(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つもしくはそれ以上の無機顔料および1つもしくはそれ以上の有機助剤を含む、石灰−および/またはセメント−結合建材を着色するための顆粒形態の顔料/助剤組合せ物であって、
建材カラー試験に従って、助剤を使用せずに、用いられる顔料を基準にして
・DIN 5033およびDIN 6174に従ってCIELAB単位で測定された、1.5以上の彩度差ΔCab*および/または
・108以上の相対的な色の濃さ
を有しており、
前記無機顔料が、酸化鉄顔料、酸化クロム顔料、および混合相ルチル顔料、またはこれらの混合物からなる群から選択され、且つ
前記有機助剤が、部分的に加水分解されたポリビニルアルコールからなる群から選択され、かつ
前記顆粒形態の顔料/助剤組合せ物の少なくとも85%が、60μm〜3000μmの粒度を有する、
顔料/助剤組合せ物。
前記顔料/助剤組合せ物が建材カラー試験に従って、助剤を使用せずに、用いられる顔料を基準にして、DIN5033およびDIN 6174に従ってCIELAB単位で測定された、1.5以上の彩度差ΔCab*および95以上の相対的な色の濃さを有することを特徴とする、請求項1に記載の顔料/助剤組合せ物。
前記有機助剤が、無機顔料を基準にして各場合で活性物質として計算して0.01%〜20重量%の量で添加されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の顔料/助剤組合せ物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
比色値の測定方法ならびに彩度差ΔC
ab*および相対的な色の濃さの計算方法は実施例に明記される。
【0008】
顔料/助剤組合せ物は好ましくは、無機顔料として、有彩顔料、より好ましくは酸化鉄顔料、酸化クロム顔料および混合相ルチル顔料、またはそれらの混合物を用いる。ある種の状況下では、黒色酸化鉄もしくはカーボンブラック(カーボン顔料)などの色収差のない黒色顔料または二酸化チタンもしくは酸化亜鉛などの白色顔料を同様にうまく使用することができる。
【0009】
顔料/助剤組合せ物は好ましくは、有機助剤として、クリソ(Chryso)製のネオメーレ(neomere)(登録商標)TINTシリーズからの製品、部分的にもしくは完全に加水分解されたポリビニルアルコール、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェートおよびアルキルホスホネートのアルカリ金属塩の形態、またはそれらの混合物を含む。部分的に加水分解されたポリビニルアルコールは、理論的にはビニルアルコールと酢酸ビニルとの共重合体と解釈されるかもしれない。
【0010】
顔料/助剤組合せ物で、有機助剤は、好ましくは、無機顔料を基準にして、各場合で活性物質として計算された0.01%〜20重量%、より好ましくは0.1%〜5重量%の量で添加される。有機助剤はしばしば、固形ではなく代わりに溶液の形態で使用されるので、上記の指標は活性物質について言及すると理解される。
【0011】
顔料/助剤組合せ物は好ましくは、加工性を助長する助剤をさらに含む。加工性を助長するさらなる助剤は、本発明の目的のためには乳化剤、湿潤剤、分散助剤、流動助剤、崩壊助剤または顆粒バインダーを含むと考えられる。
【0012】
顔料/助剤組合せ物は4重量%未満、好ましくは2重量%未満の残留含水率を好ましくは有する。これは場合によりその後の乾燥によって達成することができる。残留含水率の測定方法は実施例に明記される。
【0013】
顔料/助剤組合せ物は好ましくは顆粒形態である。本発明との関連で顆粒は、その平均粒度が処理工程によって出発原料と比較して大きくされた任意の材料を意味する。「顆粒」はそれゆえ、スプレー顆粒および圧縮顆粒だけでなく、例えば、その後の微粉砕を伴う湿式処理もしくは湿潤処理した製品、および、例として、乾式製造顆粒、ブリケットが挙げられる、乾式のまたは実質的に乾式の加工工程を行った製品をも包含する。
【0014】
顔料/助剤組合せ物は好ましくはビーズ顆粒形態である。
【0015】
粒状の顔料/助剤組合せ物の少なくとも85%は、好ましくは60μm〜3000μm、より好ましくは80μm〜1500μmの粒度を有する。
【0016】
顔料/助剤組合せ物は、好ましくは防腐剤、消泡剤、固着剤、レオロジー調整剤、沈降防止剤および/または香料をさらに含む。
【0017】
本発明はまた、従来法で製造された無機顔料が少なくとも1つの有機助剤と混合され、混合物が場合により乾燥されるおよび/または粉砕されることを特徴とする、顔料/助剤組合せ物の製造方法をも包含する。
【0018】
本発明の顔料/助剤組合せ物を製造する時に、後処理のための多段階合成法の必要性はもちろん、沈澱によって適用されることになる後処理物質の必要性が全くないことが本発明の製造方法の利点である。
【0019】
本発明の顔料/助剤組合せ物は、乾燥顔料から出発するか、あるいはウェット相(懸濁液またはペースト)中であるかのどちらかで製造することができる。
【0020】
前者の場合、従来法で製造された顔料は、少なくとも1つの有機助剤と混合され、混合物は場合により粉砕される。顔料と助剤との混合のために、当業者に公知のすべてのミキサーを用いることが可能である。用いられる混合アセンブリに依存して、ある種の状況では、この手順中に、完全なおよび均質な顔料/助剤組合せ物を得るために、ミルに加えることがまた有利であるかもしれない。
【0021】
懸濁液またはペースト中で従来法で製造された無機顔料は、好ましくは少なくとも1つの有機助剤と混合され、混合物は乾燥され、場合により粉砕される。ウェット相(懸濁液またはペースト)による製造の場合、助剤は、実際の顔料合成後に、原理上は最終調整までの顔料をワークアップする過程およびさらに処理する過程の任意の工程で、例えば、顔料の濾過および洗浄後にならびにその乾燥前に添加することができる。
【0022】
顔料懸濁液またはペーストは、好ましくは顔料製造操作からの懸濁液である。懸濁液では助剤を添加し、よく混ぜ合わせることが容易に可能であるので、ウェット相での助剤の添加が特に好ましい。
【0023】
顔料懸濁液は好ましくは凝集粒子の再分散系である。既に凝集した粒子を再分散させることによって、顔料粉末から出発して、有機助剤との反応のための顔料懸濁液を特異的に製造することが可能である。これに乾燥が続く。乾燥工程のために当業者は利用可能な一連のアセンブリを有する。この時点ではダクト乾燥機、ベルト乾燥機、プラットフォーム乾燥機、シリンダー乾燥機、ドラム乾燥機、チューブ乾燥機、パドル乾燥機、あるいは不連続チャンバ−トレー乾燥機についてのみが言及される。乾燥は好ましくは噴霧乾燥または流動層乾燥を用いて行われる。並流または向流法で噴霧ディスクまたはノズルを使って操作されるスプレー乾燥機(噴霧乾燥機)を用いることが好ましい。
【0024】
選択された乾燥アセンブリに依存して、その後の粉砕工程を含むことが必要であるかもしれない。その上、熱処理の追加工程が粉砕に先行してもよいし、粉砕に続いてもよい。
【0025】
顔料と助剤との組合せ物が粉末形態にまたは粒状形態であるかどうかは本発明に不可欠であるわけではない。顔料/助剤組合せ物が粒状形で製造される場合、通例の技法が本目的に好適である。先行技術に従って、顔料顆粒に好適な製造方法には、並流または向流法での噴霧顆粒化(ディスクまたはノズルによる噴霧乾燥)、サイズ−拡大顆粒化(ミキサー、流動層顆粒機、プレートまたはドラム)、圧縮法または押出法が含まれる。これらの顆粒化方法の組合せ法もまた勿論考えられる。適切な顆粒化方法の選択は、助剤がウェット相(懸濁液またはペースト)にまたは既に乾燥された顔料に実際に添加されたかどうかの因子をはじめとする因子に依存する。前者の場合、噴霧乾燥または押出法が適切であり、後者の場合、圧縮法が適切である。顔料/助剤組合せ物は好ましくは乾燥した、場合により粉砕された状態でその後の顆粒化操作に同様にかけられる。
【0026】
本発明はまた、例えば、コンクリート、セメントモルタル、下塗、石灰砂岩などの、石灰−および/またはセメント−結合建材を着色するための、あるいはアスファルトをカバーするための顔料/助剤組合せ物の使用をも包含する。しかしながら、原理上は、本発明に従って製造された顔料/助剤組合せ物はまた、エマルジョンペイントをはじめとするコーティング材料、およびプラスチックを着色するためにも好適である。
【0027】
顔料/助剤組合せ物は好ましくは、セメントを基準にして、またはアスファルトの場合全体混合材料を基準にして、0.1〜10重量%の量で建材と混合される。
【0028】
顔料/助剤組合せ物は好ましくは先ず水に懸濁され、次に建材と混合される。
【0029】
本発明の主題は、個々の請求項の主題からだけでなく、個々の請求項の互いの組合せ物からもまた明らかである。類似のコメントは、本説明に開示されるパラメーターのすべてにおよびそれらの任意の組合せ物に適用される。
【0030】
次に続く実施例は、そうすることによって本発明が限定されるべきであるといういかなる意図もなしに、本発明を例示するために用いられる。重量%で与えられる量は各場合用いられる顔料を基準とする。
【0031】
[実施例]
I.用いられる測定方法の説明
I.1 建材カラー試験(BMCT)
建材での比色値は、白色セメントで製造されたプリズムの比色測定によってセメントモルタルで試験し、関係データは次の通りである。
【0032】
セメント/ケイ砂比1:4、水/セメント値0.35、セメントを基準にして色素沈着レベル1.2%、5Lミキシングボウル、モデル1551、回転スピード140rpm、バッチ式のRKトニ・テクニック、ベルリン(独国)(RK Toni Technik,Berlin(DE))製のミキサーを使用:1200gのケイ砂0.1〜1mm、600gのケイ砂1〜2mm、200gの微細石灰石粉末(90μmスクリーンで5%より小さい篩残渣)、500gの白色セメント。ケイ砂部分および石灰石粉末を一緒に混合容器に装入する。次に顔料を添加し、成分を10秒間予備混合する(ミキサーセッティング1:遅い)。水を次に、それが混合物の中央に導入されていることを確実にしながら、この混合物に加える。水が浸透した後、セメントを加え、この組成物を混合する(ミキサーセッティング1:遅い)。100秒または200秒の混合時間後に、サンプル(600g)を採取し、供試体(10×10×2.5cm)を圧力下(押圧114kN、2秒間)で製造するために使用する。供試体の硬化:30℃および95%相対湿度で24時間、60℃で4時間のその後の乾燥あり。データフラッシュ2000データカラー・インターナショナル(Dataflash 2000 Datacolor International)によるカラーデータ測定、厚板当たり4つの測定点(測定ジオメトリーd/8°、光沢込みで発光体C/2°)。得られた平均値を対照サンプルの値と比較する。評価されるパラメーターは彩度差ΔC
ab*および相対的な色の濃さである(対照サンプル=100%)(DIN 5033、DIN 6174)。
【0033】
本明細書の目的のためには、CIELABシステムから公知であるように、次の比色省略形および計算を用いる。
・a
*は、Δa
*=a
*(サンプル)−a
*(対照)で、赤/緑軸である。
・b
*は、Δb
*=b
*(サンプル)−b
*(対照)で、黄/青軸である。
・C
ab*は彩度であり、ここで(C
ab*)
2=(a
*)
2+(b
*)
2である。
・ΔC
ab*は、ΔC
ab*=C
ab*(サンプル)−C
ab*(対照)で、彩度差である。
・L
*は、ΔL
*=L
*(サンプル)−L
*(対照)で、輝度である。
【0034】
I.2 相対的な色の濃さ
%単位での相対的な色の濃さは次の方程式に従う。
【0035】
【数1】
【0036】
ここで、r
0=0.04およびr
2=0.6であり、Yは三刺激値(輝度)である。
計算は、概してDIN 53 234に従って行う。
【0037】
I.3 嵩密度
嵩密度は、質量対体積の比として、製品のさらなる処理なしに既製材料について測定した。
【0038】
I.4 残留含水率
残留含水率は、顔料/助剤組合せ物を一定重量まで徐々に乾燥させることによって測定した。
【0039】
I.5 圧縮強度
圧縮強度は、概してDIN EN 196−1に従って測定した。試験されたパラメーターは、顔料が入っていないサンプルと比較した顔料入りセメントモルタルの圧縮強度であり、それについて偏差はEN 12878「セメントおよび/または石灰をベースにする建材の着色のための顔料(Pigments for the colouring of building materials based on cement and/or lime)」に明記されるもの(強化コンクリートについて最大−8%)以下であるべきである。
【0040】
I.6 固化挙動
固化挙動は、概してDIN EN 196−3に従って測定した。それは、色素沈着ありおよび色素沈着なしのセメントペーストの固化の開始および終了の比較にかかわり、偏差はEN 12878に明記されるもの以下であるべきである。
【0041】
II.実施例1
10kgのバイフェロックス(Bayferrox)(登録商標)110赤色酸化鉄(ランクセス・ドイツ有限責任会社(Lanxess Deutschland GmbH)の市販製品)を、2.5重量%のネオメーレ(neomere)(登録商標)TINT 317(クリソの市販製品、SAS)とミキサー中で激しく混合し、混合物をその後3mmスクリーン・インサート付きバウアーマイスター(Bauermeister)ミルによって均質化した。
【0042】
得られた製品は0.7重量%の残留含水率および0.40g/cm
3の嵩密度を有し、100秒の混合時間でBMCTに従って上記のように組み込まれ、比色分析はΔa
*=1.0、Δb
*=1.4−彩度差ΔC
ab*=1.7に相当する−および111%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は、3mmスクリーン・インサート付きバウアーマイスター・ミルによって同様に粉砕した、バイフェロックス(登録商標)110出発原料であった。処理後サンプルはそれゆえ出発原料より色が実質的に強く、実質的により飽和していた。
【0043】
III.実施例2
10kgのバイフェロックス(登録商標)110赤色酸化鉄を、2.0重量%のテクサポン(Texapon)(登録商標)842(コグニス・ドイツ(Cognis Deutschland)有限責任会社の市販製品)とミキサー中で激しく混合し、混合物をその後3mmスクリーン・インサート付きバウアーマイスター・ミルによって均質化した。
【0044】
得られた製品は0.5重量%の残留含水率および0.38g/cm
3の嵩密度を有し、100秒の混合時間でBMCTに従って上記のように組み込まれ、比色分析はΔa
*=1.0、Δb
*=1.4−彩度差ΔC
ab*=1.6に相当する−および108%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は、3mmスクリーン・インサート付きバウアーマイスター・ミルによって同様に粉砕した、バイフェロックス(登録商標)110出発原料であった。処理後サンプルはそれゆえ出発原料より色が実質的に強く、実質的により飽和していた。
【0045】
IV.実施例3
赤色および黒色酸化鉄の25kgの褐色混合物を、2.5重量%のネオメーレ(登録商標)TINT 317を加えて、25kgの水でスラリー化した。懸濁液は48.1%の固形分含有率および5.1のpHを有し、ノズルスプレー乾燥機で乾燥させた。得られた顆粒は易流動性であり、0.5重量%の残留含水率および1.08g/cm
3の嵩密度を有した。概してDIN EN 196−1に従った圧縮強度に関するおよび概してDIN EN 196−3に従った固化挙動に関する研究は、標準EN 12878の要件が強化コンクリートについてさえも満たされていることを示す。
【0046】
顆粒を、200秒の混合時間で、BMCTに従って上記のように組み込み、比色分析はΔa
*=0.8、Δb
*=1.4−彩度差ΔC
ab*=1.6に相当する−および110%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は助剤の添加なしの褐色混合物であった。混合助剤入り顆粒はそれゆえ、出発原料より色が実質的に強く、実質的により飽和していた。対照と顆粒との間のこの大きさの相対的な色の濃さの差および彩度差は肉眼にさえも明らかである。
【0047】
V.実施例4
25kgのバイフェロックス(登録商標)920黄色酸化鉄(ランクセス・ドイツ有限責任会社の市販製品)を、37.5kgの水および1.5重量%のNaポリアクリレートの40%濃度水溶液中に、0.5重量%の低分子量を有する部分的に加水分解されたポリビニルアルコールと共に懸濁させた。懸濁液は38.3%の固形分含有率および6.4のpHを有し、ノズルスプレー乾燥機で乾燥させた。得られた顆粒は易流動性であり、0.7重量%の残留含水率および0.48g/cm
3の嵩密度を有した。概してDIN EN 196−1に従った圧縮強度に関するおよび概してDIN EN 196−3に従った固化挙動に関する研究は、標準EN 12878の要件が強化コンクリートについてさえも満たされていることを示す。
【0048】
顆粒を、200秒の混合時間で、BMCTに従って上記のように組み込み、比色分析はΔa
*=0.0、Δb
*=2.3−彩度差ΔC
ab*=2.2に相当する−および102%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は、添加物なしで使用したバイフェロックス(登録商標)920粉末であった。混合助剤入り顆粒はそれゆえ、出発原料より実質的に有色である。対照と顆粒との間のこの大きさの彩度差は明らかに目に見える。
【0049】
VI.実施例5
25kgのバイフェロックス(登録商標)920黄色酸化鉄を、37.5kgの水および1.5重量%のポリアスパラギン酸のナトリウム塩の40%濃度水溶液中に、1.0重量%の相対的に高い分子量を有する部分的に加水分解されたポリビニルアルコールと共に懸濁させた。懸濁液は38.6%の固形分含有率および5.9のpHを有し、ノズルスプレー乾燥機で乾燥させた。得られた顆粒は易流動性であり、0.7重量%の残留含水率および0.49g/cm
3の嵩密度を有した。概してDIN EN 196−1に従った圧縮強度に関するおよび概してDIN EN 196−3に従った固化挙動に関する研究は、標準EN 12878の要件が強化コンクリートについてさえも満たされていることを示す。
【0050】
顆粒を、200秒の混合時間で、BMCTに従って上記のように組み込み、比色分析はΔa
*=0.3、Δb
*=3.8−彩度差ΔC
ab*=3.8に相当する−および110%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は、添加物なしで使用したバイフェロックス(登録商標)920粉末であった。混合助剤入り顆粒はそれゆえ、出発原料より実質的に有色であり、強く着色している。対照と顆粒との間のこの大きさの相対的な色の濃さの差および彩度差は明らかに目に見える。
【0051】
VII.実施例6(比較例)
25kgのバイフェロックス(登録商標)920黄色酸化鉄を、37.5kgの水および1.5重量%のポリアスパラギン酸のナトリウム塩の40%濃度水溶液中に懸濁させた。懸濁液は38.3%の固形分含有率および6.3のpHを有し、ノズルスプレー乾燥機で乾燥させた。得られた顆粒は易流動性であり、0.7重量%の残留含水率および0.54g/cm
3の嵩密度を有した。概してDIN EN 196−1に従った圧縮強度に関するおよび概してDIN EN 196−3に従った固化挙動に関する研究は、標準EN 12878の要件が強化コンクリートについてさえも満たされていることを示す。
【0052】
顆粒を、200秒の混合時間で、BMCTに従って上記のように組み込み、比色分析はΔa
*=0.2、Δb
*=0.9−彩度差ΔC
ab*=0.9に相当する−および102%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は、添加物なしで使用したバイフェロックス(登録商標)920粉末であった。顆粒はそれゆえ出発原料に色的に匹敵する。
【0053】
VII.実施例7
6kgのバイフェロックス(登録商標)960黄色/赤色酸化鉄混合物(ランクセス・ドイツ有限責任会社の市販製品)を、1.5重量%のネオメーレ(登録商標)TINT 305(クリソの市販製品、SAS)と1.5重量%の相対的に高い分子量を有する部分的に加水分解されたポリビニルアルコールの20%濃度水溶液と共にミキサー中で激しく混合し、混合物をその後3mmスクリーン・インサート付きバウアーマイスター・ミルによって均質化した。
【0054】
得られた製品は0.9重量%の残留含水率および0.26g/cm
3の嵩密度を有し、100秒の混合時間でBMCTに従って上記のように組み込まれ、比色分析はΔa
*=0.5、Δb
*=1.4−彩度差ΔC
ab*=1.5に相当する−および108%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は、3mmスクリーン・インサート付きバウアーマイスター・ミルによって同様に粉砕した、バイフェロックス(登録商標)960出発原料であった。処理後サンプルはそれゆえ出発原料より色が実質的に強く、実質的により飽和していた。
【0055】
VII.実施例8
25kgのバイフェロックス(登録商標)110赤色酸化鉄を、1.5重量%のネオメーレ(登録商標)TINT 317と2.0重量%の低分子量を有する部分的に加水分解されたポリビニルアルコールの25%濃度水溶液と共にミキサー中で激しく混合した。混合物を200/50P圧縮機(ベペックス、レインガルテン(ドイツ)(Bepex,Leingarten(DE))によって約10kN(2kN/cm)で、その後1.25mmのメッシュサイズを有するスクリーン付きグラインダー(フレウィット、フリボー(スイス)(Frewitt,Fribourg,(CH))で微粉砕した。微粉砕した製品を250μmのメッシュサイズのアルガイエル(Allgaier)篩によって篩い分けした。粒状のオーバーサイズの割合は約82%であった。
【0056】
得られたオーバーサイズは易流動性であり、1.0重量%の残留含水率および0.98g/cm
3の嵩密度を有した。概してDIN EN 196−1に従った圧縮強度に関するおよび概してDIN EN 196−3に従った固化挙動に関する研究は、標準EN 12878の要件が強化コンクリートについてさえも満たされていることを示す。オーバーサイズを100秒の混合時間で、BMCTに従って上記のように組み込んだ。製造された厚板は均質に着色され、比色分析はΔa
*=0.7、Δb
*=1.8−彩度差ΔC
ab*=1.7に相当する−および103%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照はバイフェロックス(登録商標)110出発原料であった。粒状のオーバーサイズはそれゆえ出発原料より実質的に飽和している。
【0057】
VIII.実施例9
20kgの緑色酸化クロムGN(ランクセス・ドイツ有限責任会社の市販製品)を、2.0重量%のネオメーレ(登録商標)TINT 317および0.5重量%の低分子量を有する部分的に加水分解されたポリビニルアルコールと共に24.5kgの水に懸濁させた。懸濁液は46.0%の固形分含有率および6.7のpHを有し、ノズルスプレー乾燥機で乾燥させた。得られた顆粒は易流動性であり、0.5重量%の残留含水率および1.52g/cm
3の嵩密度を有した。
【0058】
顆粒を、それぞれ100秒および200秒の混合時間で、BMCTに従って上記のように組み込んだ。製造された厚板は均質に着色され、100秒の混合時間については、比色分析はΔa
*=−0.9、Δb
*=1.4−彩度差ΔC
ab*=1.7に相当する−および109%の相対的な色の濃さを与えたが、200秒の混合時間については、比色分析はΔa
*=−1.3、Δb
*=1.6−彩度差ΔC
ab*=2.1に相当する−および114%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は各場合で、それぞれ100秒および200秒の混合時間で、添加物なしで、使用した緑色酸化クロムGN粉末で同様に均質に着色された厚板であった。混合助剤入り顆粒はそれゆえ、出発原料より実質的に有色であり、より強く着色している。対照と顆粒との間のこの大きさの相対的な色の濃さの差および彩度差は明らかに目に見える。
【0059】
IX.実施例10(比較例)
20kgの緑色酸化クロムGNを、24.5kgの水および2.0重量%のポリアクリル酸ナトリウムの40%濃度水溶液に懸濁させた。懸濁液は46.0%の固形分含有率および8.3のpHを有し、ノズルスプレー乾燥機で乾燥させた。得られた顆粒は易流動性であり、0.5重量%の残留含水率および1.48g/cm
3の嵩密度を有した。
【0060】
顆粒を、それぞれ100秒および200秒の混合時間で、BMCTに従って上記のように組み込んだ。製造された厚板は均質に着色され、100秒の混合時間については、比色分析はΔa
*=±0.0、Δb
*=0.2−彩度差ΔC
ab*=0.2に相当する−および103%の相対的な色の濃さを与えたが、200秒の混合時間については、比色分析はΔa
*=0.1、Δb
*=0.3−彩度差ΔC
ab*=0.3に相当する−および105%の相対的な色の濃さを与えた。使用した対照は各ケースで、それぞれ100秒および200秒の混合時間で、添加物なしで、使用した緑色酸化クロムGN粉末で同様に均質に着色された厚板であった。顆粒はそれゆえ、出発原料に色的に匹敵する。
【0061】
すべての結果を表1にまとめる。
【0062】
【表1】