特許第5718054号(P5718054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5718054凝集ゼオライト吸着材、それらの調製方法およびそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718054
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】凝集ゼオライト吸着材、それらの調製方法およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/18 20060101AFI20150423BHJP
   C01B 39/22 20060101ALI20150423BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20150423BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   B01J20/18 D
   C01B39/22
   B01J20/30
   B01J20/34 G
【請求項の数】17
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2010-538863(P2010-538863)
(86)(22)【出願日】2008年12月16日
(65)【公表番号】特表2011-507678(P2011-507678A)
(43)【公表日】2011年3月10日
(86)【国際出願番号】FR2008052317
(87)【国際公開番号】WO2009081024
(87)【国際公開日】20090702
【審査請求日】2010年8月4日
(31)【優先権主張番号】0760098
(32)【優先日】2007年12月20日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509016999
【氏名又は名称】セカ・エス・アー
(73)【特許権者】
【識別番号】509016988
【氏名又は名称】アンステイテユ・フランセ・ドユ・ペトロル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブービエ,リユデイビンヌ
(72)【発明者】
【氏名】キージエ,ステフアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ラロシユ,カトリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】レフレーブ,フイリベール
(72)【発明者】
【氏名】フライジング,トム
【審査官】 平塚 政宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−511218(JP,A)
【文献】 特表2002−537109(JP,A)
【文献】 特表2001−513438(JP,A)
【文献】 特表2007−515279(JP,A)
【文献】 特開平11−335308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/00 − 20/34
C01B 33/20 − 39/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
−バリウムイオン単独によりまたはバリウムイオンおよびカリウムイオンにより少なくとも90%までが交換されており、バリウム+カリウムのイオンにより占められている交換可能部位の1/3までに相当する交換可能部位がカリウムにより占められ、その場合の補足部位が、バリウムおよびカリウム以外のアルカリイオンまたはアルカリ土類イオンにより与えられており、厳密に1.15超1.5以下のSi/Al原子比を有するゼオライトX粉末、
−バリウムイオン単独によりまたはバリウムイオンおよびカリウムイオンにより少なくとも90%までが交換されており、バリウム+カリウムのイオンにより占められている交換可能部位の1/3までに相当する交換可能部位がカリウムにより占められ、その場合の補足部位が、バリウムおよびカリウム以外のアルカリイオンまたはアルカリ土類イオンにより与えられており、1から1.15の間のSi/Al原子比を有するゼオライトLSX粉末、ならびに
−凝集ゼオライト吸着材の全重量の20重量%以下の比率のバインダー
を含み、
ここで、ゼオライトLSX濃度のゼオライトX濃度に対するモル比が、0.1から10の間である、Cの芳香族化合物の混合物からパラキシレンを分離するための凝集ゼオライト吸着材。
【請求項2】
ゼオライトLSX濃度のゼオライトX濃度に対するモル比が、0.25から4の間である、請求項1に記載の凝集ゼオライト吸着材。
【請求項3】
ゼオライトLSX濃度のゼオライトX濃度に対するモル比が、0.5から2.0の間であることを特徴とする、請求項1に記載の吸着材。
【請求項4】
ゼオライトXが、0.1から4μmの間の、SEMおよびカウントにより測定された平均(数)直径を有する結晶から本質的になることを特徴とする、請求項1に記載の吸着材。
【請求項5】
ゼオライトLSXが、0.1μmから7μmの間の、SEMおよびカウントにより測定された平均(数)直径を有する結晶から本質的になることを特徴とする、請求項1に記載の吸着材。
【請求項6】
−a)0.1から10の間にあるLSX/X比で、ゼオライトLSX粉末およびゼオライトX粉末からなる混合物を凝集バインダーにより凝集させた後に、成形、乾燥およびか焼するステップ、ここで、該凝集バインダーは、少なくとも50重量%のゼオライト化可能な(1種または複数の)粘土であり、
−c)凝集体のすべての交換可能部位の少なくとも90%をバリウムにより置き換えた後に、このように処理された生成物を、洗浄および乾燥するステップ、
−d)凝集体のすべての交換可能部位の33%以下をカリウムにより場合によって置き換えた後に、このように処理された生成物を、洗浄および乾燥するステップ、ならびに
−e)得られた生成物を、任意選択で200℃から300℃の間で1から6時間、熱活性化により活性化するステップ
を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸着材の調製方法。
【請求項7】
当該バインダーのゼオライト化可能な部分のゼオライト化を、苛性ソーダ水溶液または苛性ソーダおよび苛性カリの混合物の水溶液中において行うステップを含む、請求項6に記載の吸着材の調製方法。
【請求項8】
の芳香族異性体を分離するための吸着材としての、請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1種のゼオライト吸着材の使用。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1種の吸着材を用い、Cの芳香族異性体を分離する方法。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか一項に記載のゼオライト吸着材を用い、パラキシレンの吸着により、芳香族のCの異性体の留分からパラキシレンを回収する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
液相中で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
気相中で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
擬似移動床型であることを特徴とする、請求項9から12のいずれか一項に記載のパラキシレンの回収方法。
【請求項14】
擬似向流型であることを特徴とする、請求項9から13のいずれか一項に記載のパラキシレンの回収方法。
【請求項15】
擬似並流型であることを特徴とする、請求項9から13のいずれか一項に記載のパラキシレンの回収方法。
【請求項16】
脱着剤を、パラキシレンを吸着した吸着剤と接触させるステップをさらに含み、
該脱着剤が、トルエンまたはパラジエチルベンゼンである、請求項9から15のいずれか一項に記載のパラキシレンの回収方法。
【請求項17】
ゼオライト吸着材が、4.0から8%の間の、900℃において測定された強熱減量を有する、請求項9から16のいずれか一項に記載のパラキシレンの回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライトX粉末およびゼオライトLSX粉末の混合物をベースとし、バリウムで交換されたまたはバリウムおよびカリウムで交換された凝集ゼオライト吸着材に関する。
【背景技術】
【0002】
これらの吸着材は、より詳細には、8個の炭素原子をもつ異性体を含有する芳香族炭化水素の供給原料から、非常に純粋なパラキシレンを製造するために用いられ得る。
【0003】
芳香族炭化水素の混合物からパラキシレンを選択的に吸着するための、バリウム、カリウムまたはストロンチウム等のイオンで交換された、単独または混合物の、XまたはYのゼオライトからなるゼオライト吸着材の使用は、従来技術からよく知られている。
【0004】
US3558730、US3558732、US3626020およびUS3663638は、バリウムもしくはカリウムでまたはバリウム単独で交換されたアルミノケイ酸塩を含む吸着材(US3960774)が、Cの芳香族の留分からパラキシレンを分離するために有効であることを示している。
【0005】
これらの吸着材を調製する方法は、例えばUS3878127に記載されており、バリウムおよび/またはバリウム+カリウムで交換する前にナトリウムにより、ゼオライトの交換可能なカチオン(プロトンまたはIIA族のカチオン等)を置き換えるために、厳密に0.7未満のNaO/Al比を有する凝集体(ゼオライトX+バインダー)を、熱した苛性ソーダ中で処理することにあり、先にナトリウムで交換することにより、大量のバリウムまたはバリウムおよびカリウムのイオンを、ゼオライト構造に加えることが可能になる。
【0006】
これらの吸着材は、中でも、芳香族のCの留分に適用され、US2985589に記載されているものと類似の、好ましくは擬似向流型の液相の工程における吸着剤として用いられる。
【0007】
キシレンを分離するための従来技術において見られるゼオライトは、完全に確定された大きさのケージを有し、3次元で結合している結晶化シリコアルミン酸塩である、US2882244およびUS3130007に最初に記載されたフォージャサイトの構造型に属する。
【0008】
US6884918は、1.15から1.5の間のSi/Al原子比をもつフォージャサイトXを推奨している。US6410815は、低いシリカ含有率を有する、すなわち、1に近いSi/Al原子比を有するフォージャサイトをベースとしたゼオライト吸着材(これを、本発明者らは、低シリカXの略称、LSXと呼ぶ。)は、パラキシレンを分離するために有利に用いられることを教示している。
【0009】
したがって、ゼオライトXも、低いシリカ含有率を有するゼオライトXも、パラキシレンに対する選択性の点で良好な性能を有するが、低シリカ含有率のゼオライトXの合成は、ゼオライトXの合成と比べてむしろ難しい。実際に、フォージャサイト型のゼオライトのSi/Al原子比を低下させるために、ゼオライト合成法において用いられる苛性ソーダの消費は増加するはずである。そのうえ、フォージャサイト構造型に従って結晶化させるために、Si/Al原子比が1である場合は、高濃度の苛性カリを添加して、ゼオライトAの形成を抑制し、低シリカのゼオライトXのみを得なければならない。これらの苛性ソーダおよび苛性カリの大量消費は、この種のゼオライトの製造コストを増大させ、廃液の放出の問題を引き起こす。
【0010】
上記の参照文献において、ゼオライト吸着材は、粉末の形または主にゼオライトおよび15から20重量%以下の不活性な凝集バインダーからなる凝集体の形である。
【0011】
ゼオライトXおよび低いシリカ含有率をもつXは、通常、シリコアルミン酸塩ゲルの核生成および結晶化により合成されるので、生成される粉末は、工業スケールで用いるのが特に難しく(取扱操作中における高い圧力損失)、例えば、粉末材料に固有の欠点を有さない顆粒またはグレインの形の凝集体の形が好ましい。
【0012】
これらの凝集体は、板、ビーズまたは押出の形であるかにかかわらず、一般に、活性な要素(吸着の状況において)であるゼオライト、ならびに凝集体上でのゼオライト結晶の凝集力を得るためであり、凝集体の加工中に凝集体が受ける振動および運動に耐えるのに十分な機械的強度を凝集体に与えるためのバインダーからなる。
【0013】
これらの凝集体は、例えば、バインダー20から10重量%に対し、ゼオライト粉末約80から90重量%の比率で、粘土ペーストでゼオライト粉末をペースト化した後に、ビーズ、板または押出の形を形成し、粘土をベーキングしゼオライトを再活性化するために高温で熱処理することにより調製され、バリウム交換は、バインダーによるゼオライト粉末の凝集の前および/または後に行われる。
【0014】
一般に数ミリメートルの粒径分布を有し、バインダーの選択および顆粒化が、当技術分野における慣例に従って行われた場合に、満足な特性、特に空隙率、機械的強度および耐研磨性の組合せを有するゼオライト凝集体が得られる。
【0015】
US6410815は、工業的なパラキシレン分離工程の性能が、主として、吸着材、その吸着能力およびCの芳香族化合物、一般にパラキシレン、メタキシレン、オルトキシレン、エチルベンゼンからなる媒体中のパラキシレンに対してそれが示す選択性、ならびに吸着されたパラキシレンをそこから脱着するためのトルエンおよびパラジエチルベンゼン等の脱着剤の適性にも依存することを教示している。成分Bに対する成分Aについての吸着材の選択性αA/Bは、平衡状態における吸着相中の化合物の濃度の比率を非吸着相中の化合物の濃度の比率で割ったもの、すなわち、
αA/B=Aads/Bads×Bliq/Aliq
として定義され、式中、AadsおよびBadsは、それぞれ、吸着相中の化合物Aのおよび化合物Bの濃度であり、AliqおよびBliqは、流動体相中の化合物Aのおよび化合物Bの濃度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許出願公開第3558730号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第3558732号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第3626020号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第3663638号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第3960774号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第3878127号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2985589号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2882244号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第3130007号明細書
【特許文献10】米国特許第6884918号明細書
【特許文献11】米国特許第6410815号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、特に、Cの芳香族化合物の混合物からパラキシレンを分離するために使用可能であり、特にキシレンに対する選択性および吸着能力の点で優れた特性を有するゼオライト吸着材に関し、上記の吸着材は、好ましくは擬似向流型の液相キシレン分離法における使用に特に適している。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明において特許請求された凝集ゼオライト吸着材は、
−バリウムイオン単独によりまたはバリウムイオンおよびカリウムイオンにより少なくとも90%までが交換されており、バリウム+カリウムのイオンにより占められている交換可能部位の1/3までに相当する場合がある交換可能部位がカリウムにより占められ、その場合の補足部位が、一般に、バリウムおよびカリウム以外のアルカリイオンまたはアルカリ土類イオンにより与えられているゼオライトX粉末、
−バリウムイオン単独によりまたはバリウムイオンおよびカリウムイオンにより少なくとも90%までが交換されており、バリウム+カリウムのイオンにより占められている交換可能部位の1/3までに相当する場合がある交換可能部位がカリウムにより占められ、その場合の補足部位が、一般に、バリウムおよびカリウム以外のアルカリイオンまたはアルカリ土類イオンにより与えられているゼオライトLSX粉末、ならびに
−凝集ゼオライト吸着材の全重量の20重量%以下の比率のバインダー
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】X/LSX混合物をベースとした本発明による凝集体中に存在するゼオライトLSXの量(x軸上)の関数としてのドビニン体積(y軸上)の変化を表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
別に示されなければ、以下の議論において、「間」の表現は、「広義において間」を意味する。
【0021】
本発明の文脈において、ゼオライトXは、厳密に1.15超1.5以下、好ましくは1.2から1.4の間、有利には1.2から1.3の間のSi/Al原子比を有するX型ゼオライト(フォージャサイト)を意味する。
【0022】
好ましい実施形態によれば、本発明による凝集体のゼオライトXは、概して0.1μmから4μmの間、好ましくは0.1μmから3μmの間、有利には0.1μmから2μmの間にある、SEMおよびカウントにより測定された平均(数)直径を有する結晶から本質的になる。
【0023】
本発明の文脈において、ゼオライトLSX(低いシリカ含有率をもつゼオライトXを意味する低シリカXの略称)は、本明細書において、1から1.15の間、好ましくは1.00±0.05の間に等しいSi/Al原子比を有するX型ゼオライト(フォージャサイト)を意味し、1未満のこの値は、この比率の測定についての分析的な不確かさを表し、より大きい値は、同じ分析的な不確かさまたは生成物の許容できる様々な不純物のいずれかを表す。
【0024】
好ましい実施形態によれば、本発明による凝集体のゼオライトLSXは、0.1μmから7μmの間、好ましくは0.1μmから4μmの間、有利には0.1μmから3μmの間、なおより有利には0.1μmから2μmの間の、SEMおよびカウントにより測定された平均(数)直径を有する結晶から本質的になる。
【0025】
本発明の文脈において、バインダーは、シリカ、シリカおよびアルミナの混合物ならびに/または粘土等の化合物等の非晶質材料を含む、吸着の状況において不活性な無機マトリックスを意味する。このマトリックスが、凝集体の全重量の5%を超えない量で、前に定義したようにゼオライトXおよびゼオライトLSX以外のゼオライト結晶材料を含有する場合において、これは、本発明の範囲外ではない。
【0026】
本発明によるゼオライト吸着材について、以下の2つの効率基準(C.E.)が定義される。すなわち、
C.E.PX/MX=αPX/MX×VDub
および
C.E.PX/EB=αPX/EB×VDub
であり、式中、αPX/MXおよびαPX/EBは、それぞれ、パラキシレンおよびメタキシレンの間ならびにパラキシレンおよびエチルベンゼンの間の選択性であり、
式中、VDubは、77Kにおける窒素吸着により、以下に示す方法により測定されたミクロ細孔体積の推定であるドビニン体積である。
【0027】
ドビニン体積は、Lowellらにより「Characterization of Porous Solids and Powders:Surface Area,Pore Size and Density」、9章、「Micropore Analysis」、143−145頁に記載されているようなドビニン−ラズシュケビッヒ式
【0028】
【数1】
から算出され、これは、ゲージ圧P/Pにおいて吸着材材料により吸着される窒素の体積Vに関する。ドビニン体積は、体積V、吸着材材料のミクロ細孔中に凝縮され得る窒素蒸気の最大体積である。これは、吸着材1グラムあたりの(標準条件に関する)窒素蒸気のcmで表される。
【0029】
次いで、ドビニン体積は、その結果、液体の体積に変わっている気体の体積Vから算出され、これは、吸着材1グラムあたりのcmで表され、吸着に利用できるミクロ細孔体積に相当する。
【0030】
測定前に、試料は、真空(P<5.10−6Torr、すなわち6.7.10−4Pa)下において500℃で12時間、前処理される。次いで、測定は、Micromeritics ASAP 2010 M型の機器により行われる。等温線は、0.01から1の間のP/Pの少なくとも35点の圧力表を用いてプロットされる。log Vの値は、(log(P/P))の関数として図表上にプロットされる。ドビニン体積は、(log(P/P))が1から2の間(すなわち0.039<P/P<0.1)である点の回帰直線の原点におけるX軸から得られる。測定の不確かさは±0.003である。
【0031】
ゼオライトXおよびゼオライトLSXの様々な比率で、所与の固定されたバインダー含有率で、本発明による吸着材について行われる測定は、2つの上述の効率基準(C.E.)が、0.1から10の間、好ましくは0.25から4.0の間、なおより好ましくは0.5から2.0の間のLSX/Xのモル比を有する混合物について、ゼオライトXおよびバインダーのみを含有する吸収材と、ならびにゼオライトLSXおよびバインダーのみを含有する吸収材と比べて著しくより高いことを示している。それぞれの比率は、ゼオライトXおよびバインダーのみを含有する吸収材、ならびにゼオライトLSXおよびバインダーのみを含有する2種の吸収材と比べて、好ましくは0.5から2.0の間、なおより好ましくは0.54から1.86の間である。
【0032】
本発明は、
−a)0.1から10の間、好ましくは0.25から4.0の間、なおより好ましくは0.5から2.0の間にあるLSX/X比で、ゼオライトLSX粉末およびゼオライトX粉末からなる混合物を、好ましくは、この混合物のバインダーの少なくとも一部が好ましくは少なくとも80重量%の1種または複数のゼオライト化可能粘土(ゼオライト化可能部)を含有する凝集バインダーにより凝集させた後に、成形、乾燥およびか焼するステップ、
−b)塩基性アルカリ溶液の作用により、バインダーのゼオライト化可能部をゼオライト化する、場合によるステップ、
−c)凝集体のすべての交換可能部位の少なくとも90%をバリウムにより置き換えた後に、このように処理された生成物を、洗浄および乾燥するステップ、
−d)凝集体のすべての交換可能部位の33%以下をカリウムにより場合によって置き換えた後に、このように処理された生成物を、洗浄および乾燥するステップ、ならびに
−e)得られた生成物を、任意選択で活性化するステップ
を含む、本発明による凝集体の調製方法にも関する。
【0033】
好ましくは、本発明による調製方法は、a)およびc)、次いでe)、または前に定義したようにa)からe)までのステップから本質的になる。
【0034】
凝集および成形(ステップa))は、押出、圧縮、凝集等の、当業者に知られた任意の技術により行われ得る。
【0035】
凝集バインダーは、ゼオライト粉末を成形および凝集する役割を本質的に有する。好ましくは、バインダーは、吸着の状況において不活性である。使用される凝集バインダーは、アタパルジャイト、カオリナイト、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト等の粘土を含有することができる。
【0036】
ステップa)に、ゼオライト化のステップb)が続く方法の場合において、凝集バインダーは、ゼオライト化可能部、すなわち、好ましくはバインダーの全重量の80%から100%の1種または複数のゼオライト化可能粘土を含有する。ゼオライト化可能粘土は、一般に、シリカ源が加えられ得る、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、カオリンおよび/またはメタカオリンの一群に属する。カオリンが一般に用いられる。乾燥に続くか焼は、一般に500から600℃の間の温度で行われる。
【0037】
さらに、ステップa)において、ゼオライト粉末および凝集バインダーの他に、添加剤、例えば細孔形成剤ならびに/または凝集を促進するためおよび/もしくは形成された凝集体の硬化を改善するための添加剤も用いられ得る。
【0038】
ステップa)において用いられるゼオライトX粉末は、ゼオライトNaXまたはゼオライト13Xとも呼ばれる、ナトリウムで交換されたゼオライトXで結晶を合成することにより生成され得るが、NaX形での合成およびステップa)におけるその使用の間に受ける、1種または複数のカチオン交換を有する粉末を用いることは、本発明の範囲外ではない。
【0039】
場合によるシリカ源は、コロイド状のシリカ、ケイ酸塩、ケイ藻土、パーライト、フライアッシュ、砂および/またはシリカの任意の他の形であることができる。
【0040】
ステップa)において用いられるゼオライトLSX粉末は、NaKLSX形でゼオライト結晶を合成することにより生成され得るが、NaKLSX形での合成およびステップa)におけるその使用の間に受ける、1種または複数のカチオン交換を有する粉末を用いることは、本発明の範囲外ではない。
【0041】
場合によるゼオライト化ステップb)は、特に、凝集体ゼオライト吸着材の吸着能力を増大させる目的を有する。これは、凝集バインダーが1種または複数のゼオライト化可能粘土を含有する場合にのみ有効である。
【0042】
ゼオライト化は、塩基性アルカリ溶液、好ましくは水溶液、例えば、濃度が好ましくは0.5Mを上回る、苛性ソーダ水溶液または苛性ソーダおよび苛性カリの混合物の水溶液中において、ステップa)から生じる生成物を浸漬することにより行われ得る。上記の濃度は、一般に、3M未満、好ましくは2M未満、有利には1M未満である。ゼオライト化は、工程の速度論を改善し、浸漬時間を8時間未満に低減するために、好ましくは、高温(周囲温度を上回る温度)、一般に約80−100℃の温度で行われるが、より低い温度で操作することは本発明の範囲外ではない。
【0043】
この手順によれば、バインダー中に含有されているゼオライト化可能な(1種または複数の)粘土の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70から82重量%のゼオライト化が容易に得られる。これに続いて水洗浄し、次いで乾燥する。
【0044】
ゼオライトのカチオンをバリウムで交換するステップc)は、場合によるステップb)から、またはステップa)から、または場合によるステップd)から生じた凝集体を、周囲温度から100℃の間、好ましくは80から100℃の間の温度の水溶液中のBaCl等のバリウム塩と接触させることにより行われる。速やかに、高いバリウム交換率、すなわち90%超を得るために、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の目標最小交換率に達するように連続的な交換を進めることにより、一般にBa/Al比が約5から6であるような、交換されるべき凝集体のカチオンに対して大過剰のバリウムで操作することが好ましい。文中を通じて、交換率は、モル濃度でなく当量で計算されている。
【0045】
カリウムでの場合による交換(ステップd))は、バリウムによる交換(ステップc))の前および/もしくは後、または同時に、バリウムおよびカリウムのイオンを含有する溶液を用いて行われ得る。カリウムイオンをすでに含有している、ゼオライトXのおよびゼオライトLSXの粉末の混合物を凝集させ、ステップd)を除外する(または除外しない)ことも可能である。
【0046】
活性化(ステップe))、本発明による吸着材を得る方法の最終ステップは、吸着材の水分含有率および強熱減量を、最適な限界内に固定することを意図したものである。これは一般に、好ましくは、200℃から300℃の間で、一定の長さの時間、一般に1から6時間、所望の水分含有率および強熱減量に従って、吸着材の予定されている使用に応じて行われる熱活性化によりなされる。
【0047】
本発明は、バリウムで交換された、またはバリウムおよびカリウムで交換された、ゼオライトXをベースとした、またはゼオライトLSXをベースとした、文献中に記載の吸着材と有利に置き換えるのに適した吸着材として上述した、少なくとも1種のゼオライト吸着材の使用にも関し、特に、以下に示す使用にも関する。すなわち、
・Cの芳香族異性体、特にキシレンの分離、
・糖の分離、
・多価アルコールの分離、
・ニトロトルエン、ジエチルトルエン、トルエンジアミン等の置換トルエンの異性体の分離、
・クレゾールの分離、
・ジクロロベンゼンの分離
である。
【0048】
本発明は、特に、液相法および気相法において用いられる、本発明によるゼオライト吸着材をパラキシレン吸着材として用いることにより、芳香族のCの異性体の留分からパラキシレンを回収する方法の改善に関する。
【0049】
本発明は、特に、
a)好ましくはパラキシレンを吸着するために、適切な吸着条件下で、本発明による吸着材の床に供給原料を接触させるステップ、
b)適切な脱着条件下で、好ましくはトルエンまたはパラジエチルベンゼンのいずれかである脱着剤に吸着材床を接触させるステップ、
c)吸着材床から、脱着剤および供給原料中の選択性最小の吸着生成物を含有する流れを取り出すステップ、
d)吸着材床から、脱着剤およびパラキシレンを含有する流れを取り出すステップ、
e)ステップc)から生じた流れを、脱着剤を含有する第1の流れおよび供給原料中の選択性最小の吸着生成物を含有する第2の流れに分離するステップ、
f)ステップd)から生じた流れを、脱着剤を含有する第1の流れおよび75%以上、好ましくは99.7%以上の純度でパラキシレンを含有する第2の流れに分離するステップ
を含む、8個の炭素原子をもつ異性体を含有する芳香族炭化水素の供給原料から高純度パラキシレンを製造する方法に関する。
【0050】
この方法は、場合によって、以下のステップを含むこともできる。すなわち、
g)一方でパラキシレン結晶の母液に含浸させたパラキシレン結晶を、他方で擬似移動床吸着ユニットの入口で未使用の供給原料を含む混合物中に部分的または完全に回収され得る母液を得るために、ステップf)から生じたパラキシレンの結晶化からなる、晶出装置中における結晶化のステップ、
h)ステップg)から生じた結晶を洗浄した後に、パラキシレンが、少なくとも99.7%、好ましくは少なくとも99.8%の純度で回収されるステップ
である。
【0051】
このように、所望の生成物は、擬似移動床、すなわち擬似向流または擬似並流で、より詳細には擬似向流で有利に、分取吸着液体クロマトグラフィー(バッチで)により分離され得る。
【0052】
擬似向流での、擬似移動床中におけるクロマトグラフィー分離は、従来技術においてよく知られている。一般に、擬似移動床分離ユニットは、閉ループで相互接続された複数の吸着材床を含有する少なくとも1つの吸着カラムを含む。この擬似移動床分離ユニットは、少なくとも3つ、場合によって4つまたは5つのクロマトグラフィー領域を含み、これらの領域のそれぞれは、少なくとも1つの床またはカラムの一部からなり、2つの連続した供給点および取出点の間にある。
【0053】
一般に、分画されるべき少なくとも1種の供給原料、および1種の脱着剤(時に溶離剤と呼ばれる。)が供給され、少なくともラフィネートおよび1種の抽出物が取り出される。供給点および取出点は、時間とともに変更され、一般に、床の下部に向かって同時に移動される。
【0054】
定義により、それぞれの操作領域は、数、すなわち、
・領域1=脱着剤注入口および抽出物取出口の間にある、所望の生成物(抽出物中に含有されている。)を脱着する領域、
・領域2=抽出物取出口および分画されるべき供給原料注入口の間にある、ラフィネート化合物を脱着する領域、
・領域3=供給原料注入口およびラフィネート取出口の間にある、所望の生成物を吸着する領域、ならびに
・ラフィネート取出口および脱着剤注入口の間に位置する領域4
により示される。
【0055】
擬似向流型の工業的吸着ユニットの操作条件は、一般に以下の通りである。すなわち、
・床の数、6から30、
・領域の数、少なくとも4、
・温度、100から250℃、好ましくは150から190℃、
・工程の温度におけるキシレンの沸点圧力および3MPaの間の圧力、
・脱着剤流量の供給原料流量に対する比率、0.7から2.5(例えば、単独型吸着ユニットについて0.9から1.8および結晶化ユニットと合わせた吸着ユニットについて0.7から1.4)、
・再利用率、2.5から12、好ましくは3.5から6
である。
【0056】
US2985589、US5284992およびUS5629467の教示を参照することができる。
【0057】
工業的な擬似並流吸着ユニットの操作条件は、一般に0.8から7の間である再利用率を除いて、一般に、擬似向流における操作条件と同じである。US4402832およびUS4498991を参照することができる。
【0058】
脱着溶媒は、トルエン等の、供給原料の沸点より低い沸点を有する脱着剤であることができるが、パラジエチルベンゼン(PDEB)等の、沸点が供給原料の沸点より高い脱着剤であることもできる。Cの芳香族の留分中に含有されているパラキシレンを吸着するための、本発明による吸着材の選択性は、900℃において測定されたそれらの強熱減量が一般に4.0から8.0%、好ましくは4.7から6.7%の間である際に最適である。水およびわずかな二酸化炭素が、この強熱減量に含まれる。
【0059】
多孔質固体上への液相の分子の吸着を特性決定するために選択される技術の1つは、漏出点を得ることである。Ruthvenは、彼の著作「Principles of Adsorption and Adsorption Processes」の中で、漏出曲線の技術を、吸着可能成分の群を注入する分析として定義している。
【0060】
次に、本発明を、本発明の特定の実施形態を例示することを意図するが、添付の特許請求の範囲に特許請求されるその範囲を限定しない、以下の実施例により説明する。
【0061】
(実施例)
【実施例1】
【0062】
(比較)
Si/Al比=1.25を有し、1.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトX粉末840g(か焼済の等価物として表す。)を、押出による凝集体の形成を確実にするのに適量の水とともに、カオリン160g(か焼済の等価物として表す。)とよく混合することにより凝集させる。0.7mmの同等の直径を有する凝集体を回収するために、押出品を、乾燥、粉砕し、次いで、窒素気流下において550℃で2時間活性化する。
【0063】
これらの顆粒を、95℃において4段階で0.5M塩化バリウム溶液により交換する。それぞれのステップにおいて、溶液体積の固体質量に対する比率は20mL/gであり、交換を毎回4時間続ける。それぞれの交換の間に、過剰の塩を除去するために、この固体を数回洗浄する。次いでこれを、窒素気流下において200℃の温度で2時間活性化する。
【0064】
バリウム交換率は97%であり、強熱減量(900℃において測定)は6.5%である。
【0065】
真空下において500℃で12時間の前処理後に、77Kにおける窒素吸着によるドビニン法により測定したミクロ細孔体積は0.235cm/gである。
【実施例2】
【0066】
(比較)
Si/Al比=1.25を有し、1.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトX粉末900g(か焼済の等価物として表す。)を、カオリン170g(か焼済の等価物として表す。)、商品名Klebosol(登録商標)30(SiO30重量%およびNaO0.5%を含有)で販売されているコロイド状シリカ70gならびに押出による凝集体の形成を確実にする量の水とよく混合することにより凝集させる。0.7mmの同等の直径を有する凝集体を回収するために、押出品を、乾燥、粉砕し、次いで、窒素気流下において550℃で2時間活性化する。
【0067】
このように得られた顆粒200gを、100±1℃の温度で調節された対のジャケットを備えたガラス反応器中に置き、100g/Lの濃度を有する苛性ソーダ水溶液1.5Lを添加し、この反応媒体を3時間攪拌したままにする。次いで、この顆粒を連続3回の操作で洗浄した後に、反応器から排出する。洗浄の有効性を、洗浄水の最終的なpHを測定することにより確かめ、これは10から10.5の間でなければならない。
【0068】
次いで、バリウム交換を、実施例1のものと同一の操作条件下で行った後に、洗浄し、次いで80℃において2時間乾燥し、最後に窒素気流下において200℃で2時間活性化する。
【0069】
バリウム交換率は95%であり、強熱減量(900℃において測定)は6.5%である。
【0070】
真空下において500℃で12時間の前処理後に、77Kにおける窒素吸着によるドビニン法により測定したミクロ細孔体積は0.256cm/gである。
【実施例3】
【0071】
(比較)
Si/Al比=1.02を有し、2.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトLSX粉末840g(か焼済の等価物として表す。)を、押出による凝集体の形成を確実にするのに適量の水とともに、カオリン160g(か焼済の等価物として表す。)とよく混合することにより凝集させる。0.7mmの同等の直径を有する凝集体を回収するために、押出品を、乾燥、粉砕し、次いで、窒素気流下において550℃で2時間か焼する。
【0072】
バリウム交換を、0.7MであるBaCl溶液の濃度を除いて、実施例1のものと同一の操作条件下で行った後に、洗浄し、次いで80℃において2時間乾燥し、最後に窒素気流下において200℃で2時間活性化する。
【0073】
バリウム交換率は98%であり、強熱減量(900℃において測定)は6.5%である。真空下において500℃で12時間の前処理後に、77Kにおける窒素吸着によるドビニン法により測定したミクロ細孔体積は0.205cm/gである。
【実施例4】
【0074】
(比較)
Si/Al比=1.01を有し、2.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトLSX粉末840g(か焼済の等価物として表す。)、およびカオリン160g(か焼済の等価物として表す。)を、押出による凝集体の形成を確実にするのに適量の水とよく混合および凝集させる。0.7mmの同等の直径を有する凝集体を回収するために、押出品を、乾燥、粉砕し、次いで、窒素気流下において550℃で2時間活性化する。
【0075】
このように得られた顆粒200gを、95±1℃の温度で調節された対のジャケットを備えたガラス反応器中に置き、220g/Lの濃度を有する苛性ソーダの水溶液700mLを添加し、この反応媒体を3時間攪拌したままにする。
【0076】
次いで、この顆粒を連続4回の操作で洗浄した後に、反応器から排出する。洗浄の有効性を、洗浄水の最終的なpHを測定することにより確かめ、これは10から10.5の間でなければならない。
【0077】
次いで、バリウム交換を、実施例1のものと同一の操作条件下で行った後に、洗浄し、次いで80℃において2時間乾燥し、最後に窒素気流下において200℃で2時間活性化する。
【0078】
バリウム交換率は97%であり、強熱減量は6.5%である。真空下において500℃で12時間の前処理後に、77Kにおける窒素吸着によるドビニン法により測定したミクロ細孔体積は0.235cm/gである。
【実施例5】
【0079】
(本発明による)
Si/Al比=1.25および1.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトX粉末、ならびにSi/Al比=1.01および2.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトLSX粉末からなり、LSX/Xモル比が0.54、1および1.86である粉末である3種の混合物を調製する。
【0080】
次いで、それぞれのこれらの混合物900g(か焼済の等価物として表す。)を、カオリン170g(か焼済の等価物として表す。)および押出による凝集体の形成を確実にするのに適量の水とよく混合することにより凝集させる。0.7mmの同等の直径を有する凝集体を回収するために、押出品を、乾燥、粉砕し、次いで、窒素気流下において550℃で2時間活性化する。
【0081】
バリウム交換を、実施例1のものと同一の操作条件下で行う。これら3種の生成物のバリウム交換率を、以下の表1に示す。真空下において500℃で12時間の前処理後に、77Kにおける窒素吸着によるドビニン法により測定したミクロ細孔体積は、LSX/X比=0.54をもつ試料について0.229cm/g、LSX/X比=1を有する試料について0.236、LSX/X比=1.86を有する試料について0.230である。
【0082】
【表1】
【実施例6】
【0083】
実施例5において調製した3種の試料を、6.5%の強熱減量(900℃において測定)を固定するために、窒素気流下において200℃で2時間、単一のステップで同様に活性化する。
【0084】
次いで、これらの3種の試料ならびに実施例1および3において調製した同じ強熱減量を有する試料を、フロンタルクロマトグラフィー装置(漏出の技術)により評価して、パラキシレン−メタキシレン選択性またはパラキシレン−エチルベンゼン選択性をそれぞれ決定する。
【0085】
漏出の技術は、等量のパラキシレンおよびメタキシレンまたはパラキシレンおよびエチルベンゼン、ならびに少量の吸着不能の痕跡を含有する供給原料を、群の形で、溶媒で再飽和されたゼオライトシーブが充填されたカラム中に、この方法の温度で注入することにある。次いで、この注入に対する応答を時間とともに監視する。
【0086】
この目的のために、カラムから出た溶出物を、小さな体積のバイアル中に、フラクションコレクターを用いてサンプリングする。次いで、このバイアルの内容物を、ガスクロマトグラフィーにより分析する。得られた結果を、グラフの形、すなわち、時間の(または溶出体積の)関数としての、溶出物中に含有されている様々な成分の組成で表す。この曲線は、シーブの熱力学的および速度論的な挙動を特性決定するために用いられ得る。これは特に、成分AおよびBの間の分離の選択性、前に定義したようにαA/Bを決定するのに役立つ。
【0087】
ミクロ細孔体積も、真空下において500℃で12時間の前処理後に、77Kにおける窒素吸着によるドビニン法により測定する。このように得られたドビニン体積を、選択性および効率についての結果と一緒に表2に示す。
【0088】
驚くべきことに、X結晶およびLSX結晶の混合物を含む試料の効率基準が、2つの構造の1つのみを含む試料の効率基準より実質的に高いことが見出される。
【0089】
【表2】
【実施例7】
【0090】
(本発明による)
Si/Al比=1.25および1.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトX粉末ならびにSi/Al比=1.01および2.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトLSX粉末の、LSX/Xモル比=1を有する混合物を調製する。
【0091】
次いで、それぞれのこれらの混合物900g(か焼済の等価物として表す。)を、カオリン170g(か焼済の等価物として表す。)、商品名Klebosol(登録商標)30(SiO30重量%およびNaO0.5%を含有)で販売されているコロイド状シリカ70gならびに押出による凝集体の形成を確実にする量の水とよく混合することにより凝集させる。0.7mmの同等の直径を有する凝集体を回収するために、押出品を、乾燥、粉砕し、次いで、窒素気流下において550℃で2時間活性化する。
【0092】
このように得られた顆粒200gを、100±1℃の温度で調節された対のジャケットを備えたガラス反応器中に置き、100g/Lの濃度を有する苛性ソーダ水溶液1.5Lを添加し、この反応媒体を3時間攪拌したままにする。次いで、この顆粒を連続4回の操作で洗浄した後に、反応器から排出する。洗浄の有効性を、洗浄水の最終的なpHを測定することにより確かめ、これは10から10.5の間でなければならない。
【0093】
次いで、バリウム交換を、実施例1のものと同一の操作条件下で行った後に、洗浄し、次いで80℃において2時間乾燥し、実施例5におけるように強熱減量を6.5%に固定するために、最後に窒素気流下において200℃で2時間活性化する。
【0094】
バリウム交換率は97.2%である。
【0095】
これらの試料を、実施例2および4によりそれぞれ調製した、2種の比較の100%Xおよび100%LSXの試料と一緒に、実施例6にも記載のフロンタルクロマトグラフィー装置で試験した。
【0096】
ミクロ細孔体積も、真空下において500℃で12時間の前処理後に、77Kにおける窒素吸着によるドビニン法により測定する。このように得られたドビニン体積を、表3に示す。
【0097】
選択性および効率基準についての結果を表3に示し、実施例6に記載の吸着材に関する表2の結果も再掲する。
【0098】
【表3】
【0099】
表2および3からの結果は、驚くべきことに、XからまたはLSXからのみ構成されるシーブと比べて、X/LSX混合物をベースとした本発明による凝集体による効率基準がはるかに大きいことを示している。
【0100】
図1は、X/LSX混合物をベースとした本発明による凝集体中に存在するゼオライトLSXの量(x軸上)の関数としてのドビニン体積(y軸上)の変化を表す。
【0101】
x軸上の値0は、ゼオライトX単独をベースとした凝集体に対応する一方で、値1は、ゼオライトLSX単独をベースとした凝集体に対応する。
【0102】
図1からのグラフは、本発明によるX/LSX混合物をベースとした凝集体が得られた際における、ドビニン体積に対する予期せぬ効果を示している。すなわち、得られたドビニン体積は、真っ直ぐな点線により表される、論理的に期待されるドビニン体積より大きい。
【実施例8】
【0103】
強熱減量の関数としてシーブの性能を評価するために、X結晶のみを含有する試料(実施例2により調製)および実施例3に記載の方法により調製されるLSX/Xモル比=1を有する試料の様々な活性化を行った。すなわち、
−5%の強熱減量(900℃において測定)を固定するための、窒素気流下における230℃の温度での2時間の活性化、
−8%の強熱減量(900℃において測定)を固定するための、窒素気流下における170℃の温度での2時間の活性化
である。
【0104】
LSX結晶のみを含む試料(実施例4により調製)を、6.5%の強熱減量(900℃において測定)を固定するために、窒素気流下において200℃の温度で2時間活性化した。
【0105】
試料を、実施例6にも記載のフロンタルクロマトグラフィー装置で試験した。
【0106】
以下の表4に、Xのみを含むシーブおよびLSX/Xモル比=1を有するシーブについて得られたPX/MXの選択性およびキシレン吸着能力(cm/g)を要約する。
【0107】
【表4】
【0108】
試験したすべての強熱減量について、X/LSX混合物をベースとした凝集体の性能は、ゼオライトXのみを含有するシーブの性能およびゼオライトLSXのみを含有するシーブの性能より、同等の条件下で良好である。
【実施例9】
【0109】
Si/Al比=1.25および1.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトX粉末ならびにSi/Al比=1.01および1.6μmの平均結晶サイズを有するゼオライトLSX粉末の、LSX/Xモル=1を有する混合物を調製する。
【0110】
次いで、それぞれのこれらの混合物900g(か焼の等価物として表す。)を、カオリン170g(か焼済の等価物として表す。)および押出による凝集体の形成を確実にする適量の水とよく混合することにより凝集させる。0.7mmの同等の直径を有する凝集体を回収するために、押出品を、乾燥、粉砕し、次いで、窒素気流下において550℃で2時間活性化する。
【0111】
このように得られた顆粒200gを、100±1℃の温度で調節された対のジャケットを備えたガラス反応器中に置き、100g/Lの濃度を有する苛性ソーダ水溶液1.5Lを添加し、この反応媒体を3時間攪拌したままにする。次いで、この顆粒を連続3回の操作で洗浄した後に、反応器から排出する。洗浄の有効性を、洗浄水の最終的なpHを測定することにより確かめ、これは10から10.5の間でなければならない。
【0112】
次いで、バリウム交換を、実施例1のものと同一の操作条件下で行った後に、洗浄し、次いで80℃において2時間乾燥し、実施例5におけるように強熱減量を6.5%に固定するために、最後に窒素気流下において200℃で2時間活性化する。
【0113】
バリウム交換率は97%である。
【実施例10】
【0114】
(比較)
本発明の実施例2により調製される顆粒50%および実施例4により調製されるLSX顆粒50%からなる混合物を調製する。
【0115】
次いで、バリウム交換を、実施例1のものと同一の操作条件下で行った後に、洗浄し、次いで80℃において2時間乾燥し、実施例5におけるように強熱減量を6.5%に固定するために、最後に窒素気流下において200℃で2時間活性化する。
【0116】
バリウム交換率は97.2%である。
【0117】
次いで、X顆粒およびLSX顆粒のこの混合物を、フロンタルクロマトグラフィー装置(漏出の技術)により評価して、パラキシレン−メタキシレンの選択性またはパラキシレン−エチルベンゼンの選択性をそれぞれ決定する。
【0118】
この試験の結果を表5に示す。
【0119】
【表5】
【0120】
表5における結果は、X凝集体およびLSX凝集体の単純混合物では、1つの同じ凝集体の中におけるXおよびLSXの結晶の混合物について観測される相乗効果を得るには不十分であることを示している。
図1