(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
図1から
図7を参照して、本実施形態に係る干渉光計測装置の構成について説明する。
【0016】
以下の実施形態では、フーリエドメインタイプの光コヒーレンストモグラフィを適用した構成について詳しく説明する。なお、光コヒーレンストモグラフィによって取得される画像をOCT画像と呼ぶことがある。また、OCT画像を形成するための計測動作をOCT計測と呼ぶことがある。
【0017】
図1及び
図2に示すように、干渉光計測装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含んで構成される。眼底カメラユニット2は、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系を有する。なお、眼底カメラユニット2は、角膜Ecの撮影も可能である。本実施形態において、眼底カメラユニット2及びOCTユニット100による撮影倍率は固定されているものとして説明する。
【0018】
OCTユニット100には、眼底や前眼部(角膜Ec)のOCT画像を取得するための光学系が設けられている。演算制御ユニット200は、各種の演算処理や制御処理等を実行するコンピュータを具備している。
【0019】
本実施形態を含む以下の実施形態においては、干渉光計測装置1は角膜Ecの計測を行うものとして説明を行う。
【0020】
<眼底カメラユニット>
図1に示す眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efの表面形態を表す2次元画像(眼底像)や角膜Ecの2次元画像を形成するための光学系が設けられている。2次元画像には、観察画像や撮影画像などが含まれる。観察画像は、たとえば、近赤外光を用いて所定のフレームレートで形成されるモノクロの動画像である。撮影画像は、たとえば、可視光をフラッシュ発光して得られるカラー画像である。
【0021】
眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様に、被検者の顔が動かないように支えるための顎受けや額当てが設けられている。更に、眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様に照明光学系10と撮影光学系30が設けられている。照明光学系10は眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系30は、この照明光の反射光を撮像装置(CCDイメージセンサ35、38)に導く。また、撮影光学系30は、OCTユニット100からの信号光を角膜Ecに導くとともに、角膜Ecを経由した信号光をOCTユニット100に導く。すなわち、撮影光学系30は、OCTユニット100の光学系における信号光の光路と同軸で角膜Ecを撮影する。
【0022】
照明光学系10の観察光源11は、たとえばハロゲンランプにより構成される。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、対物レンズ22を経由して角膜Ecを照明する。
【0023】
観察照明光の角膜Ecからの反射光は、対物レンズ22により屈折され、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を経由し、ダイクロイックミラー32により反射される。更に、この角膜反射光は、ハーフミラー40を透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、たとえば所定のフレームレートで反射光を検出する。表示装置3には、CCDイメージセンサ35により検出された反射光に基づく画像(観察画像)Kが表示される。
【0024】
撮影光源15は、たとえばキセノンランプにより構成される。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って角膜Ecに照射される。撮影照明光の角膜反射光は、観察照明光のそれと同様の経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。表示装置3には、CCDイメージセンサ38により検出された反射光に基づく画像(撮影画像)Hが表示される。
【0025】
LCD(Liquid Crystal Display)39は、固視標や視力測定用視標を表示する。固視標は被検眼Eを固視させるための視標であり、眼底撮影時やOCT計測時などに使用される。
【0026】
LCD39から出力された光は、その一部がハーフミラー40にて反射され、ダイクロイックミラー32に反射され、合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
【0027】
LCD39の画面上における固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。被検眼Eの固視位置としては、たとえば従来の眼底カメラと同様に、眼底Efの黄斑部を中心とする画像を取得するための位置や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための位置や、黄斑部と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための位置などがある。
【0028】
更に、眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様にアライメント光学系50とフォーカス光学系60が設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する装置光学系(撮影光学系30及びOCTユニット100の光学系)の位置合わせ(アライメント)を行うための視標(アライメント視標)を生成する。フォーカス光学系60は、眼底Efに対してフォーカス(ピント)を合わせるための視標(スプリット視標)を生成する。
【0029】
アライメント光学系50のLED(Light Emitting Diode)51から出力された光(アライメント光)は、絞り52、53及びリレーレンズ54を経由してダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過し、対物レンズ22により被検眼Eの角膜Ecに投影される。
【0030】
アライメント光の角膜反射光は、対物レンズ22及び上記孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を通過し、ダイクロイックミラー32により反射され、ハーフミラー40を透過し、ダイクロイックミラー33に反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に投影される。CCDイメージセンサ35による受光像(アライメント視標)は、観察画像Kとともに表示装置3に表示される。ユーザは、従来の眼底カメラと同様の操作を行ってアライメントを実施する。また、演算制御ユニット200がアライメント視標の位置を解析して光学系を移動させることによりアライメントを行ってもよい。
【0031】
フォーカス調整を行う際には、照明光学系10の光路上に反射棒67の反射面が斜設される。フォーカス光学系60のLED61から出力された光(フォーカス光)は、リレーレンズ62を通過し、スプリット視標板63により二つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65に反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、対物レンズ22により眼底Efに結像される。
【0032】
フォーカス光の眼底反射光は、アライメント光の角膜反射光と同様の経路を通ってCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(スプリット視標)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。演算制御ユニット200は、従来と同様に、スプリット視標の位置を解析して合焦レンズ31及びフォーカス光学系60を移動させてピント合わせを行う。また、スプリット視標を視認しつつ手動でピント合わせを行ってもよい。
【0033】
ダイクロイックミラー32の後方には、ミラー41、コリメータレンズ42、及びガルバノミラー43、44を含む光路が設けられている。この光路はOCTユニット100に導かれている。
【0034】
ガルバノミラー43、44は、角膜Ecに対する信号光LSの照射位置を操作することができる。すなわちガルバノミラー44は、OCTユニット100からの信号光LSをx方向に走査する。ガルバノミラー43は、信号光LSをy方向に走査する。これら二つのガルバノミラー43、44により、信号光LSをxy平面上の任意の方向に走査することができる。
【0035】
<OCTユニット>
OCTユニット100には、眼底Efの断層像や角膜Ecを含む前眼部干渉像を取得するための光学系が設けられている(
図2を参照)。この光学系は、従来のフーリエドメインタイプのOCT装置と同様の構成を有する。すなわち、この光学系は、低コヒーレンス光を参照光と信号光に分割し、眼底Efや角膜Ecを経由した信号光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出するように構成されている。この検出結果(検出信号)は演算制御ユニット200に送られる。OCTユニット100の光学系が本実施形態における「干渉光学系」に該当する。
【0036】
光源ユニット101は広帯域の低コヒーレンス光L0を出力する。低コヒーレンス光L0は、たとえば、近赤外領域の波長帯(約800nm〜900nm程度)を含み、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する。光源ユニット101は、低コヒーレンス光L0を連続光として照射することが可能である。また、光源ユニット101は、低コヒーレンス光L0をパルス光として照射することが可能である。
【0037】
光源ユニット101から出力された低コヒーレンス光L0は、光ファイバ102によりファイバカプラ103に導かれて信号光LSと参照光LRに分割される。なお、ファイバカプラ103は、光を分割する手段(スプリッタ;splitter)、及び、光を合成する手段(カプラ;coupler)の双方の作用を有するが、ここでは慣用的に「ファイバカプラ」と称する。
【0038】
信号光LSは、光ファイバ104により導光され、コリメータレンズユニット105により平行光束となる。更に、信号光LSは、各ガルバノミラー44、43により反射され、コリメータレンズ42により集光され、ミラー41により反射され、ダイクロイックミラー32を透過し、LCD39からの光と同じ経路を通って角膜Ecに照射される。信号光LSは、角膜Ecにおいて散乱、反射される。この散乱光及び反射光をまとめて信号光LSの反射光(角膜反射光)と称することがある。信号光LSの反射光は、同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ103に導かれる。
【0039】
参照光LRは、光ファイバ106により導光され、コリメータレンズユニット107により平行光束となる。更に、参照光LRは、ミラー108、109、110により反射され、ND(Neutral Density)フィルタ111により減光され、ミラー112に反射され、コリメータレンズ113により参照ミラー114の反射面に結像される。参照ミラー114に反射された参照光LRは、同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ103に導かれる。
【0040】
ファイバカプラ103は、信号光LSの角膜反射光と、参照ミラー114に反射された参照光LRとを合波する。これにより生成された干渉光LCは、光ファイバ115により導光されて出射端116から出射される。更に、干渉光LCは、コリメータレンズ117により平行光束とされ、回折格子118により分光(スペクトル分解)され、集光レンズ119により集光されてCCDイメージセンサ120の受光面に投影される。
【0041】
CCDイメージセンサ120は、たとえばラインセンサであり、分光された干渉光LCの各スペクトル成分を検出して電荷に変換する。CCDイメージセンサ120は、この電荷を蓄積して検出信号を生成する。更に、CCDイメージセンサ120は、この検出信号を演算制御ユニット200に送る。
【0042】
この実施形態ではマイケルソン型の干渉計を採用しているが、たとえばマッハツェンダー型など任意のタイプの干渉計を適宜に採用することが可能である。また、CCDイメージセンサに代えて、他の形態のイメージセンサ、たとえばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることが可能である。
【0043】
<演算制御ユニット>
演算制御ユニット200の構成について説明する。演算制御ユニット200は、CCDイメージセンサ120から入力される検出信号を解析して角膜EcのOCT画像を形成する。そのための演算処理は、従来のフーリエドメインタイプのOCT装置と同様である。
【0044】
また、演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。たとえば演算制御ユニット200は、眼底Efや角膜Ecの断層像G(
図2を参照)等のOCT画像を表示装置3に表示させる。
【0045】
また、眼底カメラユニット2の制御として、演算制御ユニット200は、観察光源11、撮影光源15及びLED51、61の動作制御、LCD39の動作制御、合焦レンズ31の移動制御、反射棒67の移動制御、フォーカス光学系60の移動制御、各ガルバノミラー43、44の動作制御などを行う。
【0046】
また、OCTユニット100の制御として、演算制御ユニット200は、光源ユニット101の動作制御、参照ミラー114及びコリメータレンズ113の移動制御、CCDイメージセンサ120の動作制御などを行う。
【0047】
演算制御ユニット200は、たとえば、従来のコンピュータと同様に、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、干渉光計測装置1を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。演算制御ユニット200は、CCDイメージセンサ120からの検出信号に基づいてOCT画像を形成する専用の回路基板を備えていてもよい。また、演算制御ユニット200は、キーボードやマウス等の操作デバイス(入力デバイス)や、LCD等の表示デバイスを備えていてもよい。
【0048】
眼底カメラユニット2、表示装置3、OCTユニット100及び演算制御ユニット200は、一体的に(つまり単一の筺体内に)構成されていてもよいし、それぞれ別体として構成されていてもよい。
【0049】
<制御系>
干渉光計測装置1の制御系の構成について
図3を参照しつつ説明する。
【0050】
<制御ユニット>
干渉光計測装置1の制御系は、演算制御ユニット200の制御ユニット210を中心に構成される。制御ユニット210は、たとえば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。
【0051】
制御ユニット210には、制御部211と記憶部212が設けられている。制御部211は、前述の各種制御を行う。特に、制御部211は、眼底カメラユニット2の走査駆動部70及び合焦駆動部80、更にOCTユニット100の光源ユニット101及び参照駆動部130を制御する。光源ユニット101の制御については後述する。
【0052】
走査駆動部70は、たとえばサーボモータを含んで構成され、ガルバノミラー43、44の向きを各々独立に変更する。走査駆動部70は、ガルバノミラー43、44とともに、この発明の「走査部」の一例を構成する。
【0053】
合焦駆動部80は、たとえばパルスモータを含んで構成され、合焦レンズ31を光軸方向に移動させる。それにより、眼底Efに向かう光の合焦位置が変更される。
【0054】
参照駆動部130は、たとえばパルスモータを含んで構成され、参照光LRの進行方向に沿って、コリメータレンズ113及び参照ミラー114を一体的に移動させる。
【0055】
また、制御部211は、記憶部212にデータを書き込む処理や、記憶部212からデータを読み出す処理を行う。
【0056】
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、たとえば、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。
【0057】
<画像形成部>
画像形成部220は、CCDイメージセンサ120からの検出信号に基づいて、角膜Ecの断層像の画像データを形成する。この処理には、従来のフーリエドメインタイプの光コヒーレンストモグラフィと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。
【0058】
画像形成部220は、たとえば、前述の回路基板や通信インターフェイス等を含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づいて呈示される「画像」とを同一視することがある。
【0059】
<画像処理部>
画像処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して各種の画像処理や解析処理を施す。たとえば、画像処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の各種補正処理を実行する。
【0060】
<表示部、操作部>
表示部240は、前述した演算制御ユニット200の表示デバイスを含んで構成される。操作部250は、前述した演算制御ユニット200の操作デバイスを含んで構成される。また、操作部250には、干渉光計測装置1の筐体や外部に設けられた各種のボタンやキーが含まれていてもよい。たとえば眼底カメラユニット2が従来の眼底カメラと同様の筺体を有する場合、操作部250は、この筺体に設けられたジョイスティックや操作パネル等を含んでいてもよい。また、表示部240は、眼底カメラユニット2の筺体に設けられたタッチパネルモニタなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
【0061】
<特定部>
特定部260は、演算制御ユニット200内に設けられている。特定部260は、撮影光学系30による撮影画像に基づいて、信号光LSの反射光が強反射状態にあるときの走査部による照射位置である強反射位置を特定する。
【0062】
「撮影画像」は、撮影光学系30により前眼部(角膜Ec)を撮影して得られる画像である。「強反射位置」は、信号光LSの反射光が強反射状態にあるときの走査部による照射位置をいう。「強反射状態」は、信号光の反射光が強すぎるためCCDイメージセンサ35、38による検出ができない(飽和状態となる)という絶対的な状態、及び反射光の強度を閾値と比較した際にその反射光の強度が閾値よりも高いという相対的な状態のいずれも含む概念である。「閾値」は、強反射状態にあるか否かを区別する値である。たとえば、CCDイメージセンサ35、38により検出できる強度の最大値に基づいて自動的に設定される値である。或いは検査者等が任意に設定してもよい。
【0063】
特定部260は、検出部261を含んで構成されている。
【0064】
検出部261は、撮影光学系30による撮影画像(前眼部像)における虹彩中心位置を検出する。具体的には、検出部261は、撮影光学系30によって取得された前眼部像から、虹彩に相当する画像領域(虹彩領域)を抽出する(抽出処理)。そして、検出部261は、抽出された虹彩領域の中心画素の位置(虹彩中心位置)を検出する(検出処理)。
【0065】
まず、このような抽出処理の手法の例を説明する。検出部261は、前眼部像における輝度分布に基づいて、前眼部像を複数の部分領域に分割する(たとえば連結領域に分割する)。更に、検出部261は、これら部分領域の輝度を比較することで、各部分領域と前眼部の部位とを対応付ける。なお、輝度を比較する処理においては、各部分領域中の複数の画素における輝度の統計値(たとえば平均値)を求め、この統計値を比較するように構成することができる。また、前眼部像には瞼や睫毛が描出されていることもあるが、眼球に相当する画像領域(つまり上瞼と下瞼により囲まれた画像領域)についてのみ、上記分割処理を行うようにしてもよい。
【0066】
具体例として、虹彩及び強膜を考慮する場合、強膜領域は最も明るく描出されることを利用する。すなわち、検出部261は、前眼部像における部分領域のうち、最も輝度の高い部分領域でない部分領域を虹彩領域として選択し抽出する。
【0067】
次に、このような検出処理の手法の例を説明する。検出部261は、抽出された虹彩領域を円で近似し、その円周上のすべての点から等しい距離にある点を求める。この点に相当する撮影画像上の位置が虹彩中心位置に当たる。
【0068】
なお、上記では、検出部261による自動処理について説明したが、この処理の一部を手動化することも可能である。たとえば、前眼部像を表示部240に表示させ、操作者は操作部250を操作して各部位に相当する画像領域を指定する。この指定操作は、たとえば各部位の輪郭を指定したり、部位と部位との境界を指定したりするものである。検出部261は、手動で指定された各部分領域の輝度値に基づいて、各部分領域と前眼部の部位とを対応付ける。なお、検出部261は、手動での指定結果を補正する処理を行ってもよい。
【0069】
ここで、被検眼Eが固定された状態において、虹彩中心位置は、撮影画像のフレーム中心に該当する。「被検眼Eが固定された状態」とは、干渉光計測装置1の光軸と、CCDイメージセンサ35、38の受光面の中心と、撮影画像のフレーム中心とが一致している干渉光計測装置1に対して、被検眼Eと干渉光計測装置1とのアライメント及び固視の各々が適正になされた状態をいう。このような状態においては、虹彩中心位置と角膜頂点(強反射位置)とがほぼ等しくなる。
【0070】
更に、CCDイメージセンサ35、38の各ピクセルとガルバノミラー43、44の位置(向き)情報は予め対応付けられ、記憶部212等に記憶されている。つまり、CCDイメージセンサ35、38による撮影画像の各画素とガルバノミラー43、44の位置も対応付けられていることになる。なお、CCDイメージセンサ35、38の各ピクセルとガルバノミラー43、44の位置(向き)情報との対応付けは、干渉光計測装置1の光学系の構成によって決まる。また、CCDイメージセンサ35、38の各ピクセルとガルバノミラー43、44の位置(向き)情報との対応付けは、撮影倍率によって可変である。この場合、撮影の都度、対応付けを決定してもよいし、記憶部212等に予め記憶されたテーブル情報を用いることでもよい。
【0071】
以上より、特定部260は、検出部261によって検出された虹彩中心位置に対応する信号光LSの照射位置、つまりガルバノミラー43、44の位置を強反射位置として特定する。
【0072】
具体的には、特定部260は、検出部261によって検出された虹彩中心位置の画素に対応するガルバノミラー43、44の位置(フレーム中心の画素に対応するガルバノミラー43、44の位置)を記憶部212から取得し、取得した位置に対応する信号光LSの照射位置を強反射位置として特定する。
【0073】
強反射位置は、角膜Ecの一点でもよいし、一定の範囲であってもよい。一定の範囲は、たとえば、任意に設定した被検眼Eの所定領域を当該範囲とすることができる。或いは、被検眼Eの実測データに基づいて一定の範囲を決定してもよい。
【0074】
<信号光の走査及びOCT画像について>
ここで、信号光LSの走査及びOCT画像について説明しておく。
【0075】
干渉光計測装置1による信号光LSの走査態様としては、たとえば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋(渦巻)スキャンなどがある。これらの走査態様は、観察部位、解析対象、走査に要する時間、走査の精密さなどを考慮して適宜に選択的に使用される。
【0076】
ガルバノミラー43、44は互いに直交する方向に信号光LSを走査するように構成されているので、信号光LSをx方向及びy方向にそれぞれ独立に走査できる。更に、ガルバノミラー43、44の向きを同時に制御することにより、xy面上の任意の軌跡に沿って信号光LSを走査することが可能である。それにより、上記のような各種の走査態様を実現できる。
【0077】
上記のような態様で信号光LSを走査することにより、走査線(走査軌跡)に沿った深度方向(z方向)の断層像を形成することができる。
【0078】
上記のような信号光LSの走査対象となる被検眼E上の領域、つまりOCT計測の対象となる前眼部(角膜Ec)上の領域を走査領域と呼ぶ。
【0079】
<動作>
次に
図4〜
図7を参照して、本実施形態に係る干渉光計測装置1の動作について説明する。ここでは、光源ユニット101から照射される光がパルス光であるとして説明を行う。干渉光計測装置1は走査点P
n(n=1〜k。図示なし)に向けて順次に信号光LSを照射し、検出された信号光LSの反射光に基づいて、所定の撮影範囲(走査点P
1〜P
kが含まれる領域)における画像を取得することができる。また、以下の説明において、被検眼Eは固定された状態にあるものとする。
【0080】
制御部211は、撮影光源15を制御し、撮影照明光を出力させる。出力された撮影照明光は、角膜Ecに照射される。角膜Ecに照射された撮影照明光は、角膜Ec等で反射される。その反射光は、撮影光学系30に入射する。撮影光学系30に入射した反射光は、CCDイメージセンサ38の受光面に結像される。CCDイメージセンサ38の受光結果に基づいて、撮影画像Iが形成される(S10)。
【0081】
検出部261は、S10で形成された撮影画像Iから虹彩領域を抽出する。そして、検出部261は、抽出された虹彩領域から虹彩中心位置を検出する(S11)。
【0082】
特定部260は、S11で検出された虹彩中心位置の画素に対応するガルバノミラー43、44の位置を記憶部212から取得し、その位置で被検眼Eに照射される光の照射位置を強反射位置として特定する(S12)。
【0083】
引き続き、OCTユニット100による計測が開始される。この場合、制御部211は、信号光LSを照射する走査点P
1がS12で特定された強反射位置であるかどうか判断する(S13)。具体的には、制御部211は、信号光LSを照射する位置に対応するガルバノミラー43、44の位置が、S12で特定された強反射位置に対応するガルバノミラー43、44の位置と同じであるか否かを判断する。
【0084】
走査点P
1がS12で特定された強反射位置で無い場合(S13でNの場合)、制御部211は光量を低下させずに光源ユニット101を駆動させ、走査点P
1に対して信号光LSを照射させる(S14)。所定の撮影範囲における撮影が完了していない場合(S15でNの場合)には、制御部211は、ガルバノミラー43、44を駆動させることにより、信号光LSの照射位置を走査する(S16)。すなわち、制御部211は、走査点P
1から走査点P
2に信号光LSの照射位置を変更させ、走査点P
2においてS13、S14(S17)の動作を行う。
【0085】
以上の処理を点P
kまで繰り返すことで所定の撮影範囲における撮影が完了する(S15でYの場合)。
【0086】
ここで、走査点P
nがS12で特定された強反射位置であると判断された場合(S13でYの場合)、制御部211は、特定された強反射位置に対して照射されるパルス光(信号光LS)の光量を低下させるための制御を行う(S17)。そして、制御部211は、光源ユニット101を制御して、特定された強反射位置に対して光量を低下させたパルス光(信号光LS)を照射させる。
【0087】
信号光LSの光量はパルス光の光量に応じて増減する。従って、パルス光の光量を低下させることは、S12で特定された照射位置に照射される信号光LSの光量を低下させることとなる。
【0088】
パルス光の光量を低下させる具体例としては、制御部211が、ある走査点P
nに対して信号光LSを再度照射するときのパルス光のパルス幅が、他の照射位置(走査点P
n以外の位置)に信号光LSを照射するときのパルス光のパルス幅より小さくなるよう光源ユニット101を制御することが挙げられる。この例を
図5に示す。
【0089】
図5は、光源ユニット101から照射されるパルス光の一例を示す図である。
図5の縦軸はパルス光の強度を表す。横軸はパルス光の照射時間を表す。走査点P
n(n=1〜k)に対して照射される信号光LSの元となるパルス光をパルス光L
n(n=1〜k)で表す。ここでは、S12で特定された強反射位置が走査点P
3に対応しているとして説明を行う。
【0090】
図5に示すように、制御部211は、走査点P
3に対して信号光LSを照射するときのパルス光L
3のパルス幅(照射時間)を、他の走査点P
1、P
2、P
4・・・・P
kに信号光LSを照射するときのパルス光L
1、L
2、L
4・・・・L
kのパルス幅よりも小さくするよう光源ユニット101を制御する。信号光LSの強度はパルス光Lnの強度に応じて増減する。従って、パルス幅を小さくすることにより、走査点P
3に照射される信号光LSは光量が弱くなる。つまり、走査点P
3に対して信号光LSの光量を低下させることができる。
【0091】
ここで、光源ユニット101からのパルス光L
n(信号光LS)の光量を低下させる制御部211の制御動作については上記に限られない。
【0092】
たとえば、
図6に示すように、制御部211が、走査点P
3に対して信号光LSを照射するときのパルス光L
3のパルス高(光の強度)を、他の走査点P
1、P
2、P
4・・・・P
kに信号光LSを照射するときのパルス光L
1、L
2、L
4・・・・L
kのパルス高よりも低くなるよう光源ユニット101を制御することにより光量を低下させることが可能である。
【0093】
なお、制御部211は、パルス幅を小さくし、且つパルス高を低くするよう光源ユニット101を制御することにより光量を低下させることも可能である。
【0094】
或いは、
図7に示すように、制御部211が、走査点P
3に対して信号光LSを照射するときのパルス光L
3のパルス高(光の強度)と、それ以前に検出されたパルス光(例えばL
2)の強度の比較を行う。そして、制御部211が、走査点P
3に照射されるパルス光L
3のパルス高(光の強度)が、それ以前に検出されたパルス光のパルス高(光の強度)を超えたと判断したときに光源ユニット101を制御することが可能である。すなわち、制御部211は、光源ユニット101を制御して、パルス光L
3の出力を停止させることにより光量を低下させることが可能である。
【0095】
なお、上記説明では、制御部211が走査点毎に強反射位置であるかどうかを判断する例について説明したが、制御部211の判断についてはこれに限られない。強反射位置に対応するガルバノミラー43、44の位置は既知である。よって、制御部211は、当該ガルバノミラー43、44の位置になったことを検知し、その場合にパルス光の光量を低下させる制御を行うことも可能である。
【0096】
また、記憶部212に記憶された強反射位置を、経過観察(被検眼Eの固定された状態が同一の必要がある)の際に用いることも可能である。この場合、「特定部」には、記憶部212も含まれる。
【0097】
<作用・効果>
以上のような干渉光計測装置1の作用及び効果について説明する。
【0098】
干渉光計測装置1は、光源ユニット101と、干渉光学系と、走査部と、撮影光学系30と、特定部260と、制御部211とを有する。光源ユニット101は、低コヒーレンス光L0を出力する。干渉光学系は、光源ユニット101からの低コヒーレンス光L0を信号光LSと参照光LRとに分割し、被検眼Eによる信号光LSの反射光と参照光LRとを重畳させて干渉光LCを生成して検出する。走査部は、被検眼Eに対する信号光LSの照射位置を走査する。撮影光学系30は、干渉光学系における信号光LSの光路と同軸で被検眼Eの前眼部を撮影する。特定部260は、撮影光学系30による撮影画像に基づいて、信号光LSの反射光が強反射状態にあるときの走査部による照射位置である強反射位置を特定する。制御部211は、特定された強反射位置に対して信号光LSを照射させるときに、光源ユニット101を制御して低コヒーレンス光L0の光量を低下させる。
【0099】
特定部260は、検出部261を有する。検出部261は、撮影画像における虹彩中心位置を検出する。特定部260は、検出された虹彩中心位置に対応する走査部による照射位置を強反射位置として特定する。
【0100】
このように、干渉光計測装置1によれば、強反射位置に対して信号光を照射するときに、光源ユニット101から出力される低コヒーレンス光の光量を低下させることができる。従って、被測定物体からの強反射光の影響を低減させて被測定物体の撮影を行うことが可能となる。
【0101】
更に、本実施形態における低コヒーレンス光はパルス光である。制御部211は、特定された強反射位置に信号光LSを照射するときのパルス光のパルス幅を、他の照射位置に信号光LSを照射するときのパルス光のパルス幅より小さくするよう光源ユニット101を制御することにより光量を低下させる。
【0102】
また、制御部211は、特定された強反射位置に信号光LSを照射するときのパルス光の強度を、他の照射位置に信号光LSを照射するときのパルス光の強度より低くするよう光源ユニット101を制御することにより光量を低下させることも可能である。
【0103】
或いは、制御部211は、強反射位置に照射する信号光LSの強度、及びそれ以前に検出された信号光LSの強度の比較を行い、強反射位置に照射される信号光LSの強度が、それ以前に検出された信号光LSの強度を超えたときに、光源ユニット101を制御して光量を低下させることも可能である。
【0104】
このように、制御部211は、種々の方法を用いて光源ユニット101から出力される低コヒーレンス光を低減させることができる。従って、強反射位置からの反射光の強度を低減させることが可能となる。
【0105】
<変形例1>
上記実施形態では、虹彩中心位置に対応する走査部による照射位置を強反射位置として特定したが、強反射位置の特定はこれに限られない。たとえば、特定部260は、アライメント光学系50を用いて強反射位置を特定することが可能である。本変形例では、アライメント光学系50も特定部260に含まれる。
【0106】
ここで、上記実施形態における光学系の配置においては、干渉光計測装置1の光軸と、CCDイメージセンサ35、38の受光面の中心と、撮影画像のフレーム中心とが一致している。よって、被検眼Eが固定された状態において、撮影画像のフレーム中心は、角膜頂点(強反射位置)とほぼ等しくなる。「被検眼Eが固定された状態」とは、上述の通り、干渉光計測装置1の光軸と、CCDイメージセンサ35、38の受光面の中心と、撮影画像のフレーム中心とが一致している干渉光計測装置1に対して、被検眼Eと干渉光計測装置1とのアライメント及び固視の各々が適正になされた状態をいう。更に、上述の通り、CCDイメージセンサ35、38の各ピクセルとガルバノミラー43、44の位置(向き)情報は予め対応付けられ、記憶部212等に記憶されている。
【0107】
従って、特定部260は、撮影光学系30により撮影されたアライメント光の撮影画像に基づいて、アライメントがなされたときの前記干渉光学系の光軸上の位置を強反射位置として特定する。
【0108】
具体的には、特定部260は、アライメント光の撮影画像のフレーム中心の画素に対応するガルバノミラー43、44の位置を記憶部212から取得し、取得した位置に対応する信号光LSの照射位置を強反射位置として特定する。
【0109】
なお、アライメントが合った時点で干渉光学系による撮影を開始することも可能である。具体的には、撮影光学系30によりアライメント光を常時撮影し、撮影画像を取得する。制御部211は、当該撮影画像に基づいて「被検眼が固定された状態」であるか否かを監視する。そして、「被検眼が固定された状態」(アライメントがなされた状態)になった場合、制御部211は、干渉光学系による撮影を開始させる制御を行う。
【0110】
<作用・効果>
以上のような干渉光計測装置1の作用及び効果について説明する。
【0111】
特定部260は、アライメント光学系50を有する。アライメント光学系50は、被検眼Eと撮影光学系30及び干渉光学系とのアライメントを行うためのアライメント光を被検眼Eに対して照射する。撮影光学系30は、被検眼Eに照射されたアライメント光を撮影する。特定部260は、アライメント光の撮影画像に基づきアライメントがなされたときの干渉光学系の光軸上の位置を強反射位置として特定する。
【0112】
このように、干渉光計測装置1によれば、アライメント光の撮影画像に基づいて特定された強反射位置に対して信号光を照射するときに、光源ユニット101から出力される低コヒーレンス光の光量を低下させることができる。従って、被測定物体からの強反射光の影響を低減させて被測定物体の撮影を行うことが可能となる。
【0113】
<変形例2>
実施形態における制御部211は、強反射位置に対して信号光LSを照射させるときに、光源を制御して低コヒーレンス光L0の光量を低下させる制御を行っているが、制御の方法についてはこれに限られない。
【0114】
たとえば、制御部211が、特定部260で特定された強反射位置に対して信号光LSを照射させるときに、信号光LSに基づく干渉光の干渉光学系による検出時間を短縮する制御を行う。具体的には、制御部211は、干渉光学系内に設けられたCCDイメージセンサ120の電荷蓄積時間を短くする制御を行う。
【0115】
<作用・効果>
以上のような干渉光計測装置1の作用及び効果について説明する。
【0116】
干渉光計測装置1は、光源ユニット101と、干渉光学系と、走査部と、撮影光学系30と、特定部260と、制御部211とを有する。光源ユニット101は、低コヒーレンス光L0を出力する。干渉光学系は、光源ユニット101からの低コヒーレンス光L0を信号光LSと参照光LRとに分割し、被検眼Eによる信号光LSの反射光と参照光LRとを重畳させて干渉光LCを生成して検出する。走査部は、被検眼Eに対する信号光LSの照射位置を走査する。撮影光学系30は、干渉光学系における信号光LSの光路と同軸で被検眼Eの前眼部を撮影する。特定部260は、撮影光学系30による撮影画像に基づいて、信号光LSの反射光が強反射状態にあるときの走査部による照射位置である強反射位置を特定する。制御部211は、特定された強反射位置に対して信号光LSを照射させるときに、信号光LSに基づく干渉光LCの干渉光学系による検出時間を短縮する。
【0117】
このように、干渉光計測装置1によれば、干渉光学系による検出時間(CCDイメージセンサ120の電荷蓄積時間)を短縮させることで、反射光の強度が強い場合であってもCCDイメージセンサ120に蓄積される電荷を押さえることができる。従って、被測定物体からの強反射光の影響を低減させて被測定物体の撮影を行うことが可能となる。
【0118】
<その他>
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。
【0119】
上記では、被測定物体として生体眼を用いて説明を行ったがこれに限られない。強反射状態が起こる可能性のある被測定物体に対しては、上記実施形態の構成を適用することで強反射光の影響を低減させて撮影を行うことが可能となる。
【0120】
具体的には、例えば、生体内の粘膜(胃や大腸等)に対して照射した光の反射光を受光する場合にも強反射状態となる場合がある。このような部位に対して上記実施形態の構成を応用することにより、強反射光の影響を低減させて撮影を行うことが可能となる。