(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
地図の調査地において撮影され、撮影位置と撮影方向とが対応付けられた新たな画像情報を解析し、当該新たな画像情報に含まれる文字情報を当該画像上の位置と共に抽出する抽出手段と、
撮影位置と撮影方向とが同じである過去の画像情報が存在する場合に、前記新たな画像情報から抽出された前記文字情報と当該過去の画像情報を解析することにより抽出された文字情報との内容及び画像上の位置とを比較する比較手段と、
比較の結果判明した差異部分を表示手段に表示する表示処理手段と、
前記差異部分の選択入力を受け付ける選択入力受付手段と、
選択された差異部分についての変更情報の入力を受け付ける変更情報受付手段と、
前記変更情報を変更箇所の位置情報に対応付けて、記録媒体に記録する記録手段と
を備えることを特徴とする地図調査装置。
抽出手段が、地図の調査地において撮影され、撮影位置と撮影方向とが対応付けられた新たな画像情報を解析し、当該新たな画像情報に含まれる文字情報を当該画像上の位置と共に抽出する抽出工程と、
撮影位置と撮影方向とが同じである過去の画像情報が存在する場合に、比較手段が、前記新たな画像情報から抽出された前記文字情報と当該過去の画像情報を解析することにより抽出された文字情報との内容及び画像上の位置とを比較する比較工程と、
表示処理手段が、比較の結果判明した差異部分を表示手段に表示する表示処理工程と、
選択入力受付手段を通じて、前記差異部分の選択入力を受け付ける選択入力受付工程と、
変更情報受付手段を通じて、選択された差異部分についての変更情報の入力を受け付ける変更情報受付工程と、
記録手段が、前記変更情報を変更箇所の位置情報に対応付けて、記録媒体に記録する記録工程と
を有することを特徴とする地図調査方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながら、この発明の装置、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。なお、この発明は、世界各国で実施される地図調査において同様に実施可能なものである。しかし、以下においては説明を簡単にするため、日本国内で地図調査を行う場合を例にして説明する。
【0014】
[地図調査装置1の構成例]
図1は、この実施の形態の地図調査装置1の構成例を説明するためのブロック図である。この実施の形態の地図調査装置1は、タブレット型PCあるいはパッド型情報端末などと呼ばれる携帯型情報端末として実現される。なお、「PC」との文言は、パーソナルコンピュータの略称である。まず、地図調査装置1を構成する各部について説明する。
【0015】
[地図調査装置1の基本構成部分について]
制御部100は、地図調査装置1の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103がCPUバス104を通じて接続されたコンピュータ装置である。記憶装置110は、記録媒体としてハードディスクあるいは不揮発性メモリを備え、種々のアプリケーションプログラムや種々の処理により得られたデータ等の当該記録媒体への書込み/記録保持/読み出し/削除を行う。なお、記憶装置110の記録媒体には、画像認識により文字情報を抽出する場合に用いる文字データ等の情報も記憶されている。
【0016】
送受信アンテナ111、無線通信部112は、携帯電話網やインターネットなどの広域ネットワークを通じて通信を行う機能を実現する。すなわち、無線通信部112は、インターネットに接続し、インターネットを通じてのデータの送受信を可能にし、電子メールの送受信やインターネット上に開示されたWebページの閲覧等を可能にする。時間制御部120は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を管理する。
【0017】
キー操作部121は、地図調査装置1に設けられたハードウェアキーからなり、ユーザーからの操作入力を受け付ける。表示処理部122と表示部123とは、種々の映像(画像)や表示メッセージなどの表示情報を表示するためのものである。タッチパネル124は、表示部123の表示画面に貼付され、ユーザーの指等の指示体による接触位置(接触座標)を検出し、これを制御部100に通知する。したがって、タッチパネル124は、制御部100によって表示位置が制御される表示部123の表示画面に表示される表示情報と共に入力インターフェースを構成する。音声出力部125とスピーカ126とは、種々の音声情報を出力するためのものである。
【0018】
カメラ部127は、撮像レンズ、撮像素子、カメラ信号処理回路などを備え、被写体の映像を撮影し、これをデジタル信号の映像(画像)データとして取り込む機能を有する。なお、撮影時においては、カメラ部127を通じて取り込まれた映像データは、制御部100を通じて表示処理部122に供給にされる。表示処理部122は、これに供給された映像データから表示部123に供給する映像信号を形成し、これを表示部123に供給する。これにより、カメラ部127が捉えている映像が表示部123に表示され、ユーザーは表示部123の表示画像を確認しながら撮影が行える。なお、カメラ部127を通じては、静止画像と動画像のいずれをも撮影可能である。しかし、この実施の形態においては、説明を簡単にするため、例えば地図の調査地においては、静止画像を撮影する場合を例にして説明する。
【0019】
マイクロホン128および音声入力部129は、例えば、カメラ部127を通じた動画像の撮影時などにおいて、音声を収音し、これをデジタル信号として取り込む機能を有する。そして、キー操作部121やタッチパネル124を通じて、映像の記録指示(録画指示)が入力された場合には、カメラ部127を通じて取り込まれた映像データと、マイクロホン128および音声入力部129を通じて取り込まれた音声データとは、例えば、記憶装置110の記録媒体に記録(録画、録音)できる。
【0020】
地図データベース(以下、地
図DBと記載する。)131は、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリなどの大容量記録媒体に作成され、少なくとも調査対象地域の前回調査時の地図情報(前回調査を反映させた直近の地図情報)を記憶保持する。当該地図情報は、1軒1軒の住宅やビルディングをはじめ、種々の建物、ランドマーク、施設、行政区域、道路等の位置や大きさなどを正確に表すことができるものである。そして、地
図DB131は、地図を描画するための例えばベクトルデータやラスタデータ等の地図データ(地図用の描画データ)を緯度・経度情報に対応付けて記憶保持している。また、地
図DB131は、地図上に表示する注記データについても、緯度・経度情報に対応付けて記憶保持している。当該注記データは後述する拡張現実(Augmented Reality)技術を用いて表示映像中にガイド表示を行う場合の情報としても利用できる。
【0021】
過去画像データベース(以下、過去画像DBと記載する。)132は、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリなどの大容量記録媒体に作成され、地図の調査地において、カメラ部127を通じて撮像することにより得られた静止画像の画像データ(画像情報)を記憶保持する。
図2は、過去画像DB132に例えばファイル形式で格納される格納データ(画像データファイル)の例を説明するための図である。
図2に示すように、過去画像DB132に格納される格納データは、ファイル名、撮影日時、撮影位置、撮影方向、その他の撮影情報、画像データ、表示位置、認識した文字情報を有する。
【0022】
図2において、ファイル名は、当該格納データの形成時に地図調査装置1において自動的生成されて付与されるものである。撮影日時は、撮影時に取得され、撮影した日時を特定する情報である。撮影位置は、撮影時に取得され、撮影した位置(場所)を特定する情報である。撮影方向は、撮影時に取得され、撮影した方向を特定する情報である。なお、撮影日時は時間制御部120から取得され、撮影位置は後述するGPS部142等から取得可能であり、また、撮影方向は後述するセンサ部141の方位センサから取得可能な情報である。その他の撮影情報は、撮影時に取得可能な種々の撮影情報であり、例えば、Exif(Exchangeable Image File Format)に準拠した種々のメタデータである。また、画像データは、撮影することにより得られた被写体画像を形成するデジタルデータであり、カメラ部127を通じて取り込まれる情報である。
【0023】
そして、
図2において、表示位置および認識した文字情報は、詳しくは後述するが、撮影することにより得られた画像データを解析(画像認識処理)することにより得られる情報である。このうち、認識した文字情報は、当該画像データによって形成される画像に含まれる文字情報であり、表示位置は、当該認識した文字情報の当該画像上における位置を示す情報である。これらの情報により、当該ファイル名により特定される画像データは、何時(撮影日時)、何処で(撮影位置)、どの方向を向いて(撮影方向)撮影したものであるかが明確に特定できる。さらに、当該画像データが形成する画像には、どのような文字情報(認識した文字情報)が存在し、当該文字情報は当該画像上のどの位置(X(横)方向とY(縦)方向で特定される位置)に存在している(表示されている)かが明確に特定できる。
【0024】
変更情報ファイル133は、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリなどの大容量記録媒体に作成され、前回の地図調査時と今回の地図調査時とで、異なっている部分についての変更情報を記憶保持する。
図3は、変更情報ファイル133に格納される格納データの例を説明するための図である。
図3に示すように、変更情報ファイル133に格納される格納データは、管理No.、調査日付、調査員コード、住所コード、更新区分、位置情報、建物名、階数、変更内容からなる。
【0025】
図3において、管理No.は、当該変更データの形成時に地図調査装置1において自動的に付与されるものである。調査日付は、当該地図調査時に時間制御部120から取得する現在日時であり、調査が行われた日時を特定する情報である。調査員コードは、例えば、地図調査装置1に予め調査員によって設定されている情報であり、当該調査員を特定する情報である。住所コードは、地図調査地の住所を特定する数字情報であり、後述する位置情報に基づいて、地
図DB131から取得可能な情報である。更新区分は、新規、変更、削除のいずれかを示す情報であり、基本的に調査時において調査員によって入力される。ここで、「新規」は、前回調査時の地図には無い建物等ができていた場合に用いる。「変更」は、前回調査時の地図において建物は変わらないが入居者が変わった場合などに用いる。また、「削除」は、前回調査時の地図において存在していた建物等が取り壊され、更地にされた場合などに用いる。
【0026】
また、位置情報は、地図上における変更位置を示す経度、緯度情報である。また、建物名は、変更箇所が例えばビルディングなどの中高層の建物である場合には、当該建物に付されている「○○ビル」などの名称である。また、階数は、変更箇所が例えばビルディングなどの中高層の建物である場合の当該変更箇所が何階かを示す情報である。そして、変更内容が、具体的な変更内容を示す情報であり、新たな入居者の名称など、変更後の情報が入力される。
【0027】
なお、位置情報は、変更情報の入力時において後述するGPS部142を通じて取得する現在位置(緯度・経度)や地図上で位置を指示することにより特定される緯度・経度である。また、建物名、階数、変更内容は、変更情報として入力される情報である。そして、管理No.により特定される当該変更情報は、何時(調査日付)、誰(調査員コード)によって調査されたものかが特定できる。さらに、変更が生じた場所の住所(住所コード)、更新区分(新規、変更、削除)、更新が生じた地図上の正確な位置(位置情報)、当該変更箇所がビルなどである場合には、その建物名と階数が特定できると共に、具体的な変更内容が特定できる。
【0028】
センサ部141は、加速度センサと方位センサとを備える。加速度センサは、例えば、表示部123の上下方向を決定するために地図調査装置1の傾きを検出する。また、方位センサは、地磁気を検出することにより、地図調査装置1がどちらの方向を向いているかを検出する。この方位センサにより、カメラ部127を用いて撮影を行う場合には、どちらの方向を撮影しているのかを検出することができる。GPS部142およびGPSアンテナ143は、自機の現在位置を測位するためのものである。
【0029】
これらの構成を有する地図調査装置1は、調査対象地域の地図を表示部123に表示して、当該表示された地図を確認しながら調査員が地図調査を行う。地図情報に変更が生じている箇所を見つけた場合には、表示部123に表示された地図上において、その変更箇所を、タッチパネル124を通じて指示することで、当該変更箇所を特定する。そして、その変更箇所についての変更情報を入力して、これを電子データとして変更情報ファイル133に記憶保持できる。
【0030】
なお、変更情報の入力は、カメラ部127を通じて撮影した画像を画像認識することにより入力したり、マイクロホン128および音声入力部129を通じて受け付けられる音声情報を音声認識することにより入力したりすることができる。もちろん、表示部123に表示される表示情報とタッチパネル124により構成されるいわゆるソフトウェアキーボードを通じて文字入力を行うことにより変更情報を入力することもできる。
【0031】
また、地図調査装置1は、自機が備える無線通信機能により、電子メールの作成や参照を行ったり、インターネットにアクセスして電子メールの送受信を行ったり、Webページを閲覧したりすることもできる。これにより、調査状況等を会社に電子メールにより報告したり、調査地の前回の調査を反映させた地図情報の提供を、インターネットを通じて受けたりするなどのことができる。もちろん、調査地の直近の地図情報は、会社のコンピュータから図示しないデジタルインターフェースを通じて提供を受けて、地
図DB131に格納することもできる。
【0032】
[地図調査時の調査員の支援機能]
そして、この実施の形態の地図調査装置1は、画像認識技術や拡張現実技術を用いて、地図調査を行う調査員を支援する機能を実現している。この調査員を支援する機能を実現する部分として、文字情報抽出部151、比較処理部152、報知処理部153、拡張現実処理部154を備える。
【0033】
文字情報抽出部151は、調査地において、カメラ部127を通じて撮影することにより得られた画像データについて画像認識技術を用いた解析を行い、当該画像データが形成する画像に含まれる文字情報とその文字情報の画像上における位置(表示位置)とを抽出する。画像に含まれる文字情報は、主に看板、標識、表札等に記載されている情報である。そして、文字情報抽出部151は、今回の撮影と同じ撮影位置、同じ撮影方向で過去に撮影した画像データが過去画像DB132に存在するか否かを確認する。
【0034】
この確認の結果、今回の撮影と同じ撮影位置、同じ撮影方向で過去に撮影した画像データが過去画像DB132に存在しなかったとする。この場合、文字情報抽出部151は、今回撮影することにより得られた画像データを含む
図2に示した態様の格納データ(画像データファイル)を形成し、これを過去画像DB132に記録する処理を行う。また、確認の結果、今回の撮影と同じ撮影位置、同じ撮影方向で過去に撮影した画像データが過去画像DB132に存在していたとする。この場合、文字情報抽出部151は、制御部100を通じて比較処理部152に過去の画像データが形成する画像に含まれる文字情報と今回撮影することにより得られた画像データ(現在の画像データ)が形成する画像に含まれる文字情報との比較処理を依頼する。
【0035】
比較処理部152は、同じ撮影位置、同じ撮影方向で撮影した過去の画像データから抽出された文字情報と直近に撮影して得た現在の画像データから抽出した文字データとの内容及び画像上の位置を比較して、差異部分を特定する。そして、詳しくは後述もするが、比較処理部152は、同じ撮影位置、同じ撮影方向で撮影した過去の画像データに応じた画像と直近に撮影した現在の画像データに応じた画像とを表示部123に表示する。
【0036】
この場合に、比較処理部152は、当該過去の画像データに応じた画像と直近に撮影した当該現在の画像データに応じた画像とで、文字情報に違いのある部分(差異部分)を、例えば現在の画像データに応じた画像中に示して調査員が認識できるようにする。これにより、例えば、前回調査時の過去の画像と今回調査時の現在の画像とで、看板、標識、表札等の内容や位置が変わっている部分を特定し、その部分については地図情報が変化している可能性が高いので、漏らさず調査することを調査員に報知することができる。
【0037】
報知処理部153は、前回の調査時において、カメラ部127を通じて撮影することにより得られた画像データを解析することにより把握できた情報に基づいて、調査場所や調査時期などを調査員に報知する処理を行う。例えば、前回の調査時に空き地に立てられていた建築計画のお知らせ看板の画像データを、カメラ部127を通じて撮影することにより得て、過去画像DB132に格納しておいたとする。この場合、当該建築計画のお知らせ看板の画像データを解析することにより得られる文字情報である、「建築敷地の地名地番」に基づいて、必ず調査すべき調査場所(地番地名等)を報知したり、「完了予定」に基づいて、調査時期を報知したりする。
【0038】
なお、建築計画のお知らせ看板に限るものではない。例えば、マンションやアパートなどの入居者募集の看板や店舗等の開店予定を通知する看板など、地図情報に変化が生じることを通知する看板等を撮影し、画像認識により文字情報を抽出して保存しておく。そして、当該文字情報に応じて、場所、入居時期や開店時期などを特定し、調査場所や調査時期を調査員に対して報知することができる。
【0039】
拡張現実処理部154は、上述もしたように、カメラ部127がとらえている画像を、制御部100および表示処理部122を通じて表示部123に表示している場合に、表示画像に対して、地
図DB131の注記データを付加して表示する処理を行う。この場合、撮影位置は、GPS部142を通じて特定でき、また、撮影方向はセンサ部141の方位センサにより特定できる。これら撮影位置および撮影方向と、カメラ部127の撮影情報等(カメラ部127を通じて画像をとらえるようにした時に得られる付随情報)を考慮することにより、カメラ部127がとらえている画像範囲を特定することができる。
【0040】
なお、カメラ部127の撮影情報等は、具体的には、上述もしたExifにしたがって記録される種々の情報である。すなわち、カメラ機能を有するExifに準拠した装置では、例えば、画像の幅、画像の高さ、画像のビットの深さ、圧縮の種類等、種々の情報が取得可能であり、これらの情報をも考慮することにより、カメラ部127がとらえている画像範囲を正確に特定できる。なお、Exif規格の詳細は、例えば、CIPA(Camera & Imaging Products Association:カメラ映像機器工業会)のWebページである、
「http://www.cipa.jp/hyoujunka/kikaku/cipa-kikaku_list.html」等において閲覧可能である。
【0041】
そして、拡張現実処理部154は、特定した画像範囲に存在する建物等についての注記データを地
図DB131から取得すると共に、それらの表示部123の表示画面上の表示位置を特定する。そして、当該注記データと表示画面上の表示位置とを表示処理部122に供給し、カメラ部127が捉え、表示部123に表示されている画像に対して、ビル名等の注記データを重畳して表示できるようにする。これにより、調査員は、地図情報を一々確認しなくても、カメラ部127がとらえ、表示部123に表示されている画像上において、ビル名、施設名、交差点名等の情報を得ることができ、地図調査を的確に行うことができる。
【0042】
このように、この実施の形態の地図調査装置1は、前回の調査時に撮影した画像と、今回の調査時に撮影した画像において、文字情報の内容や位置(画像上の位置)が異なっている部分を特定して調査員に示すことができる。これにより、地図情報が変化している可能性の高い場所を調査員に明確に示すことができ、調査員を支援することができる。また、拡張現実技術を用いて、カメラ部127からの画像に注記データ等を表示することができる。これにより、地図調査装置1の表示部123に表示された地図情報だけでなく、カメラ部127を通じてとらえている画像を通じても、調査場所を明確に特定できるなど、調査員を支援することができる。
【0043】
[地図調査装置1での地図調査処理について]
次に、
図1に示した構成を有するこの実施の形態の地図調査装置1で行われる地図調査支援処理について説明する。
図4、
図5は、当該地図調査支援処理について説明するためのフローチャートである。また、
図6〜
図10は、当該地図調査支援処理において、地図調査装置1の表示部123に表示される表示画像等の表示例を示す図である。
図4、
図5のフローチャートに示す処理は、地図の調査地において地図調査装置1に電源が投入されると制御部100において実行される。
【0044】
図4、
図5に示す処理が実行されると、制御部100は、まず、GPS部142を制御し、自機の現在位置の測位を開始させる(ステップS101)。そして、制御部100は、ステップS101において測位を開始させたGPS部142からの現在位置に基づいて、当該現在位置を含む地域の地図と、当該地域において過去に画像の撮影を行っている場合には、過去に画像の撮影を行っていることを示す情報とを表示する処理を行う(ステップS102)。
【0045】
ステップS102において制御部100は、まず、GPS部142からの現在位置を含む地域の地図情報を地
図DB131から読み出して、これを表示処理部122を通じて表示部123に表示する。さらに、制御部100は、当該地域において過去に撮影した画像がある場合には、過去画像DB132の格納データ(画像データファイル)を利用して、当該画像の縮小画像を表示した地図上に表示する。また、現在位置を示すマークも地図上に表示する。
【0046】
このステップS102の処理により、表示部123の表示画面123Gには、例えば、
図6に示すように、現在位置を含む地域の地図が表示される。なお、現在位置は、黒四角印で示されている。また、
図6に示すように、過去に画像の撮影を行った場所については、当該過去の画像の縮小画像が表示される。
図6に示した例の場合には、「○○ビル」と「△○△不動産」について、内部に設置されている各階案内板の過去に撮影した画像が存在していることが表示されている。
【0047】
なお、過去の画像を縮小して表示する場合でも、近隣において撮影した画像が重なり合ってそのそれぞれが認識できなくなる場合もあると考えられる。このこのため、過去画像DB132の格納データの撮影位置、撮影方向を参照し、当該地域において過去に撮影した画像がある場合には、まず簡単な記号によって、過去に撮影した画像の撮影位置と撮影方向とを表示する。
図6に示した例の場合には、当該地図上において黒丸印と矢印とによって、当該地域において過去に画像の撮影を行った場所(撮影位置)と方向(撮影方向)とを示している。そして、地図上に示した黒丸印と矢印とが表示されている位置のタッチパネル124上に指等を接触させて指示した場合に、その場所で過去に撮影した画像の縮小画像を、過去画像DB132の格納データに基づいて形成し、これを表示する態様とすることもできる。
【0048】
この後、制御部100は、タッチパネル124やキー操作部121を通じてユーザーからの操作入力を受け付け(ステップS103)、受け付けた操作入力は、カメラ部127の起動を指示するものか否かを判別する(ステップS104)。ステップS104の判別処理において、カメラ部127の起動を指示するものではないと判別したときには、制御部100は、受け付けた操作入力は、地図調査支援処理の終了指示か否かを判別する(ステップS105)。ステップS105の判別処理において、終了指示を受け付けたと判別したときには、制御部100は、GPS部142の動作を終了させ、電源を落とすなどの所定の終了処理を行って(ステップS106)、この
図4、
図5に示す処理を終了する。
【0049】
また、ステップS105の判別処理において、終了指示を受け付けていないと判別したときには、制御部100は、受け付けた操作入力に応じた処理を行い(ステップS107)、この後、ステップS102からの処理を繰り返す。なお、ステップS107においては、例えば、変更が生じた場所の指示入力を受け付けたり、変更情報の入力を受け付けたりするなど、通常の変更情報の入力処理などが行われる。
【0050】
そして、ステップS104の判別処理において、ステップS103で受け付けた操作入力はカメラ部127の起動を指示するものであると判別したとする。この場合、制御部100は、カメラ部127を起動させ、カメラ部127からの映像を表示部123に表示すると共に、拡張現実処理部154を制御して、表示部123に表示された映像にガイド表示を重畳表示する処理を行う(ステップS108)。ステップS108において制御部100は、カメラ部127を起動させ、カメラ部127からの映像データを、制御部100を通じて表示処理部122に供給する。これにより、カメラ部127がとらえている映像を表示部123に表示させることができる。
【0051】
さらに、ステップS108においては、拡張現実処理部154が機能し、GPS部142からの現在位置と、センサ部141の方位センサからの撮影方向と、カメラ部127の撮影情報等に基づいて、カメラ部127がとらえている画像範囲を特定する。そして、拡張現実処理部154は、特定した画像範囲に存在する建物等についての注記データを地
図DB131から取得し、それらの表示画面上の表示位置を特定する。そして、拡張現実処理部154は、当該注記データと表示画面上の表示位置とを制御部100を通じて表示処理部122に供給する。
【0052】
これにより、例えば、
図7に示すように、カメラ部127がとらえ、表示部123の表示画面123Gに表示されている映像に対して、ビル名等の注記データが重畳して表示される。すなわち、地図調査装置1を持った調査員は、
図6において黒四角印Pが示す位置におり、この位置から点線矢印で示す方向を、カメラ部127を通じてとらえているとする。この場合には、
図7に示すように、表示部123の表示画面123Gには、カメラ部127がとらえている映像が表示される。そして、拡張現実技術が利用され、左側手前の建物は「△○△不動産」、左側奥の建物は「XXXビル」、右側手前の建物は「○○ビル」、右側奥の建物は「□□ビル」というように、注釈データ等が重畳表示される。これにより、調査員は、地図を確認するまでもなく調査地における近隣の建物の名称等を、カメラ部127を通じてとらえている映像において正確に把握できる。
【0053】
この後、制御部100は、タッチパネル124やキー操作部121を通じてユーザーからの操作入力を受け付け(ステップS109)、受け付けた操作入力は、撮影を行うことを指示する操作(シャッター操作)か否かを判別する(ステップS110)。ステップS110の判別処理において、撮影を行うことを指示する操作ではないと判別したときには、制御部100は、受け付けた操作入力は、地図調査支援処理の終了指示か否かを判別する(ステップS111)。
【0054】
ステップS111の判別処理において、終了指示を受け付けたと判別したときには、制御部100は、GPS部142の動作を終了させ、電源を落とすようにするなどの所定の終了処理を行うことにより(ステップS112)、この
図4、
図5に示す処理を終了する。また、ステップS111の判別処理において、終了指示を受け付けていないと判別したときには、有効な操作入力は受け付けていないので、制御部100はステップS108からの処理を繰り返す。
【0055】
また、ステップS110の判別処理において、受け付けた操作入力は、撮影を行うことを指示する操作であると判別したときには、制御部100は、撮影処理を実行する(ステップS113)。ステップS113において制御部100は、カメラ部127を通じてとらえている画像の画像データを取り込み、これを例えば記憶装置110の記録媒体に記録する。そして、制御部100は、撮影日時、撮影位置、撮影方向を取得する(ステップS114)。ステップS114において、制御部100は、時間制御部120が提供する現在日時を撮影日時として取得し、GPS部142からの現在位置を撮影位置として取得し、また、センサ部141の方位センサからの検出出力を撮影方向として取得する。
【0056】
なお、ビルの中に設置されている各階案内板などを撮影する場合には、GPS衛星からの電波を受信することができないために、GPS部142を通じては現在位置を取得できない場合もある。このような場合には、制御部100は、直近にGPS部142から取得した現在位置に基づいて、地
図DB131から読み出した地図を表示部123に表示する。そして、制御部100は、当該表示した地図上において、タッチパネル124を通じて、ユーザーからの撮影位置の指示入力を受け付ける。この場合、制御部100は、撮影位置を入力することを促すメッセージを、表示処理部122を通じて表示部123に表示したり、音声出力部125を通じてスピーカ126から放音したりすることができる。また、何らかの原因により、センサ部141の方位センサによっては撮影方向が特定できなかった場合には、当該地図上においてタッチパネル124を通じて撮影方向の入力を受け付けることもできる。
【0057】
ステップS114の処理の後においては、制御部100は、
図5のステップS115の処理に進む。制御部100は、文字情報抽出部151を制御して、ステップS113の撮影処理により取得した画像データを解析し、当該画像データにより形成される画像に含まれる文字情報と当該文字情報の当該画像上の位置を抽出する(ステップS115)。ステップS113からステップS115の処理により、過去画像DB132の格納データである
図2に示した態様の画像データファイルが形成される。
【0058】
この後、制御部100は、ステップS114において取得した撮影位置および撮影方向に基づいて、過去画像DB132を参照し、撮影位置と撮影方向が同じである過去の画像データがあるか否かを判別する(ステップS116)。ステップS116の判別処理において、撮影位置と撮影方向が同じである過去の画像データは存在しないと判別したとする。この場合、制御部100は、上述したステップS113からステップS115の処理により取得した情報に基づいて、
図2に示した態様の画像データファイルを作成し、これを過去画像DB132に記録する処理を行う(ステップS117)。この後、制御部100は、
図4に示したステップS102からの処理を繰り返す。
【0059】
また、ステップS116の判別処理において、撮影位置と撮影方向が同じである過去の画像データが存在すると判別したとする。この場合、制御部100は、比較処理部152を制御して、撮影位置と撮影方向が同じである今回撮影した画像に含まれる文字情報と過去に撮影した画像に含まれる文字情報との内容と画像上の位置とを比較する処理を行う(ステップS118)。そして、比較処理部152は、制御部100の制御の下、ステップS118の比較処理の結果を、表示処理部122を通じて表示部123に表示する(ステップS119)。
【0060】
例えば、屋外で撮影することにより取得した前回(過去)と今回(現在)の画像データがあるとする。この場合、比較処理部152は、
図8に示すように、過去の画像データに応じた画像を表示画面123Gの上半分に表示し、今回撮影した画像データに応じた画像を表示画面123Gの下半分に表示する画像データを形成して、これを表示処理部122に供給する。これにより、
図8に示すような態様で、過去の画像データに応じた画像と今回の画像データに応じた画像とが表示画面123Gに表示される。また、比較処理部152は、
図8に示すように、表示画面123Gの下半分に表示する画像には、文字情報の内容や画像上の位置が前回の画像と異なる部分にマークS1、S2、S3を表示する。したがって、
図8に示した例の場合には、「XYZビル」の3階には「カラオケXX」ができ(入居し)、「株式会社△△」だったビルは、「○○銀行」に変わったことが一目瞭然となる。
【0061】
また、ビル内に設置された各階案内板を撮影することにより取得した前回(過去)と今回(現在)の画像データがあるとする。この場合にも、比較処理部152は、
図8を用いて説明した場合と同様の処理を行う。すなわち、比較処理部152は、
図9に示すように、表示画面123Gを上下に2分割し、上半分には前回の撮影画像を、また、下半分には今回の撮影画像を表示する。また、比較処理部152は、表示画面の下側半分に表示した今回の撮影画像上において、文字情報の内容や画像上の位置が前回の画像と異なる部分にマークS4、S5を付加する。したがって、
図9に示した例の場合には、4階が「□□(株)東京支店」から「(株)ABC産業」に変わり、1階が「株式会社○○」から「コーヒーショップ△□」に変わったことが一目瞭然となる。
【0062】
この後、制御部100は、タッチパネル124やキー操作部121を通じてユーザーからの操作入力を受け付け(ステップS120)、受け付けた操作入力は、タッチパネル124を通じて行われた変更箇所の位置指示か否かを判別する(ステップS121)。例えば、
図8に示した差異表示がされている場合、差異部分を示すマークS1、S2、S3で囲まれた部分を指示する操作などが位置指示の操作入力になる。また、
図9に示した差異表示がされている場合、差異部分を示すマークS4、S5で囲まれた部分を指示する操作などが位置指示の操作入力になる。もちろん、差異部分以外の部分を変更箇所とする場合には、当該目的とする部分を指示する操作であってもよい。
【0063】
そして、ステップS121の判別処理において、受け付けた操作入力は、タッチパネル124を通じて行われた変更箇所の位置指示であると判別したときには、制御部100は、変更内容の入力を受け付ける入力手段の選択入力を受け付ける(ステップS122)。この実施の形態の地図調査装置1においては、上述もしたが3つの入力手段を備えている。1つは、カメラ部127を通じて撮影した画像を画像認識することにより変更内容を抽出して入力する画像認識入力である。他の1つは、マイクロホン128および音声入力部129を通じて受け付けられる音声情報を音声認識することにより変更内容を入力する音声認識入力である。最後の1つは、表示部123に表示される表示情報とタッチパネル124により構成されるいわゆるソフトウェアキーボードを通じて変更内容を入力するタイプ入力(文字入力)である。
【0064】
調査員は、調査地の状況に応じて変更内容の入力手段を選択する。例えば、一番簡単かつ正確に変更内容を入力することができるのは画像認識入力であるので、通常は画像認識入力を選択する。しかし、看板、標識、表札等がなかったり、看板、標識、表札等に記載されている文字が小さすぎたり、特殊な書体であるために認識し難いといった状況の時には、音声入力を選択する。しかし、周囲の騒音が激しく音声入力ができないときには、タイプ入力を選択する。このように、調査員は調査地の状況に応じて、最も適した入力手段を選択する。
【0065】
そして、制御部100は、ステップS122で選択された入力手段を通じて、変更内容の入力を受け付ける(ステップS123)。このステップS123では、選択された入力手段に応じた変更内容の入力画面を表示し、変更内容の入力を受け付ける。具体的には、前回とは異なっている看板や表札を、カメラ部127を通じて撮影したり、当該看板や表札の記載内容をマイクロホン128及び音声入力部129を通じて音声により入力したり、当該看板や表札の記載内容を、タッチパネル124を通じてタイプ入力したりすることになる。
【0066】
この後、制御部100は、例えば、
図10に示すように、入力された変更内容等を地図調査装置1の表示部123に表示し、修正入力を受け付ける(ステップS124)。
図10に示した例の場合には、表示画面123Gの上側に変更情報が表示され、下側にソフトウェアキーボードが表示されている。そして、必要に応じて、タッチパネル124を通じて変更すべき情報を選択し、当該情報についてソフトウェアキーボードを通じて情報の修正入力を行う。
【0067】
この後、制御部100は、
図10に示した変更情報の表示画面において、「OK」ボタンBT2が操作されたか否かを判別する(ステップS125)。ステップS125の判別処理において、「OK」ボタンBT2が操作されたと判別したしたときには、制御部100は、管理No.から変更内容までを含む変更情報を変更情報ファイル133に登録し(ステップS126)、ステップS120からの処理を繰り返す。ステップS125の判別処理において、「OK」ボタンBT2は操作されていないと判別したしたときには、制御部100は、
図10に示した変更情報の表示画面において、「消去」ボタンBT1が操作されたか否かを判別する(ステップS127)。
【0068】
ステップSステップS127の判別処理において、「消去」ボタンBT1が操作されたと判別したしたときには、制御部100は、表示した変更情報を消去して、入力された変更内容を破棄し(ステップS128)、この後、ステップS120からの処理を繰り返す。また、ステップS127の判別処理において、「消去」ボタンBT1は操作されていないと判別したしたときには、制御部100は、ステップS124からの処理を繰り返し、変更情報についての修正を受け付ける。
【0069】
また、上述したステップS121の判別処理において、ステップS120において受け付けた操作入力が変更箇所の位置指示ではないと判別したときには、制御部100は、「変更なし」を指示する所定の操作が行われたか否かを判別する(ステップS129)。ステップS129の判別処理において、「変更なし」を指示する所定の操作が行われたと判別したとする。この場合、制御部100は、ステップS113〜ステップS115の処理により取得した情報から
図2に示した形式の画像データファイルを形成し、これを過去画像DB132に更新する処理を行う(ステップS130)。このステップS130においては、撮影位置、撮影方向が同じ過去の画像データファイルに替えて、今回形成した画像データファイルを登録することになる。また、ステップS129の判別処理において、「変更なし」を指示する所定の操作は行われていないと判別したときには、制御部100は、ステップS120からの処理を繰り返す。
【0070】
このようにして、地図の当該調査地において、過去に撮影した画像と今回撮影した画像において、それらの画像に含まれる文字情報の内容や表示位置を比較し、地図情報に変更が生じた場所を特定して、その場所を調査することができる。
【0071】
なお、過去の画像が建築計画のお知らせ看板の画像であり、今回の画像が例えば完成した建築物の画像であったとする。この場合には、文字情報の内容や表示位置を比較しても意味が無い。そこで、
図5に示したステップS119では、例えば、
図11に示すように、表示画面123Gの上半分には建築計画のお知らせ看板の画像を表示し、表示画面123Gの下半分には現在の画像(新たに建築された建築物の画像)を表示する。そして、表示画面123Gの下半分に表示される現在の画像に対しては、新たな建築物が完成し、調査が必要であることのコメント表示を行う。この場合には、
図8、
図9に示した差異表示とは異なるが、現在の画像中に存在する建築物については、調査が必要であることが一目瞭然となる。なお、
図11の上段には説明を簡単にするため、詳細情報の記載の無い建築計画のお知らせ看板のサンプル画像を示している。
【0072】
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態の地図調査装置1を用いることによって、地図情報に変化が生じた箇所を明確に示すことができる。これにより、調査員の見落としなどを生じさせることがない。すなわち、調査員が行う地図調査を強力に支援することができる。また、地図情報に変更が生じていた箇所についての変更情報は、電子データとして地図調査装置1に入力して蓄積することができる。従って、地図調査装置1に蓄積された電子データの変更情報に基づいて、地図情報を最新の状態に更新することができるので、地図の更新作業の負荷も軽減することができる。
【0073】
[変形例等]
なお、上述した実施の形態においては、過去の撮影画像の文字情報と現在の撮影画像の文字情報とで内容や表示位置が異なる場合に、これを通知した。しかし、これに限るものではない。例えば、
図11に示した建築計画のお知らせ看板を撮影し、その画像データを記憶保持している場合には、画像認識を行うことにより、少なくとも完成予定日と建築敷地の地名地番とを認識しておく。そして、当該完成予定日を経過した時点で、完成予定日と建築敷地の地名地番とを表示部123に表示して、再調査を促すこともできる。
【0074】
この場合には、過去の画像と現在の画像とも文字情報の比較ではなく、過去の画像に含まれる文字情報に基づく、調査タイミングや調査場所の通知である。当該機能は、制御部100の制御の下、報知処理部153と時間制御部120とが協働することにより実現できる。また、このような、調査タイミングや調査場所の通知は、建築計画のお知らせ看板の画像だけで可能となるものではない。例えば、種々の店舗の開店予定日の広告や看板、マンション等の広告看板などを撮影し、撮影した画像に含まれる文字情報を認識して、開店予定日や販売開始日になったら、当該画像と撮影場所を示す情報を表示して、再調査を行うことを促すなどのことが可能である。すなわち、撮影した画像情報を解析することにより得られる文字情報に基づいて、再調査が必要なタイミングや再調査が必要な場所を特定して調査員に通知することができる。
【0075】
また、上述した実施の形態では、日本国内において地図調査を行う場合を例にして説明したが、世界各国において同様にして実現することができる。日本以外の国で実現する場合には、認識する文字情報の種類(言語)が異なるだけである。
【0076】
また、調査結果は、調査終了後において、会社等のコンピュータ装置にデジタルインターフェースを通じて転送することもできるし、定義のタイミングでインターネットを通じて、地図情報の更新処理を行うコンピュータなどに送信することもできる。
【0077】
また、カメラ部は地図調査装置1に搭載されていなくてもよい。すなわち、カメラ部は、地図調査装置1に対してデジタルインターフェースなどにより接続可能な、いわゆる外付けのカメラモジュールであってもよい。
【0078】
また、日本国内については、日本列島の上空に長時間とどまる準天頂軌道(quasi-zenith orbit)人工衛星である「みちびき」からの信号を活用することによって、GPSを用いた現在位置の測位もより正確に行うことが可能である。すなわち、地図調査の支援を信頼性高く行うことができる。
【0079】
[その他]
上述した実施の形態の記載からも分かるように、地図調査装置の抽出手段としての機能は、地図調査装置1の文字情報抽出部151が実現し、地図調査装置の比較手段としての機能は、地図調査装置1の比較処理部152が実現している。また、地図調査装置の表示手段としての機能は地図調査装置1の表示部123が実現し、また、地図調査装置の表示処理手段としての機能は、地図調査装置1の表示処理部122が実現している。また、地図調査装置の選択入力受付手段としての機能は、地図調査装置1のタッチパネル124やキー操作部121が実現し、地図調査装置の変更情報受付手段としての機能は、カメラ部127、マイクロホン128及び音声入力部129、タッチパネル124あるいはキー操作部121が実現している。また、地図調査装置の変更情報の記録媒体としての機能は、変更情報ファイル133が実現し、地図調査装置の変更情報の記録手段としての機能は制御部100が実現している。
【0080】
また、地図調査装置の画像情報の記録媒体としての機能は、過去画像DB132が実現し、地図調査装置の画像情報の記録手段としての機能は制御部100が実現している。地図調査装置の報知処理手段としての機能は、地図調査装置1の報知処理部153が実現している。また、地図調査装置の撮像手段、測位手段、方位センサ、地図情報記憶手段、拡張現実処理手段としての各機能は、地図調査装置1のカメラ部127、GPS部142、センサ部141の方位センサ、地
図DB131、拡張現実処理部154が実現している。また、地図調査装置の画像認識入力手段と、音声認識入力手段と、タイプ入力手段としての機能は、地図調査装置1のカメラ部127、マイクロホン128及び音声入力部129、タッチパネル124及び制御部100が実現している。
【0081】
また、
図4、
図5のフローチャートに示した処理は、この発明の地図調査装置で用いられる地図調査方法に対応するものである。また、
図4、
図5のフローチャートに応じた処理を実行するプログラムが、この発明の地図調査装置で実行される地図調査プログラムである。したがって、
図4、
図5に示した処理を実行するプログラムを形成し、これをタブレットPCに搭載して、当該タブレットPCにおいて実行可能にしておくことにより、この発明の地図調査装置を容易に実現することができる。