特許第5718202号(P5718202)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718202
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】エレベータ乗場の操作装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/46 20060101AFI20150423BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   B66B1/46 A
   B66B5/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-221152(P2011-221152)
(22)【出願日】2011年10月5日
(65)【公開番号】特開2013-79143(P2013-79143A)
(43)【公開日】2013年5月2日
【審査請求日】2014年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大黒屋 篤
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】大沢 卓也
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−206301(JP,A)
【文献】 特開平10−036022(JP,A)
【文献】 特開2000−233877(JP,A)
【文献】 特開2002−160875(JP,A)
【文献】 特開2003−306277(JP,A)
【文献】 特開2008−174317(JP,A)
【文献】 特開2014−084186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/46
B66B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗場の壁に形成された空間部に収納され、保全用コネクタを端部に有する保全用ケーブルと、上記空間部を覆うように配置され、表示器及び操作釦が設けられたカバープレートとを備えたエレベータ乗場の操作装置において、
上記空間部に配置され、上記保全用コネクタを端部に有する上記保全用ケーブルが収納されるケースを備え、
上記カバープレートが、上記ケースに係着され、上記表示器及び上記操作釦が保持される内プレートと、この内プレートを覆うように配置され、上記内プレートに着脱可能に設けられる外プレートとから成り、
上記内プレートに、上記保全用コネクタを端部に有する上記保全用ケーブルの取り出しが可能な取り出し口を設けたことを特徴とするエレベータ乗場の操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータ乗場の操作装置において、
上記取り出し口は、上記内プレートに形成され、回動可能な開閉扉で塞がれる開口部と、この開口部とは別に形成した穴の少なくとも一方から成ることを特徴とするエレベータ乗場の操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエレベータ乗場の操作装置において、
上記表示器は、上記内プレートに固定される表示基盤と、この表示基盤を覆うように内プレートから上記外プレート方向に突出するように設けられる表示カバーとを含み、
上記操作釦は、上記内プレートから上記外プレート方向に突出するように形成してあり、
上記外プレートに、上記表示器の上記表示カバーが挿入される開口部と、上記操作釦が挿入される開口部を形成したことを特徴とするエレベータ乗場の操作装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレベータ乗場の操作装置において、
上記外プレートを、上記内プレートから離れる方向に、及び上記内プレートに近づく方向に、スライド可能に保持するスライド構造を設けたことを特徴とするエレベータ乗場の操作装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエレベータ乗場の操作装置において、
上記スライド構造は、
上記外プレートに取り付けられ、上記内プレートに向かって水平方向に延設されたスライドピンと、上記ケースまたは上記内プレートに設けられ、上記スライドピンを水平方向に案内するピンガイドと、上記スライドピンに設けられ、上記外プレートを上記内プレートから離れる方向にスライドさせた際に上記ピンガイドに係止されるストッパとを含むことを特徴とするエレベータ乗場の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗場に設けられ、保全用コネクタを端部に有する保全用ケーブルが収納される空間部を覆うカバープレートを有するエレベータ乗場の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機械室レスエレベータが主流となっているが、ブレーキなどのエレベータ機器の保守点検に際し、点検作業者の安全を確保するために昇降路の外部からエレベータ機器の状態を確認する保全作業が増してきている。このような保全作業に際しては、乗場に設けられた操作装置のカバープレートを取り外し、操作装置の内部空間に配置されている保全用コネクタ及び保全用ケーブルを外部に引き出し、引き出された保全用コネクタを例えば点検作業者の携帯端末装置に接続し、携帯端末装置を操作することによって保全作業が行われる。
【0003】
このような保全作業が行われるエレベータ乗場の操作装置として従来、特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、乗場の壁に形成され、コネクタセット及び配線用ケーブル、すなわち保全用コネクタ及び保全用ケーブルが収納される空間部を覆い、表示器及び操作釦が設けられたカバープレートと、このカバープレートを水平方向へスライドさせるスライド装置とを備えた構成になっている。この従来技術は、カバープレートをスライドさせることにより空間部内に収納されている保全用コネクタ及び保全用ケーブルを外部に引き出し、点検作業者の携帯端末装置に保全用コネクタを接続して、上述のような保全作業を行うようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−174317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に示される従来技術では、保全作業の終了後に保全用コネクタ及び保全用ケーブルを乗場の壁に形成された空間部に収納した後、いたずら等によってカバープレートが取り外されないようにするために、空間部を塞ぐように強い押圧力によってカバープレートを壁に押圧し、固定することが行われる。この際に従来技術にあっては、保全用コネクタあるいは保全用ケーブルが、カバープレートと、壁に形成した空間部のエッジ部との間に挟まれ、保全用コネクタの破損、あるいは保全用ケーブルの切断を生じる懸念がある。すなわち従来技術では、保全作業後に空間部へ保全用コネクタ及び保全用ケーブルを収納させる際の保全用コネクタ及び保全用ケーブルの安全保護の点で問題があった。
【0006】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、保全作業後に保全用コネクタの破損、及び保全用ケーブルの切断を生じることなく、これらの保全用コネクタと保全用ケーブルを収納することができるエレベータ乗場の操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るエレベータ乗場の操作装置は、エレベータの乗場の壁に形成された空間部に収納され、保全用コネクタを端部に有する保全用ケーブルと、上記空間部を覆うように配置され、表示器及び操作釦が設けられたカバープレートとを備えたエレベータ乗場の操作装置において、上記空間部に配置され、上記保全用コネクタを端部に有する上記保全用ケーブルが収納されるケースを備え、上記カバープレートが、上記ケースに係着され、上記表示器及び上記操作釦が保持される内プレートと、この内プレートを覆うように配置され、上記内プレートに着脱可能に設けられる外プレートとから成り、上記内プレートに、上記保全用コネクタを端部に有する上記保全用ケーブルの取り出しが可能な取り出し口を設けたことを特徴としている。
【0008】
このように構成した本発明は、保全作業の終了後には、内プレートの取り出し口から保全用コネクタ及び保全用ケーブルがケース内に収納された状態において、外プレートが内プレートに装着される。したがって、外プレートを内プレートに装着させる際に、保全用コネクタ及び保全用ケーブルが内プレートの外部に露出せず、仮に外プレートを強い押圧力で内プレートに装着させたとしても、外プレートによって保全用コネクタ及び保全用ケーブルが挟まれることがない。これにより、保全用コネクタが破損する虞がなく、また保全用ケーブルが切断する虞がない。すなわち、保全作業後に保全用コネクタの破損及び保全用ケーブルの切断を生じることなく、これらの保全用コネクタと保全用ケーブルをケース内に収納させることができる。
【0009】
また本発明は、上記発明において、上記取り出し口は、上記内プレートに形成され、回動可能な開閉扉で塞がれる開口部と、この開口部とは別に形成した穴の少なくとも一方から成ることを特徴としている。このように構成した本発明は、保全作業の終了後に、保全用コネクタ及び保全用ケーブルを、内プレートの開口部を介して、あるいは開口部とは別に形成した穴を介して、容易にケース内に収納させることができる。
【0010】
また本発明は、上記発明において、上記表示器は、上記内プレートに固定される表示基盤と、この表示基盤を覆うように内プレートから上記外プレート方向に突出するように設けられる表示カバーとを含み、上記操作釦は、上記内プレートから上記外プレート方向に突出するように形成してあり、上記外プレートに、上記表示器の上記表示カバーが挿入される開口部と、上記操作釦が挿入される開口部を形成したことを特徴としている。このように構成した本発明は、外プレートに形成した開口部に表示器の表示カバーを挿入させることにより、表示カバーの配置に対する良好な意匠性を確保でき、また外プレートに形成した別の開口部に操作釦を挿入させることにより、操作釦の配置に対する良好な意匠性を確保することができる。
【0011】
また本発明は、上記発明において、上記外プレートを、上記内プレートから離れる方向に、及び上記内プレートに近づく方向に、スライド可能に保持するスライド構造を設けたことを特徴としている。このように構成した本発明は、外プレートを取り外すことなく保全作業を行うことができ、保全作業の能率を向上させることができる。
【0012】
また本発明は、上記発明において、上記スライド構造は、上記外プレートに取り付けられ、上記内プレートに向かって水平方向に延設されたスライドピンと、上記ケースまたは上記内プレートに設けられ、上記スライドピンを水平方向に案内するピンガイドと、上記スライドピンに設けられ、上記外プレートを上記内プレートから離れる方向にスライドさせた際に上記ピンガイドに係止されるストッパとを含むことを特徴としている。このように構成した本発明は、外プレートを内プレートから離れる方向にスライドさせた際に、スライドピンに設けたストッパがピンガイドに係止し、それ以上の外プレートのスライド動作が阻止される。これにより、外プレートを落下しないように安定して保持できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、保全用コネクタを端部に有する保全用ケーブルが収納されるケースを覆うカバープレートが、ケースに係着され、表示器及び操作釦が保持される内プレートと、この内プレートを覆うように配置され、内プレートに着脱可能に設けられる外プレートとから成り、内プレートに、保全用コネクタを端部に有する保全用ケーブルの取り出しが可能な取り出し口を設けた構成にしてある。この構成により本発明は、外プレートを内プレートに装着させる際には、内プレートによって覆われるケース内に保全用コネクタ及び保全用ケーブルを収納させ、保全用コネクタ及び保全用ケーブルが外部に露出しない状態にすることができ、この状態で外プレートを内プレートに取り付けることができる。これにより本発明は、保全作業後に保全用コネクタの破損、及び保全用ケーブルの切断を生じることなく、これらの保全用コネクタと保全用ケーブルをケースに収納することができ、従来に比べて保全用コネクタ及び保全用ケーブルの安全保護を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るエレベータ乗場の操作装置が配置されるエレベータの乗場を示す正面図である。
図2】本発明に係るエレベータ乗場の操作装置の第1実施形態を示す横断面図である。
図3】第1実施形態の分解斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るエレベータ乗場の操作装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明に係るエレベータ乗場の操作装置が配置されるエレベータの乗場を示す正面図、図2は本発明に係るエレベータ乗場の操作装置の第1実施形態を示す横断面図、図3は第1実施形態の分解斜視図である。
【0017】
本発明の第1実施形態に係るエレベータ乗場の操作装置3は、図1に示すように、例えば最下階の乗場1に設けられる乗場ドア2の近傍に設けてある。本発明の第1実施形態は、3つの主要構成部品を含んでいる。図2,3に示すように、3つの主要構成部品のうちの第1の主要構成部品は、乗場1の壁に形成した穴に挿入されるようにして配置されるケース4である。第2の主要構成部品は、ケース4によって形成される空間部を覆うようにケース4に係着される内プレート6を含む内プレートブロック5である。第3の主要構成部品は、内プレート6を覆うように配置され、内プレート6に着脱可能に設けた外プレート21である。内プレート6と外プレート21とによってカバープレートが構成されている。
【0018】
上述したケース4の内部に形成される空間部には、例えば表示用コネクタ12aを端部に有する表示用ケーブル12、及び保全用コネクタ14aを端部に有する保全用ケーブル14が収納されている。ケース4内の互いに対向する両内側壁の上下方向には、挟持具を形成する板ばね4a,4bをそれぞれ2つずつ取り付けてある。
【0019】
上述した内プレートブロック5は、内プレート6に保持される表示器、及び操作釦19を含んでいる。表示器は、内プレート6に固定され、表示用コネクタ12aが接続される表示基盤7と、この表示基盤7を覆うように内プレート6から外プレート21方向に突出して設けられる表示カバー9とを含んでいる。また、操作釦19は、内プレート6から外プレート21方向に突出するように形成してある。
【0020】
また、内プレートブロック5は、内プレート6の両側部の上下方向にそれぞれ2つずつ設けられ、上述したケース4の内部の板ばね4a,4bに差し込むことによって、これらの板ばね4a,4bに係着、すなわち挟持される計4つの爪部8a,8bを含んでいる。また、内プレートブロック5は、内プレート6の両側部の上下方向に2つの爪部8aあるいは2つの爪部8bを挟むようにそれぞれ2つずつ計4つ設けられたボールキャッチ雌部10a,10bを含んでいる。さらに、内プレートブロック5は、内プレート6の両側部の上下方向に2つずつ、それぞれ2つの爪部8aの間に位置するように、あるいは2つの爪部8bの間に位置するように、内プレート6がケース4の奥側に入り過ぎないように規制する4つのストッププレート11a,11bを含んでいる。
【0021】
内プレートブロック5に含まれる内プレート6には、保全用コネクタ14aを端部に有する保全用ケーブル14の取り出しが可能な取り出し口を設けてある。この取り出し口は、内プレート6に形成され、一対のヒンジ部17aを介して回動可能な開閉扉16で塞がれる開口部16aと、開閉扉16に設けられ、開口部16aとは別に形成され、例えば保全用コネクタ14aを取り出す点検作業者の指等の挿入が可能な形状を有する穴18とから成っている。
【0022】
上述した外プレート21は、プレート部22と、このプレート部22の両側部の上下方向に2つずつ計4つ設けられ、内プレート6に設けたボールキャッチ雌部10a,10bのそれぞれ対向するものに係脱可能な計4つのボールキャッチ雄部23a,23bとを備えている。プレート部22には、内プレート6に設けられる表示器の表示カバー9が挿入される開口部24と、内プレート6に設けられる操作釦19が挿入される開口部25とを形成してある。また、図2に示すように、プレート部22には、内プレートブロック5のストッププレート11a,11bの収納が可能なざぐり穴26a,26bを計4つ形成してある。
【0023】
このように構成した第1実施形態の組み込みに際しては、乗場1の壁に取り付けられたケース4の板ばね4a,4bに、内プレートブロック5の爪部8a,8bをそれぞれ差し込むようにして、内プレートブロック5のストッププレート11a,11bがケース5の縁に当接するまで挿入する。この状態において、外プレート21のボールキャッチ雄部23a,23bを、内プレートブロック5のボールキャッチ雌部10a,10bに係合させるように、外プレート21を内プレート6方向に押し込む。このとき、内プレートブロック5に設けた表示カバー9は外プレート21の開口部24に挿入され、内プレートブロック5に設けた操作釦19は外プレート21の開口部25に挿入される。また、内プレートブロック5のストッパプレート11a,11bは、外プレート21のざぐり穴26a,26b内に収納される。これらによって、外プレート21を内プレートブロック5の内プレート6に、内プレート6を覆うように接合させて装着することができる。
【0024】
このようにして、カバープレートを構成する内プレート6と外プレート21がケース4に取り付けられる。したがって、乗場1において操作装置3の操作釦19を操作することにより、図示しない乗りかごを乗場1に呼び寄せることができる。
【0025】
また、保全作業に際し、ケース4内に収納された保全用コネクタ14aを図示しない携帯端末装置等に接続するときには、点検作業者は例えば図示しない吸盤を外プレート21に吸着させて、外プレート21を内プレート6から取り外す。この状態で例えば開閉扉16を回動させて開くことにより、保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14を内プレート6の開口部16aから外部に引き出すことができる。あるいは、開閉扉16を開くことなく、開閉扉16に形成した穴18から保全用コネクタ14aを指等によって外部に引き出すことができる。このように外部に引き出された保全用コネクタ14aを携帯用端末装置等に接続することにより、所望の保全作業を行うことができる。なお、例えば操作釦19を交換する際にも、外プレート21を内プレート6から取り外すことによって行うことができる。
【0026】
上述した保全作業の終了後には、携帯端末装置等から保全用コネクタ14aを取り外し、内プレート6の開かれている開口部16aから保全コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4内に収納し、開閉扉16を閉じることが行われる。あるいは、内プレート6の穴18から保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4内に収納することが行われる。この状態で、再び外プレート21を内プレート6方向に押し込み、内プレート6に装着させることが行われる。
【0027】
このように構成した第1実施形態にあっては、上述したように、保全作業の終了後には、内プレート6の取り出し口から保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4内に収納した状態において、外プレート21が内プレート6に装着される。したがって、外プレート21を内プレート6に装着させる際に、保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14が内プレート6の外部に露出せず、外プレート21を強い押圧力で内プレート6に装着させたとしても、外プレート21によって保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14が挟まれることがない。これにより、外プレート21によって保全用コネクタ14aが破損する虞がなく、また、保全用ケーブル14が切断する虞がない。すなわち、保全作業後に、保全用コネクタ14aの破損及び保全用ケーブル14の切断を生じることなく、これらの保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4に収納することができ、保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14の安全保護を実現させることができる。
【0028】
また、この第1実施形態にあっては、保全作業の終了後に、保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14を、内プレート6の開口部16aを介して、あるいは開閉扉16に形成した穴18を介して容易にケース4内に収納させることができる。これにより保全作業の終了後の処理作業を簡単に行うことができる。
【0029】
なお、保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4内に収納させるに際しては、開閉扉16が開かれている状態で、一旦保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4の内側から穴18を通して外部に引き出し、その状態で開閉扉16を閉じ、ここで外部に引き出されている保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4に押し込んで収納させるようにしてもよい。このようにして保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14をケース4内に収納すれば、保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14が、開閉扉16と内プレート6の開口部16aのエッジ部とによって挟まれることを確実に防ぐことができる。
【0030】
また、この第1実施形態にあっては、外プレート21に形成した開口部24に表示器の表示カバー9を収納させることにより、表示カバー9の配置に対する良好な意匠性を確保でき、また外プレート21に形成した別の開口部25に操作釦19を挿入させることにより、操作釦19の配置に対する良好な意匠性を確保することができる。したがって、美観を保ったカバープレートとすることができる。
【0031】
また、外プレート21を吸盤によって取り外すようにしてあることから、いたずら等によって外プレート21が簡単に取り外されることを防止することができる。これにより、ケース4内に収納された表示用コネクタ21a及び表示用ケーブル12、並びに保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14のいたずら等からの保護を図ることができる。
【0032】
図4は本発明の第2実施形態を示す横断面図である。この第2実施形態に係るエレベータ乗場の操作装置30は、外プレート21を、内プレート6から離れる方向に、及び内プレート6に近づく方向に、スライド可能に保持するスライド構造を設けた構成にしてある。
【0033】
このスライド構造は、外プレート21のプレート部22の両側部近傍の上下方向にそれぞれ2つずつ計4つ設けたねじ部32a,32bと、これらのねじ部32a,32bのそれぞれに螺合され、内プレート6に向かってそれぞれ水平方向に延設された計4本のスライドピン31a,31bを含んでいる。また、このスライド構造は、例えばケース4の両内側壁にそれぞれ設けられ、4本のスライドピン31a,31bを水平方向に案内する計4つのピンガイド32a,32bと、スライドピン31a,31bのそれぞれに設けられ、外プレート21を内プレート6から離れる方向にスライドさせた際にピンガイド32a,32bにそれぞれ係止されるストッパ34a,34bとを含んでいる。その他の構成は上述した第1実施形態と同等である。
【0034】
このように構成した第2実施形態にあっては、保全作業に際し、外プレート21に吸盤を吸着させスライドさせる際に、外プレート21はスライドピン31a,31b及びピンガイド33a,33bを介して水平方向にスライドするものの、外プレート21を取り外すことなく保全作業を行うことができる。これにより保全作業の能率を向上させることができる。
【0035】
また、外プレート21を吸盤で吸着させて水平方向にスライドさせる際に、スライドピン31a,31bに設けたストッパ34a,34bがピンガイド33a,33bに係止することにより、外プレート21のスライド動作が停止する。したがって、外プレート21を落下しないように安定して保持でき、保全作業の能率向上に貢献する。その他の作用効果については第1実施形態と同等である。
【0036】
なお、上記第2実施形態ではピンガイド33a,33bをケース4の両内側壁に設けたが、これらのピンガイド33a,33bを内プレートブロック5のケース4側に位置する内プレート6の面に設けてもよい。
【0037】
また、上記第1,第2実施形態において、保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14の取り出し口として穴18を設けず、開閉扉16によって塞がれる開口部16aだけを設けてもよい。また、これとは逆に保全用コネクタ14a及び保全用ケーブル14を引き出すための開閉扉16を設けずに、内プレート6に穴18だけを設ける構成とすることもできる。
【0038】
また、第1,第2実施形態にあっては、ボールキャッチ雌部10a,10bを内プレート6に設けたが、これに代えてボールキャッチ雌部10a,10bをケース4の両内側壁に設けた構成にしてもよい。
【0039】
また、第1,第2実施形態にあっては、ボールキャッチ雌部10a,10bとボールキャッチ雄部23a,23bとを介して内プレート6に外プレート21を着脱可能に構成したが、これらのボールキャッチ雌部10a,10bとボールキャッチ雄部23a,23bを設けることに代えて、マグネットキャッチを設け、このマグネットキャッチを介して外プレート21を内プレート6に装着させる構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 乗場
3 操作装置
4 ケース
4a 板ばね
4b 板ばね
5 内プレートブロック
6 内プレート
7 表示基盤
8a 爪部
8b 爪部
9 表示カバー
10a ボールキャッチ雌部
10b ボールキャッチ雌部
14a 保全用コネクタ
14 保全用ケーブル
16 開閉扉
16a 開口部
18 穴
19 操作釦
21 外プレート
22 プレート部
23a ボールキャッチ雄部
23b ボールキャッチ雄部
30 操作装置
31a スライドピン
31b スライドピン
32a ねじ部
32b ねじ部
33a ピンガイド
33b ピンガイド
34a ストッパ
34b ストッパ
図1
図2
図3
図4