特許第5717871号(P5717871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5717871ステープルカートリッジ及び当該ステープルカートリッジを用いる直線外科手術用ステープラー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717871
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】ステープルカートリッジ及び当該ステープルカートリッジを用いる直線外科手術用ステープラー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
   A61B17/10 310
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-542357(P2013-542357)
(86)(22)【出願日】2011年12月5日
(65)【公表番号】特表2014-507174(P2014-507174A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】CN2011083483
(87)【国際公開番号】WO2012075918
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2013年8月2日
(31)【優先権主張番号】201010581554.7
(32)【優先日】2010年12月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513142057
【氏名又は名称】蘇州天臣国際医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】TOUCHSTONE INTERNATIONAL MEDICAL SCIENCE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】陳 望東
(72)【発明者】
【氏名】斐 永旺
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲セイ▼
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−524476(JP,A)
【文献】 特表2001−517473(JP,A)
【文献】 特開2010−063895(JP,A)
【文献】 特開2009−066392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068― 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ナイフ底面(10)及び切断ナイフ(8)の遠端部に位置する切断刃(11)を含む切断ナイフ(8)がその内部に往復移動可能に設置されるナイフ移動溝を含むステープルカートリッジであって、
前記ステープルカートリッジ(1)内部にはステープルカートリッジの近端部から遠端部まで摺動可能な位置限定部品(4)及び弾性ストッパーが設置され、
前記ステープルカートリッジと固定されるブレード(2)の遠端部には前記位置限定部品(4)が遠端部に摺動した時に落下して収容される収容空間が設置され、
前記ステープルカートリッジは初期状態及び発射状態を含み、
前記ステープルカートリッジは初期状態である際、前記位置限定部品(4)は弾性ストッパーの頂部に位置し、且つ前記弾性ストッパーの頂部が切断ナイフ底面(10)の所在する平面より高くないように前記弾性ストッパーの頂部を制限し、
前記ステープルカートリッジは発射終了状態である際、前記位置限定部品(4)が前記収容空間内に落下して留まることにより、前記弾性ストッパーの頂部は制限されることなく切断ナイフ底面(10)の所在する平面より高く突出し、前記切断ナイフの往復運動を阻止する
ことを特徴とするステープルカートリッジ。
【請求項2】
前記弾性ストッパーは弾性ボタン(5)及び前記弾性ボタン(5)の底部に当接するスプリング(6)を含むことを特徴とする請求項1に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項3】
前記ステープルカートリッジは貫通孔(3)も含み、前記弾性ボタン(5)、スプリング(6)は前記貫通孔(3)内に設置され、前記貫通孔(3)の軸線は前記ナイフ移動溝の軸線と垂直になり、且つ連通し、前記弾性ボタン(5)の頂部はスプリング(6)からの力を受けて前記貫通孔(3)から伸び出すことが可能であることを特徴とする請求項2に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項4】
前記ステープルカートリッジはパッド(7)も含み、前記パッド(7)は前記ステープルカートリッジに固定され、前記スプリング(6)の別端は前記パッド(7)の頂面に当接することを特徴とする請求項3に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項5】
前記貫通孔(3)は階段(12)を含み、前記弾性ボタン(5)は凸台(13)を含み、前記凸台(13)の外径は前記階段(12)の内径より大きいことを特徴とする請求項4に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項6】
前記弾性ボタン(5)の頂部は楔形部となることを特徴とする請求項5に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項7】
前記弾性ストッパーは回転ブロック(14)及び前記回転ブロック(14)に力を与えるねじりバネ(15)を含むことを特徴とする請求項1に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項8】
前記回転ブロック(14)は、ステープルカートリッジが発射状態である際、前記切断ナイフ底部に付設されるナイフ推動棒の前端と当接する平面(16)を含むことを特徴とする請求項7に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項9】
前記平面(16)から回転ブロック(14)の回転軸心まで最小距離は、前記切断ナイフ底面(10)から回転ブロック(14)の回転軸心まで垂直距離より大きいことを特徴とする請求項8に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項10】
前記弾性ストッパーは弾性金属板であり、前記弾性金属板の一端は前記ステープルカートリッジの底部と固定接続することを特徴とする請求項1に記載されるステープルカートリッジ。
【請求項11】
上鉗子ヘッドと、
下鉗子ヘッドと、
更に、切断ナイフ底面(10)及び切断ナイフ(8)の遠端部に位置する切断刃(11)を含む切断ナイフ(8)がその内部に往復移動可能に設置されるナイフ移動溝を含み、前記下鉗子ヘッドに支持されるステープルカートリッジ(1)と、
を含む直線外科手術用ステープラーであって、
前記ステープルカートリッジ(1)内部にはステープルカートリッジの近端部から遠端部まで摺動可能な位置限定部品(4)及び弾性ストッパーが設置され、
前記ステープルカートリッジと固定されるブレード(2)の遠端部には前記位置限定部品(4)が遠端部に摺動した時に落下して収容される収容空間が設置され、
前記ステープルカートリッジは初期状態及び発射状態を含み、
前記ステープルカートリッジは初期状態である際、前記位置限定部品(4)は弾性ストッパーの頂部に位置し、且つ前記弾性ストッパーの頂部が切断ナイフ底面(10)の所在する平面より高くないように前記弾性ストッパーの頂部を制限し、
前記ステープルカートリッジは発射終了状態である際、前記位置限定部品(4)が前記収容空間内に落下して留まることにより、前記弾性ストッパーの頂部は制限されることなく切断ナイフ底面(10)の所在する平面より高く突出し、前記切断ナイフの往復運動を阻止する
ことを特徴とする直線外科手術用ステープラー。
【請求項12】
前記弾性ストッパーは弾性ボタン(5)及び前記弾性ボタン(5)の底部に当接するスプリング(6)を含むことを特徴とする請求項11に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項13】
前記ステープルカートリッジは貫通孔(3)も含み、前記弾性ボタン(5)、スプリング(6)は前記貫通孔(3)に設置され、前記貫通孔(3)の軸線は前記ナイフ移動溝の軸線と垂直になり、且つ連通し、前記弾性ボタン(5)の頂部はスプリング(6)からの力を受けて前記貫通孔(3)から伸び出すことが可能であることを特徴とする請求項12に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項14】
前記ステープルカートリッジはパッド(7)も含み、前記パッド(7)は前記ステープルカートリッジに固定され、前記スプリング(6)の別端は前記パッド(7)の頂面に当接することを特徴とする請求項13に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項15】
前記貫通孔(3)は階段(12)を含み、前記弾性ボタン(5)は凸台(13)を含み、前記凸台(13)の外径は前記階段(12)の内径より大きいことを特徴とする請求項14に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項16】
前記弾性ボタン(5)の頂部は楔形部となることを特徴とする請求項15に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項17】
前記弾性ストッパーは回転ブロック(14)及び前記回転ブロック(14)に力を与えるねじりバネ(15)を含むことを特徴とする請求項11に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項18】
前記回転ブロック(14)は、ステープルカートリッジが発射状態である際、前記切断ナイフ底部に付設されるナイフ推動棒の前端と当接する平面(16)を含むことを特徴とする請求項17に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項19】
前記平面(16)から回転ブロック(14)の回転軸心まで最小距離は、前記切断ナイフ底面(10)から回転ブロック(14)の回転軸心まで垂直距離より大きいことを特徴とする請求項18に記載される直線外科手術用ステープラー。
【請求項20】
前記弾性ストッパーは弾性金属板であり、前記弾性金属板の一端は前記ステープルカートリッジの底部と固定接続することを特徴とする請求項11に記載される直線外科手術用ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステープルカートリッジ及び当該ステープルカートリッジを用いる外科手術用ステープラーに関するものであり、医療機械分野に属する。
【背景技術】
【0002】
外科縫合切断機械は外科手術における傷口の縫合、内部組織の縫合及び切断に広く利用され、代表的な外科縫合切断機械としては、アメリカ特許US5129570(特許文献1)に開示されるように、縫合及び切断2つの機能を有し、傷口の縫合を行いながら、余分な組織を切除する。通常、当該種類の外科縫合切断機械は上、下2つの鉗子ヘッドと、上、下鉗子ヘッドをクローズするためのハンドルと、上、下鉗子ヘッドの遠端部に相対的に設置されるステープル床及びステープルカートリッジと、ステープルカートリッジ内部に設置され前記ステープルカートリッジに対して同時に移動可能なステープル推動棒、ステープル推動板、切断ナイフと、前記ステープル推動板及び切断ナイフを移動するように推動する推動ボタンと、を含む。前記ステープルカートリッジ内部には縫合用ステープルが設置され、前記ステープル推動板は縫合用ステープルをステープル床へ推動し、前記切断ナイフはステープルカートリッジとステープル床との間に位置する組織を切断する。
【0003】
再発射とは、機械は第一次発射を完成した後、ステープルカートリッジにはステープルがない状態で第二次発射することである。再発射によって、既にクローズしたステープルを再度押さえ、ステープルの成型過剰になり、クローズ口の不良をまねき、厳重な医療事故及び後遺症になることもある。
【0004】
前記現象の発生を防止するために、従来の外科縫合切断機械には通常再発射防止手段が設置されている。
【0005】
アメリカ特許US5129570出願(特許文献1)には再発射防止手段が開示された。機械の中部には切断ナイフチャンネル及びステープル推動棒チャンネルが設けられた安全ブロックが設置され、切断ナイフの下に弾性板が設置される。機械が開放状態であり、即ち上、下2つの鉗子ヘッドが閉じていない場合、弾性板は切断ナイフを持ち上げ、切断ナイフが切断ナイフチャンネルを通過できないようにする。機械にステープルカートリッジを装着した後、ステープルカートリッジに枢設される横棒は切断ナイフの頂部を圧迫し、切断ナイフが弾性板の弾力を克服できるようになり、切断ナイフチャンネルを通過できる位置に戻り、機械は発射可能になる。機械は発射を完成した後、切断ナイフは初期位置まで引っ張られ、この際に、横棒が切断ナイフの頂部を圧迫できない位置まで回転され、切断ナイフは新たに弾性板に持ち上げられ、切断ナイフチャンネルに止められ通過できなくなり、再発射の防止を実現する。
【0006】
アメリカ特許US7055730出願(特許文献2)には別種類の再発射防止手段が開示され、切断ナイフの先端部には保護手段が設置され、当該保護手段はピンによってステープルカートリッジに接続され、且つねじりバネからの力を受けてピンを中心に回転できる。当該保護手段は、機械発射前に切断ナイフと係合し、切断刃を保護する役割を果たす一方、機械が閉じることができるように水平を保持する役割もある。機械が発射した後、切断ナイフは初期位置まで下がり、この際に切断ナイフとの係合から離れ、機械が開放した途端、保護手段はねじりバネからの力を受けて反転し、ステープルカートリッジとステープル床との間に直立し、機械の閉鎖を邪魔して、機械が空発射の可能性を無くした。しかし、この構造は機械発射後から機械開放前まで空発射の可能性を回避できず、それ故、再発射防止の役割は機械発射後から新たなステープルカートリッジが装着されるまでの全過程に一貫できず、手術のリスクは依然ある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許US5129570
【特許文献2】米国特許US7055730
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、誤発射を防止でき、且つ構造が簡単なステープルカートリッジ及び当該ステープルカートリッジを用いる直線外科手術用ステープラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係るステープルカートリッジは以下の構造となる。
切断ナイフ底面(10)及び切断ナイフ(8)の遠端部に位置する切断刃(11)を含む切断ナイフ(8)がその内部に往復移動可能に設置されるナイフ移動溝を含むステープルカートリッジであって、
前記ステープルカートリッジ(1)内部には位置限定部品(4)及び前記ストッパー(4)と協同する弾性ストッパーが設置され、前記弾性ストッパーは第一位置及び第二位置を含み、前記弾性ストッパーは第一位置に位置する際、前記弾性ストッパーは前記位置限定部品(4)に当接し、前記弾性ストッパーは第二位置に位置する際、前記位置限定部品(4)は前記ステープルカートリッジ(1)から離れることを特徴とするステープルカートリッジ。
【0010】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性ボタン(5)及び前記弾性ボタン(5)の底部に当接するスプリング(6)を含む。
【0011】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジは貫通孔(3)も含み、前記弾性ボタン(5)、スプリング(6)は前記貫通孔(3)内に設置され、前記貫通孔(3)の軸線は前記ナイフ移動溝の軸線と垂直になり、且つ連通し、前記弾性ボタン(5)の頂部はスプリング(6)からの力を受けて前記貫通孔(3)から伸び出すことが可能である。
【0012】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジはパッド(7)も含み、前記パッド(7)は前記ステープルカートリッジに固定され、前記スプリング(6)の別端は前記パッド(7)の頂面に当接する。
【0013】
更なる改善として、前記貫通孔(3)は階段(12)を含み、前記弾性ボタン(5)は凸台(13)を含み、前記凸台(13)の外径は前記階段(12)の内径より大きい。
【0014】
更なる改善として、前記弾性ボタン(5)の頂部は楔形部となる。
【0015】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは回転ブロック(14)及び前記回転ブロック(14)に力を与えるねじりバネ(15)を含む。
【0016】
更なる改善として、前記回転ブロック(14)は、ステープルカートリッジが発射状態である際、前記ナイフ推動棒の移動を制限する平面(16)を含む。
【0017】
更なる改善として、前記平面(16)から回転ブロック(14)の回転軸心まで最小距離は、前記切断ナイフ底面(10)から回転ブロック(14)の回転軸心まで垂直距離より大きい。
【0018】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性金属板であり、前記弾性金属板の一端は前記ステープルカートリッジの底部と固定接続する。
【0019】
それに応じて、本発明に係る直線外科手術用ステープラーは以下の構造となる。
上鉗子ヘッドと、
下鉗子ヘッドと、
更に、切断ナイフ底面(10)及び切断ナイフ(8)の遠端部に位置する切断刃(11)を含む切断ナイフ(8)がその内部に往復移動可能に設置されるナイフ移動溝を含み、前記下鉗子ヘッドに支持されるステープルカートリッジ(1)と、
を含む直線外科手術用ステープラーであって、
前記ステープルカートリッジ(1)内部には位置限定部品(4)及び前記ストッパー(4)と協同する弾性ストッパーが設置され、前記弾性ストッパーは第一位置及び第二位置を含み、前記弾性ストッパーは第一位置に位置する際、前記弾性ストッパーは前記位置限定部品(4)に当接し、前記弾性ストッパーは第二位置に位置する際、前記位置限定部品(4)は前記ステープルカートリッジ(1)から離れる。
【0020】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性ボタン(5)及び前記弾性ボタン(5)の底部に当接するスプリング(6)を含む。
【0021】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジは貫通孔(3)も含み、前記弾性ボタン(5)、スプリング(6)は前記貫通孔(3)に設置され、前記貫通孔(3)の軸線は前記ナイフ移動溝の軸線と垂直になり、且つ連通し、前記弾性ボタン(5)の頂部はスプリング(6)からの力を受けて前記貫通孔(3)から伸び出すことが可能である。
【0022】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジはパッド(7)も含み、前記パッド(7)は前記ステープルカートリッジに固定され、前記スプリング(6)の別端は前記パッド(7)の頂面に当接する。
【0023】
更なる改善として、前記貫通孔(3)は階段(12)を含み、前記弾性ボタン(5)は凸台(13)を含み、前記凸台(13)の外径は前記階段(12)の内径より大きい。
【0024】
更なる改善として、前記弾性ボタン(5)の頂部は楔形部となる。
【0025】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは回転ブロック(14)及び前記回転ブロック(14)に力を与えるねじりバネ(15)を含む。
【0026】
更なる改善として、前記回転ブロック(14)は、ステープルカートリッジが発射状態である際、前記ナイフ推動棒の移動を制限する平面(16)を含む。
【0027】
更なる改善として、前記平面(16)から回転ブロック(14)の回転軸心まで最小距離は、前記切断ナイフ底面(10)から回転ブロック(14)の回転軸心まで垂直距離より大きい。
【0028】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性金属板であり、前記弾性金属板の一端は前記ステープルカートリッジの底部と固定接続する。
【0029】
それに応じて、本発明に係るステープルカートリッジは以下の構成になることもある。
切断ナイフ底面(10)及び切断ナイフ(8)の遠端部に位置する切断刃(11)を含む切断ナイフ(8)がその内部に往復移動可能に設置されるナイフ移動溝を含むステープルカートリッジであって、
前記ステープルカートリッジ(1)内部には位置限定部品(4)及び弾性ストッパーが設置され、前記ステープルカートリッジ底部の遠端には前記位置限定部品(4)を収容できる収容空間が設置され、
前記ステープルカートリッジは初期状態及び発射状態を含み、
前記ステープルカートリッジは初期状態である際、前記位置限定部品(4)は弾性ストッパーの頂部に位置し、且つ前記弾性ストッパーの頂部が切断ナイフ底面(10)の所在する平面より高くないように前記弾性ストッパーの頂部を制限し、
前記ステープルカートリッジは発射終了状態である際、前記位置限定部品(4)は前記収容空間内に留められ、前記弾性ストッパーの頂部を切断ナイフと接触させ、切断ナイフの往復運動を阻止する。
【0030】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性ボタン(5)及び前記弾性ボタン(5)の底部に当接するスプリング(6)を含み、初期状態である際、前記位置限定部品(4)は前記弾性ボタン(5)の頂部に位置する。
【0031】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジは貫通孔(3)も含み、前記弾性ボタン(5)、スプリング(6)は前記貫通孔(3)に設置され、前記貫通孔(3)の軸線は前記ナイフ移動溝の軸線と垂直になり、且つ連通し、前記弾性ボタン(5)の頂部はスプリング(6)からの力を受けて前記貫通孔(3)から伸び出すことが可能である。
【0032】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジはパッド(7)も含み、前記パッド(7)は前記ステープルカートリッジに固定され、且つ前記スプリング(6)の別端は前記パッド(7)の頂面に当接する。
【0033】
更なる改善として、前記貫通孔(3)は階段(12)を含み、前記弾性ボタン(5)は凸台(13)を含み、前記凸台(13)の外径は前記階段(12)の内径より大きい。
【0034】
更なる改善として、前記弾性ボタン(5)の頂部は楔形部となる。
【0035】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは回転ブロック(14)及び前記回転ブロック(14)に力を与えるねじりバネ(15)を含み、初期状態である際、前記位置限定部品(4)は前記回転ブロック(14)の頂部に位置する。
【0036】
更なる改善として、前記回転ブロック(14)は、ステープルカートリッジが発射状態である際、前記ナイフ推動棒の移動を制限する平面(16)を含む。
【0037】
更なる改善として、前記平面(16)から回転ブロック(14)の回転軸心まで最小距離は、前記切断ナイフ底面(10)から回転ブロック(14)の回転軸心まで垂直距離より大きい。
【0038】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性金属板であり、前記弾性金属板の一端は前記ステープルカートリッジの底部と固定接続し、別端は、ステープルカートリッジが初期状態である際、前記位置限定部品(4)の底部に当接し、ステープルカートリッジが発射状態である際にナイフ推動棒の移動を制限する。
【0039】
それに応じて、本発明に係る直線外科手術用ステープラーは以下の構成になることもある。
上鉗子ヘッドと、
下鉗子ヘッドと、
更に、切断ナイフ底面(10)及び切断ナイフ(8)の遠端部に位置する切断刃(11)を含む切断ナイフ(8)がその内部に往復移動可能に設置されるナイフ移動溝を含み、前記下鉗子ヘッドに支持されるステープルカートリッジ(1)と、
を含む直線外科手術用ステープラーであって、
前記ステープルカートリッジ(1)内部には位置限定部品(4)及び弾性ストッパーが設置され、前記ステープルカートリッジの遠端には前記位置限定部品(4)を収容できる収容空間が設置され、
前記ステープルカートリッジは初期状態及び発射状態を含み、
前記ステープルカートリッジは初期状態である際、前記位置限定部品(4)は弾性ストッパーの頂部に位置し、且つ前記弾性ストッパーの頂部が切断ナイフ底面(10)の所在する平面より高くないように前記弾性ストッパーの頂部を制限し、
前記ステープルカートリッジは発射終了状態である際、前記位置限定部品(4)は前記収容空間内に留められ、前記弾性ストッパーの頂部を切断ナイフと接触させ、切断ナイフの往復運動を阻止する。
【0040】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性ボタン(5)及び前記弾性ボタン(5)の底部に当接するスプリング(6)を含み、初期状態である際、前記位置限定部品(4)は前記弾性ボタン(5)の頂部に位置する。
【0041】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジは貫通孔(3)も含み、前記弾性ボタン(5)、スプリング(6)は前記貫通孔(3)に設置され、前記貫通孔(3)の軸線は前記ナイフ移動溝の軸線と垂直になり、且つ連通し、前記弾性ボタン(5)の頂部はスプリング(6)からの力を受けて前記貫通孔(3)から伸び出すことが可能である。
【0042】
更なる改善として、前記ステープルカートリッジはパッド(7)も含み、前記パッド(7)は前記ステープルカートリッジに固定され、且つ前記スプリング(6)の別端は前記パッド(7)の頂面に当接する。
【0043】
更なる改善として、前記貫通孔(3)は階段(12)を含み、前記弾性ボタン(5)は凸台(13)を含み、前記凸台(13)の外径は前記階段(12)の内径より大きい。
【0044】
更なる改善として、前記弾性ボタン(5)の頂部は楔形部となる。
【0045】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは回転ブロック(14)及び前記回転ブロック(14)に力を与えるねじりバネ(15)を含み、初期状態である際、前記位置限定部品(4)は前記回転ブロック(14)の頂部に位置する。
【0046】
更なる改善として、前記回転ブロック(14)は、ステープルカートリッジが発射状態である際、前記ナイフ推動棒の移動を制限する平面(16)を含む。
【0047】
更なる改善として、前記平面(16)から回転ブロック(14)の回転軸心まで最小距離は、前記切断ナイフ底面(10)から回転ブロック(14)の回転軸心まで垂直距離より大きい。
【0048】
更なる改善として、前記弾性ストッパーは弾性金属板であり、前記弾性金属板の一端は前記ステープルカートリッジの底部と固定接続し、別端は、ステープルカートリッジが初期状態である際、前記位置限定部品(4)の底部に当接し、ステープルカートリッジが発射状態である際にナイフ推動棒の移動を制限する。
【発明の効果】
【0049】
従来技術と比べて、本発明の進歩は、構造が簡単であり、再発射防止は機械発射後から新たなステープルカートリッジが装着されるまでの全過程に一貫し、機械再発射の可能性を完全に回避でき、安全性が高いことにある。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明の第一実施例に記載されるステープルカートリッジの構造を示す表示図である。
図2】A−Aに沿って切断した断面図である。
図3図1におけるBの拡大図である。
図4】本発明の第一実施例に記載されるステープルカートリッジの分解表示図である。
図5】本発明の第二実施例に記載されるステープルカートリッジの初期状態における構造を示す表示図である。
図6】本発明の第二実施例に記載されるステープルカートリッジの発射状態における構造を示す表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明は、直線外科手術用ステープラー、特にステープルカートリッジを提供し、図1〜4に示す第一実施例に記載されるように、本発明は従来技術と同じように、相互固定しているステープルカートリッジ(1)及びブレード(2)を含み、前記ステープルカートリッジ(1)は、切断ナイフ底面(10)及び切断刃(11)を含む切断ナイフ(8)がその内部に軸線に沿って往復移動可能に設置されるナイフ移動溝を含む。当然、ステープルカートリッジ(1)にはさらにステープル設置孔、及び当該ステープル設置孔内に設置されるステープル推動板及びステープルなどを含み、本発明と関係ないため、省略する。
【0052】
(第一実施例)
前記ステープルカートリッジ(1)の近端部下表面には前記ナイフ移動溝と貫通する貫通孔(3)が設置され、本発明の「前後」方向は表示図の「左右」方向を指し、「上下」方向は表示図の「上下」方向を指す。本好適実施例において、前記貫通孔(3)内には当該貫通孔軸線に沿って往復運動可能な弾性ボタン(5)が設置され、前記弾性ボタン(5)の下方にはスプリング(6)が設置され、前記スプリング(6)の一端は前記弾性ボタン(5)に当接し、弾性ボタン(5)は終始前記切断ナイフ底面(10)への推動力を受ける。前記スプリング(6)の下方にはパッド(7)が設置され、前記スプリング(6)の一端は前記パッド(7)の頂面に当接し、前記パッド(7)は前記ステープルカートリッジ(1)の下表面に固定される。このように、前記スプリング(6)は、前記弾性ボタン(5)を終始前記切断ナイフ(8)へ運動するように駆動する。
【0053】
当然、パッド(7)を省略して、スプリング(6)の別端を前記ブレード(2)に直接に当接させることも可能である。具体的に、図3で示すように、前記貫通孔(3)は階段(12)を含み、前記弾性ボタン(5)は凸台(13)を含み、前記凸台(13)の外径は前記階段(12)の内径より大きいため、スプリング(6)は終始前記弾性ボタン(5)に力を与えていても、前記弾性ボタン(5)は前記貫通孔(3)から弾き出すことはない。さらに、図で示すように、弾性ボタン(5)の頂部は楔形部となり、前記楔形部はスプリング(6)からの力を受けて前記貫通孔(3)から伸び出すことが可能である。本実施例において、前記弾性ボタン(5)及びスプリング(6)は本発明における弾性ストッパーを構成する。
【0054】
本発明におけるステープルカートリッジは、初期状態及び発射状態2つの状態を含み、前記ステープルカートリッジは初期状態である場合、前記貫通孔(3)の上方、切断ナイフ(8)の前方向にはスライダー(4)が設置され、前記スライダー(4)は弾性ボタン(5)の頂部に位置し、且つ前記弾性ボタン(5)への力を発生する。スライダー(4)の形状について、特に限定しない。図に示すのは矩形となるスライダー(4)であり、スライダー(4)は、形状に拘らず、ステープルカートリッジの近端部から遠端部まで摺動できるものであれば結構である。前記ブレード(2)の遠端部には溝(9)が設置され、前記溝(9)は前記スライダー(4)と同じまたはそれ以上の高さ、幅を有する。前記溝(9)から貫通孔(3)までの最大距離は前記切断ナイフ(8)の移動可能距離と同じまたはそれ以上となる。このように、スライダー(4)はステープルカートリッジの近端部から遠端部まで摺動する際、前記溝(9)内に落下することを確保し、スライダーが溝内に入りやすくするために、スライダーの前後側面を斜面にすることが考えられる。スライダーの収容空間はステープルカートリッジ底部の最遠端またはブレードの最遠端に設置することが考えられ、そうすると、収容空間が溝でなくてもよく、切断ナイフが到達できないステープルカートリッジ遠端部にある区域となる。
【0055】
本好適実施例の作業過程を簡単に説明する。
前記ステープルカートリッジが初期状態である場合、弾性ボタン(5)、スプリング(6)、パッド(7)を順序よくステープルカートリッジの貫通孔(3)に装着し、前記スライダー(4)が弾性ボタン(5)と切断ナイフ底面(10)との間に当接し、この際、スライダー(4)が弾性ボタン(5)を押さえる。ステープルカートリッジが発射中である場合、切断ナイフ(8)はスライダー(4)を推動して前進させ、スライダー(4)が前進して予め設置した溝(9)内に入り、初期位置に後退できないようになり、スライダー(4)が運動している間、前記弾性ボタン(5)は終始切断ナイフ(8)の切断ナイフ底面(10)に当接する。ステープルカートリッジが発射終了状態である場合、切断ナイフ(8)は初期位置まで引っ張られ、この際、弾性ボタン(5)がスライダー(4)の圧迫から逃れ、スプリング(6)によって持ち上げられ、前記切断刃(11)の遠端に固定され、そうすると、切断ナイフ(8)は弾性ボタン(5)に邪魔されて前進できなくなり、機械は再発射することはなくなり、本発明の目的を達成する。
【0056】
(第二実施例)
図5、6に示すように、本実施例における弾性ストッパーは、ステープルカートリッジに枢軸設置される回転ブロック(14)及び前記回転ブロック(14)に力を与えるねじりバネ(15)を含み、前記ねじりバネ(15)は終始回転ブロック(14)にそれを図で示す時計回り方向へ回転させる力を与える。前記回転ブロック(14)は、ステープルカートリッジが発射状態である際、前記ナイフ推動棒の移動を制限する平面(16)を含み、初期状態である場合、前記スライダー(4)は前記回転ブロック(14)の頂部に位置する。
【0057】
前記ステープルカートリッジは図5で示す初期状態である場合、前記スライダー(4)は回転ブロック(14)を押さえる。ステープルカートリッジが発射中である場合、切断ナイフ(8)はスライダー(4)を推動して前進させ、スライダー(4)が前進して予め設置した溝(9)内に入り、初期位置に後退できないようになり、スライダー(4)が運動している間、前記弾性ボタン(5)は終始切断ナイフ(8)の切断ナイフ底面(10)に当接する。図6で示すように、ステープルカートリッジが発射状態である場合、切断ナイフ(8)は初期位置まで引っ張られ、この際、回転ブロック(14)がスライダー(4)の圧迫から逃れたため、ねじりバネ(15)からの力によって時計回り方向へ回転する。本実施例において、前記平面(16)から回転ブロック(14)の回転軸心までの最少距離は、前記切断ナイフ底面(10)から回転ブロック(14)の回転軸心までの垂直距離より大きく、そうすると、回転ブロック(14)が図6で示す状態まで回転する時、前記平面(16)は前記切断刃(11)の遠端に固定することを確保でき、切断ナイフ(8)は回転ブロック(14)に止められて前進できなくなり、機械は再発射することはなくなり、本発明の目的を達成する。
【0058】
本発明で言う遠端は作業員から遠い一端であり、近端は作業員から近い一端である。本発明は複数の実施形態を有し、例えば、弾性ストッパーは弾性金属板であり、前記弾性金属板の一端は前記ブレード(2)と固定接続する。別端は、ステープルカートリッジは初期状態である場合、前記スライダー(4)の底部に当接し、ステープルカートリッジは発射状態である場合、スライダー(4)はすでに溝(9)内に収容されたため、前記弾性金属板の別端は一定の距離を弾き出し、当該弾性金属板は前記切断刃(11)の遠端に固定し、ナイフ推動棒の移動を制限する。前記実施例の種々の変更および変形例は、本発明の権利範囲に入ると考えられるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 ステープルカートリッジ
2 ブレード
3 貫通孔
4 スライダー
5 弾性ボタン
6 スプリング
7 パッド
8 切断ナイフ
図1
図2
図3
図4
図5
図6