【実施例1】
【0014】
<装置外観の構成>
まず、
図6を用いてにインクジェット記録装置の外観構成について説明する。制御系や循環系を収納した本体600とインク粒子を噴出する印字ヘッド610と、本体600と印字ヘッド610を結ぶケーブル620で構成されている。ケーブル620の長さは一般的に2〜6mである。本体600には、ユーザが印字内容や印字仕様等の入力及び制御内容や装置運転状況等の表示が可能なタッチパネル式液晶パネル630が備えられている。印字ヘッド610の内部には、インク粒子を形成するノズルやインク粒子を帯電・偏向するための電極類が納められおり、ステンレスのカバーで覆われている。印字ヘッド610先端にはインク粒子が通過可能な開口部640が形成されている。本体600の下部には開閉可能な扉670が設けられており、ここから内部メンテナンスを行うことができるようになっている。また外部ユニット690は、本体600の一部の構成面に取り付けられており、本体600とケーブル620を結ぶ流路を収納できるようになっている。ケーブル620は、本体600または外部ユニット690に取り付けられている。
【0015】
<本体内部の構成>
つぎに、本体600の内部構成について
図7を用いて説明する。本体600上部には制御回路645等の電気系部品が配置されている。本体下部680には、電磁弁ユニット650、ポンプユニット655等の循環系制御部品が配置されており、本体下部660にはノズルに供給するインクを貯めたインク容器1と、印字ヘッド610内に収納されている後述するノズル6に供給する溶剤を貯めた溶剤容器16が納められている。扉670を開くことで、インク容器1、溶剤容器16を本体600から引き出せるようになっており、インクや溶剤の補給、廃棄等のメンテナンスが容易にできるように構成されている。
【0016】
<制御回路645の説明>
つぎに、インクジェット記録装置の制御回路645について
図5を用いて説明する。CPU300は、本実施例のインクジェット記録装置の制御を司る中央演算処理装置である。ROM310は、CPU300が動作するのに必要なプログラムや制御データを記憶する読み出し専用のメモリである。RAM305は、プログラム実行途上でCPU300が扱うデータ等を一時的に記憶する書き換え可能なメモリである。バスライン380はCPU300からのデータ、アドレス信号、コントロール信号全てを含む信号ラインである。インターフェース回路315は、データ、アドレス信号、コントロール信号等の入出力を仲介する。
【0017】
ポンプ制御回路320は、CPU300からの命令に基づいて供給ポンプ2、回収ポンプ14の動作制御を行う。電磁弁制御回路340は、CPU300からの命令に基づいて後述する供給弁33、回収弁34、圧抜き弁101等のすべての電磁弁の動作制御を行う。励振源370はノズル動作条件に基づいた励振信号を作成し、ノズル6にある圧電アクチュエータ(図示せず)を駆動する。位相検出回路330は、後述するガター11で回収したインク粒子の帯電量を検出する後述する位相センサ60から信号を受け、記録信号の印加タイミングを決定する。記録信号源360は入力された印字データに基づいて各インク粒子の記録信号及び印字有無情報を作成後、RAM305に保存し、CPU300からの命令に基づいて帯電電極7に記録信号を印加する。
【0018】
外部エア制御回路380は、インクジェット記録装置に圧縮エアを与えるエア源の動作制御を行う。また温度検出回路390は、インクジェット記録装置内部や外部に配された複数の温度センサの信号を検出し、温度や温度差を算出する。本実施例では、温度センサとしてサーミスタを使用し、本体600内のインク温度T
1、印字ヘッド内部温度T
2、外部ユニット690の内部温度T
3、本体600の周囲温度T
4を測定する。
【0019】
<記録装置の説明>
つぎに、本発明による第一の実施例のインクジェット記録装置の流路系統および記録動作について
図1を用いて説明する。
【0020】
インクや溶剤ガスのインク容器1への流入やインク容器1からの流出は、インク容器1に接続されたインク供給流路21、インク回収流路22A、インク回収流路22B、エア循環流路26A(ガス供給流路とも呼ぶ。)、インク循環流路26B、圧抜き流路24(大気開放流路とも呼ぶ。)を通して行われる。本実施例においては、エア循環流路26Aと圧抜き流路24とは、別々に設けられている。すなわち、エア循環流路26Aと圧抜き流路24とは、それぞれ独立した流路を構成している。
【0021】
<溶剤供給流路25の説明>
溶剤供給流路23は、溶剤容器16に貯留されている溶剤を溶剤ポンプ15を用いてノズル6に供給し、ノズル6から吐出された溶剤はガター11で回収された後、インク回収流路22経由でインク容器1に回収される。これは主にインク固着によるノズル6の詰まりの防止や、インク容器1内のインクの濃度を調整するために行われる。
【0022】
なお、溶剤供給流路23をインク容器1に接続することで、溶剤を溶剤容器16からインク容器1に直接補給してもよい。また本実施例では、溶剤容器16内で蒸発した溶剤ガスは、蒸気排出流路25より本体600外に排出するようにしているが、蒸気排出流路25をインク容器1と接続することで、圧抜き流路24より本体600外に排出するようにしてもよい。
【0023】
<インク供給流路21と印字原理の説明>
インク供給流路21には、インク容器1、インクを圧送する供給ポンプ2、流路の開閉を行う供給弁33、フィルタ5、インク圧力を調節する調圧弁3、供給インクの圧力を計測する圧力計4、切替弁32が備えられており、インク容器1のインクを所定の圧力にてノズル6に供給するようになっている。なお、切替弁32は三方型電磁弁であり、切替弁32にはインク供給流路21と溶剤流路23が接続されており、ノズル6にインクと溶剤の供給を切替ることができる。供給弁33は、二方型電磁弁である。
【0024】
ノズル6より吐出されるインク粒子8は、帯電電極7で帯電された後、偏向電界中を飛翔する。偏向電界は、5〜6kVの高電圧が印加された高圧電極9と接地されたグランド電極10との間に形成されており、帯電したインク粒子8Aは、その帯電量に応じて偏向される。その後、被印字物12に付着し、印字が行われる。印字に使用されないインク粒子8Bは、ガター11に取り込まれ、インク回収流路22を通してインク容器1に回収される。
【0025】
<インク回収流路22Bの説明>
図1に示すようにガター11に接続されているインク回収流路22Bは、インクの回収中に混入した異物を取り除くフィルタ13、回収したインクの帯電量を検出する位相センサ60、ガター11に負圧を発生させる回収ポンプ14、インク回収流路の開閉を行う回収弁34が備えられており、ガター11で取り込まれたインクをインク容器1に送って回収するようになっている。回収弁34は電磁式二方弁であり、インク回収時は開放されている。ガター11では、インクとともに溶剤ガス循環流路26から供給される溶剤ガスを吸い込むため、インク回収流路22A内では気液混合状態で回収され、インク容器1に戻される。インク容器1は流入するインクを貯留するのに十分な空間が備えられており、溶剤ガスは密度差によりインク液面30上方に移動する。すなわち、インク容器1は、気液分離機能を備えており、気液分離部と呼ぶこともできる。また、気液分離部をインク容器1に設けたということもできる。インク容器1は、溶剤ガス循環流路26以外に溶剤ガスが漏れ出ることのないように密閉されているため、溶剤ガスはインク液面30の上方に導入口が設置された溶剤ガス循環流路26に導かれる。またインク容器1に回収されたインクは、インク液面30の下方に導入口が開口されたインク供給流路21から供給ポンプ2により吸い出され、ノズル6に供給される。
【0026】
本実施例で用いた回収ポンプ14はダイヤフラム式ポンプであり、エア流量150〜200ml/分で吸引できる能力を持つ。また本実施例では、インク回収流路22に使用される接続チューブは内径2mm、長さ2〜6mのテフロン(登録商標)チューブである。
【0027】
<ガター11構造>
次に、ガター11の詳細について
図8を用いて説明する。
図8に示すように、ガター11は、ガターパイプ40、及びガターブロック45、を備えて構成されている。ガター11は、ガターベース17に載置されており、ガターベース17には、ガターパイプ40で回収したインクを回収する、ガターパイプ40と接続されたインク回収流路22Aが形成されており、インク回収経路22Aは、位相センサ60を介してインク回収流路22Bに接続されている。ガターパイプ40とインク回収流路22Aの接続部には、インクや溶剤等の液体の漏れを防ぐためのシール材であるOリング46Aが取り付けられている。また、ガターベース40には、循環ガスをガターパイプ40に供給する溶剤ガス循環流路26Bが形成されており、ガターブロック45内に形成されている溶剤ガス供給流路44に接続されている。溶剤ガス循環流路26Bと溶剤ガス供給流路溶剤ガス供給流路44の接続部には、溶剤ガスが漏れ出すことを防止するためのシール材であるOリング46Bが取り付けられている。
【0028】
ガターパイプ40は、印字に使用されないインク粒子8Bを回収する開口端47から始まる内部の空間が直線状に伸びる第1ガター流路41、第1ガター流路41に接続されたL字状に屈曲形成された第2ガター流路42、及び第2ガター流路42に接続されているとともに、インク回収経路22Aに接続されている内部の空間が直線状に伸びる第3ガター流路43とを備えて構成されている。本実施例においては、ガターパイプ40は、内径0.8mmのステンレスパイプを用いて構成されている。第1ガター流路41には設けた貫通孔48に溶剤ガス供給流路44が接続されており、溶剤ガス供給流路44から第1ガター流路41に溶剤ガスを供給するようになっている。
【0029】
ガターブロック45は、溶剤ガスが流れる循環ガス供給流路44が形成されており、ガターパイプ40に接続されている循環ガス供給流路44は、第1ガター流路41からのインクの浸入を防止するために、絞り44Bを有した段付流路構造をしている。本実施例では、第3ガター流路44の流路44Aの内径1mm、絞り44Bの内径0.6mmとし、溶剤ガス循環流路26Bへのインク浸入を防止している。また流路44と接続する溶剤ガス循環流路26Bの内径は1mmで、接続部で段差が無いようにしてある。
【0030】
ガターブロック45で支持するガターパイプ40は、その両端を除いてガターブロック45に内包され、密着固定されている。なお、印字に使用するインク粒子8Aのうち、偏向量の小さくガター11近くを飛翔するインク粒子8Aがガターブロック45へ衝突することを回避するために、ガターパイプ40のインク粒子8Bが侵入する側の開口端47の周辺には、ガターブロック45が無いことが望ましい。即ち、開口端47は、外見上においては、0.5〜2mm程度ガターブロック45より突き出ていることが望ましく、本実施例では1mm突き出た配置となっている。
【0031】
ガターベース17には、溶剤ガスを流す溶剤ガス循環流路26Bと、インク回収流路22Aが形成されている。溶剤ガス循環流路26Cは溶剤ガス循環流路26Bと循環ガス供給流路44と接続している。また、インク回収流路22Aは、位相センサ60を介してインク回収流路22と、ガター流路43と接続している。印字に使用しないインク粒子8Bは、ガターパイプ40の開口端47に入り、回収ポンプ14により発生した負圧により、第1ガター流路41、第2ガター流路42、第3ガター流路43、インク回収流路22A、及びインク回収経路22Bを通して、インク容器1へ吸引回収される。インク容器1から排出される溶剤ガスは、溶剤ガス循環流路26A,溶剤ガス循環流路26B、循環ガス供給流路44、及び貫通孔48を通って、第1ガター流路41内に供給される。
【0032】
また、流路44Aをガターパイプ40に接続しなくても良い。即ち、
図10に示すように供給流路44の流路44Aに供給された溶剤ガスはガターブロック45に設けられた溶剤ガス排出孔44Cから排出し、ガターパイプ40に流路44Aを直接接続しなくてもよい。溶剤ガス排出孔44Cから排出された溶剤ガスは、回収ポンプ14により発生した負圧により矢印49のように流れ、印字に使用しないインク粒子8Bとともにガターパイプ40の開口端47に吸引されることとなる。
【0033】
<インク容器:圧抜き流路24>
図1に示すようにインク容器1に回収されたインクは、インク液面30の下方に導入口が設置されたインク供給流路21から供給ポンプ2により吸い出され、ノズル6に供給される。またインク容器1に導かれた溶剤ガスは、インク液面30の上方に導入口が設置された溶剤ガス循環流路26A、または圧抜き流路24に導かれる。
【0034】
圧抜き流路24には、流路の開閉を行う圧抜き弁101が備えられている。本実施例では、圧抜き流路24に使用した接続チューブは内径2mm、長さ0.5mのテフロンチューブが使用されており、インク容器1側のチューブ端はインク液面30の上方に位置しており、大気側のチューブ端は本体600の外に露出させられている。圧抜き弁101は電磁式二方弁であり、開放することで溶剤ガスをインク容器1から圧抜き流路24を経由して本体600の外部に放出するようになっている。溶剤ガスを溶剤ガス循環流路26に供給する場合は、圧抜き弁101は閉止すればよい。なお、圧抜き弁101は流量調整機能を有する流量調整弁であってもよく、この場合、圧抜き流路24と溶剤ガス循環流路26Aに溶剤ガスを流す割合を調整することができる。
【0035】
<エア循環流路26A、フレッシュエア供給流路71>
エア循環流路26Aはインク容器1から排出される溶剤ガスをフィルタ27を通して、ガター11に供給する。本実施例ではエア循環流路26Aに内径1mm、長さ2〜6mのテフロンチューブを使用した。チューブ内径が3mmを超えて大きくなるとチューブ内に液体が溜まりやすく、詰まりの原因となり易い。逆にチューブ内径が0.5mm未満となると、流路抵抗が大きくなり、溶剤ガスや液体を流すのに大きな圧力が必要となる。よってチューブ内径は1〜2mmの範囲を使用するのが好ましい。
【0036】
またエア循環流路26Aには、フレッシュエアを導くフレッシュエア供給流路71が接続されている。フレッシュエアは、例えばエアコンプレッサのようなエアを加圧供給するエア源70で、エア循環流路26Aを流れる溶剤ガスよりも溶剤濃度が低いエアである。
図1で示すように、フレッシュエアは、本体600外部に設置したエア源70で供給される。また、フレッシュエアは
図9に示すように、本体600内部に設置したエア源70で、本体600内部のエアを供給してもよい。
【0037】
そのため外部エア中の溶剤濃度は、インク容器1より排出される溶剤ガスよりも低く、エア循環流路26A内の溶剤ガスの溶剤濃度が低減され、結露が抑制される。
【0038】
<エア源の動作条件>
エア源70は外部エア制御回路380と接続されており、圧抜き弁101の開閉状態と、既定の場所の温度差△Tにより、動作が決定される。エア源70は、圧抜き弁101が閉状態で、かつ温度差△Tが既定値△T
0以上の場合にのみ運転するように設定されている。
本実施例では、温度差△Tに、本体600内のインク温度T
1と印字ヘッド内部温度T
2の温度差△T=T
1−T
2 、△T
0=3Kとしている。
【0039】
以上の構成とすることで、装置外部温度20℃、本体内部温度30℃において、150ml/分以上の外部エアをエア循環流路26Aに供給することで、エア循環流路26A内での結露は防止できる。また、
図11示すように本体600の一部の構成面にファン695を設けて外気を本体に取り込むことで本体内部温度を低下させることができ、エア源70からのエア供給量を減少させることができる。例えば装置外部温度20℃、本体内部温度を25℃とすれば、75ml/分以上の外部エアをエア循環流路26Aに供給することで、エア循環経路26A内での結露を防止できる。また外部エア供給量200ml/分程度においても、問題なくインク粒子8Aを回収でき、印字に使用するインク粒子8Bの飛翔に影響することはない。
【0040】
なおエア循環流路26Aの結露量は、△T
0とともに増加するため、エア源70が外部エア量を可変にできるのであれば、△T
0に応じて、エア流量を制御してもよい。△T
0が小さくなった場合は外部エアの供給量を減らし、△T
0が大きくなった場合は外部エアの供給量を増やすことで、エア源の効率的な運転が可能となり、省エネが図られる。
【実施例2】
【0041】
つぎに、本発明による第二の実施例のインクジェット記録装置の流路系統について
図2を用いて説明する。なお実施例2は、実施例1に対して外部エアの供給量を低減するために一部改良を施したものであり、実施例1と同一の構成については説明を省略し、異なる構成の部分を中心に説明する。
【0042】
本体600の筐体には、本体600の筺体と同様にステンレス製である外部ユニット690が取り付けられており、
図3に示すように外部ユニット690はシール材685を介して本体600の筺体外部に固定されている。外部ユニット690には、本体600の筺体を通して外部ユニット690に伝わる熱を排除するための外気と連通する孔またはスリット686、687が形成されている。そのため、外部ユニット690は、装置外部温度とほぼ同じ温度に抑制することができる。外部ユニット690内部には、気液分離器50が設置されている。
【0043】
図3に示すように気液分離器50には、エア循環流路26A1、エア循環流路26A2と液回収流路29、外部エア供給流路71が接続されている。
【0044】
エア循環流路26A1は、インク容器1から排出された溶剤ガスや液体(結露液やインク)を、流路58を通して気液分離器50内のチャンバ流路52に供給するようになっている。流路58は外部ユニット690内にあり、本体600の筺体からチャンバ流路52までをつなぐ流路である。本体600内部の温度は、ポンプユニット655や制御回路645の発熱により、外部ユニット690内より高い。そのため、本体600内に配置されたエア循環流路26A1を通った溶剤ガスは、外部ユニット690にある流路58に流入後、流路58内で冷され、溶剤ガス中の溶剤蒸気の一部が液化した結露液とともに、チャンバ流路52に流入する。
【0045】
溶剤ガスからの結露量を多くするためには、溶剤ガスを冷やせばよいため、流路58を冷やす冷却装置や流路を長くすればよい。本実施例では、流路58は長さ約2m、内径2mmのテフロンチューブで構成し、外部ユニット内に収納した。なお、結露量を増やすために、
図4の構成のように、チャンバ流路52に冷却装置57を持たせてもよい。冷却装置57は、チャンバ流路52の温度を装置外周囲温度(室温)以下または、本体600の内部温度より低温にできる方法なら手段を選ばず、例えば圧縮エアやファンによる強制空冷や、ペルチェ素子による熱電素子が利用できる。また、冷却装置57をチャンバ流路52にも持つ場合、流路58のチューブ長を2m以下に短くすることもできる。
【0046】
液回収流路29は、チャンバ流路52で分離した結露液を溶剤容器16に戻すための流路であり、流路を開閉できる二方型電磁弁36が設けてある。チャンバ流路52で、結露液はエア循環流路26Aよりも重力下側72に溜まり、溶剤ガスは流路59を介してエア循環流路26A2に排出される。重力下側72に溜まった結露液は、二方型電磁弁36を開くことで、液回収流路29を経由して溶剤容器16に供給される。本実施例では、30分毎に30秒間、二方型電磁弁36を開けるように制御し、チャンバ流路52で分離した結露液を溶剤容器16に移送した。
【0047】
また、エア循環流路26A2は、エア源70からの外部エアを導く外部エア供給流路71に接続されており、エア循環流路26A2には気液分離器50から排出される溶剤ガスと外部エアの混合エアが供給されるようになっている。溶剤ガスは、溶剤を含まない外部エアとの混合されるため、その溶剤濃度が薄められた状態で、ガター11に供給される。
また、実施例1と同様に
図12示すように本体600の一部の構成面にファン695を設けて外気を本体に取り込むことで本体内部温度を低下させることとしてもよい。
以上の構成により、外部エアによる溶剤濃度の低減に加え、流路58での溶剤ガスを冷却することによる液化量の増加を実施することにより、実施例1に比べ、ガター11に供給する溶剤ガスが含む溶剤分をより低減することができる。よって、エア循環流路26A2内での結露発生を抑制でき、ガター11より結露液が流出することが防止可能となる。また、エア循環流路26A2内での溶剤ガスが含む溶剤が少ないため、外部エアの供給量を低減し、エア源70の省エネ化や外部エア供給による溶剤揮発量の低減が図れる。本実施例では、装置外部温度20℃、本体内部温度30℃において、90ml/分以上の外部エアをエア循環流路26A2に供給することで、エア循環流路26A2内での結露発生を低減でき、ガター11からのインクや溶剤の溢れを防止できる。