【実施例】
【0020】
図1は、本発明におけるツインタイプの日射遮蔽装置の実施例の全体構成、及び該全体構成における紐垂れ防止装置の配置を説明する図であり、
図1(a)はヘッドボックス内の構成の概要を説明する平面図であり、
図1(b)は正面図である。
【0021】
図1(b)に示すように、ツインタイプの日射遮蔽装置1は、ヘッドボックス2、ヘッドボックス2から吊り下げられた上部遮蔽材3、上部遮蔽材3の下端に取り付けられた中間レール4、中間レール4に上端が取り付けられた下部遮蔽材5、下部遮蔽材5の下端に取り付けられたボトムレール6を備えている。
【0022】
上部遮蔽材3及び下部遮蔽材5には、それぞれ左右に昇降コード孔7が形成されている。上部遮蔽材用昇降コード8(本明細書では「上部昇降コード」と言う)は、その下端は、中間レール4に取り付けられ、昇降コード孔7を通してヘッドボックス2に向けて上方に伸びている。下部遮蔽材用昇降コード9(本明細書では「下部昇降コード」と言う)は、その下端は、ボトムレール6に取り付けられ、昇降コード孔7を通してヘッドボックス2に向けて上方に伸びている。
【0023】
ヘッドボックス2には、上部昇降用駆動軸21及び下部昇降用駆動軸22が互いに前後位置で平行に配置されている。ヘッドボックス2の一端部には、上部昇降用駆動軸21及び下部昇降用駆動軸22を駆動するためのプーリ操作駆動装置23が設けられており、さらに上部昇降用駆動軸21及び下部昇降用駆動軸22には、上部昇降用ストッパ装置24と下部昇降用ストッパ装置25が設けられている。そして、上部昇降用駆動軸21及び下部昇降用駆動軸22の駆動力で回転駆動されるツイン巻取りドラム装置26が左右に設けられている。
【0024】
プーリ操作駆動装置23は、ループ状のボールチェーンから成る操作コード30を引いて上部昇降用駆動軸21及び下部昇降用駆動軸22を、それぞれ回転駆動する装置である。この実施例では、上部昇降用駆動軸21と下部昇降用駆動軸22は、互いに逆方向に回転する。
【0025】
このプーリ操作駆動装置23は、
図1、
図9等に示すように、プーリ、回転力伝達機構32及び一方向クラッチ33を備えている。プーリ31は、操作コード30が掛けられており、プーリ歯車31’が同軸で固定されている。回転力伝達機構32は、プーリ歯車31’とそれぞれ中間歯車29を介して噛み合う下部原動歯車35と上部原動歯車36を有する。
【0026】
一方向クラッチ33は、下部原動歯車35の出力軸37に連結し、第1の方向(例えば時計回りの方向)のみの回転を下部昇降用駆動軸22に伝達する下部昇降用一方向クラッチ38と、上部原動歯車36の出力軸40に連結し、第2の方向(例えば反時計回りの方向)のみの回転を上部昇降用駆動軸21に伝達する上部昇降用一方向クラッチ41を備えている。
【0027】
このようなプーリ操作駆動装置23において、操作コード30を一方向に引いて、プーリ31及びプーリ歯車31’を、例えば時計回り(時計の針が回転する方向)に回転し、中間歯車29を介して下部原動歯車35を時計回りに回転し、さらに下部昇降用一方向クラッチ38を介して下部昇降用駆動軸22を時計回りに回転することができる。
【0028】
また、操作コード30を反対方向に引いて、プーリ31及びプーリ歯車31’を、例えば反時計回りに回転し、中間歯車29を介して上部原動歯車36を反時計回りに回転し、さらに、上部原動歯車36及び上部昇降用一方向クラッチ41を介して上部昇降用駆動軸21を時計回りに回転することができる。
【0029】
上部昇降用ストッパ装置24及び下部昇降用ストッパ装置25は、上部昇降用駆動軸21及び下部昇降用駆動軸22の途中にそれぞれ設けられている。上部昇降用ストッパ装置24と下部昇降用ストッパ装置25は、互いに同じ構成であるから、それぞれの部品の符号は同じ符号として記載し、以下、その構成を下部昇降用ストッパ装置25において説明する。
【0030】
下部昇降用ストッパ装置25は、
図2(a)に示すように、下部昇降用駆動軸22に同軸で固定された下部昇降用カム軸50と、下部昇降用カム軸50を回転可能に支持する下部昇降用カムケース51とを有する。下部昇降用カム軸50は、その外周面に下部昇降用カム溝52が形成されている。
【0031】
下部昇降用カムケース51には、その内周面に軸方向に直線状に縦溝53が形成されている。下部昇降用カムケース51は、ヘッドボックス2に固定されている。下部昇降用カム溝52と下部昇降用カムケース51の縦溝53にボール状の転動体54が転動して移動可能に装入されている。
【0032】
図2(b)は、下部昇降用カム軸50の外周面の展開図であるが、この
図2(b)に示すように、下部昇降用カム溝52は、下部昇降用カム軸50の円周方向に伸びる無端の左端溝55及び右端溝56と、左端溝55と右端溝56の間で円周方向に伸び、一端が左端溝55に他端が右端溝56に接続された連結溝57と、一端が連結溝57に他端が右端溝56に接続され、V字状に形成されたV字溝58と、V字溝58の途中のコーナ部に形成された凹部59とを有する。
【0033】
なお、プーリ操作駆動装置23及び上部及び下部のストッパ装置24、25については、本発明のツインタイプの日射遮蔽装置を特徴づける主な構成ではないので、上記の説明に止めるが、本出願人は、例えば特願2010−216590において、プーリ操作駆動装置及びストッパ装置に関する発明について、別途出願をしている。
【0034】
ツイン巻取りドラム装置26は、上部昇降用駆動軸21及び下部昇降用駆動軸22にそれぞれ対応して、
図1(a)、
図3(a)、(b)等に示すように、上部昇降コード巻取りドラム70及び下部昇降コード巻取りドラム71が設けられている。
【0035】
上部及び下部のストッパ装置24、25とツイン巻取りドラム装置26との間には、
図1に示すように、本発明の特徴的構成である紐垂れ防止装置80が配置されている。紐垂れ防止装置80について、その外観の平面図を
図3(a)に示し、断面図を
図3(b)に示し、さらに構成部品に分解した状態を
図4に示す。紐垂れ防止装置80は、係脱可能な左右の半割筺から成るケース81を有し、このケース81内に紐垂れ防止装置80の機構部が配設されている。
【0036】
紐垂れ防止装置80の機構部を
図3〜
図8において説明する。下部昇降用駆動軸22は、下部昇降コード巻取りドラム71まで伸びて結合し、下部昇降用駆動軸22の回転を伝達する。この下部昇降用駆動軸22には、軸受82が固定されており、この軸受82にワンウェイクラッチ83を介して同軸で紐垂れ防止用の駆動側歯車84が装着されている。ワンウェイクラッチ83は、下部昇降用駆動軸22及び軸受82が一方向(例えば、時計回り)に回転する場合のみ、その回転力を紐垂れ防止用の駆動側歯車84に伝達する。
【0037】
上部昇降用駆動軸21に対して同一軸心で、かつ相対的に回転可能な紐垂れ防止用の受動側歯車85が設けられている。紐垂れ防止用の受動側歯車85は、基端側の一対の扇型ボス部86と、歯車部87と、円筒部88が一体となって構成されている。円筒部88には、その内周面の周方向等間隔4箇所に、係合突起89が形成されている。係合突起89は、円筒部88の中心に向けて突出し、かつ軸方向に沿って伸びる。
【0038】
上部昇降用駆動軸21には、同軸で常に一体で回転する回転ベース部材90が設けられている。この回転ベース部材90は、紐垂れ防止用の受動側歯車85の円筒部88内で紐垂れ防止用の受動側歯車85に対して、相対的に回転可能に設けられている。回転ベース部材90は、ボス部91と円板部92が一体に形成されており、ボス部91の軸心を貫通する六角孔93に上部昇降用駆動軸21の断面六角形の部分が挿通されている。
【0039】
円板部92の内側(日射遮蔽装置の幅方向中心側)の側面には、中央の肉厚帯94を挟んでその両側に、それぞれ平坦部95が形成されている。ここれら平坦部95には、それぞれ肉厚帯94に沿うように長溝であるガイド溝96が形成されている。
【0040】
回転ベース部材90の内方(日射遮蔽装置の幅方向中心側)に位置し、ボス部91に回転可能に嵌合し、上部昇降用駆動軸21に対して回転可能な出力盤100が設けられている。上部昇降コード巻取りドラム70の端部に、同軸で駆動杆101が取り付けられている。出力盤100は、内側(日射遮蔽装置の幅方向中心側)に形成された噛み合い部102を介して上部昇降コード巻取りドラム70の駆動杆101に連結されている。
【0041】
出力盤100の外側(日射遮蔽装置の幅方向外側)の側面上下には、それぞれ突軸103が突設されており、この上下の突軸103に、それぞれ係止コマ104がその孔105が嵌合し、枢着されている。上下の係止コマ104は、それぞれその外側(日射遮蔽装置の幅方向外側)の側面には、その長手方向に沿って長細いリブ106が形成されている(
図5参照)。このリブ106は、
図7(b)に示すように、回転ベース部材90の円板部92のガイド溝96にスライド可能に嵌合している。
【0042】
なお、
図6(c)、(d)、
図7(b)には上下の係止コマ104は、それぞれその内側(日射遮蔽装置の幅方向中心側)の側面にもリブ106が図示されているが、これは、出力盤100の回転方向に応じて組み付けられること(部品の共用性)を考慮し、係止コマ104の両側面に形成されている例を示している。
【0043】
上記構成の係止コマ104は、出力盤100に対して突軸103を中心に回転可能であり、かつ円板部92に対してスライド可能である。また、係止コマ104は、その係止コマ104が回転ベース部材90の係合突起89に係合可能なフック部107を先端部に備えている。
【0044】
回転ベース部材90のボス部90の外周には、リング状のねじりバネから成る戻しバネ110が巻装されている。戻しバネ110の一端は、出力盤100に固定されており、他端は回転ベース部材90に固定されている。
【0045】
この戻しバネ110は、
図5(c)、
図6(d)に示すように、出力盤100を回転ベース部材90に対して、一方向に回転するように付勢し、それにより、係止コマ104をそのフック部107で、紐垂れ防止用の受動側歯車85の円筒部88の係合突起89に係合可能するように、回転ベース部材90から外側に突出させている。
【0046】
図7(a)、(b)は、回転部材90と係止コマ104が、紐垂れ防止用の受動側歯車85の円筒部88内に収納されている状態を示す図である。
図7(a)の状態は、出力盤100に戻しバネ110の回転力を付勢し、係止コマ104は、
図5(c)、
図6(d)に示すように、回転ベース部材90から外側に突出し、そのフック部107が係合突起89に係合している。要するに、係止コマ104は、回転部材90から出没可能な構成である。
【0047】
紐垂れ防止用の受動側歯車85の扇型ボス部86の外周には、
図8(a)に示すように、コイル状のしまりバネ111が巻装され、さらにその外周には制動スリーブ112が、隙間113(
図10(b)参照)を形成するように、紐垂れ防止装置のケース81のボス部に装着されている。しまりバネ111の一端は扇型ボス部86に固定されている。
【0048】
扇型ボス部86が一方向(本実施例では、反時計回り)に回転すると、しまりバネ111は扇型ボス部86の外周面に対して縮まるようになり、制動スリーブ112としまりバネ111の隙間113が広がり(
図10(c)参照)、紐垂れ防止用の受動側歯車85は回転できる。
【0049】
しかし、扇型ボス部86が逆方向に回転(本実施例では、時計回り)すると、しまりバネ111は外側に拡開し、スリーブ112に押し付けるように当接し(
図10(d)参照)、紐垂れ防止用の受動側歯車85は回転が抑制される。このような動作をすることで、しまりバネ111と制動スリーブ112は、後記するように上部遮蔽材3と下部遮蔽材5が同時に降下することを防止する「2幕同時降下防止機構」として機能する。
【0050】
(作用)
以上の構成から成る本発明の日射遮蔽装置の実施例の作用を、特に紐垂れ防止装置80を中心に、以下説明する。
図9及び
図10は、作用を説明するために日射遮蔽装置1を模式的に示す図である。
【0051】
(1)下部遮蔽材を上昇させる場合
図9において、操作コード30を一方(
図9中の実線矢印方向)に引いて、プーリ31を時計回りに回転すると、プーリ歯車31’、中間歯車29、下部原動歯車35及び下部昇降用一方向クラッチ38を介して下部昇降用駆動軸22が時計回りに回転する。下部昇降用駆動軸22が回転すると、それに同心的に固定された下部昇降コード巻取りドラム71が巻き取り方向に回転し、下部遮蔽材5を上昇させる。
【0052】
下部昇降用駆動軸22が時計回りに回転すると、下部昇降用駆動軸22に固定された軸受82が共に回転し、ワンウェイクラッチ83を介して紐垂れ防止用の駆動側歯車84が時計回りに回転し、さらに紐垂れ防止用の受動側歯車85が反時計回りに回転する。
【0053】
ところで、出力盤100は、本来、戻しバネ110によって、
図5(c)、
図6(d)に示すように、係止コマ104が回転ベース部材90の円板部92から外側に突き出るように付勢されている。
【0054】
しかし、中間レール4の自重により戻しバネ110の付勢力に抗する回転力が出力盤100に作用しているから(
図9中の波線矢印参照)、
図5(b)、
図6(c)に示すように、突軸103を介して係止コマ104は円板部92の範囲内に収まる位置に保持される。従って、紐垂れ防止用の受動側歯車85は、係止コマ104に阻止されることなく、反時計回りに空転する。
【0055】
なお、操作コード30を一方向に引いて下部昇降用駆動軸22が時計回りに回転している際には、下部昇降用ストッパ装置25において、下部昇降用カム軸50における下部昇降用カム溝52の右端溝56内及び下部昇降用カム軸50の縦溝53内を転動体54が転動して移動する。そして、手を離すと、転動体54は、右端溝56からV字溝58に入り、凹部59で停止する。これにより、下部昇降用駆動軸22の回転は停止するから、下部遮蔽材5の降下は途中で停止する。
【0056】
(2)下部遮蔽材を下降させるとき
操作コード30を一方向(
図9の実線矢印方向)に若干引いてから手を離すと、下部昇降用ストッパ装置
25において、転動体54が、下部昇降用カム溝52の凹部59からV字溝58、連結溝57を転動して左端溝55内に入る。
【0057】
すると、下部遮蔽材5の自重で下部昇降コード巻取りドラム71及び下部昇降用駆動軸22が反時計回りに回転可能となり、下部遮蔽材5は降下する。なお、下部昇降用駆動軸22が反時計回りに回転する際には、軸受82は共に回転するが、ワンウェイ−クラッチ83によって、反時計回りの回転は紐垂れ防止用の駆動側歯車84に伝達しない。
【0058】
(3)上部遮蔽材を上昇させる場合
操作コード30を他方向(
図9の点線矢印方向)に引くと、
図9において、プーリ31を反時計回りに回転する。これにより、プーリ歯車31’、中間歯車29、上部原動歯車36及び上部昇降用一方向クラッチ41を介して上部昇降用駆動軸21が反時計回りに回転する。上部昇降用駆動軸21が回転すると、それに同心的に固定された回転ベース部材90を介して出力盤100が反時計回りに回転し、上部昇降コード巻取りドラム70が巻き取り方向に回転し、上部遮蔽材3を上昇させる。
【0059】
なお、回転ベース部材90のガイド溝96に係止コマ104のリブ106が嵌合しており、係止コマ104は出力盤100に突軸103で枢着されているから、回転ベース部材90と出力盤100は一体で回転する。
【0060】
この際、中間レール4の自重により戻しバネ110の付勢力に抗する回転力が出力盤100に作用しているから(
図9中の波線矢印参照)、突軸103を介して係止コマ104は、
図5(b)、
図6(c)に示すように、円板部92の範囲内に収まる位置に保持される。
【0061】
このために、出力盤100及び回転ベース部材90は、紐垂れ防止用の受動側歯車85に係合することなく空転する。従って、出力盤100及び回転ベース部材90の回転が、紐垂れ防止用の受動側歯車85、紐垂れ防止用の駆動側歯車84、ワンウェイクラッチ83及び軸受82を介して、下部昇降用駆動軸22に伝達されるようなことはない。
【0062】
(4)上部遮蔽材を下降させるとき
操作コード30を他方向(
図9の点線矢印方向)に若干引いてから手を離すと、上部昇降用ストッパ装置24において、転動体54が、上部昇降用カム軸50における凹部59からV字溝58、連結溝57を転動して左端溝55内に入る。
【0063】
すると、上部遮蔽材3の自重で上部昇降コード巻取りドラム70、出力盤100及び回転ベース部材90が時計回りに回転可能となる。この時は、中間レール4の自重により戻しバネ110の付勢力に抗する回転力が出力盤100に作用しているから(
図9中の波線矢印参照)、突軸103を介して係止コマ104は、
図5(b)、
図6(c)に示すように、円板部92の範囲内に収まる位置に保持される。
【0064】
このために、出力盤100及び回転ベース部材90は、紐垂れ防止用の受動側歯車85に係合することなく時計回りへ空転する。従って、出力盤100及び回転ベース部材90の回転が、紐垂れ防止用の受動側歯車85、紐垂れ防止用の駆動側歯車84、ワンウェイクラッチ83及び軸受82を介して、下部昇降用駆動軸22に伝達されるようなことはない。
【0065】
(5)下部遮蔽材を上昇させ、ボトムレールが中間レールに当たる場合
上記(1)の操作を続けると、下部遮蔽材5が上昇し、ボトムレール6が中間レール4に当たり、中間レール4を上方に持ち上げる。すると、通常は、上部昇降コード8は弛んで上部遮蔽材3の昇降コード孔7から出て垂れてしまうが、本発明の紐垂れ防止装置80は、次のように動作して、紐垂れを防止する。
【0066】
即ち、ボトムレール6が中間レール4に当たり、中間レール4を上方に持ち上げると、中間レール4の自重による張力が低減する。すると、戻しバネ110の弾力で出力盤100が回転ベース部材90に対して
図5(c)、
図10(a)に示すように反時計回りに傾動する。これにより、係止コマ104は、
図6(d)、
図10(a)に示すように、回転ベース部材90の円板部92のガイド溝96に沿って外側に移動して突出し、そのフック部107が、紐垂れ防止用の受動側歯車85の円筒部88の係合突起89に係合する。
【0067】
操作コード30を一方(
図10(a)の実線方向)に引き下げ続けている時は、上記(1)の動作と同様に、紐垂れ防止用の駆動側歯車84が時計回りに回転し、紐垂れ防止用の受動側駆動歯車85が反時計回りに回転している。
【0068】
従って、上記のとおり、係止コマ104が回転ベース部材90から外側に突出し、そのフック部107が、紐垂れ防止用の受動側歯車85の係合突起89に係合すると、紐垂れ防止用の受動側歯車85とともに回転ベース部材90及び出力盤100が反時計回りに回転し、上部昇降コード巻取りドラム70を反時計回りに回転させて、上部昇降コード8を巻き取り、上部遮蔽材3の昇降コードの弛みを巻取り、紐垂れを防止する。
【0069】
(6)下部遮蔽材と上部遮蔽材を同時に上昇後、同時に降下させる場合
操作コード30を一方向(
図10(a)の実線方向)に引き下げ、上記(5)の操作をしている間は、紐垂れ防止用の受動側歯車85が反時計回りに回転し、しまりバネ111は扇型ボス部86の周囲を締め付けるように縮むので、紐垂れ防止用の受動側歯車85は回転を続ける。
【0070】
そして、下部遮蔽材5と上部遮蔽材3を同時に上昇させている状態において、操作コード30から手を離すと、下部昇降用ストッパ装置25において、上記(1)で説明した動作と同様の動作が生じ、転動体54は、V字溝58の凹部59に停止する。そして、操作コード30を一方向(
図10中の実線方向)に若干引いてから手を離すと、下部昇降用ストッパ装置25において、転動体54が、下部昇降用カムの凹部59からV字溝58、連結溝57を転動し左端溝55に入る。
【0071】
すると、下部遮蔽材5及び上部遮蔽材3が同時に自重で降下しようとする。しかしながら、本発明の紐垂れ防止装置80では、上部遮蔽材3の降下の際に、係止コマ104が紐垂れ防止用の受動側歯車85の円筒部88の係合突起89に係合しているので、出力盤100及び回転ベース部材90とともに紐垂れ防止用の受動側歯車85も同時に時計回りに回転する。
【0072】
すると、しまりバネ111は扇型ボス部86に対して拡開し、制動スリーブ112を押圧するように当接し、制動がかかる。この結果、上部遮蔽材3は降下しない。要するに、下部遮蔽材5と上部遮蔽材3を同時に上昇させた状態から、操作コード30から手を離すと、上部遮蔽材3は制動がかかり降下がすぐ停止し、下部遮蔽材5のみが降下する。
【0073】
その後、ボトムレール6が降下し、中間レール4の自重で出力盤100に時計回りの力が加わると、係止コマ104が回転ベース部材90の円板部92内に収まり、係合突起89との係止が解放される。その結果、紐垂れ防止用の受動側歯車85による拘束がなくなるから、出力盤100及び回転ベース部材90は、時計回りに空転可能となり、上部遮蔽材3は自重で降下する。
【0074】
従って、下部遮蔽材5と上部遮蔽材3が同時に降下することはない。このため、下部遮蔽材5と上部遮蔽材3が同時に降下中に、下部昇降用一方向クラッチ38により停止させた際に生じる、この下部昇降用一方向クラッチ38に下部遮蔽材5と上部遮蔽材3の2枚分の荷重をかかるという、過負荷の現象を防止することができる。要するに、扇型ボスの周囲に装着されたしまりバネ111と、さらにその外側に位置するスリーブは、「2幕同時降下防止機構」として機能する。
【0075】
以上、本発明に係るツインタイプの日射遮蔽装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。