.15(s、1H)4.12(s、2H)、4.08(m、2H)、3.28(m、2H)。
【0186】
上の手順に用いた2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジンを以下のとおり調製した:
【0187】
2−ピラジナミン(4.76g、50mmol)をエタノール(120ml)に溶解させて、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン(5.19ml、50.0mmol)を添加した。溶液を還流で24時間加熱した。溶液を真空濃縮して、残渣を飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)および酢酸エチル(100ml)間に分配した。水相を酢酸エチル(100ml)で3回抽出して、併合抽出物をブライン(100ml)で2回洗浄して、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させて、濃縮して粗固体(6.72g)とした。固体をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、40+M、勾配25〜100%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出)により精製して、生成物(3.72g)を得て、これをさらに精製して(Biotage SP4、40+M、勾配0〜100%の25%2Mアンモニア/メタノールのジクロロメタン溶液/ジクロロメタン溶液で溶出)、純物質生成物(2.11g)を得た。固体を少量IPAから再結晶化して、2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.63g、8.71mmol、17.42%収率)をオフホワイト色プレートとして得た。
【0188】
LC/MS[M+H]=188、保持時間=1.38分(5分方法)。
【0189】
中間体5 2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I5)
【化31】
2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンを2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(中間体4)のための上記方法に類似した方法だが、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノンの代わりに1−ブロモ−2−ブタノンから開始し、水素化工程においてカーボンペースト上10%パラジウムおよびメタノールの代わりに酸化プラチナ(IV)およびエタノールを用いて調製した。
【0190】
H NMR(CDCl、400MHz)d 6.51(s、1H)、4.08(s、2H)、3.89(m、2H)、3.22(m、2H)、2.57(q、2H、J=7.6Hz)、1.21(t、3H、J=7.6Hz)。
【0191】
中間体6 2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I6)
【化32】
2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンを2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(中間体4)のための上記方法に類似した方法だが、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノンの代わりに1−クロロ−2−プロパノンから開始し、水素化工程においてカーボンペースト上10%パラジウムおよびメタノールの代わりに酸化プラチナ(IV)およびエタノールを用いて調製した。
【0192】
H NMR(CDCl、400MHz)d 6.52(s、1H)、4.24(s、2H)、3.88(m、2H)、3.21(m、2H)、2.21(s、3H)。
【0193】
中間体7 2−(1,1−ジメチルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I7)
【化33】
2−(1,1−ジメチルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンを2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(中間体4)のための上記方法に類似した方法だが、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノンの代わりに1−ブロモ−3,3−ジメチル−2−ブタノンから開始し、水素化工程においてカーボンペースト上10%パラジウムおよびメタノールの代わりに酸化プラチナ(IV)およびエタノールを用いて調製した。
【0194】
H NMR(CDCl、400MHz)d 6.50(s 1H)、4.08(s 2H)、3.90(m、2H)、3.22(m、2H)、1.27(s、9H)。
【0195】
中間体8 2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I8)
【化34】
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンを2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(中間体4)のための上記方法に類似した方法だが、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノンの代わりに2−ブロモ−1−フェニルエタノンから開始し、水素化工程においてカーボンペースト上10%パラジウムおよびメタノールの代わりに酸化プラチナ(IV)およびエタノールを用いて調製した。
【0196】
LC/MS[M+H]=200、保持時間=0.44分(2分方法)。
【0197】
中間体9 3−(2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン[1,2−a]ピラジン(I9)
【化35】
3−(2−ピリジニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.319g、1.626mmol)を50psi、室温で、カーボンペースト上10%パラジウム(0.0346g、0.163mmol)のメタノール溶液(20mL)で24時間水素化した。反応を50psiで水素圧力下、50℃でさらに24時間継続した。触媒をろ過して、真空濃縮して粗3−(2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン[1,2−a]ピラジンを得て、これをさらに精製せずに用いた。
【0198】
上の方法に用いた3−(2−ピリジニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジンは以下のとおり調製した:
【0199】
イミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.715g、6mmol、中間体1)、2−ブロモピリジン(0.644mL、6.60mmol)、トリフェニルホスフィン(0.315g、1.200mmol)、および酢酸パラジウム(II)(0.135g、0.600mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(8mL)中、マイクロ波反応装置内で150℃で5時間加熱した。大部分のDMAを真空除去して、残渣を10%イソプロパノールのDCM溶液(100ml)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(50ml)間に分配した。セライトを介したろ過により固体を除去して、ろ液を分離した。水相を10%イソプロパノールのDCM溶液(50mL)で3回抽出した。併合有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して粗油(2.6g)を得た。粗油をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、40+M、勾配0〜100%[2Mアンモニアメタノールの酢酸エチル溶液]酢酸エチル溶液で溶出)により一部精製して、物質(1.59g)を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、40+M、勾配0〜100%[(2Mアンモニアメタノールの酢酸エチル溶液]酢酸エチル溶液)で溶出)により再精製して、3−(2−ピリジニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.319g、1.626mmol、27.1%収率)を得た。
【0200】
H NMR(CDCl、400MHZ)d 9.82(dd、1H、J=3.6、1.2Hz)、9.19(d、1H、J=1.6Hz)、8.72(1H、m)、8.03(d、1H、J=4.8Hz)、7.84−7.91 m(2H)、7.29−7.21 m(2H)。
【0201】
中間体10 4−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−ピペラジノン(I10)
【化36】
2−ピペラジノン(5.3g、52.9mmol)の乾燥ジクロロメタン(DCM)懸濁液(76ml)にトリエチルアミン(16.23ml、116mmol)および最終的に2,3−ジクロロベンゾイルクロリド(12.20g、58.2mmol)を滴下した(発熱)。混合物を室温で攪拌した。1時間後、混合物をDCM(150mL)および飽和NaHCO(150ml)で希釈して、分相して、水層をDCM(100ml)で2回抽出した。併合有機留分をブラインで洗浄して、MgSO上で乾燥させた。蒸発させて、4−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−ピペラジノン(12g)を得た。
【0202】
LC/MS[M+H]=272.93、保持時間=0.69分(2分方法)。
【0203】
中間体11 2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I11)
【化37】
2−ピラジナミン(11.89g、125mmol、例えばSigma−Aldrich、FlukaまたはAcrosから市販されている)をイソプロパノール(IPA)(200mL)に溶解させて、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノン(12.98mL、125mmol)を添加した。溶液を室温で2時間攪拌して、還流で18時間加熱した。溶液を真空濃縮して、残渣を飽和重炭酸ナトリウム溶液(200ml)および20%IPAのDCM溶液(300ml)間に分配した。水相を20%IPAのDCM溶液(200ml)で5回抽出して、併合抽出物を真空濃縮した。残渣を酢酸エチル(500ml)に溶解させて、ブライン(100ml)で2回洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して粗固体(17.69g)を得た。固体をジクロロメタンに溶解させて、最初にシリカプラグを介したろ過により精製して、生成物15.14gを得た。固体をフラッシュクロマトグラフィー(Biotageフラッシュ65+、0〜100%[10%2M NHのMeOH溶液/DCM溶液]/DCM溶液)により精製して、所望の生成物5.61gを得た。LC/MS=408/410(M+H)、保持時間=2.05分(5分)。
【0204】
中間体12 3−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I12)
【化38】
2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I11)(2.5g、13.36mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)に溶解させて、NBS(2.497g、14.03mmol)を添加した。溶液をRTで48時間攪拌した。大部分のDMFを真空除去して、残渣を氷水(25ml)上にそそいだ。溶液を飽和重炭酸ナトリウム溶液(25ml)で塩基性化して、酢酸エチル(50ml)に3回抽出した。併合抽出物を水(50ml)、50%ブライン(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、粗生成物3.88gを得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SP4、40+M、0〜100%メタノール:ジクロロメタン(1:9)溶液/ジクロロメタン溶液)により精製して、生成物3.44gを得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SP4、40+M、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)によりさらに精製して、生成物2.49gを得た。
【0205】
LC/MS=267/269(M+H)、保持時間=0.85分(2分)。
【0206】
中間体13 3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I13)
【化39】
3−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I12)(1.330g、5mmol)、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(1.049g、7.50mmol)、炭酸ナトリウム(2.65g、25.00mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.351g、0.500mmol)を水(10ml)および1,2−ジメトキシエタン(DME)(20ml)中、80℃で7時間加熱した。混合物をヒドロマトリックスカートリッジ(Varian、20g)に通過させて、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を真空濃縮して、粘性油を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、100g、0〜100%2Mアンモニアのメタノール:ジクロロメタン(1:9)溶液/ジクロロメタン溶液)により精製して、生成物2.03gを得た。化合物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、100g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により再精製して、生成物1.42gをベージュ色固体として得た。
【0207】
LC/MS=281(M+H)、保持時間=0.96分(2分方法)。
【0208】
中間体14 3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I14)
【化40】
3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I13)(1.4g、4.98mmol)をRT/1気圧水素下、エタノール(40mL)に溶解した酸化プラチナ(IV)(0.141g、0.498mmol)で、24時間水素化した。触媒をろ過して、ろ液を真空濃縮して、生成物1.4gを粘性固体として得た。
【0209】
LC/MS=286(M+H)、保持時間=0.85分(2分方法(高pH)。
【0210】
中間体15 3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I15)
【化41】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E1)(5.68g、17.23mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(100mL)に溶解させて、NBS(3.22g、18.09mmol)で処理した。溶液を25℃で16時間攪拌して、大部分のDMFを真空除去した。残渣をジクロロメタン(500ml)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)間に分配した。水相をジクロロメタン(100ml)で5回抽出し、この間にセライトを介したろ過により乳濁液を除去してコハク酸イミドを沈殿させる必要があった。併合有機抽出物をブライン(100ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗油とした。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、340g、0〜100%メタノール:ジクロロメタン(1:9)溶液/ジクロロメタン溶液)により精製して油を得て、これをヘキサンで粉砕して、所望の生成物の固体5.90gを得た。
【0211】
LC/MS=408/410/412(M+H)、保持時間=0.90分(2分方法)。
【0212】
中間体16 5−フルオロ−2−(トリメチルスタンニル)ピリジン(I16)
【化42】
2−ブロモ−5−フルオロピリジン(0.66g、3.75mmol、例えばSigma−Aldrichから市販されている)およびヘキサメチルジスタンナン(0.778ml、3.75mmol、例えばFlukaまたはSigma−Aldrichから市販されている)の無水1,4−ジオキサン溶液(12.50ml)をアルゴン流下で超音波処理により5分間脱気後、パラジウムテトラキス(0.217g、0.188mmol)を添加して、混合物に150℃で10分間マイクロ波を照射した。LCMSにより、所望のスタンナンへの変換が示された(MH=264主要同位体、特徴的Sn同位体パターンが存在、Rt=0.5)。それをセライトパッドを介してろ過して、真空濃縮して、中性アルミナ上、勾配0〜10%DCMのイソヘキサン溶液で精製して、所望の生成物240mgを無色油として得て、これを静置して結晶化した。
【0213】
LCMS[M+H]259.81(0.49分目)(2分実行)、特徴的スズ破片が示された
【0214】
中間体17 5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I17)
【化43】
イミダゾ[1,2−a]ピラジン(I1)(4.38g、36.8mmol)をメタノール(100mL)に溶解させて、1気圧/25℃水素、酸化プラチナ(IV)(0.522g、1.838mmol)上で24時間水素化した。触媒をろ過して、ろ液を濃縮して、生成物4.8gを得て、これをさらに精製せずに用いた。
【0215】
LC/MS=124(M+H)、保持時間=0.34分(2分方法(高pH)。
【0216】
中間体18 1,1−ジメチルエチル5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシレート(I18)
【化44】
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I17)(4.53g、36.8mmol)およびトリエチルアミン(6.16mL、44.2mmol)をジクロロメタン(DCM)(200mL)に溶解して、ジ−tert−ブチルジカルボネート(10.25mL、44.2mmol)で処理した。溶液をRTで48時間攪拌して、真空濃縮して粗油を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、340g、0〜100%2Mアンモニアのメタノール:ジクロロメタン(1:9)溶液/ジクロロメタン溶液)により精製して、3留分を得た。LC/MSにより留分2に所望の生成物が含まれることを確認した。残渣を酢酸エチル(300ml)に溶解させて、飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、水(50mL、2回)、ブライン(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、生成物6.77gを得た。
【0217】
LC/MS=224(M+H)、保持時間=0.71分(2分方法(高pH)。
【0218】
中間体19 1,1−ジメチルエチル3−クロロ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシレート(I19)
【化45】
1,1−ジメチルエチル5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシレート(I18)(1.563g、7mmol)およびNCS(0.935g、7.00mmol)をトルエン(30mL)中、80℃で2時間加熱した。溶媒を真空除去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、50g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により精製して、生成物1.55gを得た。
【0219】
LC/MS=258/260(M+H)、保持時間=0.64分(2分方法)。
【0220】
中間体20 3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I20)
【化46】
1,1−ジメチルエチル3−クロロ−5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−カルボキシレート(I19)(1.55g、6.01mmol)および4N HClの1,4−ジオキサン溶液(6.01mmol)をRTで1,4−ジオキサン(5mL)で16時間攪拌した。溶媒を真空除去して、残渣をメタノール中のSCX(Varian10g)上に2回負荷した。カラムをメタノールで洗浄して、塩基性生成物を2Mアンモニア/メタノールで溶出した。塩基性留分を真空濃縮して、生成物913mgを得て、これをさらに精製せずに以降の工程に用いた。
【0221】
LC/MS=158/160(M+H)、保持時間=0.44分(2分方法(高pH)。
【0222】
中間体21 7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I21)
【化47】
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I17)(620mg、3.07mmol)およびジエチルアミノメチルポリスチレン(3071mg、9.83mmol)をジクロロメタン(DCM)(20mL)中でスラリーにした。2−クロロ−4−フルオロベンゾイルクロリド(622mg、3.22mmol、例えばSigma−Aldrich、MaybridgeまたはFluorochemから市販されている)を添加して、スラリーを25℃で3時間攪拌した。樹脂をろ過により除去して、ジクロロメタン(50ml)で洗浄して、ろ液を真空濃縮して粗油を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、100g、0〜100%2Mアンモニアのメタノール:ジクロロメタン(1:9)溶液/ジクロロメタン溶液)により精製して、生成物を得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、50g、0〜100%メタノール:ジクロロメタン(1:9)溶液/ジクロロメタン溶液)によりさらに精製して、生成物を得た。油をMDAPによりさらに精製して、きれいな生成物をギ酸塩として得た。固体をSCXカートリッジ(Varian、5g)上に負荷して、メタノールで洗浄した。生成物を2Mアンモニアメタノールで溶出して、ろ液を濃縮して、所望の生成物330mgを白色固体として得た。
【0223】
LC/MS=280/282(M+H)、保持時間=0.52分(2分)。
【0224】
中間体22 7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I22)
【化48】
2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I4)(287mg、1.5mmol)およびDIPEA(0.314mL、1.800mmol)を0℃でジクロロメタン(DCM)(15mL)に溶解した。DCM(5mL)に溶解させた2−クロロ−4−フルオロベンゾイルクロリド(290mg、1.500mmol、例えばSigma−Aldrich、MaybridgeまたはApolloから市販されている)を滴下して、溶液を室温になるまで4時間かけて攪拌した。溶媒を真空除去して、残渣をジクロロメタン(50mL)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(25mL)間に分配した。水相をジクロロメタン(50mL)で3回抽出して、併合抽出物を水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空濃縮して粗油(759mg)を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、25g、0〜100%2Mアンモニアのメタノール:ジクロロメタン(1:9)溶液/ジクロロメタン溶液)により精製して、粗生成物を得た。廃棄物を濃縮して、同様に生成物と同定された物質を得た。試料を併合して、粗生成物を得た。これをMDAPにより精製して、生成物を含む留分を濃縮してSCXカートリッジ(Varian、10g)上に直接負荷した。カラムをメタノールで洗浄して、生成物を2Mアンモニアメタノールで溶出した。溶媒を真空蒸発させて、所望の生成物318mgを得た。
【0225】
LC/MS=348/350(M+H)、保持時間=0.94分(2分方法)
【実施例】
【0226】
上のスキーム1〜5に概説する合成方法と共に本発明の化合物の調製のための一般的な方法(a)〜(e)を以下の実施例によりさらに例証する。
実施例1
【0227】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E1)
【化49】
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.099g、0.804mmol)をジクロロメタン(DCM)(8ml)中に懸濁させた。トリエチルアミン(0.123mL、0.884mmol)および2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(0.195g、0.804mmol)を添加して、混合物を室温で5時間攪拌した。反応混合物を真空濃縮して、残渣を1:1 DMSO/MeOHに溶解させて、マスディレクテッド自動分取HPLCにより精製した。生成物の留分を真空濃縮して、オレンジ色ゴムを得た。これをDCM(10ml)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(4ml)間に分配して、有機層を分離した。これを真空濃縮して、7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.131g、0.397mmol、49.4%収率)を黄色ゴムとして得た。
LC/MS[M+H]=330、保持時間=1.02分(5分方法)。
【0228】
実施例2
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E2)
【化50】
2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1.06g、5.55mmol、中間体4)およびトリエチルアミン(0.850ml、6.10mmol)をジクロロメタン(DCM)(25ml)に溶解させた。2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(1.348g、5.55mmol)を添加して、混合物を室温で24時間攪拌した。溶媒を真空除去して、固体をジクロロメタン(100ml)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(50ml)間に分配した。水相をジクロロメタン(50ml)で3回抽出して、併合した有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させてから、濃縮して、7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(2.22g、5.58mmol、101%収率)を得た。
【0229】
LC/MS[M+H]=398、400、保持時間=1.04分(2分方法)。
【0230】
実施例3
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E3)
【化51】
2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.096g、0.5mmol、中間体4)およびジエチルアミノメチルポリスチレン(0.469g、1.500mmol)をジクロロメタン(DCM)(5ml)中でスラリーにした。2,4−ジクロロベンゾイルクロリド(0.084ml、0.600mmol)を添加して、混合物を室温で24時間攪拌した。樹脂をろ過して、ジクロロメタンで洗浄して、ろ液を真空濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、25+S、勾配0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液で溶出)により精製して、7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.178g、0.489mmol、98%収率)を得た。
【0231】
LC/MS[M+H]=364、366、368、保持時間=2.30分(5分方法)。
【0232】
実施例4〜16
上の実施例3に記載した方法に類似した方法で、上の手順に用いた2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンおよび2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリドをそれぞれ置換された5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(上記にて調製)および塩化ベンゾイルの適切な中間体と置き換えることにより、下表(表1)にまとめた化合物を調製した。使用した塩化ベンゾイルはすべて購入することもできるし、化学文献に既に記載されている経路を用いて調製することもできる。化合物は、遊離塩基または単離物として、標準的な手順を用いて(例えば実施例17を参照)、酸性塩、例えばHCl塩として調製できるであろう。
【表1】
【0233】
実施例9
7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(E9)
【化52】
4−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−2−ピペラジノン(0.250g、0.915mmol、中間体10)の乾燥ジクロロメタン(DCM)溶液(2mL)を室温、アルゴン雰囲気下で攪拌した。混合物を室温で2時間攪拌後、2−アミノ−1−フェニルエタノン(0.136g、1.007mmol)一塩酸塩およびDIPEA(0.176mL、1.007mmol)を攪拌溶液に添加した。生成溶液をさらに2時間室温で攪拌した。この時間後、溶液を減圧濃縮して、残渣をn−ブタノール(2.000mL)に再溶解させた。生成溶液を還流で加熱した(時間不明、反応を最長一晩実行するように設定、朝に電源切断のためにホットプレート切断)。溶媒を減圧除去した。残渣をDCM(約50mL)に溶解させて、有機物をブラインで洗浄した。有機物を硫酸マグネシウム上で乾燥させて、減圧下でろ過および濃縮して、褐色油を得た。油をクロマトグラフ[SiO、0〜5%(2M NHのMeOH溶液)のDCM溶液で溶出]にかけた。残渣を、マスディレクテッド自動分取HPLC(高pH方法)を用いてさらに精製して、生成物をオフホワイト色固体として得た。固体をDCM(約2ml)に溶解させて、HClのジエチルエーテル溶液(1M、0.27ml)で処理した。溶媒を減圧除去して、7−[(2,3−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.092mg、0.225mmol、24.59%収率)を得た。
【0234】
LC/MS[M+H]=371.96、374.99、保持時間=0.83分(2分方法)。
【0235】
実施例17
3−フェニル−7−[(2,4,6−トリクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(E17)
【化53】
2,4,6−トリクロロ安息香酸(0.169g、0.750mmol)、EDC(0.144g、0.750mmol)および1−ヒドロキシベンズトリアゾール(0.115g、0.750mmol)をジクロロメタン(DCM)(5mL)中で15分間攪拌した。3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(100mg、0.5mmol、中間体3)およびジイソプロピルエチルアミン(0.175mL、1.000mmol)を添加して、溶液を室温で16時間攪拌した。混合物をDCM(50ml)で希釈して、飽和重炭酸ナトリウム(25ml)、水(25ml、3回)、ブラインで洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗油とした。粗油をマスディレクテッド自動分取HPLCにより2回精製して、油を得た。精製された生成物をジクロロメタン(3ml)に溶解させて、4N HClのジオキサン溶液(500μL)で処理した。溶媒を真空除去して、固体をジエチルエーテルで粉砕して、生成物3−フェニル−7−[(2,4,6−トリクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(0.018g、0.041mmol、8.12%収率)を得た
【0236】
LC/MS[M+H]=406、408、保持時間=1.78分(5分方法)。
【0237】
実施例18
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(E18)
【化54】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(3.30g、10mmol、実施例1)およびNBS(1.869g、10.50mmol)をトルエン(50ml)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(10ml)中、110℃で2時間加熱した。混合物を冷却して、真空濃縮した。残渣を酢酸エチル(100ml)および水(100ml)間に分配した。水相を酢酸エチル(100ml)で抽出した。ブライン、ろ過または塩での飽和を用いて、非常に不良な乳濁液を得た(これは透明ではなかった)。酢酸エチルで反復抽出して(10回)、有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで処理して、水を除去した。溶媒を真空濃縮して、残渣をクロロホルム(500mL)に溶解させて、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して油とした。粗油をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、40+M、勾配0〜100%[10%2M NH/MeOHのDCM溶液]/DCM溶液で溶出)により精製して、生成物3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(3.1g、7.59mmol、76%収率)をベージュ色発泡体として得た。この物質の試料0.180gをマスディレクテッド自動分取HPLCによりさらに精製してから、ジクロロメタン(5ml)に溶解させて、4N HClのジオキサン溶液(0.5ml)で処理した。溶媒を真空除去して、生成固体をジエチルエーテル中で粉砕して、3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(0.095g、0.213mmol、2.135%収率)を得た。
【0238】
LC/MS[M+H]=408、410、保持時間=2.05分(5分方法)。
【0239】
実施例19
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E19)
【化55】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.181g、0.455mmol、実施例2)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)に溶解させて、N−ブロモコハク酸イミド(NBS、0.097g、0.546mmol)で処理した。溶液を室温で16時間攪拌した。混合物を1%亜硫酸ナトリウム(w/w)含有水(100ml)上にそそいで、酢酸エチル(50ml)中に3回抽出した。併合抽出物をブライン(50ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗生成物(0.323g)を得た。粗生成物をマスディレクテッド自動分取HPLCにより精製して、3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.135g、0.283mmol、62.2%収率)を得た。
【0240】
LC/MS[M+H]=476、478、480、保持時間=2.90分(5分方法)。
【0241】
実施例20および21
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2,3−ジヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジンおよび7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−ヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E20およびE21)
【化56】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.989g、3mmol、実施例1)およびNIS(0.810g、3.60mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(8mL)中、室温で16時間攪拌した。さらにNIS(0.337g、1.500mmol)を添加して、攪拌をさらに24時間継続した。溶媒を真空除去して、残渣を酢酸エチル(100ml)および1%亜硫酸ナトリウム(w/w)含有水(50ml)間に分配した。有機相を50%ブライン(50ml、3回)、ブライン(50ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮してガラスとして、これをヘキサン下で固体化して、黄色固体(1.61g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、40+M、0〜100%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出)により純化を試みたが、きれいな留分は得られなかった。溶媒を真空除去して、残渣をマスディレクテッド自動分取HPLC(各0.100gを12回注入)により精製した。
【0242】
実施例20
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2,3−ジヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(80mg、0.138mmol、4.59%収率)を1〜3回の注入から得た。
【0243】
LC/MS[M+H]=581、583、保持時間=2.77分(5分方法)。
【0244】
実施例21
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−ヨード−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(584mg、1.282mmol、42.7%収率)を1〜12回の注入から得た後、最初に得た固体をイソヘキサン中で粉砕して、ろ過してから、乾燥させた。
【0245】
LC/MS[M+H]=56、458、保持時間=1.93分(5分方法)。
【0246】
実施例22
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(E22)
【化57】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.359g、0.879mmol、実施例18の遊離塩基)、(4−フルオロフェニル)ボロン酸(0.135g、0.966mmol)、炭酸ナトリウム(0.466g、4.39mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.0617g、0.088mmol)を水(10.00mL)および1,2−ジメトキシエタン(DME)(10mL)中、80℃で5時間加熱した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈して、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄して、比重ヒドロマトリックスカートリッジ(Varian、10g)を通過させることによって乾燥させて、真空濃縮して粗油(0.430g)とした。粗油をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、25+M、勾配0〜100%[10%M MeOHのDCM溶液]/DCM溶液で溶出)により精製して粗生成物(0.312g)を得て、これをマスディレクテッド自動分取HPLCによりさらに精製して、生成物の遊離塩基を発泡体として得た。発泡体をジクロロメタン(5ml)に溶解させて、4M HClのジオキサン溶液(1ml)で処理した。溶媒を真空除去して、固体をジエチルエーテルで粉砕して、生成物7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.154g、0.335mmol、38.1%収率)を得た。
【0247】
LC/MS[M+H]=424、426、保持時間=1.84分(5分方法)。
【0248】
実施例23〜25
上の実施例22に記載した方法に類似した方法で、上の手順に用いた(4−フルオロフェニル)ボロン酸を適切なボロン酸と置き換えることにより、下表(表2)にまとめた化合物を調製した。化合物は、遊離塩基または単離物として、標準的な手順を用いて(例えば実施例17を参照)、酸性塩、例えばHCl塩として調製できるであろう。使用したボロン酸はすべて購入することもできるし、化学文献に既に記載されている経路を用いて調製することもできる。
【表2】
【0249】
実施例26
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E26)
【化58】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.100g、0.210mmol、実施例19)、フェニルボロン酸(0.0384g、0.315mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(0.0147g、0.021mmol)および1,2−ジメトキシエタン(DME)(5mL)を1,2−ジメトキシエタン(DME)(5mL)/水(5.00mL)混合物中で100℃で4時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈して、酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。併合抽出物をブラインで洗浄して、ヒドロマトリックスカートリッジ(Varian、10g)を介して乾燥させた。ろ液を濃縮して油として、これをマスディレクテッド自動分取HPLCにより精製して、イソヘキサン中で粉砕後、7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.051g、0.108mmol、51.3%収率)を得た。
【0250】
LC/MS[M+H]=474、476、保持時間=3.04分(5分方法)。
【0251】
実施例27
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(E27)
【化59】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.204g、0.5mmol、実施例18の遊離塩基)を1,4−ジオキサン(3mL)に溶解させて、トリメチルボロキシン(0.084mL、0.600mmol)、炭酸カリウム(0.104g、0.750mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.058g、0.050mmol)を添加した。混合物を110℃で16時間加熱した。混合物を水(100ml)上にそそいで、酢酸エチル(50ml)に3回抽出した。併合抽出物を水(50ml、3回)、ブライン(50ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して暗色油(0.336g)とした。油をMDAPにより精製して、ガラスを得て、これをジクロロメタン(5ml)に溶解させて、4N HClのジオキサン溶液(1mL)で処理した。溶媒を真空除去して、生成固体をジエチルエーテル中で粉砕して、7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(0.050g、0.132mmol、26.3%収率)を得た。
【0252】
LC/MS[M+H]=344、346、保持時間=1.24分(5分方法)。
【0253】
実施例28
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン塩酸塩(E28)
【化60】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.330g、1mmol、実施例1)、1−ブロモ−2−メチルベンゼン(0.132mL、1.100mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.011g、0.050mmol)、トリフェニルホスフィン(0.026g、0.100mmol)および炭酸セシウム(0.342g、1.050mmol)を1,4−ジオキサン(5ml)をアルゴン下で懸濁させた。混合物を3回脱気して、90℃で16時間加熱した。溶媒を真空除去して、残渣を酢酸エチル(50ml)および水(50ml)間に分配した。水相を酢酸エチル(50ml)で2回抽出して、併合有機抽出物を水(50ml、3回)、ブライン(50ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗油とした。粗油をマスディレクテッド自動分取HPLCにより精製して、遊離塩基を得て、これをジクロロメタン(5ml)に溶解させて、4N HClのジオキサン溶液で処理した。溶媒を真空除去して、固体をジエチルエーテルで粉砕して、7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(0.027g、0.059mmol、5.92%収率)を得た。
【0254】
LC/MS[M+H]=420、422、保持時間=1.85分(5分方法)。
【0255】
実施例29
2,3−ジクロロ−7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E29)
【化61】
3−クロロ−7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E44)(300mg、0.907mmol)およびNCS(133mg、0.998mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)中、RTで16時間攪拌した。溶媒を真空除去して、残渣をMDAPにより精製して、所望の生成物218mgを得た。
【0256】
LC/MS=363/365/367(M+H)、保持時間=1.04分(2分方法)。
【0257】
実施例30
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E30)
【化62】
7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I21)(300mg、1.073mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)に溶解させて、NBS(200mg、1.126mmol)で処理した。溶液を25℃で16時間攪拌した。溶媒を真空除去して、残渣をMDAP(高pH方法)により精製して、所望の生成物210mgを得た。
【0258】
LC/MS=358/360/362(M+H)、保持時間=0.74分(2分方法)。
【0259】
実施例31
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(5−フルオロ−2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E31)
【化63】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(5−フルオロ−2−ピリジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E31)は以下の2経路のいずれかを用いて調製できる:
【0260】
1)3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E18)(62mg、0.140mmol)、5−フルオロ−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(78mg、0.349mmol)、塩化銅(I)(13.82mg、0.140mmol)、炭酸セシウム(136mg、0.419mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.567mg、6.98μmol)、DPPF(7.74mg、0.014mmol)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(1396μl)の混合物を、混合物中にアルゴン流を通気することにより脱気して(計10分)、続いて混合物を100℃に3時間加熱した。この時間後、溶液をEtOAc(約30ml)で希釈して、水(約10ml)で2回洗浄した。有機物をMgSO上で乾燥させて、減圧下でろ過および濃縮して、褐色油を得た。残渣をクロマトグラフ[SiO、0〜5%MeOHのDCM溶液]にかけて、所望の生成物のオフホワイト色固体12mgを得た。
【0261】
LCMS[M+H]424.92(0.89分目)(2分実行)。
【0262】
2)3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E18)(120mg、0.294mmol)および5−フルオロ−2−(トリメチルスタンニル)ピリジン(I16)(114mg、0.441mmol)の無水1,4−ジオキサン(979μl)の混合物をアルゴン流下で超音波処理により10分間脱気後、パラジウムテトラキス(50.9mg、0.044mmol)を添加して、それに140℃で1時間マイクロ波を照射してから、さらに1時間加熱した。パラジウムテトラキス(50.9mg、0.044mmol)を添加して、反応混合物をさらに1時間加熱した。LCMSにより、反応は完了したことが示された(開始臭化物の質量イオンなし)。それを5gSCXに適用して、MeOHで洗浄して、2M NHのMeOH溶液で溶出した。単離した物質は不純物であり、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage SP4、12+Mカートリッジ)(勾配0〜5%MeOHのDCM溶液)により精製して、生成物質(70mg)をMDAPによりさらに精製して、所望の生成物15mgを白色固体として得た。
【0263】
LC/MS:(M+H)=425、保持時間=0.81分(2分実行)。
【0264】
実施例32
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E32)
【化64】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I22)(181mg、0.455mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)に溶解させて、NBS(97mg、0.546mmol)で処理した。溶液をRTで16時間攪拌した。混合物を1%亜硫酸ナトリウム(w/w)含有水(100ml)上にそそいで、酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。併合抽出物をブライン(50ml)で洗浄して、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をMDAPにより精製して、所望の生成物135mgを得た。
【0265】
LC/MS=476/478/480(M+H)、保持時間=2.90分(5分)。
【0266】
実施例33
3−ブロモ−2−クロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E33)
【化65】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E18)(409mg、1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)に溶解させて、NCS(147mg、1.100mmol)を添加した。溶液をRTで24時間攪拌した。溶媒を真空除去して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、25g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により精製して、粗生成物を得た。これをMDAPによりさらに精製して、所望の生成物215mgを得た。
【0267】
LC/MS=442/444/446(M+H)、保持時間=1.06分(2分方法)。
【0268】
実施例34
2−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E34)
【化66】
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E22)(424mg、1mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)に溶解させて、これにNBS(196mg、1.100mmol)を添加した。溶液をRTで24時間攪拌して、溶媒を真空除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、25g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により精製して、粗生成物を得た。これをMDAPによりさらに精製して、きれいな所望の生成物230mgを得た。
【0269】
LC/MS=502/504/506(M+H)、保持時間=1.15分(2分方法)。
【0270】
実施例35
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E35)
【化67】
3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I14)(285mg、1mmol)およびジエチルアミノメチルポリスチレン(1000mg、3.20mmol)をジクロロメタン(DCM)(10mL)中でスラリーにして、2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(267mg、1.100mmol)で処理した。スラリーをRTで24時間攪拌し、それから樹脂をろ過して、ジクロロメタン(20mL)で洗浄した。ろ液を真空濃縮して粗生成物を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、10g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により精製して、生成物428mgを得た。
【0271】
LC/MS=492/494(M+H)、保持時間=1.18分(2分方法)。
【0272】
実施例36
7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E36)
【化68】
3−(4−フルオロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I14)(285mg、1mmol)およびジエチルアミノメチルポリスチレン(1.000g、3.20mmol)をジクロロメタン(DCM)(10mL)中でスラリーにして、2,4−ジクロロベンゾイルクロリド(0.154mL、1.100mmol)で処理した。スラリーをRTで24時間攪拌し、それから樹脂をろ過して、ジクロロメタン(20mL)で洗浄した。ろ液を真空濃縮して粗生成物を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、10g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により精製して、生成物402mgを得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、10g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)によりさらに精製して、生成物303mgを得た。
【0273】
LC/MS=456/458/460(M+H)、保持時間=1.17分(2分方法)。
【0274】
実施例37
7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E37)
【化69】
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E30)(108mg、0.301mmol)および2−(トリブチルスタンニル)ピラジン(0.142mL、0.452mmol、例えばSigma−Aldrich、FluorochemまたはApolloから市販されている)を1,4−ジオキサン(1mL)中に懸濁させて、5分間脱気後、パラジウムテトラキス(52.2mg、0.045mmol)を添加して、臭素付加した出発物質がLCMSにより観察されなくなるまで、マイクロ波条件下、140℃で120分間加熱した。溶媒を蒸発させて、残渣を12+M SP4カラム上で精製して、イソ−Hex(3CV)〜100%EtOAc(20CV)で溶出した。次いでDCM(3CV)〜10%2M NH/MeOHのDCM溶液(12CV)で溶出した。溶媒を蒸発させて黄色ゴムを得て、これをMDAPによりさらに精製して、所望の留分を単離して、溶媒を蒸発させて、所望の生成物のオフホワイト色発泡体43mgを得た。
【0275】
LCMS[M+H]357.86/359.85(0.60分目)(2分実行)。
【0276】
実施例38
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E38)
【化70】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I15)(125mg、0.306mmol)および2−(トリブチルスタンニル)ピラジン(0.145mL、0.459mmol)を1,4−ジオキサン(1mL)中に懸濁させて、5分間脱気後、パラジウムテトラキス(17.68mg、0.015mmol)を添加して、マイクロ波条件下、140℃で180分間加熱した。溶媒を蒸発除去して、残渣を12+M SP4カラム上で精製して、DCM(3CV)〜10%2M NH/MeOHのDCM溶液(12CV)で溶出した。所望の留分を回収して、溶媒を蒸発させて黄色ゴムを得て、これをMDAPによりさらに精製した。留分を併合して、溶媒を蒸発させて、所望の生成物の黄色発泡体45mgを得た。
【0277】
LCMS:m/z 407.95/409.89(M+H)(0.74分目)(2分実行)。
【0278】
実施例39
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(1,3−チアゾール−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E39)
【化71】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I15)(209mg、0.512mmol)および2−(トリブチルスタンニル)−1,3−チアゾール(0.241mL、0.767mmol、例えばSigma−Aldrich、ApolloまたはFrontier Scientificから市販されている)を1,4−ジオキサン(2.5mL)中に懸濁させて、5分間脱気後、パラジウムテトラキス(29.6mg、0.026mmol)を添加して、マイクロ波条件下、140℃で60分間加熱した。溶媒を蒸発除去して、黒色ゴムを得て、残渣を12+M SP4カラム上で精製して、DCM(3CV)〜10%2M NH/MeOHのDCM溶液(12CV)で溶出した。所望の留分を回収して、溶媒を蒸発させて黄色ゴムを得て、これをMDAPによりさらに精製した。留分を併合して、溶媒を蒸発させて、無色ゴムを得て、乾燥させてオフホワイト色発泡体を得て、EtOで粉砕して、化合物を溶解させて、再び乾燥させて、所望の生成物のオフホワイト色固体111mgを得た。
【0279】
LCMS:m/z 413.08(M+H)(0.87分目)(2分実行)。
【0280】
実施例40
7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−3−(2−ピラジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E40)
【化72】
3−ブロモ−7−[(2−クロロ−4−フルオロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E30)(120mg、0.335mmol)および5−フルオロ−2−(トリメチルスタンニル)ピリジン(I16)(130mg、0.502mmol)の無水1,4−ジオキサン(1115μl)の混合物をアルゴン流下で超音波処理により10分間脱気後、パラジウムテトラキス(58.0mg、0.050mmol)を添加して、それに140℃で2時間マイクロ波を照射した。パラジウムテトラキス(58.0mg、0.050mmol)を添加して、反応混合物をさらに1時間加熱した。粗生成物を5gSCXに適用して、MeOHで洗浄して、2M NHのMeOH溶液で溶出した。次いで生成物質をMDAPにより精製して、所望の生成物17mgをオフホワイト色固体として得た。
【0281】
LC/MS:(M+H)=375、保持時間=0.69分(2分実行)。
【0282】
実施例41
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(2−ピリミジニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E41)
【化73】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I15)(200mg、0.489mmol)および2−(トリブチルスタンニル)ピリミジン(271mg、0.734mmol、例えばMatrix Scientific、AnichemまたはFrontier Scientificから市販されている)を1,4−ジオキサン(2mL)中に懸濁させて、5分間脱気後、パラジウムテトラキス(28.3mg、0.024mmol)を添加して、マイクロ波条件下、140℃で180分間加熱した。さらなる2−(トリブチルスタンニル)ピリミジン(271mg、0.734mmol)を添加して、パラジウムテトラキス(28.3mg、0.024mmol)および反応混合物をマイクロ波でさらに150分間加熱してから、ワークアップした。溶媒を蒸発させて、粗生成物の褐色ゴムを得た。25+Mカラム上で精製して、DCM(3CV)〜10%2M NH/MeOHのDCM溶液(20CV)で溶出した。所望の留分を回収して、溶媒を蒸発させて、黄色ゴムを得た。MDAPによるさらなる精製を要した。所望の留分を単離して、溶媒を蒸発させて、所望の生成物の無色ゴム11mgをオフホワイト色固体として得た。
【0283】
LCMS:m/z 408.15/410.15(M+H)(0.78分目)(2分実行)。
【0284】
実施例42
7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−3−(1,3−チアゾール−4−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E42)
【化74】
3−ブロモ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I15)(218mg、0.534mmol)および4−(トリブチルスタンニル)−1,3−チアゾール(299mg、0.800mmol、Apollo、SynthonixまたはBepharmから市販されている)を1,4−ジオキサン(2mL)中に懸濁させて、5分間脱気後、パラジウムテトラキス(30.8mg、0.027mmol)を添加して、マイクロ波条件下、140℃で60分間加熱した。溶媒を蒸発除去して、黒色ゴムを得て、残渣を25+M SP4カラム上で精製して、DCM(3CV)〜5%2M NH/MeOHのDCM溶液(12CV)で溶出した。所望の留分を回収して、溶媒を蒸発させて、黄色の粘性発泡体を得た。MDAPによりさらに精製して、留分を併合して、溶媒を蒸発させて、オフホワイト色発泡体を得て、40℃で一晩乾燥させて、所望の生成物138mgを得た。
【0285】
LCMS:m/z 413.05/415.05(M+H)(0.74分目)
【0286】
実施例43
3−クロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E43)
【化75】
3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I20)(450mg、2.86mmol)およびジエチルアミノメチルポリスチレン(2855mg、9.14mmol)をジクロロメタン(DCM)(10mL)中でスラリーにして、2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(763mg、3.14mmol)で処理した。スラリーをRTで24時間攪拌し、それから樹脂をろ過して、ジクロロメタン(20mL)で洗浄した。ろ液を真空濃縮して、物質911mgを得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、10g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により精製して粗生成物を得て、これをMDAPによりさらに精製して、所望の生成物373mgを得た。
【0287】
LC/MS=364/366/368(M+H)、保持時間=0.82分(2分方法)。
【0288】
実施例44
3−クロロ−7−[(2,4−ジクロロフェニル)カルボニル]−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E44)
【化76】
3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(I20)(450mg、2.86mmol)およびジエチルアミノメチルポリスチレン(2855mg、9.14mmol)をジクロロメタン(DCM)(10mL)中でスラリーにして、2,4−ジクロロベンゾイルクロリド(0.439mL、3.14mmol)で処理した。スラリーをRTで24時間攪拌し、それから樹脂をろ過して、ジクロロメタン(20mL)で洗浄した。ろ液を真空濃縮して粗生成物を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(Isolera、10g、0〜100%酢酸エチルのイソヘキサン溶液)により精製して生成物を得てから、MDAP(高pH方法)により、きれいな所望の生成物350mgを得た。
【0289】
LC/MS=330/332/334(M+H)、保持時間=0.77分(2分方法)
【0290】
実施例45
2,3−ジクロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E45)
【化77】
3−クロロ−7−{[2−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニル}−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン(E43)(300mg、0.824mmol)およびNCS(121mg、0.906mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)中、RTで16時間攪拌した。溶媒を真空濃縮して、残渣をMDAPにより精製して、所望の生成物145mgを得た。
【0291】
LC/MS=398/400/402(M+H)、保持時間=1.06分(2分方法)。
【0292】
マスディレクテッド自動分取HPLC
適切な場合、以下の装置および条件を用いてマスディレクテッド自動分取HPLCによる精製を実施した:
【0293】
ハードウェア
・Waters 2525 Binary Gradient Module
・Waters 515 Makeup Pump
・Waters Pump Control Module
・Waters 2767 Inject Collect
・Waters Column Fluidics Manager
・Waters 2996 Photodiode Array Detector
・Waters ZQ MASS SPECTROMETER
・Gilson 202 fraction collector
・Gilson Aspec waste collector
【0294】
ソフトウェア
Waters MassLynx4版 SP2
【0295】
カラム
使用したカラムはWaters Atlantisであり、この寸法は19mm×100mm(小型)および30mm×100mm(大型)である。固定相粒径は5μmである。
【0296】
溶媒
A:水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B:有機溶媒=アセトニトリル+0.1%ギ酸
溶媒構成=メタノール:水 80:20
ニードル洗浄用溶媒=メタノール
【0297】
方法
興味の化合物の分析保持時間に応じて5つの方法を使用した。実行時間は13.5分であり、これは10分勾配、その後の3.5分カラムフラッシュおよび再平衡化工程を含む。
大/小型1.0〜1.5=5〜30%B
大/小型1.5〜2.2=15〜55%B
大/小型2.2〜2.9=30〜85%B
大/小型2.9〜3.6=50〜99%B
大/小型3.6〜5.0=80〜99%B(6分、その後7.5分フラッシュおよび再平衡化)
【0298】
流速
上のすべての方法において流速は20ml/分(小型)または40ml/分(大型)のいずれかである。
【0299】
液体クロマトグラフィー/質量分析
液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)による上の実施例の分析は、下記に示す方法において示した装置および条件を用いて実施した:
【0300】
液体クロマトグラフィー−5分方法:
ギ酸一般的分析HPLCオープンアクセスLC/MS
HPLC分析をSunfire C18カラム(30mm×4.6mm内径3.5μm包装直径)上で摂氏30度で実施した。
【0301】
使用した溶媒は以下であった:
A=0.1%v/vギ酸水溶液。
B=0.1%v/vギ酸のアセトニトリル溶液。
【表3】
【0302】
UV検出は波長210nm〜350nmの平均シグナルであり、質量スペクトルは質量分析計でスキャニングポジティブとネガティブのイオン化モード交互切り換えのエレクトロスプレーイオン化を用いて記録した。
【0303】
液体クロマトグラフィー−2分方法:
ギ酸一般的分析UPLCオープンアクセスLC/MS
UPLC分析をAcquity UPLC BEH C18カラム(2.1mm×50mm内径1.7μm包装直径)上で摂氏40度で実施した。
【0304】
使用した溶媒は以下であった:
A=0.1%v/vギ酸水溶液。
B=0.1%v/vギ酸のアセトニトリル溶液。
【表4】
【0305】
UV検出は波長210nm〜350nmの平均シグナルであり、質量スペクトルは質量分析計でスキャニングポジティブとネガティブのイオン化モード交互切り換えのエレクトロスプレーイオン化を用いて記録した。
【0306】
薬理的データ
本発明の化合物または塩は、以下の試験に従い、P2X7受容体におけるインビトロ生物学的活性について試験し得る。
【0307】
エチジウム蓄積アッセイ1
以下の組成のNaClアッセイ緩衝液を用いて試験を実施した:140mM NaCl、10mM HEPES[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−1−エタンスルホン酸]、5mM N−メチル−D−グルカミン、5.6mM KCl、10mM D−グルコース、0.5mM CaCl(pH7.4)。
【0308】
ヒト組換えP2X7受容体を安定的に発現するヒト胎児腎(HEK)293細胞をポリ−D−リジン予備処置96ウェルプレート内で18〜24時間増殖させた。(ヒトP2X7受容体のクローニングは米国特許第6,133,434号に記載されている。例えば実施例3を参照されたい)。細胞を350μlアッセイ緩衝液で2回洗浄後、推定P2X7受容体アンタゴニスト化合物を含むアッセイ緩衝液50μlを添加した。(最初に化合物を溶解するため、少量ジメチルスルホキシドが場合により使用され、この50μl試験化合物試料中に存在する。)次いで細胞を室温(19〜21℃)で30分間インキュベート後、ATPおよびエチジウム(100μM最終アッセイ濃度)を添加した。ATP濃度は受容体タイプのEC80に近似するように選択し、ヒトP2X7受容体上の試験では1mMであった。インキュベーションを8または16分継続して、25μlの1.3Mショ糖(4mMのP2X7受容体アンタゴニストReactive Black5(Aldrich)含有)を添加して停止した。エチジウムの細胞蓄積は、Canberra Packard Fluorocount(14 Station Road, Pangbourne, Reading, Berkshire RG8 7AN, United Kingdom)で、またはMolecular Molecular機器(660−665 Eskdale Road, Wokingham, Berkshire RG41 5TS, United Kingdom)のFlexStation−II 384からプレート下の蛍光(励起波長530nmおよび発光波長620nm)を測定することにより決定した。ATP反応をブロックするアンタゴニストpIC50値を、反復曲線適合技術を用いて決定した。
【0309】
エチジウム蓄積アッセイ2
以下の組成のNaClアッセイ緩衝液を用いて試験を実施した:140mM NaCl(8.182g/リットル)、10mM HEPES(2.383g/リットル)、5mM KCl(0.4175g/リットル)、10mMグルコース(1.8g/リットル)、1mM CaCl(0.5mlの1M溶液/リットル)および5mM N−メチル−D−グルカミン(約4.5mlの1M溶液にてpHを7.4に調節);NaCl緩衝液49.61ml中の10mg/ml購入ストック395μLの組成の臭化エチジウム溶液;ならびに32mM ATP溶液1.56ml(水中で調製したNa塩)〜臭化エチジウム溶液23.44mlの組成のATP溶液。
【0310】
ヒト組換えP2X7受容体を安定的に発現するヒト胎児腎(HEK)293細胞をポリ−D−リジン予備処置96ウェルプレート内で37℃で24時間増殖させた。(ヒトP2X7受容体のクローニングは米国特許第6,133,434号に記載されている。例えば実施例3を参照されたい)。
【0311】
細胞をアッセイ緩衝液(100μL)で洗浄後、アッセイ緩衝液25μL、次いで推定P2X7受容体アンタゴニスト化合物を含むアッセイ緩衝液25μLを添加した。次いで細胞を室温(19〜21℃)で30分間インキュベート後、ATP溶液(50μM)を添加した。インキュベーションを16分間継続して、25μlの1.28Mショ糖(4mMのP2X7受容体アンタゴニストReactive Black5(Aldrich)含有)を添加して停止した。エチジウムの細胞蓄積は、Canberra Packard Flu Wallac製EnVisionプレートリーダー(PerkinElmer, Life and Analytical Sciences, Via Tiepolo, 24, −20052 Monza, Italy)でプレート下の蛍光(励起波長535nmおよび発光波長620nm)を測定することにより決定した。ATP反応ブロッキングのアンタゴニストpIC50値を、反復曲線適合技術を用いて決定した。ATP反応をブロックするアンタゴニストpIC50値を、反復曲線適合技術を用いて決定した。
【0312】
蛍光造影プレートリーダー(FLIPR)Caアッセイ
以下の組成のNaClアッセイ緩衝液を用いてヒトP2X7試験を実施した:137mM NaCl;20mM HEPES[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−1−エタンスルホン酸];5.37mM KCl;4.17mM NaHCO;1mM CaCl;0.5mM MgSO;および1g/LのD−グルコース(pH7.4)。
【0313】
ヒト組換えP2X7受容体を安定的に発現するヒト胎児腎(HEK)293細胞をポリ−D−リジン予備処置384ウェルプレート内で室温で24時間増殖させた(ウェル底の細胞の均質層増殖に十分な時間)。あるいは、ヒトP2X7受容体をコードする遺伝子を送達するために改変バキュロウイルス(BacMam)ベクターで導入した(すなわちヒト組換えP2X7受容体を一過性発現している)ヒト骨肉腫(U−2OS)細胞(市販されている)を、ウェルプレートをポリ−D−リジンで前処理しなかった点を除きHEK293細胞と実質的に同一条件で増殖させた。(ヒトP2X7受容体のクローニングは米国特許第6,133,434号に記載されている。例えば実施例3を参照されたい)。細胞をアッセイ緩衝液80μlで3回洗浄して、2μM Fluo4 AM[4−(6−アセトキシメトキシ−2,7−ジフルオロ−3−オキソ−9−キサンテニル)−4′−メチル−2,2′−(エチレンジオキシ)ジアニリン−N,N,N′,N′−テトラ酢酸テトラキス(アセトキシメチル)エステル]、Ca2+感受性、細胞浸透性、蛍光染料(Tef Labs. Inc., 9415 Capitol View Drive, Austin, TX 78747, USA)を37℃で1時間負荷して、再び3回洗浄して(80μlで3回)、緩衝液30μlで静置後、推定P2X7受容体アンタゴニスト化合物を含む10μlアッセイ緩衝液を添加した(化合物は選択した最終アッセイ濃度の4倍で添加)。推定P2X7受容体アンタゴニスト化合物の溶液の作製は、(i)化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させて、DMSO中の原液を最終アッセイ濃度の200倍で作製する、(ii)DMSO中の化合物の原液1μlをアッセイ緩衝液50μlと混合して最終アッセイ濃度の約4倍の溶液を作製する、ことにより行った。次いで最終アッセイ濃度のBzATP60μMを作製するなどのために、(オンライン、FLIPR384またはFLIPR3機器(Molecular Devices, 1311 Orleans Drive, Sunnyvale, CA 94089−1136, USA)により)室温で細胞を30分間インキュベート後、ベンゾイルベンゾイル−ATP(BzATP)を含むアッセイ緩衝液10μlを添加した(BzATPはこの最終濃度の5倍で添加した)。BzATP濃度は、受容体タイプのEC80に近似するように選択した。インキュベーションおよびリーディングを90秒間継続して、FLIPR電荷結合素子(CCD)カメラでプレート下の蛍光(励起波長488nmおよび発光波長516nm)を測定することにより細胞内カルシウム上昇を決定した。BzATP反応ブロッキングのアンタゴニストpIC50値を、反復曲線適合技術を用いて決定した。
【0314】
ヒトP2X7受容体アンタゴニスト活性のための上記FLIPR Caアッセイ(またはその微修正版)において、実施例1〜14、17〜27、30、33、34の化合物のpIC50値はFLIPR Caアッセイまたはその微修正版において約4.8であることを見出した。
【0315】
実施例1〜15、17〜28、30〜34の化合物のヒトP2X7受容体アンタゴニスト活性をエチジウム蓄積アッセイ(またはそれらの微修正版)において試験し、エチジウム蓄積アッセイまたはその微修正版においてこれらのpIC50値は(しばしば、複数の測定値の平均として)約6.1〜約8.6であることを見出した。
得られた結果を下表に示す(#印は6.0以上のpIC50値を示し、印は6.3以上のpIC50値を示し、**印は7.0以上のpIC50値を示し、***印は8.0以上のpIC50値を示す)。
【表5】