(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の横型は、前記キャビティと同一軸で前記開口部に向かって縮径して先端部に当該開口部が開口する円錐台部とこの円錐台部の大径側に繋がる中空円柱部とを有し、
前記一方の金型は、前記横型ホルダが前記横型の径方向断面下半分相当に合致する下側半円凹部を有し、前記仕切部が前記下側半円凹部の立ち上がる周壁部分に相当し、
前記他方の金型は、前記一方の金型の上方に位置し、前記横型の径方向断面上半分相当に合致する上側半円凹部を有し、
前記他方の金型の前記上側半円凹部の立ち下がる周壁部分の下端が、前記一方の金型の前記仕切部の上端に当接して前記閉塞空間を形成する場合において、
前記パンチ穴を中心に前記一方の金型上で放射状に配置可能に前記複数の横型を前記パンチ穴方向に前進させ得る横型移動手段と、
前記複数の横型を反重力方向および前記パンチ穴方向に付勢する付勢手段と、を備え、
前記閉塞空間を形成する前に、前記横型移動手段は、前記横型の円錐台部の先端が前記パンチ穴に突出するまで前記横型を前記付勢手段とともに前進させ、
前記閉塞空間を形成する際に、前記他方の金型は、前記上側半円凹部が前記横型の円錐台部に当接して、前記付勢手段に抗して前記横型を重力方向に付勢することを特徴とする請求項1記載の閉塞鍛造装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術によると、金属素材の成形は、複数の金型と上下のパンチで行われることから、上下方向については上下のパンチで加圧可能な範囲でしか形状を規定することができない。即ち、当該技術による複数の金型は、軸形成孔により軸部を成形するためその軸方向を型締方向にせざるを得ない。そのため、軸部の付け根部分の上下方向に位置するパンチ面の外側周囲に当該金型により凹凸状を形成する場合には、型抜きが可能な形状に限られて複雑な形状や型抜き方向に向かって
拡径する、いわゆる逆テーパ等を成形し難いという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献1の技術によると、型締め時に複数の金型で素材の周囲を隙間なく囲むとともに均等な閉塞力で型締めをする必要から、これらの金型には金型同士を面接触させ得る分割テーパ部が設けられている。そのため、複数の金型のいずれかの分割テーパ部に歪みやずれが生じた場合には、歪み等のない他の金型の位置ずれをも招いてしまうことから、成形後の多方向軸部品の軸ずれに直結した品質低下の原因になり得るという問題がある。
【0007】
さらに、上記特許文献1の技術によると、複数の金型の型締機構として、プレス装置のメインラムとベッドによる上下方向の加圧力を型締方向(横方向)に変換し得るカムを採用している。そのため、上下のパンチで加圧された素材は、金型の軸形成孔に流入する際に型締方向と反対の離型方向に押し返す力が複数の金型に作用しさらにカムを上下させるメインラムとベッドにも伝わることから、これに対抗し得る加圧力を発生可能なプレス装置を用意する必要があり設備の大型化を招くという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、バリの発生のない軸部を成形し得るとともに、パンチ面の外側周囲を任意の形状に成形し得る閉塞鍛造装置および閉塞鍛造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、放射状軸部品の品質向上し得る閉塞鍛造装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明の別の目的は、設備の大型化を抑制し得る閉塞鍛造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載された請求項1の技術的手段を採用する。この手段によると、一方の金型は、パンチ穴を中心に複数の横型を放射状に位置決め可能に複数の横型に対応する複数の横型ホルダ、および、これらの複数の横型ホルダのうち周方向に隣接する横型ホルダの双方の一部を形成するとともにパンチ穴の外側周囲形状の一部
にパンチ穴から離れる方向に肉厚が厚くなる逆テーパ形状を形成する仕切部を有し、他方の金型は、一対のパンチ、一方の金型および複数の横型によって閉塞空間を形成可能に一方の金型に対応して設けられる。これにより、閉塞空間内の金属素材を一対のパンチで加圧すると、当該金属素材は、複数の横型のキャビティに押し出されるとともに、パンチと一方の金型(の仕切部)との間、つまりパンチ穴の外側周囲にも押し出される。このため、軸部は横型により成形され、パンチ穴の外側周囲は一方の金型により成形される。
【0010】
また、特許請求の範囲に記載された請求項2の技術的手段を採用する。この手段によると、複数の横型は、キャビティと同一軸で開口部に向かって縮径して先端部に当該開口部が開口する円錐台部とこの円錐台部の大径側に繋がる中空円柱部とを有する。また、一方の金型は、横型ホルダが横型の径方向断面下半分相当に合致する下側半円凹部を有し、仕切部が下側半円凹部の立ち上がる周壁部分に相当する。さらに、他方の金型は、一方の金型の上方に位置し、横型の径方向断面上半分相当に合致する上側半円凹部を有し、他方の金型の上側半円凹部の立ち下がる周壁部分の下端が、一方の金型の仕切部の上端に当接して閉塞空間を形成する。これにより、横型は円錐台と円柱とを繋げた外径をなす一方で、横型ホルダは横型の径方向断面下半分相当に合致する下側半円凹部を有するので、一方の金型の横型ホルダに当該横型を載置することで、パンチ穴を中心とした放射状に複数の横型を容易に位置決めすることができる。またこの位置決めは、複数の横型同士が相互に影響することなく、独立して一方の金型の横型ホルダにより位置決めされ、さらに他方の金型には、横型の径方向断面上半分相当に合致する上側半円凹部を有するので、他方の金型の上側半円凹部によっても、位置合わせが行われるため、パンチ穴を中心とした放射状の位置決めを確実にすることができる。
【0011】
また、この手段において、パンチ穴を中心に一方の金型上で放射状に配置可能に複数の横型をパンチ穴方向に前進させ得る横型移動手段と、複数の横型を反重力方向およびパンチ穴方向に付勢する付勢手段と、を備える。そして、閉塞空間を形成する前に、横型移動手段は、横型の円錐台部の先端がパンチ穴に突出するまで横型を付勢手段とともに前進させ、閉塞空間を形成する際に、他方の金型は、上側半円凹部が横型の円錐台部に当接して、付勢手段に抗して横型を重力方向に付勢する。これにより、複数の横型は、閉塞空間を形成する前(一方の金型と他方の金型とを当接させる前)においては、円錐台部の先端がパンチ穴に突出するまで前進した位置で付勢手段によって反重力方向およびパンチ穴方向に付勢、つまり一方の金型方向およびパンチ穴方向に向けて横型ホルダから浮いた状態を維持し、閉塞空間を形成する際(一方の金型と他方の金型とを当接させる際)においては、他方の金型の上側半円凹部が横型の円錐台部に当接して、付勢手段に抗して横型を重力方向に付勢する。このため、横型の円錐台部が一方の金型の下側半円凹部に当接することで、当該横型は、円錐台の斜面に沿って下側半円凹部の拡径方向、つまり付勢手段の付勢力に抗した反パンチ穴方向に移動するので、一方の金型と他方の金型とが当接して閉塞空間を形成する際に、横型に加わり得る反パンチ穴方向に働く力を付勢手段の付勢力による緩衝作用によって緩和することが可能となり、横型の破損を防止することができる。また、一方の金型と他方の金型とが当接して閉塞空間を形成する前においては、横型は横型ホルダから浮いた状態を維持することから、横型ホルダ上で『遊び』をつくることが可能となり、一方の型と他方の型との協働による横型の位置決めが容易になる。
【0012】
また、特許請求の範囲に記載された請求項
3の技術的手段を採用する。この手段によると、横型移動手段は、横型の移動方向軸とは異なる軸方向に移動可能な一方のカムと横型の移動方向軸と同じ軸方向に移動可能な他方のカムとからなり、一方のカムは、所定方向に移動して他
方のカムを、付勢手段とともに横型を前進させる方向に押した後、前進後の他方のカムの後方に位置し、一方のカムのさらに後方には、一方の金型の周囲を囲む環状部材が位置する。これにより、前進後の横型は、後退方向に移動をしようとしても、その方向には移動方向軸が異なる一方のカムが位置するので、当該横型の後退を阻止することができる。そして、さらに一方のカムの後方に一方の金型の周囲を囲む環状部材が位置するため、一方の金型と他方の金型とが当接して閉塞空間を形成する際や一対のパンチによって金属素材を閉塞空間内に押し出す際に、横型のキャビティ内で反パンチ穴方向に作用する力が加わっても、このような一方のカムや環状部材により対抗することが可能となる。
【0013】
また、特許請求の範囲に記載された請求項
4の技術的手段を採用する。この手段によると、対向する一対のパンチと、軸部の形状をなすキャビティを有する複数の横型と、パンチ穴を中心に複数の横型を放射状に位置決め可能に複数の横型に対応する複数の横型ホルダおよびこれらの複数の横型ホルダのうち周方向に隣接する横型ホルダの双方の一部を形成するとともにパンチ穴の外側周囲形状の一部を形成する仕切部を有する一方の金型と、パンチ穴を有するとともに一方の金型に対応して設けられる他方の金型と、によって閉塞空間を区画形成し、閉塞空間内の金属素材を一対のパンチで加圧することでキャビティとパンチ穴の外側周囲に金属素材を押し出して放射状軸部品を鍛造する。これにより、軸部は横型により成形され、パンチ穴の外側周囲は一方の金型により成形される。
さらに、特許請求の範囲に記載された請求項5の技術的手段を採用する。この手段によると、複数の軸部の付け根に繋がる前記放射状軸部品の本体部は、一対のパンチ、一方の金型および他方の金型により成形され、複数の軸部は、複数の横型により成形され、本体部の側壁部には、一方の金型と他方の金型との合わせ面によるバリが形成されており、数の軸部には、バリが形成されていない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、閉塞空間内の金属素材を一対のパンチで加圧すると、当該金属素材は、複数の横型のキャビティに押し出されるとともに、パンチと一方の金型(の仕切部)との間、つまりパンチ穴の外側周囲にも押し出される。このため、軸部は横型により成形され、パンチ穴の外側周囲は一方の金型により成形される。
そして、外側周囲形状の一部においては、パンチ穴から離れる方向に肉厚が厚くなる。したがって、軸部においてはバリの発生がなく、パンチ面の外側周囲は
、型抜き方向に向かって
拡径する、いわゆる逆テーパ
に成形することができる。
【0015】
請求項2の発明では、横型は円錐台と円柱とを繋げた外径をなす一方で、横型ホルダは横型の径方向断面下半分相当に合致する下側半円凹部を有するので、一方の金型の横型ホルダに当該横型を載置することで、パンチ穴を中心とした放射状に複数の横型を容易に位置決めすることができる。またこの位置決めは、複数の横型同士が相互に影響することなく、独立して一方の金型の横型ホルダにより位置決めされ、さらに他方の金型には、横型の径方向断面上半分相当に合致する上側半円凹部を有するので、他方の金型の上側半円凹部によっても、位置合わせが行われるため、パンチ穴を中心とした放射状の位置決めを確実にすることができる。したがって、放射状軸部品の品質向上することができる。
【0016】
また、請求項
2の発明では、複数の横型は、閉塞空間を形成する前(一方の金型と他方の金型とを当接させる前)においては、円錐台部の先端がパンチ穴に突出するまで前進した位置で付勢手段によって反重力方向およびパンチ穴方向に付勢、つまり一方の金型方向およびパンチ穴方向に向けて横型ホルダから浮いた状態を維持し、閉塞空間を形成する際(一方の金型と他方の金型とを当接させる際)においては、他方の金型の上側半円凹部が横型の円錐台部に当接して、付勢手段に抗して横型を重力方向に付勢する。このため、横型の円錐台部が一方の金型の下側半円凹部に当接することで、当該横型は、円錐台の斜面に沿って下側半円凹部の拡径方向、つまり付勢手段の付勢力に抗した反パンチ穴方向に移動するので、一方の金型と他方の金型とが当接して閉塞空間を形成する際に、横型に加わり得る反パンチ穴方向に働く力を付勢手段の付勢力による緩衝作用によって緩和することが可能となり、横型の破損を防止することができる。また、一方の金型と他方の金型とが当接して閉塞空間を形成する前においては、横型は横型ホルダから浮いた状態を維持することから、横型ホルダ上で『遊び』をつくることが可能となり、一方の型と他方の型との協働による横型の位置決めが容易になる。したがって、放射状軸部品の品質を一層向上することができる。
【0017】
請求項
3の発明では、前進後の横型は、後退方向に移動をしようとしても、その方向には移動方向軸が異なる一方のカムが位置するので、当該横型の後退を阻止することができる。そして、さらに一方のカムの後方に一方の金型の周囲を囲む環状部材が位置するため、一方の金型と他方の金型とが当接して閉塞空間を形成する際や一対のパンチによって金属素材を閉塞空間内に押し出す際に、横型のキャビティ内で反パンチ穴方向に作用する力が加わっても、このような一方のカムや環状部材により対抗することが可能となる。したがって、一方のカムや環状部材が設けられていない場合に比べ、反パンチ穴方向の力に抗して横型の後退を阻止するために必要となる抗力を小さくできるので、当該抗力を発生させる加圧装置の小型化が可能になり、設備の大型化を抑制することができる。
【0018】
請求項
4の発明では、軸部は横型により成形され、パンチ穴の外側周囲は一方の金型により成形される。
そして、外側周囲形状の一部においては、パンチ穴から離れる方向に肉厚が厚くなる。したがって、軸部においてはバリの発生がなく、パンチ面の外側周囲は
、型抜き方向に向かって拡径する、いわゆる逆テーパに成形することができる。
また、請求項5の発明で製造された放射状軸部品には、その本体部の側壁部にバリ(分割線やパーティングラインともいう)が形成される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の閉塞鍛造装置および閉塞鍛造方法の実施形態を図に基づいて説明する。なおここでは、複数の軸部が放射状に形成される放射状軸部品の一例として、ユニバーサルジョイント(自在継手)用のスパイダを挙げて説明する。
【0021】
<<閉塞鍛造装置の構成>>
まず、本実施形態に係る閉塞鍛造装置10の構成概要を
図1を参照して説明する。なお、
図1(A)には、閉塞鍛造装置10の縦断面(
図1(B)に示す一点鎖線1Aによる断面)、
図1(B)には、
図1(A)に示す一点鎖線1Bによる横断面、がそれぞれ図示されている。
【0022】
図1に示すように、閉塞鍛造装置10は、型締めされた閉塞空間S内の素材Mを上下からほぼ同じ速度および圧力で加圧してワーク100を押出し成形する同期閉塞方式を採用するもので、主に、ラム11、ベッド12、上型ダイベース15、下型ダイベース16、ダイリング21,22、上型ダイ23、下型ダイ24、インサートパンチ31、ノックアウトパンチ32、横型装置50、カム機構等から構成されている。
【0023】
なお、素材Mとしては、円柱や角柱等の柱状に成形されたクロム鋼(SCr415,SCr420)やクロムモリブデン鋼(SCM415,SCM420)等のクロム系の鋼材が例示されるが、塑性変形可能な材料であれば他の金属やその他の非金属材料であっても良い。
【0024】
ラム11およびベッド12は、一般のプレス装置と同様に、図略のフレームに固定された下方(重力方向)のベッド12に対して、その上方(反重力方向)からラム11が上下動可能に構成されている。ラム11は「スライダ」とも称される。
【0025】
ラム11には、上型ダイベース15を所定ストローク(所定距離)間で上下動可能に保持するフランジ状のガイド13が形成されており、ベッド12にも下型ダイベース16を同様に上下動可能に保持するガイド14が形成されている。
【0026】
上型ダイベース15は、円盤形状をなす厚肉の板状部材で、ラム11の下方で所定ストローク(所定距離)間を移動可能に、ロッド17を介し図略の上主シリンダに取り付けられている。同様に、下型ダイベース16も、円盤形状をなす厚肉の板状部材で、ベッド12の上方で所定ストローク(所定距離)間を移動可能に、ロッド18を介し図略の下主シリンダに取り付けられている。
【0027】
即ち、上型ダイベース15および下型ダイベース16の一端面側外周に形成された環状凸部に、前述したガイド13,14のフランジが係止されることで、上型ダイベース15はラム11の下方で、また下型ダイベース16はベッド12の上方で、それぞれ所定距離間を上下移動可能にしている。
【0028】
なお、上型ダイベース15には、後述するインサートパンチ31およびカム付きフランジ57を貫通可能にする穴が形成されている。また、下型ダイベース16には、ノックアウトパンチ32、上縦カム41およびカム付きフランジ57を貫通可能にする穴が形成されている。
【0029】
ダイリング21は、上型ダイ23を上型ダイベース15に固定するための環状部材で、上型ダイ23の周囲を囲むように位置している。同様に、ダイリング22は、下型ダイ24を下型ダイベース16に固定するための環状部材で、下型ダイ24の周囲を囲むように位置している(
図1(B)参照)。なお、ダイリング21,22にも、上縦カム41やカム付きフランジ57の貫通を可能にする矩形状の切欠部22aが形成されている。
【0030】
本実施形態の場合、ダイリング21,22に形成される環状凹部(または環状凸部)に、上型ダイ23や下型ダイ24に形成される環状凸部(または環状凹部)が掛止されることによって、ダイリング21,22が六角穴付きボルト19により上型ダイベース15や下型ダイベース16にネジ締結されると、上型ダイ23や下型ダイ24も上型ダイベース15や下型ダイベース16に共締めされるように構成されている。
【0031】
上型ダイ23および下型ダイ24は、インサートパンチ31、ノックアウトパンチ32および横型ダイ51とともに閉塞空間Sを区画形成し得る金型で、上述したように、上型ダイ23はダイリング21を介して上型ダイベース15に、また下型ダイ24はダイリング22を介して下型ダイベース16に、それぞれ固定されている。これらの構成は、
図2を参照して後述する。
【0032】
インサートパンチ31およびノックアウトパンチ32は、上型ダイ23、下型ダイ24および横型ダイ51とともに閉塞空間Sを区画形成し、かつ、素材Mを上下から加圧して閉塞空間S内の隙間に押し出しながら、ワーク100のパンチ範囲(
図1(B)に示すクロスハッチングの範囲)Pを成型し得る機能を有する棒状部材である。
【0033】
ノックアウトパンチ32の上方に位置するインサートパンチ31は、上型ダイ23に形成されるパンチ穴23aを貫通する軸部と、この軸部よりも大径に形成される後端大径部とからなり、この後端大径部の外径はパンチ穴23aの内径よりも大径に形成され、また軸部の軸長は上型ダイ23の厚さよりも大きく設定されている。さらに、上型ダイベース15にも、インサートパンチ31の後端大径部の貫通を可能にするパンチ穴が形成され、その上方には、ラム11の下降とともにインサートパンチ31の後端を加圧可能なパンチピン33が所定間隔を隔てて位置している(
図6参照)。
【0034】
このように構成することで、インサートパンチ31の軸部がパンチ穴23aに挿入されて後端大径部がパンチ穴23aの周縁部に引っかかると、インサートパンチ31は上型ダイ23にぶら下がった状態を維持して、インサートパンチ31の先端が上型ダイ23から突出する。このため、インサートパンチ31は、その先端が素材M等に接触して上方に向く力が加わると、押し上げられて後端がパンチピン33に当接するまでパンチ穴23a内に引っ込むような動きをする。
【0035】
一方、インサートパンチ31の下方に位置するノックアウトパンチ32も、外観形状はインサートパンチ31とほぼ同様に構成されており、下型ダイ24に形成されるパンチ穴24aを貫通する軸部と、この軸部よりも大径で外径がパンチ穴24aの内径よりも大径に形成される後端大径部とからなるが、このノックアウトパンチ32の後端は、下型ダイ24や下型ダイベース16とは独立して上下するパンチピン34に当接した状態を維持している。なお、下型ダイベース16には、ノックアウトパンチ32の後端大径部の貫通を可能にするパンチ穴が形成されている。
【0036】
即ち、ノックアウトパンチ32の軸部が下型ダイ24の下方からパンチ穴24aに挿入されても、軸部よりも大径の後端大径部が下方に位置することから、ノックアウトパンチ32は重力方向(下方)に抜け落ち得る。このため、ノックアウトパンチ32が抜けることなく先端が下型ダイ24のパンチ穴24a内の所定深さ位置を維持するように、ノックアウトパンチ32の後端をパンチピン34が下方から支持している。これにより、パンチピン34の上下動に合わせてノックアウトパンチ32も上下し、パンチ穴24aの周縁部に後端大径部が引っかかる位置がノックアウトパンチ32の先端突出限界となる。
【0037】
横型装置50は、後に詳述する横型ダイ51を含む金型装置で、ワーク100に放射状に形成される軸部の数だけ設けられる。本実施形態の場合、ワーク100はスパイダで、後述するようにその周囲に90度間隔で4箇所に軸部を形成する必要がある。このため、本実施形態では、
図1(B)に示すように、当該横型装置50を4セット設けている。
【0038】
<<横型ダイの構成>>
ここで、横型装置50の全体構成を説明する前に、横型ダイ51の構成を
図2(D)から
図2(F)等を参照して説明する。なお、
図2(D)には横型ダイ51の正面、
図2(E)には横型ダイ51の側面、
図2(F)には横型ダイ51の底面、
図2(G)には
図2(D)に示す一点鎖線2Gによる横型ダイ51の断面、がそれぞれ図示されている。
【0039】
図2(D)等に示すように、横型ダイ51は、上型ダイ23、下型ダイ24、インサートパンチ31およびノックアウトパンチ32とともに閉塞空間Sを区画形成し得る金型で、インサートパンチ31とノックアウトパンチ32とにより上下から加圧された素材Mが押し出されて充填され得るキャビティ52を形成している。このキャビティ52の径方向断面形状は真円近似をなしている。
【0040】
このため、横型ダイ51は、キャビティ52と同一軸で開口部52aに向かって縮径して先端部に当該開口部52aが開口する円錐台部51aと、この円錐台部51aの大径側に繋がる中空円柱部51bと、中空円柱部51bの端部に形成されるフランジ部51cと、から構成されており、キャビティ52内にはワーク100の軸部に軸穴用のガイド穴を形成可能な軸穴ピン53を、キャビティ52と同軸状に収容している。
【0041】
これにより、インサートパンチ31とノックアウトパンチ32により上下から加圧されると、押し出された素材Mが横型ダイ51のキャビティ52に充填されて径方向断面形状が真円近似をなす軸部を備えたワーク100が成形される。つまり、この軸部においてはバリが発生しない。
【0042】
即ち、このような横型ダイ51を用いることなく、上下方向に二分割した上下の金型によってワーク100の軸部を成形した場合には、上型と下型との合わせ面にできる隙間によりバリ(分割線やパーティングラインともいう)が発生するため、このバリを除去する後工程が必要になるが、本実施形態では円錐台部51aと中空円柱部51bとによるキャビティ52でワーク100の軸部を成形するので、軸部においてはそのようなバリができることはなく、バリを除去する後工程を省略することが可能となる[効果1]。
【0043】
<<上型ダイ・下型ダイの構成>>
ここで、
図2(A)〜
図2(C)等に、下型ダイ24の中央部分を含む構成の一部が図示されているので、横型ダイ51に対する上型ダイ23および下型ダイ24の構成を説明する。なお、
図2(A)には下型ダイ24の部分平面(または上型ダイ23の部分底面)、
図2(B)には
図2(A)に示す2B方向矢視、
図2(C)には
図2(A)に示す一点鎖線2Cによる縦断面、がそれぞれ図示されている。また
図2(H)には、
図2(A)に示す一点鎖線2Cによる下型ダイ24の断面において横型装置50を組み合わせた状態が図示されている。
【0044】
上型ダイ23および下型ダイ24は、前述したように、インサートパンチ31、ノックアウトパンチ32および横型ダイ51とともに閉塞空間Sを区画形成し得る金型である。そのため、インサートパンチ31およびノックアウトパンチ32によって加圧された素材Mがパンチ範囲Pの周囲と横型ダイ51とに押し出されて、予定した形状に成形され得るように、上型ダイ23および下型ダイ24は構成される。なお、下型ダイ24の上下関係を逆転させたものが上型ダイ23の構成に相当するため、ここでは
図2(A)等に基づいて下型ダイ24の構成を説明し、上型ダイ23の構成の説明は省略する。
【0045】
図2(A)に示すように、下型ダイ24のほぼ中央には、ノックアウトパンチ32が貫通し得るパンチ穴24aが形成されており、このパンチ穴24aを中心に90度間隔で4つの横型ダイ51を載置可能に4箇所にホルダ凹部26が形成されている。
【0046】
ホルダ凹部26は、円錐凹部26a、円柱凹部26bおよびガイド凹部26cの3つ部分に分かれて構成されており、このうちの円錐凹部26aおよび円柱凹部26bは、前述した横型ダイ51の円錐台部51aと中空円柱部51bとにそれぞれ対応している。またガイド凹部26cは、横型装置50の円筒部55に対応している。
【0047】
即ち、
図2(H)に示すように、横型ダイ51の円錐台部51aの下半円形状(径方向断面下半分)に合致し得るようにホルダ凹部26の円錐凹部26aが形成され、また横型ダイ51の中空円柱部51bの下半円形状(径方向断面下半分)に合致し得るようにホルダ凹部26の円柱凹部26bが形成されている。また、ホルダ凹部26のガイド凹部26cは、横型装置50の横型ダイケース54を構成する円筒部55に対応するように、その下半円形状(径方向断面下半分)に合致し得るように形成されている。
【0048】
これにより、横型装置50は回転体形状をなす一方で、これを受けるホルダ凹部26はいずれも回転体形状の径方向半分(半円状)の凹部によって形成されている。このため、ホルダ凹部26に横型装置50を載置する際には、横型装置50が角柱形状等の非回転体をなす場合に比べて、位置合わせを簡便にすることができる。
【0049】
また、このように下型ダイ24においては、円錐凹部26a、円柱凹部26bおよびガイド凹部26cから構成されるホルダ凹部26が形成されているが、この下型ダイ24は、単に横型ダイ51や横型装置50を保持する機能を有するものではなく、パンチ穴24aの周囲形状を成形可能な金型として機能する部位を備えている。
【0050】
即ち、
図2(A)〜
図2(C)に示すように、隣接するホルダ凹部26間にはホルダ凹部26同士の連通を防ぐ内周壁24bが最頂部である上型ダイ23との合わせ面まで立ち上がって仕切部28を構成している。そのため、このような仕切部28が形成されることなく隣接するホルダ凹部26同士が繋がっている場合、ホルダ凹部26に保持される隣接する横型ダイ51同士が互いに接触し得ることから、一つの横型ダイ51に形状の歪みや位置ずれが生じたときには、歪み等のない他の横型ダイ51の位置ずれを招きそれが全ての横型ダイ51に連鎖するおそれがあるが、本実施形態による下型ダイ24では仕切部28が隔壁の役割を果たすことから、そのような連鎖的な弊害を防止することが可能となる。したがって、パンチ穴24aを中心とした放射状の位置決めを確実にすることができるので、放射状軸部品の品質向上することができる[効果2]。
【0051】
また、パンチ穴24aには、
図2(B)および
図2(C)に示すように、半円形状をなす切欠部24cが形成されており、この切欠部24cと仕切部28に連続する三角形状部24dおよびこの三角形状部24dに繋がる側壁部24eを含むパンチ穴24aの外周周囲において、ワーク100の下面形状を成形することが可能となる。
【0052】
即ち、このような下型ダイ24を用いることなく、4つの横型ダイ51とインサートパンチ31とノックアウトパンチ32とによって、ワークを形成した場合には、インサートパンチ31およびノックアウトパンチ32により加圧されるパンチ範囲Pの周囲は、横型ダイ51によってのみ形状が成形されることになるため、横型ダイ51の型抜き方向に向いて
拡径するような型抜きができない形状(いわゆる逆テーパ)はパンチ穴24aの外周周囲に形成することは困難であったが、本実施形態による下型ダイ24を用いることによりパンチ穴24aの外周周囲に含まれる、切欠部24c、三角形状部24dおよび側壁部24eにおいては任意形状を下型ダイ24によって形成することが可能となる。したがって、例えば、後述するように、ワーク100のパンチ範囲外側周囲112aや側縁部115において、任意形状を成形することができ逆テーパであっても成形できる[効果3]。
【0053】
なお、ここでは便宜的に、円錐台部51a、中空円柱部51bや横型ダイケース54の、下半円形状(径方向断面下半分)と表現をしたが、横型ダイ51は円柱形状をなすキャビティ52の軸を中心とする回転体形状である。また横型ダイケース54も後述するように円筒形状をなす。そのため、下半円形状(径方向断面下半分)と上半円形状(径方向断面上半分)とは同一で、下型ダイ24と上型ダイ23とは上下反転の関係にある。
【0054】
このように上型ダイ23および下型ダイ24を構成することによって、インサートパンチ31、ノックアウトパンチ32および横型ダイ51とともに閉塞空間Sを区画形成し得るのであるから、本発明に係る閉塞鍛造装置および閉塞鍛造方法の基本的な構成による作用および効果は上述したように得られる(前記[効果1]〜[効果3])。しかし、本実施形態においては、横型ダイ51をそれだけで使用することなく、横型装置50として、次に説明をするような衝撃緩和機能の発揮を可能にしている。
【0055】
<<横型装置の構成>>
即ち、
図2(H)に示すように、横型装置50は、横型ダイ51、軸穴ピン53、横型ダイケース54等から構成されており、横型ダイ51を横型ダイケース54に収容することにより、横型ダイ51に対して所定方向に付勢力が働き得るように構成している。
【0056】
具体的には、横型ダイケース54は、円筒部55、円底部56およびコイルバネ58,59により構成されており、円筒部55は、軸方向に肉厚部と薄肉部との2段構成となるようにその周壁が形成されている。そして、円筒部55の肉厚部の内径を横型ダイ51の中空円柱部51bの外径よりも僅かに大径に設定するとともに、円筒部55の薄肉部の内径を横型ダイ51のフランジ部51cの外径よりも僅かに大径に設定する。また、当該肉厚部は、その軸方向長さ(以下「軸長」という)を横型ダイ51の中空円柱部51bの軸長よりも短く(例えば、中空円柱部51bの軸長のほぼ1/2)設定し、当該薄肉部は、その軸長を、円底部56の厚さと横型ダイ51のフランジ部51cの厚さとの和よりも、所定長だけ大きく設定する。
【0057】
これにより、円筒部55の薄肉側の開口から円錐台部51aを先頭に、横型ダイ51を円筒部55内に収容した後、当該開口を円底部56により閉塞すると、横型ダイ51は、円筒部55の厚肉側の開口から円錐台部51aを突出させるとともに、円筒部55内で径方向および軸方向のそれぞれにガタつく程度に移動することが可能となる。即ち、中空円柱部51bやフランジ部51cの周囲と円筒部55の内周壁との間と隙間Cvが形成され、またフランジ部51cの底側と円底部56との間に隙間Chが隙間が形成されているため、これらの隙間分だけガタつきができる。
【0058】
円底部56には、その厚さ(軸)方向に付勢力を発するコイルバネ58が当該軸を中心に複数個内装されており、また円筒部55には、径方向内側に向けて付勢力を発するコイルバネ59が所定箇所に内装されている。これにより、円筒部55内でその径方向および軸方向にそれぞれ移動可能な横型ダイ51は、コイルバネ58によって円筒部55の厚肉側の開口方向、つまり円錐台部51aが突出する方向に付勢され、またコイルバネ59によって所定の径方向、つまり円錐台部51aが突出する方向と垂直方向に付勢される。
【0059】
このように構成される横型装置50を、
図2(H)に示すように、コイルバネ59を下型ダイ24側に向けて下型ダイ24のホルダ凹部26に載置すると、コイルバネ58により横型ダイ51がパンチ穴24a方向に隙間Ch分だけ押し出されることから、円錐台部51aの先端がパンチ穴24aの開口に僅かに突出する(
図2(H)に示す符号Cr)。また、コイルバネ59によって横型ダイ51が上方に隙間Cv分だけ押し上げられることから、その隙間Cv分、横型ダイ51がホルダ凹部26の円柱凹部26bから浮き上がって隙間Csができる。これにより、下型ダイ24のホルダ凹部26上において、横型ダイ51との間に『遊び』をつくることができるため、後述するように、上型ダイ23、下型ダイ24および横型ダイ51による閉塞完了時における衝撃を緩和する機能(衝撃緩和機能)を発揮することが可能となる。
【0060】
<<カム機構の構成>>
ここでカム機構について説明する。本実施形態の場合、4セット設けられる横型装置50は、これから説明するカム機構によって同期して、下型ダイ24のホルダ凹部26に位置するようにパンチ穴24aに向けて前進したり、またパンチ穴24aから遠ざかるように後退する。
【0061】
即ち、
図1に示すように、このカム機構は、上型ダイベース15から鉛直方向に下がる上縦カム41と、ベッド12から鉛直反対方向にせり上がる下縦カム42と、横型装置50に取り付けられるカム付きフランジ57と、によって構成されている。
【0062】
上縦カム41は、断面形状が矩形をなす角柱状のカムで、先端部41aを下方に向けてダイリング22の切欠部22aの最外側を貫通し得るようにダイリング21に固定されている。先端部41aは、ダイリング21が下降すると、当該先端部41aに当接したカム付きフランジ57がパンチ穴24aに向けて接近(前進)するように、傾斜方向が設定されたカム面が形成されている。
【0063】
下縦カム42も、上縦カム41と同様に、断面形状が矩形をなす角柱状のカムで、先端部42aを上方に向けてダイリング22の切欠部22aの最内側を貫通し得るようにベッド12の下方から上下動するロッド43に固定されている。先端部42aは、ロッド43が上昇すると、当該先端部42aに当接したカム付きフランジ57がパンチ穴24aから離隔(後退)するように、傾斜方向が設定されたカム面が形成されている。
【0064】
カム付きフランジ57も、上縦カム41下縦カム42と同様に、断面形状が矩形をなす角柱状のカムで、軸方向のほぼ中央に、横型装置50を構成する横型ダイケース54の円底部56の外径よりも僅かに大径に設定される円形凹部57cが形成されており、さらに両端にはカム面が形成されている。このカム付きフランジ57の軸方向長さは、上縦カム41の先端部41aと下縦カム42の先端部42aとにより挟まれ得る長さに設定されており、これらに挟まれる位置関係をとった場合には、カム付きフランジ57の両端のカム面のいずれか一方が、上縦カム41のカム面または下縦カム42のカム面に当接しつつ、残りの他方によって案内され得るように構成されている(
図6(B)、
図8(B))。
【0065】
このうちの一方に形成される上端カム57aは、上縦カム41の先端部41aのカム面に当接すると、このカム面の傾斜に沿って当該カム付きフランジ57がパンチ穴24aに向けて接近(前進)するように、傾斜方向が設定されている。これに対し他方に形成される下端カム57bは、下縦カム42の先端部42aのカム面に当接すると、このカム面の傾斜に沿って当該カム付きフランジ57がパンチ穴24aから離隔(後退)するように、傾斜方向が設定されている。これにより、上端カム57aと下端カム57bとは、カム面が
互いに平行になるように位置している。
【0066】
なお、横型装置50は、上端カム57aを上方、下端カム57bを下方に向けて当該カム付きフランジ57を鉛直に設定した場合に、円筒部55に内装されたコイルバネ59が真下に位置するように、カム付きフランジ57の円形凹部57cに固定される。
【0067】
このように上縦カム41、下縦カム42およびカム付きフランジ57からなるカム機構を構成し、さらに上縦カム41および下縦カム42の上昇や下降を所定の手順で制御することによって、カム付きフランジ57に取り付けられた横型装置50を前進させたり後退させることが可能となる。なお、この制御の詳細は、
図6〜
図9を参照して後述する。
【0068】
<<ワークの構成>>
次に、このように構成される閉塞鍛造装置10によって閉塞鍛造されるワーク100の構成を
図3を参照して説明する。なお、
図3(A)には、ワーク100の平面、
図3(B)には
図3(A)に示す一点鎖線3Bによる断面、
図3(C)には
図3(A)に示す一点鎖線3Cによる断面、
図3(D)には
図3(A)に示す3D線方向矢視、
図3(E)には
図3(A)に示す3E線方向矢視、がそれぞれ図示されている。
【0069】
図3(A)に示すように、ワーク100は、ユニバーサルジョイントに使用されるスパイダで本体部110と4つの軸部120とによって構成されており、これらの軸部120は、本体部110を中心に外周方向に90度間隔で放射状、つまり十字形状をなすように形成されている。
【0070】
これらの軸部120の形状は、前述した横型ダイ51のキャビティ52によって成形され、その先端部121にはガイド穴122が形成されている。このガイド穴122は、閉塞鍛造装置10による鍛造工程よりも後の工程で貫通孔を形成するドリル刃を案内する穴で、前述した横型ダイ51の軸穴ピン53によって成形される。
【0071】
先端部121とは反対側の付根部123には、曲線状に拡径する
逆テーパが形成されており、これは横型ダイ51のキャビティ52の開口部52aの形状によって成形される。この付根部123は、本体部110の側縁部115に繋がるとともに、本体部110の上面部111や下面部113に繋がっている。
【0072】
本体部110の側縁部115の形状は、前述した下型ダイ24の側壁部24eとこれと同様に構成される上型ダイ23の側壁部とによって成形される。そのため、この側縁部115においては、
図3(D)に示すように、下型ダイ24と上型ダイ23との合わせ面によるバリ(分割線、パーティングライン)Lが形成される。
【0073】
これに対し、本体部110の下面部113の形状は、ノックアウトパンチ32と下型ダイ24とによって成形される。即ち、下面部113のうち、パンチ面114のパンチ範囲Pの内側、つまりパンチ範囲内側114aはノックアウトパンチ32の先端形状によって成形され、同パンチ範囲Pの外側、つまりパンチ範囲外側周囲114bは下型ダイ24の三角形状部24dによって成形される。
【0074】
また、本体部110の上面部111の形状は、インサートパンチ31と上型ダイ23とによって成形されるが、上型ダイ23は下型ダイ24と同様に形成されることから、上面部111のうち、パンチ面112のパンチ範囲Pの内側、つまりパンチ範囲内側112aはインサートパンチ31の先端形状によって成形され、同パンチ範囲Pの外側、つまりパンチ範囲外側周囲112bは上型ダイ23の三角形状部(下型ダイ24の三角形状部24dに相当)によって成形される。
【0075】
このように成形されるワーク100はユニバーサルジョイントのスパイダとして機能する必要上、十字形状に形成される軸部120は、対向する軸部120同士の各軸が同軸であることと、他の対向する軸部120同士の軸と直交することとが要求され、さらに各軸部120の径方向断面形状が真円に近似した円柱形状であることが要求される。
【0076】
このため、本実施形態では、前述したように、上型ダイ23や下型ダイ24において、軸部120を成形する横型ダイ51の中空円柱部51bの軸(キャビティ52の軸)が、対向する横型ダイ51の中空円柱部51bの軸と同軸で、かつ、他の対向する横型ダイ51同士の中空円柱部51bの軸と直交するように、ホルダ凹部25,26が形成されている。また、横型ダイ51の中空円柱部51b(キャビティ52)の径方向断面形状は、真円近似をなしている。
【0077】
<<衝撃緩和機能の説明>>
続いて、前述した横型装置50による衝撃緩和機能の効果を
図4および
図5に基づいて説明する。なお、
図4(A)には上型ダイ23が加圧前の下降直前にある状態、
図4(B)には上型ダイ23が下型ダイ24に当接した状態、
図4(C)には上型ダイ23が下死点にありインサートパンチ31およびノックアウトパンチ32によって加圧された状態、がそれぞれ図示されている。また、
図5(A)には
図4(A)に示す一点鎖線αの範囲内、
図5(B)には
図4(A)に示す一点鎖線βの範囲内、
図5(C)には
図4(A)に示す一点鎖線γの範囲内、をそれぞれ拡大して表したものが図示されている。
【0078】
図4(A)に示すように、上型ダイ23が加圧に向けた下降直前状態にある場合には、下型ダイ24ではそのホルダ凹部26上に横型装置50が載置、つまり横型装置50の前進が所定位置まで完了している。そのため、ダイリング21に固定された上縦カム41は、ダイリング21とともにそれまでに下降することで、先端部41aでカム付きフランジ57をパンチ穴24a方向に押し出して、横型装置50の前進を完了させている。
【0079】
この状態において、
図4(A)に示す一点鎖線αの範囲内を拡大した図、つまり
図5(A)を参照すると、ノックアウトパンチ32上に下方から支えられるようにパンチ穴24a内にセットされる素材Mは、その外径Mdがパンチ穴24aの内径Pdよりも小径に形成されている。そのため、その隙間Cr分だけ、横型ダイ51の先端(円錐台部51aの先端)がパンチ穴24aの開口に突出可能な状態にあり、円錐台部51aは、ホルダ凹部26の円錐凹部26aに当接しながら、コイルバネ59により上方に隙間Csだけ浮いている。これにより、上型ダイ23と下型ダイ24とが当接して閉塞空間Sを形成する前においては、横型ダイ51はホルダ凹部26から浮いた状態を維持するため、ホルダ凹部26上で『遊び』をつくることが可能となる。よって、上型ダイ23と下型ダイ24との協働により横型ダイ51の位置決めが容易になるため、ワーク100の品質を一層向上することができる。[効果5]
【0080】
上型ダイ23が下降して、
図4(B)に示すように、上型ダイ23が下型ダイ24に当接した状態にある場合には、上縦カム41が横型装置50のカム付きフランジ57の背後(カム付きフランジ57とダイリング21,22との間)に位置し、インサートパンチ31が下降してノックアウトパンチ32上の素材Mを加圧し始める直前で、上型ダイ23、下型ダイ24、横型ダイ51、インサートパンチ31およびノックアウトパンチ32により閉塞空間Sを形成した状態にある。なお、下縦カム42の位置には変化はない。
【0081】
この状態において、
図4(B)に示す一点鎖線βの範囲内を拡大した図、つまり
図5(B)を参照すると、ホルダ凹部26上の横型ダイ51は、その円錐台部51aが下降してきた上型ダイ23の円錐凹部25aに当接して下方にコイルバネ59の付勢力に抗して押されることから、円錐台部51aが下型ダイ24の円錐凹部26aを形成する斜面に沿って拡径する方向であるパンチ穴24aから離れる方向に移動する(符号Cs’は上方に形成される円錐台部51aと円筒部55との隙間)。これは、コイルバネ58の付勢力に抗する方向でもあるため、下型ダイ24に上型ダイ23が当接する際、つまり閉塞完了時に両金型の当接によって生じ得る衝撃力で横型ダイ51を押し返す方向に働く力をコイルバネ58の付勢力による緩衝作用により緩和することが可能となる(衝撃緩和機能)。これにより、横型ダイ51の破損を防止することができる(衝撃緩和機能の効果)[効果4]。
【0082】
この後、インサートパンチ31の下降によって加圧が開始されると、インサートパンチ31の下降速度の1/2で、ダイリング22、下型ダイ24およびノックアウトパンチ32も下降することから、素材Mは、インサートパンチ31とノックアウトパンチ32とによる両方向から同じ圧力で加圧されて、横型ダイ51のキャビティ52等に押し出される。つまり、ワーク100が成形される。なお、
図4(C)に示す状態は、上型ダイ23の下死点に相当する。
【0083】
この状態において、
図4(C)に示す一点鎖線γの範囲内を拡大した図、つまり
図5(C)を参照すると、インサートパンチ31およびノックアウトパンチ32による加圧によって素材Mが閉塞空間S内に押し出されてワーク100が成形されている以外には
図5(B)と同様であるが、
図4(C)を参照するとわかるように、横型装置50のカム付きフランジ57の後方(背後)に上縦カム41が位置し、さらにその後方に上型ダイベース15および下型ダイベース16を介してダイリング21,22が存在する。これにより、横型装置50の後方には、上下方向にのみ移動する上縦カム41が存在することから、まずは横型装置50、ひいては横型ダイ51の後退を阻止することが可能となる。
また、この上縦カム41の後方には、さらに上型ダイベース15、下型ダイベース16、ダイリング21およびダイリング22が位置(存在)し、いずれも環状部材であることから、上型ダイ23と下型ダイ24とが当接して閉塞空間Sを形成する際やインサートパンチ31とノックアウトパンチ32とによって素材Mを閉塞空間S内に押し出す際に、横型ダイ51のキャビティ52内で横型ダイ51を押し返す方向(反下型ダイ24方向)に作用する力が加わっても、このような上縦カム41や上型ダイベース15等の環状部材により対抗することが可能となる。したがって、上縦カム41や上型ダイベース15等の環状部材が設けられていない場合に比べ、横型ダイ51の後退を阻止するために必要となる抗力を小さくできるので、当該抗力を発生させる加圧装置の小型化が可能になり、設備の大型化を抑制することができる。[効果6]
【0084】
<<閉塞鍛造装置の作動>>
次に、閉塞鍛造工程における閉塞鍛造装置10の一連動作を
図6〜
図9に基づいて説明する。なお、
図6(A)には素材Mを投入する前の状態、
図6(B)には素材Mを投入した後、上型ダイ23の下降によって上縦カム41により横型ダイ51が前進する直前の状態、
図6(C)には横型ダイ51の前進が完了した状態、
図7(D)には上型ダイ23のさらなる下降によって上縦カム41によるバックアップが完了した状態、
図7(E)にはインサートパンチ31およびノックアウトパンチ32によって素材Mが加圧されて閉塞空間S内に押し出された状態、
図7(F)には上型ダイ23および下型ダイ24が基準位置Oまで上昇した状態、
図8(G)には上型ダイ23が上昇して下型ダイ24から離型した状態、
図8(H)には横型ダイ51が後退して下型ダイ24から離型した状態、
図8(I)には鍛造後のワーク100をノックアウトパンチ32が蹴り出す状態、をそれぞれ表したものが図示されている。
【0085】
また、
図9には、
図6(A)〜
図8(H)に示す閉塞鍛造工程1サイクル中における各部のストローク位置を示すグラフ図が図示されている。なお、
図9において、基準位置Oは、
図6〜
図8に示す基準位置Oと同義である。また、横型ダイ51のストロークだけは、上下方向の動きではなく、下型ダイ24上でパンチ穴24aの方向(横方向)に前進(右上がりの傾き)させたり、パンチ穴24aとは逆方向に後退(右下がりの傾き)させる動きを示すことに留意されたい。このため、横型ダイ51においては、基準位置Oはパンチ穴24aの開口端(パンチ穴24aの周壁近端面)を示す。
【0086】
図6(A)に示すように、素材Mを投入する前の状態においては、ラム11が最上位置にあり、上型ダイ23が上死点に位置している。このとき下型ダイ24は、その合わせ面が基準位置Oに位置しており、この位置が下型ダイ24の上死点に相当する。また、ノックアウトパンチ32は、ワーク100を蹴り出した直後に相当する上死点に位置している。さらに、横型装置50は、後退位置で下縦カム42の先端部42aに形成される頂部平坦面上に載置されて前進待ちの状態、つまり待機状態にある。なお、この状態は、
図9に示す符号(A)の位置にあたり、この図からも、ノックアウトパンチ32の位置が上死点にあることがわかる。なお、
図6(A)〜
図6(C)において、符号23aは「上型ダイ23のパンチ穴」、符号23bは「上型ダイ23の内周壁」、符号27は「仕切部」(下型ダイ24の仕切部28に相当)を示す。
【0087】
図6(A)の状態から、ラム11、上型ダイ23およびインサートパンチ31を一緒に下降させ、さらにノックアウトパンチ32も下降させると、下型ダイ24のパンチ穴24aには、素材Mをセットする穴が形成される。これにより、パンチ穴24a内に素材Mを投入することが可能となり、
図6(B)に示すように、素材Mを投入した後の状態では、上型ダイ23とともに下降した上縦カム41の先端部41aが後退位置で待機中の横型装置50のカム付きフランジ57の上端カム57aに当接した状態、つまり上型ダイ23の下降によって上縦カム41により横型ダイ51が前進する直前の状態にある。なお、この状態は、
図9に示す符号(B)の位置にあたる。
【0088】
図6(B)の状態から、ラム11、上型ダイ23およびインサートパンチ31をさらに下降させ、これと同時に下縦カム42も下降させる。上型ダイ23の下降により上縦カム41も下がるため、その先端部41aがカム付きフランジ57の上端カム57aを押して、横型装置50をパンチ穴24a方向に前進させる。このときカム付きフランジ57の下端カム57bは、下降する下縦カム42の先端部42aに案内されてその斜面を登る。つまり、カム付きフランジ57は、上縦カム41と下縦カム42とに挟まれた状態でそれぞれの斜面を登って横型装置50を前進させる。
【0089】
そして、横型装置50の横型ダイ51の先端が、素材Mに当接する位置まで横型装置50が前進すると、
図6(C)に示すように、横型ダイ51の前進が完了した状態に到達する。この状態は、
図4(A)および
図5(A)に示す状態に相当する。このため、
図5(A)を参照して説明したように、横型ダイ51は下型ダイ24のホルダ凹部26から上方に浮いた状態を維持している。なお、この状態は、
図9に示す符号(C)の位置にあたる。
【0090】
図6(C)の状態から、さらにラム11、上型ダイ23およびインサートパンチ31を下降させる。このとき下縦カム42は停止している。これにより、
図6(D)に示すように、上型ダイ23、下型ダイ24、横型ダイ51、インサートパンチ31およびノックアウトパンチ32により閉塞空間Sが形成され、この閉塞空間S内に素材Mが存在する。この状態は、
図4(B)および
図5(B)に示す状態に相当する。このため、
図5(B)を参照して説明したように、閉塞完了時に横型ダイ51に加わる力をコイルバネ58による衝撃緩和機能によって緩和する。なお、この状態は、
図9に示す符号(D)の位置にあたり、
図9において、(C)から(D)に移行する期間中、横型ダイ51の位置を示す二点鎖線が基準位置Oよりも下側に位置することが、横型ダイ51が僅かに下型ダイ24のパンチ穴24aの開口に突出した状態を維持していることを表している。
【0091】
図7(D)の状態から、インサートパンチ31による加圧が開始されて
図7(E)に示す状態に移行する。即ち、ラム11、上型ダイ23およびインサートパンチ31をこれまで同じ速度で下降させる一方で、下型ダイ24および下縦カム42をラム11等の速度の1/2で下降させる。これにより、上型ダイ23については、当接する下型ダイ24が1/2の速度で下降することから、見かけ上の上型ダイ23の下降は、下型ダイ24と同様の1/2の速度で行われる。これは、
図9に示す(D)〜(E)間のグラフからも、上型ダイ23と下型ダイ24とは同じ速度で、ラム11等よりも1/2の速度になっていることがわかる。これにより、素材Mに対してインサートパンチ31もノックアウトパンチ32も同じ速度で加圧することができるため、横型ダイ51のキャビティ52に押し出す素材Mの偏り等による軸部120の撓みを抑制できる。
【0092】
なお、
図7(E)の状態は、
図4(C)および
図5(C)に示す状態に相当する。このため、
図5(C)を参照して説明したように、横型装置50の後方に位置する上縦カム41の後方には、さらに上型ダイベース15、下型ダイベース16、ダイリング21およびダイリング22が位置することから、インサートパンチ31とノックアウトパンチ32とによって素材Mを閉塞空間S内に押し出す際に、横型ダイ51のキャビティ52内で横型ダイ51を押し返す方向(反下型ダイ24方向)に作用する力が加わっても、このような上縦カム41や上型ダイベース15等の環状部材により対抗することが可能となる。
【0093】
このようにしてワーク100が成形されると、
図7(F)に示す状態に移行する。先の
図7(D)の状態から
図7(E)の状態に移行した動作とほぼ逆の動作を行う。即ち、ラム11、上型ダイ23、下型ダイ24およびインサートパンチ31を上昇させることで、停止しているノックアウトパンチ32および下縦カム42が相対的に下がるため、インサートパンチ31は下がってワーク100から離れ、また下縦カム42は、カム付きフランジ57の下端カム57bから離隔する。なお、この状態は、
図9に示す符号(F)の位置にあたる。
【0094】
下型ダイ24は、基準位置Oまで上昇すると停止するが、ラム11、上型ダイ23およびインサートパンチ31は、さらに上昇する。そして、上縦カム41の先端部41aが、先に停止した下型ダイ24上の横型装置50に取り付けられるカム付きフランジ57に近づき、上端カム57aの斜面の延長が上縦カム41の先端部41aの斜面に一致すると、上昇を停止する。これが
図8(G)に示す状態で、
図9に示す(G)の位置にあたる。
【0095】
図8(G)の状態から、ラム11、上型ダイ23およびインサートパンチ31をさらに上昇させ、これと同時に下縦カム42も上昇させる。上型ダイ23の上昇により上縦カム41も上がるため、その先端部41aがカム付きフランジ57の上端カム57aから離れるように引いて、横型装置50をパンチ穴24aの反対方向に後退させる。このときカム付きフランジ57の下端カム57bは、上昇する下縦カム42の先端部42aに案内されてその斜面を下る。つまり、カム付きフランジ57は、上縦カム41と下縦カム42とに挟まれた状態でそれぞれの斜面を下って横型装置50を後退させる。
【0096】
そして、横型装置50の横型ダイ51の先端が、素材Mから抜けて最初の待機位置まで横型装置50が後退すると、
図8(H)に示すように、横型ダイ51の後退が完了した状態に到達する。この状態は、
図9に示す符号(H)の位置にあたる。
【0097】
最後にノックアウトパンチ32を上昇させて、ワーク100をパンチ穴24aから蹴り出すことで、
図8(I)に移行し一連の構成を終了する。なお、この状態は、ワーク100がノックアウトパンチ32上に残っている以外は、
図6(A)に示すものと同様である。このため、
図9では(A)と同じ位置に(I)がある。
【0098】
以上説明したように、本実施形態に係る閉塞鍛造装置10によると、下型ダイ24は、パンチ穴24aを中心に複数の横型ダイ51を放射状に位置決め可能に複数の横型ダイ51に対応する複数のホルダ凹部26、および、これらの複数のホルダ凹部26のうち周方向に隣接するホルダ凹部26の双方の一部を形成するとともにパンチ穴24aの外側周囲の(切欠部24c、三角形状部24d、側壁部24e)の形状の一部を形成する仕切部28を有し、上型ダイ23は、下型ダイ24、インサートパンチ31、ノックアウトパンチ32および複数の横型ダイ51によって閉塞空間Sを形成可能に下型ダイ24に対応して設けられる。これにより、閉塞空間S内の素材Mをインサートパンチ31およびノックアウトパンチ32で加圧すると、当該素材Mは、複数の横型ダイ51のキャビティ52に押し出されるとともにパンチ穴24aの外側周囲(切欠部24c、三角形状部24d、側壁部24e)にも押し出される。このため、軸部120は横型ダイ51により成形され、パンチ穴24aの外側周囲(切欠部24c、三角形状部24d、側壁部24e)は下型ダイ24により成形される。したがって、軸部120においてはバリの発生がなく、パンチ範囲外側周囲112bは任意の形状に成形することができる。
【0099】
また、本実施形態に係る閉塞鍛造方法によると、対向する一対のインサートパンチ31およびノックアウトパンチ32と、軸部120の形状をなすキャビティ52を有する複数の横型ダイ51と、パンチ穴24aを中心に複数の横型ダイ51を放射状に位置決め可能に複数の横型ダイ51に対応する複数のホルダ凹部26およびこれらの複数のホルダ凹部26のうち周方向に隣接するホルダ凹部26の双方の一部を形成するとともにパンチ穴24aの外側周囲(切欠部24c、三角形状部24d、側壁部24e)の形状の一部を形成する仕切部28を有する下型ダイ24と、パンチ穴23aを有するとともに下型ダイ24に対応して設けられる上型ダイ23と、によって閉塞空間Sを区画形成し、閉塞空間S内の素材Mを一対のインサートパンチ31およびノックアウトパンチ32で加圧することでキャビティ52とパンチ穴24aの外側周囲(切欠部24c、三角形状部24d、側壁部24e)に素材Mを押し出してワーク100を鍛造する。これにより、軸部120は横型ダイ51により成形され、パンチ穴の外側周囲(切欠部24c、三角形状部24d、側壁部24e)は下型ダイ24により成形される。したがって、軸部120においてはバリの発生がなく、パンチ範囲外側周囲112bは任意の形状に成形することができる。
【0100】
なお、上述した実施形態では、放射状軸部品として、
図3に示すようなスパイダを例示して説明したが、本発明の閉塞鍛造装置および閉塞鍛造方法によって閉塞鍛造可能な放射状軸部品はこれに限られることはなく、軸部が放射状に形成される多軸部品であれば、2軸、3軸あるいは5軸等の、軸部の数が2以上の整数であるものの閉塞鍛造に適用することができ、いずれの場合も上述と同様の本発明に特有の作用・効果を得られる。