(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記目詰まり判断部は、予め記憶してある複数の温度上昇率から選択した一の温度上昇率と算出した前記温度上昇率とを比較することによって、前記目詰まりしているか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の建設機械。
前記目詰まり判断部は、複数のエンジン負荷率又は複数のポンプ圧に対応する前記複数の温度上昇率から前記温度検出部が前記温度を検出したときのエンジン負荷率又はポンプ圧に対応する前記一の温度上昇率を選択することを特徴とする、請求項2又は3に記載の建設機械。
前記検出手段は、前記エンジン負荷率を検出するエンジン負荷率検出部又は前記ポンプ圧を検出するポンプ圧検出部を更に含むことを特徴とする、請求項4に記載の建設機械。
前記制御手段は、前記目詰まり判断部が目詰まりしていると判断した場合に、前記冷却用ファンの回転方向を反転させるファン制御部を更に含むことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の建設機械。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面の中の記載で、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。したがって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
【0014】
本実施形態に係る建設機械100を用いて、本発明を以下に説明する。本発明は、本実施形態以外でも、冷却用ファンを用いて冷却水又は作動油を冷却する熱交換器を有する建設機械であれば、いずれのものにも用いることができる。また、建設機械には、ブルドーザ、ホイールローダ、ダンプトラック及び油圧ショベル等が含まれる。
【0015】
(建設機械の構成)
本発明の実施形態に係る建設機械100の構成を、
図1を用いて説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る建設機械100は、冷却水又は作動油を冷却する熱交換器HEを有する機械である。建設機械100は、本実施形態では、建設機械100の各構成に動作を指示し、各構成の動作を制御する制御手段10と、熱交換器HEの放熱能力を検出する検出手段20と、を含む。また、建設機械100は、本実施形態では、検出手段20が検出した検出結果等を表示するI/F手段(インターフェース手段)30を含む。
【0017】
ここで、熱交換器とは、冷却用ファンを用いて、エンジンの冷却水又は油圧ポンプの作動油などを冷却することができる機器である。本実施形態では、熱交換器HEは、冷却水を冷却するラジエータHEr及び作動油を冷却するオイルクーラHEcを用いる。また、熱交換器HEは、冷却用ファンHEfの回転によって外気を吸気し、吸気した外気を用いて熱交換器HEの放熱部(ラジエータHEr及びオイルクーラHEcのフィン部など)を冷却する。このとき、熱交換器HEは、冷却される放熱部内部に冷却水又は作動油を流動することによって、冷却水又は作動油を冷却することができる。
【0018】
制御手段10は、建設機械100の各構成に動作を指示し、各構成の動作を制御する手段である。制御手段10は、I/F手段30(後述する入力部31)により入力される情報に基づいて、建設機械100の検出手段20(後述)、エンジン、油圧ポンプなどを制御する。また、制御手段10は、検出手段20の検出結果などをI/F手段30(後述する表示部32)に出力する。更に、制御手段10は、検出手段20が検出した熱交換器HEの放熱能力に基づいて、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断することができる。
【0019】
制御手段10は、本実施形態では、検出手段20が検出した温度を用いて冷却水温度及び作動油温度等の温度上昇率(以下、「実機温度上昇率Rr」という。)を算出する温度上昇率算出部11と、建設機械100の複数のエンジン負荷率及び/又は複数のポンプ圧に対応する複数の温度上昇率(以下、「温度上昇率Rg」という。)を予め記憶している温度上昇率記憶部12と、算出した実機温度上昇率Rrに基づいて熱交換器HE(放熱部等)が目詰まりしているか否かを判断する目詰まり判断部13と、を含む。また、制御手段10は、冷却用ファンHEfの回転方向及び回転速度などを制御するファン制御部14を含む。
【0020】
温度上昇率算出部11は、建設機械100の温度上昇率を算出するものである。温度上昇率算出部11は、本実施形態では、熱交換器HEの放熱能力として、検出手段20が検出した温度(例えば後述する
図3の冷却水温度Tw又は作動油温度To)を用いて実機温度上昇率Rrを算出する。
【0021】
温度上昇率記憶部12は、複数のエンジン負荷率及び/又は複数のポンプ圧に対応する複数の温度上昇率を記憶するものである。温度上昇率記憶部12は、予め実験又は数値計算などによって、エンジン負荷率及び/又はポンプ圧を変化させたときの冷却水及び/又は作動油の夫々の温度上昇率を複数の温度上昇率Rgとして記憶している。すなわち、温度上昇率記憶部12は、熱交換器HEが目詰まりしていない状態における複数のエンジン負荷率等に対応した複数の温度上昇率Rg(熱交換器の放熱能力)を記憶している。
【0022】
目詰まり判断部13は、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断するものである。目詰まり判断部13は、本実施形態では、温度上昇率算出部11が算出した温度上昇率に基づいて、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断する。具体的には、建設機械100は、温度上昇率記憶部12が記憶している複数の温度上昇率Rgから温度検出部21が温度を検出したときのエンジン負荷率及び/又はポンプ圧に対応する一の温度上昇率Rgsを選択し、選択した一の温度上昇率Rgsと算出した実機温度上昇率Rrとを比較することによって、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断する。すなわち、目詰まり判断部13は、熱交換器HEの放熱能力に基づいて、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断することができる。なお、制御手段10(温度上昇率算出部11、温度上昇率記憶部12及び目詰まり判断部13)が熱交換器HEの目詰まりを判断する動作の詳細は、後述する(熱交換器の目詰まりを判断する動作)で説明する。
【0023】
ファン制御部14は、冷却用ファンの動作を制御するものである。ファン制御部14は、本実施形態では、冷却用ファンHEfを正回転方向に回転することによって、熱交換器HE(放熱部、フィン部など)を冷却する。また、ファン制御部14は、冷却用ファンHEfの回転方向を反転する(逆回転方向に回転する)ことによって、熱交換器HE(放熱部、フィン部など)に詰まっている外気中に含まれていた塵、埃、枯葉若しくは虫など(以下、「粉塵」という。)を除去する(吹き飛ばす)ことができる。
【0024】
具体的には、ファン制御部14は、目詰まり判断部13が目詰まりしていると判断した場合に、冷却用ファンHEfの回転方向を反転する。このとき、ファン制御部14は、冷却時(正回転方向の回転時)に吸引した、熱交換器HEに詰まった粉塵を、冷却用ファンHEfの反転で発生した風圧(風力)によって、建設機械100の外部に吹き飛ばすことができる。
【0025】
これにより、本実施形態に係る建設機械100は、熱交換器HEの目詰まりによる放熱能力の低下を防止することができる。また、建設機械100は、冷却用ファンHEfの回転方向を一時的に反転することにより、安定的又は継続的に熱交換器HEを用いて冷却を行なうことができる。このため、建設機械100は、熱交換器HEの放熱能力の低下に起因するエンジンオイル、作動油若しくはシール部の早期劣化、潤滑不良によるエンジン機器若しくは油圧機器の破損、及び、エンジンのオーバーヒートを防止することができる。更に、建設機械100は、熱交換器HEの清掃前に冷却用ファンの回転方向を反転することによって、熱交換器HEに詰まっている粉塵を除去することができるので、熱交換器HEの清掃時間を短縮することができる。
【0026】
なお、本実施形態に係る建設機械100は、油圧で駆動する油圧駆動式ファン、エンジンの動力で駆動するエンジン駆動式ファン又は電動で駆動する電動式ファンなどを用いることができる。
【0027】
検出手段20は、熱交換器HEの放熱能力を検出する手段である。また、検出手段20は、エンジン負荷率及び/又はポンプ圧を検出する手段である。検出手段20は、本実施形態では、冷却水温度Tw及び/又は作動油温度Toを検出する温度検出部21と、エンジン負荷率Leを検出するエンジン負荷率検出部22と、ポンプ圧Ppを検出するポンプ圧検出部23と、を含む。
【0028】
温度検出部21は、熱交換器HEの放熱能力として、冷却水の冷却水温度Tw及び/又は作動油の作動油温度To(例えば、
図5のTws及びTwe、又は、
図6のTos及びToe)を検出するものである。温度検出部21には、公知の技術を用いることができる。
【0029】
エンジン負荷率検出部22は、建設機械100に搭載しているエンジンのエンジン負荷率を検出するものである。エンジン負荷率検出部22は、本実施形態では、エンジンEng(
図2)のエンジン負荷率Leを検出する。エンジン負荷率検出部22がエンジン負荷率Leを検出する方法には、公知の技術を用いることができる。
【0030】
ポンプ圧検出部23は、油圧ポンプのポンプ圧を検出するものである。ポンプ圧検出部23は、本実施形態では、油圧ポンプPo(
図2)のポンプ圧Ppを検出する。ポンプ圧検出部23がポンプ圧Ppを検出する方法は、公知の技術を用いることができる。
【0031】
I/F手段30は、建設機械100外部と情報の入出力を行なう情報伝達手段又は情報通信手段である。I/F手段30は、建設機械100の操作条件、運転条件及びその他の動作条件、並びに、温度上昇率記憶部12が記憶する複数の温度上昇率Rgなど(以下、「入力情報Im」という。)を外部から建設機械100に入力する入力部31と、検出手段20が検出した検出結果、温度上昇率算出部11が算出した算出結果及び目詰まり判断部13が判断した判断結果など(以下、「出力情報Or」という。)を表示する表示部32と、を有する。I/F手段30には、公知の技術を用いることができる。
【0032】
入力部31は、入力情報Imを建設機械100外部から入力するものである。入力部31は、本実施形態では、機械管理者(建設機械を使用する者、建設機械の操作席(運転席)の操作者(運転者)、オペレータなど)が入力情報Imを入力することができる装置である。また、入力部31は、表示部32が目詰まり判断部13が判断した判断結果を表示した後に、機械管理者が冷却用ファンHEfの回転方向を反転させるための入力情報Imを入力することができる。
【0033】
これにより、本実施形態に係る建設機械100は、機械管理者が入力部31を用いて入力情報Imを入力した後に、ファン制御部14の制御によって冷却用ファンHEfの回転方向を反転させることができる。このため、建設機械100は、冷却用ファンHEfの回転方向の反転によって、熱交換器HEの放熱部(フィン部など)に詰まった粉塵を除去することができる。すなわち、本実施形態に係る建設機械100は、機械管理者の判断によって、任意のタイミングで冷却用ファンHEfの回転方向を反転させることができる。このため、建設機械100の近くに人がいた場合又は物があった場合でも、機械管理者は、その人等から建設機械100を離間した後に、入力部31を用いて入力情報Imを入力し、冷却用ファンHEfの回転方向を反転させることができる。
【0034】
なお、ファン制御部14は、目詰まり判断部13によって熱交換器HEが目詰まりしていると判断した場合に、冷却用ファンHEfにファン制御信号Irを出力し、自動で冷却用ファンHEfの回転方向を反転させる構成としてもよい。
【0035】
表示部32は、出力情報Orを建設機械100外部に出力するものである。表示部32は、本実施形態では、出力情報Orを表示する運転席モニタ32m(
図2)を用いることができる。これにより、本実施形態に係る建設機械100は、表示部32を用いて、熱交換器HEの目詰まりを機械管理者(操作者、運転者、オペレータなど)に知らせることができる。このため、建設機械100は、機械管理者に熱交換器HEの清掃を喚起することができる。
【0036】
(建設機械の油圧回路)
本発明の実施形態に係る建設機械100に用いる冷却水経路WC及び油圧回路OCを、
図2を用いて説明する。なお、
図2では、建設機械100の制御手段10として、コントローラ10cを用いる。また、
図2では、機械動力系を二重線、油路(油圧ライン)を実線、電気制御系を実線に//を付加して示している。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係る建設機械100の冷却水経路WCには、エンジンEngを冷却するためにエンジンEngに冷却水を流入させる水路と、エンジンEngから流出した冷却水を流入して冷却するラジエータHEr(熱交換器HE)と、ラジエータHErの下流側の水路に冷却水(冷却後)の温度を検出する温度センサ21w(温度検出部21)と、を有する。
【0038】
また、建設機械100の油圧回路OCには、エンジンEngの動力によって駆動される可変容量式(又は定容量式)の油圧ポンプ(以下、「油圧ポンプPo」という。)と、油圧ポンプPoの作動油の吐出側の油路に配置された油圧ポンプPoのポンプ圧Ppを検出する圧力センサ23a、23b(ポンプ圧検出部23)と、コントローラ10cから出力される電気信号に基づくパイロット圧(作動油)をアクチュエータAc(油圧アクチュエータ、油圧シリンダ、油圧モータなど)に導くコントロールバルブVcと、作動油を冷却するオイルクーラHEc(熱交換器HE)と、オイルクーラHEcの下流側の油路に作動油(冷却後)の温度を検出する温度センサ21o(温度検出部21)と、更に下流側に作動油を貯留する作動油タンクTnkと、を有する。
【0039】
更に、
図2に示すように、本実施形態に係る建設機械100は、ラジエータHEr及びオイルクーラHEcを冷却する冷却用ファンHEfを備える。ここで、ラジエータHEr及びオイルクーラHEcは、冷却用ファンHEf(の冷却風)に対して、並列又は直列に配置することができる。なお、冷却用ファンHEfは、油圧駆動式ファンを用いる。また、冷却用ファンHEfは、1つ又は2つ以上のファンを用いてもよい。
【0040】
(熱交換器の目詰まりを判断する動作)
本発明の実施形態に係る建設機械100が熱交換器HEの目詰まりを判断する動作の一例を、
図3を用いて説明する。
【0041】
図3に示すように、本実施形態に係る建設機械100は、先ず、温度検出部21(検出手段20)を用いて、冷却水温度Tw又は作動油温度Toを検出する。その後、建設機械100は、検出した冷却水温度Tw又は作動油温度To(検出結果)を温度上昇率算出部11及び温度上昇率記憶部12(制御手段10)に出力する。次いで、建設機械100は、温度上昇率算出部11を用いて、実機温度上昇率Rrを算出する。その後、建設機械100は、算出した実機温度上昇率Rr(算出結果)を目詰まり判断部13(制御手段10)に出力する。
【0042】
次に、建設機械100は、エンジン負荷率検出部22又はポンプ圧検出部23(検出手段20)が検出したエンジン負荷率Le又はポンプ圧Ppを温度上昇率記憶部12(制御手段10)に出力する。次いで、建設機械100は、温度上昇率記憶部12に記憶されている複数の温度上昇率Rgから、検出した冷却水温度Tw又は作動油温度To、及び、検出したエンジン負荷率Le又はポンプ圧Ppに対応する一の温度上昇率Rgsを選択する。その後、建設機械100は、選択した一の温度上昇率Rgsを目詰まり判断部13(制御手段10)に出力する。
【0043】
次いで、建設機械100は、目詰まり判断部13を用いて、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断する。すなわち、目詰まり判断部13は、選択した一の温度上昇率Rgsと算出した実機温度上昇率Rrとを比較することによって、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断する。また、建設機械100は、目詰まり判断部13の判断した判断結果(出力情報Or)を表示部32(I/F手段30)に出力する。なお、建設機械100は、温度検出部が検出した検出結果又は温度上昇率算出部が算出した算出結果も、表示部32に出力してもよい。
【0044】
その後、建設機械100は、表示部32で出力情報Orを表示した後に、機械管理者が入力部31を用いて入力した入力情報Imをファン制御部14に出力する。このとき、建設機械100は、入力情報Imに基づいて、冷却用ファンHEfを制御(例えば、冷却用ファンHEfの回転方向を反転)することができる。
【実施例】
【0045】
実施形態に係る建設機械100を含む建設機械の実施例を用いて、本発明を説明する。
(実施例1)
(建設機械の構成)
本発明の実施例1に係る建設機械110の構成を、
図1を用いて説明する。なお、以後の説明において、本実施例に係る建設機械110の構成は、実施形態の建設機械100の構成と基本的に同様のため、異なる部分のみ説明する。
【0046】
図1に示すように、本実施例に係る建設機械110は、エンジン負荷率検出部22を用いてエンジン負荷率Leの変化(例えば、後述する
図5)を検出することにより、熱交換器HEの放熱能力を検出する。
【0047】
(建設機械の油圧回路)
本実施例に係る建設機械110に用いる冷却水経路WC及び油圧回路OCは、実施形態に係る建設機械100の冷却水経路WC等と同様のため、説明を省略する。
【0048】
(熱交換器の目詰まりを判断する動作)
本実施例に係る建設機械110が熱交換器HEの目詰まりを判断する動作の一例を、
図3、
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は、本実施例に係る建設機械110の動作の一例を説明するフローチャート図である。
図5は、本実施例に係る建設機械110のエンジン負荷率検出部22が検出した検出結果の一例を示す説明図である。
【0049】
図4に示すように、ステップS401において、本実施例に係る建設機械110は、先ず、制御手段10を用いて、入力部31(I/F手段30)により入力された入力情報Imに基づいて、熱交換器HEの目詰まりを判断する動作を開始する。その後、ステップS402に進む。
【0050】
次に、ステップS402において、建設機械110は、温度検出部21(検出手段20)を用いて、所定の時間の開始時の冷却水の冷却水温度Tws(
図5)と所定の時間の終了時の冷却水の冷却水温度Twe(
図5)を検出する。次いで、建設機械110は、検出した冷却水温度Tws及びTweを温度上昇率算出部11(制御手段10)に出力する。また、建設機械110は、検出した冷却水温度Twsを温度上昇率記憶部12(制御手段10)に出力する。その後、ステップS403に進む。ここで、所定の時間とは、建設機械110の仕様、又は、冷却水の種類に対応する時間とすることができる。また、所定の時間は、建設機械110のエンジン負荷率Le又はポンプ圧Ppに対応する時間とすることができる。更に、所定の時間を、実験及び数値計算等により予め定められる時間とすることができる。
【0051】
次に、ステップS403において、建設機械110は、建設機械110の動作状態を検出する。具体的には、建設機械110は、エンジン負荷率検出部22(検出手段20)によって、建設機械110のエンジンEngの所定の時間のエンジン負荷率Leの変化(
図5)を検出する。また、建設機械110は、温度上昇率記憶部12に予め記憶された複数の温度上昇率Rgから、ステップS402で検出した所定の時間の開始時の冷却水温度Tws及びエンジン負荷率検出部22が検出したエンジン負荷率Leの所定の時間内の平均エンジン負荷率Leaに対応する一の温度上昇率Rgsを選択する。次いで、建設機械110は、選択した一の温度上昇率Rgsを目詰まり判断部13に出力する。その後、ステップS404に進む。
【0052】
ステップS404において、建設機械110は、実機温度上昇率Rrを算出する。具体的には、建設機械110は、温度上昇率算出部11を用いて、ステップS402で検出した冷却水温度Tws及びTweに基づいて、実機温度上昇率Rrを算出する。例えば、実機温度上昇率Rrを数1により算出することができる。
[数1]
Rr=Twe/Tws
次いで、建設機械110は、算出した実機温度上昇率Rrを目詰まり判断部13に出力する。その後、ステップS405に進む。
【0053】
ステップS405において、建設機械110は、目詰まり判断部13を用いて、ステップS403で選択した一の温度上昇率RgsとステップS404で算出した実機温度上昇率Rrとを比較することにより、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断する。具体的には、建設機械110は、目詰まり判断部13を用いて、一の温度上昇率Rgsと実機温度上昇率Rrとを比較し、実機温度上昇率Rrが一の温度上昇率Rgsより大きいときは熱交換器HEが目詰まりしていると判断する。すなわち、熱交換器HEの放熱性能が低下しているため、建設機械110は、熱交換器HEが目詰まりしていると判断することができる。また、建設機械110は、実機温度上昇率Rrが一の温度上昇率Rgsより小さいときは熱交換器HEが目詰まりしていないと判断することができる。なお、建設機械110は、冷却用ファンHEfの回転数及び冷却用ファンHEfにより流入する冷却空気の流量は正常であるとする。
【0054】
その後、建設機械110は、熱交換器HEが目詰まりしていると判断した場合には、ステップS406に進む。また、建設機械110は、熱交換器HEが目詰まりしていないと判断した場合には、ステップS408に進む。
【0055】
ここで、目詰まり判断部13は、一の温度上昇率Rgsと実機温度上昇率Rrとを比較することにより、熱交換器HEの放熱性能がどの程度低下しているかを定量的に判断することができる。これにより、建設機械110は、熱交換器HEの目詰まりを「目詰まりしている」か「否か」で二分するだけでなく、どの程度「目詰まりしている」かの定量的な判断結果を得ることができる。また、建設機械110は、熱交換器HEの放熱能力(予測値)にどの程度近いかの評価結果を得ることができ、運転管理者が冷却用ファンの回転方向を反転するタイミング(時期)を判断するための指針を得ることができる。例えば、どの程度「目詰まりしている」かの定量的な指標により、運転管理者は、「早期に冷却用ファンの回転方向を反転すべきか」、又は、「冷却用ファンの回転方向の反転を任意の時間経過後でもよいか」の判断をすることができる。
【0056】
次に、
図4に示すように、ステップS406において、建設機械110は、目詰まり判断部13が判断した判断結果を、表示部32(I/F手段30)に表示する。その後、ステップS407に進む。なお、建設機械110は、建設機械110の不具合を未然に防止するため、ステップS402〜S404の検出結果及び算出結果を、運転管理者に警告するために表示部32に表示してもよい。
【0057】
ステップS407において、建設機械110は、機械管理者が入力した入力情報Imに基づいて、ファン制御部14を制御する。具体的には、建設機械110は、冷却用ファンHEfの回転方向の反転に関する入力情報Imが入力部31に入力されたときに、ファン制御部14を用いて冷却用ファンHEfの回転方向を反転することができる。その後、ステップS408に進む。なお、回転方向の反転に関する入力情報Imは、目詰まり判断部13が判断した判断結果(目詰まり度合い)に対応する冷却用ファンHEfの回転速度又は反転する反転時間に関する情報を含んでもよい。
【0058】
ステップS408において、建設機械110は、入力部31により入力された入力情報Im等に基づいて、熱交換器HEの目詰まりを判断する動作を終了するか否かを判断する。具体的には、建設機械110は、機械管理者が建設機械110の使用を終了する場合には、熱交換器HEの目詰まりを判断する動作を終了し、図中のENDに進む。また、建設機械110は、機械管理者が建設機械110の使用を継続する場合には、熱交換器HEの目詰まりを判断する動作を継続するため、ステップS402に戻る。
【0059】
以上により、本発明の実施例1に係る建設機械110によれば、熱交換器HEの放熱能力を検出することができるので、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断することができる。また、本実施例に係る建設機械110によれば、機械管理者(操作者、運転者、オペレータなど)が入力部31を用いて入力情報Imを入力した後に、ファン制御部14の制御によって冷却用ファンHEfの回転方向を反転させることができるので、冷却用ファンHEfの回転方向の反転によって、熱交換器HEの放熱部(フィン部など)に詰まった粉塵を除去することができる。すなわち、本実施例に係る建設機械110によれば、機械管理者の判断によって、任意のタイミングで冷却用ファンHEfの回転方向を反転させることができる。このため、建設機械110の近くに人がいた場合又は物があった場合でも、機械管理者は、その人等から建設機械を離間した後に、入力部31を用いて入力情報Imを入力し、冷却用ファンHEfの回転方向を反転させることができる。更に、本実施例に係る建設機械110によれば、表示部32を用いて、熱交換器HEの目詰まりを機械管理者に知らせることができるので、機械管理者に熱交換器HEの清掃を喚起することができる。
(実施例2)
(建設機械の構成)
本発明の実施例2に係る建設機械120の構成を、
図1を用いて説明する。なお、以後の説明において、本実施例に係る建設機械120の構成は、実施形態の建設機械100の構成と基本的に同様のため、異なる部分のみ説明する。
【0060】
図1に示すように、本実施例に係る建設機械120は、ポンプ圧検出部23を用いて油圧ポンプPoのポンプ圧Ppの変化(例えば、後述する
図6)を検出することにより、建設機械120の熱交換器HEの放熱能力を検出する。
【0061】
(建設機械の油圧回路)
本実施例に係る建設機械120に用いる冷却水経路WC及び油圧回路OCは、実施形態に係る建設機械100の冷却水経路WC等と同様のため、説明を省略する。
【0062】
(熱交換器の目詰まりを判断する動作)
本実施例に係る建設機械120が熱交換器HEの目詰まりを判断する動作を、
図3、
図4及び
図6を用いて説明する。
図6は、本実施例に係る建設機械120のポンプ圧検出部23が検出した検出結果の一例を示す説明図である。なお、以後の説明において、建設機械120の動作は、実施例1と基本的に同様のため、異なる部分のみを説明する。
【0063】
図4に示すように、ステップS401において、本実施例に係る建設機械120は、実施例1の場合と同様に、ステップS401の動作を実施する。その後、ステップS402に進む。
【0064】
次に、ステップS402において、建設機械120は、温度検出部21(検出手段20)を用いて、所定の時間の開始時の作動油の作動油温度Tos(
図6)と所定の時間の終了時の作動油の作動油温度Toe(
図6)を検出する。次いで、建設機械120は、検出した作動油温度Tos及びToeを温度上昇率算出部11(制御手段10)に出力する。また、建設機械120は、検出した作動油温度Tosを温度上昇率記憶部12(制御手段10)に出力する。その後、ステップS403に進む。ここで、所定の時間とは、建設機械120の仕様、又は、作動油の種類に対応する時間とすることができる。また、所定の時間は、建設機械120のエンジン負荷率Le又はポンプ圧Ppに対応する時間とすることができる。更に、所定の時間を、実験及び数値計算等により予め定められる時間とすることができる。
【0065】
ステップS403において、建設機械120は、建設機械120の動作状態を検出する。具体的には、建設機械120は、ポンプ圧検出部23(検出手段20)を用いて、建設機械120の油圧ポンプPoの所定の時間のポンプ圧Ppの変化(
図6)を検出する。また、建設機械120は、温度上昇率記憶部12に予め記憶された複数の温度上昇率Rgから、ステップS402で検出した所定の時間の開始時の作動油温度Tos及びポンプ圧検出部23が検出したポンプ圧Ppの所定の時間内の平均ポンプ圧Ppaに対応する一の温度上昇率Rgsを選択する。次いで、建設機械120は、選択した一の温度上昇率Rgsを目詰まり判断部13に出力する。その後、ステップS404に進む。
【0066】
ステップS404において、建設機械120は、ステップS402で検出した作動油温度Tos及びToeに基づいて、実機温度上昇率Rrを算出する。具体的には、建設機械120は、温度上昇率算出部11を用いて、実機温度上昇率Rrを算出する。例えば、実機温度上昇率Rrを数2により算出することができる。
[数2]
Rr=Toe/Tos
次いで、建設機械120は、算出した実機温度上昇率Rrを目詰まり判断部13に出力する。その後、ステップS405に進む。
【0067】
ステップS405において、建設機械120は、目詰まり判断部13によって、実施例1の場合と同様に、ステップS403で選択した一の温度上昇率RgsとステップS404で算出した実機温度上昇率Rrとを比較することにより、熱交換器HEが目詰まりしているか否かを判断する。その後、建設機械120は、熱交換器HEが目詰まりしていると判断した場合には、ステップS406に進む。また、建設機械120は、熱交換器HEが目詰まりしていないと判断した場合には、ステップS408に進む。これにより、建設機械120は、実施例1の建設機械110と同様の効果を得ることができる。
【0068】
次に、
図4に示すように、建設機械120は、実施例1と同様に、ステップS406〜ステップS408の動作を実施する。これにより、建設機械120は、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0069】
以上により、実施形態及び実施例を参照しながら本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されることなく、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更することが可能である。