特許第5718368号(P5718368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718368
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】成形波長変換層を備える発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20150423BHJP
   H01L 33/52 20100101ALI20150423BHJP
【FI】
   H01L33/00 410
   H01L33/00 420
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-552497(P2012-552497)
(86)(22)【出願日】2011年2月3日
(65)【公表番号】特表2013-520004(P2013-520004A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】IB2011050472
(87)【国際公開番号】WO2011101764
(87)【国際公開日】20110825
【審査請求日】2014年1月31日
(31)【優先権主張番号】12/706,149
(32)【優先日】2010年2月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ベイジン グリゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ポール エス
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−153500(JP,A)
【文献】 特開2009−094262(JP,A)
【文献】 特開2007−123915(JP,A)
【文献】 特開2006−148147(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3120556(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長変換材料を含む可撓性フィルムを光源の上に位置付けるステップと、
前記光源を、鋳型のくぼみと位置合わせするステップと、
前記光源と前記鋳型との間に透明な成形材料を配置するステップと、
前記成形材料を前記くぼみに充填させ、前記可撓性フィルムを所定の形状に適合させるよう、前記光源と前記鋳型とを押し付けるステップとを有する方法であって、前記光源が、支持基板に取り付けられる半導体発光装置を有し、前記可撓性フィルムが、前記半導体発光装置と直接接触し、前記半導体発光装置の形状に適合する方法
【請求項2】
前記可撓性フィルムが、シリコーンフィルム内に配置される粉末蛍光体を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリコーンフィルムが、前記位置付けるステップの前に、完全に硬化される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記シリコーンフィルムが、前記位置付けるステップの前に、部分的に硬化される請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記可撓性フィルムが、波長を変換しない材料を更に含み、前記波長を変換しない材料が、前記可撓性フィルムの屈折率を変える請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記くぼみが、レンズのような形状をしている請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記可撓性フィルムが、前記半導体発光装置と直接接触する第1可撓性フィルムであり、前記方法が、
波長変換材料を含み、前記鋳型と直接接触する第2可撓性フィルムを位置付けるステップを更に有し、
前記透明な成形材料が、前記第1可撓性フィルムと前記第2可撓性フィルムとの間に配置される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2可撓性フィルムが、前記くぼみの形状に適合する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2可撓性フィルムが、支持フィルム上に配置される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記光源と前記鋳型とを押し付けるステップの後に、前記支持フィルムを取り除くステップを更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記成形材料を前記くぼみに充填させ、前記可撓性フィルムを所定の形状に適合させるよう、前記光源と前記鋳型とを押し付けるステップが、前記成形材料を前記くぼみに引き入れる減圧環境を作成するステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体発光装置が、III族窒化物発光ダイオードである請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換光放射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)、共振空洞発光ダイオード(RCLED)、垂直空洞レーザダイオード(VCSEL)及び端面発光レーザを含む半導体発光装置は、現在利用可能な最も効率的な光源である。可視スペクトルにわたって動作可能な高輝度発光装置の製造において現在興味深い材料系は、III−V族半導体、とりわけ、III族窒化物材料とも呼ばれる、ガリウム、アルミニウム、インジウム及び窒素の、二元、三元及び四元合金を含む。一般に、III族窒化物発光装置は、有機金属気相成長法 (MOCVD)、分子線エピタキシ(MBE)又は他のエピタキシャル技術によって、サファイア、炭化ケイ素、III族窒化物又は他の適切な基板上に、様々な組成及びドーパント濃度の半導体層のスタックをエピタキシャルに成長させることによって、製造される。前記スタックは、多くの場合、基板の上に形成される例えばSiがドーピングされている1つ以上のn型層と、1つ又は複数のn型層の上に形成される活性領域内の1つ以上の発光層と、活性領域の上に形成される例えばMgがドーピングされている1つ以上のp型層とを含む。n型領域及びp型領域において電気接点が形成される。
【0003】
図1は、参照により本願明細書に盛り込まれるUS 7,352,011により詳細に記載されているLEDを図示している。LED10は、(図1には示されていない)支持構造物に取り付けられる。内部レンズ64は、LED10を覆うよう成形される。レンズ64は、以下のように形成される。レンズ64の形状の鋳型が、LED10の上に位置付けられる。鋳型は、非粘着性フィルムで内側を覆われ得る。鋳型に、シリコーン又はエポキシなどの適切な透明熱硬化性液体レンズ材料が充填される。支持構造物の周囲と鋳型との間の真空封止がなされ、2つの部品が、各LEDチップ10が液体レンズ材料に挿入され、レンズ材料が圧縮下にあるように、互いに押し付けられる。次いで、鋳型は、レンズ材料を硬化するために、しばらくの間、約摂氏150度(又は他の適切な温度)まで加熱される。次いで、支持構造物が、鋳型から分離される。(より深く、より広いくぼみを備える鋳型を用いる)別の成形ステップにおいて、内部レンズ64のすぐ上に、任意の厚さの蛍光体/シリコーン外殻66が形成される。蛍光体/シリコーン外殻66の上には、ビームを更に成形する外部レンズ68が、別の鋳型を用いて形成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、光源の上で成形される可撓性フィルムの状態で波長変換材料を供給することである。幾つかの実施例において、前記波長変換材料の厚さは、厳しく制御され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例においては、波長変換材料を含む可撓性フィルムが、光源の上に位置付けられる。前記可撓性フィルムは、所定の形状に適合させられる。幾つかの実施例において、前記光源は、支持基板に取り付けられる発光ダイオードである。前記ダイオードは、前記可撓性フィルムが、前記支持基板と鋳型との間に配置されるように、前記鋳型のくぼみと位置合わせされる。前記支持基板と前記鋳型との間には透明な成形材料が配置される。前記支持基板と前記鋳型とは、前記成形材料を前記くぼみに充填させるよう、押し付けられる。前記可撓性フィルムは、前記光源又は前記鋳型の形状に適合する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】支持構造物上に取り付けられ、成形レンズで覆われる従来技術のLEDを図示する。
図2】鋳型と、支持基板に取り付けられた多数のLEDとの間に配置された可撓性波長変換フィルムを図示する。
図3】支持基板に取り付けられたLEDと、鋳型の内側を覆う波長変換フィルムとの間に配置された成形材料を図示する。
図4】LEDの上のレンズに成形された図3の成形材料を図示する。
図5】鋳型を取り除いた後の図4の構造を図示する。
図6】支持フィルムを取り除いた後の図5の構造を図示する。
図7】支持基板に取り付けられたLEDの上に位置付けられた可撓性波長変換フィルムを図示する。
図8】ひっくり返され、鋳型の上に位置付けられた図7の構造を図示する。
図9】波長変換フィルムと鋳型との間に配置された成形材料を図示する。
図10】LEDの上のレンズに成形された図9の成形材料を図示する。
図11】鋳型を取り除いた後の図10の構造を図示する。
図12】支持基板に取り付けられたLEDの下に位置付けられた第1波長変換フィルムと、鋳型の上に位置付けられた第2波長変換フィルムとを図示する。
図13図12に図示されている2つの波長変換フィルムの間に配置された成形材料を図示する。
図14】LEDの上のレンズの形にされた図13の成形材料を図示する。
図15】鋳型を取り除いた後の図14の構造を図示する。
図16】支持フィルムを取り除いた後の図15の構造を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に図示されている装置においては、3つの鋳型、透明な層64を形成するための第1の鋳型と、蛍光体層66を形成するための第2のより大きい鋳型と、透明な層68を形成するための第3の更に大きい鋳型とが用いられる。蛍光体層66の厚さは、装置によって放射される光の色温度などの特性を決定する。蛍光体層66の厚さは、蛍光体鋳型の位置合わせにおけるばらつきに基づいて、変化し得る。これは、放射される光の特性を望ましくなく変化させ得る、例えば、蛍光体層66は、100μmの範囲内の厚さであり得る。蛍光体鋳型の鋳型位置合わせ許容誤差は、30乃至50μmの範囲内であり得る。蛍光体の目標厚さに比べて高い鋳型位置合わせ許容誤差は、装置から放射される光の色点を望ましくなく移動する蛍光体の厚さのばらつきをもたらし得る。
【0008】
本発明の実施例においては、波長変換材料は、半導体発光装置などの光源の上で成形される可撓性フィルムの形にされる。フィルムは、蛍光体が充填される、シリコーンなどの完全に又は部分的に硬化される透明な材料であり得る。波長変換フィルムは、成形処理とは別に形成されてもよく、これは、波長変換フィルムの厚さの厳しい制御、並びに成形の前のフィルムの特性のテスト及び検査を可能にする。本発明による成形及び他の処理ステップは、US 7,352,011に記載されているように実施され得る。幾つかの実施例において、波長変換可撓性フィルムは、例えば、蛍光体及びシリコーンの混合物を支持フィルム上に広げ、次いで、シリコーンを完全に又は部分的に硬化させて波長変換フィルムにすることによって、エチレン−テトラフルオロエチレンフィルムなどの支持フィルム上に形成される。波長変換材料は、下記の処理をする前に取り除かれる別のエチレン−テトラフルオロエチレンフィルムによって一時的に保護されてもよい。処理後、支持フィルムは、一般に、波長変換フィルムからはがされる。幾つかの実施例において、支持フィルムは、成形レンズを鋳型から解放する解放フィルムとしての役割を果たす。
【0009】
幾つかの実施例において、波長変換フィルムに、ダイヤモンドなどの熱放散材料が加えられ得る。幾つかの実施例において、波長変換フィルムに、フィルムの屈折率を調節して、光伝送を改善し、且つ/又は変換を改善するよう、ダイヤモンドなどの材料が加えられ得る。
【0010】
予備事項として、光源が設けられる。下記の例においては、光源はLEDであるが、あらゆる適切な光源が用いられ得る。また、下記の例においては、光源は、青色又はUV光を放射するIII族窒化物LEDであるが、LED以外の半導体発光装置、及び他のIII−V族材料、III族燐化物、III族砒化物、II−VI族材料、又はSiベースの材料などの他の材料系から作成された半導体発光装置が用いられてもよい。
【0011】
従来のIII族窒化物LED10は、まず、成長基板上に半導体構造を成長させることによって形成される。一般に、n型領域が、最初に成長させられ、例えば、n型であり得る又は意図的にはドーピングされない、バッファ層又は核形成層などの準備層、後の基板の剥離又は基板除去後の半導体構造の薄層化を容易にするよう設計される剥離層、及び発光領域が効率的に光を放射するのに望ましい特定の光学的又は電気的特性のために設計されるn型装置層又はp型装置層を含む、異なる組成及びドーパント濃度の多数の層を含み得る。発光又は活性領域は、n型領域の上で成長させられる。適切な発光領域の例は、単一の厚い若しくは薄い発光層、又は障壁層によって分離される多数の薄い若しくは厚い量子井戸発光層を含む多重量子井戸発光領域を含む。p型領域は、発光領域の上で成長させられる。n型領域と同様に、p型領域は、意図的にはドーピングされない層又はn型層を含む、異なる組成、厚さ及びドーパント濃度の多数の層を含み得る。
【0012】
n型層への電気的アクセスを得るために様々な技術が用いられる。p型層及び活性層の一部は、金属化のためにn型層を露出させるようエッチングされる。この方法においては、p型接点とn型接点とが、チップの同じ側にあり、適切な台の上の導体パッドに、直接、電気的に取り付けられることができる。装置は、光が、上面(即ち、電気接点が形成される面)又は底面(即ち、反射性接点を備えるフリップチップ)から抽出されるように取り付けられ得る。成長基板は、半導体構造から取り除かれてもよく、又は完成装置の一部のままであってもよい。基板除去後、半導体構造が、薄くされてもよく、基板を取り除くことによって露出したn型領域の表面が、例えば、粗くすることによって、又はフォトニック結晶構造を形成することによって、光抽出を改善するよう、テクスチャード加工されてもよい。垂直射出LEDにおいては、対照的に、n型接点は、半導体構造の一方の側に形成され、p型接点は、半導体構造の他方の側に形成される。p型接点又はn型接点のうちの一方との電気接触は、ワイヤ又は金属ブリッジを用いてなされ、他方の接点は、台の上の導体パッドに、直接、結合される。下記の例は、成長基板が取り除かれているフリップチップ装置を含むが、あらゆる適切な装置構造が用いられ得る。
【0013】
LEDの上で成形される可撓性フィルムには、蛍光体又は染料などの1つ以上の波長変換材料が含まれ得る。可撓性フィルムには、例えば、光散乱をもたらすよう、又は装置のオフ状態の白色の見た目を改善するよう、TiOx粒子などの波長を変換しない材料が含まれてもよい。可撓性フィルムは、例えば、光抽出を改善するようマイクロレンズをエンボス加工することによって、光学特性を変えるようテクスチャード加工され得る。
【0014】
1つ以上の波長変換材料と組み合わされたLEDは、白色光又は他の色の単色光を作成するのに用いられ得る。LEDによって放射される光の全て又は一部だけが、波長変換材料によって変換され得る。下記の例においては、波長変換材料は、粉末蛍光体であるが、あらゆる適切な波長変換材料が用いられ得る。無変換光が、光の最終スペクトルの一部であってもよいが、そうである必要はない。一般的な組み合わせの例は、黄色放射蛍光体と組み合わされる青色放射LEDと、緑色及び赤色放射蛍光体と組み合わされる青色放射LEDと、青色及び黄色放射蛍光体と組み合わされるUV放射LEDと、青色、緑色及び赤色放射蛍光体と組み合わされるUV放射LEDとを含む。装置から放射される光のスペクトルを調整するために、他の色の光を放射する波長変換材料が用いられてもよい。多数の波長変換材料は、混ぜ合わされて単一のフィルムに形成されてもよく、単一のフィルム内の別々の層として形成されてもよく、又は多数のフィルム内の混合層若しくは別々の層として形成されてもよい。
【0015】
可撓性フィルムに形成される波長変換材料は、装置において、LEDに接着若しくは結合される予備成形セラミック蛍光体層、又はLEDの上に、ステンシルで印刷される、スクリーン印刷される、吹き付けられる、沈殿される、蒸着される、スパッタリングされる、若しくは別の方法で投与される有機カプセル材料内に配置される粉末蛍光体などの他の従来の波長変換材料と組み合されてもよい。
【0016】
図2乃至6は、本発明の第1実施例の形成を図示している。
【0017】
図2においては、支持基板12に取り付けられた幾つかのLED10が、鋳型20の、各LED10に対応するくぼみ22と位置合わせされる。波長変換可撓性フィルム14は、支持フィルム16上に配置される。波長変換フィルム14及び支持フィルム16は、支持基板12と鋳型20との間に配置される。幾つかの実施例において、波長変換フィルムは、完全に硬化される。幾つかの実施例において、支持フィルム16は、図3に記載されている成形材料24が、鋳型20に付着するのを防止する、エチレン−テトラフルオロエチレンなどの材料である。
【0018】
波長変換フィルム14の厚さは、用いられる波長変換材料と、装置から放射される光の所望の特性とに依存する。波長変換フィルム14の厚さは、幾つかの実施例において、10μmと200μmとの間であってもよく、幾つかの実施例において、40μmと60μmとの間であってもよく、幾つかの実施例において、50μmであってもよい。
【0019】
図3においては、支持フィルム16及び波長変換フィルム14が、鋳型20のくぼみ22の内側を覆うように鋳型20に押し付けられる。例えば、支持フィルム16及び波長変換フィルム14は、鋳型のくぼみの上に広げられてもよく、次いで、図3に図示されているように鋳型のくぼみにフィルムを引き入れる減圧環境又は真空状態が作成されてもよい。鋳型20と支持基板12との間には成形材料24が配置される。くぼみ22は、任意の適切な形状をとり得るが、一般に、くぼみ22は、レンズのような形状をしており、成形材料24は、透明である。成形材料24は、多くの場合、シリコーンであるが、あらゆる適切な成形材料が用いられ得る。
【0020】
図4においては、成形材料24を、強制的に、鋳型20のくぼみ22に充填させ、LED10及び支持基板12に付着させるよう、鋳型20と支持基板12とが押し付けられる。成形材料24をくぼみ22に引き入れるために、真空状態又は減圧環境が利用されてもよい。各LED10上にレンズ26が形成される。成形材料24は、例えば加熱することによって、固体レンズ26を形成するよう、成形材料に適切なように硬化され得る。
【0021】
図5においては、各LED10の上に成形材料24から形成されたレンズ26を残して、鋳型20が取り除かれる。波長変換フィルム14及び支持フィルム16は、各レンズ26の上、且つ隣接するレンズの間に配置される。
【0022】
図6においては、支持フィルム16が取り除かれる。
【0023】
図6に図示されている装置においては、波長変換フィルム14は、レンズ26によって、LED10から間隔をおいて配置される。図7乃至11は、LEDと直接接触している波長変換フィルムを備える装置の形成を図示している。
【0024】
図7においては、可撓性波長変換フィルム28は、LED10の上に位置付けられ、LED10は、支持基板12に取り付けられる。波長変換フィルム28は、上記の波長変換フィルム14と同じ特性を持っていてもよく、支持フィルム上に形成されてもよい。幾つかの実施例において、波長変換フィルム28は、部分的にしか硬化されない。
【0025】
図8においては、LED10が、鋳型20の、各LED10に対応するくぼみ22と位置合わせされる。
【0026】
図9においては、鋳型20と波長変換フィルム28との間に、成形材料24が配置される。鋳型20は、図9には示されていないオプションの解放フィルムで内側を覆われてもよい。
【0027】
図10においては、成形材料24を、強制的に、鋳型20のくぼみ22の形状にして、各LED10の上にレンズ26を形成するよう、鋳型20と支持基板12とが押し付けられる。成形材料24は、波長変換フィルム28を、強制的に、LED10及び支持基板12の形状に適合させ、LED10及び支持基板12に付着させる。成形材料24は、波長変換フィルム28に付着する。成形材料24は、上記のように硬化されてもよい。
【0028】
図11においては、鋳型20が取り除かれる。レンズ26の上にとどまっている解放フィルムも取り除かれる。図11に図示されている装置においては、波長変換フィルム28は、LED10、及びLED10間の支持基板12と直接接触している。波長変換フィルム28の上には、レンズ26が配置されている。
【0029】
図12乃至16は、2つの波長変換フィルムを備える装置の形成を図示している。
【0030】
図12においては、可撓性波長変換フィルム28が、上で、図7に関して記載されているように、LED10及び支持基板12の上に位置付けられる。波長変換フィルム28は、支持フィルム上に形成されてもよく、幾つかの実施例においては、部分的に硬化される。波長変換フィルム14及び支持フィルム16は、上で、図2に関して記載されているように、鋳型20の上に位置付けられる。幾つかの実施例において、波長変換フィルム14は、完全に硬化される。鋳型20のくぼみ22が、LED10と位置合わせされる。
【0031】
図13においては、波長変換フィルム14及び支持フィルム16が、上で、図3に関して記載されているように、鋳型20の内側を覆うように、鋳型20のくぼみ22に押し込まれる。成形材料24は、波長変換フィルム28と波長変換フィルム14との間に投与される。
【0032】
図14においては、鋳型20と支持基板12とが押し付けられる。成形材料24は、鋳型20のくぼみ22を満たして、LED10の上にレンズを形成する。成形材料24は、波長変換フィルム28を、強制的に、LED10及び支持基板12の形状に適合させる。
【0033】
図15においては、鋳型20が取り除かれる。
【0034】
図16においては、支持フィルム16が取り除かれる。図16に図示されている装置においては、第1波長変換フィルム28が、LED10の上面と直接接触している。第1波長変換フィルム28の上には、レンズ26が配置される。レンズ26の上には、第2波長変換フィルム14が配置される。第1及び第2波長変換フィルムは、異なる波長変換材料を含み得る。或る例においては、LED10は、青色光を放射してもよく、波長変換フィルムのうちの一方は、黄色又は緑色放射蛍光体を含んでもよく、波長変換フィルムのうちの他方は、赤色放射蛍光体を含んでもよい。
【0035】
幾つかの実施例において、波長変換フィルム14を保護するために、図6及び16に図示されている装置の上に、オプションの付加的な透明層が成形されてもよい。付加的な透明層は、抽出効率を高めるよう成形されてもよく、且つ/又は所望の供給源サイズを供給するよう所定の大きさに作られてもよい。材料は、装置から放射される光の色対角度を改善するよう、又は全体的な光出力を増大させるよう、選択され得る。付加的な透明層の表面の全て又は一部が、光抽出を改善するよう、テクスチャード加工されてもよい。幾つかの実施例において、レンズ26は、付加的な透明層より小さい屈折率を持ち、このことは、無変換青色光子であって、それらが吸収されて失われ得るLEDの方へ後方散乱される無変換青色光子の数を減らし得る。或る例においては、レンズ26の屈折率は1.4以下であり、付加的な透明層の屈折率は1.5以上である。
【0036】
上の実施例において記載されているような成形波長変換フィルムには、従来の波長変換層に比べて幾つかの利点があり得る。可撓性波長変換フィルムは、成形処理とは別に形成され得る。所望の色を達成するために、色測定が、予め実施されることができ、所与のLED発光色に合わせてフィルムが調整され得る。波長変換フィルムは、低いコストで大きな面積を製造され得る。LED10と波長変換フィルム14との間の距離、波長変換フィルムの厚さ、及びLEDの上の波長変換フィルムの厚さの一様性は、抽出効率、色制御及び供給源サイズを改善するよう、厳しく制御され、最適化され得る。
【0037】
LEDのすぐ上に波長変換フィルムを配置するのと対照的に、図6に図示されているような近隔配置において波長変換フィルムを光源から間隔をおいて配置することにも利点があり得る。例えば、近隔波長変換フィルムは、LEDからより少ない熱にしかさらされないかもしれず、これは、温度に影響されやすい波長変換材料の使用を可能にし得る。近隔波長変換層における光子密度は、減らされることができ、これは、装置からの光出力を増大させ得る。LEDの吸収断面は、近隔波長変換フィルムで減らされることができ、これは、抽出効率を高め得る。装置のオフ状態の白色の見た目を改善するよう、波長変換フィルムに含まれるTiOxなどの材料を備える装置においては、所与の白さのための光損失が、吸収断面の減少により、減らされ得る。近隔波長変換装置においては、放射される光の色対角度依存性が減らされ得る。
【0038】
本発明を詳細に説明したが、当業者には、本開示を鑑みて、ここに記載されている本発明の思想の趣旨から外れない修正が本発明に対してなされ得ることは分かるであろう。それ故、本発明の範囲を、図示及び記載されている特定の実施例に限定する意図はない。
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