(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718165
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】感圧性カテーテルのおもり式較正システム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20150423BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
A61B17/39
A61B1/00 300B
A61B1/00 320Z
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-128843(P2011-128843)
(22)【出願日】2011年6月9日
(65)【公開番号】特開2011-255184(P2011-255184A)
(43)【公開日】2011年12月22日
【審査請求日】2014年6月9日
(31)【優先権主張番号】12/797,693
(32)【優先日】2010年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510322649
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・エフラス
【審査官】
堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−531170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00−17/60
G01B 5/00− 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブの遠位端を保持するように連結された固定具と、
それぞれの質量、及び前記プローブの前記遠位端に対してそれぞれの角度で方向付けられたそれぞれの底面を有し、前記プローブの遠位先端上に載るように連結されて、前記遠位端に対して前記遠位先端の変形をもたらすそれぞれの力ベクトルを前記遠位先端に印加するようになっている、複数のおもりと、
前記力ベクトルに応答した前記遠位先端の前記変形を示す測定値を前記プローブから受信し、前記測定値、前記質量及び前記角度に基づいて、前記力ベクトルを査定するための較正係数を前記測定値に応じて計算するように構成された、較正プロセッサと、
を含む、較正装置。
【請求項2】
前記固定具に連結され、前記力ベクトルのそれぞれの下向き成分を測定するように構成された検出器を含み、前記較正プロセッサが前記測定された下向き成分に応答可能なように前記較正係数を検証するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記底面が非付着性材料でコーティングされた、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記底面が、前記プローブが中で動作する臓器の内側表面のテクスチャと合致する表面テクスチャを有する材料でコーティングされた、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記較正プロセッサが、前記プローブに連結されたメモリに前記較正係数を保存するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記メモリが、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(E2PROM)を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
固定具内に医療用プローブの遠位端を保持することと、
それぞれの質量、及び前記プローブの遠位先端に対してそれぞれの角度で方向付けられたそれぞれの底面を有するおもりを、前記遠位端に対して前記遠位先端の変形をもたらすそれぞれの力ベクトルを前記遠位先端に印加するように、前記遠位先端上に降下させることと、
前記力ベクトルに応答した前記遠位先端の前記変形を示す測定値を前記プローブから受信することと、
前記測定値、前記質量及び前記角度に基づいて、前記力ベクトルを査定するための較正係数を前記測定値に応じて計算することと、
を含む、較正方法。
【請求項8】
前記固定具に連結された検出器を使用して前記力ベクトルのそれぞれの下向き成分を測定することと、前記測定された下向き成分に応答可能なように前記較正係数を検証することと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記底面が非付着性材料でコーティングされた、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記底面が、前記プローブが中で動作する臓器の内側表面のテクスチャと合致する表面テクスチャを有する材料でコーティングされた、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記プローブに連結されたメモリ内に前記較正係数を保存することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記メモリが、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(E2PROM)を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね侵襲性プローブに関連し、具体的には侵襲性プローブ内の圧力センサの較正に関連する。
【背景技術】
【0002】
広範な医療処置には、センサ、管、カテーテル、分注器具、及びインプラント等の物体を、体内に配置することが含まれる。位置検知システムは、このような物体を追跡するために開発されている。磁気的位置検知は、当該技術分野において既知の方法の1つである。磁気的位置検知においては、典型的に、磁場発生器が患者の体外の既知の位置に配置される。プローブの遠位端内にある磁場センサがこの磁場に反応して電気信号を発生させ、この信号が処理されることにより、プローブ遠位端の位置座標が決定される。これらの方法及びシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、PCT国際特許公開第WO 1996/005768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455 A1号、同第2003/0120150 A1号及び同第2004/0068178 A1号に記述されており、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
プローブを体内に配置するとき、プローブの遠位先端を身体組織に直接接触させることが望ましい場合がある。この接触は、例えば、遠位先端と身体組織との間の接触圧力を測定することによって、確かめることができる。米国特許出願公開第2007/0100332号及び同第2009/0093806号(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)は、カテーテルに埋め込まれた力センサを使用してカテーテルの遠位先端と体腔内組織との間の接触圧力を測定する方法を記述している。カテーテルの遠位先端は、バネのような弾力性の部材によってカテーテル挿入管の遠位端に連結しており、これが心臓内組織に対して押し付けられるときに遠位先端にかかる力に応じて変形する。カテーテル内の磁気位置センサは、挿入管の遠位先端に対する、遠位端のたわみ(位置及び向き)を検知する。挿入管に対する遠位先端の動きが、弾力性の部材の変形を示し、これにより圧力の示度が得られる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に述べる本発明の一実施形態は、
医療用プローブの遠位端を保持するように連結された固定具と、
それぞれの質量、及びプローブの遠位端に対してそれぞれの角度で方向付けられたそれぞれの底面を有し、プローブの遠位先端上に載るように連結されて、遠位端に対して遠位先端の変形をもたらすそれぞれの力ベクトルを遠位先端に印加するようになっている、複数のおもりと、
力ベクトルに応答した遠位先端の前記変形を示す測定値をプローブから受信し、測定値、質量及び角度に基づいて、力ベクトルを査定するための較正係数を測定値に応じて計算するように構成された、較正プロセッサと、を含む、較正装置を提供する。
【0005】
実施形態によっては、装置は、固定具に連結され、力ベクトルのそれぞれの下向き成分を測定するように構成された検出器を含み、較正プロセッサは測定された下向き成分に応答可能なように較正係数を検証するように構成されている。ある実施形態において、底面は非付着性材料でコーティングされている。開示の実施形態において、底面は、プローブが中で動作する臓器の内側表面のテクスチャと合致する表面テクスチャを有する材料でコーティングされている。別の実施形態において、較正プロセッサは、プローブに連結されたメモリに較正係数を記憶するように構成されている。そのメモリは、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(E2PROM)を含んでもよい。
【0006】
更に、本発明の一実施形態に従って、
固定具内に医療用プローブの遠位端を保持することと、
それぞれの質量、及びプローブの遠位先端に対してそれぞれの角度で方向付けられたそれぞれの底面を有するおもりを、遠位端に対して遠位先端の変形をもたらすそれぞれの力ベクトルを遠位先端に印加するように、遠位先端上に降下させることと、
力ベクトルに応答した遠位先端の変形を示す測定値をプローブから受信することと、
測定値、質量及び角度に基づいて、力ベクトルを査定するための較正係数を測定値に応じて計算することと、
を含む、較正方法が提供される。
【0007】
本発明は、以下のより詳細な実施形態及びその図面の説明により、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態による、感圧性カテーテルの較正システムの概略描画図。
【
図2】本発明の一実施形態による、感圧性カテーテルを較正する方法を概略的に図解するフローチャート。
【
図3】本発明の一実施形態による、心臓内組織に接触した感圧カテーテル遠位先端を示す、図式の詳細図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一部の侵襲性プローブは、プローブと体内組織との間の接触圧力を測定するための圧力センサを含む。例えば、心臓カテーテルの遠位先端は、遠位先端によって心内膜組織にかかる圧力に応答して変形できる。カテーテル内の位置センサがこの遠位先端のたわみを測定し、これにより接触圧力の示度が得られる。しかしながら、多くの実際的な場合において、実際の接触圧力と位置センサの読取り値との間の関係は、カテーテルによって異なる。
【0010】
正確な圧力測定を確実に得るため、本発明の実施形態は、圧力センサを備えたプローブ(例えば、カテーテル)の較正のための方法及びシステムを提供する。実施形態によっては、較正装置は、カテーテルの遠位端を装着するための固定具(例えば基部又はジグ)と、カテーテルの遠位先端上に降下させて載せることのできる複数のおもりと、を含む。各おもりは、既知の質量、及びカテーテルの遠位先端に対して既知の角度で方向付けられた底面を有する。遠位先端を圧すようにおもりが降下すると、おもりは、その質量及び角度に依存した力ベクトルを遠位先端に印加する。この力ベクトルに応答して遠位先端が変形し、カテーテル内の圧力センサがその遠位先端の変形(即ちたわみ)の測定値を生成する。較正プロセッサはカテーテルから変形の測定値を受信し、測定値、並びに既知の質量及び角度に基づいて、力ベクトルを査定するための較正係数を異なる角度における変形の測定値に応じて計算する。
【0011】
いくつかの実施形態において、較正係数は、カテーテルに連結された不揮発性メモリに、較正マトリックスとして記憶される。カテーテルが医療システムにおいて後に使用されるとき、カテーテルの遠位先端から身体組織に及ぼされる実際の圧力は、マトリックスに記憶された較正係数を使用して、たわみの測定値から高精度で導出されることができる。異なる底面角度を有するおもりを使用することにより、カテーテルの変形の測定値から、カテーテルの遠位端と身体組織との間の異なる入射角に関する圧力を推定することができる。
【0012】
実施形態によっては、較正装置は、固定具及びおもりに加えて、固定具に連結された検出器(例えばスケール又はロードセル)を更に含む。カテーテルの遠位先端上に所定のおもりを降下させると、おもりによって印加された力ベクトルの下向き成分の値を検証するために、検出器は力の測定値を生成する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による、感圧性カテーテルの較正システム10の図である。システム10は、較正ユニット14に連結された較正装置12を含む。以下に示す実施形態では、システム10は、心臓における又は他の臓器における治療上の及び/又は診断上の目的で、プローブを、この例ではカテーテル16を較正するために使用される。
【0014】
カテーテル16は、継手34を介して遠位先端32が遠位端に接続された遠位端28を有する。十分な圧力を遠位先端32に印加すると(又は逆に言えば、遠位先端が十分な圧力を身体組織などの表面に対して印加すると)、カテーテル16は継手34で屈曲し、それにより遠位先端32が遠位端28に対してたわむ。
【0015】
カテーテルの遠位端28及び遠位先端32は共に、可撓性の絶縁材料30で被覆されている。継手34の領域も同様に、可撓性の絶縁材料で被覆されており、この可撓性の絶縁材料は、材料30と同じでもよく、又は継手のスムーズな屈曲及び圧縮を可能にするように特別に適合させてもよい(カテーテルの内部構造を露出させるために、この材料は
図1では切り取られている)。遠位先端32は典型的には、遠位端28に比べて、比較的剛性がある。
【0016】
遠位先端32は、弾力性部材36によって遠位端28に接続されている。
図1では、この弾力性部材はコイルバネの形態を有しているが、この目的には他のタイプの弾力性構成要素を代わりに使用することもできる。弾力性部材36は、遠位先端にかかる力に応答して、先端32と遠位端28との間の、限定的な範囲での相対的な動きを可能にする。
【0017】
遠位先端32は磁気位置センサ38を含む。センサ38は、1つ以上の小形コイルを備えていてもよく、通常、種々の軸線に沿って方向付けられた複数のコイルを備えている。遠位端28は、弾力性部材36の近くに小型の磁場発生器40を含む。典型的には、磁場発生器40はコイルを含み、これは較正ユニット14からカテーテルを通って伝達される電流によって駆動される。
【0018】
別法として、位置センサ38は、別のタイプの磁気センサ、つまり位置変換器として働く電極か、又はインピーダンスベースの又は超音波の位置センサなどの他のタイプの位置変換器を備えていてもよい。
図1は、単一の位置センサを有するプローブを示すが、本発明の実施形態では、複数の位置センサを有するプローブを使用してもよい。
【0019】
磁場発生器40によって生成された磁場により、センサ38内のコイルは、磁場発生器の駆動周波数にて電気信号を発生させる。この信号の振幅は、遠位端28に対する遠位先端32の位置及び向きによって異なる。較正ユニット14内の較正プロセッサ42は、これらの信号を処理して、軸方向変位及び遠位端28に対する遠位先端の角度偏向の大きさを決定する。(コイルによって発生した磁場の軸対称性の故に、磁場発生器40内の単一のコイルを使用して検出できるのはたわみの大きさのみであり、たわみの方向は検出できない。所望により、磁場発生器40は2つ以上のコイルを備えてもよく、その場合、たわみの方向も同様に求めることができる。)変位及びたわみの大きさは、ベクトル加算によって組み合わされて、遠位端28に対する遠位先端32の動きの大きさの合計を得ることができる。
【0020】
遠位端28に対する遠位先端32の相対的な動きは、弾力性部材36の変形の測定値をもたらす。このようにして、磁場発生器40がセンサ38と組み合わせられて感圧性システムとして働く。変位とたわみとを組み合わせた検知により、遠位先端32への圧力が真正面からかかっているのか、それとも角度を持ってかかっているのかにかかわらず、この圧力検知システムは圧力を正確に示す。この種のプローブ及び位置センサの更なる詳細は、前述の米国特許出願公開第2009/0093806号及び同第2009/0138007号に記述されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、カテーテル16はまた、較正中に算出された計算係数を記憶する、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(E
2PROM)などの不揮発性メモリ48を備える。上述のように、カテーテルを後で医療用システムに利用するときに、カテーテル遠位先端が身体組織に対してかける実際の圧力は、メモリ48に記憶されている較正係数を用いて、たわみ測定値から高い精度で導くことができる。
【0022】
較正装置12は、カテーテル16の遠位端28を直立に保持するように構成された基部又はジグなどの固定具24と、機構22によって保持されるおもり18と、を含む。おもり18は、カテーテルの遠位端に対して既知の角度を有する傾斜した下部面20を有する。おもり18の質量もまた既知である。本発明の実施形態によっては、力の計算にエラーをもたらす可能性のある遠位先端32と傾斜した下部面20との間の摩擦を回避するために、傾斜した下部面をテフロン(登録商標)などの非付着性材料の層でコーティングしてもよい。更に、又は別の方法として、カテーテルが中で動作する臓器の内側表面のテクスチャ(例えば、心臓などの人体の腔壁の内側表面のテクスチャ)と合致する表面テクスチャを有する層で、傾斜した下部面をコーティングしてもよい。
【0023】
装置12は、固定具24に連結した検出器26を更に備えることができる。検出器26は、固定具24上のカテーテル16が及ぼす下向きの機械的力を測定する。検出器26は、スケール、ロードセル又はその他任意の好適な装置を備えることができる。
【0024】
検出器26及びプローブ16は共に、好適なインターフェース(例えばケーブル及びコネクタ)によって較正ユニット14と接続されている。較正ユニット14は、較正プロセッサ42、メモリ44及びキーボードなどの入力デバイス46を含む。プロセッサ42は典型的に、位置センサ38及び検出器26からの信号を受信すると共に、較正ユニット14の他の構成要素を制御するための、好適なフロントエンド回路及びインターフェース回路を備えた汎用コンピュータを含む。プロセッサ42は、本明細書で説明する機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされてもよい。そのソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子形式でプロセッサ42にダウンロードしてもよく、あるいは、光学的、磁気的又は電子的記憶メディアなどの非一時的な有形のメディア上で提供されてもよい。別法として、プロセッサ42の機能の一部又はすべてが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態による、感圧性カテーテルを較正する方法を概略的に図解するフローチャートである。カテーテル16を較正するために、操作者は、カテーテルを固定具24に装着する(工程50)。おもり18が機構22に装着され(工程52)、この機構がおもりを降下させることで、傾斜した下部面20が遠位先端32を圧する(工程54)。
【0026】
傾斜した下部面20で遠位先端32を圧することにより、カテーテルが継手34で屈曲するので、遠位先端がたわむ。遠位先端32にある位置センサ38は、遠位端28に対する遠位先端のたわみを示す信号を出力する。装置12が検出器を含む場合、検出器26は、おもり18がカテーテル16に及ぼす下向きの機械的力を示す信号を出力する。たわみ及び下向きの力の測定値が共に較正ユニット14に送られると、操作者がキーボード46でこの較正工程に使用されたおもり18の識別を入力する。実施形態によっては、システム10に使用できる各おもり18について、メモリ44は、おもりの数値的指標、おもりの質量及びおもりの底面角度を保持する。操作者は、その時点で使用しているおもりの指標を入力することで、質量及び角度をプロセッサ42に示す。
【0027】
較正ユニット14が、プローブ内のセンサ38からたわみの測定値を受信し(工程56)、プロセッサ42が、質量、係合角度及びたわみ測定値に基づいて、プローブ16のたわみ測定値を較正するための較正係数を計算する(工程58)。既知のおもりによって求められる既知の力ベクトル及びおもりの角度に対して(又は検出器26の読取り値及び既知の角度から導かれる力ベクトルに対して)位置センサ38からの位置測定値をマッピングすることにより、位置センサの測定値に基づいて較正係数が遠位先端32にかかった力を決定する。換言すれば、所定の較正係数は、所定の係合角度について、先端32のたわみ測定値を実際の圧力読取り値に変換する。
【0028】
より多くの較正点を所望する場合(工程60)、この方法は上述の工程52に戻り、操作者は異なるおもりを機構22に装着することができる。較正の過程で使用される各おもりは、異なる質量及び/又は異なる下部面の傾斜角度を有してもよい。様々な異なるおもりを用いることにより、システム10が、おもりの各々によってかけられる力の方向及び大きさに応じたカテーテル先端のたわみを試験することが可能となる。工程60に戻ると、これ以上の較正点が必要でない場合、プロセッサ42が、較正係数の較正マトリックスをプローブのメモリ48に記憶し(工程62)、この方法は終了する。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態による、心臓70内の心内膜組織72に接触している遠位先端32を示す、図式の詳細図である。この実施例において、先端32は電極74を含む。心臓内電気的マッピングなどのいくつかの電子生理学的診断及び治療処置において、電極74と組織72との間の力のレベルを適切に維持することが重要である。医療従事者(図示せず)が、遠位先端32を心内膜組織72に押し当てると、カテーテル16が継手34にて屈曲する。遠位先端と組織との間に良好な電極接触を確保するためには、十分な力が必要である。電気的接触が悪いと、不正確な読取り値が生じることがある。一方、過剰な力をかけると組織が変形し、マップを歪ませることがある。
【0030】
先端32が組織72に押し当てられるとき、位置センサ38は、遠位端28に対する先端32のたわみを示す測定値を生成する。医療画像システム(例えば、マッピングシステム(図示せず))は、プローブのメモリ48に記憶された較正係数(即ち較正マトリックス)を使用して、これらの測定値を正確な圧力の読取り値に変換する。このようにして、本発明の実施形態を用いた侵襲性プローブの較正により、医療専門家はプローブが組織に対してかける力を正確に制御することができる。
【0031】
以下の請求項における全ての手段又は工程、更には機能要素に対応する構造、材料、行為、及び等価物は、具体的に請求されるように、任意の構造、材料、又はその他請求された要素と組み合わせて機能を行うための行為を含むことを目的とする。本開示の説明は、実例及び説明の目的で提示しているが、包括的であること、又は本開示で開示される形状に限定されることを意図しない。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの改変や変更が当業者には明らかであろう。これらの実施形態は、本開示の原理及び実際的な用途を最も良く説明し、企図される特定の使用に適した様々な変更形態を伴う様々な実施形態について、他の当業者が本開示を理解できるようにするために選択されたものである。
【0032】
添付した特許請求の範囲では、本開示の趣旨及び範囲内に該当する開示の全てのかかる特徴及び利点を含むものとする。当業者であれば多くの改変及び変更を容易に思いつくため、本開示は、本明細書に記載される、限定された数の実施形態に限定することを意図しない。したがって、当然のことながら、本開示の趣旨及び範囲内に該当する、好適な全ての変化、改変、及び等価物が使用可能である。
【0033】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブの遠位端を保持するように連結された固定具と、
それぞれの質量、及び前記プローブの前記遠位端に対してそれぞれの角度で方向付けられたそれぞれの底面を有し、前記プローブの遠位先端上に載るように連結されて、前記遠位端に対して前記遠位先端の変形をもたらすそれぞれの力ベクトルを前記遠位先端に印加するようになっている、複数のおもりと、
前記力ベクトルに応答した前記遠位先端の前記変形を示す測定値を前記プローブから受信し、前記測定値、前記質量及び前記角度に基づいて、前記力ベクトルを査定するための較正係数を前記測定値に応じて計算するように構成された、較正プロセッサと、
を含む、較正装置。
(2) 前記固定具に連結され、前記力ベクトルのそれぞれの下向き成分を測定するように構成された検出器を含み、前記較正プロセッサが前記測定された下向き成分に応答可能なように前記較正係数を検証するように構成された、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記底面が非付着性材料でコーティングされた、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記底面が、前記プローブが中で動作する臓器の内側表面のテクスチャと合致する表面テクスチャを有する材料でコーティングされた、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記較正プロセッサが、前記プローブに連結されたメモリに前記較正係数を保存するように構成された、実施態様1に記載の装置。
(6) 前記メモリが、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(E
2PROM)を含む、実施態様5に記載の装置。
(7) 固定具内に医療用プローブの遠位端を保持することと、
それぞれの質量、及び前記プローブの遠位先端に対してそれぞれの角度で方向付けられたそれぞれの底面を有するおもりを、前記遠位端に対して前記遠位先端の変形をもたらすそれぞれの力ベクトルを前記遠位先端に印加するように、前記遠位先端上に降下させることと、
前記力ベクトルに応答した前記遠位先端の前記変形を示す測定値を前記プローブから受信することと、
前記測定値、前記質量及び前記角度に基づいて、前記力ベクトルを査定するための較正係数を前記測定値に応じて計算することと、
を含む、較正方法。
(8) 前記固定具に連結された検出器を使用して前記力ベクトルのそれぞれの下向き成分を測定することと、前記測定された下向き成分に応答可能なように前記較正係数を検証することと、を含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記底面が非付着性材料でコーティングされた、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記底面が、前記プローブが中で動作する臓器の内側表面のテクスチャと合致する表面テクスチャを有する材料でコーティングされた、実施態様7に記載の方法。
【0034】
(11) 前記プローブに連結されたメモリ内に前記較正係数を保存することを含む、実施態様7に記載の方法。
(12) 前記メモリが、電子的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(E
2PROM)を含む、実施態様11に記載の方法。