【課題を解決するための手段】
【0009】
前記本発明の目的は、前述した種類の施錠装置に、アクチュエータを弾性補償エレメントを介してドア側部品に配置する構成によって達成される。
本発明の構成によると、安全ドアとドアの相手構造物との間の公差、とくにコンポーネントのオフセットまたはコンポーネントの変位を弾性補償エレメントにより補償し、または克服して、たとえ老化またはコンポーネントの偏差により摩耗、オフセットが生じる場合でも、単純な組立および確実な動作が達成されるようになる。
【0010】
弾性補償エレメントは、一方で公差が第1アセンブリで補償でき、他方で時間の経過でのみ生じる偏差、例えば温度変動により生じる設定動作または寸法振幅も補償できるように、はっきり認識できる形状変化能力を有することができる。
安全ドアとドアの相手構造物との間のミスアライメントがある場合にドア側部品およびフレーム側部品にかかる応力は、従来の設計の施錠装置と比べて低減することができることも触れておかなければならない。なぜなら、当該偏差はこれで残りのコンポーネントを前記偏差のためにブロック位置に「緊張」状態で互いにアラインしなくてもよくなる結果として、補償エレメントの所定の偏向によって「捕まえられる」ためである。
【0011】
本発明に関して、「安全ドア」という用語は一般にフラップ、カバー、フードならびに、とくにスライドドアおよびピボットドア、すなわち、機械またはシステムへのアクセスを可能にするために使用されるが、前記機械またはシステムの作動中には確実に監視された状態で閉止されるエレメントを含むことができる。
本発明の好適な改良形態において、弾性補償エレメントはプラスチック材でできており、好ましくはエラストマーおよび/またはゴム材でできている。
【0012】
この場合、弾性補償エレメントはとくに単純に、すなわちほぼ任意の3D形状で製作できる。これに関連して、弾性補償エレメントの変形特性はこの改良形態によって単純に影響を及ぼすことができ、とくに、オプションとして、方向依存性にもできる直線性の前進または後退力/経路特性をもたらすことが可能である。
好ましくは、弾性補償エレメントは、形状変化能力がプラスチック材自体の変形だけに制限されず、さらに、てこ作用または方向依存性の剛性によって異方性形状変化能力を実現できるように、実質的に接合される継手を有することができる。
【0013】
このように、例えば、安全ドアとドアの相手構造物との間の垂直オフセットを、弾性補償エレメントをこの方向にとくに柔軟に設計することにより、施錠装置の領域でとくに単純に補償できる。例えば、安全ドアとドアの相手構造物との間の側方オフセットなどの他の偏差に関しては、弾性補償エレメントは、これとは逆に、必要なら明白により剛性に設計することができる。安全ドアがドアの相手構造物の方向に枢動可能で、その結果側方オフセットを枢動運動により実質的に補償できる場合にはとくにそうである。
【0014】
適したプラスチック材、とくにエラストマーは、良好な耐食性を有しており、施錠装置を少量の摩耗および修理に関して少額の出費で作動できるように、媒体および環境の影響に関して十分な耐性で実現できる。
一方で、弾性補償エレメント、アクチュエータおよびドア側部品の間の接続に適した方法は、例えば、締付けまたはねじ接続などの従来の組立プロセスにすることができる。さらに、プラスチック材の場合には、接合、埋め込み、射出成形または適した組み合わせなど、他の方法も有利に使用できる。エラストマー補償エレメントは、金属部品に直接、確実に接続できるため、加硫にも適している。
【0015】
これに関連して、他の改良形態において補償エレメントは他の弾性材料から作ることができることも触れておかなければならない。とくに、高いレベルの剛性だけでなくはっきり認識できる弾性も有する金属材料がこれに適する。このように、弾性補償エレメントは、適した応力ひずみ挙動を達成できるようにするために、例えば、金属ばねまたは継手を有することができる。つまり、金属製の弾性補償エレメントの場合、高いレベルの剛性に関わらず、適切な構造的な手段によって、形状変化能力をもたらすことが可能であり、それによって安全ドアとドアの相手構造物との間の偏差を埋めて補償することが可能である。
【0016】
弾性補償エレメントは、好ましくは、別の好適な形態において、プラスチック材繊維からなる強化インサートを有する。
この場合、繊維強化材は、線材、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維または同様な他のものからなることができる規則的なまたは不規則的な織物を有することができる。これらの種類の強化インサートを使用すると、弾性特性を本質的に維持しながら、弾性補償エレメントの強度、とくに割れに対する強度が増す。この代わりに、またはこれに加えて、アクチュエータとドア側部品との間に弾性補償エレメントの脱落保護を提供でき、前記脱落保護は前述の材料から作ることができよう。脱落保護により、たとえ弾性補償エレメントが故障しても、安全状態、つまり閉止状態を維持できる。
【0017】
本発明の改良形態によると、弾性補償エレメントは(好ましくは中央)受け部の周囲に配置されている複数の腹板(とくに少なくとも3つ)を有する。腹板は好ましくは受け部から離れた端部にジャーナルを有しており、前記ジャーナルは円筒形であると有利である。
弾性補償エレメントの弾性挙動は、このように有利に影響を及ぼすことができる。腹板端部のジャーナルは、例えば、3個、4個または多数個の角をもつ輪郭のアセンブリフレームに、単純で回転取付されたアセンブリにすることができる。この展開の補償エレメントは、完全に押し出すことのできる星形または十字形の上面を有することができる。そのため、弾性補償エレメントは腹板の変形により押し出し方向に対して放射状にとくに柔軟にすることができるが、本質的に押し出し方向に作用する側方応力に対しては、剛性を高めることができる。
【0018】
本発明の有利な改良形態では、アクチュエータはジャーナルを配置するアクチュエータフレームを有し、ドア側部品は受け部を取り付ける受け形材を有する。
この改良形態によれば、弾性補償エレメントは好ましくは実質的に接合した回転継手として、より一般的には実質的に接合したカルダン継手として有利に作動できる。補償エレメントの弾性が許す限り、例えば受け部の中央に受け入れられるドア側部品は、弾性補償エレメントを適切に囲むことのできるアクチュエータフレームに対して変位できるので、安全ドアとドアの相手構造物との間の公差を補償する。
【0019】
さらに、アクチュエータフレームおよびドア側部品のこのような改良形態のおかげで、弾性補償エレメントのストッパがとくに単純に実現できる。したがって、弾性補償エレメントの過度な応力および変形を回避できる。施錠装置の信頼性を高めることができる。
別の好適な形態では、少なくともアクチュエータまたはフレーム側部品の受け口に誘導勾配が設けられている。
【0020】
誘導勾配はアクチュエータの受け口への導入を容易にすることができ、前記アクチュエータは弾性補償エレメントのおかげで柔軟に受け入れられるので、アクチュエータの実際の座面をとくに公差補償のために展開する必要がない。例えば漏斗形の誘導勾配は、安全ドアを閉じたときにアクチュエータが自動的に受け口に入り込むことのできるオフセットなど、最大偏差が補償されるようにする。これに関連して、少なくとも±5mm、より好ましくは少なくとも±10mmのオフセットを補償するのが好ましい。
【0021】
言うまでもなく、誘導勾配は垂直オフセットもしくは側方オフセットに対して、またはドア側部品とフレーム側部品との間のどのような傾斜位置に関しても、さまざまな方向依存の偏差を許容できる。
本発明の別の改良形態において、ブロック部材は少なくとも1つのブロック対向面を有し、アクチュエータは少なくとも1つのブロック面を有しており、これらの面は受け口に対して形状適合的にアクチュエータをブロック位置に錠止するように構成されている。
【0022】
形状適合施錠はとくに高い力を吸収でき、衝撃状またはジャーク状の負荷ピークの場合に形状適合ではない施錠と比べて容易に降伏しない、または「すり抜け」ない。しかし、言うまでもなく、他の施錠コンポーネントを形状適合施錠に重ねることができる。形状適合施錠は単純な手段を使用して容易に検出および監視できる。
本発明の好適な改良形態において、アクチュエータはブロック部材を変位する空間を画成する凹部を有し、凹部は好ましくはM字形の切り込みとしてアクチュエータの少なくとも1つのブロック面とともに実現される。
【0023】
この改良形態のおかげで、たとえ削りくずによるなど、施錠装置の粉塵の蓄積または汚損がある場合でも、アクチュエータまたはブロック部材の動きの自由度を確保できる。
好ましくは、ブロック部材はアクチュエータの選択的な施錠または解除のために変位可能である。前記動きはアクチュエータに関して行われる。例えばマシニングセンターなどの施錠したシステムを作動後にアクセス可能にしようとする場合、削りくずにより生じる粉塵の蓄積によりアクチュエータに対するブロック部材の相対的な動きが妨げられることがありうる。そこで、この改良形態において、アクチュエータに第2凹部を設けて、たとえアクチュエータとブロック部材との間の領域に削りくずがあったとしても、前記第2凹部が解除位置への変位を許す。これはとくに枢動可能なブロック部材についてあてはまる。その結果、ほぼM字形の切り込みをアクチュエータに配置してもよく、前記切り込みのある領域は少なくとも1つのブロック面を有し、別の領域がブロックエレメントによって変位される削りくずまたは同様な他のものを受けることができる。
【0024】
本発明の改良形態において、ブロック部材の変位のためにこれに接続されている駆動装置、好ましくはソレノイド磁石が採用できる。
この場合、ブロック部材は、ソレノイド磁石に電流を送るなどによって、とくに単純に変位できる。ソレノイド磁石はリフティングマグネットとして実現するのが好ましいが、他のモデルも考えられる。さらに、電気モータ、とくにリニアモータ、またはピエゾ抵抗型または磁気抵抗型の駆動装置など、他の種類の駆動装置を使用できる。特別な環境条件の場合、圧縮空気シリンダまたは油圧シリンダを有する駆動装置を使用することも可能である。
【0025】
本発明の好適な改良形態において、ブロック部材に接続されて、ブロック部材をブロック位置の方向に押す安全ばねが採用できる。
安全ばねは、とくに磁石に電流が流れていなくても閉止状態を維持したいとき、自動施錠を可能にする。さらに、自動施錠はアクチュエータを挿入することによって行うことができる。これに関連して、ブロック部材は最初に安全ばねの力に逆らうアクチュエータによって変位されるので、次にブロック位置での安全ばねの力の結果少なくとも1つのブロック面とともにブロック部材の少なくとも1つのブロック対向面に掛止する。このように、施錠装置のとくに安全な操作、つまり自動施錠操作を単純な設計で促進できる。
【0026】
施錠装置は、必要なら、電流がない状態でシステムを開にするようにも作動できる。この場合、施錠は駆動装置に電流を継続的に供給することによって行うことができる。この種の作動は、例えば、包囲するべき機械またはシステムに不具合または故障がある場合に、施錠装置の早急な開放が無条件のタンブラよりも重要と思われる場合に便利である。
安全ばねはフレーム側部品のハウジングに支持でき、ブロック部材に直接作用でき、または部材を前記ブロック部材に結合することによって接続できる。
【0027】
本発明の別の改良形態において、ブロック部材はフレーム側部品に長手方向に変位可能なように受け入れられる。
そのため、ブロック部材自体は駆動装置の一部、例えば磁石のアンカーの一部として実現できる。その結果、磁石の持ち上げが即座かつ直接的にブロック部材の変位につながる。施錠装置の製造中のコンポーネントおよび製造の出費を削減できる。
【0028】
可能な場合、ブロック部材を変位するときに力および経路の変換をもたらすことができるように、レバーまたは他の結合エレメントによってブロック部材を駆動装置に間接的に結合することが考えられる。
本発明の有利な改良形態において、アクチュエータは円錐形の表面とそれに対応する座面とを有し、前記座面は円錐対向面を有してフレーム側部品に配置されており、ブロック部材は好ましくは形状適合的に座面にアクチュエータの位置を錠止するように構成されている。
【0029】
この改良形態では、円錐形、より一般的には回転対称の座面が実現され、その軸を移動平面に対して垂直に実現できるので、アクチュエータを移動平面内のいずれの方向からも受け口に挿入することが可能になる。そのため、施錠装置の1つの実施形態だけで、多数の変型およびアセンブリの出費を削減できるように、さまざまな供給位置または設置位置を実現できる。
【0030】
つまり、円錐面および円錐対向面はフレーム側部品におけるアクチュエータの皿状座面を占める。アクチュエータの供給は、アクチュエータが円錐対向面の壁を克服するときに弾性補償エレメントが偏向できるのを可能にできるように、座面の回転軸に対して半径方向に行うことができる。
これに関連して、ブロックエレメントは、アクチュエータの少なくとも1つのブロック面と選択的に協働して前記アクチュエータをブロックまたは解除するために、座面の回転軸の方向に半径方向に変位可能にもできる。
【0031】
この場合、アクチュエータは例えば3つの側面からそれぞれ互いに90°ずれて座面に供給できるとともに、ブロック部材はアクチュエータを施錠するために4番目の側面からアクチュエータに作用できる。
本発明の別の改良形態において、ブロック部材は軸を中心に枢動可能なエントレインメントシャフトに着脱自在になるように配置されている。好ましくは、ブロック部材はエントレインメントシャフトに形状適合的に配置されている。
【0032】
その結果、ブロック部材はアクチュエータを錠止または解除するために軸を中心に枢動できる。このように、アクチュエータをさまざまな方向から受け口に挿入することもできる。このために、ブロック部材は、アクチュエータの起動または安全ばねの復元力により生じるブロック部材の枢動運動がアクチュエータに位置的に正確に割り当てられるように、供給方向に対応してエントレインメントシャフトで回転するだけでよい。
【0033】
ブロック部材がエントレインメントシャフトに形状適合的に配置されていることが特に好ましい。形状適合施錠は適した形材によって提供することができ、形材の配列はエントレインメントシャフトにおけるブロック部材のさまざまに利用できる位置を決定する。このように、正方形形材の場合、それぞれ90°ずれた4つの異なる位置が生じる。その結果、取付または再取付に関してわずかな出費だけで、施錠装置は部品を交換することなく、または追加部品を考慮することなく、さまざまな動作および設置条件に適応できる。ブロック部材の他に、アクチュエータを挿入できる受け口もアクチュエータの挿入方向に対応して変位できるので、供給方向は誘導勾配によって決定される。この代わりに、受け口はいくつかの供給方向のために誘導勾配を有することができるので、この再取付は必要なくなる。
【0034】
本発明の好適な改良形態において、好ましくはスラストロッカとして実現される結合エレメントがアクチュエータとエントレインメントシャフトとの間に配置されている。
結合エレメントによって、力もしくは経路並進、逆行および回転運動への並進運動の変換またはその逆を行うことができる。
したがって、ブロック部材が一緒に線形運動をしないことになっても、とくに単純で信頼性が高く、費用効果的なアクチュエータを使用できる。
【0035】
とくに、スラストロッカは磁気誘導器の並進運動を、ブロック部材の回転運動に、より正確には枢動運動に変換するのに適している。
弾性補償エレメントとは独立して、発明を表象するとくに有利な改良形態において、ブロック部材が取り付けられているかどうかを認識するために実現されている不正操作検出器がフレーム側部品に設けられている。
【0036】
好ましくは、これを光学不正操作検出器、例えばライトバリアとすることができ、それによってフレーム側部品におけるブロック部材の有無を検出する。しかし、原則的には、不正操作検出器は、フレーム側部品におけるブロック部材の有無をフェールセーフに検出する誘導型、容量型、磁気または他のセンサを用いても実現できる。
施錠装置が出力信号を提供するとき、ブロック部材の不在の場合に、スイッチオフ信号を表し、および/または逆にブロック部材の存在を検出する場合に解除信号を表すと好ましい。この展開により、不正操作、例えば施錠装置を無効にするためにブロック部材を取り外すことを効果的に抑止できる。
【0037】
とくに好ましくは、結合エレメントの一部である結合部材、および/またはブロック部材は、不正操作検出器が応答するインジケータを有することができる。これは、例えば、ライトバリアのライトセクションを選択的に遮蔽または露出できる例えばブラケットまたは凹部とすることができる。ブロック位置の場合、安全ばねが依然としてストッパの方向にブロック部材に作用しながら、例えばブロック部材のストッパは受け口のストッパ対向面に当接できる。したがってブロック部材が取り外される場合、安全ばねはさらなる変位をもたらすことができ、例えば、エントレインメントシャフトの枢動は前記停止位置を超える。この結果、正しく組み立てられているブロック部材では達成できない状態になる。そこで、この状態で、不正操作検出器は出力信号を生成するためにインジケータによって処理でき、それによって包囲するべき機械またはシステムの動作を防いでオペレータを保護できる。
【0038】
本発明の別の改良形態において、アクチュエータにトランスポンダが配置され、フレーム側部品に位置検出器が配置されており、前記トランスポンダおよび位置検出器は、アクチュエータがフレーム側部品に錠止されて、ブロック部材がブロック位置にあるときに解除信号を生成できるように協働する。
この種のトランスポンダは、例えばフレーム側部品から読み取ることのできるRFIDユニットとすることができる。
【0039】
このように、施錠は、とくにフェールセーフに、つまりアクチュエータが実際に受け口に挿入されているときのみ認識できる。
好ましくは、トランスポンダには位置検出器により無線でエネルギーが供給されるので、供給線をドア側部品に供給しなくてもよいため施錠装置の設計は明白に単純化される。
RFIDユニットの場合、位置認識は、例えば別のRFIDチップによる不正操作を一層難しくするように符号化して行うことができる。
【0040】
アクチュエータの供給を正確に認識できるように、受け口にRFIDユニットを読み取るための位置検出器を配置することが可能である。この代わりに、アクチュエータの供給の他に、施錠、つまりブロック部材によるアクチュエータの錠止もフェールセーフに検出できるために、位置検出器をブロック部材に設けることができる。
トランスポンダは、少なくとも1つのラインによって結合されて、互いに離れているアンテナと信号ユニットとを有することがさらに好ましく、アンテナは施錠中にブロック部材に面するアクチュエータの領域に配置し、信号ユニットはそれから離れて、ドア側部品に面するアクチュエータの領域に配置すると好ましい。
【0041】
このように、アクチュエータの損傷または不具合は、この改良形態の場合、トランスポンダがアクチュエータのほぼ全長にわたって延びているので、よりよく認識できる。損傷の場合、少なくとも1つのラインまたはアンテナを切り離して、ループアンテナの誘導率を変更することができるであろう。したがって、別の無傷の信号ユニットの場合でも、トランスポンダが何も送らない、または変更された周波数で信号を送るため、不具合を認識できる。
【0042】
本発明の別の改良形態では、ブロック部材を解除方向に選択的に移動するために、ブロック部材に結合されている解錠スイッチが提供される。
これにより、システムの不具合がある場合に施錠装置を開にすることを可能にするために、好ましくは機械的に実現される緊急解錠手順をもたらすことが可能である。好ましくは、解錠スイッチは、不注意で閉じ込められたオペレータがいつでもエンクロージャから脱出できるようにするために、エンクロージャ内部に配置するべきである。
【0043】
本発明の好適な改良形態において、インターフェースによって信号を受信し、処理し、送信するように設計されている制御ユニットが提供される。インターフェースは少なくとも1つの結線を有し、結線が信号の送信または受信のいずれかのためにのみ実現される第1単方向モードと、結線が信号の送受信のために双方向結線の形態で実現される第2の選択的に起動可能なモードとを備える。
【0044】
この結果、いくつかの施錠装置を、適切なら別の安全デバイスにまとめて接続でき、制御デバイスはケーブリングによって接続されている。これに関連して、ケーブリングは、第2モードの場合に、施錠装置を直列に接続できるため、少数の線を使用して単純に実現できる。
換言すると、施錠装置は第2モードではバスラインによって制御できる。これに関連して、施錠装置の場合、選択的に起動可能なバスモードのときに、上流の直列接続されている施錠装置からの信号を入力によって受信し、適切なら処理して、施錠装置自体によって生成される信号とともに出力によって下流の直列接続されている施錠装置に、および最終的には制御デバイスに転送できるように、内部バスを設けることができることが認められる。
【0045】
このように安全装置が実現でき、制御デバイスはバスによって環状的または直線的に施錠装置に、および少なくとも1つの別の施錠装置または少なくとも1つの安全デバイスにリンクされている。とくに、分散した信号線の場合に必要であろう星形ケーブリングを回避できる。このような安全装置はほとんど出費なく、既存のケーブリングに最小限の介入を必要とするのみで、設置、改造または拡張できる。
【0046】
本発明の前述の特徴および以下に述べる本発明の特徴は、それぞれの場合に明記される組み合わせだけでなく、本発明の構成を逸脱することなく他の組み合わせまたは単独で利用できることは言うまでもない。本発明の他の特徴および利点は、図面を参照していくつかの好適な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。