特許第5717816号(P5717816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717816
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】電子クーポン配信システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20150423BHJP
【FI】
   G06Q30/02 140
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-195398(P2013-195398)
(22)【出願日】2013年9月20日
(65)【公開番号】特開2015-60516(P2015-60516A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2013年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 絢介
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−251555(JP,A)
【文献】 特開2007−272487(JP,A)
【文献】 特開2009−256081(JP,A)
【文献】 特開2011−111323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各荷役車両の車両位置を計測する車両位置計測システムと、
前記車両位置計測システムにより計測された前記車両位置に基づいて、前記荷役車両が
冷蔵または冷凍の倉庫内にいることを判定する倉庫内外判定部と、
オペレータに係る情報、オペレータが搭乗する荷役車両に係る情報、およびオペレータ
の所有する携帯端末に係る情報が記憶されたオペレータ情報記憶部と、
前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に係る情報と、前記
オペレータ情報記憶部に記憶された前記オペレータに係る情報および前記オペレータが搭
乗する荷役車両に係る情報とに基づいて、前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると
判定された荷役車両に搭乗しているオペレータを特定するオペレータ特定部と、
前記オペレータ特定部により特定されたオペレータと前記オペレータ情報記憶部に記憶
された前記オペレータに係る情報および前記オペレータの所有する携帯端末に係る情報と
に基づいて、前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に搭乗し
ているオペレータの携帯端末を特定する携帯端末特定部と、
前記携帯端末特定部により特定された携帯端末に電子クーポンのクーポン情報を自動的
に配信するクーポン情報配信部と、を備え
前記クーポン情報配信部は、前記冷蔵または冷凍の倉庫内で荷役作業を行うとオペレー
タの携帯端末に電子クーポンを配信することを特徴とする電子クーポン配信システム。
【請求項2】
さらに、前記オペレータの前記倉庫からの帰宅ルートを特定する帰宅ルート特定部と、前記帰宅ルート特定部により特定された帰宅ルートに基づいて、複数ある電子クーポンの中から少なくとも1つの電子クーポンのクーポン情報を抽出するクーポン情報抽出部と、を備え、
前記クーポン情報配信部は、前記クーポン情報抽出部により抽出されたクーポン情報を、前記携帯端末特定部により特定された携帯端末に配信することを特徴とする請求項1に記載の電子クーポン配信システム。
【請求項3】
前記クーポン情報抽出部は、前記帰宅ルート特定部により特定された帰宅ルート沿いにある店舗で利用できる電子クーポンのクーポン情報を抽出することを特徴とする請求項2に記載の電子クーポン配信システム。
【請求項4】
前記クーポン情報抽出部は、前記帰宅ルート特定部により特定された帰宅ルートを含む一定のエリア内にある店舗で利用できる電子クーポンのクーポン情報を抽出することを特徴とする請求項2に記載の電子クーポン配信システム。
【請求項5】
前記車両位置計測システムは、グローバル・ポジショニング・システムであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子クーポン配信システム。
【請求項6】
各荷役車両の冷蔵倉庫または冷凍倉庫の倉庫内への入出を検知する検知センサーと、
前記検知センサーの検知信号に基づいて、前記荷役車両が前記倉庫内にいることを判定
する倉庫内外判定部と、
オペレータに係る情報、オペレータが搭乗する荷役車両に係る情報、およびオペレータ
の所有する携帯端末に係る情報が記憶されたオペレータ情報記憶部と、
前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に係る情報と、前記
オペレータ情報記憶部に記憶された前記オペレータに係る情報および前記オペレータが搭
乗する荷役車両に係る情報とに基づいて、前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると
判定された荷役車両に搭乗しているオペレータを特定するオペレータ特定部と、
前記オペレータ特定部により特定されたオペレータと前記オペレータ情報記憶部に記憶
された前記オペレータに係る情報および前記オペレータの所有する携帯端末に係る情報と
に基づいて、前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に搭乗し
ているオペレータの携帯端末を特定する携帯端末特定部と、
前記携帯端末特定部により特定された携帯端末に電子クーポンのクーポン情報を自動的
に配信するクーポン情報配信部と、を備え
前記クーポン情報配信部は、前記冷蔵または冷凍の倉庫内で荷役作業を行うとオペレー
タの携帯端末に電子クーポンを配信することを特徴とする電子クーポン配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵倉庫内または冷凍倉庫内で荷役車両を運転して荷役作業をするオペレータに電子クーポンを提供する電子クーポン配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オペレータは、フォークリフト等の荷役車両を運転して、冷蔵倉庫内または冷凍倉庫内で荷役作業をしている。また、冷蔵倉庫内または冷凍倉庫内での荷役車両による荷役作業を管理するシステムが多数開発されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、冷蔵倉庫内または冷凍倉庫内での荷役作業は、気温が低く過酷な環境下での作業となり、オペレータの負担は通常の倉庫内での荷役作業よりも大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−74900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
にもかかわらず、冷蔵倉庫内または冷凍倉庫内という過酷な環境下で荷役作業をするオペレータに対して十分な福利厚生を提供するシステムはなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題は、冷蔵倉庫内または冷凍倉庫内で荷役作業をするオペレータが、福利厚生を容易に受けることができる電子クーポン配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子クーポン配信システムは、各荷役車両の
車両位置を計測する車両位置計測システムと、前記車両位置計測システムにより計測され
た前記車両位置に基づいて、前記荷役車両が冷蔵または冷凍の倉庫内にいることを判定す
る倉庫内外判定部と、オペレータに係る情報、オペレータが搭乗する荷役車両に係る情報
、およびオペレータの所有する携帯端末に係る情報が記憶されたオペレータ情報記憶部と
、前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に係る情報と、前記
オペレータ情報記憶部に記憶された前記オペレータに係る情報および前記オペレータが搭
乗する荷役車両に係る情報とに基づいて、前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると
判定された荷役車両に搭乗しているオペレータを特定するオペレータ特定部と、前記オペ
レータ特定部により特定されたオペレータと前記オペレータ情報記憶部に記憶された前記
オペレータに係る情報および前記オペレータの所有する携帯端末に係る情報とに基づいて
前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に搭乗しているオペ
レータの携帯端末を特定する携帯端末特定部と、前記携帯端末特定部により特定された携
帯端末に電子クーポンのクーポン情報を自動的に配信するクーポン情報配信部と、を備え
、前記クーポン情報配信部は、前記冷蔵または冷凍の倉庫内で荷役作業を行うとオペレー
タの携帯端末に電子クーポンを配信することを特徴とする。
【0008】
好ましくは、さらに、前記オペレータの前記倉庫からの帰宅ルートを特定する帰宅ルート特定部と、前記帰宅ルート特定部により特定された帰宅ルートに基づいて、複数ある電子クーポンの中から少なくとも1つの電子クーポンのクーポン情報を抽出するクーポン情報抽出部と、を備え、前記クーポン情報配信部は、前記クーポン情報抽出部により抽出されたクーポン情報を、前記携帯端末特定部により特定された携帯端末に配信する。
【0009】
好ましくは、前記クーポン情報抽出部は、前記帰宅ルート特定部により特定された帰宅ルート沿いにある店舗で利用できる電子クーポンのクーポン情報を抽出する。
【0010】
好ましくは、前記クーポン情報抽出部は、前記帰宅ルート特定部により特定された帰宅ルートを含む一定のエリア内にある店舗で利用できる電子クーポンのクーポン情報を抽出する。
【0011】
好ましくは、前記車両位置計測システムは、グローバル・ポジショニング・システムである。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る電子クーポン配信システムは、各荷役
車両の冷蔵倉庫または冷凍倉庫の倉庫内への入出を検知する検知センサーと、前記検知セ
ンサーの検知信号に基づいて、前記荷役車両が前記倉庫内にいることを判定する倉庫内外
判定部と、オペレータに係る情報、オペレータが搭乗する荷役車両に係る情報、およびオ
ペレータの所有する携帯端末に係る情報が記憶されたオペレータ情報記憶部と、前記倉庫
内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に係る情報と、前記オペレータ
情報記憶部に記憶された前記オペレータに係る情報および前記オペレータが搭乗する荷役
車両に係る情報とに基づいて、前記倉庫内外判定部により前記倉庫内にいると判定された
荷役車両に搭乗しているオペレータを特定するオペレータ特定部と、前記オペレータ特定
部により特定されたオペレータと前記オペレータ情報記憶部に記憶された前記オペレータ
に係る情報および前記オペレータの所有する携帯端末に係る情報とに基づいて、前記倉庫
内外判定部により前記倉庫内にいると判定された荷役車両に搭乗しているオペレータの携
帯端末を特定する携帯端末特定部と、前記携帯端末特定部により特定された携帯端末に電
子クーポンのクーポン情報を自動的に配信するクーポン情報配信部と、を備え、前記クー
ポン情報配信部は、前記冷蔵または冷凍の倉庫内で荷役作業を行うとオペレータの携帯端
末に電子クーポンを配信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によれば、冷蔵倉庫内または冷凍倉庫内で荷役作業をするオペレータは、携帯端末が受信した電子クーポンを利用することで、福利厚生を容易に受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る電子クーポン配信システムの概略的な構成を示す図である。
図2図2Aは、荷役車両の側面図であり、図2Bは、荷役車両の概略的なブロック図である。
図3】クーポンサーバーの概略的なブロック図である。
図4】電子クーポンの配信の流れを示すステップ図である。
図5】本発明に係る電子クーポン配信システムの他の実施形態の概略的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る電子クーポン配信システムについて説明する。
【0016】
図1の通り、電子クーポン配信システムは、冷蔵倉庫または冷凍倉庫(以下、単に倉庫Sという)と、各オペレータ1a、1bが倉庫S内で荷役作業をするために搭乗して運転する複数の荷役車両2a、2bとを備える。さらに、電子クーポン配信システムは、倉庫S内での荷役作業と関連づけて電子クーポン(電子的に発行されたクーポン券)を配信するクーポンサーバー3を備える。クーポンサーバー3は、後述のようにして、オペレータ1a、1bが所有する携帯端末4a、4bに、電子クーポンに関する情報であるクーポン情報を配信する。なお、図1では、荷役車両2a、2bが、2台しか示されていないが、実際にはこれ以上設けられている。
【0017】
周知の通信ネットワーク5が設けられており、通信ネットワーク5によって、クーポンサーバー3と各荷役車両2a、2bとが、さらにクーポンサーバー3と各携帯端末4a、4bとが無線通信できるように構成されている。通信ネットワーク5は、インターネットや、荷役車両2a、2bが倉庫S内でも通信できるようにするための無線機、アンテナ等を含むものである。
【0018】
携帯端末4a、4bは、例えば携帯電話である。携帯端末4a、4bは、クーポン情報を受信し、記憶し、ディスプレイに表示する機能を備える。
【0019】
さらに、電子クーポン配信システムは、荷役車両2a、2bの車両位置を計測する車両位置計測システムを備える。車両位置計測システムは、本実施形態では、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)であり、荷役車両2a、2bの現在の車両位置を計測する。GPSシステムは、GPS衛星6からの情報を受信可能な複数のGPS受信部26を備える。GPS受信部26は、各荷役車両2a、2bに設けられる。GPS受信部26は、GPS衛星6から送信される情報を受信することで、荷役車両2a、2bの現在の車両位置を計測する。
【0020】
荷役車両2a、2bは、オペレータ1a、1bが搭乗して運転できる有人式のものである。荷役車両2a、2bは、各オペレータ1a、1bに一台ずつ割り当てられている。荷役車両2a、2bは、本実施例では図2Aの通り、リーチ式のフォークリフトである。なお、荷役車両2a、2bは、カウンタバランス式のフォークリフトや、ピッキングフォークリフトでもよく、またこれらに限定されない。
【0021】
各荷役車両2a、2bは、路面を走行する車体20と、車体20の前方に設けられた荷役用の一対のフォーク21と、フォーク21を昇降させる昇降装置22と、フォーク21及び昇降装置22をストラドルレッグ23に沿って前後方向に移動させる不図示のリーチ装置等を備える。車体20には、オペレータ1a、1bが搭乗する搭乗部24や、車体20の走行及びフォーク21の操作を行うためのレバー25が設けられる。
【0022】
さらに、各荷役車両2a、2bは、図2Bのブロック図の通り、GPS受信部26、制御部27、記憶部28、及び送信部29を備える。GPS受信部26は、前述の通り荷役車両2a、2bの現在の車両位置を計測するためのものである。
【0023】
制御部27は、荷役車両2a、2bの動作を制御するためのものである。また、制御部27は、倉庫内外判定部270として機能し、GPSにより計測された荷役車両2a、2bの現在の車両位置に基づいて、当該荷役車両2a、2bが倉庫S内にいるか倉庫S外にいるかを判定する。各荷役車両2a、2bの倉庫内外判定部270は、GPS受信部26から当該荷役車両2a、2bの現在の車両位置に係る情報(荷役車両2a、2bの経度及び緯度)を受け、これと予め記憶されている倉庫Sのエリアに係る情報(例えば、倉庫Sの経度及び緯度)とによって、当該荷役車両2a、2bが倉庫S内にいるか倉庫S外にいるかを判定する。
【0024】
記憶部28は、制御部27によって実行されるプログラムや、制御部27の動作に必要な情報を記憶する。記憶部28は、具体的には、荷役車両2a、2bが倉庫S内にいることを判定するプログラム、設けられている荷役車両2a、2bに係る情報(例えば、荷役車両2a、2bの識別子)や、倉庫Sのエリアに係る情報が記憶されている。送信部29は、通信ネットワーク5を介してクーポンサーバー3に情報を送信する。
【0025】
図3は、クーポンサーバー3の構成を概略的に示すブロック図である。クーポンサーバー3は、データベース30を備える。データベース30は、オペレータ1a、1bに関する情報であるオペレータ情報を記憶するオペレータ情報記憶部300と、電子クーポンサービス提供事業者から提供された電子クーポンのクーポン情報を記憶するクーポン情報記憶部301とを備える。
【0026】
オペレータ情報記憶部300が記憶しているオペレータ情報は、オペレータ1a、1bに係る情報(例えば、オペレータ1a、1bの氏名、識別子)、オペレータ1a、1bが搭乗する荷役車両2a、2bに係る情報(例えば、荷役車両2a、2bの識別子)、オペレータ1a、1bの所有する携帯端末4a、4bに係る情報(例えば、携帯端末4a、4bのメールアドレス、識別子)、オペレータ1a、1bの倉庫Sから住居までの帰宅ルート等を含む。オペレータ情報記憶部300は、これらの情報をオペレータ1a、1b毎に関連付けて記憶している。
【0027】
クーポン情報記憶部301が記憶しているクーポン情報は、電子クーポンにより提供されるサービスの内容に係る情報、電子クーポンを利用できる店舗に係る情報(例えば、店舗名、店舗の識別子)、当該店舗の場所に係る情報(例えば、店舗の住所、経度及び緯度)等を含む。クーポン情報記憶部301は、これらの情報を電子クーポン毎に関連付けて記憶している。
【0028】
クーポンサーバー3は、倉庫S内で荷役車両2a、2bに搭乗して荷役作業をしているオペレータ1a、1bのオペレータ情報を特定するオペレータ情報特定部31を備える。オペレータ情報特定部31は、倉庫S内で荷役車両2a、2bに搭乗しているオペレータ1a、1bを特定するオペレータ特定部310と、当該オペレータ1a、1bの倉庫Sから住居までの帰宅ルートを特定する帰宅ルート特定部311と、オペレータ1a、1bの所有する携帯端末4a、4bを特定する携帯端末特定部312として少なくとも機能する。
【0029】
クーポンサーバー3は、クーポン情報記憶部301に記憶された複数の電子クーポンの中から少なくとも1つの電子クーポンのクーポン情報を抽出するクーポン情報抽出部32を備える。クーポン情報抽出部32は、後述の通り、帰宅ルート特定部311により特定された帰宅ルートに基づいてクーポン情報を抽出する。
【0030】
さらに、クーポンサーバー3は、荷役車両2a、2bから送信される情報を受信する受信部33と、クーポン情報を携帯端末4a、4bに自動的に配信するクーポン情報配信部34とを備える。
【0031】
次に、図1から図4を参照して、上記構成の電子クーポン配信システムの動作について説明する。なお、図4は、電子クーポン配信システムの動作のフローチャートである。
【0032】
電子クーポン配信システムは、まず各荷役車両2a、2bが倉庫S内にいるかを判断する(ステップ1)。
図1の通り、オペレータ1bが、荷役車両2bに搭乗して倉庫Sに進入して荷役作業をしているとする。倉庫Sへの進入により、荷役車両2bのGPS受信部26により計測される荷役車両2bの現在の車両位置が倉庫Sのエリア内となり、それによって、荷役車両2bの倉庫内外判定部270は、荷役車両2bが倉庫S内にいると判定する。
【0033】
荷役車両2bの倉庫内外判定部270が、荷役車両2bが倉庫S内にいると判定すると、通信部29が、荷役車両2bに係る情報を、通信ネットワーク5を介してクーポンサーバー3に送信する(ステップS2)。
【0034】
図3を参照して、クーポンサーバー3では、受信部33が、倉庫S内にいる荷役車両2bに係る情報を受信する。オペレータ情報特定部31は、受信した荷役車両2bに係る情報を用いて、データベース30のオペレータ情報記憶部300内を検索し、荷役車両2bに搭乗しているオペレータ1bのオペレータ情報を特定して、オペレータ情報記憶部300から取得する(ステップS3〜S5)。
【0035】
即ち、オペレータ特定部310が、荷役車両2bに搭乗しているオペレータ1bを特定し、当該オペレータ1bに係る情報を取得する(ステップS3)。帰宅ルート特定部311が、オペレータ1bの倉庫Sから住居までの帰宅ルートを特定し、当該帰宅ルートに係る情報を取得する(ステップS4)。さらに、携帯端末特定部312が、オペレータ1bが所有する携帯端末4bを特定し、当該携帯端末4bに係る情報を取得する(ステップS5)。
帰宅ルート特定部311は、オペレータ1bの帰宅ルートに係る情報をクーポン情報抽出部32に送る。携帯端末特定部312は、携帯端末4bに係る情報をクーポン情報配信部34に送る。
【0036】
次に、クーポン情報抽出部32が、配信すべき電子クーポンのクーポン情報を抽出する(ステップS6)。クーポン情報抽出部32によるクーポン情報の抽出は、帰宅ルート特定部311により特定された帰宅ルートに基づいて行われる。クーポン情報抽出部32は、オペレータ1bの帰宅ルートに係る情報を用いて、クーポン情報記憶部301に記憶された複数の電子クーポンの中から、配信すべき少なくとも1つの電子クーポンのクーポン情報を抽出する。
【0037】
具体的には、クーポン情報抽出部32は、オペレータ1bの帰宅ルート沿いにある店舗で利用できる電子クーポンのクーポン情報を抽出する。クーポン情報抽出部32は、オペレータ1bの帰宅ルート沿いにある店舗で利用できる電子クーポンがない場合、オペレータ1bの帰宅ルートを含む一定のエリア内にある店舗で利用できる電子クーポンのクーポン情報を抽出する。それでも、1つの電子クーポンもない場合、検索するエリアを拡大して再度この抽出作業を行う。クーポン情報抽出部32は、少なくとも1つの電子クーポンのクーポン情報を抽出するまでこの抽出作業を行う。
【0038】
このように、帰宅ルート特定部311により特定されたオペレータ1bの帰宅ルートに基づいてクーポン情報を抽出することで、オペレータ1bの帰宅ルートの周辺で利用できる電子クーポンのクーポン情報が取得される。
【0039】
クーポン情報抽出部32は、抽出したクーポン情報をクーポン情報配信部34に送る。
【0040】
そして、クーポン情報配信部34が、携帯端末特定部312により特定された携帯端末4bに、クーポン情報抽出部32により抽出された電子クーポンのクーポン情報を、通信ネットワーク5を介して配信する(ステップS7)。
【0041】
携帯端末4bは、クーポン情報配信部34から配信されたクーポン情報を受信して記憶する。オペレータ1bによる呼出操作によって、店舗にて電子クーポンを利用するために必要なクーポン情報が携帯端末4bのディスプレイに表示される。
【0042】
こうして、電子クーポン配信システムは、倉庫S内で荷役車両2bに搭乗して荷役作業をするオペレータ1bに、当該オペレータ1bの帰宅ルートの周辺で利用できる電子クーポンを提供する。
【0043】
以上が、電子クーポンの配信の流れである。この電子クーポンの配信の流れは、オペレータ1aが、荷役車両2aに搭乗して倉庫S内で荷役作業をするときも同様である。但し、オペレータ1aとオペレータ1bとで帰宅ルートが異なれば、クーポン情報抽出部32で抽出される電子クーポンのクーポン情報は異なる。即ち、この場合、提供される電子クーポンは、オペレータ1aとオペレータ1bとで互いに異なる。
【0044】
上記の実施形態では、荷役車両2a、2bが倉庫Sにいることを判定するために、GPSのように、荷役車両2a、2bの車両位置を計測する車両位置計測システムを利用していた。これに代えて、荷役車両2a、2bの倉庫Sへの入出を検知する検知センサーを利用して、荷役車両2a、2bが倉庫S内にいることを判定してもよい。
以下、図5を参照してこれを説明する。先の実施形態と同一または類似の構成については、同一の符号を付してその説明を可能な限り省略する。
【0045】
図5の通り、電子クーポン配信システムは、管理コンピュータ7と、各荷役車両2a、2bの倉庫Sへの入出を検知する検知センサー70と、各荷役車両2a、2bに設けられたICタグ71を備える。
【0046】
管理コンピュータ7は、各荷役車両2a、2bの倉庫Sへの入出を管理する。管理コンピュータ7は、荷役車両2a、2bが倉庫S内にいることを判定する倉庫内外判定部として機能する。さらに、管理コンピュータ7は、通信ネットワーク5を介してクーポンサーバーへ情報を送信する送信部としても機能する。
【0047】
検知センサー70は、倉庫Sの出入口に設けられる。検知センサー70は管理コンピュータ7に接続される。検知センサー70は、ICタグ71に記憶された情報を非接触で読み取り可能である。各荷役車両2a、2bのICタグ71は、設けられている荷役車両2a、2bに係る情報が記憶されている。
【0048】
図5に示されるように、オペレータ1bが荷役車両2bに搭乗して倉庫S内に進入したとする。荷役車両2bが倉庫Sの出入口を通ると、出入口に設けられた検知センサー70が、荷役車両2bのICタグ71に記憶された情報を読み取ることで、荷役車両2bの倉庫Sへの進入を検知する。検知センサー70は、読み取った荷役車両2bに係る情報を含む検知信号を管理コンピュータ7に送る。そして、管理コンピュータ7の倉庫内外判定部は、検知センサー70の検知信号に基づいて、複数ある荷役車両2a、2bの中から荷役車両2bが倉庫S内にいると判定する。そして、管理コンピュータ7の送信部は、倉庫S内にいると判定した荷役車両2bに係る情報をクーポンサーバー3に送信する。
【0049】
そして、クーポンサーバー3が、先の実施形態と同様に、オペレータ1bの携帯端末4bに電子クーポンのクーポン情報を配信する。
【0050】
上記の各実施形態の通り、オペレータ1a、1bが冷蔵または冷凍の倉庫S内で荷役作業をすると、クーポン情報が、倉庫S内で荷役作業をする当該オペレータ1a、1bの携帯端末4a、4bに自動的に配信されるようになっている。それによって、各オペレータ1a、1bは、気温の低い過酷な環境下での荷役作業後に、電子クーポンを利用して割引サービスまたは無料サービスを受けて、例えば、温かい飲食物の提供を受ければ、疲れた体を癒すことができる。即ち、冷蔵または冷凍の倉庫S内で荷役作業をするオペレータ1a、1bが、福利厚生を容易に受けることができる。
【0051】
また、クーポン情報抽出部32の帰宅ルートに基づくクーポン情報の抽出によって、オペレータ1a、1bの帰宅ルートの周辺にある店舗で利用できる電子クーポンがオペレータ1a、1bに提供される。従って、オペレータ1a、1bが帰宅途中にふらっと店舗に立ち寄って、電子クーポンを利用することができる。即ち、オペレータ1a、1bは、福利厚生をより容易に受けることができる。
【0052】
なお、本発明に係る電子クーポン配信システムでは、GPSのような位置計測システムや、倉庫Sへの入出を検知する検知センサー70を利用して、荷役車両2a、2bが倉庫内にいることを判定しており、正確な判定が可能である。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施形態が考えられる。
【符号の説明】
【0054】
1a、1b オペレータ
2a、2b 荷役車両
26 GPS受信部
270 倉庫内外判定部
3 クーポンサーバー
30 データベース
311 帰宅ルート特定部
312 携帯端末特定部
32 クーポン情報抽出部
34 クーポン情報配信部
4a、4b 携帯端末
5 通信ネットワーク
6 GPS衛星
7 管理コンピュータ
70 検知センサー
71 ICタグ
S 冷蔵倉庫または冷凍倉庫
図1
図2
図3
図4
図5