(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
新しい値を前記パラメータに割当て、このような新しいパラメータ値で構成されるセンサモデルの前記出力を前記実際のセンサの前記センサ信号と比較するルーチンは、前記偏差が前記しきい値に依然として達していない限り反復して適用される請求項10記載の補償フィルタの構築方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
先に限定した特徴、およびさらに別の本発明の特徴及び利点は以下説明される実施形態の例からも得られることができ、実施形態の例を参照して説明される。本発明をその発明の限定ではない実施形態の例を参照して以下より詳細に説明する。
図1は測定される測定量の迅速な変化を表すステップ関数の図である。図のx軸は秒において時間を示し、y軸は測定される測定量を示し、この特定のケースでは相対湿度RH(t)は%で表されている。したがってt=0では、相対湿度RHは20%から80%へ増加する。図の他のグラフは相対湿度のステップ関数stに応答して相対湿度センサにより与えられる時間にわたるセンサ信号を示している。これらのグラフから、湿度センサは測定の変化に直ちに従うことができず、応答時間とも呼ばれる遅延によって80%の新しい相対湿度に接近することが導かれる。種々のグラフは摂氏による異なる周囲温度を受けたセンサ信号を表す。基本的に、周囲温度が高い程、センサ信号の応答時間は速くなる。周囲温度が低い程、センサ信号の応答時間は長くなる。
【0019】
図2は本発明の1実施形態によるセンサシステムの概略図を示している。相対湿度センサ1は周囲関連湿度RHを感知する。以下、用語湿度は相対湿度の同義語として使用される。湿度センサ1の物理はその出力におけるセンサ信号RH
sensorの力学が温度依存性であることである。
図2の湿度センサ1は
図1のグラフによれば温度依存出力を与える湿度センサにしたがって動作することができる。このことは湿度センサの応答時間が周囲温度Tに依存していることを意味する。したがって
図2では、周囲温度Tは湿度センサ1への入力として示されているが、湿度センサ1は周囲温度1を測定することを意味されるのではなく、その出力におけるセンサ信号RH
sensorの力学が周囲温度Tにしたがって変化していることを意味している。
【0020】
周囲温度Tを測定するための温度センサ2である第2のセンサが設けられる。温度センサ2の出力は周囲温度Tを表す温度信号Tを与える。
【0021】
補償装置3は時間にわたってセンサ信号RH
sensor(t)を受信し、このセンサ信号はu(t)としても示され、温度信号T(t)にしたがってセンサ信号RH
sensor(t)の力学を調節する。この調節の結果として、補償装置3はその出力において時間にわたって補償されたセンサ信号RH
compensated(t)を提供する。質的用語では、補償されたセンサ信号RH
compensated(t)は最良の状態で湿度センサ1の応答時間を補償し、測定される測定の勾配により近づいた勾配を取る。このようにして、補償装置3はセンサ信号RH
sensor(t)の力学と、したがってより良好な応答時間を可能にしないセンサ1の力学について調節する。
【0022】
所望の方法でセンサ1の力学を実際に補償する補償装置3を構築するため、センサ1の特性の態様が理解される必要がある。以下のセクションは湿度感知を伴って説明されているが、その原理は、センサが使用される応用で満足されない応答時間、特に温度依存応答時間を示す任意の他のセンサに一般化されることができることが理解されよう。
【0023】
[センサのモデル化]
以下は湿度センサのモデル化について説明しており、そのモデル化から適切な補償装置が得られることができる。このような補償装置は実際のセンサに対して下流に設けられることができ、このようなセンサにより出力されるセンサ信号の力学を補償する。
【0024】
湿度センサでは、関連測定として湿度は湿度センサの感知素子に到達する必要がある。湿度センサのこのような感知素子は好ましくは薄膜である。湿度感知の背景についての更なる情報ではEP 1 700 724を参照されたい。したがって、測定される湿度は湿度センサの薄膜に拡散される必要がある。これに先立って、湿度センサがハウジングを有するならば、湿度は湿度センサのこのようなハウジング中へ拡散される必要がある。
【0025】
これらの両拡散プロセス、即ち外部からハウジングへ、及びハウジングからセンサ素子への両拡散プロセスが関連している湿度センサでは、両プロセスは対応するセンサモデルで尊重されることが好ましい。
【0026】
両プロセスを2つの独立した拡散時間の制約を有する微分拡散方程式により説明する。第1の近似では、センサは2つの極及び1つのゼロを有する周波数ドメインの伝達関数により説明され、それによって対応する伝達関数G
2(s)の一般的な設計は特に二次モデルでは以下のようになる。
G
2(s)=K
S+1/(T
1s+1)(T
2s+1) (式1)
ここで、sは複素ラプラス変数を示し、K、T
1、T
2は識別される定数である。T
1とT
2はそれぞれの拡散プロセスの時定数であり、Kは2つのプロセス間の結合を規定する。伝達関数G(s)は通常次式による周波数ドメインのセンサの特徴を示している。
RH
sensor(s)=G(s)+RH(s)
湿度センサのハウジングが非常に複雑であるので、付加的な極とゼロが付加されることができ、湿度センサの伝達関数はしたがって修正されることができる。
【0027】
幾つかの他の応用は複雑さの少ないセンサ表示を必要とする可能性がある。この場合、一次モデルはセンサを近似でき、この一次モデルは1つの極を有する周波数ドメインの伝達関数により特徴付けられ、それによってこのような伝達関数G
1(s)の一般的な設計は特に一次モデルでは以下のようになることができる。
G
1(s)=1/(T
1s+1) (式2)
このようなモデルは例えばハウジングへの拡散プロセスが無視されるように湿度センサがハウジングを含まないならば、または2つの拡散プロセスの一方、即ち外からハウジングへまたはハウジングからセンサ素子への拡散プロセスが他方よりも優勢であり、それによって伝達関数が優勢な拡散プロセスのみにより概算されることができるならば十分である。
【0028】
パラメータT
1、T
2、Kを識別するための異なる方法が存在する。1つの方法は試行錯誤によりパラメータを発見することである。第1の試行では、センサ出力はセンサモデルによりシミュレートされ、ここでセンサモデルはパラメータの第1の評価を使用する。センサモデルの出力はその後、実際のセンサにより供給されるセンサ信号と比較される。その後、パラメータはシミュレートされたセンサ出力と実際のセンサ信号との間の偏差が許容可能に小さくなるまで調節される。
【0029】
マイクロ制御装置のようなデジタルシステムでセンサモデルを構成するため、センサモデルは好ましくは式1または2により記述されているような連続的な周波数ドメインではなくディスクリートな時間ドメインで実行される。それ故、センサモデルはデジタル化、即ち差分方程式のセットへ変換される必要がある。
【0030】
第1に、周波数ドメインの差分方程式、例えば式1と2はラプラスの逆変換により時間連続ドメインに逆変換されることができる。
【0031】
式1によるセンサの二次モデルでは、制御基準形態における等価の時間連続状態スペースは次式のようになり、
【数1】
【0032】
ここで、w(t)は時間ドメインにおける時間tの真の相対湿度RHを示し、
x1(t)とx2(t)は二次センサモデルの内部状態を示し、
v(t)は時間tにわたるセンサモデル出力を示す。
【0033】
この時間連続状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数2】
【0034】
一次センサモデルでは、制御基準形態における時間連続状態スペース記述は次式のようになる。
【数3】
【0035】
ここでも、w(t)は時間ドメインにおける時間tの真の相対湿度RHを示し、
x(t)は一次センサモデルの内部状態を示し、
v(t)は時間tにわたるセンサモデル出力を示す。
【0036】
この時間連続状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数4】
【0037】
第2に、時間連続ドメインにおける表示は時間のディスクリートなドメインへ変換されることができる。
【0038】
二次センサモデルについての時間連続状態スペース表示に等価の時間のディスクリートな状態スペース表示は次式のようになる。
【数5】
【0039】
ここで、wはサンプリング時間t(k+1)−t(k)=T
sである時間ステップkにおける測定された相対湿度を示している。二次センサモデルの2つの内部状態x
1(k)、x
2(k)が存在する。これはx(k)=(x
1(k),x
2(k))
Tを意味している。v(k)はディスクリートな時間ドメインにおけるセンサモデル出力を示している。
【0040】
この時間ディスクリートな状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数6】
【0042】
一次センサモデルについての時間連続状態スペース表示の時間ディスクリートな状態スペース表示は次式で表される。
【数7】
【0043】
ここで、w(k)はサンプル時間がt(k+1)−t(k)=T
sである時間ステップkにおける測定された相対湿度RHを示している。一次センサモデルの内部状態x(k)が存在する。v(k)はディスクリートな時間ドメインにおけるモデル化されたセンサ出力を示している。
【0044】
この時間ディスクリートな状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数8】
【0046】
一次および二次センサモデルのマトリックスの導出はシューア(Schur)の分解と級数展開とマトリックス反転を必要とする。コンピュータソフトウェアは係数の計算に役立つことができる。
【0047】
一次又は二次センサモデルの時間ディスクリートな状態スペース表示はマイクロプロセッサで動作されることができ、パラメータT
1またはT
1、T
2とKはそれぞれ、センサモデル出力v(k)がデジタル化された形態u(k)に存在する可能性があるかまたは比較目的でデジタル化されることができる実際のセンサ信号u(t)に対して十分に近くなるまで変化されることができる。
【0048】
センサモデルのパラメータを決定するためのより高度な方法は測定されたデータからダイナミックなモデルを自動的に構築するシステム識別ツールを使用できる。
【0049】
[補償装置のモデル化]
次のステップでは、
図2からの補償装置3が決定され実行される。湿度センサ1が二次モデルによりモデル化されるとき、有効に、補償装置も二次モデルによってモデル化される。周波数ドメインにおいて補償装置としても示されるこのような二次補償フィルタ3の伝達関数C
2(s)は次式により表されることができる。
G
2(s)=(T
1s+1)(T
2s+1)/(Ks+1)(Ps+1) (式3)
一次センサモデルが適用されるならば、後続する一次補償フィルタが提案され、これは次式により周波数ドメインで伝達関数C
1(s)により表されることができる。
G
1(s)=(T
1s+1)/(Ps+1) (式4)
両モデルについて、sは複素ラプラス変数を示し、K、T
1、T
2はセンサモデルを決定するときに識別された定数である。
【0050】
C(s)は通常周波数ドメインの補償フィルタの伝達関数を示しており、ここで、
RH
compensated(s)=C(s)*RH
sensor(s)
好ましくは、補償フィルタの伝達関数C(s)はセンサモデル伝達関数G(s)に対する反転であり、即ち拡散関数であり、それによって次式になる。
C(s)=1/G(s)
項(Ps+1)は関数を物理的に応用可能にするために補償装置の伝達関数で導入される。パラメータPはフィルタ関数上の衝撃を低く維持するために小さくされているが、測定雑音を濾波するために使用されることができる。
【0051】
補償フィルタの伝達関数C(s)の重要な特性はC(s)の最終値が1に収束することであり、即ち、
【数9】
【0052】
これは補償フィルタ3が転移期間中にセンサ出力特徴を変化するだけであることを意味する。補償フィルタ3が定常状態であるとき、これはセンサのモデル化およびそのハウジングが正確ではなくてもセンサ出力に影響しない。真のシステム応答RH(t)がモデル化よりも速いならば、オーバーシュートが生じる可能性があることに注意されたい。
【0053】
典型的に、補償フィルタ3は連続的な信号においてではなく測定された湿度のサンプルにおいて動作するマイクロ制御装置のようなデジタルシステムで構成される。結果として、マイクロ制御装置は積分できず、式3または4でのような微分方程式を実行しない。それ故、補償装置はデジタル化、即ち差分方程式のセットに変換される必要がある。
【0054】
第1に、スペクトルドメイン中の微分方程式、即ち本発明の例では式3と4はラプラスの逆変換により時間連続ドメインに逆変換されることができる。
【0055】
二次補償フィルタでは、制御基準形態における時間連続状態スペース記述は以下のようになる。
【数10】
【0056】
ここで、u(t)は時間ドメインにおける時間tの測定された湿度、即ちセンサ信号RH
sensor(t)を示し、
x1(t)とx2(t)は二次補償フィルタの内部状態を示し、
y(t)は
図2による補償されたセンサ信号、即ちRH
compensated(t)を示す。
【0057】
この時間連続状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数11】
【0058】
一次補償フィルタでは、制御基準形態における時間連続状態スペース記述は以下のようになる。
【数12】
【0059】
ここで、u(t)は時間ドメインにおける時間tの測定された湿度、即ち
図2のセンサ信号RH
sensor(t)を示し、
x(t)は二次補償フィルタの内部状態を示し、
y(t)は
図2の補償されたセンサ信号、即ちRH
compensated(t)を示す。
【0060】
この時間連続状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数13】
【0061】
第2に、時間連続ドメインにおける表示は時間ディスクリートドメインに変換されることができる。
【0062】
二次補償フィルタの時間ディスクリート状態スペース表示は次式になる。
【数14】
【0063】
ここで、u(k)はサンプリング時間t(k+1)−t(k)=T
sである時間ステップkにおける測定された湿度を示している。二次補償装置の2つの内部状態、即ちx(k)=(x
1(k),x
2(k))
Tが存在する。y(k)はディスクリートな時間ドメインにおける補償されたセンサ信号を示している。
【0064】
この時間ディスクリートな状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数15】
【0065】
一次補償フィルタの時間連続状態スペース表示の時間ディスクリートな状態スペース表示は次式であることができる。
【数16】
【0066】
ここで、u(k)はサンプリング時間t(k+1)−t(k)=T
sである時間ステップkにおける測定された湿度を示している。一次補償装置の2つの内部状態x(k)が存在する。y(k)はディスクリートな時間ドメインにおける補償されたセンサ信号を示している。
【0067】
この時間ディスクリートな状態スペース表示では、係数A、B、C、Dは次式により決定される。
【数17】
【0068】
一次および二次補償フィルタのマトリックスの導出はシューアの分解と級数展開とマトリックス反転を必要とする。コンピュータソフトウェアは係数の計算に役立つことができる。
【0069】
図4は主にディスクリートな時間ドメインにおけるサンプル信号を示している。
図4の(a)は時間tにわたるサンプル周囲湿度RHを示している。時間にわたる連続信号として測定された湿度はu(t)、即ち湿度センサにより供給されるセンサ信号u(t)により示される。センサ信号u(t)は点k=0,k=1,…でサンプルされ、サンプリング時間はT
s=t(k+1)−t(k)である。u(k)は時間ディスクリート信号であるサンプルされたセンサ信号を示している。
【0070】
二次補償フィルタでは、サンプル点kにわたる内部状態x1とx2はグラフ
図4の(b)に示されている。最後のグラフ
図4の(c)では、補償されたセンサ信号はディスクリートな時間ドメインにおけるステップ関数として示されている。例示の目的で、連続時間ドメインにおける等価値Yは点線および破線として示されている。
【0071】
時間にわたるサンプル湿度特徴に関する補償効果は
図3の図に示されている。
図3の(a)では、「周囲条件」と呼ばれる環境中の相対湿度は時間の関数として示され、傾斜の形態の3つの段階的変化および勾配を含んでいる。湿度センサは「センサ出力」として示されるセンサ信号を供給し、これは周囲条件における高速度の変化に対する重大な応答時間を示している。前述したように、内部拡散力学およびハウジングの力学のために周囲条件はセンサ内で濾波される。センサに続いて補償フィルタは「補償された出力」として補償されたセンサ信号を供給する。本発明の例では、補償フィルタは二次モデルとして構成される。図面から得られることができるように、補償された出力はセンサ出力に与えられる補償装置なしでセンサ出力が行うよりも非常に周囲条件に似ている。したがって、補償装置は、補償装置を含むセンサシステムの出力全体が周囲条件における特に高速度の変化でより良好な品質の出力を与えるように測定システムの品質を改良することを促す。
図3の(b)は鋸歯の形態の別の周囲条件特徴についてのセンサ出力および補償された出力を示している。この例では、補償フィルタは一次モデルとして構成される。
【0072】
図5は本発明の1実施形態によるセンサシステムを実行するための方法の例示をサポートしている。第1のステップでは、センサ自体はセンサモデルを説明するデータからの補償モデルを得る目的でモデル化されている。この第1のステップでは、実際のセンサは再度、測定、即ち「周囲条件」として示される相対湿度の段階的な増加に露出される。相対湿度RHは約15%から約65%の単一のステップで増加される。対応するセンサ出力が測定され好ましくは記憶される。応答時間を示すセンサ出力は
図5の(a)と(b)の両者に示されている。前もって、使用される湿度センサは一次モデルにより最良に表されることができる。したがって第2のステップで、センサモデルは以下の伝達関数により構築され、
G
1(s)=1/(T
1s+1)
パラメータT
1が決定される必要がある。センサモデルの出力は
図5に示されているように実際のセンサ出力に最良に適合するようにパラメータT
1を決定するため、一次タイプのセンサモデルは先に説明された式にしたがって時間ディスクリート状態スペースで制御装置において実行される。
【数18】
【0073】
センサモデルのこの時間ディスクリート状態スペース表示では、パラメータT
1の初期値が選択され、例えばT
1=6sである。T
1=6sのセンサモデル出力が
図5の(a)に示されている。センサモデルはパラメータT
1=8sとT
1=12sで動作される。対応するセンサモデル出力も
図5の(a)に示されている。
【0074】
次のステップでは、パラメータ値はセンサモデル出力を実際のセンサ信号に近づけるように選択される。
図5の(a)から、これはT
1=8sの場合であることが得られる。したがって周波数ドメインのセンサモデルの完全な伝達関数は次式になる。
G
1(s)=1/(8s+1)
時間ディスクリートドメインにおけるその表示は、以下のようになる。
【0075】
x(k+1)=0.8465・x(k)+0.9211・w(k)
v(k)=0.1667x(k)+0・w(k)
x(0)=(0.9211/(1-0.8465))w(0)
センサが最初にパラメータの第1の値でモデル化されることができるように、方法は変更されることができる。第1のパラメータ値を有するモデルに基づくセンサ出力の偏差が大き過ぎるならば、パラメータに対して別の値が選択される。反復して、センサモデル出力と実際のセンサ信号との間に十分な類似性があり、即ちこれらの2つの間の偏差はしきい値より低いと考えられる限り、同数のパラメータ値が選択される。
【0076】
次のステップで、補償装置モデルは以下の周波数ドメインの一般的表示を有する一次モデルであるように決定される。
C
2(s)=(T
1s+1)/(Ps+1)
上記説明による時間ディスクリート状態スペースにおける表示は以下のようになる。
【数19】
【0077】
u(k)は補償装置へのディスクリートな入力、即ち実際のセンサの出力のディスクリートな表示を示し、y(k)は補償装置のディスクリートな出力、即ち時間ディスクリートドメインの補償されたセンサ信号を示している。対応する係数は以下のようになる。
【数20】
【0078】
センサモデルを実行するときのパラメータT
1の決定により、補償装置の係数A−Dが決定されることができる。このステップでは、パラメータPも選択される。パラメータPは信号雑音の減少に影響する。
【0079】
補償装置は実行されることができる。その時間ディスクリートな状態スペースでは、補償装置は次式により表される。
x(k+1)=0.3679・x(k)+0.6321・u(k)
y(k)=8.0・x(k)+−7.0・u(k)
x(0)=(0.6321/(1-0.3679))u(0)
補償装置は測定されたデータで有効にされることができる。Pは信号対雑音比SNRにおいて最良の性能に調節されることができる。
【0080】
本発明の実施形態では、パラメータPはP=1として選択される。
【0081】
補償された出力は
図5の(b)に示されている。応答時間は補償されていないセンサ出力と比較されて限定される。補償装置は勿論、全ての種類の信号に対して機能する。
【0082】
図6は本発明の別の実施形態によるセンサシステムを構成するための方法の例示を示している。
図5の実施形態と対照的に、センサモデルと補償装置は二次モデルとして説明される。さらに、補償装置を含むセンサシステムを構成するステップは
図5に関して説明したのと同じである。第1のステップでは、センサ自体はセンサモデルを示すデータから補償装置モデルを得る目的でモデル化される。この第1のステップでは、実際のセンサは測定、即ち「周囲条件」として示される相対湿度の段階的増加に露出される。相対湿度RHは約15%から約65%へ単一のステップで増加される。対応するセンサ出力が測定され好ましくは記憶される。応答時間を示すセンサ出力は
図5の(a)、(b)、(c)の全てに示されている。したがって、第2のステップではセンサモデルは以下の伝達関数により構築され、
G
2(s)=Ks+1/(T
1s+1)(T
2s+1)
パラメータT
1、T
2、Kが決定される必要がある。センサモデルの出力が
図6の(a)に示されているように実際のセンサ出力に最良に適合するようにパラメータを決定するため、センサモデルは先に与えられた式にしたがって時間ディスクリート状態スペースでマイクロ制御装置において実行される。パラメータの初期値が選択され、センサモデルの出力が実際のセンサのセンサ信号に最良に適合するように反復方法でパラメータは設定される。
図6の(a)では、異なるパラメータ設定で実行されるセンサモデルの多数の出力が示されている。T
1=16、T
2=155、K=90のパラメータ設定が最良に適合することが得られることができる。このようなパラメータ設定では、時間ディスクリート状態スペースのセンサモデルの説明は終了する。
【0083】
次のステップでは、補償装置モデルは、センサモデルを構築しながら決定されたようなパラメータを含めた周波数ドメインの表示と共に二次モデルとして構築され、パラメータPをP=20に設定すると仮定すると、
G
2(s)=(16s+1)(155s+1)/(90s+1)(20s+1)
この補償モデルは次式により時間ディスクリートな状態スペースで説明されることができる。
【数21】
【0084】
再度、補償装置は測定されたデータで有効にされることができる。保障された出力は
図6の(b)と(c)に示されている。両者の補償された出力は異なるパラメータPが適用される点で異なっている。
図6の(b)では、PはP=10に設定され、補償された出力は大きな雑音に露出される。
図6の(c)では、PはP=20に設定され、これはさらに良好な信号対雑音比SNRを与える。
【0085】
しかしながら拡散プロセスは通常、温度に強く依存する。それ故、補償フィルタのモデルは好ましくは特に温度が10−20℃を超えて変化するならば温度依存性を考慮する。これは定数T1,T2,…,K,…を時間依存にするか、或いはセンサモデルG
i(s)の1セット、及び異なる温度範囲とそれらの間の切換えについての対応する補償モデルC
i(s)を使用することにより容易に実現される。
【0086】
好ましい実施形態では、二次温度依存センサモデルは次式による周波数ドメインで説明されることができる。
G
2(s,T)=(Ks+1)/(T
1(T)s+1)(T
2(T)s+1)
ここで、Tは温度である。
【0087】
構成された対応する補償フィルタは次式により示されることができる。
G
2(s,T)=(T
1(T)s+1)(T
2(T)s+1)/(Ks+1)(Ps+1)
時間連続状態スペースでは、次式は温度依存補償装置を表している。
【数22】
【0088】
時間ディスクリートな状態スペースでは、以下の式は温度依存補償装置を表している。
【数23】
【0089】
マトリックス要素の線形補間は係数を決定するための適切な方法であることができる。
【0090】
代わりに、温度範囲はn個の部分的な範囲iへ分割され、温度の部分的な範囲i=0は第1の範囲であり、温度の部分的な範囲i=nはカバーされる温度範囲に及ぶ最後の範囲である。各部分的な範囲iでは、異なるセンサモデルおよび結果的に異なる補償装置モデルが決定される。例えば、以下の補償フィルタモデルは温度の部分的な範囲[i=0,...,i=n]の周波数ドメインで決定される。
【数24】
【0091】
したがって、異なる伝達関数は、それぞれ時間ディスクリート状態スペースで変換され、それによって各温度範囲では、周辺温度が対応する温度の部分的範囲内に入るように識別されるときはいつでも、他の温度範囲の補償装置モデルとは異なっている対応する補償モデルが与えられ、記憶され、適用されることができる。
【0092】
実行において、
図2を伴って説明されているように、温度センサ2は温度Tを決定し、このような温度信号を補償装置3へ供給する。補償装置3はいずれの温度の部分的範囲iに測定された温度Tが含まれるかを決定し、このような温度の部分的範囲で規定される補償装置モデルを適用する。センサ信号u(t)はその後このような選択された補償装置モデル3により補償される。結果として、センサ1、温度センサ2、補償装置3を具備するセンサシステム全体は、応答時間を補償するだけでなく、センサ信号の温度依存性も補償する。これによって、センサシステムは高速度の変化測定を有する環境に適用されることができ、その環境も可変の温度下で動作されるように特徴付けされる。
【0093】
温度が部分的な範囲内にあることが決定されるときはいつでも、即ちTがT
iにあるならば、k=I及び対応する補償装置モデルが適用される。
【数25】
【0094】
図7には、[i=0,...,i=n=4]によるi=4の部分的な範囲に分割されたサンプル温度範囲Tが示されている。破線は
図2からの温度センサ2により取られた温度特徴を示している。温度は最初に部分的な範囲i=2の温度から部分的な範囲i=3の温度まで上昇し、その後部分的範囲i=2の温度に戻り、さらに部分的範囲i=1の温度に低下する。したがってこの測定サイクル期間中に、3つの補償装置モデルが湿度センサ信号、即ちモデルi=2、i=3、i=2へ、最終的に温度範囲に対応するi=1に順々に適用される。
【0095】
そのモデルを含む補償装置3は好ましくは、ソフトウェアで、ハードウェアで、またはソフトウェアとハードウェアの組合せで構成されることができる。
【0096】
好ましくは、センサシステムおよび対応する方法はビークルの曇り止めで適用されることができる。このような応用では、センサ1が湿度センサであることが好ましい。湿度センサは例えばフロントガラスのようなペイン上またはその近くに配置されることができる。さらに温度センサ好ましくは湿度センサカバーと同じ位置で周囲温度を測定するためにもペイン上またはその近くに配置されることができる。
【0097】
測定結果は例えば曇ったフロントガラスに対して対応策を取り、送風機の動作を開始するために使用されることができる。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]センサシステムにおいて、
温度以外の測定を表すセンサ信号を与えるセンサを具備し、前記センサ信号のダイナミックコンポーネントは温度に依存しており、前記センサシステムはさらに、
温度信号を与える温度センサと、
前記センサ信号と前記温度信号を受信する補償フィルタとを具備し、前記補償フィルタは前記温度信号にしたがって前記センサ信号の前記ダイナミックコンポーネントを調節し、補償されたセンサ信号を出力するように設計されているセンサシステム。
[2]前記補償フィルタは、温度の連続的な補償モデルを含んでいる前記[1]記載のセンサシステム。
[3]前記補償フィルタは、多数の異なる補償モデルを含み、各補償モデルは温度の部分的な範囲に関連され、各補償モデル自体は温度変化に対して不変である前記[1]記載のセンサシステム。
[4]前記補償フィルタは前記温度信号が含まれる部分的範囲を決定し、前記決定された部分的範囲に関連される前記補償モデルを適用するように構成されている前記[3]記載のセンサシステム。
[5]前記センサは湿度センサである前記[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のセンサシステム。
[6]前記湿度センサと温度センサは窓ガラスの曇りを検出するためにビークルの窓ガラスの近くに配置されている前記[5]記載のセンサシステム。
[7]温度を感知し、
温度以外の測定を表すセンサ信号を与え、前記センサ信号のダイナミックコンポーネントは温度に依存し、
前記センサ信号の前記ダイナミックコンポーネントを前記感知された温度にしたがって調節し、
補償されたセンサ信号を与えるステップを含んでいるセンサ信号の調節方法。
[8]前記センサ信号のダイナミックコンポーネントは温度の連続的な補償モデルを適用することによって調節される前記[7]記載の方法。
[9]前記センサ信号の前記ダイナミックコンポーネントは、多数の異なる補償モデルを適用することによって調節され、各補償モデルは温度の部分的範囲に関連付けられ、各補償モデル自体は温度の変化に対して不変である前記[7]記載の方法。
[10]前記感知された温度が含まれている温度の部分的範囲が決定され、前記決定された温度の部分的距離に関連される前記補償モデルが前記センサ信号に適用される前記[9]記載の方法。
[11]前記センサ信号は測定された湿度を表し、前記補償されたセンサ信号はビークルの曇り止め応用で使用される前記[7]乃至[10]のいずれか1つに記載の方法。
[12]伝達関数により特徴付けされているセンサのセンサモデルを構築し、
前記センサモデルの前記伝達関数の反転に基づいて前記補償フィルタをモデル化し、
温度依存項を前記補償フィルタに適用するステップを含んでいる前記[1]乃至[6]のセンサシステムで使用するための補償フィルタの構築方法。
[13]前記センサモデルのパラメータは、第1の値をこのようなパラメータに割当て、このような第1のパラメータ値で構成される前記センサ信号の前記出力を前記実際のセンサの前記センサ信号と比較し、前記実際のセンサの前記センサ信号からの前記センサモデルの出力の前記偏差がしきい値よりも低いとき前記パラメータの前記第1の値を受取るステップにより行われる前記[12]記載の方法。
[14]新しい値を前記パラメータに割当て、このような新しいパラメータ値で構成されるセンサモデルの前記出力を前記実際のセンサの前記センサ信号と比較するルーチンは、前記偏差が前記しきい値に依然として達していない限り反復して適用される前記[13]記載の方法。
[15]前記センサモデルについて受取られた前記パラメータ値は前記補償フィルタに適用される前記[12]乃至[14]のいずれか1つに記載の方法。
[16]前記センサモデルの前記伝達関数の前記大きさは前記実際のセンサの拡散特性にしたがって選択され、前記センサモデルの伝達関数に対して選択された前記同じ大きさは前記補償フィルタの前記伝達関数に適用される前記[12]乃至[15]のいずれか1つに記載の方法。
[17]センサ信号を調節するためのコンピュータプログラムエレメントにおいて、
前記コンピュータプログラムエレメントは、
温度信号を受信し、
温度以外の測定を表すセンサ信号を受信し、前記センサ信号のダイナミックコンポーネントは温度に依存しており、
前記センサ信号の前記ダイナミックコンポーネントを前記感知された温度にしたがって調節し、
補償されたセンサ信号を与えるためにコンピュータにより実行可能なコンピュータプログラム命令を含んでいるコンピュータプログラムエレメント。