特許第5717918号(P5717918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5717918充電時間導出装置、充電時間管理装置、端末装置及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717918
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】充電時間導出装置、充電時間管理装置、端末装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20150423BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20150423BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20150423BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20150423BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   G01C21/26 A
   G08G1/00 D
   B60L3/00 S
   G09B29/00 F
   G09B29/10 A
【請求項の数】12
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-507200(P2014-507200)
(86)(22)【出願日】2012年3月29日
(86)【国際出願番号】JP2012058454
(87)【国際公開番号】WO2013145234
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112760
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 五雄
(72)【発明者】
【氏名】入江 宏樹
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−002778(JP,A)
【文献】 特開2012−019627(JP,A)
【文献】 特開2010−032459(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/104244(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
B60L 1/00−15/42
G08G 1/00− 1/16
G09B 29/00−29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の現在位置と、目的地と、現時点での駆動用エネルギの残量とを取得する第1取得部と;
前記第1取得部による取得結果に基づいて、前記移動体が前記目的地まで移動する際に、前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する抽出部と;
前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報を取得する第2取得部と;
前記第1取得部及び前記第2取得部による取得結果に基づいて、前記充電施設の候補における適正充電時間を導出する導出部と;
を備えることを特徴とする充電時間導出装置。
【請求項2】
前記導出部は、
前記第2取得部の取得結果から推定される、前記抽出した充電施設の候補に前記移動体が到着したときの前記駆動用エネルギの残量と、前記第2取得部の取得結果と、に基づいて前記適正充電時間を導出する、ことを特徴とする請求項1に記載の充電時間導出装置。
【請求項3】
前記導出部は、前記充電施設の候補における満充電時間以下の時間であって、渋滞遭遇時間が許容時間以下となる充電時間のうちの最長時間を前記適正充電時間として導出する、ことを特徴とする請求項2に記載の充電時間導出装置。
【請求項4】
前記導出部は、前記抽出部により複数の前記充電施設の候補が抽出された場合に、前記第1取得部及び前記第2取得部による取得結果に基づいて、推奨充電施設を導出するとともに、前記推奨充電施設における適性充電時間を推奨充電時間として導出する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電時間導出装置。
【請求項5】
前記導出部は、充電時間と、充電後の移動時における渋滞への遭遇の可能性との関係に基づいて、前記推奨充電施設及び前記推奨充電時間を導出する、ことを特徴とする請求項4に記載の充電時間導出装置。
【請求項6】
前記導出部は、渋滞を回避しつつ、充電回数を最小化できる充電施設及び充電時間を、前記推奨充電施設及び前記推奨充電時間として導出する、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の充電時間導出装置。
【請求項7】
前記導出部は、前記目的地までの移動中時間を最短化できる充電施設及び充電時間を、前記推奨充電施設及び前記推奨充電時間として導出する、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の充電時間導出装置。
【請求項8】
移動体に配置された端末装置から、前記移動体の現在位置、目的地及び現時点での駆動用エネルギの残量を受信する受信部と;
前記受信部による受信結果に基づいて、前記移動体が前記目的地まで移動する際に、前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する抽出部と;
前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報を取得する取得部と;
前記受信部による受信結果、及び、前記取得部による取得結果に基づいて、前記充電施設の候補における適正充電時間を導出する導出部と;
前記導出部による導出結果を、前記端末装置へ送信する送信部と;
を備えることを特徴とする充電時間管理装置。
【請求項9】
移動体に配置される端末装置であって、
前記移動体の現在位置と、目的地と、現時点での駆動用エネルギの残量を取得する取得部と;
前記取得部による取得結果を、充電時間管理装置へ送信する送信部と;
前記移動体が前記目的地まで移動する際に前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補が、前記取得部による取得結果に基づいて抽出され、前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報が取得された後に、前記取得部による取得結果及び前記渋滞情報に基づいて導出された前記充電施設の候補における適正充電時間を含む情報を、前記充電時間管理装置から受信する受信部と;
前記受信部により受信された情報を提示する提示部と;
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項10】
第1取得部と;抽出部と;第2取得部と;導出部と;を備え、移動体の駆動用エネルギを充電する際における適正充電時間を導出する充電時間導出装置において使用される充電時間導出方法であって、
前記第1取得部が、前記移動体の現在位置と、目的地と、現時点での前記駆動用エネルギの残量とを取得する第1取得工程と;
前記抽出部が、前記第1取得工程における取得結果に基づいて、前記移動体が前記目的地まで移動する際に、前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する抽出工程と;
前記第2取得部が、前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報を取得する第2取得工程と;
前記導出部が、前記第1取得工程及び前記第2取得工程における取得結果に基づいて、前記充電施設の候補における適正充電時間を導出する導出工程と;
を備えることを特徴とする充電時間導出方法。
【請求項11】
移動体の駆動用エネルギを充電する際における適正充電時間を導出する充電時間導出装置が有するコンピュータであって、第1取得部、抽出部、第2取得部及び導出部の機能を果たすべきコンピュータに、請求項10に記載の充電時間導出方法を実行させる、ことを特徴とする充電時間導出プログラム。
【請求項12】
移動体の駆動用エネルギを充電する際における適正充電時間を導出する充電時間導出装置が有するコンピュータであって、第1取得部、抽出部、第2取得部及び導出部の機能を果たすべきコンピュータにより、請求項11に記載の充電時間導出プログラムが読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電時間導出装置、充電時間管理装置、端末装置、充電時間導出方法及び充電時間導出プログラム、並びに、当該充電時間導出プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、走行経路計画等の車両の走行計画を提示する装置として、目的地までの走行経路の探索を行うナビゲーション装置が普及している。こうしたナビゲーション装置については、様々な技術が提案されている。
【0003】
かかる提案技術の一の例として、渋滞を回避することができる目的地までの経路を探索する技術が提案されている(特許文献1参照:以下、「従来例1」という)。この従来例1の技術では、過去に渋滞した道路の情報を、渋滞した時間帯、日付、曜日と関連付けて渋滞情報として蓄積する。引き続き、当該蓄積された渋滞情報に基づいて、目的地までの最短時間経路中に渋滞が発生する可能性があるか否かを判定する。そして、渋滞が発生する可能性がある場合には、渋滞箇所を迂回する経路を探索し、迂回する経路と当該最短経路とを比較して、旅行時間が最短となる経路を探索するようになっている。
【0004】
また、提案技術の他の例として、近年における電気自動車の実用化に伴い、充電に時間を要する電気自動車の特徴に鑑み、予定外の移動や、身近な場所への短距離移動等が発生した場合に、最適な充電量及び充電時間を算出する技術が提案されている(特許文献2参照:以下、「従来例2」という)。この従来例2の技術では、探索された目的地までの経路を走行する際に必要となる充電量を算出し、利用者に提示するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−315077号公報
【特許文献2】特開2010−032459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来例1の技術では、渋滞に対する一応の考慮はなされている。しかしながら、従来例1の技術では、充電に時間を要する電気自動車が目的地までの経路中で充電する際に、充電後における渋滞の発生状況の変化については考慮されずに、目的地までの経路が探索される。このため、当初の経路探索時には最短旅行時間の経路であったものが、充電のための充電施設への立ち寄りにより、最短旅行時間の経路でなくなった場合にも、利用者には、当該当初に探索された経路が提示され続けることになる。かかる事態を回避するためには、充電施設における充電を行うたびに、充電後の目的地までの経路を改めて探索することが必要であった。
【0007】
また、上述した従来例2の技術では、電気自動車おける充電時間に対する一応の考慮はなされている。しかしながら、従来例2の技術を、目的地が遠隔地である場合に適用した場合、探索された目的地までの経路を走行する際に必要となる充電量のみが利用者に提示され、目的地までの経路中における推奨充電位置及び推奨充電量については、何等の情報も提示されない。このため、利用者は、当初に算出された必要な充電量のみに基づいて、充電施設の位置及び充電量を導出することが必要であった。
【0008】
このため、エネルギ切れの回避と、渋滞回避とを両立することができる充電時間を導出することができる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つとして挙げられる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、渋滞への遭遇による走行時間の長時間化を回避しつつ、適切な充電を行うことを提案できる充電時間導出装置、充電時間管理装置、端末装置及び充電時間導出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の観点からすると、移動体の現在位置と、目的地と、現時点での駆動用エネルギの残量とを取得する第1取得部と;前記第1取得部による取得結果に基づいて、前記移動体が前記目的地まで移動する際に、前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する抽出部と;前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報を取得する第2取得部と;前記第1取得部及び前記第2取得部による取得結果に基づいて、前記充電施設の候補における適正充電時間を導出する導出部と;を備えることを特徴とする充電時間導出装置である。
【0011】
本発明は、第2の観点からすると、移動体に配置された端末装置から、前記移動体の現在位置、目的地及び現時点での駆動用エネルギの残量を受信する受信部と;前記受信部による受信結果に基づいて、前記移動体が前記目的地まで移動する際に、前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する抽出部と;前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報を取得する取得部と;前記受信部による受信結果、及び、前記取得部による取得結果に基づいて、前記充電施設の候補における適正充電時間を導出する導出部と;前記導出部による導出結果を、前記端末装置へ送信する送信部と;を備えることを特徴とする充電時間管理装置である。
【0012】
本発明は、第3の観点からすると、移動体に配置される端末装置であって、前記移動体の現在位置と、目的地と、現時点での駆動用エネルギの残量を取得する取得部と;前記取得部による取得結果を、充電時間管理装置へ送信する送信部と;前記移動体が前記目的地まで移動する際に前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補が、前記取得部による取得結果に基づいて抽出され、前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報が取得された後に、前記取得部による取得結果及び前記渋滞情報に基づいて導出された前記充電施設の候補における適正充電時間を含む情報を、前記充電時間管理装置から受信する受信部と;前記受信部により受信された情報を提示する提示部と;を備えることを特徴とする端末装置である。
【0013】
本発明は、第4の観点からすると、第1取得部と;抽出部と;第2取得部と;導出部と;を備え、移動体の駆動用エネルギを充電する際における適正充電時間を導出する充電時間導出装置において使用される充電時間導出方法であって、前記第1取得部が、前記移動体の現在位置と、目的地と、現時点での前記駆動用エネルギの残量とを取得する第1取得工程と;前記抽出部が、前記第1取得工程における取得結果に基づいて、前記移動体が前記目的地まで移動する際に、前記駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する抽出工程と;前記第2取得部が、前記充電施設の候補から前記目的地までの経路における渋滞情報を取得する第2取得工程と;前記導出部が、前記第1取得工程及び前記第2取得工程における取得結果に基づいて、前記充電施設の候補における適正充電時間を導出する導出工程と;を備えることを特徴とする充電時間導出方法である。
【0014】
本発明は、第5の観点からすると、移動体の駆動用エネルギを充電する際における適正充電時間を導出する充電時間導出装置が有するコンピュータであって、第1取得部、抽出部、第2取得部及び導出部の機能を果たすべきコンピュータに、本発明の充電時間導出方法を実行させる、ことを特徴とする充電時間導出プログラムである。
【0015】
本発明は、第6の観点からすると、移動体の駆動用エネルギを充電する際における適正充電時間を導出する充電時間導出装置が有するコンピュータであって、第1取得部、抽出部、第2取得部及び導出部の機能を果たすべきコンピュータにより、本発明の充電時間導出プログラムが読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。

【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る充電時間導出装置の構成を説明するためのブロック図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る端末装置及び充電時間管理装置の構成を説明するためのブロック図である。
図3】本発明の第1実施例に係るナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
図4図3のナビゲーション装置による充電計画情報の作成処理を説明するためのフローチャートである。
図5図4における次充電計画の作成処理を説明するためのフローチャートである。
図6図5における適正充電時間の導出処理を説明するためのフローチャートである。
図7】変形例による次充電計画の作成処理を説明するためのフローチャートである。
図8図7における適正充電時間の導出処理を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の第2実施例に係る端末装置及びサーバ装置の位置付けを説明するためのブロック図である。
図10図9の端末装置の構成を説明するためのブロック図である。
図11図9のサーバ装置の構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1を参照して説明する。
【0019】
<構成>
図1には、第1実施形態に係る充電時間導出装置700の概略的な構成が示されている。この図1に示されるように、充電時間導出装置700は、電気エネルギを駆動用のエネルギとする移動体MV内に配置される。
【0020】
本第1実施形態では、移動体MVには、蓄電池910と、ECU(Electronic Control Unit)920とが装備されている。ここで、上記の蓄電池910には、移動体MVの駆動用エネルギが蓄えられる。かかる駆動用エネルギを利用して移動体MVが移動する。
【0021】
上記のECU920は、移動体MVの状態を検出する各種のセンサによる検出結果を収集する。そして、ECU920は、収集された検出結果に基づいて、移動体MVの走行の制御に有用な様々なパラメータ値を逐次導出しつつ、移動体MVの走行の制御や管理を行う。
【0022】
本第1実施形態では、ECU920より導出されるパラメータ値には、蓄電池910のエネルギ残量の現在値及び満充電量が含まれている。そして、ECU920は、蓄電池910のエネルギ残量の現在値及び満充電量を充電時間導出装置700へ送る。
【0023】
充電時間導出装置700は、上述の要素910,920が配設されている環境において動作する。この充電時間導出装置700は、入力部710と、位置検出部720と、第1取得部730とを備えている。また、充電時間導出装置700は、渋滞情報記録部740と、第2取得部750とを備えている。さらに、充電時間導出装置700は、地図情報記録部760と、抽出部765と、導出部770と、提示部780とを備えている。
【0024】
上記の入力部710は、キーボード等を備えて構成される。この入力部710に対して、利用者が、目的地が設定された充電計画情報の作成指令の入力を行うと、当該充電計画情報の作成指令が第1取得部730へ送られる。
【0025】
上記の位置検出部720は、移動体MVの現在位置を逐次検出する。そして、位置検出部720は、検出された現在位置を第1取得部730へ送る。
【0026】
上記の第1取得部730は、入力部710から送られた充電計画情報の作成指令において設定された目的地、及び、位置検出部720から送られた現在位置を取得する。こうして取得された目的地及び現在位置は、抽出部765及び導出部770へ送られる。
【0027】
また、第1取得部730は、ECU920から送られたエネルギ残量の現在値及び満充電量を取得する。こうして取得されたエネルギ残量の現在値及び満充電量は、抽出部765及び導出部770へ送られる。
【0028】
上記の渋滞情報記録部740には、通年における各道路において発生する渋滞の平均的な発生時刻、渋滞距離等が、渋滞情報として記憶されている。この渋滞情報記録部740には、第2取得部750がアクセスできるようになっている。
【0029】
上記の第2取得部750は、ネットワーク950を介して、交通情報システム960から交通情報を受信する。そして、第2取得部750は、抽出部765又は導出部770による渋滞情報の取得制御のもとで、受信した交通情報と、渋滞情報記録部740内に記録された渋滞情報とに基づいて、今後に渋滞が発生しそうな区間及び時間帯を、予測渋滞情報として取得する。そして、第2取得部750は、取得された予測渋滞情報を、渋滞情報の取得制御を行った要素へ送る。
【0030】
上記の地図情報記録部760には、地図情報が記録されている。かかる地図情報には、ノード(交差点等)位置情報、ノード間を結ぶ道路リンク情報、充電施設の位置情報、充電施設のそれぞれにおける単位時間当たりの充電量、並びに、各道路リンクの移動時間情報及び消費エネルギ情報等が含まれている。この地図情報記録部760には、抽出部765及び導出部770がアクセスできるようになっている。
【0031】
上記の抽出部765は、第1取得部730による取得結果、及び、第2取得部750による取得結果を受ける。そして、抽出部765は、これらの取得結果に基づいて、目的地まで移動に際して駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する。かかる充電施設の候補の抽出結果は、導出部770へ送られる。
【0032】
上記の導出部770は、第1取得部730による取得結果、第2取得部750による取得結果、及び、抽出部765による抽出結果を受ける。そして、導出部770は、これらの取得結果及び抽出結果に基づいて、当該抽出結果として受けた充電施設の候補における適正充電時間を導出する。なお、充電施設の候補が複数であった場合には、導出部770は、抽出された充電施設候補ごとに導出された適正充電時間のうちで、後述する移動中時間が最短となる次充電施設候補と適正充電時間との対を、推奨充電施設及び当該推奨充電施設における推奨充電時間として導出する。
【0033】
なお、抽出部765と導出部770とが協働して行う充電計画情報の作成処理については、後述する。かかる充電計画情報の作成結果は、導出部770から提示部780へ送られる。
【0034】
上記の提示部780は、表示部、音出力部等を備えて構成されている。この提示部780は、導出部770から送られた充電計画情報の作成結果を受ける。そして、提示部780は、当該充電計画情報の作成結果に基づいて、作成された充電計画に関する情報の表示出力、音声出力等を行う。
【0035】
<動作>
次に、上記のように構成された充電時間導出装置700の動作について、抽出部765と導出部770とが協働して実行する充電計画情報の作成処理に主に着目して説明する。なお、位置検出部720からは、検出された現在位置が第1取得部730へ逐次送られているものとする。また、ECU920からは、エネルギ残量の現在値及び満充電量が第1取得部730へ逐次送られているものとする。そして、第1取得部730は、当該現在位置、当該エネルギ残量の現在値及び当該満充電量の取得し、取得結果を抽出部765及び導出部770へ逐次送っているものとする。
【0036】
この充電時間導出装置700では、入力部710に対して新たに目的地が設定された充電計画情報の作成指令の入力が行われると、第1取得部730が当該充電計画情報の作成指令を取得する。そして、第1取得部730は、取得された充電計画情報の作成指令を抽出部765へ送る。
【0037】
第1取得部730から送られた充電計画情報の作成指令を受けた抽出部765は、指定されている目的地と、現在位置とに基づいて、第2取得部750に、予測渋滞情報を取得させる。ここで、第2取得部750は、交通情報システム960から受信した交通情報と、渋滞情報記録部740内に記録された渋滞情報とに基づいて、現在位置から目的地までの間の様々な道路リンクで今後に渋滞が発生しそうな区間及び時間帯を、予測渋滞情報として取得する。
【0038】
第2取得部750は、取得した予測渋滞情報を抽出部765へ送る。この予測渋滞情報を受けた抽出部765は、当該予測渋滞情報に加えて、先に受けた目的地及び現在位置に基づいて、地図情報記録部760内の地図情報を参照し、初期経路の探索を行う。かかる初期経路の探索に際して、本第1実施形態では、抽出部765は、移動体MVのエネルギ残量及び満充電量を考慮することなく、現在位置を出発地とした場合における目的地までの移動時間が最短となる経路である初期経路の探索を行うようになっている。
【0039】
次に、初期経路が探索されると、抽出部765と導出部770とが協働して、次充電計画を作成する。かかる次充電計画の作成に際して、まず、抽出部765が、移動体MVの初期経路に沿った移動中に、エネルギ残量の推定量が第1所定量(例えば、満充電量の30%)以下となることが予測されるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には、その旨を、導出部770へ送る。そして、導出部770は、当該初期経路に沿って、充電を行うことなく走行することを、最終的な充電計画として作成する。
【0040】
なお、「第1所定量」は、今後の走行のために充電しておくことが望ましいとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0041】
一方、当該判定の結果が肯定的であった場合には、抽出部765は、地図情報記録部760内の地図情報に含まれる充電施設の位置情報を参照して、エネルギ残量の推定量が第1所定量以下、かつ、当該第1所定量よりも少ない第2所定値(例えば、満充電量の15%)以上の範囲となる経路位置に存在する充電施設を、次充電施設候補として抽出する。
【0042】
なお、「第2所定量」は、今後の走行のために充電しておくことが必須であるとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0043】
この抽出処理の結果、次充電施設候補を抽出できなかった場合には、抽出部765は、初期経路の探索をやり直し、現在位置から目的地までの移動時間の短さの観点から次善の経路を、初期経路として探索する。そして、上述した初期経路の探索後の処理を再度実行する。
【0044】
一方、抽出処理の結果、次充電施設候補を抽出できた場合には、抽出部765は、抽出された次充電施設候補を導出部770へ送る。次充電候補を受けた導出部770は、次充電施設候補ごとに、適正充電時間を導出する。ここで、導出部770は、充電の終了後に当該充電施設を出発し、その時点で想定されている経路に沿って目的地まで移動した場合において、評価対象となる区間における移動中時間(移動体MVが車両の場合には、運転時間)が最短となる充電時間を、適正充電時間として導出する。
【0045】
引き続き、導出部770は、抽出された次充電施設候補ごとに導出された適正充電時間のうちで、移動中時間が最短となる次充電施設候補と適正充電時間との対を、推奨充電施設及び当該推奨充電施設における推奨充電時間として導出する。そして、導出部770は、導出された推奨充電施設及び推奨充電時間を抽出部765へ送る。
【0046】
なお、本第1実施形態では、「評価対象となる区間」は、現在位置から目的地までの移動において最初の次充電計画の作成の場合には、現在位置から目的地までの区間となっている。また、既に次充電計画の作成が行われている場合には、直近の次充電計画の作成で導出された推奨充電施設から目的地までの区間となっている。
【0047】
また、抽出部765により抽出された次充電施設候補が1つであった場合には、導出部770は、当該1つの次充電施設候補を推奨充電施設とするとともに、当該1つの次充電施設候補における充電時間を推奨充電時間とする。
【0048】
導出部770から送られた推奨充電施設及び推奨充電時間を受けた抽出部765は、地図情報記録部760内の地図情報に含まれる充電施設ごとの単位時間当たりの充電量を読み取る。引き続き、抽出部765は、読み取られた単位時間当たりの充電量に基づいて、新たに導出された推奨充電施設における推奨充電時間にわたって充電を行った場合の充電後におけるエネルギ残量の推定量を、算出する。
【0049】
以後、新たな次充電計画の作成が必要なくなるまで、上述した次充電計画の作成処理が繰り返される。そして、新たな次充電計画の作成が必要なくなると、導出部770が、それまでに導出された推奨充電施設及び当該推奨充電施設における推奨充電時間で充電を行いつつ走行することを、充電計画情報として作成する。
【0050】
こうして充電計画情報が作成されると、導出部770は、作成された充電計画情報を、提示部780へ送る。この結果、充電計画情報が、提示部780により、利用者に提示される。
【0051】
以上説明したように、本第1実施形態では、第1取得部730により取得された情報のうちの移動体MVの現在位置、目的地、及び、現時点でのエネルギ残量に基づいて、抽出部765が、移動体MVが目的地まで移動する際に、駆動用エネルギを充電する充電施設の候補を抽出する。引き続き、第1取得部730による取得結果と、第2取得部750により取得された予測渋滞情報とに基づいて、導出部770が、充電後の移動時における渋滞への遭遇による時間ロスを抑制できる適正充電時間を、抽出された充電施設の候補について導出する。こうした抽出部765と導出部770との協働処理により、現時点でのエネルギ残量で到達可能な推奨充電施設、及び、推奨充電施設における推奨充電時間を含む充電計画情報が作成される。
【0052】
したがって、本第1実施形態によれば、渋滞への遭遇による走行時間の長時間化を回避しつつ、適切な充電を行うことができる充電計画情報を作成し、作成された充電計画情報を提示することができる。
【0053】
<第1実施形態の変形>
上記の第1実施形態に対しては、様々な変形を行うことができる。
【0054】
例えば、上記の第1実施形態では、充電時間導出装置700が、入力部710、位置検出部720、渋滞情報記録部740、地図情報記録部760及び提示部780を備えるようにした。これに対し、これらの要素のうちで、共用可能な要素を他の装置が備えている場合には当該共用可能な要素を利用するようにし、充電時間導出装置の構成要素として、当該共用可能な要素を省略するようにしてもよい。
【0055】
また、上記の第1実施形態では、エネルギ残量の現在値及び満充電量が、外部のECU920から充電時間導出装置700に報告されるものとした。これに対し、外部からエネルギ残量の現在値又は満充電量の報告を受けることが困難な場合には、報告を受けることが困難な量を検出するためのセンサ等を、充電時間導出装置が備える構成としてもよい。
【0056】
また、上記の第1実施形態では、目的地までの経路のうちで、移動時間を短くすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしたが、目的地までの経路のうちで、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしてもよい。また、目的地までの経路のうちで、移動時間を短くすることを優先した経路、及び、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路の双方を探索し、どちらの経路を初期経路とするかを、利用者の判断に委ねるようにしてもよい。
【0057】
また、上記の第1実施形態では、次充電施設候補を抽出できなかった場合には、初期経路の探索をやり直すことにした。これに対し、次充電施設候補の抽出に利用するエネルギ残量の閾値を、所定の上限値まで、段階的に大きくしつつ、次充電施設候補の抽出をやり直すようにすることもできる。そして、当該閾値を所定の上限値まで大きくしても次充電施設候補を抽出できなかった場合に、初期経路の探索をやり直すようにすればよい。
【0058】
また、上記の第1実施形態では、次充電計画を作成できた場合に、想定されている目的地までの経路を移動することにした充電計画情報を作成することにした。これに対し、次充電計画を作成できた場合には、新たに導出された推奨充電施設を新たな出発地として、当該新たな出発地から目的地までの経路を、上述した初期経路の場合と同様にして探索するようにしてもよい。
【0059】
また、上記の第1実施形態では、次充電計画の作成に際して、その時点で想定されている経路に沿って目的地まで移動した場合における移動中時間を短縮化できる充電時間を算出するようにした。これに対し、次充電計画の作成に際して、次充電施設候補から目的地までの経路を探索しつつ、探索された経路に沿って目的地まで移動した場合における移動中時間を短縮化できる充電時間を算出するようにしてもよい。
【0060】
また、上記の第1実施形態では、評価対象となる区間での移動中時間を最短化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにした。これに対し、充電後における渋滞中の走行時間が許容時間以内であるように渋滞回避を行いつつ、充電回数を最小化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにしてもよい。
【0061】
この場合には、次充電施設候補の抽出までの処理については、上記の第1実施形態と同様の処理を実行する。そして、渋滞中を移動する時間が許容時間以内であり、かつ、次充電施設候補のそれぞれにおける充電量を極力多くできる充電時間を求める。そして、渋滞中の走行時間が許容時間以内となるように充電を行うことができる次充電施設候補と充電時間との対のうちで、最も充電量が多い次充電施設候補及と充電時間との対を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出する。
【0062】
なお、上記の第1実施形態の充電時間導出装置700の第1取得部730、第2取得部750、抽出部765及び導出部770を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算部としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、第1取得部730、第2取得部750、抽出部765及び導出部770の処理を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【0063】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図2を参照して説明する。
【0064】
<構成>
図2には、第2実施形態に係る端末装置810及び充電時間管理装置820の概略的な構成が示されている。この図2に示されるように、端末装置810は、移動体MV内に配置されて動作するようになっている。また、充電時間管理装置820は、移動体MVの外に配置される。そして、端末装置810と充電時間管理装置820とは、ネットワーク950を介して、通信可能となっている。また、充電時間管理装置820は、ネットワーク950を介して、交通情報システム960と通信可能となっている。
【0065】
なお、充電時間管理装置820は、端末装置810と同様に構成された他の端末装置とも通信可能となっているが、図2においては、端末装置810のみが代表的に示されている。
【0066】
《端末装置810の構成》
図2に示されるように、端末装置810は、上述した第1実施形態の充電時間導出装置700(図1参照)と比べて、渋滞情報記録部740、第2取得部750、地図情報記録部760、抽出部765及び導出部770を備えていない点、並びに、送信部811及び受信部812を備えている点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0067】
上記の送信部811は、第1取得部730から送られた取得結果を受ける。そして、送信部811は、第1取得部730による取得結果を、ネットワーク950を介して、充電時間管理装置820へ送信する。
【0068】
上記の受信部812は、充電時間管理装置820から、ネットワーク950を介して送られた充電計画情報を受信する。そして、受信部812は、当該受信した充電計画情報を提示部780へ送る。
【0069】
《充電時間管理装置820の構成》
図2に示されるように、充電時間管理装置820は、渋滞情報記録部740と、第2取得部750と、地図情報記録部760と、抽出部765と、導出部770とを備えている。また、充電時間管理装置820は、受信部821と、送信部822とを備えている。
【0070】
上記の受信部821は、端末装置810から、ネットワーク950を介して送られた第1取得部730による取得結果を受信する。そして、受信部821は、当該受信した取得結果を、抽出部765及び導出部770へ送る。
【0071】
上記の送信部822は、導出部770から送られた充電計画情報を受ける。そして、送信部822は、当該充電計画情報を、ネットワーク950を介して、端末装置810へ送信する。
【0072】
以上のような端末装置810の構成及び充電時間管理装置820の構成では、第1取得部730による取得結果は、送信部811、ネットワーク950及び受信部821を介して、充電時間管理装置820の抽出部765及び導出部770へ送られることになる。また、導出部770により作成された充電計画情報は、送信部822、ネットワーク950及び受信部812を介して、端末装置810の提示部780へ送られることになる。
【0073】
<動作>
次に、上記のように構成された端末装置810と充電時間管理装置820とが協働して実行する充電計画の作成処理について説明する。なお、位置検出部720からは、検出された現在位置が、端末装置810の第1取得部730へ逐次送られているものとする。また、ECU920からは、エネルギ残量の現在値及び満充電量が第1取得部730へ逐次送られているものとする。そして、第1取得部730は、当該現在位置、当該エネルギ残量の現在値及び当該満充電量を取得し、取得結果を充電時間管理装置820の抽出部765及び導出部770へ逐次送っているものとする。
【0074】
端末装置810の入力部710に対して新たに目的地が設定された充電計画情報の作成指令の入力が行われ、その旨が入力部710から第1取得部730へ送られると、第1取得部730が当該充電計画情報の作成指令を取得する。そして、第1取得部730は、取得された充電計画情報の作成指令を、充電時間管理装置820の抽出部765及び導出部770へ送る。
【0075】
第1取得部730から送られた充電計画情報の作成指令を受けた抽出部765及び導出部770は、上述した第1実施形態の場合と同様にして、充電計画情報を作成する。引き続き、導出部770は、作成された充電計画情報を、端末装置810の提示部780へ送る。この結果、作成された充電計画情報が、提示部780により、利用者に提示される。
【0076】
以上説明したように、本第2実施形態では、新たに目的地が指定された充電計画情報の作成指令が行われ、端末装置810の第1取得部730により取得されると、当該取得された充電計画情報の作成指令が、充電時間管理装置820の抽出部765及び導出部770へ送られる。この取得された充電計画情報の作成指令を受けた抽出部765及び導出部770が協働して、第1取得部730により取得された移動体MVの現在位置、出発時刻、満充電量、及び、現時点でのエネルギ残量と、第2取得部750により取得された予測渋滞情報とに基づいて、現時点でのエネルギ残量で到達可能な目的地までの移動経路上における推奨充電施設、及び、推奨充電施設における推奨充電時間を含む充電計画情報を作成する。かかる作成に際しては、第1取得部730及び第2取得部750による取得結果に基づいて、充電後の移動時における渋滞への遭遇による時間ロスを抑制できる充電施設及び充電時間が、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出される。
【0077】
したがって、本第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、渋滞への遭遇による走行時間の長時間化を回避しつつ、適切な充電を行うことができる充電計画情報を作成し、作成された充電計画情報を提示することができる。
【0078】
<第2実施形態の変形>
上記の第2実施形態に対しては、様々な変形を行うことができる。
【0079】
例えば、上記の第2実施形態では、端末装置810が、入力部710、位置検出部720及び提示部780を備えるようにした。これに対し、これらの要素のうちで、共用可能な要素を、移動体MV内に配置された他の装置が備えている場合には当該共用可能な要素を利用するようにし、端末装置の構成要素として、当該共用可能な要素を省略するようにしてもよい。
【0080】
また、上記の第2実施形態では、充電時間管理装置820が、渋滞情報記録部740及び地図情報記録部760を備えるようにした。これに対し、これらの要素のうちで、共用可能な要素を、他の装置が備えている場合には当該共用可能な要素を利用するようにし、充電時間管理装置の構成要素として、当該共用可能な要素を省略するようにしてもよい。
【0081】
また、上記の第2実施形態では、エネルギ残量の現在値及び満充電量が、外部のECU920から端末装置810に報告されるものとした。これに対し、外部からエネルギ残量の現在値又は満充電量の報告を受けることが困難な場合には、報告を受けることが困難な量を検出するためのセンサ等を、端末装置が備える構成としてもよい。
【0082】
また、上記の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、目的地までの経路のうちで、移動時間を短くすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしたが、目的地までの経路のうちで、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしてもよい。また、目的地までの経路のうちで、移動時間を短くすることを優先した経路、及び、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路の双方を探索し、どちらの経路を初期経路とするかを、利用者の判断に委ねるようにしてもよい。
【0083】
また、上記の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、次充電施設候補を抽出できなかった場合には、初期経路の探索をやり直すことにした。これに対し、次充電施設候補の抽出に利用するエネルギ残量の閾値を、所定の上限値まで、段階的に大きくしつつ、次充電施設候補の抽出をやり直すようにすることもできる。そして、当該閾値を所定の上限値まで大きくしても次充電施設候補を抽出できなかった場合に、初期経路の探索をやり直すようにすればよい。
【0084】
また、上記の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、次充電計画を作成できた場合に、想定されている目的地までの経路を移動することにした充電計画情報を作成することにした。これに対し、次充電計画を作成できた場合には、新たに導出された推奨充電施設を新たな出発地として、当該新たな出発地から目的地までの経路を、上述した初期経路の場合と同様にして探索するようにしてもよい。
【0085】
また、上記の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、次充電計画の作成に際して、その時点で想定されている経路に沿って目的地まで移動した場合における移動中時間を短縮化できる充電時間を算出するようにした。これに対し、次充電計画の作成に際して、次充電施設候補から目的地までの経路を探索しつつ、探索された経路に沿って目的地まで移動した場合における移動中時間を短縮化できる充電時間を算出するようにしてもよい。
【0086】
また、上記の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、評価対象となる区間での移動中時間を最短化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにした。これに対し、充電後における渋滞中の走行時間が許容時間以内であるように渋滞回避を行いつつ、充電回数を最小化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにしてもよい。
【0087】
なお、上記の第2実施形態の端末装置810の第1取得部730、並びに、充電時間管理装置820の第2取得部750、抽出部765及び導出部770を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等を備えた演算部としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、これらの要素の処理に対応する処理を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【実施例】
【0088】
以下、本発明の実施例を、図3図11を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0089】
[第1実施例]
まず、本発明の第1実施例を、図3図6を参照して説明する。
【0090】
図3には、第1実施例に係る充電時間導出装置としてのナビゲーション装置100の概略的な構成が示されている。このナビゲーション装置100は、上述した第1実施形態の充電時間導出装置700(図1参照)の一態様となっている。
【0091】
図3に示されるように、ナビゲーション装置100は、電気モータを駆動機構とし、道路上を走行する移動体MVとしての車両CR内に配置される。本第1実施例では、車両CRには、蓄電池210と、ECU220とが装備されている。
【0092】
上記の蓄電池210には、車両CRの駆動用エネルギが蓄えられる。かかる駆動用エネルギを利用して車両CRが走行する。この蓄電池210には、各所で開設されている充電施設、自宅等で駆動用エネルギを充電可能となっている。
【0093】
上記のECU220は、車両CRの状態を検出する各種のセンサによる検出結果を収集する。そして、ECU220は、収集された検出結果に基づいて、車両CRの走行の制御に有用な様々なパラメータ値を逐次導出しつつ、車両CRの走行の制御や管理を行う。
【0094】
本第1実施例では、ECU220により導出されるパラメータ値には、蓄電池210のエネルギ残量の現在値が含まれている。そして、ECU220は、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルによって動作する車内通信網を利用して、蓄電池210のエネルギ残量の現在値及び満充電量をナビゲーション装置100へ送る。
【0095】
図3に示されるように、ナビゲーション装置100は、制御ユニット110Aと、渋滞情報記録部740及び地図情報記録部760としての記憶ユニット120とを備えている。また、ナビゲーション装置100は、提示部780の一部としての音出力ユニット130と、提示部780の一部としての表示ユニット140と、入力部710としての入力ユニット150とを備えている。さらに、ナビゲーション装置100は、センサユニット160と、位置検出部720の一部としてのGPS(Global Positioning System)受信ユニット170と、無線通信ユニット180とを備えている。
【0096】
上記の制御ユニット110Aは、ナビゲーション装置100の全体を統括制御する。この制御ユニット110Aについては、後述する。
【0097】
上記の記憶ユニット120は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、ナビゲーション装置100において利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、渋滞情報121、地図情報122等が含まれている。
【0098】
渋滞情報121には、通年における各道路において発生する渋滞の平均的な発生時刻、渋滞距離等が含まれている。また、地図情報122には、ノード位置情報、ノード間を結ぶ道路リンク情報、充電施設の位置情報、充電施設のそれぞれにおける単位時間当たりの充電量、並びに、各道路リンクの旅行時間情報及び消費エネルギ情報等が含まれている。
【0099】
上記の音出力ユニット130は、スピーカを備えて構成され、制御ユニット110Aから受信した音声データに対応する音声を出力する。この音出力ユニット130は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、ナビゲーション処理に関する車両CRの進行方向、走行状況、交通状況、充電計画に関する情報等の案内音声を出力する。
【0100】
上記の表示ユニット140は、液晶パネル等の表示デバイスを備えて構成され、制御ユニット110Aから受信した表示データに対応する画像を表示する。この表示ユニット140は、制御ユニット110Aによる制御のもとで、ナビゲーション処理に際して、地図情報、経路情報、充電計画に関する情報等の画像、ガイダンス情報等を表示する。
【0101】
上記の入力ユニット150は、ナビゲーション装置100の本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット140の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0102】
この入力ユニット150を利用者が操作することにより、ナビゲーション装置100の動作内容の設定や動作指令が行われる。例えば、目的地を指定した充電計画情報の作成指令を、利用者が入力ユニット150を利用して行う。こうした入力内容は、入力データとして、入力ユニット150から制御ユニット110Aへ送られる。
【0103】
上記のセンサユニット160は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ等を備えて構成されている。センサユニット160が備える各種センサによる検出結果は、センサデータとして制御ユニット110Aへ送られる。
【0104】
上記のGPS受信ユニット170は、複数のGPS衛星から送信された電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信ユニット170は、GPS衛星から送出された日時情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置および現在時刻に関する情報は、GPSデータとして制御ユニット110Aへ送られる。
【0105】
次に、上記の制御ユニット110Aについて説明する。この制御ユニット110Aは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成されている。制御ユニット110Aが様々なプログラムを実行することにより、ナビゲーション装置100としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第1実施形態における位置検出部720の一部、第1取得部730、第2取得部750、抽出部765及び導出部770としての機能も含まれている。
【0106】
なお、制御ユニット110Aが実行するプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【0107】
この制御ユニット110Aは、センサユニット160から受けた走行データ及びGPS受信ユニット170から受けたGPSデータに基づいて、記憶ユニット120中の地図情報122を適宜参照し、利用者へのナビゲーション情報の提供処理を行う。こうしたナビゲーション情報の提供処理には、(a)利用者が指定する地域の地図を表示ユニット140の表示デバイスに表示するための地図表示、(b)車両CRが地図上のどこに位置するのか、また、どの方角に向かっているのかを算出するマップマッチング、(c)車両CRが存在する現在位置から、利用者が指定する任意の位置である目的地までの充電計画情報の作成、(d)充電計画に従って目的地まで運転するときの、目的地への到着予測時刻の算出、(e)マップマッチング結果、算出された到着予測時刻、及び、進行すべき方向を的確にアドバイスを提示するために行われる、表示ユニット140の表示デバイスへの案内表示のための制御、及び、音出力ユニット130のスピーカから音声案内を出力するための制御等の処理が含まれる。
【0108】
<動作>
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置100の動作について、制御ユニット110Aが実行する充電計画情報の作成処理に主に着目して説明する。
【0109】
なお、センサユニット160からは、各種センサによる検出結果が、センサデータとして、制御ユニット110Aへ逐次送られているものとする。また、ECU220からは、エネルギ残量の現在値及び満充電量が制御ユニット110Aへ逐次送られているものとする。また、GPS受信ユニット170からは、現在位置及び現在時刻に関する情報が、GPSデータとして制御ユニット110Aへ逐次送られているものとする。
【0110】
そして、制御ユニット110Aは、センサユニット160から送られたセンサデータ、及び、GPS受信ユニット170から送られたGPSデータに基づくマップマッチングを逐次行っているものとする。なお、制御ユニット110Aは、マップマッチングにより得られる地図上の位置を、車両CRの現在位置として採用するようになっている。
【0111】
《充電計画情報の作成処理》
充電計画情報の作成に際しては、図4に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット110Aが、入力ユニット150に対して充電計画情報の作成指令が入力されたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には、ステップS11の処理が繰り返される。
【0112】
入力ユニット150に対して充電計画情報の作成指令が入力され、ステップS11における判定の結果が肯定的となると(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。このステップS12では、制御ユニット110Aが、充電計画情報の作成指令において指定されている目的地と現在位置とに基づいて、初期経路の探索を行う。
【0113】
かかる初期経路の探索に際して、制御ユニット110Aは、まず、現在位置と目的地との間の途中経路における交通情報を、交通情報システム600から取得する。引き続き、制御ユニット110Aは、取得された交通情報と、記憶ユニット120内の渋滞情報121とに基づいて、現在位置から目的地までの間の様々な道路リンクで今後に渋滞が発生しそうな区間及び時間帯を、予測渋滞情報として導出する。
【0114】
次いで、制御ユニット110Aは、当該予測渋滞情報に加えて、先に受けた目的地及び現在位置に基づいて、記憶ユニット120内の地図情報122を参照し、車両CRのエネルギ残量及び満充電量を考慮することなく、初期経路の探索を行う。なお、本第1実施例では、制御ユニット110Aは、現在位置を出発地とした場合における目的地までの旅行時間が最短となる経路を、初期経路として探索するようになっている。
【0115】
次に、ステップS13において、制御ユニット110Aが、車両CRの初期経路に沿った走行中に、エネルギ残量の推定量が第1所定量以下となることが予測されるか否かを判定する。なお、「第1所定量」は、今後の走行のために充電しておくことが望ましいとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、例えば、「満充電時の30%」というように予め定められる。
【0116】
ステップS13における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS13:Y)には、処理はステップS14Aへ進む。このステップS14Aでは、次に充電を行う際の推奨充電施設及び推奨充電時間を含む次充電計画の作成処理を行う。かかる次充電計画の作成処理の詳細については、後述する。
【0117】
次いで、ステップS15において、制御ユニット110Aが、次充電計画を作成できたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS15:N)には、処理はステップS16へ進む。
【0118】
ステップS16では、制御ユニット110Aが、初期経路の探索をやり直し、現在位置から目的地までの旅行時間の短さの観点から、次善の経路を、新たな初期経路として探索する。そして、処理はステップS13に戻る。
【0119】
一方、上述したステップS15における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS15:Y)には、処理はステップS17へ進む。このステップS17では、制御ユニット110Aが、新たに導出された推奨充電施設における推奨充電時間にわたって充電を行った場合の充電後におけるエネルギ残量の推定量を、地図情報122に含まれる充電施設ごとの単位時間当たりの充電量を参照して算出する。そして、処理はステップS13へ戻る。
【0120】
以後、ステップS13における判定の結果が否定的となるまで、ステップS13〜S17の処理が繰り返される。そして、ステップS13における判定の結果が否定的となると(ステップS13:N)、処理はステップS18へ進む。
【0121】
ステップS18では、制御ユニット110Aが、それまでに導出された推奨充電施設及び当該推奨充電施設において推奨充電時間で充電を行いつつ走行することを、充電計画として作成する。引き続き、制御ユニット110Aは、作成された充電計画の情報を、音出力ユニット130及び表示ユニット140を利用して、利用者に提示する。そして、処理はステップS11へ戻る。
【0122】
なお、一度も推奨充電施設及び推奨充電時間が導出されなかった場合には、初期経路に沿って、充電を行うことなく走行することが、最終的な充電計画として作成される。
【0123】
この後、上述したステップS11〜S18の処理が繰り返される。この結果、充電計画情報の作成が適宜実行され、作成された充電計画に関する情報が利用者に提示される。
【0124】
《次充電計画の作成処理》
次に、ステップS14Aにおいて実行される次充電計画の作成処理について、説明する。
【0125】
ステップS14Aにおける次充電計画の作成に際しては、図5に示されるように、まず、ステップS21において、制御ユニット110Aが、次充電施設候補の抽出を行う。かかる抽出に際して、制御ユニット110Aは、まず、地図情報122に含まれる充電施設の位置情報を参照して、エネルギ残量の推定量が第1所定量以下、かつ、当該第1所定量よりも少ない第2所定値以上の範囲となる経路位置に存在する充電施設を、次充電施設候補として抽出する。なお、「第2所定量」は、今後の走行のために充電しておくことが必須であるとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、例えば「満充電量の15%」というように予め定められる。
【0126】
次に、ステップS22において、制御ユニット110Aは、次充電施設候補を抽出できたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS22:N)は、制御ユニット110Aは、充電計画情報を作成できなかったと判断し、ステップS14Aの処理を終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS15へ進む。
【0127】
ステップS22における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS22:Y)には、処理はステップS23へ進む。このステップS23では、制御ユニット110Aが、最初の次充電施設候補を仮想充電施設に設定する。
【0128】
次に、ステップS24Aにおいて、制御ユニット110Aが、設定された仮想充電施設についての適正充電時間の導出処理を行う。かかる適正充電時間の導出処理の詳細については、後述する。
【0129】
次いで、ステップS25において、制御ユニット110Aが、全ての次充電施設候補を仮想充電施設に設定したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS25:N)には、処理はステップS26へ進む。
【0130】
ステップS26では、制御ユニット110Aが、次の次充電施設候補を仮想充電施設に設定する。そして、処理はステップS24Aへ戻る。
【0131】
以後、ステップS25における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS24A〜S26の処理が繰り返される。全ての次充電施設候補を仮想充電施設に設定され、次充電施設候補のそれぞれについての適正充電時間の導出処理が終了し、ステップS25における判定の結果が肯定的となると(ステップS25:Y)、処理はステップS27Aへ進む。
【0132】
ステップS27Aでは、制御ユニット110Aが、評価対象となる区間における運転時間が最短となる適正充電時間に対応する次充電施設候補、及び、その次充電施設候補における適正充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間とする次充電計画を作成する。一方、全ての次充電施設候補について適正充電時間を導出できなかった場合には、制御ユニット110Aは、次充電計画を作成できなかったと判断する。
【0133】
なお、本第1実施例では、「評価対象となる区間」は、現在位置から目的地までの走行において最初の次充電計画の作成の場合には、現在位置から目的地までの区間となっている。また、既に次充電計画の作成が行われている場合には、直近の次充電計画の作成で導出された推奨充電施設から目的地までの区間となっている。
【0134】
こうしてステップS27Aの処理が終了すると、ステップS14Aの処理が終了する。そして、処理は、上述した図4のステップS15へ進む。
【0135】
《ステップS24Aにおける適正充電時間の導出処理》
次いで、ステップS24Aにおける適正充電時間の導出処理について説明する。
【0136】
適正充電時間の導出に際しては、図6に示されるように、まず、ステップS31において、制御ユニット110Aが、現時点のエネルギ残量、満充電量、及び、地図情報122内の仮想充電施設における単位時間当たりの充電量に基づいて、満充電時間TFを算出する。そして、制御ユニット110Aは、充電時間TWとして、満充電時間TFを設定する。
【0137】
次に、ステップS32において、制御ユニット110Aが、充電時間TWの充電後における目的地までの旅行時間を算出する。かかる充電後の旅行時間の算出に際して、制御ユニット110Aは、まず、仮想充電施設と目的地との間の途中経路における交通情報を、交通情報システム600から取得する。引き続き、制御ユニット110Aは、取得された交通情報と、記憶ユニット120内の渋滞情報121とに基づいて、仮想充電施設から目的地までの間の様々な道路リンクで今後に渋滞が発生しそうな区間及び時間帯を、予測渋滞情報として導出する。そして、制御ユニット110Aは、当該予測渋滞情報、仮想充電施設の位置及び目的地に基づいて、充電後における目的地までの旅行時間を算出する。
【0138】
引き続き、ステップS33において、制御ユニット110Aが、現時点の充電時間から所定時間ΔTを差し引いた時間を、新たな充電時間TWに設定する。なお、「所定時間ΔT」は、一般的に渋滞発生状況が変化する可能性があるとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0139】
次いで、ステップS34において、制御ユニット110Aは、新たな充電時間TWが最低充電時間TWMIN未満であるか否かを判定する。ここで、「最低充電時間TWMIN」は、有効な充電(例えば、満充電量の50%となる充電)を行うとの観点から、地図情報122内の仮想充電施設における単位時間当たりの充電量に基づいて算出される。
【0140】
ステップS34における判定の結果が否定的であった場合(ステップS34:N)には、処理はステップS32へ戻る。以後、ステップS34における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS32〜S34の処理が繰り返される。
【0141】
ステップS34における判定の結果が肯定的となると(ステップS34:Y)、処理はステップS35へ進む。このステップS35では、制御ユニット110Aは、ステップS32で算出された旅行時間が最短となる充電時間を、適正充電時間として導出する。
【0142】
ステップS35において適正充電時間が導出されると、ステップS24Aの処理が終了する。そして、処理は、上述した図5におけるステップS25へ進む。
【0143】
以上説明したように、本第1実施例では、車両CRの現在位置、出発時刻、及び、現時点でのエネルギ残量と、予測渋滞情報とに基づいて、制御ユニット110Aが、現時点でのエネルギ残量で到達可能な目的地までの走行経路上における推奨充電施設、及び、推奨充電施設における推奨充電時間を含む充電計画情報を作成する。かかる作成に際して、制御ユニット110Aは、充電後の走行時における渋滞への遭遇による時間ロスを抑制できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出する。
【0144】
したがって、本第1実施例によれば、渋滞への遭遇による走行時間の長時間化を回避しつつ、適切な充電を行うことができる充電計画情報を提示することができる。
【0145】
<第1実施例の変形>
上記の第1実施例に対しては、様々な変形を行うことができる。
【0146】
例えば、上記の第1実施例では、センサユニット160が、車速、加速度及び角速度を検出するようにした。これに対し、ECU220から車速、加速度及び角速度を取得できる場合には、センサユニット160を省略することができる。
【0147】
また、上記の第1実施例に対しては、上述した第1実施形態の場合と同様に様々な変形を行うことができる。
【0148】
すなわち、上記の第1実施例では、ナビゲーション装置100が、記憶ユニット120、音出力ユニット130、表示ユニット140、入力ユニット150、GPS受信ユニット170を備えるようにした。これに対し、これらの要素のうちで、共用可能な要素を他の装置が備えている場合には当該共用可能な要素を利用するようにし、ナビゲーション装置の構成要素として、当該共用可能な要素を省略するようにしてもよい。
【0149】
また、上記の第1実施例では、エネルギ残量の現在値及び満充電量が、外部のECU220からナビゲーション装置100に報告されるものとした。これに対し、外部からエネルギ残量の現在値又は満充電量の報告を受けることが困難な場合には、報告を受けることが困難な量を検出するためのセンサ等を、ナビゲーション装置が備える構成としてもよい。
【0150】
また、上記の第1実施例では、目的地までの経路のうちで、旅行時間を短くすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしたが、目的地までの経路のうちで、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしてもよい。また、目的地までの経路のうちで、旅行時間を短くすることを優先した経路、及び、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路の双方を探索し、どちらの経路を初期経路とするかを、利用者の判断に委ねるようにしてもよい。
【0151】
また、上記の第1実施例では、次充電施設候補を抽出できなかった場合には、初期経路の探索をやり直すことにした。これに対し、次充電施設候補の抽出に利用するエネルギ残量の閾値を、所定の上限値まで、段階的に大きくしつつ、次充電施設候補の抽出をやり直すようにすることもできる。そして、当該閾値を所定の上限値まで大きくしても次充電施設候補を抽出できなかった場合に、初期経路の探索をやり直すようにすればよい。
【0152】
また、上記の第1実施例では、次充電計画を作成できた場合に、想定されている目的地までの経路を走行することにした充電計画情報を作成することにした。これに対し、次充電計画を作成できた場合には、新たに導出された推奨充電施設を新たな出発地として、当該新たな出発地から目的地までの経路を、上述した初期経路の場合と同様にして探索するようにしてもよい。
【0153】
また、上記の第1実施例では、次充電計画の作成に際して、その時点で想定されている経路に沿って目的地まで走行した場合における運転時間(渋滞中走行時を含む)を短縮化できる充電時間を算出するようにした。これに対し、次充電計画の作成に際して、次充電施設候補から目的地までの経路を探索しつつ、探索された経路に沿って目的地まで走行した場合における運転時間を短縮化できる充電時間を算出するようにしてもよい。
【0154】
また、上記の第1実施例では、電気エネルギを駆動用のエネルギとする車両CRの充電計画情報の作成に本発明を適用したが、他のエネルギを駆動用のエネルギとする移動体の充電計画情報の作成に本発明を適用してもよい。
【0155】
また、上記の第1実施例では、評価対象となる区間での旅行時間を最短化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにした。これに対し、充電後における渋滞中の走行時間が許容時間以内であるように渋滞回避を行いつつ、充電回数を最小化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにしてもよい。
【0156】
この場合には、制御ユニット110Aは、上述した図4におけるステップS14Aの次充電計画の作成処理に代えて、以下に説明するステップS14Bの次充電計画の作成処理を実行する。かかるステップS14Bの次充電計画の作成処理は、ステップS14Aの次充電計画の作成処理と比べて、図7に示されるように、上述したステップS24Aの処理に代えてステップS24Bの処理を実行するとともに、上述したステップS27Aに代えてステップS27Bを実行する点が行っている。
【0157】
上記のステップS24Bでは、制御ユニット110Aが、次充電施設候補ごとに、充電量が最多となる充電時間を適正充電時間として導出する。かかる適正充電時間の導出処理については、後述する。
【0158】
上記のステップS27Bでは、適正充電時間による充電量が最多となる次充電施設候補、及び、その次充電施設候補における適正充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間とする次充電計画を作成する。一方、全ての次充電施設候補について適正充電時間を導出できなかった場合には、制御ユニット110Aは、次充電計画を作成できなかったと判断する。
【0159】
《ステップS24Bにおける適正充電時間の導出処理》
次に、ステップS24Bにおける適正充電時間の導出処理について説明する。
【0160】
適正充電時間の導出に際しては、図8に示されるように、まず、ステップS41において、上述したステップS31(図6参照)の場合と同様にして、制御ユニット110Aが、現時点のエネルギ残量、満充電量、及び、地図情報122内の仮想充電施設における単位時間当たりの充電量に基づいて、満充電時間TFを算出する。そして、制御ユニット110Aは、充電時間TWとして、満充電時間TFを設定する。
【0161】
次に、ステップS42において、制御ユニット110Aが、充電時間TWの充電後における目的地までの走行の際に、渋滞中を走行することになる渋滞走行時間TSを算出する。かかる渋滞走行時間TSの算出に際して、制御ユニット110Aは、まず、仮想充電施設と目的地との間の途中経路における交通情報を、交通情報システム600から取得する。引き続き、制御ユニット110Aは、取得された交通情報と、記憶ユニット120内の渋滞情報121とに基づいて、仮想充電施設から目的地までの間の様々な道路リンクで今後に渋滞が発生しそうな区間及び時間帯を、予測渋滞情報として導出する。そして、制御ユニット110Aは、当該予測渋滞情報に基づいて、充電後における目的地までの渋滞走行時間TSを算出する。
【0162】
次いで、ステップS43において、制御ユニット110Aが、渋滞走行時間TSが許容時間TSAL以下であるか否かを判定する。ここで、「許容時間TSAL」は、渋滞走行時間が、車両CRの運転者にとっての負担を多大なものとはしないという観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0163】
ステップS43における判定の結果が否定的であった場合(ステップS43:N)には、処理はステップS44へ進む。このステップS44では、上述したステップS33の場合と同様にして、制御ユニット110Aが、現時点の充電時間から所定時間ΔTを差し引いた時間を、新たな充電時間TWに設定する。
【0164】
次いで、ステップS45において、上述したステップS34の場合と同様にして、制御ユニット110Aは、新たな充電時間TWが最低充電時間TWMIN未満であるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS45:N)には、処理はステップS42へ戻る。以後、ステップS43における判定の結果が肯定的となるか、ステップS45における判定の結果が肯定的となるかするまで、ステップS42〜S45の処理が繰り返される。
【0165】
ステップS43における判定の結果が肯定的となると(ステップS43:Y)、処理はステップS46へ進む。このステップS46では、制御ユニット110Aが、その時点における充電時間TWを適正充電時間として導出するとともに、当該導出された適正充電時間による充電量を算出する。この後、ステップS24Bの処理が終了し、処理は、上述した図7におけるステップS25へ進む。
【0166】
また、ステップS45における判定の結果が肯定的となると(ステップS45:Y)、制御ユニット110Aは、適正充電時間を導出できなかったと判断する。この後、ステップS24Bの処理が終了し、処理は、上述した図7におけるステップS25へ進む。
【0167】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例を、図9図11を参照して説明する。この第2実施例は、上述した第2実施形態(図2参照)の一態様となっている。
【0168】
<構成>
図9には、第2実施例に係る端末装置300、及び、サーバ装置400との配置位置の関係が示されている。なお、端末装置300は、第2実施形態における端末装置810の一態様であり、サーバ装置400は、第2実施形態における充電時間管理装置820の一態様である。
【0169】
図9に示されるように、端末装置300は、車両CR内に配置されようになっている。この車両CRには、上述した第1実施例の場合と同様に、蓄電池210及びECU220が装備されている。
【0170】
サーバ装置400は、車両CRの外に配置される。そして、端末装置300とサーバ装置400とは、ネットワーク950としてのネットワーク500を介して、通信可能となっている。また、サーバ装置400は、ネットワーク500を介して、交通情報システム960としての交通情報システム600と通信可能となっている。
【0171】
なお、サーバ装置400は、端末装置300と同様に構成された他の端末装置とも通信可能となっているが、図9においては、端末装置300のみが代表的に示されている。
【0172】
《端末装置300の構成》
図10には、端末装置300の概略的な構成が示されている。この図10に示されるように、端末装置300は、上述した第1実施例のナビゲーション装置100と比べて、制御ユニット110Aに代えて、制御ユニット110Bを備える点、記憶ユニット120に代えて記憶ユニット310を備える点、センサユニット160を備えていない点が異なっている。なお、無線通信ユニット320が、送信部811及び受信部812としての機能を果たすようになっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0173】
上記の制御ユニット110Bは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、端末装置300の全体を統括制御する。この制御ユニット110Bが様々なプログラムを実行することにより、端末装置300としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における第1取得部730としての機能も含まれている。
【0174】
制御ユニット110Bは、GPS受信ユニット170から受けたGPSデータを取得し、取得されたGPSデータに基づいて、現在位置及び現在時刻を特定する。そして、制御ユニット110Bは、無線通信ユニット320を利用し、特定された現在位置を、ネットワーク500を介してサーバ装置400へ送信する。
【0175】
また、制御ユニット110Bは、ECU220から送られたエネルギ残量の現在値及び満充電量を取得する。そして、制御ユニット110Bは、無線通信ユニット320を利用し、取得されたエネルギ残量の現在値及び満充電量を、ネットワーク500を介してサーバ装置400へ送信する。
【0176】
また、制御ユニット110Bは、入力ユニット150から送られた入力データを受ける。そして、当該入力データに目的地を指定した充電計画情報の作成指令が含まれている場合には、制御ユニット110Bは、無線通信ユニット320を利用し、当該充電計画情報の作成指令を、ネットワーク500を介してサーバ装置400へ送信する。
【0177】
さらに、制御ユニット110Bは、サーバ装置400から送信され、ネットワーク500を介して無線通信ユニット320が受信した充電計画に関する情報を受ける。そして、制御ユニット110Bは、受信した充電計画に関する情報に基づいて、充電計画に関する情報を利用者に提示するために行われる、表示ユニット140の表示デバイスへの案内表示のための制御、及び、音出力ユニット130のスピーカから音声案内を出力するための制御を行う。
【0178】
上記の記憶ユニット310は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、端末装置300において利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、サーバ装置400から送信された地図情報等が含まれている。記憶ユニット310には、制御ユニット110Bがアクセスできるようになっている。
【0179】
上記の無線通信ユニット320は、制御ユニット110Bから送られた端末送信データを受ける。そして、無線通信ユニット320は、当該端末送信データを、ネットワーク500を介してサーバ装置400へ送信する。
【0180】
また、無線通信ユニット320は、サーバ装置400からネットワーク500を介して送信されたサーバ送信データを受信する。そして、無線通信ユニット320は、当該サーバ送信データを制御ユニット110Bへ送る。
【0181】
《サーバ装置400の構成》
図11には、サーバ装置400の概略的な構成が示されている。この図11に示されるように、サーバ装置400は、制御ユニット110Cと、記憶ユニット120と、受信部821及び送信部822としての外部通信ユニット410とを備えている。
【0182】
制御ユニット110Cは、中央処理装置(CPU)及びその周辺回路を備えて構成され、サーバ装置400の全体を統括制御する。この制御ユニット110Cが様々なプログラムを実行することにより、サーバ装置400としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した第2実施形態における第2取得部750、抽出部765及び導出部770としての機能も含まれている。
【0183】
なお、記憶ユニット120には、制御ユニット110Cがアクセスできるようになっている。
【0184】
上記の外部通信ユニット410は、端末装置300からネットワーク500を介して送信された端末送信データを受信する。そして、外部通信ユニット410は、当該端末送信データを制御ユニット110Cへ送る。
【0185】
また、外部通信ユニット410は、制御ユニット100Cにより作成された充電計画情報を受ける。そして、外部通信ユニット410は、当該充電計画情報を、サーバ送信データとして、ネットワーク500を介して、端末装置300へ送信する。
【0186】
また、外部通信ユニット410は、制御ユニット110Cによる制御のもとで、ネットワーク500を介して、交通情報システム600と間でデータの送受信を行う。そして、外部通信ユニット410は、交通情報システム600から送られた交通情報データを制御ユニット110Cへ送る。
【0187】
以上のような端末装置300の構成及びサーバ装置400の構成では、制御ユニット110Bから出力された端末送信データは、無線通信ユニット320、ネットワーク500及び外部通信ユニット410を介して、制御ユニット110Cへ送られることになる。また、制御ユニット110Cから出力された端末装置300へ向けたサーバ送信データは、外部通信ユニット410、ネットワーク500及び無線通信ユニット320を介して、制御ユニット110Bへ送られることになる。
【0188】
<動作>
次に、上記のように構成された端末装置300とサーバ装置400とが協働して実行する充電計画情報の作成処理について説明する。
【0189】
ECU220からは、エネルギ残量の現在値及び満充電量が端末装置300の制御ユニット110Bへ逐次送られているものとする。また、GPS受信ユニット170からは、現在位置および現在時刻に関する情報が、GPSデータとして制御ユニット110Bへ逐次送られているものとする。
【0190】
端末装置300では、制御ユニット110Bは、ECU220から送られたエネルギ残量の現在値及び満充電量を受けるたびに、当該エネルギ残量の現在値及び当該満充電量をサーバ装置400の制御ユニット110Cへ送る。また、制御ユニット110Bは、GPS受信ユニット170から送られたGPSデータを受けるたびに、当該GPSデータを制御ユニット110Cへ送る。また、制御ユニット110Bは、入力ユニット150から送られた入力データとして、充電計画情報の作成指令を受けると、当該充電計画情報の作成指令を制御ユニット110Cへ送る。
【0191】
制御ユニット110Bから送られた充電計画情報の作成指令を受けた制御ユニット110Cは、上述した第1実施例における制御ユニット110Aが実行するステップS12〜S17(図4参照)の処理と同様の処理を実行し、充電計画情報を作成する。そして、制御ユニット110Cは、作成された充電計画に関する情報を、端末装置300の制御ユニット110Bへ送る。
【0192】
制御ユニット110Cから送られた充電計画に関する情報を受けた制御ユニット110Bは、当該充電計画に関する情報を、音出力ユニット130及び表示ユニット140を利用して、利用者に提示する。この結果、作成された充電計画に関する情報が、適宜、利用者に提示される。
【0193】
以上説明したように、本第2実施例では、新たに目的地が指定された充電計画情報の作成指令が行われ、端末装置300の制御ユニット110Bにより取得されると、当該取得された充電計画情報の作成指令が、サーバ装置400の制御ユニット110Cへ送られる。この取得された充電計画情報の作成指令を受けた制御ユニット110Cは、車両CRの現在位置、出発時刻、満充電量、及び、現時点でのエネルギ残量と、予測渋滞情報とに基づいて、現時点でのエネルギ残量で到達可能な目的地までの走行経路上における推奨充電施設、及び、推奨充電施設における推奨充電時間を含む充電計画情報を作成する。かかる作成に際して、制御ユニット110Cは、充電後の走行時における渋滞への遭遇による時間ロスを抑制できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出する。
【0194】
したがって、本第2実施例によれば、第1実施例と同様に、渋滞への遭遇による走行時間の長時間化を回避しつつ、適切な充電を行うことができる充電計画情報を提示することができる。
【0195】
<第2実施例の変形>
上記の第2実施形態に対しては、様々な変形を行うことができる。
【0196】
例えば、上記の第2実施例では、端末装置300がセンサユニット160を備えない構成としたが、第1実施例のナビゲーション装置100と同様に、センサユニット160を備える構成とし、ナビゲーション装置100と同様のマップマッチングを行うようにしてもよい。
【0197】
また、ECU220から車速、加速度及び角速度を取得できる場合には、端末装置300がセンサユニット160を備える構成とすることなく、センサユニット160を備える場合と同等の処理を行うことができる。
【0198】
また、上記の第2実施例に対しては、上述した第2実施形態の場合と同様に様々な変形を行うことができる。
【0199】
例えば、上記の第2実施例では、端末装置300が、音出力ユニット130、表示ユニット140、入力ユニット150、GPS受信ユニット170を備えるようにした。これに対し、これらの要素のうちで、共用可能な要素を、車両CR内に配置された他の装置が備えている場合には当該共用可能な要素を利用するようにし、端末装置の構成要素として、当該共用可能な要素を省略するようにしてもよい。
【0200】
また、上記の第2実施例では、サーバ装置400が、記憶ユニット120を備えるようにした。これに対し、他のサーバ装置が備えている記憶ユニットを共用可能な場合には、当該共用可能な記録部を利用するようにし、サーバ装置400の構成要素として、記憶ユニット120を省略するようにしてもよい。
【0201】
また、上記の第2実施例では、エネルギ残量の現在値及び満充電量が、外部のECU220から端末装置300に報告されるものとした。これに対し、外部からエネルギ残量の現在値又は満充電量の報告を受けることが困難な場合には、報告を受けることが困難な量を検出するためのセンサ等を、端末装置が備える構成としてもよい。
【0202】
また、上記の第2実施例では、目的地までの経路のうちで、旅行時間を短くすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしたが、目的地までの経路のうちで、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路を、初期経路として探索するようにしてもよい。また、目的地までの経路のうちで、旅行時間を短くすることを優先した経路、及び、エネルギ消費量を少なくすることを優先した経路の双方を探索し、どちらの経路を初期経路とするかを、利用者の判断に委ねるようにしてもよい。
【0203】
また、上記の第2実施例では、次充電施設候補を抽出できなかった場合には、初期経路の探索をやり直すことにした。これに対し、次充電施設候補の抽出に利用するエネルギ残量の閾値を、所定の上限値まで、段階的に大きくしつつ、次充電施設候補の抽出をやり直すようにすることもできる。そして、当該閾値を所定の上限値まで大きくしても次充電施設候補を抽出できなかった場合に、初期経路の探索をやり直すようにすればよい。
【0204】
また、上記の第2実施例では、次充電計画を作成できた場合に、想定されている目的地までの経路を走行することにした充電計画情報を作成することにした。これに対し、次充電計画を作成できた場合には、新たに導出された推奨充電施設を新たな出発地として、新たな出発地から目的地までの経路を、上述した初期経路の場合と同様にして探索するようにしてもよい。
【0205】
また、上記の第2実施例では、次充電計画の作成に際して、その時点で想定されている経路に沿って目的地まで走行した場合における運転時間を短縮化できる充電時間を算出するようにした。これに対し、次充電計画の作成に際して、次充電施設候補から目的地までの経路を探索しつつ、探索された経路に沿って目的地まで走行した場合における運転時間を短縮化できる充電時間を算出するようにしてもよい。
【0206】
また、上記の第2実施例では、評価対象となる区間での旅行時間を最短化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにした。これに対し、渋滞中の走行時間が許容時間以内であるように渋滞回避を行いつつ、充電回数を最小化できる充電施設及び充電時間を、推奨充電施設及び推奨充電時間として導出するようにしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11