【実施例】
【0077】
バナナの各クラスターはシュガースポットについて日々評価された。クラスターは以下のスケールを用いて評価された:
0=スポットなし;
1=わずかなスポット;
2=中程度のスポット;
3=重度のスポット。
0〜1の評価のクラスターは消費者に市販するのに望ましい。2〜3の評価のクラスターは消費者が許容できないものである。以下の結果において、所定の処理群における全てのクラスターの平均評価が報告される。
【0078】
バナナはクラウンカビの発生について検査されうる。クラウンカビは観察され、以下の数値評価を与える:
0(明らかに健康で病気のない果実);
1(肉眼で菌糸が容易に検出できないが、明らかにわずかな病気がクラウン上で目に見える);
2(クラウン上でのいくつかの目に見える菌糸の存在、およびクラウン上での中程度の病気ダメージ);
3(クラウン上での重度の病気ダメージを伴う、クラウン上での明らかに目に見える菌糸)。
【0079】
バナナはクラウン腐敗について検査されうる。病気ダメージが明らかであるが真菌が目に見えない場合には、ダメージの程度を以下のように評価してクラウン腐敗が報告される:
0(明らかに健康で病気のない果実);
1(クラウン上に明らかにわずかな病気が目に見える);
2(クラウン上に中程度の病気ダメージ);
3(クラウン上に重度の病気ダメージ)。
【0080】
バナナの皮の色は7段階評価スケールに従って評価される:
段階1(暗緑色);
段階2(全てが明緑色);
段階3(半分緑色で半分黄色);
段階4(緑色よりも黄色);
段階5(先端および首が緑色);
段階6(全て黄色;もしかしたら首が明緑色、先端は緑色ではない);
段階7(黄色で茶色の斑点あり)。
消費者は概して段階5または段階6のバナナを食べるのを好む。
【0081】
以下の実施例に使用される材料は以下の通りであった:
EVA1=エルバックス(ELVAX
(商標))3124樹脂(デュポンカンパニー)、エチレン/酢酸ビニル樹脂、EVAの重量を基準にして9重量%の酢酸ビニル、7g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238 190℃/2.16kg)。
m−LLDPE=エクシード(EXCEED
(商標))1018樹脂(エクソンモービルカンパニー)、メタロセン線状低密度ポリエチレン、1.0g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238 190℃/2.16kg)および0.918g/cm
3の密度(ASTM D792)。
SlipA=ポリエチレン中の珪藻土(SlipAの重量を基準にして15重量%)。
SlipB=エチレン/酢酸ビニルコポリマー中のステアラミド(SlipBの重量を基準にして10重量%)
Slip−AB=SlipAとSlipBの混合物、SlipA:SlipBの重量比3.0:2.5。
エライト(ELITE
(商標))5400G=エンハンストポリエチレン樹脂(メタロセンポリエチレン)、ザダウケミカルカンパニーから入手可能、1.0g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238 190℃/2.16kg)、0.916g/cm
3の密度(ASTM D792)。
CN734=いくつかの異なる供給者から入手可能なアンチブロック含有マスターバッチ、85重量%ポリエチレン中の15重量%珪藻土の目標量。
CN706=いくつかの異なる供給者から入手可能なステアラミド(slip)含有マスターバッチ、90重量%エチレン酢酸ビニルコポリマー中の10重量%の目標量。
エルバックス(ELVAX)3170=デュポンポリマーから入手可能なエチレン酢酸ビニルコポリマー、2.5g/10分のメルトインデックス(ASTM D1238 190℃/2.16kg)および18重量%の酢酸ビニル。
10090=8MILDPEベース樹脂中の5%slipを含む、アンパセット(Ampacet)から入手可能なマスターバッチ。
10063=8MILDPEベース樹脂中の20%珪藻土を含むアンパセットから入手可能なマスターバッチ。
【0082】
以下の実施例において使用されるMAP袋は膜を製造し、次いでその膜に孔を開け、次いでその有孔膜から袋を作成することにより製造された。この膜は、ブローされて29.5マイクロメートル(1.16mil)の厚さの膜を製造した三層共押出物であった。この層の体積比は:
第1層/第2層/第3層=60/40/30であった。
各層はEVA、m−LLDPEおよび場合によってSlip−ABのブレンドであった。重量比は以下の通りであった:
第1層:EVA1/m−LLDPE/Slip−AB=46/52/2
第2層:EVA1/m−LLDPE/Slip−AB=46/54/0
第3層:EVA1/m−LLDPE/Slip−AB=46/50/4
【0083】
この膜はレーザーを用いて孔開けされ、105マイクロメートルの平均孔直径を生じさせた。膜は48cm×30cm(18.75インチ×12インチ)の矩形を形成するように折り畳まれ、三辺を密着させて袋を形成した。それぞれの袋は88個の孔を有していた。
【0084】
ここで、「M」タイプMAP袋および「D」タイプMAP袋と標識される2つのバージョンのMAP袋が使用された。両方のタイプは同じ材料を使用しており、上述のように製造された:違いはこれらが異なるグレードのメタロセンポリエチレンを使用していたこと、およびこれらが異なる施設で製造されたことである。D袋は、M袋における孔の位置とは異なる位置に孔を有していた。以下の実施例においては、MAP袋が言及されて、タイプ(すなわち、MまたはD)が示されない場合には、タイプMのMAP袋が使用された。
【0085】
D袋の製造の詳細は以下の通りであった。膜はオハイオ州ファインドレイのザダウケミカルカンパニーでの3層強押出インフレーションフィルムラインにおいて製造された。層1はこのフィルムロールの内側であって膜全体の20%を構成しており、コア層(層2)は内側層と外側層との間に位置していて膜全体の60%を構成しており、並びに外側層(層3)は膜構造全体の20%を構成していた。各層は以下の表に示されるような様々な成分のブレンドから構成されていた。この押出機に全体の供給の20%以下でコア層にエッジリクレイム(edge reclaim)が追加された。外側層はコロナ放電によって目標とされた42ダインレベルまで処理された。D袋を製造するのに使用された膜のための膜配合は以下の通りであった:
【0086】
【表1】
【0087】
D袋に使用された膜を製造するためのプロセス条件は以下の通りであった:
【表2】
【0088】
D袋製造に使用された膜の特性は以下の通りであった:
【表3】
注(2):ASTM方法は、米国ペンシルベニア州ウェストコンショッケンの米国材料試験協会によって刊行されている。
【0089】
この膜はビーム圧縮レーザー処理システムで孔開けされ、生じた孔は、109ミクロンの機械方向平均サイズおよび104ミクロンの横断方向平均サイズを有していた。これらの膜は48cm×30cm(18.75インチ×12インチ)の袋に形作られた。
【0090】
本明細書において、「D−40」と称される第3のバージョンのMAP袋が使用された。D−40袋を製造するのに使用された膜は以下のように製造された。膜は7層アルパイン(Alpine)インフレーションフィルムラインにおいて製造された。この膜は55.9cm(22インチ)幅で各サイドに17.8cm(7インチ)ガセットのあるガセットチューブである。比率は以下の通りであった:
【0091】
【表4】
注(3):膜全体に対する層の重量比(%)
注(4):層の目標厚さ(マイクロメートル)
【0092】
同じ7つの押出機全てについて、同じ温度プロファイル:ゾーン1=149℃(300F)、ゾーン2=218℃(425F)、ゾーン3=177℃(350℃)およびゾーン4=221℃(430F)が設定され、そしてバリアスクリューが全ての7つの押出機に導入される。目標膜厚さは29.2マイクロメートル(1.15mil)であった。
【0093】
D−40袋を製造するのに使用された膜は以下の特性を有していた:
【表5】
【0094】
この膜はビーム圧縮レーザー処理システムで孔開けされ、生じた孔は、124マイクロメートルの機械方向平均サイズおよび123マイクロメートルの横断方向平均サイズを有していた。
【0095】
D−40袋を製造するために、ガセットチューブは切断され、密着されて178cm長さの袋を作成した。D−40袋は18kg(40 lb)のバナナを運ぶのに一般的に使用されるサイズである。1つの袋あたりの孔の総数は2,735であった。
【0096】
実施例1:収穫時にMAP内に入れられ、長距離輸送されたバナナ
バナナはコロンビアで収穫されそして袋に入れられた。3つの種類の袋が使用された:
(1)18kgのバナナを保持するサイズの非−MAPポリマー膜袋(ポリライナー)。各袋は2以上の孔を有しており、それぞれが約20mm以上の直径を有する。
(2)1.4kgのバナナを保持するサイズの、44個の大きな孔(孔直径10mm)を有する非−MAPポリマー膜袋(T袋)。
(3)約1.4kgのバナナを保持するサイズのMAP袋(上述の通り)。
【0097】
適切な重量のバナナが、収穫後輸送前に、各種類の袋内に入れられた。袋は標準のボール紙製運搬デバイス内に入れられた。次いでバナナはフィラデルフィア、ペンシルベニアに輸送され、そこでそれらは標準の4日間熟成スケジュールを用いてエチレンに曝露された。標準の商業的な方法の輸送およびエチレンへの曝露が使用された。
【0098】
使用された試験プロトコルは以下の通りであった。312枚のMAP袋に詰め込まれた。各袋は約1.4kg(3 lb)のバナナを保持していた。13枚のこの袋がそれぞれの箱に詰め込まれた。MAP袋内のバナナの合計重量は約432kgであった。約216kgのバナナがポリライナー内に入れられ、これはMAP袋のために使用されたものと同じ箱の中に入れられた。約216kgのバナナがT袋の中に入れられ、これはMAP袋について使用されたのと同じ箱の中に入れられた。各箱の全部の果実の重量は約19.5kg(43 lb)であった。
【0099】
バナナヘッド(産業命名法ではラシモ(rasimo))は14週齢(米国のマーケットでは典型的)で収穫された。ヘッドは大きな、中くらいの、および小さなハンドに切り出された。このハンドは塩素化水タンク内で洗浄された。洗浄されたハンドはさらにクラスターに分けられた。クラスターはそれぞれが約1.4kg(3 lb)を保持する袋に詰め込まれるか、またはそれぞれが約18kg(40 lb)を保持する袋に詰め込まれた。袋は標準の段ボール箱内に入れられ、それぞれの箱は約18〜20kgを保持していた。それぞれの箱は直径40mmの8つの丸い孔、これに加えてより大きな2つの長円形の運ぶための持ち手としても機能する孔を有していた。
【0100】
MAPでパッケージされたバナナは以下のように包装された:約1.4kgのクラスターは注意深くマイクロ多孔袋の中に入れられ、そしてその袋はその袋の開いている側をねじり、ねじった端を折り曲げて、そしてねじってかつ折り曲げた袋の端の周りにゴムバンドを取り付けることにより密閉された。
【0101】
全てのバナナは素早く13.3℃まで冷却され、その温度で輸送中保持された。輸送中、換気は約15%であった。
【0102】
輸送または熟成中袋は開かれなかった。密封する前のその袋の中のバナナの1つの中に温度プローブを配置することにより、いくつかの袋の中の温度がモニターされた。
【0103】
強制換気熟成室内でバナナは以下のように熟成させられた。1日目に、バナナは18℃(64°F)に維持され、外来エチレンに曝露された(150ppmで24時間)。さらなる外来エチレンは使用されなかった。1日目の後で、バナナは2日間18℃に維持され、次いで1日間10℃に維持された。与えられた温度は果肉温度であり、室温ではない。湿度は85%〜95%であった。
【0104】
次いで、バナナはペンシルベニア州スプリングハウスに輸送された。バナナは色段階2.5〜3で到着した。バナナは以下のような処理セットにランダムに分けられた:
【0105】
【表6】
MAP袋でかつ非ゼロMCPでの処理群は本発明の実施例である。全ての他の処理群は比較である。
【0106】
スプリングハウスにバナナが到着した同じ日に、それぞれの処理セットが印を付けられ、処理トレーラー内のテント内に配置され、10℃(58°F)および70%〜80%相対湿度に平衡化された。全てのテントは等しいサイズのものであり、かつ同じように詰め込まれた。処理は12時間であった。2つの「MCP」処理群についてのテントにおいては、処理期間の開始時にスマートタブ(SmartTabs
(商標))錠剤がそのテント内に配置され、そして水と混合され、その際にこのテントは密閉された。スマートタブ錠剤の量は、テントの雰囲気内で、示された濃度の1−メチルシクロプロペンを達成するように選択された。
【0107】
トレーラー内での処理後に、ケースは再びパレットに乗せられて、貯蔵および観察のために周囲条件(約20℃)で建物内に移動させられた。ケースは開けられて、評価および写真を撮るためにバナナは再び並べられた。ケースは貯蔵室の棚の上に配置された。
【0108】
詰め込み、トレーラー内での処理、およびその後の貯蔵の間中ずっとバナナは同じ袋の中に入ったままであった。
【0109】
シュガースポットの評価は以下の通りであった。日数「0」はバナナがトレーラーから取り出され貯蔵室に配置された日であった。処理群が2.6以上の評価に到達した後、これらのバナナはもはやほとんどの消費者に許容されないであろうから、シュガースポットの評価は停止された。
【0110】
【表7】
注(1):本発明の実施例
【0111】
上の結果は本発明の方法によって処理されたバナナは長期間にわたって他の処理群よりも低いシュガースポット評価を有することを示す。
【0112】
シュガースポット評価に加えて、上記バナナのいくつかの追加の観察がなされた。10日後に、本発明に従って処理されたバナナは6以下の色評価を有していたが、他の全てのバナナは7以上の色評価を有していた。14日目には、本発明に従って処理されたバナナは依然として6以下の色評価を有していた。また、14日目に、本発明に従って処理されたバナナは望ましく堅い皮を有していた。さらに、比較のバナナは10日目までに房から全てが脱離していたのとは対照的に、本発明に従って処理されたバナナのいずれも14日目でも主要な房から個々のフィンガー/バナナの脱離を示さなかった。
【0113】
全体として、我々の観察は1−MCP単独では1〜2日の追加の貯蔵寿命をバナナに提供したことを示唆している。MAP単独では2〜3日の追加の貯蔵寿命をバナナに提供した。しかし、組み合わせた処理は、バナナの目に見える品質が標準の取り扱い方法を超えてさらに10日間にわたって維持されたという点で相乗的であった。
【0114】
実施例2:収穫時にMAP内にパッケージされたバナナ;輸送を模倣した貯蔵
バナナは13週齢で収穫された。標準の商業的なプラクティスを用いて、果実の束は房(ハンド)に分けられ、次いで洗浄され、塩素化水タンク内で過剰なラテックスが除去された。洗浄されたバナナのハンドはさらにクラスターに分けられ、真菌で処理された。クラスターはプラスチック袋に入れられ、各袋は約1.4kg(3 lb)のバナナを保持していた。このバナナはそれらが評価(以下を参照)のために取り出されるまで、その袋内に入れておかれた。
【0115】
プラスチック袋はT袋であったか、または改変雰囲気袋(MAP袋)であった。このT袋(ここでは、「PE袋」とも称される)は商業的にバナナのために通常使用される袋の典型であった。この袋は、次いでカートン内に入れられた。各カートンは13個の袋を保持していた。各カートンは、MAP袋のみを保持していたか、またはそうでなければPE袋のみを保持していた。MAP袋の20個のカートンとPE袋の20個のカートンが準備された。
【0116】
このカートンは冷蔵トラック内に入れられ、そして貯蔵施設まで輸送された。収穫地から貯蔵地までの距離は約100kmであった。冷蔵トラック内の温度は14〜18℃であった。長距離にわたる輸送の影響を模倣するために、このカートンは従来の冷貯蔵室内に14℃で2週間にわたって置いておかれた。貯蔵室においては、各カートンの周りおよびカートン間に空気が循環することができるようにこのカートンは配置された。
【0117】
貯蔵期間の後で、貯蔵室のサーモスタットは18℃に上げられ、その貯蔵室が18℃で12時間にわたるまでさらなるアクションはなされなかった。バナナは5日間のスケジュールを用いて以下のように熟成された。示された温度は果肉温度であり、バナナにおいて起こりうる呼吸にもかかわらず、必要な場合には、所望の温度に果肉温度がとどまるようにサーモスタットが下げられた。
0日目:17.8℃(64°F)、通常の空気中
1日目:17.8℃(64°F)、エチレン200ppmで24時間
2日目:17.8℃(64°F)、部屋は30分間排気され次いで再密閉された
3日目:17.8℃(58°F)
4日目:14.4℃(58°F)
5日目:14.4℃(58°F)
【0118】
5日目のおよそ午後4時に、このカートンはいくつかの群に分けられた:1つの未処理対照(UTC)群(6カートン)および6つの処理群。各群は同じ数のPEカートンとMAPカートンとを有していた。6つの処理群は以下の通りであった:
【0119】
【表8】
処理番号における「C」を伴う処理は比較例である。
【0120】
UTCカートンは良好な換気を有していた倉庫内に配置された。残りのカートンは貯蔵室内にとどめられた。4つの気密テントが貯蔵室内に建てられた。各テントは処理群PE−3−C、PE−10−C、MAP−3およびMAP−10の1つについての全てのカートンを保持していた。
【0121】
5日目のおよそ午後4時に、バナナは色段階2.5〜3.5に到達した。処理群PE−3−C、PE−10−C、MAP−3およびMAP−10は、次いで、上に示された濃度でオーバーナイトで1−MCPに曝露された。
【0122】
実施例2A:評価プロセス「A」(4日目ポスト−MCP)
実施例2に記載される各群からいくつかのバナナが以下のようにプロセス「A」によって評価された:処理群PE−3−C、PE−10−C、MAP−3およびMAP−10が1−MCPへの曝露を受けた後で、バナナは貯蔵室内のその袋の中に14℃で4日間とどめておかれ;次いで、そのバナナは袋から取り出され、約22℃で7日間貯蔵され;次いで、そのバナナは評価された。結果は以下の通りであった:
【0123】
【表9】
【0124】
コメント:上の表は、MAPを用いかつ非ゼロ1−MCPを用いたサンプルが色についておよびシュガースポットについて最も望ましい結果を有していたことを示す。処理間の主たる違いは、果実を1−MCPに曝露した4日後および5日後に検出された。MAP−0−CはMAP−3およびMAP−10よりも劣った品質を示した。MAP−3およびMAP−10における果実のシュガースポット発現の遅れはMAP−0よりも少なくとも3日間長かった。
【0125】
追加の観察は以下の通りであった。(「ARB」は袋から取り出した後を意味する):
【表10】
【0126】
実施例2B:評価プロセス「B」(3日目ポスト−MCP)
この実施例は、1−MCPへの曝露の後でバナナが、4日のかわりに3日間14℃で貯蔵室内でその袋の中にとどめておかれたことを除いて、実施例2Aと同じであった。MAP−3およびMAP−10群は実施例2Aにおけるように、比較例を超える同じ種類の改良を示した。
【0127】
実施例2C:評価プロセス「C」(MCP後22℃)
実施例2に記載される各群からのバナナのいくつかが以下のようにプロセス「C」によって評価された:処理群PE−3−C、PE−10−C、MAP−3およびMAP−10が1−MCPへの曝露を受けた後で、バナナはその袋の中にとどめておかれ、約22℃で保持された。バナナは、袋の中に入れられたままで日々検査された。
【0128】
約22℃で7日後、結果は以下の通りであった:
【表11】
MAPおよび非ゼロ1−MCPの双方を有していたバナナは、クラウンカビおよびクラウン腐敗の双方において他のバナナよりも良好な結果を有していた。
【0129】
実施例2X:評価プロセス「X」(延長貯蔵)
実施例2に記載される各群からのいくつかのバナナがプロセス「X」によって以下のように評価された:処理群PE−3−C、PE−10−C、MAP−3およびMAP−10が1−MCPへの曝露を受けた後で、バナナはその袋の中にとどめておかれ、約14℃で保持された。バナナは、袋の中に入れられたままで日々検査された。
【0130】
バナナを14℃で保持することは、バナナをそのような低温で保持することがシュガースポットの発生を遅らせるかどうかの試験を提供した。1−MCPへの曝露後の14℃での保持時間中に非ゼロ1−MCPを受けたMAPにおけるバナナはシュガースポットの発生の遅れを示したが;全ての他のバナナにおいては、シュガースポットの発生は遅れなかった。
【0131】
1−MCPでの処理後13日目に、非ゼロ1−MCPを受けたMAP袋内にあるものを除く全てのバナナは(過剰なシュガースポット、過剰に柔らかい果肉、クラウンカビ、クラウン腐敗またはクラウンにおける分離の1以上のせいで)許容できなくなった。
【0132】
1−MCPでの処理後17日目に、とどまっているバナナ(すなわち、非ゼロ1−MCPを受けたMAP袋内にあるもの)は依然として許容可能であって、それらはMAP袋から取り出されて、室温(約22℃)で貯蔵され、次いでそれらはさらに3日間にわたって許容可能なままであった。
【0133】
実施例US−1:輸送後にMAPに移されたバナナ
バナナは収穫され、そして標準的な商業的プラクティスを用い、標準の商業的な輸送袋内でペンシルベニア州のエフラタに輸送された。輸送のために、袋はカートン内に入れられ;約18.1kg(40 lb)のバナナが各カートン内にあるように、充分な袋をそれぞれのカートンは保持していた。
【0134】
ペンシルベニア州のエフラタに到着した後で、バナナが輸送された袋からバナナが取り出され、MAP(上述の通り)またはT袋(上述の通り)であった新たな袋内に入れられた。この新たな袋は約1.3kg(3 lb)をそれぞれ保持していた。この新たな袋はねじられ、確実に閉じられた。袋は、上記実施例2において使用された5日間熟成方法に曝された。熟成後、この袋はペンシルベニア州のスプリングハウスに冷蔵トラックで輸送された。到着時に、バナナの色段階は3.5〜4.5であった。次いで、袋が気密テント内に13.3℃(56°F)で12時間にわたって入れられ;その12時間の期間中に、各テントはゼロ、300ppb、または1000ppbの量で1−MCPが放出された通常の空気雰囲気を有していた。その12時間の期間後に、サンプルは1時間にわたって換気され、次いでその場で13.3℃(56°F)で10時間にわたって保持され、次いで17.8℃(64°F)に維持された評価室に移された。
【0135】
全ての袋は評価室内に8日間とどめられた。バナナが依然として袋の中にあるか、そうでないかで、バナナは日ごとに目で見て観察された。この袋は3つの群に分けられた:
A.3日間袋の中にとどめておかれ、次いで残りの5日間はその袋から取り出されていた;
B.4日間袋の中にとどめておかれ、次いで残りの4日間はその袋から取り出されていた;
C.8日間袋の中にとどめておかれ、8日目に評価のために取り出された。
【0136】
結果は以下の通りであった。3つの群(A、B、およびC)全ては色発現について同じ比較の傾向を示した。ゼロ1−MCPを受けたバナナの中では、MAP袋内のバナナは、T袋内のバナナよりも遅い色およびシュガースポットの発現を示した。T袋内にあったバナナの中では、300ppbまたは1000ppbの1−MCPを受けたバナナが、より遅い色およびシュガースポットの発現を示した。1000ppbの1−MCPを受けたバナナは300ppbの1−MCPを受けた同じ種類の袋の中のバナナよりも遅い色およびシュガースポットの発現を示した。
【0137】
300ppbまたは1000ppbの1−MCPを受けたMAP内のバナナは、T袋内のバナナよりもかなり遅い色およびシュガースポットの発現を示した。300ppbまたは1000ppbの1−MCPを受けたMAP内のバナナは、ゼロ1−MCPを受けたMAP内のバナナよりも、それらがその袋から取り出された後で、より遅い色およびシュガースポットの発現を示した。果実の全体の品質に基づいて、1−MCPなしのT袋と比較して、1−MCPのみのバナナ(すなわち、1−MCPでT袋)において、またはMAPのみのバナナにおいては(MAP、ゼロ1−MCP)は1〜2日だけ貯蔵寿命が延ばされ;本発明の実施例(非ゼロ1−MCPを受けたMAP内のバナナ)は8日間の貯蔵寿命の延長を示した。
【0138】
実施例US−3:MAPの製造バッチの比較
バナナは収穫され、そして上記実施例US−1に記載されるようにペンシルベニア州のエフラタに輸送された。到着の際に、バナナはポリライナーから取り出され、3種類の袋の中の1つに入れられた:
(1)T袋(上述の通り)
(2)MAP袋タイプM(上述の通り)
(3)MAP袋タイプD(上述の通り)
熟成サイクルの最初の日(0日目)が省略されたことを除いて、袋の中のバナナは上述の熟成サイクルに曝露された。1−MCPに曝露されたバナナはそれらが色段階2〜2.2の時にその曝露を受けた。
【0139】
これら群の中での傾向は上記実施例US−1において観察されたのと同じであった。
【0140】
さらに、1−MCPへの曝露後にこれらの袋内に17.8℃で17日間とどめられたバナナの群は、その17日の終了時に評価された。これらのバナナの中で、MAP内にありかつ非ゼロ1−MCPも受けたバナナは、MAPであるが1−MCPを受けていないバナナ、またはT袋内であって非ゼロ1−MCPを受けたバナナのいずれよりも低い色段階数値(望まれるような)を有し、かつ低いシュガースポット数(望まれるような)を有していた。
【0141】
バナナを17.8℃に保持する手順は、本発明を例示したバナナ(すなわち、MAPおよび非ゼロ1−MCP)においてシュガースポットの発現を遅らせたが、バナナを17.8℃に保持する手順は、比較のバナナのいずれにおいても(すなわち、MAPおよび非ゼロ1−MCPの両方共を有していないバナナ)においてシュガースポットの発現を遅らせなかった。
【0142】
さらに、17.8℃で14日後、比較のバナナはネックが崩壊したが、本発明を例示したバナナはそうではなかった。
【0143】
17.8℃で17日後、本発明を例示したバナナはMAPから取り出され、さらに4日間17.8℃で貯蔵された。この4日の終わりに、このバナナは許容可能な色段階およびシュガースポットを示した。
【0144】
MAPタイプM袋内のバナナとMAPタイプD袋内のバナナとの間の観察される有意な違いはなかった。
【0145】
実施例US−4:1−MCPへの曝露後のMAP内への配置
バナナは収穫され、そして上記実施例US−1に記載されるようにペンシルベニア州のエフラタに輸送された。熟成プロセスにわたって、バナナが輸送される際の袋(ポリライナー)内にとどめられたことを除いて、このバナナは実施例US−1におけるように熟成された。ポリライナーのいくつかは上記実施例US−1におけるように1−MCP(1000ppb)に曝露されたが、他のものはそうではなかった。1−MCPへの曝露の終了直後に、バナナはポリライナーから取り出され、房に分けられた。いくつかの房はほぼ1.4kg(3 lb)を有しており、上述のようにT袋内に入れられた。他の房は約18kg(40 lb)であって、バナナの層間に袋の層を介在させる標準の積層技術を用いて上述のMAPタイプD−40内に配置された。次いで、実施例US−1におけるようにバナナが貯蔵され評価された。また、バナナは食べられて果肉の堅さ並びに食体験の全体的品質が評価された。8日目に観察された結果は以下の通りであった:
【0146】
【表12】
MAPおよび1−MCPの両方を用いたサンプルは全ての評価において他のサンプルよりも優れていた。
【0147】
実施例US−5:様々なレベルの1−MCP
実施例US−1に記載されるようにバナナは生長し、輸送され、熟成された。全てのバナナは熟成サイクル中ずっとT袋内にあった。色段階3.0〜4.0で、依然としてT袋内にあったバナナは、様々な気密容器内に配置され;各容器内では、特定の濃度の1−MCPが空気中に放出され;バナナは、これら容器内に12時間にわたってとどめられていた。その後、各処理群の半分がMAP袋に移され、そして全てのバナナはUS−1におけるようにポスト−MCP貯蔵室におかれた。7日の終了時に、バナナはシュガースポット(SS)、色段階(CS)および堅さ(F)について評価された。堅さはフルーツテクスチャアナライザ(南アフリカ共和国のガスカンパニー)を用いて、8mm直径のプローブを用いて測定された。平均の結果は以下の通りであった:
【0148】
【表13】
【0149】
それぞれのレベルの1−MCPで、MAPサンプルは同等またはより良好な色段階(すなわち、より低い色段階数値)、より良好なシュガースポット(すなわち、より少ないシュガースポット)、およびより良好な堅さ(すなわち、より高い堅さ)を示した。
【0150】
実施例US−7a:袋あたりのバナナの様々な数(外観)
バナナは、袋あたりのバナナの数が変えられたことを除いて、実施例US−1におけるように取り扱われかつ試験された。1−MCPの濃度は1,000ppbであった。また、2つの異なる種類のMAP袋:上述のようなタイプMおよびタイプD:が使用された。バナナは1−MCPでの処理後7日目に評価された。平均の結果は以下の通りであった:
【0151】
【表14】
【0152】
MAP袋タイプMおよびMAP袋タイプDは同様に機能し;これらの間の有意な違いは観察されなかった。
【0153】
実施例US−7b:袋あたりのバナナの様々な数(堅さ)
バナナは、袋あたりのバナナの数が変えられたことを除いて、実施例US−1におけるように取り扱われかつ試験された。MAP袋内のバナナは「袋なし」バナナ(すなわち、輸送後にいかなる袋にも入っておらず、かつ袋の外で熟成、1−MCP曝露および貯蔵プロセスを経たバナナ)と比較された。1−MCPへの曝露を受けず、かつ1−MCPに曝露された前記バナナと同じパターンの時間および温度の貯蔵条件を受けた「MCPなし」バナナも試験された。全てのバナナは1−MCPでの処理後5日目に評価された。堅さは実施例US−5におけるように試験された。平均の結果は以下の通りであった:
【0154】
【表15】
【0155】
1−MCPを受け、かつMAP袋内に貯蔵されたバナナは、比較されうるMCPなしのバナナよりも良好な堅さを有し、かつ袋なしバナナよりも良好な堅さを有していた。
【0156】
実施例US−7c:袋あたりのバナナの様々な数(気体透過)
バナナは、袋あたりのバナナの数(「#ofB」)が変えられたことを除いて、実施例US−1におけるように取り扱われかつ試験された。MAP袋タイプMについての結果はゼロ1−MCP(MAPのみ)および1,000ppbの1−MCP(MAP/MCP)と比較された。MAPのみのサンプルは比較であり;MAP/MCPサンプルは本発明を例示する。
【0157】
有孔膜の一部分についての気体透過速度を測定し、次いで袋の全有孔面積に基づいて計算することにより、袋全体についての気体透過速度が認められた。有孔膜についての気体透過速度は、リー(Lee)ら(Lee,D.S.,Yam,K.L.,Piergiovanni,L.「気体および蒸気の透過(Permeation of gas and vapor)」、Food Packaging Science and Technology, CRCPress、ニューヨーク、NY、20008,100〜101ページ)によって記載される準平衡(quasi−isostatic)方法を用いて測定された。
【0158】
また、シュガースポットが評価された。この実験においては、シュガースポットが発現した17.8℃での保持中の日数(SS日)が示される。T袋内のバナナ(0または1,000ppbの1−MCPのいずれも)は3日目にシュガースポットを発現した。
【0159】
結果(それぞれは3袋の平均)は以下の表に示される。報告される特徴は以下の通りである:
POT=袋全体のO
2透過速度(バナナのキログラムあたりのcm
3/m
2−日)
PCT=袋全体のCO
2透過速度(バナナのキログラムあたりのcm
3/m
2−日)
P面積=袋全体の孔の総面積(100万平方マイクロメートル/バナナのkg)
【0160】
【表16】
【0161】
MAPのみはT袋と比べて(望まれるように)シュガースポット発現を遅らせ、およびMAP/MCPはシュガースポット発現を(望まれるように)さらに遅らせた。
【0162】
実施例US−8:孔の位置の変動
孔の位置の変化の影響を試験するために16枚の特別な袋が製造された。それぞれの特別な袋は、MAP袋タイプMについて使用されるのと同じ有孔膜から製造された。各特別な袋はMAPタイプM袋と同じ寸法を有していたが、それぞれの特別な袋は196個の孔を有しており、その半分は感圧接着テープでふさがれた。袋1〜12は、それぞれ、孔の位置の独特のパターンを有していた。袋D1およびD2はMAP袋タイプDの孔パターンを再形成した2つの特別な袋である。袋M1およびM2はMAP袋タイプMの孔パターンを再形成した2つの特別な袋である。MAP袋としてこれら特別な袋を使用して、実施例US−1の手順が行われた。1−MCP(1,000ppbの量の1−MCPが使用された)に曝露した後8日目に、各袋の内側の雰囲気が測定されて、各袋の内側の雰囲気の全重量を基準にした二酸化炭素の重量%および酸素の重量%を決定した。結果は以下の通りであった:
【0163】
【表17】
【0164】
孔の配置のなかでは有意な違いは観察されなかった。
【0165】
実施例US−9:孔のレーザー孔開け
孔は二酸化炭素レーザーを用いて、10.6マイクロメートルを含む波長で操作して、ポリマー膜に孔開けされた。このレーザーは赤外光のパルスを生じさせた。ポリエチレンのみからなる膜が使用されたときに、いくつかのパルスは完全な孔(すなわち、膜を最後まで貫通した孔)を生じさせ、およびいくつかのパルスはそうではなかった。ポリエチレンのみの膜においては、完全な孔を生じさせることができなかったパルスのパーセンテージは許容できないくらい高かった。様々なMAOを製造するのに使用された膜のための上記組成の膜が試験された場合には、ほぼ全てのパルスが完全な孔を生じさせ;完全な孔を生じさせることができなかったパルスのパーセンテージは許容可能に低かった。