特許第5718192号(P5718192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5718192コネクタおよびそれを備えたアンテナ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718192
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】コネクタおよびそれを備えたアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20150423BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20150423BHJP
   H01Q 1/46 20060101ALI20150423BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20150423BHJP
   H01R 4/02 20060101ALN20150423BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
   H01Q1/32 A
   H01Q1/46
   H01Q1/22 C
   !H01R4/02 Z
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-189898(P2011-189898)
(22)【出願日】2011年8月31日
(65)【公開番号】特開2013-51187(P2013-51187A)
(43)【公開日】2013年3月14日
【審査請求日】2014年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】富士通テン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】平井 知治
(72)【発明者】
【氏名】柳田 宗計
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−110200(JP,A)
【文献】 実開平04−116366(JP,U)
【文献】 特開2012−044729(JP,A)
【文献】 特開2013−051186(JP,A)
【文献】 特開2008−035479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01Q 1/22
H01Q 1/32
H01Q 1/46
H01R 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナで受信された信号を後段の機器へ出力するコネクタであって、
前記アンテナに接続される接続端子が形成されたホルダと、
ケース部材とカバー部材とが係合して形成される空間内に前記アンテナで受信された信号を前記後段の機器へ出力する出力部を収納し、前記ホルダに組み込まれる出力部ユニットと
を備え、
前記ホルダは、
前記ケース部材と前記カバー部材との係合を解除する方向である係脱方向への前記ケース部材の移動を規制する規制部を備え、
前記出力部ユニットが前記ホルダに組み込まれた状態で前記出力部ユニットに前記係脱方向への所定以上の力が作用した場合、前記規制部によって前記ケース部材の移動が規制されて、前記ケース部材に対する前記カバー部材の係合が解除されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ケース部材と前記カバー部材との係合力は、前記ホルダを破損する力よりも弱いことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ホルダは、
前記出力部ユニットの側面を覆う側壁を有し、
前記ケース部材は、
前記カバー部材と係合する係合部が、前記ホルダの側壁と対向する面に形成された凹部に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記係合部は、
前記カバー部材との係合側に前記係脱方向へ向けて傾斜面を有する突起部によって形成されることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記ケース部材には、側面側に突出部が形成され、
前記規制部は、
前記ホルダに対する前記出力部ユニットの係入方向へ向けて前記側壁に凹状に形成されて前記突出部が挿入される切欠部によって形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記カバー部材は、
前記ケース部材との係合状態において、前記ケース部材の上端の一部を露出させる切欠部を有し、
前記規制部は、
前記側壁の上端部から前記カバー部材の前記切欠部の位置へ延伸する延伸部によって形成されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記出力部には、前記後段の機器と接続するケーブルと着脱可能なコネクタ部が取り付けられ、
前記カバー部材は、
前記コネクタ部を挿通する開孔を備えることを特徴とする請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
アンテナが形成されたガラスと、該ガラスに固定された請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタとを備えたアンテナ装置であって、
前記アンプユニットと前記ホルダとの係合力は、前記ガラスへの前記ホルダの固定力よりも弱いことを特徴とするアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタおよびそれを備えたアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両の窓ガラスに取り付けられ、テレビ放送などの電波を受信する車両用アンテナが知られている。かかる車両用アンテナと後段の装置との間には、車両用アンテナで受信した信号を後段の機器へ出力する出力部を備えた車両用コネクタが配置される。
【0003】
例えば、特許文献1には、出力部を保持するホルダにカバー部材を係合させて出力部に対する絶縁性を担保し、ホルダの底面に形成された接続端子を、車両の窓ガラスに取り付けられた車両用アンテナへ接続する車両用コネクタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−035479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
窓ガラスなどに取り付けられる車両用コネクタは、運転者の視界を遮らないようにピラー近傍に配置するなど、その設置場所に制約がある。また、車両用コネクタには出力部が内蔵されていることから、窓ガラスへの設置後に保守管理のために出力部を取り外すことがある。
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の車両用コネクタでは、出力部を保持するホルダに係合しているカバー部材をホルダから取り外すために、カバー部材に設けられた取り外し用つまみを撓ませなければならない。そのため、設置場所に制約がある中ではカバー部材の取り外し作業が困難な場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ホルダから出力部を容易に取り外すことができるコネクタおよびそれを備えたアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、アンテナで受信された信号を後段の機器へ出力するコネクタであって、前記アンテナに接続される接続端子が形成されたホルダと、ケース部材とカバー部材とが係合して形成される空間内に前記アンテナで受信された信号を前記後段の機器へ出力する出力部を収納し、前記ホルダに組み込まれる出力部ユニットとを備え、前記ホルダは、前記ケース部材と前記カバー部材との係合を解除する方向である係脱方向への前記ケース部材の移動を規制する規制部を備え、前記出力部ユニットが前記ホルダに組み込まれた状態で前記出力部ユニットに前記係脱方向への所定以上の力が作用した場合、前記規制部によって前記ケース部材の移動が規制されて、前記ケース部材に対する前記カバー部材の係合が解除されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかるコネクタおよびそれを備えたアンテナ装置は、出力部ユニットがホルダに組み込まれた状態で出力部ユニットにケース部材とカバー部材との係合を解除する係脱方向への所定以上の力が作用した場合、規制部によってケース部材の移動が規制されて、ケース部材に対するカバー部材の係合が解除されるので、ホルダから出力部を容易に取り外すことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施例にかかる車両用コネクタの概要模式図である。
図2図2は、実施例にかかる車両用コネクタを備えたアンテナ装置の説明図である。
図3図3は、実施例にかかる車両用コネクタの構成を示す模式図である。
図4図4は、ホルダへのアンプユニットの組み込み方法の説明図である。
図5図5は、ホルダへのアンプユニットの組み込み方法の説明図である。
図6図6は、実施例にかかる車両用コネクタの外観模式図である。
図7図7は、図6のA−A線矢視断面模式図である。
図8図8は、実施例にかかるアンプユニットの模式分解斜視図である。
図9図9は、実施例にかかるカバー部材の平面模式図である。
図10図10は、突起部の外観模式図である。
図11図11は、図6のB−B線矢視断面模式図である。
図12図12は、実施例にかかるアンプユニットの分解の説明図である。
図13図13は、実施例にかかるアンプユニットの分解の説明図である。
図14図14は、実施例にかかるホルダの側面模式図および底面模式図である。
図15図15は、実施例にかかる接続端子の外観模式図および展開模式図である。
図16図16は、ホルダに対する接続端子のインサート成形用金型のイメージを示す模式図である。
図17図17は、ホルダに対する接続端子のインサート成形の説明図である。
図18図18は、実施例にかかる他の接続端子の外観模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明にかかるコネクタおよびそれを備えたアンテナ装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。例えば、この実施例ではコネクタの一例として車両用コネクタを挙げて説明するがこれに限定されるものではない。また、ホルダに組み込まれる出力部ユニットとしてアンプユニットを一例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。例えば、インピーダンスを整合する整合回路を出力部として内蔵する出力部ユニットでもよく、また、アンテナが受信した信号を単に後段の機器に伝達する回路を出力部として内蔵する出力部ユニットとしてもよい。
【0012】
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明の実施例にかかる車両用コネクタの概要について説明する。図1は、本発明の実施例にかかる車両用コネクタの概要模式図であり、理解を容易にするためにその概要を模式的に表している。なお、以下においては、説明の便宜上、X軸の正方向を前方とし、Y軸の正方向を左方向とし、Z軸の正方向を上方向とする。
【0013】
本実施例にかかる車両用コネクタは、車両用アンテナで受信した信号を増幅して後段の装置である受信機へ出力する車両用増幅装置である。具体的には、車両用コネクタは、図1(a)に示すように、車両用アンテナに接続される接続端子が形成されたホルダと、ホルダに組み込まれるアンプユニットとを備える。また、アンプユニットの後端部からは、アンプユニットと受信機との間を接続するケーブルがアンプユニットに対して着脱可能に後方側へ引き出される。
【0014】
アンプユニットは、ケース部材と、カバー部材と、増幅回路が形成された回路基板(出力部の一例に相当)とを備え、ケース部材とカバー部材とを係合することによって、アンプユニットが組み立てられる。
【0015】
具体的には、ケース部材とカバー部材との間に回路基板を配置した状態で、ケース部材の両側壁に形成された複数のケース側係合部と、カバー部材の両側端から下方に延伸する複数のカバー側係合部とを係合することで、アンプユニットが組み立てられる。回路基板は、ケース部材とカバー部材とが係合して形成される空間内に収納される。
【0016】
このように組み立てられたアンプユニットはホルダへ組み込まれる。具体的には、アンプユニットの側壁から突出する突出部を、ホルダの側壁に形成された切欠部に進入させていき、アンプユニットに形成された係合爪をホルダの上部に形成された突起部に係合させる。これにより、アンプユニットがホルダに組み込まれて車両用コネクタが形成される。
【0017】
図1(b)に、アンプユニットがホルダに組み込まれて形成された車両用コネクタの外観模式図を示す。かかる状態では、ホルダの上部に形成された突起部にアンプユニットに形成された係合爪が係合され、ケーブルの引き出し方向である後方への引張力に対してアンプユニットがホルダから脱抜されることが防止される。
【0018】
また、アンプユニットの突出部がホルダの切欠部に挿入されていることから、上下方向および前方への引張力に対してアンプユニットのホルダからの移動が規制される。また、ホルダの側壁、前壁および底壁によって、アンプユニットの左右方向の動きが規制される。
【0019】
このように、アンプユニットがホルダに組み込まれて形成される車両用コネクタは、窓ガラス(図示せず)に設置される。かかる状態において、ホルダからアンプユニットの取り外しは、例えば、1本の指でアンプユニットの係合爪をホルダの突起部の高さよりも上方に持ち上げながら、アンプユニットを後方に移動させることによって行うことができる。しかも、かかる取り外し方法でホルダからアンプユニットを取り外すのが困難な場合であっても、本実施例にかかる車両用コネクタでは、ケーブルが所定以上の力で引き上げられた場合に、アンプユニットを分解可能としている。そして、アンプユニットが分解された後に、該アンプユニットをホルダから取り外せるようにしている。
【0020】
具体的には、ケーブルが所定以上の力で引き上げたられた場合、カバー部材に対して上方向へ所定以上の引張力が作用する。このように、カバー部材に対して上方向へ所定以上の引張力が働いた場合、ホルダの切欠部によってケース部材の上方向への移動が規制される一方で、ケース部材に対するカバー部材の係合を解除する力が働く。ケース部材に対するカバー部材の係合力(係合強度)は、窓ガラスに対するホルダの固定力(固定強度)よりも弱く、ホルダを破損する力(破損強度)よりも弱い。そのため、図1(c)に示すように、ホルダを破損させることなく、ホルダにケース部材が保持された状態で、カバー部材および回路基板がケーブルと共に外れる。
【0021】
このように、車両用コネクタに取り付けられたケーブルが、その引き出し方向と略直交する方向である上方へ引き上げられことによって、カバー部材および回路基板を取り出すことが可能となり、該車両用コネクタの設置場所に制約がある中でも保守管理の作業性を向上させることができる。また、ケース部材もホルダへの係合状態が解除され、ホルダに対して後方へ移動させることで、ホルダから取り出すことができる。これによって、ホルダを破損することなく、ホルダからアンプユニットを取り外すことができる。
【0022】
ここで、本実施例にかかる車両用コネクタでは、ホルダを破損することなく、該ホルダからアンプユニットを取り外せることが重要である。その理由として、通常の取り外し方向(例えば、アンプユニットのホルダに対する引き出し方向)とは異なる取り外し方向(例えば、アンプユニットのホルダに対する引き出し方向と略直行する方向)に力を加えると、該ホルダが破損してしまう恐れがある。そして、ホルダが破損されてしまうと、該ホルダを固定した窓ガラスごと交換しなければならなくなり、保守管理のための作業時間および費用の負担が大きくなるといった問題が発生する。そこで、本実施例にかかる車両用コネクタでは、ホルダに対する通常の引き出し方向とは異なる方向にアンプユニットを引っ張られた場合であっても、ホルダを破損することなく、該ホルダからアンプユニットを取り外すことができる構成を実現している。
【0023】
以下では、図1を用いて概略を説明した車両用コネクタの上記特徴的構造を採用した車両用コネクタおよびそれを備えたアンテナ装置の詳細な実施例の一例を説明する。なお、以下においては、図1を用いて概略を説明した車両用コネクタと同様に、説明の便宜上、X軸の正方向を前方とし、Y軸の正方向を左方向とし、Z軸の正方向を上方とする。
【実施例】
【0024】
図2は、本実施例にかかる車両用コネクタを備えたアンテナ装置の説明図である。図2に示すように、本実施例にかかるアンテナ装置は、車両用コネクタ1と、自動車などの車両の窓ガラス2と、窓ガラス2に形成された車両用アンテナ3とを備える。車両用コネクタ1は、窓ガラス2に固定され、車両用アンテナ3に接続される。かかる車両用コネクタ1は、車両用アンテナ3によって受信した信号を増幅し、ケーブル70を介して増幅した信号を受信機5へ出力する。なお、ケーブル70として、例えば、同軸ケーブルなどが用いられる。
【0025】
車両用アンテナ3の給電端子4a,4bは、運転者の視界を遮らない位置、例えば、フロントガラスやリアガラスなどの窓ガラス2のうちピラー近傍に配置される。そして、かかる給電端子4a,4bに車両用コネクタ1の接続端子11a,11bが接続される。
【0026】
なお、図2に示す例では、窓ガラス2の側方内側に車両用コネクタ1が取り付けられるが、車両用コネクタ1の設置場所は、これに限られるものではない。例えば、窓ガラス2の上方内側に車両用アンテナ3の給電端子4a,4bが配置される場合、車両用コネクタ1は窓ガラス2の上方内側に取り付けられる。
【0027】
車両用アンテナ3は、例えば、アナログテレビ放送、ワンセグ放送、又は12セグ放送(地上波デジタルテレビ放送)を受信できるアンテナである。受信機5は、車両用コネクタ1およびケーブル70を介して車両用アンテナ3で受信した信号を取得し、かかる信号に基づき、不図示の表示装置にテレビ画面を表示させる。
【0028】
図3は、本実施例にかかる車両用コネクタ1の構成を示す模式図である。図3に示すように、車両用コネクタ1は、ホルダ10と、アンプユニット20とを備える。アンプユニット20の後端部側には、ケーブル70の先端に形成されたコネクタ71が着脱可能に接続できるようになっており、ケーブル70を介して車両用アンテナ3によって受信された信号が車両用コネクタ1から受信機5へ出力される。
【0029】
ホルダ10は、底壁12、側壁13および前壁14を備え、上面および後端部側が開口する略箱状部材である。側壁13によってアンプユニット20の側面が覆われ、前壁14によってアンプユニット20の前面が覆われる。ホルダ10の底壁12には、接続端子11a,11bが上面側および下面側へそれぞれ露出するように配置される。このように構成されるホルダ10は、その底壁12の下面側が、例えば両面テープなどの粘着材によって窓ガラス2に固定され、窓ガラス2に組み付けられる。これにより、ホルダ10の接続端子11a,11bが車両用アンテナ3の給電端子4a,4bに結合される。
【0030】
ホルダ10の側壁13は、後方側の一部が切り欠かれて構成されており、前方側側壁13aよりも後方側側壁13bの高さが低くなっている。前方側側壁13aの後端には、前方に向けて凹状となる切欠部15が形成される。かかる切欠部15によってホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の上下方向および前方への移動が規制される。
【0031】
また、前方側側壁13aの上面側には、それぞれ前方に向けて高くなる傾斜が形成された突起部16が形成され、かかる突起部16によってホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の後方への移動が規制される。
【0032】
さらに、両側壁13の前方側には、それぞれその上端部から左右中心側に延伸する延伸部17が形成され、かかる延伸部17によってホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の上方への移動が規制される。なお、ホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の左右への移動は、ホルダ10の側壁13によって規制される。
【0033】
アンプユニット20は、ケース部材21と、カバー部材22と、回路基板23(増幅部の一例に相当)とを備える。回路基板23は、増幅回路を有しており、ケース部材21とカバー部材22とが係合して形成される空間内に収納される。
【0034】
アンプユニット20の底面には開口部が設けられ、かかる開口部からばね性を有する接続端子24a,24bが下方に突出する。ホルダ10の接続端子11a,11bは、アンプユニット20と対向する底壁12の上面側に露出しており、アンプユニット20をホルダ10に組み込むことによって、アンプユニット20の接続端子24a,24bがホルダ10の接続端子11a,11bに接続される。
【0035】
アンプユニット20の両側壁25には、後端側から外側へ突出する細長状の突出部26が形成される。かかる突出部26がホルダ10の切欠部15に挿入されることによってホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の上下方向および前方への移動が規制される。
【0036】
アンプユニット20の前方上部には、左右にそれぞれ凹部27が形成されており、かかる凹部27によって、ホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の上方への移動が規制される。
【0037】
また、アンプユニット20は、後方側の上部から前方に延伸し、先端に係合爪29が形成された延伸部32を備えており、かかる係合爪29によってホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の後方への移動が規制される。
【0038】
ここで、ホルダ10に対するアンプユニット20の組み込み方法について説明する。ホルダ10に対するアンプユニット20の組み込み方法は、図4に示す第1の組み込み方法と図5に示す第2の組み込み方法とがある。図4および図5は、ホルダ10へのアンプユニット20の組み込み方法の説明図である。
【0039】
第1の組み込み方法は、図4(a)に示すように、まず、ホルダ10の先端に対して後方に距離Dだけオフセットした上方の位置にアンプユニット20の先端を位置させる。このように、距離Dだけオフセットするのは、オフセットしない場合にはホルダ10に形成された延伸部17(図3参照)がアンプユニット20の下方に位置するため、アンプユニット20をホルダ10内に進入させることができないからである。なお、距離Dは、例えば、延伸部17の前後方向の長さに前壁14の厚みを加えた長さを少し超える程度の距離であることが望ましい。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、アンプユニット20を下方に移動させ、アンプユニット20の一部をホルダ10内に位置させる。
【0041】
図3に示すように、アンプユニット20は、その底部の左右両側に左右中心に向けて下方に傾斜する傾斜面36がそれぞれ形成され、底面に向けて左右幅が小さくなる。そのため、アンプユニット20の底部からホルダ10内へ挿入する際に、傾斜面36によってアンプユニット20がホルダ10内へガイドされ、ホルダ10に対するアンプユニット20の組み込みが容易になる。
【0042】
また、ホルダ10の両側壁13の上端にも、図3に示すように、ホルダ10の内側に向けて下方に傾斜する傾斜面18がそれぞれ形成され、下方に向けて側壁13間の左右幅が小さくなる。そのため、アンプユニット20の底部側からホルダ10内へ挿入する際に、傾斜面18によってもアンプユニット20がホルダ10内へガイドされ、ホルダ10に対するアンプユニット20の組み込みが容易になる。
【0043】
このように、アンプユニット20の底部の左右両側に傾斜面36が形成され、また、ホルダ10の両側壁13の上端に傾斜面18が形成されることから、ホルダ10に対するアンプユニット20の組み込みが容易になる。なお、ホルダ10とアンプユニット20のうち一方のみに傾斜面を設けるようにしてもよい。また、傾斜面は、直線状の傾斜としてもよく、また、円弧状の傾斜としてもよい。
【0044】
図4に戻って、ホルダ10に対するアンプユニット20の組み込み方法の説明を続ける。図4(b)に示す状態から、アンプユニット20を前方に移動させる。前方への移動は、図4(c)に示すように、ホルダ10の突起部16にアンプユニット20の係合爪29が係合するまで続け、かかる係合が行われることによって、アンプユニット20がホルダ10に組み込まれる。
【0045】
図6は、アンプユニット20がホルダ10に組み込まれて形成された車両用コネクタ1の外観模式図であり、図7は、図6のA−A線矢視断面模式図である。なお、図7は、ホルダ10とアンプユニット20との位置関係を説明するための図であるため、アンプユニット20内の構造等は省略している。
【0046】
図6に示すように、アンプユニット20がホルダ10に組み込まれた状態では、ホルダ10の切欠部15はアンプユニット20の突出部26が挿入された状態である。そのため、ホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の後端側において、上下方向および前方への移動が規制される。
【0047】
また、図7に示すように、アンプユニット20がホルダ10に組み込まれた状態では、ホルダ10の延伸部17がアンプユニット20の凹部27に位置する。そのため、ホルダ10に組み込まれたアンプユニット20の先端側において、上方への移動が規制される。
【0048】
このように、本実施例にかかる車両用コネクタ1では、アンプユニット20がホルダ10に組み込まれた状態で、アンプユニット20の先端側および後端側において上方への移動が規制される。そのため、ホルダ10へのアンプユニット20の組み込みをより安定して行うことができる。なお、係合爪29を上方に押し上げつつ、アンプユニット20を後方に移動させることによって、ホルダ10からアンプユニット20を取り外すことができる。
【0049】
第2の組み込み方法は、図5に示すように、まず、ホルダ10の後方にアンプユニット20を位置させる。そして、図5に示す状態から、アンプユニット20を前方に移動させる。前方への移動は、第1の組み込み方法と同様に、ホルダ10の突起部16にアンプユニット20の係合爪29が係合するまで続け、かかる係合が行われることによって、アンプユニット20がホルダ10に組み込まれる。
【0050】
このように、車両用コネクタ1は、第1の組み込み方法および第2の組み込み方法のいずれの方法でもホルダ10にアンプユニット20を組み込むことが可能となっており、これにより、車両用コネクタ1の設置作業を容易に行うことができるようにしている。
【0051】
特に、車両用コネクタ1が窓ガラス2のピラー近傍に配置される場合などには、作業領域が制限されることになるが、作業領域に応じた組み込み方法を採用することで、車両用コネクタ1の設置作業を容易に行うことができる。
【0052】
また、ホルダ10からアンプユニット20を取り外す場合は、例えば、1本の指で係合爪29を突起部16の高さよりも上方に持ち上げながら、アンプユニット20を後方に移動させるだけで係合爪29と突起部16との係合状態を解除することができるため、車両用コネクタ1が狭いスペースに設置されたとしても、ホルダ10からアンプユニット20を容易に取り外すことができる。
【0053】
さらに、本実施例にかかる車両用コネクタ1は、アンプユニット20が窓ガラス2に固定されたホルダ10に組み込まれた状態でケーブル70が所定以上の力で押し上げられた場合に、アンプユニット20を分解可能としている。そして、アンプユニット20が分解された後に、該アンプユニット20をホルダ10から取り外せるようにしている。すなわち、本実施例にかかる車両用コネクタ1では、ホルダ10に対する通常の取り外し方向とは異なる方向にアンプユニット20が引っ張られた場合であっても、ホルダ10を破損することなく、該ホルダ10からアンプユニット20を取り外すことができる。以下、この点について具体的に説明する。
【0054】
図8は、アンプユニット20の模式分解斜視図である。図8に示すように、アンプユニット20は、ケース部材21と、カバー部材22と、回路基板23とを備えて構成される。
【0055】
カバー部材22は、カバー部30と、筒状部31と、延伸部32とを備え、例えば、合成樹脂などによって一体成形される。かかるカバー部材22は、カバー部30の前方左右両側からそれぞれ下方に延伸する係合部33aと、カバー部30の後方左右両側からそれぞれ下方に延伸する係合部33bとを備える。
【0056】
係合部33a,33bは、それぞれ左右方向に貫通する開孔部34a,34bが形成され、左右方向に弾性を有する。また、カバー部30は、先端の左右両側に切欠部35が形成される。かかる切欠部35は、カバー部材22がケース部材21と係合している状態で、ケース部材21の上端の一部を露出させるアンプユニット20の凹部27になる。
【0057】
さらに、カバー部材22の後端側には、カバー部30に連続し、かつ上方に延伸する筒状部31が形成されており、かかる筒状部31の先端から延伸部32が前方に延伸する。
【0058】
上述したように、延伸部32の先端には係合爪29が形成される。かかる係合爪29は、左右方向から見て逆直角三角形状に形成されており、前方に向けて上方に傾斜する傾斜面37が形成される。
【0059】
また、係合爪29は、略一定の厚みに形成され、その上部に凹部が形成される。延伸部32は弾性を有しており、係合爪29に上下方向の力が働いた場合、延伸部32の先端が上下に移動し、係合爪29を上下方向に移動可能としている。
【0060】
図9は、カバー部材22の平面模式図である。図9に示すように、係合爪29の傾斜面37は、前方へ向けて左右幅が小さくなるように構成されている。これによっても、ホルダ10に対するアンプユニット20の係合をより円滑に行うことができる。
【0061】
また、図9に示すように、筒状部31は、その中央に上下に貫通する開孔38を有しており、かかる開孔38によってカバー部材22と回路基板23との位置決めを容易に行うことができるようにしている。
【0062】
回路基板23は、図8に示すように、プリント基板39と、増幅回路40と、接続端子24a,24bと、コネクタ部41とを備える。増幅回路40は、プリント基板39の上面に形成され、接続端子24a,24bは、プリント基板39の下面に取り付けられる。また、コネクタ部41は、プリント基板39の後端上面に取り付けられる。なお、増幅回路40をプリント基板39の下面に形成するようにしてもよい。
【0063】
ケース部材21は、図8に示すように、底壁42、前壁43および側壁44を備え、上面および後方を開口した略箱状部材によって形成される。
【0064】
両側壁44の前方側および後方側には、それぞれ突起部45,46が形成される。突起部45,46は、図10に示すように、下方に向けて隆起する傾斜面47を有している。かかる傾斜面47によってカバー部材22の係合部33a,33bの先端が突起部45,46を乗り上げて下方に移動し、係合部33a,33bが突起部45,46と容易に係合することができる。なお、図10は、突起部45,46を前後方向から見た状態を示す模式図である。
【0065】
また、図10に示すように、突起部45,46は、傾斜面47の下方に傾斜面47とは逆方向に傾斜する傾斜面48が形成される。かかる傾斜面48によって、カバー部材22のケース部材21に対する係合状態を解除することができる。すなわち、カバー部材22の係合部33a,33bと突起部45,46とが係合している状態で、カバー部材22が所定以上の力で引き上げられた場合、係合部33a,33bの先端が突起部45,46を乗り上げて上方へ移動可能としている。
【0066】
傾斜面48の傾斜は、傾斜面47よりも大きな傾斜であり、傾斜面48の傾斜を調整することで、カバー部材22とケース部材21との係合状態を解除するために必要な上方への引張力を調整することができる。
【0067】
突起部45,46は、ホルダ10の側壁13と対向する両側壁44の外側に形成される凹部49,50にそれぞれ配置される。凹部49は、図11に示すように、係合部33aの厚みW1と突起部45の高さW2との合計よりも大きな厚みW3(>W1+W2)にしている。そのため、アンプユニット20がホルダ10に組み込まれた状態でも、係合部33aと突起部45との係合状態を解除することができる。なお、図11は、図6のB−B線矢視断面模式図である。
【0068】
図8に戻って、ケース部材21についての説明を続ける。ケース部材21は、両側壁44に上述した突出部26が形成される。突出部26の先端部は円弧状に形成されており、これにより、ホルダ10の切欠部15への進入を容易にしている。さらに、両側壁44には、突出部26の後方に連接する突出部52が形成されており、かかる突出部52によって突出部26の強度を向上させている。
【0069】
ケース部材21は、回路基板23の接続端子24a,24bと対向する底壁42の位置に、開孔51a,51bが形成される。これにより、図3に示すように、回路基板23の接続端子24a,24bが開孔51a,51bを介して下方に突出し、ホルダ10の接続端子11a,11bに接続端子24a,24bが接触できるようにしている。
【0070】
ここで、アンプユニット20の組み立て方法の一例について、図8を参照して説明する。まず、底壁42、前壁43および側壁44によって形成されるケース部材21の内部空間に、回路基板23を配置する。
【0071】
次に、回路基板23が内部空間に配置されたケース部材21の上方からカバー部材22を下方に移動させる。このとき、カバー部材22の開孔38(図9参照)に回路基板23のコネクタ部41を挿通して、カバー部材22に対する回路基板23の位置決めを行う。
【0072】
さらに、係合部33aを凹部49に進入させ、かつ、係合部33bを凹部50に進入させながら、カバー部材22を下方に移動させると、係合部33aの先端が突起部45に当たり、係合部33bの先端が突起部46に当たる。このとき、カバー部材22を押し下げると、係合部33a,33bの先端はそれぞれ突起部45,46の傾斜面47(図10参照)を乗り上げる。そして、係合部33a,33bの先端が傾斜面47を越えると、係合部33a,33bの開孔部34a,34b内に突起部45,46が挿入される。これにより、カバー部材22がケース部材21に係合される。
【0073】
このように、車両用コネクタ1では、ケース部材21の突起部45,46とカバー部材22の係合部33a,33bによって、ケース部材21とカバー部材22が係合する。さらに、ケース部材21の突起部45,46には、上方に漸次隆起する傾斜面48が形成されている。かかる傾斜面48により、ケース部材21に対してカバー部材22が所定以上の力で引き上げられることで、ケース部材21とカバー部材22との係合状態が解除される。
【0074】
このようにアンプユニット20がホルダ10に組み込まれて形成される車両用コネクタ1は、窓ガラス2に設置された状態で、例えば、ケーブル70が所定以上の力で引き上げられることによって、アンプユニット20を分解可能としている。図12および図13は、アンプユニット20の分解の説明図である。
【0075】
図6に示す状態で、ケーブル70が所定以上の力で引き上げられた場合、カバー部材22に対して上方向への所定以上の引張力が作用する。このように、カバー部材22に対して上方向への所定以上の引張力が作用した場合、ホルダ10の切欠部15とケース部材21の突出部26とによってケース部材21の上方向への移動が規制される。一方で、ケース部材21に対するカバー部材22の係合状態を解除する力が働く。ケース部材21に対するカバー部材22の係合力は、窓ガラス2に対するホルダ10の固定力よりも弱く、ホルダ10を破損する力よりも弱い。そのため、図12に示すように、ホルダ10にケース部材21が保持された状態で、ホルダ10を破損させることなく、カバー部材22および回路基板23をケーブル70と共に外すことができる。
【0076】
このように、窓ガラス2等に設置されている車両用コネクタ1に取り付けられたケーブル70が、その引き出し方向と略直交する方向へ引き上げられることによって、回路基板23を取り出すことが可能となり、車両用コネクタ1の設置場所に制約がある中でも保守管理の作業性を向上させることができる。
【0077】
また、ケース部材21も、ホルダ10への係合状態が解除された後に、ホルダ10に対して後方へ移動させることで、ホルダ10から取り出すことができる。これによって、ホルダ10を破損することなく、ホルダ10からアンプユニット20を取り外すことができるため、ホルダ10の破損に起因する保守管理のための作業時間および費用の負担が大きくなるといった問題を解消することが可能となる。
【0078】
また、作業者が意図せずケーブル70に対して上方へ所定以上の引張力を加えてしまった場合であっても、同様に、ホルダ10を破損することなく、該ホルダ10からアンプユニット20を取り外すことができるため、誤作業によって発生する障害を未然に防止することができる。
【0079】
さらに、車両用コネクタ1では、回路基板23のコネクタ部41がカバー部材22に形成された筒状部31の開孔38に挿入される。これにより、コネクタ部41の接続端子部が開孔38よりも上方側かつカバー部材22の後方側に露出する。そして、コネクタ部41の接続端子部にケーブル70のコネクタ71が接続される。
【0080】
そのため、カバー部材22および回路基板23がホルダ10およびケース部材21から外された場合であっても、図13に示すように、ケーブル70によって、カバー部材22および回路基板23が保持される。すなわち、カバー部材22と回路基板23とがばらばらになることを防止でき、ケーブル70を伝ってカバー部材22と回路基板23とを回収することができる。
【0081】
次に、ホルダ10の底壁12に形成される接続端子11a,11bについて具体的に説明する。図14(a)は、ホルダ10の底面模式図であり、図14(b)は、ホルダ10の側面模式図である。
【0082】
図14(a)に示すように、接続端子11a,11bは、ホルダ10の底壁12の前方側の左右中央と後方側の左右中央に形成される。かかる接続端子11a,11bは、ベース部から延伸するばね部60a,60bを備える。そして、図2に示すように、車両用コネクタ1を窓ガラス2に取り付けることによって、ばね部60a,60b(以下、ばね部60と総称する)が車両用アンテナ3の給電端子4a,4bに接続される。
【0083】
図15(a)は、接続端子11a,11b(以下、接続端子11と総称する)の外観模式図、図15(b)は、接続端子11の展開模式図である。図15(a)に示すように、接続端子11は、板状金属部材を略箱状に加工して形成され、一部を突出させてばね部60としている。
【0084】
具体的には、接続端子11は、図15(b)に示すように、方形状の上面部61と、側面部62〜65と、下面部66と、ばね部60とを有する板部材からなる。そして、上面部61の端部から延伸する側面部62〜65を略直角に折り曲げ、さらに、側面部62の端部に延伸する下面部66を上面部61と対向する方向に略直角に折り曲げる。
【0085】
そして、下面部66に対してばね部60を所定の角度になるように折り曲げる。これにより、接続端子11が形成される。なお、図15(a),(b)に示す例では、側面部63〜65の幅を側面部62の半分以下の幅としているが、これに限られるものではない。例えば、側面部62とほぼ同じ幅としてもよい。
【0086】
接続端子11内には、図15(c)に示すように、スペーサ67が挿入される。スペーサ67は、直方体状の金属部材であり、接続端子11内の空間全体をほぼ充填することができる大きさとしている。このようにスペーサ67を接続端子11内に充填することによって、接続端子11のホルダ10へのインサート成形を精度よく行うことができる。
【0087】
すなわち、接続端子11は板状部材で形成されているため、スペーサ67がない場合、接続端子11を金型にセットする際やインサート成形時に変形したり、ばね部60へ樹脂が侵入したりする虞がある。しかし、接続端子11内にスペーサ67を充填することによって、接続端子11の変形を抑制し、ばね部60への樹脂の侵入を抑制することができる。
【0088】
従って、インサート成形時における接続端子11の金型へのセットが容易となり、また、インサート成形したホルダ10において、接続端子11を樹脂に密着させることができ、その結果、接続端子11内部を通じた水や異物の侵入を抑制することができる。
【0089】
図16は、ホルダ10に対する接続端子11のインサート成形用金型のイメージを示す模式図である。図16(a)に示すように、上側金型80と下側金型81によって形成される内部空間をホルダ10の形状とすることで、ホルダ10を成形可能としている。さらに、ホルダ10に対する接続端子11のインサート成形を行うために、逃げ空間82が設けられる。
【0090】
図16(b)は、逃げ空間82付近の拡大図である。図16(b)に示すように、下側金型81には、接続端子11をインサート成形する位置に位置決め用の凸部が形成されており、かかる凸部に合わせて接続端子11を下側金型81に載置する。
【0091】
このとき、ばね部60は、下側金型81の逃げ空間82に位置する。そのため、ばね部60は、上側金型80と下側金型81とにより形成される空間に隣接しない空間に位置することになり、樹脂が入り込まない。一方、接続端子11の側面部62〜65およびスペーサ67の側部は、上側金型80と下側金型81とにより形成される空間に隣接する位置になる。
【0092】
従って、図17に示すように、接続端子11の側面部62〜65およびスペーサ67の側部は、ホルダ10の成形時に樹脂と接触して密着する。このとき、接続端子11の側面部62〜65およびスペーサ67により側面側に凸凹が生じることで樹脂との接触面積が大きくなり、接続端子11およびスペーサ67が樹脂との密着性を高めることができる。また、スペーサ67は、接続端子11内全体をほぼ充填される形状であるため、樹脂がばね部60へ進入することを防止することができる。
【0093】
上述した接続端子11では、スペーサ67を充填する構成であるが、スペーサ67を充填しない構成としてもよい。例えば、図18に示す接続端子11Aを用いるようにしてもよい。図18に示す接続端子11Aは、接続端子11の側面部62に対応する部分を設けず、上面部61Aに下面部66Aを連続させ、上面部61Aの端部から下面部66Aを直接折り返して、上面部61Aと下面部66Aを密着させている。なお、ばね部60Aおよび側面部63A〜65Aは、図15に示す接続端子11のばね部60および側面部63〜65と同様の構成である。
【0094】
このように接続端子11Aが構成されているため、ばね部60Aを形成するために形成された下面部66Aの孔を上面部61Aで覆うこができ、その結果、ばね部60Aへの樹脂の侵入を抑制することができる。
【0095】
また、接続端子11に形成される側面部62のような部分がなく、上面部61Aと下面部66Aとが密着しているため、接続端子11Aの変形を抑制することができる。なお、下側金型81へ押し当てる部分は、接続端子11と同様に、フラットである下面部66Aの領域である。また、樹脂と密着する領域は、上面部61Aおよび下面部66Aの外縁部分である。
【0096】
以上のように、本実施例にかかる車両用コネクタ1は、車両用アンテナ3に接続される接続端子11a,11bが形成されたホルダ10と、ケース部材21とカバー部材22とが係合して形成される空間内に回路基板23を収納し、ホルダ10に組み込まれるアンプユニット20とを備える。ホルダ10は、ケース部材21とカバー部材22との係合を解除する方向である係脱方向(Z軸の正方向)へのケース部材21の移動を規制する規制部として切欠部15および延伸部17を備える。
【0097】
そして、アンプユニット20に組み込まれた状態で係脱方向(Z軸の正方向)へ所定以上の引張力が作用した場合、規制部によってケース部材21の移動が規制されて、ケース部材21に対するカバー部材22の係合が解除される。そのため、例えば、ケーブル70に対して上方へ所定以上の引張力が加えられることによって、アンプユニット20を容易に分解することができ、車両用コネクタ1の設置場所に制約がある中でも保守管理の作業性を向上させることができる。
【0098】
また、ケース部材21も、ホルダ10への係合状態が解除された後に、ホルダ10に対して後方へ移動させることで、ホルダ10から取り出すことができる。これによって、ホルダ10を破損することなく、ホルダ10からアンプユニット20を取り外すことができるため、ホルダ10の破損に起因する保守管理のための作業時間及び費用の負担が大きくなるといった問題を解消することが可能となる。
【0099】
また、作業者が意図せずケーブル70に対して上方へ所定以上の引張力を加えてしまった場合であっても、同様に、ホルダ10を破損することなく、該ホルダ10からアンプユニット20を取り外すことができるため、誤作業によって発生する障害を未然に防止することができる。
【0100】
なお、上述した車両用コネクタ1では、ケース部材21の突起部45,46とカバー部材22の係合部33a,33bによって、ケース部材21とカバー部材22が係合するが、係合構造はこれに限定されるものではない。例えば、カバー部材22に突起部を設け、ケース部材21に突起部に係合する係合部を設けるようにしてもよい。すなわち、上下方向を係合方向とする係合構造であり、所定以上の引張力を上方に加えることで係合状態を解除することができる構成であれば、他の構成を採用することもできる。
【0101】
また、上述では、アンテナ装置として、車両用アンテナ3が形成された車両の窓ガラス2に車両用コネクタ1を取り付けたアンテナ装置を一例として説明したが、アンテナ装置はこれに限定されるものではない。例えば、窓ガラスではないガラスや、車両の窓ガラス以外の部材を含む部材にアンテナが形成され、かかる部材にコネクタを固定したアンテナ装置であってもよい。
【0102】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上のように、本発明にかかるコネクタおよびそれを備えたアンテナ装置は、保守管理などの作業性を向上させたい場合や誤作業によって発生する障害を未然に防止する場合に有効であり、特に、車両の窓ガラス上に形成される車両用アンテナの接続端子と接続する技術への適用に適している。
【符号の説明】
【0104】
1 車両用コネクタ
2 窓ガラス
3 車両用アンテナ
4a,4b 給電端子
5 受信機(後段の機器)
10 ホルダ
11a,11b 接続端子
15 切欠部(規制部)
17 延伸部(規制部)
20 アンプユニット
21 ケース部材
22 カバー部材
23 回路基板
26 突出部
27 凹部
36 傾斜面
38 開孔
40 増幅回路
41 コネクタ部
70 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18